JP2007266123A - 半導体装置 - Google Patents

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佐智子 河路
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Abstract

【課題】耐電圧特性を向上させた半導体装置を提供する。
【解決手段】N-型半導体層22の表層部に形成されたP+型領域24と、P+型領域24よりドーパント濃度が低く、P+型領域24の外周部に接合されたリサーフ領域38と、N-型半導体層22の表層部において、リサーフ領域38を挟んでP+型領域24に対向してリサーフ領域38から離れた領域に形成された等電位リング領域26と、N-型半導体層22の表面上をP+型領域24から等電位リング領域26に亘って覆う絶縁膜30と、P+型領域24に接続された第1電極36と、等電位リング領域26に接続された等電位リング電極34と、を備え、N-型半導体層22の表層部において、リサーフ領域38と等電位リング領域26との間のリサーフ領域38から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域40が設けられている半導体装置により上記課題を解決することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐電圧特性を向上させた半導体装置に関する。
特許文献1には、図10に示すように、N-型領域5、P+型領域3、等電位リング領域4、JTE(Junction-Termination-Extension)構造をなるP-型領域12、絶縁膜6、P+型領域に接続される電極7、N-型領域に接続される電極8及び等電位リング電極14を備える半導体装置が開示されている。ここで、P-型領域12の半導体素材表面に露出する面が絶縁膜6により覆われており、等電位リング電極14の内端部14aがP-型領域12の外周直上位置より内側まで延設されている構造としている。このような構造とすることによって、半導体装置の高耐圧化及び小面積化を図っている。
特開2003−298071号公報
上記従来技術では、N-型領域5内にJTE構造をなるP-型領域12を形成することによって、N-型領域5へ正電圧が印加された場合に広い領域が空乏化されることよって高耐圧が得られる。このような構造においてブレークダウンが発生する場合、P-型領域12とP+型領域3との接触点においてアバランシェブレークダウンが発生する。この場合、P-型領域12とP+型領域3との接触点において、局所的に電流が集中し、1×10-4A程度の臨界電圧で耐圧が低下する負性抵抗特性を示す。このように、上記従来技術では、ブレークダウンが発生する際の臨界電流値が低いという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題を鑑み、耐電圧特性を向上させた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、フィールドプレート構造を有する半導体装置に関する。すなわち、第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、前記半導体層の表層部における前記第2導電型高濃度領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、前記等電位リング領域に接続された第2電極と、を備えた半導体装置であって、前記半導体層の表層部において、前記第2導電型高濃度領域と前記等電位リング領域との間の前記第2導電型高濃度領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする。
本発明は、JTE(Junction-Termination-Extension)構造を有する半導体装置に関する。すなわち、第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、前記第2導電型高濃度領域よりドーパント濃度が低く、前記第2導電型高濃度領域の外周部に接合された第2導電型リサーフ領域と、前記半導体層の表層部において、前記第2導電型リサーフ領域を挟んで前記第2導電型高濃度領域に対向して前記第2導電型リサーフ領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、前記等電位リング領域に接続された第2電極と、を備えた半導体装置であって、前記半導体層の表層部において、前記第2導電型リサーフ領域と前記等電位リング領域との間の前記第2導電型リサーフ領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする。
ここで、前記フィールドストップ領域は、前記半導体層の表面に対して前記第2導電型リサーフ領域の最深部よりも浅い位置に設けられていることが好適である。
本発明は、フィールド・リミッテイング・リング構造を有する半導体装置に関する。第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、前記半導体層の表層部において、前記第2導電型高濃度領域から離れた領域に形成された第2導電型の第2導電型フローティング領域と、前記半導体層の表層部において、前記第2導電型フローティング領域を挟んで前記第2導電型高濃度領域に対向して前記第2導電型フローティング領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、前記等電位リング領域に接続された第2電極と、を備えた半導体装置であって、前記半導体層の表層部において、前記第2導電型低濃度領域と前記等電位リング領域との間の前記第2導電型フローティング領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする。
本発明は、スーパージャンクション構造を有する半導体装置に関する。第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、前記半導体層の表層部における前記第2導電型高濃度領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、前記半導体層の表層部において、前記第2導電型高濃度領域と前記等電位リング領域との間に第1導電型の領域と第2導電型の領域とが交互に配置されたスーパージャンクション領域と、前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、前記等電位リング領域に接続された第2電極と、を備えた半導体装置であって、前記半導体層の表層部において、前記スーパージャンクション領域と前記等電位リング領域との間の前記スーパージャンクション領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする。
上記各発明において、前記フィールドストップ領域は、前記半導体層のドーパント濃度の10倍以上のドーパント濃度を有することが好適である。また、前記所定のギャップは、10μm以上であることが好適である。また、前記絶縁膜上に、前記第1電極及び前記第2電極と電気的に接続されていないフローティング電極が設けられていることが好適である。
本発明によれば、耐電圧特性を向上させた半導体装置を実現することができる。特に、ブレークダウンに到る臨界電流値を高め、低電流でのアバランシェブレークダウンの発生を抑制することを可能とする。
<第1の実施の形態>
本発明の実施の形態における半導体装置100は図1に示す構造を有する。図1は、上の領域が平面図、下の領域が断面図を表している。
半導体装置100はN-型の半導体基板20をベースに形成される。N-型の半導体基板20は、例えば、シリコン(Si)等の半導体基板にN型のドーパント(燐、アンチモン等)を添加したものである。N-型半導体層22に添加されるN型ドーパントの濃度は1×1013/cm3〜1×1014/cm3程度にすることが好適である。
-型半導体層22の表層中央部には、P型のドーパント(ボロン、アルミニウム等)が高濃度に添加されたP+型領域24が形成される。また、N-型半導体層22の表層外周部には、N型のドーパントが高濃度に添加された等電位リング領域26が形成される。一方、N-型半導体層22の裏面には、P型のドーパントが高濃度に添加されたP+型領域28が設けられる。P+型領域24、等電位リング領域26及びP+型領域28のドーパント濃度は1×1018/cm3〜1×1020/cm3程度とすることが好適である。
さらに、N-型半導体層22の表面にはシリコン酸化膜等の絶縁膜30が形成される。絶縁膜30には、N-型半導体層22の表面のうちP+型領域24の少なくとも一部と等電位リング領域26の少なくとも一部を含む領域に開口部が設けられ、その開口部を介してP+型領域24に接続される第1電極32と、等電位リング領域26に接続される等電位リング(Equi-Potential-Ring)電極34が形成される。また、N-型半導体層22の裏面のP+型領域28に接続される第2電極36が形成される。第1電極32、等電位リング電極34及び第2電極36は、例えば、アルミニウム等の金属により構成される。なお、等電位リング電極34は、等電位リング領域26の電位を第2電極36の電位と同電位に維持するものであり、素子周辺の電位を安定化させる効果を有する。
また、N-型半導体層22の表層のP+型領域24から等電位リング領域26までの領域の一部にはP型のドーパントが添加されたリサーフ領域38が設けられる。リサーフ領域38は、少なくともP+型領域24の外周部に接合し、P+型領域24の外周部を取り囲むようにリング状に形成される。リサーフ領域38は、等電位リング領域26から離れた位置に配置される。また、リサーフ領域38の少なくとも一部は、N-型半導体層22の表面上に形成された絶縁膜30下にかかるように配置されることが好適である。
リサーフ領域38は、例えば、P型ドーパント(ボロン、アルミニウム等)を1×1012/cm2〜1×1013/cm2程度のドーズ量で、N-型半導体層22の表面からの導入深さが3μm〜6μm程度となるように注入することによって形成することができる。
さらに、N-型半導体層22の表層のP+型領域24から等電位リング領域26までの絶縁膜30下の領域には、P+型領域24の外周部を取り囲むようにリング状にフィールドストップ領域40が設けられる。フィールドストップ領域40は、N型又はP型のドーパントをN-型半導体層22のドーパント濃度の10倍以上に添加して構成される。フィールドストップ領域40は、リサーフ領域38から所定のギャップLGだけ離れた位置に配置される。また、フィールドストップ領域40は、図1のように等電位リング領域26に接するように設けられてもよいし、図4のように等電位リング領域26から離して設けられてもよい。また、フィールドストップ領域40はN-型半導体層22の表層付近に設けられるが、好ましくはリサーフ領域38の最深部よりも浅い位置に少なくともフィールドストップ領域40の一部が配置されるように設けることが好適である。
<作用・効果>
第1電極32と第2電極36の間に逆方向電圧が印加されると、P+型領域28とN-型半導体層22との間に空乏層が広がる。N-型半導体層22とリサーフ領域38は、P+型領域28に比べてドーパント濃度が低いため、N-型半導体層22とリサーフ領域38とのPN-接合面を境に、主にN-型半導体層22とリサーフ領域38内に空乏層が広がる。
このように逆バイアスにより空乏層が広がった場合、従来技術では、P-型領域の終端部、及び、P-型領域(リサーフ領域)とP+型領域との接触点においてアバランシェブレークダウンが発生し、その部分に電流が集中することによって耐圧が低下する(図2のラインBで示す)。このとき、逆バイアス特性が負性抵抗特性、すなわち逆方向電流の増加に伴って逆バイアス電圧値が低下する特性を示し始める臨界電流値IcriBは0.1mA程度となる。
一方、本実施の形態における半導体装置100では、フィールドストップ領域40が存在することによって、リサーフ領域38とフィールドストップ領域40のポイントa及びbでアバランシェブレークダウンを発生させ、これによって、一時的にリサーフ領域38とP+型領域24との境界領域への電流の集中が回避される。このとき、図2のラインAに示すように、逆方向電流が増加する傾向がみられ、負性抵抗特性を示すまでには至らない。さらに、逆バイアス電圧を高めると、リサーフ領域38とP+型領域24との接触点、及び、P+型領域24のコーナー部でアバランシェブレークダウンが強くなり、逆バイアス特性が負性抵抗特性を示し始める。このときの臨界電流値IcriAは0.1A程度となり、従来の臨界電流値IcriBの1000倍程度の大きさとなる。
ここで、リサーフ領域38とフィールドストップ領域40とのギャップLGは、10μm以上とすることが好適である。図3は、ギャップLGと臨界電流値IcriAとの関係をリサーフ領域38の領域長JLをパラメータとして表したグラフである。図3に示すように、ギャップLGが40μmまでは臨界電流値IcriAは高く維持されているが、ギャップLGが40μm以上になると徐々に臨界電流値IcriAが低下し、50μm以上ではフィールドストップ領域40の作用が顕著でなくなる。また、リサーフ領域38の領域長JLが長いほど、フィールドストップ領域40を設けることによる臨界電流値IcriAを向上させる作用が顕著となることがわかる。なお、本結果は、50Ωcmの場合であり、ギャップLGの最適値は基板の比抵抗に関係して変化する。
以上のように、本実施の形態では、フィールドストップ領域40を設けることによって、低い逆電流値における耐圧の低下を抑制することができる。すなわち、ブレークダウンに到る臨界電流値を高め、低電流でのアバランシェブレークダウンの発生を抑制することができる。その結果、耐電圧特性を向上させた半導体装置を実現することができる。
なお、図4の変形例における半導体装置102のように、フィールドストップ領域40は等電位リング領域26から離れた位置に形成してもよい。また、フィールドストップ領域40は、リサーフ領域38の最深部よりも浅い位置に少なくともフィールドストップ領域40の一部が配置されるように設けられることが好ましく、N-型半導体層22の表面に接していなくてもよい。なお、図4は、上の領域が平面図、下の領域が断面図を表している。
また、本実施の形態ではフィールドストップ領域40はP+型領域24の外周全周を取り囲むようにリング状に設けたが、図5の変形例における半導体装置104の平面図に示すように、ギャップ部42を有し、P+型領域24の外周部を取り囲むリングが切れた構造としてもよい。ギャップ部42の幅をフィールドストップ領域40の幅に比べて小さく設定すれば、ギャップ部42による影響は小さく、低電流でのアバランシェブレークダウンの発生を抑制する作用・効果を得ることができる。なお、図5は、上の領域が平面図、下の領域が断面図を表している。
また、図6の変形例における半導体装置106のように、絶縁膜30上に第1電極32及び等電位リング電極34と電気的に接続されてないフローティング電極44を形成することも好適である。フローティング電極44は、図6に示すように、絶縁膜30上の第1電極32から等電位リング電極34までの領域に、所定の間隔を空けて第1電極32を取り囲むようにリング状に形成することが好適である。フローティング電極44は、絶縁膜30の表面準位の影響を抑制する作用・効果を奏する。なお、図6は、上の領域が平面図、下の領域が断面図を表している。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態における半導体装置108は、図7に示すように、フィールドプレート構造を有する。図7は、上の領域が平面図、下の領域が断面図を表している。図7において、第1の実施の形態と同じ構成要素には図1と同じ符号を付して説明を省略する。
第1の実施の形態と同様に、N-型半導体層22の表層のP+型領域24から等電位リング領域26までの絶縁膜30下には、P+型領域24の外周部を取り囲むようにリング状にフィールドストップ領域40が設けられる。フィールドストップ領域40の位置、サイズ、ドーパント濃度等の形成条件は第1の実施の形態と同様とすることが好適である。なお、P+型領域24とフィールドストップ領域40との間のギャップは第1の実施の形態と同様に設定することが好適である。
また、N-型半導体層22の表面にはシリコン酸化膜等の絶縁膜30が形成される。絶縁膜30には、N-型半導体層22の表面のうちP+型領域24の少なくとも一部と等電位リング領域26の少なくとも一部を含む領域に開口部が設けられ、その開口部を介してP+型領域24に接続される第1電極32と、等電位リング領域26に接続される等電位リング(Equi-Potential-Ring)電極34が形成される。
ここで、本実施の形態では、絶縁膜30上におけるP+型領域24から等電位リング領域26の内端部を絶縁膜30の表面に投影した位置まで跨るように第1電極32が延設される。
このようなフィールドプレート構造を持たせることによって、リサーフ領域38を設けることなく絶縁耐圧を向上させることができる。さらに、本実施の形態では、フィールドストップ領域40とN-型半導体層22との境界においてアバランシェブレークダウンが発生する。これによって、N-型半導体層22とP+型領域24との境界領域への電流の集中を回避することができ、従来よりも高い臨界電流値を示す高耐圧特性を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、フィールドプレート構造を有する半導体装置108においてフィールドストップ領域40を設けることによって、低い逆電流値における耐圧の低下を抑制することができる。すなわち、ブレークダウンに到る臨界電流値を高め、低電流でのアバランシェブレークダウンの発生を抑制することができる。その結果、耐電圧特性を向上させた半導体装置を実現することができる。
なお、第1の実施の形態と同様に、フィールドストップ領域40は等電位リング領域26から離れた位置に形成してもよいし、等電位リング領域26と接するように形成してもよい。また、フィールドストップ領域40は、P+型領域24の外周部を取り囲むリングが切れたギャップ部を有する構造としてもよい。また、絶縁膜30上に第1電極32及び等電位リング電極34と電気的に接続されてないフローティング電極44を形成することも好適である。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態における半導体装置110は、図8に示すように、フィールド・リミッテイング・リング構造を有する。図8は、上の領域が平面図、下の領域が断面図を表している。図8において、第1の実施の形態と同じ構成要素には図1と同じ符号を付して説明を省略する。
第1の実施の形態と同様に、N-型半導体層22の表層のP+型領域24から等電位リング領域26までの絶縁膜30下の領域には、P+型領域24の外周部を取り囲むようにリング状にフィールドストップ領域40が設けられる。フィールドストップ領域40の位置、サイズ、ドーパント濃度等の形成条件は第1の実施の形態と同様とすることが好適である。
さらに、第1の実施の形態におけるリサーフ領域38の代わりに、N-型半導体層22の表層のP+型領域24からフィールドストップ領域40までの領域にはP型のドーパントが添加されたP+型埋め込み領域46が形成される。P+型埋め込み領域46は、P+型領域24から所定のギャップLaを空けて、P+型領域24の外周部を取り囲むようにリング状に形成される。P+型埋め込み領域46は、図8に示すように、ギャップLbを挟んでリング状に複数設けてもよい。P+型埋め込み領域46は、P型ドーパント(ボロン、アルミニウム等)を1×1012/cm2〜1×1013/cm2程度のドーズ量で、N-型半導体層22の表面からの導入深さが3μm〜6μm程度となるように注入することによって形成することができる。なお、P+型埋め込み領域46とフィールドストップ領域40との間のギャップは第1の実施の形態と同様に設定することが好適である。
このようなフィールド・リミッテイング・リング構造を持たせることによって、半導体装置110の絶縁耐圧を向上させることができる。さらに、本実施の形態では、フィールドストップ領域40とP+型埋め込み領域46との境界においてアバランシェブレークダウンが発生する。これによって、N-型半導体層22とP+型領域24との境界領域への電流の集中を回避することができ、従来よりも高い臨界電流値を示す高耐圧特性を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、フィールド・リミッテイング・リング構造を有する半導体装置110においてフィールドストップ領域40を設けることによって、低い逆電流値における耐圧の低下を抑制することができる。すなわち、ブレークダウンに到る臨界電流値を高め、低電流でのアバランシェブレークダウンの発生を抑制することができる。その結果、耐電圧特性を向上させた半導体装置を実現することができる。
なお、第1の実施の形態と同様に、フィールドストップ領域40は等電位リング領域26から離れた位置に形成してもよいし、等電位リング領域26と接するように形成してもよい。また、フィールドストップ領域40は、P+型領域24の外周部を取り囲むリングが切れたギャップ部を有する構造としてもよい。また、絶縁膜30上に第1電極32及び等電位リング電極34と電気的に接続されてないフローティング電極44を形成することも好適である。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態における半導体装置112は、図9に示すように、スーパージャンクション構造を有する。図9は、上の領域が平面図、下の領域が断面図を表している。図9において、第1の実施の形態と同じ構成要素には図1と同じ符号を付して説明を省略する。
第1の実施の形態と同様に、N-型半導体層22の表層のP+型領域24から等電位リング領域26までの絶縁膜30下の領域には、P+型領域24の外周部を取り囲むようにリング状にフィールドストップ領域40が設けられる。フィールドストップ領域40の位置、サイズ、ドーパント濃度等の形成条件は第1の実施の形態と同様とすることが好適である。
さらに、第1の実施の形態におけるリサーフ領域38の代わりに、N-型半導体層22の表層のP+型領域24からフィールドストップ領域40に向けてP型のドーパントが添加されたP型領域48とN型のドーパントが添加されたN型領域50とが交互に繰り返されたスーパージャンクション構造が設けられる。ここで、P型領域48の幅WpとN型領域50の幅Wnは略等しくすることが好適である。なお、スーパージャンクション構造の端部とフィールドストップ領域40との間のギャップは第1の実施の形態と同様に設定することが好適である。
このようなスーパージャンクション構造を持たせることによって、半導体装置112の絶縁耐圧を向上させることができる。さらに、本実施の形態では、フィールドストップ領域40とスーパージャンクション構造との境界においてアバランシェブレークダウンが発生する。これによって、N-型半導体層22とP+型領域24との境界領域への電流の集中を回避することができ、従来よりも高い臨界電流値を示す高耐圧特性を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、スーパージャンクション構造を有する半導体装置112においてフィールドストップ領域40を設けることによって、低い逆電流値における耐圧の低下を抑制することができる。すなわち、ブレークダウンに到る臨界電流値を高め、低電流でのアバランシェブレークダウンの発生を抑制することができる。その結果、耐電圧特性を向上させた半導体装置を実現することができる。
なお、第1の実施の形態と同様に、フィールドストップ領域40は等電位リング領域26から離れた位置に形成してもよいし、等電位リング領域26と接するように形成してもよい。また、フィールドストップ領域40は、P+型領域24の外周部を取り囲むリングが切れたギャップ部を有する構造としてもよい。また、絶縁膜30上に第1電極32及び等電位リング電極34と電気的に接続されてないフローティング電極44を形成することも好適である。
第1の実施の形態における半導体装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態における半導体装置の耐圧特性を示す図である。 本発明の実施の形態における半導体装置の耐圧特性を示す図である。 第1の実施の形態における半導体装置の変形例を示す図である。 第1の実施の形態における半導体装置の変形例を示す図である。 第1の実施の形態における半導体装置の変形例を示す図である。 第2の実施の形態における半導体装置の構成を示す図である。 第3の実施の形態における半導体装置の構成を示す図である。 第4の実施の形態における半導体装置の構成を示す図である。 従来の半導体装置の構成を示す図である。
符号の説明
3 P+型領域、4 等電位リング領域、5 N-型領域、6 絶縁膜、7 電極、8 電極、12 P-型領域、14 等電位リング電極、14a 内端部、20 半導体基板、22 N-型半導体層、24 P+型領域、26 等電位リング領域、28 P+型領域、30 絶縁膜、32 第1電極、34 等電位リング電極、36 第2電極、38 リサーフ領域、40 フィールドストップ領域、42 ギャップ部、44 フローティング電極、46 P+型埋め込み領域、48 P型領域、50 N型領域、100〜112 半導体装置。

Claims (8)

  1. 第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、
    前記半導体層の表層部における前記第2導電型高濃度領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、
    前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、
    前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、
    前記等電位リング領域に接続された第2電極と、
    を備えた半導体装置であって、
    前記半導体層の表層部において、前記第2導電型高濃度領域と前記等電位リング領域との間の前記第2導電型高濃度領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、
    前記第2導電型高濃度領域よりドーパント濃度が低く、前記第2導電型高濃度領域の外周部に接合された第2導電型リサーフ領域と、
    前記半導体層の表層部において、前記第2導電型リサーフ領域を挟んで前記第2導電型高濃度領域に対向して前記第2導電型リサーフ領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、
    前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、
    前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、
    前記等電位リング領域に接続された第2電極と、
    を備えた半導体装置であって、
    前記半導体層の表層部において、前記第2導電型リサーフ領域と前記等電位リング領域との間の前記第2導電型リサーフ領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  3. 第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、
    前記半導体層の表層部において、前記第2導電型高濃度領域から離れた領域に形成された第2導電型の第2導電型フローティング領域と、
    前記半導体層の表層部において、前記第2導電型フローティング領域を挟んで前記第2導電型高濃度領域に対向して前記第2導電型フローティング領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、
    前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、
    前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、
    前記等電位リング領域に接続された第2電極と、
    を備えた半導体装置であって、
    前記半導体層の表層部において、前記第2導電型低濃度領域と前記等電位リング領域との間の前記第2導電型フローティング領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  4. 第1導電型の半導体層の表層部に形成された第1導電型と逆導電型である第2導電型の第2導電型高濃度領域と、
    前記半導体層の表層部における前記第2導電型高濃度領域から離れた領域に形成された等電位リング領域と、
    前記半導体層の表層部において、前記第2導電型高濃度領域と前記等電位リング領域との間に第1導電型の領域と第2導電型の領域とが交互に配置されたスーパージャンクション領域と、
    前記半導体層の表面上を前記第2導電型高濃度領域から前記等電位リング領域に亘って覆う絶縁膜と、
    前記第2導電型高濃度領域に接続された第1電極と、
    前記等電位リング領域に接続された第2電極と、
    を備えた半導体装置であって、
    前記半導体層の表層部において、前記スーパージャンクション領域と前記等電位リング領域との間の前記スーパージャンクション領域から所定のギャップだけ離れた領域にフィールドストップ領域が設けられていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記フィールドストップ領域は、前記半導体層の表面に対して前記第2導電型リサーフ領域の最深部よりも浅い位置に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置において、
    前記フィールドストップ領域は、前記半導体層のドーパント濃度の10倍以上のドーパント濃度を有することを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置において、
    前記所定のギャップは、10μm以上であることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体装置において、
    前記絶縁膜上に、前記第1電極及び前記第2電極と電気的に接続されていないフローティング電極が設けられていることを特徴とする半導体装置。

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