JP2007264612A - 画像形成装置及び現像剤残量検出方法 - Google Patents

画像形成装置及び現像剤残量検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】現像装置における現像剤収納部内の現像剤量の検出精度が向上した画像形成装置及び現像剤残量検出方法を提供する。
【解決手段】現像剤量検知部材からの信号が入力されて、現像剤収納部内の現像剤の残量を検出する本体制御装置は、現像剤収納部内の撹拌部材の回転に伴う前記信号の変動幅における、撹拌部材の単位回転数あたりの変化量に基づいて、現像剤収納部内の現像剤量を検出する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、例えばレーザービームプリンタ、複写機、ファクシミリ、又はこれらを組合せたマルチファンクションプリンタ等の電子写真方式による画像形成装置に関する。また、斯かる画像形成装置にて、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像装置の現像剤収納部に収納した現像剤の残量検出方法に関する。
図21に、プロセスカートリッジが着脱可能とされる電子写真方式の画像形成装置の一例を示す。
本例にて、プロセスカートリッジ13は、図示矢印A方向に回転する像担持体であるドラム状の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)1を有する。感光ドラム1は、感光ドラム1を一様に帯電する帯電装置2と、感光ドラム1上に光像を照射する露光装置6によって静電潜像が形成される。この感光ドラム1上の静電潜像は、現像剤(以下、「トナー」という。)Tを収容した現像装置3によって可視画像に現像され、この可視画像、即ち、トナー像は、転写装置4によって記録紙P上に転写される。記録紙Pに転写されたトナー像は、定着装置7にて定着される。
一方、転写後に感光ドラム1上に残留するトナーは、クリーニング装置5にて除去される。
上記感光ドラム1、帯電装置2、現像装置3、クリーニング装置5は、一体化され、プロセスカートリッジ13を構成している。
図22には、上記プロセスカートリッジ13の現像装置3と同様の構成とされる従来の現像装置3の一例を示す。
現像装置3は、現像剤収納部としての現像容器3aを備えている。現像容器3a内には、収容されたトナーTを担持、搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ8と、現像スリーブ8に担持されたトナーTの層を均一な厚みに規制する現像ブレード11と、現像容器3a内のトナーを撹拌する撹拌部材10とが設けられている。
また、現像容器3a内には現像容器3a内のトナー残量を検知するための現像剤(トナー)残量検知手段を構成するトナー残量検知部材としてのアンテナ部材14が配置されている。
トナー残量検知手段は、図22に示すように、現像スリーブ8に対して平行に配置されたアンテナ部材14により、現像容器3a内のトナー量の変化に伴う静電容量の変化を検知してトナー残量を推測するものが知られている(特許文献1参照)。
また、撹拌部材10の回転に伴って変動する静電容量の変動幅を利用してトナー残量の推測及び撹拌部材10の異常を検知するものが提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−190067号公報 特開2001−242690号公報
しかしながら、上記従来例において次のような課題が生じた。
つまり、近年の現像装置3の小型化によって、トナーの残量が充分な状態の場合の静電容量と、トナー残量が少なくなったときの静電容量との差が小さくなっている。このため、特許文献1のトナー残量検知手段では、トナー量が少量となった時、即ち、トナーが少なくなったこと(以下、「トナーLOW」という。)を検知するために必要な静電容量の変化量が小さくなっている。
また、特許文献2のトナー残量検知手段では、撹拌部材の回転に伴う静電容量の変動幅に基づいてトナー残量検知を行っている。この場合、トナーが充分に残っているときとトナーが減ってきたときの静電容量の変化量が少なくてもトナー残量検知が行える。しかしながら、撹拌部材の回転に伴う静電容量の変動幅は、現像容器内のトナー残量が同じでもアンテナ部材の位置や、使用環境によって異なる。
従って、特許文献2のように変動幅が予め設定された基準値に達したことを検知する方法では、実際のトナー残量と誤差が生じやすい。
そこで、本発明の目的は、現像装置における現像剤収納部内の現像剤量の検出精度が向上した画像形成装置及び現像剤残量検出方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部に回転可能に設けられた、前記現像剤を撹拌するための撹拌部材と、前記現像剤収納部に収納された現像剤の量を検知するための信号を出力する現像剤量検知部材と、を有する現像装置が用いられる画像形成装置において、
前記信号が入力されて、前記現像剤の残量を検出する本体制御装置であって、前記撹拌部材の回転に伴う前記信号の変動幅における、前記撹拌部材の単位回転数あたりの変化量に基づいて、前記現像剤収納部内の現像剤量を検出する本体制御装置を有することを特徴とするものである。
本発明の更に他の代表的な構成は、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部に回転可能に設けられた、前記現像剤を撹拌するための撹拌部材と、前記現像剤収納部に収納された現像剤の残量を検出するための信号を出力する現像剤量検知部材と、を有する現像装置が用いられる画像形成装置における、前記現像剤収納部に収納された現像剤の残量を検出する検出方法において、
前記撹拌部材の回転に伴う前記信号の変動幅における、前記撹拌部材の単位回転数あたりの変化量に基づいて、前記現像剤収納部内の現像剤量を検出する工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、現像装置における現像剤収納部内の現像剤量の検出精度が向上する。
以下、本発明に係る画像形成装置及び現像剤残量検出方法を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
<画像形成装置及び画像形成プロセス説明>
図1に本発明の画像形成装置の一実施例である電子写真方式のレーザービームプリンタの概略構成を示す。
本実施例の電子写真技術を利用した画像形成装置12は、像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)1を備えている。感光ドラム1の周囲には感光ドラム1の回転方向に沿って順に、帯電手段としての帯電ローラ2、現像手段である現像装置3、転写手段としての転写ローラ4、クリーニング手段としてのクリーニングブレード5aを備えたクリーニング装置5が配設されている。また、帯電ローラ2と現像装置3間の上方には露光装置6が配設されている。感光ドラム1と転写ローラ4間に形成される転写ニップNの転写材搬送方向の下流側には、定着装置7が配設されている。
本実施例にて、上記構成部材の内、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置3、クリーニング装置5は一体的にユニット化され、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ13を形成している。
本実施例にて、感光ドラム1は、アルミニウム製のドラム基体上にOPC感光層を有しており、画像形成装置本体側に設けられた駆動手段(不図示)により所定の周速で矢印方向(時計方向)に回転駆動される。感光ドラム1は、その回転過程において接触する帯電ローラ2により負極性の一様な帯電を受ける。
帯電手段としての帯電ローラ2は、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラム1を所定の極性、電位に均一に帯電する。帯電バイアスとしては、帯電ローラ2が十分に放電するAC電圧Vppに、感光ドラム上暗部電位Vdに相当するDC電圧Vdcを重畳印加する。帯電バイアスの交流AC成分は、感光ドラム1、帯電ローラ2間に常に一定の電流が流れるような定電流制御を行っている。
露光装置6は、パーソナルコンピュータ(不図示)等から入力される画像情報をビデオコントローラ(不図示)によって時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光(露光ビーム)をレーザー出力部(不図示)から出力する。露光ビームLは、帯電された感光ドラム1表面を走査露光することにより、画像情報に対応した静電潜像を形成する。
現像装置3は、現像剤収納部としての現像容器3aを備え、現像剤Tを収納している。また、現像装置3の開口部には、感光ドラム1表面と対向し、所定の間隔を保持して回転自在なアルミニウムパイプなどの非磁性現像部材にて形成された現像剤担持体としての現像スリーブ8が配設されている。
本実施例では断面半径が6mmの現像スリーブ8を用いることでプロセスカートリッジ及び画像形成装置本体の小型化を図っている。
更に、現像容器3a内には、現像剤を撹拌する矢印の方向に回転自在な撹拌部材10、現像スリーブ8上の現像剤を摩擦帯電するための現像ブレード11を備えている。本実施例にて、現像剤Tは平均粒径7μmの磁性1成分現像剤(以下、「トナー」という。)を用いた。現像剤は、1成分磁性トナーに限られたものではない。
撹拌部材10は厚さ100μmのPPSシートを用い、本実施例では約10秒で一回転する。この撹拌部材10によって現像スリーブ8へと搬送される。トナーTは現像スリーブ8に取り込まれ、その際にトナーTは現像ブレード11によって層厚を規制され、同時に摩擦によって帯電され現像領域31に送られる。また、現像に寄与しなかったトナーは現像スリーブ8の回転に伴って現像ブレード上方に移動し、現像容器3aへと戻る。現像ブレード11は、ウレタンゴムなどの弾性ブレードとされ、所定の圧力にて現像スリーブ8に当接され、トナーTに現像に必要な電荷を与え、現像スリーブ8上のトナーの層厚規制をする。
現像領域31において感光ドラム1上の静電潜像にトナーTを付着させてトナー像として顕像化する。現像スリーブ8中には、磁界発生手段である磁極N、Sが交互に複数個形成されたマグネットローラ8aが現像スリーブ8に対して不動に配設されている。マグネットローラ8aは回転動作を行わず、常に一定の位置に保持され、同じ磁極の方向に保たれる。
本実施例では、トナーTとしては、上述のように、1成分磁性現像剤を用い、反転現像を行う。現像スリーブ8には現像バイアス電源80(図3)から直流DCと交流ACを重畳した現像バイアスが印加される。この現像バイアスにより、現像領域31内に送られたトナーTは現像スリーブ8から感光ドラム1上に飛翔する。現像バイアスは、本実施例では、DC電圧をVdc=−400Vとして、AC電圧のVppはVpp=1400Vで、周波数2000Hzの矩形波を用いた。
転写手段としての転写ローラ4は、感光ドラム1表面に所定の押圧力で接触して転写ニップ部Nを形成し、転写バイアス電源(不図示)から転写バイアスが印加される。この転写バイアスにより、感光ドラム1と転写ローラ4間の転写ニップ部Nにて感光ドラム1表面のトナー像を用紙などの転写材Pに転写する。
定着装置7は、内部にハロゲンヒータ(不図示)を備えた加熱ローラと加圧ローラを有している。定着ローラと加圧ローラ間の定着ニップにて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱、溶融、加圧して熱定着させ、永久画像とする。定着が終了した転写材P上の永久画像は、画像形成装置12外へと排出される。
クリーニング手段としてのクリーニングブレード5aは、感光ドラム1上に転写されずに残留したトナーをクリーニングし、感光ドラム1は再度画像形成に供される。
プロセスカートリッジ13は、本実施例では500gのトナーを充填しており、A4用紙4%印字で10,000枚の寿命としている。
<トナー残量検知説明>
次に、図2〜図8を参照して、本実施例に使用される静電容量値の変化を利用した現像剤残量検知手段17について説明する。
本実施例では、現像剤(トナー)残量検知手段17は、現像剤量検知部材、即ち、検知電極としてアンテナ部材14を有する。本実施例にて、アンテナ部材14は、現像スリーブ8に対向する位置の長手方向全域にわたって設けられたプレートアンテナ板金(以下、「PA板金」という。)とされ、現像スリーブ8とPA板金14間の静電容量によってトナー残量を検知する。
トナー量を精度よく検知するためには、トナーTが現像容器3a内に十分に充填されている状態、即ち、満杯の状態のときと、トナーTが少なくなって良好な画像が得られなくなった状態(以降、この状態を単に「白抜け」と称する。)が発生する時に測定される静電容量の差△(図4(a)中に示す△E)が充分に大きいことが望まれる。
しかしながら、図4(b)に示す現像スリーブ8の断面半径と静電容量の差△の関係にて理解されるように、現像スリーブ8の断面半径が小さくなると静電容量の差△が小さくなってしまう。
すなわち、本実施例で使用している断面半径6mmの現像スリーブ8では静電容量の差△が小さくなるので、トナー残量検知の精度が出しにくい。
そこで、本実施例では、撹拌部材10の回転に伴って周期的に変化する静電容量値の最大値と最小値の差分(以後、「変動幅」と称する。)の、撹拌部材10の単位回転数あたりの変化量(以後、「変化率」と称する。)に基づいてトナー残量検知を行うことが特徴である。尚、ここで単位回転数は、1回転または複数回転のどちらであっても良い。
始めに、本発明で使用する変動幅と変化率について説明する。
静電容量値は、撹拌部材10が回転することにより現像容器3a内のトナー状態が変化し、静電容量値が周期的に変化する。この周期は、撹拌部材10の回転周期と同じ周期で変化する。本実施例では撹拌部材10の回転は10秒周期であるため、静電容量の変化は10秒周期である。
また、図5(a)に示すように、トナーの残量によって変動幅が変化する。この変動幅は、トナーの残量に対して、図5(b)のように領域A、領域B、領域Cと推移する。これは次のような理由による。
図6(a)のようにトナー残量が十分に多い範囲(図5(a)中の領域A)では、変動幅は殆ど検出されない。しかし、図6(b)及び図6(c)のように現像スリーブ8とPA板金14との間に空間が生じる範囲(図5(a)中の領域B)になると撹拌周期で静電容量値が大きく変動し、変動幅も大きくなる。更に、図6(d)のようにトナーが少量(図5(a)中の領域C)となると、撹拌部材10の影響が無くなり、再度変動幅は収束する。
従って、変動幅の推移は、図5(b)に示すようになる。
更に、この変動幅が出始めるトナー量、変動幅が最大になるトナー量、及び変動幅が収束するトナー量は、現像スリーブ8とPA板金14の位置関係で決まる。
本発明者らによる複数のプロセスカートリッジでの検証の結果、変動幅の出始めの位置、最大位置、及び、収束する位置と、トナー残量の関係は殆ど変化することがなく、一定であった。
しかし、図7に示すように、変動幅の最大値は、使用環境によって異なる。そのため、図7中で変動幅Vsが同じ場合でも、実際のトナー残量は、高温高湿環境ではトナー量THであり、低温低湿環境ではトナー量TLのように異なる場合があり、トナー量が少量となったことの検知、即ち、トナーLOW検知を行う際に誤差が生じる。
そこで、本実施例では、図8(a)に示すように、撹拌部材10の所定回転数Naあたりの変動幅の(図8(a)中の変化量(H)及び変化量(L))を求め、その変化量を回転数Naで除した変化率によってトナーLOW検知を行う。変化率の推移は、図8(b)のようになる。図8(b)のように変化率がゼロとなる時のトナー量Zは、使用環境に影響されない。従って、トナーLOW検知の精度の向上が可能となる。
次に、再度図2を参照して、本実施例の現像スリーブ8とPA板金14の位置関係について説明する。
本実施例では、PA板金14は、図2(a)、(b)に示すように、撹拌部材10の回転中心Oyよりも鉛直方向上方に配置している。これにより、現像スリーブ8とPA板金14の間へのトナーの出入りを確実にしている。
また、図2(a)中の領域Xを拡大したものを図2(b)に示す。図2(b)に示すように、現像スリーブ8の表面とPA板金14の最遠部との距離Sは、15mmよりも遠いとPA板金14の面積が小さい場合は撹拌部材10の回転に伴う静電容量の変動幅△が小さくなる。したがって、PA板金14の面積が充分に大きい場合でも静電容量の検出値が不安定になるので好ましくない。一方、最遠部Sが3mmよりも近いと静電容量値が変化する前に白抜け画像が発生する可能性が生じる。
従って、トナー残量検知の精度を得るという観点から、PA板金14は、撹拌部材10の回転中心Oyより鉛直方向上方に配置され、現像スリーブ8の表面からの距離の最遠部Sが3mm≦S≦15mmであることが望ましい。
そこで、本実施例では距離Sは、S=12mmとし、トナー残量20%のときに変化率が0(ゼロ)となるようにした。
また、アンテナ部材14は、上記PA板金のような板状の部材を選択することで棒状のアンテナ部材を選択した場合よりも前述した静電容量の変動幅△を大きくすることができる。特に、本実施例のように断面半径が小さい現像スリーブ8を用いている現像装置では有利である。
アンテナ部材14の材料は、基本的に電流を流すことのできる材料であれば特に限定することなく使用することができる。本実施例では、アンテナ部材14であるPA板金の材料としてはSUS板(SUS316−CP)を使用している。
<トナー残量検知回路説明>
次に、本実施例に使用される現像剤(トナー)残量検知手段の一例を説明する。
図3に、プロセスカートリッジ内のトナー量を検知するためのトナー残量検知手段17を構成するトナー残量検知回路構成を示す。トナー残量検知手段17のトナー残量検知回路を構成する本体側残量検出部18が装置本体に設けられており、アンテナ部材、即ち、PA板金14と現像スリーブ8との間の静電容量に基づいて求められた電圧値が出力される。
更に説明すると、図3に、プロセスカートリッジ13が画像形成装置12に正常に装着されたときの画像形成装置12内のトナー残量検出部18の回路構成を示す。
画像形成装置12とプロセスカートリッジ13には電気接点(不図示)が設けられており、プロセスカートリッジ13が画像形成装置12に装着された際にこの電気接点を通じてPA板金14と画像形成装置12内のトナー残量検知検出部18が電気的に接続される。
本体制御装置26(図1)は、残量検知検出部18、演算部21、制御部22、本体側メモリ23を含んでいる。本体制御装置26は、カートリッジ13側で検出された検出値から推測されるトナー残量を算出するための制御手段を構成する。
現像バイアス印加手段としての現像バイアス電源80から所定のACバイアスを出力すると、その印加バイアスは、リファレンス用コンデンサ19(静電容量C1;固定値)と、現像スリーブ8とにそれぞれ印加される。これによって、リファレンス用コンデンサ19の両端には電圧V1が発生する。そして、現像スリーブ8とPA板金14間の静電容量(静電容量C2;トナー残量によって可変)に対しては電圧V2が発生する。
検出回路20は、この電圧V1、V2との電圧差から測定値である電圧V3を生成し、AD変換部21に出力し、AD変換部21はアナログ電圧V3をデジタル変換した結果を制御部22に出力する。制御部22は、このデジタル値に変換された電圧値V(以下、この値を「検出値」と呼ぶ。単位はV)から、予測されるプロセスカートリッジ内の現像剤量を算出する。測定には現像バイアスを用いているため、現像プロセスと同時にトナー残量の測定も行っている。
以上のようにトナー残量検知検出部18によって、検出された検出値は、画像形成装置本体の制御部22にて電圧に変換され、出力される。本実施例では、トナー残量が少なくなるほど(静電容量値C2が小さくなるほど)検出電圧値は大きくなる構成としている。このトナー残量検知手段17によって、画像形成装置12は、現像容器3a内のトナーTの消費に応じて逐次にその残量を検知する。
本実施例の方式では、図5(a)の領域Aまでは検出値は大きく変化せず、トナー残量がある程度少量となった時点から、即ち、領域Bから逐次の残量検知が可能となるトナーニアエンド方式である。
上述のように、本実施例では、現像バイアスである1400Vpp、2000Hzの交流バイアスと−400Vの直流バイアスの重畳バイアスが現像スリーブ8に印加される。すると、現像スリーブ8に対向したアンテナ部材14との間で交流電流が流れ、電流測定装置20a、20bによって電流値が計測され、さらに電圧値(V1、V2)に変換される。
このように、電流測定装置20a、20bによって測定された電流値から、現像スリーブ8とアンテナ部材14との間の静電容量に基づく残量信号である電圧値が検出される。
つまり、アンテナ部材14であるPA板金を現像装置内に配設し、現像スリーブ8とPA板金14との間の静電容量を計測することで、現像容器3a内のトナー量を知ることができる。
<トナー残量算出>
ここで、本実施例の現像剤残量検出方法について図9のフローチャートを用いて説明する。
先ず、電源ON等により、トナー残量検知制御がスタートする(ステップS1)。
トナー量検知電圧Vsを本実施例では、1secごとに検出する(ステップS2)。そして、タイマの計時値Tbが所定値(本実施例では15sec)を経過しているかを判断する(ステップS3)。本実施例において撹拌部材の回転は10sec周期であるため、タイマの計時値Tbは15secに設定した。
タイマの計時値Tbが15sec未満の場合は、ステップS2に戻る。そして、タイマの計時値Tbが15secを超過した場合は読み込んだVsから最大値Vs(max)及び最小値Vs(min)を検出する(ステップS4)。
ここで、検出電圧Vsの変動周期は10secであることから、このように測定周期を検出電圧Vsの変動周期よりも長くする。それにより、トナー量検知電圧Vsの最大値Vs(max)及び最小値Vs(min)を周期変動する検知電圧Vsの最大値及び最小値を求めることができる。
次に、最大値Vs(max)と最小値Vs(min)から変動幅△Vsを算出し(ステップS5)、N番目の変動幅△Vs(N)とし、(N−1)番目の変動幅として記憶されている変動幅△Vs(N−1)との差である変化率△(N)を算出する(ステップS6)。即ち、ここでは変化率△(N)は、撹拌部材10の1回転あたりの変動幅△Vsの変化量ということになる。したがって、例えば、N番目の変動幅△Vs(N)と、(N−2)番目の変動幅として記憶されている変動幅△Vs(N−2)と、から変化率△(N’)を求める場合は、(△Vs(N)−△Vs(N−2))/2(回転)を計算すればよいことになる。
尚、図9のフローチャートでは、N番目の変動幅△Vs(N)と、(N−1)番目の変動幅として記憶されている変動幅△Vs(N−1)と、から変化率△(N)を求める場合を示す。
ステップS7において、変化率がゼロより小さい値ならばトナーLOWを本体に表示し(ステップS8)、一連の処理を終了する(ステップS10)。
ステップS7において、変化率がゼロより大きい値ならばステップS5で算出した変動幅△Vs(N)を△Vs(N−1)として記憶する(ステップS9)。そして、ステップS2に戻り同様の処理を繰り返す。
本実施例では、図10(a)に示すようなトナー残量出力電圧Vsの推移を示すものであった。また、図10(b)に示す領域Dの拡大図にて理解されるように、本実施例では、ステップS7において変動幅の変化率の値が3回連続ゼロ以下であると判断された時点で、トナーLOWを装置本体に表示するようにした。
また、本実施例において、プリント動作が終了する等でタイマの計時値Tbの値が15secに達しない状態でトナー残量検知のフローが停止した場合は、タイマの計時値Tbをリセットし、変動幅Vs(N−1)を本体制御手段26内のメモリ23に記憶する。その際、変化率の値がゼロ以下であると判断されている場合は、その回数もメモリ23に記憶しておく。
次に、本実施例の現像装置を適用したプロセスカートリッジ及びトナー残量検知を行う画像形成装置で実際にプリントテストを行った。
比較のために本実施例を適用していないプロセスカートリッジ、画像形成装置でのプリントテストも行った。
比較例1:静電容量値が所定の値になったときにトナーLOWを表示する画像形成装置。
比較例2:撹拌部材の周期に伴う静電容量の変動幅△が所定の値になったときにトナーLOWを表示する画像形成装置。
(条件)
通紙モード:印字率4%連続耐久
評価方法:トナーLOWの表示ポイントはトナー残量20%とした。白抜け画像が発生したときをトナー残量0%とし、その時のプリント枚数AとトナーLOW点灯時のプリント枚数Bから以下の計算式(1)によりトナーLOW点灯時の実際のトナー残量を算出して検知精度を評価した。評価はそれぞれ50個のプロセスカートリッジを使用した。
Figure 2007264612
(評価結果)
評価結果を表1に示す。
Figure 2007264612
本実施例を適用していない比較例1の画像形成装置では29個は、10〜35%でトナーLOW検知が行えたが、21個は実際のトナー残量70%以上の早期にトナーLOWを検知してしまった。これは、プロセスカートリッジ使用初期のトナーが不安定な状態でトナー残量検知を行っていたためと考えられる。
また、比較例2の画像形成装置では実際のトナー残量70%以上の早期でのトナーLOW検知は起きなかったが、トナーLOWの点灯は実際のトナー残量が10〜50%の範囲であった。これは、トナーの静電容量値が環境によって異なることに起因する。つまり、変動幅△が同じでも環境によってトナー残量が異なるため、トナー残量検知にはばらつきが生じたためと考えられる。
一方、本実施例を適用した画像形成装置では35個が実際のトナー残量が15〜20%で精度よくトナーLOW検知した。環境によらず50個すべてにおいてトナーLOW点灯は実際のトナー残量が15〜30%の範囲で精度よく検知できた。
以上、述べてきたように、撹拌部材の回転周期に伴う静電容量の変動幅の変化率に基づいてトナー残量検知を行うことにより、小型の現像装置において不揮発性記憶手段などの部品を追加することなくトナーLOWの検出精度を向上することができた。
実施例2
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1の画像形成装置と実質的に同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、画像形成装置及び各構成要素の詳しい説明は省略する。以下、本実施例にて特徴的な部分のみを説明する。
本実施例の特徴は、プロセスカートリッジに不揮発性記憶手段、即ち、メモリを備え、トナー残量表示のポイントを2個所としたところにある。
本実施例で使用した現像装置は、実施例1で使用した現像装置と同様であり、半径6mmの現像スリーブ8を使用した。図11のようにプロセスカートリッジにはメモリ9を備え、トナー残量に関する情報を保持する。また、画像形成装置本体に備えた制御手段、即ち、本体制御装置26によりメモリ9にトナー残量に関する情報を書き込み/更新する。
図11を参照して、更に説明すると、プロセスカートリッジ13には記憶手段(メモリ)9が設けられている。また、プロセスカートリッジ13は、このメモリ9への情報の書き込み、読み込みを制御するためのプロセスカートリッジ側の伝達部25を備えている。プロセスカートリッジ13が画像形成装置12本体に装着された場合は、カートリッジ伝達部25と本体制御装置26が互いに対向して配置される。この本体制御装置26は、本体側の伝達手段としての機能も含んでいる。
本体制御装置26は、残量検知検出部18、演算部21、制御部22、本体側メモリ23を含んでいる。本体制御装置26は、カートリッジ13側で検出された検出値から推測されるトナー残量を算出するための、又カートリッジ側メモリ9の情報の書き込み、呼び出しを行うための制御手段を構成する。
本実施例においては、メモリ9として接触型の不揮発性メモリを用いたが、データの通信を電磁波によって行う非接触型のメモリ、又は、揮発性メモリとバックアップ電源を組合せたもの等を用いても問題ない。
ここで、本実施例の動作について、図12のフローチャートを用いて説明する。
本実施例において、先ず電源ON等によりスタートし(ステップS1)、実施例1と同様に、撹拌周期の変動幅を求める(ステップS1〜ステップS6)。ステップS1〜ステップS6の動作は、実施例1と同様なので、その説明を省略する。
又、実施例1と同様に、ステップS7にて、変動幅から変化率△(N)=変動幅△Vs(N)−変動幅△Vs(N−1)を算出し、変化率△(N)≦0を判断する。ここでも、変化率△(N)は、撹拌部材10の1回転あたりの変動幅△Vsの変化量ということになる。したがって、N番目の変動幅△Vs(N)と、(N−2)番目の変動幅として記憶されている変動幅△Vs(N−2)と、から変化率△(N’)を求める場合は、(△Vs(N)−△Vs(N−2))/2(回転)を計算すればよいことになる。
尚、図12のフローチャートでは、N番目の変動幅△Vs(N)と、(N−1)番目の変動幅として記憶されている変動幅△Vs(N−1)と、から変化率△(N)を求める場合を示す。
次いで、本実施例では、ステップS7でYESの場合は、既に不揮発性記憶手段(メモリ)9にトナーLOW検出済みであることを示す情報が書き込まれているか判断する(ステップS8)。ステップS7でNOの場合は、ステップS5で算出した変動幅△Vs(N)を変動幅△Vs(N−1)として記憶し(ステップS9)、そして、ステップS2に戻る。
ステップS8でYESの場合は、トナーOUTを画像形成装置本体に表示し、トナー残量検知を終了する(ステップS11)。ステップS8でNOの場合は、トナーLOWを画像形成装置に表示すると同時にメモリ9にトナーLOW検出済み情報を書き込み(ステップS12、S13)、ステップS2に戻る。
次に本実施例の画像形成装置を用いてプリントテストを行った。
本実施例では、トナーLOWの表示ポイントは20%とし、トナーOUTの表示ポイントは5%とし、実施例1と同様の条件でプロセスカートリッジ50本の評価を行った。
テストの結果を示す。
Figure 2007264612
トナーOUT表示は0〜10%の範囲、トナーLOW表示は15〜30%の範囲ですべて精度よく検知が行えた。
以上のように、プロセスカートリッジに不揮発性記憶手段9を備えることによって小型の画像形成装置においてトナーLOWとトナーOUTの2個所のトナー残量検知ポイントが精度よく表示できた。
実施例3
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図13に、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す。
本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は、実施例1にて説明した画像形成装置の構成及び動作と同様とされる。従って、実施例1の画像形成装置と実質的に一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、画像形成装置及び各構成要素の詳しい説明は省略する。
図13に、本実施例の画像形成装置である電子写真方式のレーザービームプリンタの概略構成を示す。
本実施例の電子写真技術を利用した画像形成装置12は、像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)1を備えている。感光ドラム1の周囲には感光ドラム1の回転方向に沿って順に、帯電手段としての帯電ローラ2、現像手段である現像装置3、転写手段としての転写ローラ4、クリーニング手段としてのクリーニングブレード5aを備えたクリーニング装置5が配設されている。また、帯電ローラ2と現像装置3間の上方には露光装置6が配設されている。感光ドラム1と転写ローラ4間に形成される転写ニップNの転写材搬送方向の下流側には、定着装置7が配設されている。
本実施例にて、上記構成部材の内、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置3、クリーニング装置5が一体的に包含され、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ13を形成している。
本実施例にて、感光ドラム1は、アルミニウム製のドラム基体上にOPC感光層を有しており、画像形成装置本体側に設けられた駆動手段(不図示)により所定の周速で矢印方向(時計方向)に回転駆動される。感光ドラム1は、その回転過程において接触する帯電ローラ2により負極性の一様な帯電を受ける。
帯電手段としての帯電ローラ2は、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラム1を所定の極性、電位に均一に帯電する。帯電バイアスとしては、帯電ローラ2が十分に放電するAC電圧Vppに、感光ドラム上暗部電位Vdに相当するDC電圧Vprdcを重畳印加する。帯電バイアスの交流AC成分は、感光ドラム1、帯電ローラ2間に常に一定の電流が流れるような定電流制御を行っている。
露光装置6は、パーソナルコンピュータ(不図示)等から入力される画像情報をビデオコントローラ(不図示)によって時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光(露光ビーム)をレーザー出力部(不図示)から出力する。露光ビームLは、帯電された感光ドラム1表面を走査露光することにより、画像情報に対応した静電潜像を形成する。
現像装置3は、現像剤収納部としての現像容器3aを備え、現像剤Tを収納している。また、現像容器3aの開口部には、感光ドラム1表面と対向し、所定の間隔を保持して回転自在なアルミニウムパイプなどの非磁性現像部材にて形成された現像剤担持体としての現像スリーブ8が配設されている。更に、現像容器3a内には、現像剤を撹拌する矢印の方向に回転自在な撹拌部材10、現像スリーブ8上の現像剤を摩擦帯電するための現像ブレード11を備えている。本実施例にて、現像剤Tは平均粒径7μmの磁性1成分現像剤(トナー)を用いた。現像剤は、1成分磁性トナーに限られたものではない。
撹拌部材10は厚さ100μmのPPSシートを用い、本実施例では約3秒で一回転する。この撹拌部材10によって現像スリーブ8へと搬送される。トナーTは現像スリーブ8に取り込まれ、その際にトナーTは現像ブレード11によって層厚を規制され、同時に摩擦によって帯電され現像領域31に送られる。現像ブレード11は、ウレタンゴムなどからなる弾性ブレードとされ、所定の圧力にて現像スリーブに当接され、トナーTに現像に必要な電荷を与え、現像スリーブ8上のトナーの層厚規制をする。
現像領域31において感光ドラム1上の静電潜像にトナーTを付着させてトナー像として顕像化する。現像スリーブ8中には、磁界発生手段である磁極N、Sが交互に複数個形成されたマグネットローラ8aが現像スリーブ8に対して不動に配設されている。マグネットローラ8aは回転動作を行わず、常に一定の位置に保持され、同じ磁極の方向に保たれる。
本実施例では、トナーTとしては、上述のように、1成分磁性現像剤を用い、反転現像を行う。現像スリーブ8には現像バイアス電源80(図15)から直流DCと交流ACを重畳した現像バイアスが印加される。現像バイアスにより、現像領域31内に送られたトナーTは、現像スリーブ8から感光ドラム1上に飛翔する。本実施例では、現像バイアスはDC電圧をVdc=−500Vとして、AC電圧のVppはVpp=1500Vで、周波数2500Hzの矩形波を用いた。
転写手段としての転写ローラ4は、感光ドラム1表面に所定の押圧力で接触して転写ニップ部Nを形成し、転写バイアス電源(不図示)から転写バイアスが印加される。この転写バイアスにより、感光ドラム1と転写ローラ4間の転写ニップ部Nにて感光ドラム1表面のトナー像を用紙などの転写材Pに転写する。
定着装置7は、内部にハロゲンヒータ(不図示)を備えた加熱ローラと加圧ローラを有している。定着ローラと加圧ローラ間の定着ニップにて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱、溶融、加圧して熱定着させ、永久画像とする。定着が終了した転写材P上の永久画像は、画像形成装置12外へと排出される。
クリーニング手段としてのクリーニングブレード5aは、感光ドラム1上に転写されずに残留したトナーをクリーニングし、感光ドラム1は再度画像形成に供される。
プロセスカートリッジ13は、本実施例では500gのトナーを充填しており、A4用紙4%印字で10,000枚の寿命としている。
以下、本実施例にて特徴的な部分について説明する。
本実施例の特徴は、現像剤(トナー)残量検知手段17を構成する現像剤量検知部材としての電極部材であるアンテナ部材が、所定の電圧が印加される第一のアンテナ部材16と、第一のアンテナ部材16に印加された電圧によって生じる静電容量に応じた信号を出力する第二のアンテナ部材15と、を有する構成とされる点にある。
本実施例においても、実施例1と同様に、現像容器内の現像剤量が所定量に達した際にこの変化率が実質的に0(ゼロ)になるように、第一のアンテナ部材と第二のアンテナ部材との距離が設定されている。
次に、図13〜図16を参照して、本実施例の特徴部分を構成する静電容量値の変化を利用したトナー残量検知手段17について説明する。
プロセスカートリッジ13の現像装置3内には、トナー残量検知手段17を構成する現像剤残量検知のための現像剤量検知部材としてのプレートアンテナ板金(以下、「PA板金」という。)15と、PA板金16の2枚の平行板金がプロセスカートリッジ内の長手方向に伸び、互いが対向するように固定配設されている。
上述のように、現像スリーブ8には電源80から直流と交流成分を重畳した現像バイアスが印加され、トナーを感光ドラム1へと飛翔させる。PA板金16には現像バイアスと同一の電源80から残量検出バイアスを印加する。その際にPA板金15に誘起される電流値を測定し、トナー残量検知検出部18によってPA板金15、16間、又はPA板金15、現像スリーブ8間の静電容量を測定することができる。
トナー残量は、トナー残量が多い場合には現像装置3内に十分にトナーが充填されている状態であるので、PA板金15、16間の静電容量を測定することにより検知することができる。また、トナー残量が少ない場合には現像装置3内にはトナーが少なく、現像スリーブ8近傍にある程度なので、PA板金15、現像スリーブ8間の静電容量を測定することにより検知することができる。
PA板金16は、画像形成装置13の現像剤残量検知手段における、検出電圧が入力される入力電極部材(第一の電極)である。また、PA板金15は、PA板金16又は現像スリーブ8との間に存在する現像剤量(トナー残量)に応じた静電容量を画像形成装置12に出力する出力電極部材(第二の電極)として機能する。
2枚の電極部材であるPA板金15、16間の静電容量Cは、PA板金15、16の面積A、距離d、2枚のPA板金15、16間の比誘電率Kεと以下の式(2)の関係にある。
C=Kε×A/d (2)
比誘電率Kεは、PA板金間のトナーの量に応じて変化する値である。PA板金間でのトナーの割合が多いとKεは大きくなり、少ないとKεは小さくなることからトナー残量と静電容量が関係付けられ、比誘電率Kεよりトナー残量を換算する。
本実施例で用いた構成としては、PA板金15及びPA板金16に面積A=15cm2の非磁性のSUS板を用いた。実施例1と同様に、PA板金15及びPA板金16との距離は、PA板金15、16間の静電容量の変動幅の変化率が所定量に達した時に0(ゼロ)となるようにされている。本実施例では、現像スリーブ5とPA板金15の距離Saが5mm、PA板金15とPA板金16の距離Sbは15mmである。
本実施例にて、PA板金15及びPA板金16は、非磁性SUS板(SUS316−CP)を使用したが、導電性を持つ材料であれば特に限定されることなく使用することができる。
また、本実施例では、PA板金15、16は、図14に示すように、撹拌部材10の回転中心Oyよりも鉛直方向上方に配置している。これにより、PA板金15、16の間へのトナーの出入りを確実にしている。
<トナー残量検知回路説明>
次に、図15及び図16を用いて本実施例に使用されるトナー残量検知回路の一例を説明する。
図16に、カートリッジ13が画像形成装置12に正常に装着されたときの画像形成装置12内のトナー残量検知部18の回路構成を示す。画像形成装置12とプロセスカートリッジ13には電気接点(不図示)が設けられている。そして、プロセスカートリッジ13が画像形成装置12に装着された際に前記電気接点を通じてPA板金15、16と画像形成装置12内のトナー残量検知検出部18が電気的に接続される。
現像バイアス印加手段としての現像バイアス電源80から所定のACバイアスを出力すると、その印加バイアスは、リファレンス用コンデンサ19(静電容量C1;固定値)と、現像スリーブ8と、入力用PA板金16とにそれぞれ印加される。これによって、リファレンス用コンデンサ19の両端には電圧V1が発生する。そして、現像スリーブ8とPA板金15間の静電容量(静電容量C2;トナー残量によって可変)と、PA板金15、16間の静電容量(静電容量C3;トナー残量によって可変)との合成容量(C4=C2+C3)に対しては電圧V2が発生する。
検出回路20は、この電圧V1、V2との電圧差から測定値である電圧V3を生成し、AD変換部21に出力し、AD変換部21はアナログ電圧V3をデジタル変換した結果を制御部22に出力する。制御部22は、このデジタル値に変換された電圧値V、即ち、検出値(単位はV)から、予測されるプロセスカートリッジ内の現像剤量を算出する。測定には現像バイアスを用いているため、現像プロセスと同時にトナー残量の測定も行っている。
以上のようにトナー残量検知検出部18によって、検出された検出値は、画像形成装置本体の制御部22にて電圧に変換され、通常の場合、図17のような電圧値Vで出力されている。本実施例では、トナー残量が少なくなるほど(静電容量値C4が小さくなるほど)検出電圧値は大きくなる構成としている。このトナー残量検知機構によって、画像形成装置12は、現像容器3a内のトナーTの消費に応じて逐次にその残量を検知する。
本実施例の方式では、図17の領域Aまでは検出値は大きく変化せず、トナー残量がある程度少量となった時点から、即ち、領域Bから逐次の残量検知が可能となるトナーニアエンド方式である。
<記憶手段(メモリ)>
次に、図18を参照して、記憶手段について述べる。
本実施例にて、プロセスカートリッジ13には記憶手段(メモリ)9が設けられている。また、プロセスカートリッジ13は、このメモリ9への情報の書き込み、読み込みを制御するためのプロセスカートリッジ側の伝達部25を備えている。プロセスカートリッジ13が画像形成装置12本体に装着された場合は、カートリッジ伝達部25と本体制御装置26が互いに対向して配置される。この本体制御装置26は、本体側の伝達手段としての機能も含んでいる。
本体制御装置26は、残量検知検出部18、演算部21、制御部22、本体側メモリ23、残量算出テーブル24を含んでいる。制御部26は、カートリッジ13側で検出された検出値から推測されるトナー残量を算出するための、又カートリッジ側メモリ9の情報の書き込み、呼び出しを行うための制御手段を構成する。
本実施例においては、メモリ9として接触型の不揮発性メモリを用いたが、データの通信を電磁波によって行う非接触型のメモリ、又は、揮発性メモリとバックアップ電源を組合せたもの等を用いても問題ない。カートリッジ側のメモリ9に書き込まれている情報は、プロセスカートリッジ13の使用開始時に本体側メモリ23へと送られる。
<トナー残量算出>
図17に示したように、トナー残量の変化に応じて検出値(V)が変化していくが、検出電圧の変化を詳細にみると、図19に示すように、撹拌部材10の回転周期と同期して、検出電圧が上下していることが分かる。これは、図20に示すように、撹拌部材10の動きに伴ってPA板金15、16間のトナーが変化するためである。
PA板金15、16間のトナーが大きく動くと、静電容量C3が変化するため、検出値も大きく上下する。図20(a)のようにトナーが十分に残っている状態(図19の(1)に対応)では、撹拌部材10が回転してもPA板金15、16間のトナーが大きく変化することはなく、検出値も撹拌周期での変動は小さい。
同様に、図20(b)のようにトナーが十分少なくなった状態(図19の(3)に対応)でも、撹拌部材10が回転してもトナーの存在する領域に撹拌部材10が到達しないため、トナーTは現像スリーブ8と現像ブレード11近傍でのみ図中矢印のように動く。従って、検出値は撹拌周期で殆ど変動しない。
しかし、図20の(c)、(d)のように、一定のトナー量の場合は撹拌部材10の回転によってPA板金15、16間のトナー量が大きく変化する。そのため、検出値が撹拌周期で大きく変動する(図19(2)に対応)。図20(c)のように撹拌部材10がPA板金15、16間にトナーを押し込んでいる場合は、PA板金15、16間の静電容量は大きくなり、検出値は小さい値をとる。一方、図20(d)のように撹拌部材10がPA板金15、16から遠ざかっていくと、トナーは重力によってPA板金15、16間から落下し、静電容量は小さくなり、検出値は大きな値をとる。この状態が撹拌周期で繰り返されるため、図7の領域Cでは検出値の変動が非常に大きい。
特に本実施例では、PA板金15、16を現像スリーブ8の上方に配置することで、トナーがPA板金15、16間へ確実に出入りをし、一定量まで少なくなった時点で撹拌部材10の影響がなくなる。
本実施例の画像形成装置においても、実施例1、2にて説明したと同様の現像剤残量検出方法を採用し、逐次のトナー残量検知精度を高めることができる。
(他の実施例)
上記実施例1〜3では、現像剤残量検知手段によって検知される静電容量値と、現像剤残量検知検出部18の検出値との増減関係が逆になる(静電容量値が減少すると、検出値が増加する)ように設定されている場合について説明した。しかし、この関係は画像形成装置に備えられる回路によって様々であり、静電容量と電圧の関係が同じ減少関数であっても、増加関数であっても構わない。
上記実施例1〜3では、トナー残量の検知手段としてプレート板金方式を用いたが、トナー残量の検知精度を増すためにより多くの現像剤量検知部材を設けてもよい。
又、上記実施例1〜3におけるトナー残量検知は、トナー残量が少量となった時点からの逐次の残量検知が可能となるトナーニアエンド方式である。しかし、より多くのトナー量が残っている時点からトナー残量検知を行うために、他の現像剤残量検知手段を組合せるなどしてもよい。例えば、現像容器の底部にも電極部材を設けることで、トナー残量がより多い時点からトナー残量を逐次に検知するようにしてもよい。現像剤残量を逐次検知するとは、現像剤残量が100%である状態から0%となるまで全ての領域において逐次に検知することのみならず、50%、15%といったより現像剤が減少した状態から逐次に検知することも含む。又、現像剤残量が0%とは、現像装置内の現像剤が完全になくなったことのみを意味するものではなく、例えば、所定の品質の画像を形成することが困難となる現像剤残量などとして、予め求められた所定量の現像剤が残っている状態も含む。
現像剤残量検知手段としては、検知精度が良好であること、回路構成が比較的簡単であることなどから、上記実施例1〜3にて説明した静電容量検知方式のものが好適であるが、本発明はこれに限定されるものではない。現像剤収納部内の現像剤の量に応じた信号を逐次に出力し得るものであって、最大の現像剤量に対応する出力基準値からの検知出力値の変化率に応じて現像剤残量を求め得る他の方式のものを用いる場合にも、本発明は同様に適用し得るものである。複数方式の現像剤残量検知手段を組合せて用いてもよい。
上記各実施例では、装置本体に対して着脱可能なカートリッジは、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置3、クリーニング装置5が一体的にカートリッジ化されたプロセスカートリッジ13であるとして説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。プロセスカートリッジには、感光体と、感光体に作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち少なくとも1つと、を一体的にカートリッジ化して装置本体に対し着脱可能としたものが含まれる。
又、装置本体に対し着脱可能なカートリッジとして、現像装置(現像カートリッジ)が単独で装置本体に対し着脱可能とされている場合にも、本発明は等しく適用可能である。この場合、現像カートリッジの構成は、上記各実施例におけるプロセスカートリッジ13から、感光ドラム1、帯電ローラ2、クリーニング装置5を除いたものに相当し、カートリッジ側メモリ9はこの現像カートリッジに設けられるものと考えればよい。
更に、画像形成装置に対し着脱可能なカートリッジとして、現像容器が単独で画像形成装置本体に対し着脱可能となっている場合にも、本発明は等しく適用可能である。つまり、カートリッジは、現像剤収納部と、この現像剤収納部内の現像剤の量に応じた信号を逐次に出力可能な現像剤残量検知手段と、記憶媒体とが一体的に画像形成装置本体に対して着脱可能となっていればよい。
上記実施例1〜3においては、画像形成装置は単色の画像を形成するものであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像手段を複数有し、複数色の画像(例えば2色画像、3色画像、或いはフルカラー等)を形成する画像形成装置においても、本発明は等しく適用することができる。この場合、各現像手段で用いる現像剤を収容する各現像剤収納部に対して上記実施例1〜3のようにしてトナー残量検知制御を適用すればよい。
現像方法としては、上記実施例1〜3における1成分磁性現像剤を用いたジャンピング現像のみならず、公知の2成分磁気ブラシ現像法等種々の現像法を用いることが可能である。
更に、上記実施例1〜3においては、画像形成装置としてレーザービームプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、プロセスカートリッジ若しくは現像カートリッジといった装置本体に対して着脱可能なカートリッジを用いた、複写機、ファクシミリ装置、或いはワードプロセッサ等の他の画像形成装置に適用することも可能である。
本発明に係る画像形成装置の一実施例を説明する概略断面構成図である。 本発明を適用し得る現像装置の一実施例の概略断面構成図である。 現像剤残量検知回路の一実施例を示すブロック図である。 図4(a)は、現像剤残量検知手段におけるトナー量と静電容量値の関係を示すグラフ図であり、図4(b)は、現像スリーブの断面半径と静電容量差Δの関係を示すグラフ図である。 トナー量と静電容量の振れの関係を示すグラフ図である。 現像装置内のトナーと撹拌の動きを示す略断面図である。 トナー量と変動幅の関係を示す図である。 本発明に適用されるトナー量と変動幅、変化率の関係を示す図である。 本発明の実施例1におけるトナー残量検知動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例1におけるトナーLOW表示ポイントを説明する図である。 本体制御部のブロック図である。 本発明の実施例2におけるトナー残量検知動作を示すフローチャートである。 本発明に係る画像形成装置の他の実施例を説明する概略断面構成図である。 本発明を適用し得る現像装置の一実施例の概略断面構成図である。 本発明を適用し得るプロセスカートリッジの一実施例の概略断面構成図である。 現像剤残量検知回路の他の実施例を示すブロック図である。 トナー量と静電容量の振れの関係を示すグラフ図である。 本体制御部の他の実施例のブロック図である。 トナー残量と検出値の振れの関係を示すグラフ図である。 現像装置内のトナーと撹拌の動きを示す略断面図である。 従来の画像形成装置の一例を説明する概略断面構成図である。 従来の現像装置の一例の概略断面構成図である。
符号の説明
1 電子写真感光体(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 現像装置(現像手段)
3a 現像容器(現像剤収納部)
4 転写装置(転写手段)
6 露光装置
8 現像スリーブ(現像剤担持体)
9 カートリッジ側メモリ
10 撹拌部材
11 現像ブレード
12 画像形成装置
13 プロセスカートリッジ
14、15、16 プレートアンテナ板金(現像剤量検知部材)
23 本体側メモリ
24 トナー残量算出テーブル
26 本体制御装置(制御手段)
27 表示手段

Claims (12)

  1. 電子写真感光体に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部に回転可能に設けられた、前記現像剤を撹拌するための撹拌部材と、前記現像剤収納部に収納された現像剤の量を検知するための信号を出力する現像剤量検知部材と、を有する現像装置が用いられる画像形成装置において、
    前記信号が入力されて、前記現像剤の残量を検出する本体制御装置であって、前記撹拌部材の回転に伴う前記信号の変動幅における、前記撹拌部材の単位回転数あたりの変化量に基づいて、前記現像剤収納部内の現像剤量を検出する本体制御装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記現像剤量検知部材は、前記現像剤収納部内に配置され、前記撹拌部材の回転中心よりも鉛直方向上方で、かつ、前記撹拌部材よりも前記現像剤担持体に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像剤量検知部材は、前記現像剤収納部内に備えられたアンテナ部材であり、前記アンテナ部材は、前記現像剤担持体と前記アンテナ部材との間の静電容量に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像剤収納部内の現像剤量が所定量に達した際に、前記撹拌部材の単位回転数あたりの変化量が実質的に0になるように、前記現像剤担持体と前記アンテナ部材との距離が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像剤量検知部材は、前記現像剤収納部内に備えられた、電圧が印加される第一のアンテナ部材と、前記第一のアンテナ部材に印加された電圧によって生じる静電容量に応じた信号を出力する第二のアンテナ部材と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記現像剤収納部内の現像剤量が所定量に達した際に、前記撹拌部材の単位回転数あたりの変化量が実質的に0になるように、前記第一のアンテナ部材と前記第二のアンテナ部材との距離が設定されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 電子写真感光体に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像剤担持体と、前記現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部に回転可能に設けられた、前記現像剤を撹拌するための撹拌部材と、前記現像剤収納部に収納された現像剤の残量を検出するための信号を出力する現像剤量検知部材と、を有する現像装置が用いられる画像形成装置における、前記現像剤収納部に収納された現像剤の残量を検出する検出方法において、
    前記撹拌部材の回転に伴う前記信号の変動幅における、前記撹拌部材の単位回転数あたりの変化量に基づいて、前記現像剤収納部内の現像剤量を検出する工程を有することを特徴とする検出方法。
  8. 前記現像剤量検知部材は、前記撹拌部材の回転中心よりも鉛直方向上方で、かつ、前記撹拌部材よりも前記現像剤担持体に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の検出方法。
  9. 前記現像剤量検知部材は、前記現像剤担持体と前記現像剤収納部内に備えられたアンテナ部材との間の静電容量に応じた信号を出力することを特徴とする請求項7または8に記載の検出方法。
  10. 前記現像剤収納部内の現像剤量が所定量に達した際に前記変化量が実質的に0になるように、前記現像剤担持体と前記アンテナ部材との距離が設定されていることを特徴とする請求項9に記載の検出方法。
  11. 前記現像剤量検知部材は、前記現像剤収納部内に備えられた、所定の電圧が印加される第一のアンテナ部材と、前記第一のアンテナ部材に印加された電圧によって生じる静電容量に応じた信号を出力する第二のアンテナ部材と、を有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の検出方法。
  12. 前記現像剤収納部内の現像剤量が所定量に達した際に前記変化量が実質的に0になるように、前記第一のアンテナ部材と前記第二のアンテナ部材との距離が設定されていることを特徴とする請求項11に記載の検出方法。
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