JP2007265874A - リチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電容量が高く、充放電サイクル特性に優れ、かつ充放電によるしわなどの変形が小さい電極を作製することができるリチウム二次電池用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】 リチウムを吸蔵・放出する活物質からなる薄膜を、集電体の表面上に形成するリチウム二次電池用電極の製造方法において、薄膜を形成する際の集電体の薄膜を形成する表面が、凹面であることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用電極の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、ラップトップコンピューター等の移動体通信機器や携帯電子機器が数多く登場しており、その電源として主にリチウム二次電池が用いられている。リチウム二次電池は、ニッケルカドミウム電池等の他の二次電池として比較して、大きなエネルギー密度を有するものであるが、移動体通信機器や携帯電子機器のさらなる小型軽量化に伴い、そのエネルギー密度やサイクル特性の向上が求められている。
現在の一般的なリチウム二次電池では、負極材料として黒鉛を代表とする炭素材料が用いられている。しかし、黒鉛からなる負極材料では、リチウムがLiCの組成までしか挿入できず、理論容量は372mAh/gが限度であり、高容量化への障害になっている。
重量当たり及び体積当たりのエネルギー密度が高い負極活物質として、リチウムと合金化するアルミニウム、シリコン、錫を用いるリチウム二次電池が報告されている(非特許文献1)。これらの中でも、特にシリコンは理論容量が大きく、高い容量を示す電池の負極として有望であり、これを負極とする種々の二次電池が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この種の合金負極は、充放電をする際の大きな体積変化に伴い、集電体との間に応力が生じ、活物質の脱落、電極のしわ及びたわみの原因になるといった問題がある。
この問題に対し、シリコン等を電極活物質とし、良好な充放電サイクル特性を示すリチウム二次電池用電極として、蒸着法またはスパッタリング法などの薄膜形成方法により、銅箔などの集電体上に微結晶薄膜または非晶質薄膜を形成したリチウム二次電池用電極が提案されている(特許文献2)。このようなリチウム二次電池用電極においては、集電体上の薄膜が柱状構造を有し、これにより充放電による活物質の膨張・収縮の際の応力が緩和され、集電体から活物質薄膜が脱落するのを抑制することができる。
特開平10−255768号公報 特開2001−266851号公報 Solid State lonics,113−115,p57(1998)
しかしながら、これらの製造方法で作製したリチウム二次電池も、充放電に伴う応力を十分に抑制することはできず、充放電サイクルを長期的に行うと、初期に生じた活物質の歪みに起因する容量劣化や、電極の不均一の塑性変形によるしわやたわみが生じるという問題があった。
本発明の目的は、充放電容量が高く、充放電サイクル特性に優れ、かつ充放電によるしわなどの変形が小さい電極を作製することができるリチウム二次電池用電極の製造方法を提供することにある。
本発明は、リチウムを吸蔵・放出する活物質からなる薄膜を、集電体の表面上に形成するリチウム二次電池用電極の製造方法において、薄膜を形成する際の集電体の薄膜を形成する表面が、凹面であることを特徴としている。
集電体を成膜ドラムの表面に沿わせ、集電体の上に薄膜を形成する際には、通常、成膜ドラム上の集電体にテンションをかけることにより集電体を成膜ドラムに密着させ、成膜に伴う熱を吸熱し、集電体の熱による脆化、熱の局部への集中による集電体の皺及びたわみ等を防止している。このようにして成膜される活物質薄膜は、成膜ドラムの凸状曲面に沿って形成されるため、集電体を平面の状態に戻したときに集電体の歪みが0であるのに対して、活物質薄膜は成膜ドラムと同じ曲率に屈曲した状態で歪みが0であり、平面状態にすると歪みが生じる。
また、集電体に主として用いる金属の熱膨張率は、シリコンなどの活物質の熱膨張率より大きいため、成膜時の熱による膨張量は活物質薄膜より集電体の方が大きく、常温に戻したときに活物質薄膜と集電体の歪みに差が生じる。
また、充電すると活物質が膨張するため、さらにこの歪みの差が大きくなり、集電体と活物質薄膜の間で応力が発生し、活物質薄膜の剥離の原因となる。
本発明に従い、薄膜を形成する際の集電体の薄膜を形成する表面を、凹面とすることにより、上記の熱膨張率差及び充放電時の活物質の膨張により生じる活物質薄膜と集電体の歪みの差を相殺する方向に歪みを生じさせることができ、充放電時の歪みの差及び歪みの差に伴う応力を低減させることができる。従って、充放電により生じるしわなどの変形を小さくすることができ、かつ活物質薄膜の剥離を抑制することができる。
また、薄膜形成面を凹面にすることにより、成膜源を囲うように集電体を配置することができるので、成膜源から薄膜成分を効率良く受け取ることができ、成膜効率を高めることができる。
本発明において、凹面の曲率半径は、5〜50cmであることが好ましい。凹面の曲率半径が小さいほど集電体と活物質薄膜との歪みに差をつけることができ、充電時の活物質の膨張に伴う応力を緩和することができる。凹面の曲率半径が50cmを超えると、本発明の効果を十分に得ることができない場合がある。また、凹面の曲率半径が5cm未満であると、成膜領域が著しく限定され、製造効率が悪くなる場合がある。
本発明において、薄膜を形成する際、薄膜形成面と反対側の面から集電体を冷却することが好ましい。活物質薄膜の形成に伴い、成膜源からの輻射熱、活物質粒子の凝縮潜熱などにより、集電体が熱負荷を受け、機械的強度が低下することにより、電池作製時の加工が困難になる場合がある。集電体を薄膜形成面と反対側の面から冷却することにより、集電体の熱負荷を軽減し、機械的強度の低下を防止することができる。
本発明における活物質薄膜は、リチウムを吸蔵・放出する薄膜であり、リチウムを合金化することにより吸蔵する活物質であることが好ましい。このような活物質材料としては、シリコン、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、インジウムなどが挙げられる。これらの中でも、シリコンがその高い理論容量から好ましく用いられる。従って、本発明において用いる活物質薄膜は、シリコンを主成分とする薄膜であることが好ましい。ここでいうシリコンを主成分とする薄膜は、シリコンを50原子%以上含む薄膜である。
また、本発明においては、活物質薄膜は、非晶質薄膜または微結晶薄膜であることが好ましい。従って、非晶質シリコン薄膜または微結晶シリコン薄膜であることが特に好ましい。
本発明において、活物質薄膜は、気相から原料分子を供給することにより集電体表面上に形成されることが好ましい。このような活物質薄膜の形成方法として、蒸着法、イオンビームスパッタリング法などのスパッタリング法、及び溶射法などが挙げられる。
これらの方法の中でも制御性及び生産性の観点から蒸着法及びスパッタリング法などにより形成することが好ましい。
本発明における電極の活物質薄膜は、充放電反応によるリチウムの吸蔵・放出により、体積が膨張・収縮して、厚み方向に切れ目が形成され柱状に分離されるものであることが好ましい。このような柱状部分の底部は集電体と密着していることが好ましい。このような活物質薄膜の柱状構造は、表面が粗面化されている集電体上に活物質薄膜を形成することにより、形成されやすくなる。すなわち、集電体表面に形成されている凹凸に対応した凹凸が、活物質薄膜の表面にも形成され、活物質薄膜の表面の凹凸の谷部と、集電体表面の凹凸の谷部とを結ぶ厚み方向の領域に、切れ目が形成されやすくなる。このような切れ目は、充放電サイクル初期における活物質の体積変化に伴う応力により形成され、その結果、活物質薄膜が柱状に分離する。
本発明において用いる集電体としては、銅箔または銅合金箔からなる集電体が特に好ましく用いられる。銅合金としては、銅を含む合金であれば特に限定されるものではないが、例えば、Cu−Ag系合金、Cu−Te、Cu−Mg、Cu−Sn、Cu−Si、Cu−Mn、Cu−Be−Co、Cu−Ti、Cu−Ni−Si、Cu−Cr、Cu−Zr、Cu−Fe、Cu−Al、Cu−Zn、Cu−Co系合金が挙げられる。
また、集電体上にシリコンまたはシリコンを主成分とする非晶質薄膜または微結晶薄膜を堆積し、リチウム二次電池用電極として用いる場合、薄膜形成時の温度変化によって機械的強度が低下しやすく、電池作製時の加工が困難になることがある。そのため、温度変化による機械的強度低下を防止でき、また十分な導電性を確保できる耐熱性銅合金箔からなる集電体を使用することが好ましい。ここで、耐熱性銅合金とは、200℃1時間焼鈍後の引張強度が300MPa以上である銅合金を意味している。このような耐熱性銅合金として、例えば、表1に示すものが挙げられる。
Figure 2007265874
集電体の表面は、活物質薄膜との密着性及び応力緩和の観点から、粗面化されていることが好ましく、その表面粗さRaは0.01〜2μmであることが好ましい。表面粗さRaは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められており、例えば表面粗さ計等により測定することができる。
集電体表面の表面粗さRaを0.01〜2μmとするために、粗面化処理を施してもよい。このような粗面化処理としては、めっき法、気相成長法、エッチング法及び研磨法等が挙げられる。めっき法及び気相成長法は、銅箔または銅合金箔の表面に凹凸を有する薄膜層を形成することにより表面を粗面化する方法である。めっき法としては、電解めっき法及び無電解めっき法が挙げられる。また、気相成長法としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法などが挙げられる。
本発明のリチウム二次電池は、上記本発明の製造方法で製造された負極と、正極と、非水電解質とを備えることを特徴としている。
本発明において、非水電解質の溶質としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO)、LiN(CSO)、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO)、LiC(CSO)、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12など及びそれらの混合物が例示される。
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではなく、リチウム二次電池の溶媒として用いることができるものであればよい。溶媒としては、環状カーボネートあるいは鎖状カーボネートが好ましい。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、特にエチレンカーボネートが好ましく用いられる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。さらに溶媒としては、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であることが好ましい。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶媒であることが好ましい。
また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒との混合溶媒も好ましく用いられる。
また、本発明においては、電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル等のポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、LiNなどの無機固体電解質であってもよい。
本発明において、正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiCo0.5Ni0.5、LiNi0.7Co0.2Mn0.1などのリチウム含有遷移金属酸化物や、MnOなどのリチウムを含有していない金属酸化物が例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的に挿入、脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。
本発明によれば、充放電サイクル特性に伴う容量劣化を軽減し、かつ充放電に伴う電極のしわなどの変形を抑制することができる。従って、良好なサイクル特性と、体積エネルギー密度を有するリチウム二次電池用電極を製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明に従いリチウム二次電池用電極を製造することができる真空蒸着装置を示す模式的断面図である。図1に示すように、チャンバー4内には、内側の面が凹面である基板ホルダー2が設けられており、基板ホルダー2の内側の凹面に沿って集電体1が保持されている。従って、集電体1の内側の表面は凹面となっている。
基板ホルダー2の下側には、シリコン蒸着源3が配置されている。シリコン蒸着源3から蒸発したシリコン粒子が集電体1の凹面の上に堆積され、シリコン薄膜が集電体1上に形成される。
チャンバー4は、真空排気口4aから真空排気されている。
〔負極の作製〕
図1に示す真空蒸着装置を用いて、集電体上に非晶質シリコン薄膜を堆積させ負極を作製した。集電体としては、銅圧延箔の表面上に電解法で銅を析出させることにより、表面に凹凸を形成した粗面化銅圧延箔(算術平均粗さRa0.47μm、厚み18μm)を用いた。
基板ホルダー2として、内側の凹面の曲率半径が異なる基板ホルダーを用い、その内側に保持した集電体の薄膜形成面となる凹面の曲率半径を100cm(実施例1)、50cm(実施例2)、10cm(実施例3)、及び5cm(実施例4)とし、この状態で、集電体の薄膜形成面となる凹面の上にシリコン薄膜を堆積させた。具体的には、チャンバー内を1×10−4Paまで真空排気した後、シリコン蒸着源を加熱して蒸発させ、集電体上に非晶質シリコン薄膜を堆積させた。その後、集電体を裏返して保持し、集電体の裏面についても同様の条件で非晶質シリコン薄膜を堆積させた。集電体の両面上に形成したシリコン薄膜の厚みは、それぞれ5.0μmであった。
以上のようにして成膜した非晶質シリコン薄膜を集電体と共に2.5×3.0cmの大きさに切り取り、負極タブを取り付けて負極とした。
比較例1として、集電体を取り付ける面が凸面となる基板ホルダーを用い、この基板ホルダー上に集電体を取り付け、集電体の凸面の上にシリコン薄膜を堆積させた。なお、集電体の薄膜形成面となる凸面の曲率半径は10cmである。
比較例2として、平らな基板ホルダーを用い、この平らな基板ホルダーの上に集電体を取り付け、薄膜形成面が平坦な面となるようにして、集電体の上にシリコン薄膜を堆積させた。
比較例1及び比較例2共に、シリコン薄膜の形成条件及び厚みは上記実施例1〜4と同様である。
表2に、実施例1〜4及び比較例1〜2における集電体の薄膜形成面の形状及び曲率半径を示す。
Figure 2007265874
〔正極の作製〕
LiCoO粉末90重量部と、導電剤としての人造黒鉛粉末5重量部とを、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン5重量部を含む5重量%のN−メチルピロリドン溶液に混合し、正極合剤スラリーとした。このスラリーをドクターブレード法により、正極集電体であるアルミニウム箔の2cm×2cmの領域の片面に塗布した後乾燥し、正極活物質層を形成した。正極活物質を塗布しなかったアルミニウム箔の領域の上に正極タブを取り付け、正極を完成した。リチウム二次電池1個に2枚の正極を使用した。
〔非水電解質の作製〕
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを3:7の体積比で混合した溶媒に、LiPFを1モル/リットル溶解した液を調製し、さらに30分間二酸化炭素を吹き込み、該二酸化炭素を溶解させることにより非水電解質を得た。非水電解質に溶解された二酸化炭素量を重量法で測定したところ、0.40重量%であった。
〔リチウム二次電池の作製〕
負極の両面上に樹脂製のセパレータを重ね、さらにその外側に2枚の正極を重ねて、正極活物質層と負極活物質層が対向するように配置させ、電極構造体を作製した。電極構造体をアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体内に挿入した。正極タブ及び負極タブは、溶着された外装体の端部から外部に取り出されている。二酸化炭素雰囲気中において、非水電解質を0.6ml注入し、リチウム二次電池を作製した。
〔充放電サイクル試験〕
作製した電池の充放電サイクル試験を行った。充放電条件は表3に示す通りである。
Figure 2007265874
全てのサイクルにおける最大放電容量を100%として、300サイクル目における容量維持率を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2007265874
表4に示す結果から明らかなように、薄膜形成面が凸面である比較例1においては、300サイクル後の容量維持率が19.6%となっており、また薄膜形成面を平坦な面とした比較例2においては300サイクル後の容量維持率が34.2%となっている。これに対し、本発明に従い薄膜形成面が凹面である実施例1〜4においては、45.0%〜59.8%の高い容量維持率を示している。本発明に従い、薄膜形成面を凹面とすることにより、集電体と活物質薄膜との界面の応力が緩和され、これによって充放電サイクル特性が向上したと考えられる。
表4に示す結果から明らかなように、実施例の中でも特に曲率半径が50cm以下である実施例2〜4の電池においては、容量維持率が大きく向上しており、曲率半径は50cm以下であることが好ましいことがわかる。
〔負極厚みの評価〕
負極の充放電試験前後の厚みを、マイクロメータで測定し、充放電試験前後での厚みの変化を求め、表5に結果を示した。なお、各電極について、中央部及び四隅の計5点で測定を行い、その平均値を負極厚みとした。
Figure 2007265874
表5に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の負極は、比較例1及び2の負極に比べ、充放電試験前後の厚みの変化が小さくなっている。これは、実施例1〜4の負極においては、活物質薄膜と集電体との界面の応力が緩和され、充放電による集電体のしわなどの変形が軽減されたためであると考えられる。表5に示すように、実施例1〜4の中でも曲率半径が50cm以下である実施例2〜4において特に負極の厚みの変化量が小さくなっている。
図2は、本発明に従いリチウム二次電池用電極を製造することができる製造装置の一例を示す斜視図である。図2に示す製造装置において、集電体1は、一対の支持ローラー5及び6の外周面に沿うように配置されており、外側にはこの集電体1を支持ローラー5及び6との間で挟むように、冷却ローラー7が設けられている。支持ローラー5及び6の下方には、シリコン蒸着源3が設けられている。支持ローラー5及び6は、それぞれ集電体1の両端部に位置するように配置されており、支持ローラー5と支持ローラー6の間の空間領域には集電体1の内側面が露出している。集電体1は支持ローラー5及び6の外周面に沿うように配置されているので、集電体1の内側は凹面形状になっており、支持ローラー5及び支持ローラー6の間の凹面形状の集電体1の上に、シリコン蒸着源3からのシリコン粒子が堆積し、シリコン薄膜が形成される。
集電体1を支持ローラー5及び6との間で挟むように外側に設けられている冷却ローラー7は、その内部に冷却機構が設けられおり、集電体1と接することにより、集電体1を冷却する。従って、集電体上にシリコン薄膜を形成する際、シリコン蒸着源からの輻射熱やシリコン粒子の凝縮潜熱などにより、集電体が熱負荷を受け、機械的強度が低下するのを防止することができる。
集電体1は、支持ローラー5及び6が矢印方向に回転し、冷却ローラー7が矢印方向に回転することにより、集電体1を搬送させながら、集電体1の内側の凹面上にシリコン薄膜を連続して形成させることができる。
図3は、本発明に従いリチウム二次電池用電極を製造することができる製造装置の他の例を示す側面図である。図3に示す装置においては、複数の支持ローラー5及び6並びに冷却ローラー7を設け、複数の支持ローラー5及び6と、冷却ローラー7の間に集電体1を通し、複数の支持ローラー5及び6と冷却ローラー7の配置に沿って、集電体1を搬送させながら、集電体1の内側にシリコン薄膜を堆積して形成することができる。図3に示すように、複数の支持ローラー5及び6と冷却ローラー7を、半円形となるように配置することにより、集電体1の内側を半円形の凹面となるように設置している。
図4は、支持ローラー5及び6と冷却ローラー7を示す斜視図である。図4においては、支持ローラー5及び6と冷却ローラー7の位置をずらして図示しているが、実際には、図3に示すように、支持ローラー5及び6と冷却ローラー7とで集電体1を挟むことができるように配置される。支持ローラー5及び6は、図2に示す装置と同様に集電体1の両側にそれぞれ位置するように配置されており、支持ローラー5と支持ローラー6の間の空間領域の集電体1の内側の面上にシリコン薄膜を堆積させる。
図3及び図4に示す装置においても、図2に示す装置と同様に、集電体1の内側面を半円形の凹面形状にし、その上にシリコン薄膜を体積させることができる。
図5は、本発明に従い、リチウム二次電池用電極を製造することができる製造装置のさらに他の例を示す側面図である。図5に示すように、集電体1は、ガイド10内の溝11を通り一方側から他方側に搬送されている。
図6は、ガイド10の断面を示す図である。図6に示すように、集電体案内溝11内に集電体1が通される。集電体案内溝11の内側には、開口部11aが形成されている。
集電体案内溝11の外側には、冷媒用孔12が形成されており、冷媒用孔12内には、冷媒13が通されている。冷媒13を通すことにより、集電体案内溝11内の集電体1を冷却することができる。
集電体1は、図5に示すように、ガイド10の一方端からガイド10内に案内され、ガイド10内を通り他方端からガイド10の外部に出る。ガイド10は、図5に示すように半円形状に形成されており、ガイド10内を通る集電体1は、ガイド10の形状に沿って半円形状になる。ガイド10の下方には、シリコン蒸着源3が設けられており、ガイド10の集電体案内溝11内を通る集電体1の内側の凹面上に、開口部11aを通してシリコン粒子を供給し、集電体1の内側の凹面上にシリコン薄膜を堆積させることができる。
図5に示す装置を用いても、上記の製造装置と同様に、集電体1の内側の凹面上に、集電体1を冷却させながらその上にシリコン薄膜を堆積させることができる。
本発明に従いリチウム二次電池用電極を製造することができる製造装置の一例を示す模式的断面図。 本発明に従いリチウム二次電池用電極を製造することができる製造装置の他の例を示す斜視図。 本発明に従いリチウム二次電池用電極を製造することができる製造装置のさらに他の例を示す側面図。 図3に示す製造装置における支持ローラー及び冷却ローラーを示す斜視図。 本発明に従いリチウム二次電池用電極を製造することができる装置のさらに他の例を示す側面図。 図5に示す装置におけるガイドの断面を示す図。
符号の説明
1…集電体
2…基板ホルダー
3…シリコン蒸着源
4…チャンバー
4a…真空排気口
5,6…支持ローラー
7…冷却ローラー
10…ガイド
11…集電体案内溝
11a…集電体案内溝の開口部
12…冷媒用孔
13…冷媒

Claims (8)

  1. リチウムを吸蔵・放出する活物質からなる薄膜を、集電体の表面上に形成するリチウム二次電池用電極の製造方法において、
    前記薄膜を形成する際の前記集電体の前記薄膜を形成する表面が、凹面であることを特徴とするリチウム二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記凹面の曲率半径が5〜50cmであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  3. 前記薄膜を形成する際、前記集電体を前記薄膜形成面と反対側の面から冷却することを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  4. 前記薄膜が、シリコンを主成分とする薄膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  5. 前記薄膜が、気相から原料分子を供給することにより前記集電体の表面上に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  6. 前記薄膜が、蒸着法、イオンビームスパッタリング法、または溶射法により形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  7. 前記集電体が、耐熱性銅合金を含む箔であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により製造された電極からなる負極と、正極と、非水電解質とを備えることを特徴とするリチウム二次電池。
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