JP2007264228A - プロジェクタ、表示画像調整方法、この方法を実行するプログラム、及びこのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

プロジェクタ、表示画像調整方法、この方法を実行するプログラム、及びこのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract


【課題】設置時の投射画像の自動調整を行う撮像装置が設けられたプロジェクタにおいて、画像投射中に撮像装置の有効活用を図り、省エネルギを実現することのできるプロジェクタの提供。
【解決手段】設置時の投射画像の自動調整を行う撮像装置5が設けられたプロジェクタ1は、画像投射中、撮像装置5で撮像された投射画像を含む画像を取得する手段42と、投射画像領域及び背景画像領域を分離する手段43と、背景画像の経時変化を取得、蓄積する手段45、47と、投射画像の経時変化を取得、蓄積する手段44、46と、背景画像の経時変化、及び蓄積された投射画像の経時変化に基づいて、当該プロジェクタ1の使用傾向を判定する手段48と、判定の結果に基づいて、前記光源の光量を調整する手段50とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクタ、表示画像調整方法、この方法を実行するプログラム、及びこのプログラムを記録した記録媒体に関する。
光源から射出された光束を入力される画像信号に応じて変調し、スクリーン上に拡大投射するプロジェクタにおいて、スクリーンとプロジェクタとを別体にしたいわゆるフロントプロジェクタは、ビジネスにおけるプレゼンテーション用途や、個人的なホームシアター用途として利用されている。
このようなプロジェクタでは、プロジェクタの投射レンズとスクリーンとが正対した位置に配置されていれば投射画像に問題は生じないのだが、プロジェクタに対してスクリーン面が傾いていると、斜め投射となり、これに伴い、投射画像に台形歪が生じることがある。
このため、プロジェクタとスクリーンとの位置関係を変えることなく、台形歪を補正することのできる機能が付与されたプロジェクタが知られている。
また、このようなプロジェクタ及びスクリーンを設置する場合、プロジェクタ及びスクリーン間の距離も状況に応じて変化するため、スクリーン上に投射された画像を見ながら、ズーム、フォーカス調整を行う必要もある。
このような台形歪補正、フォーカス調整は、従来、プロジェクタの観察者がプロジェクタを操作して行うのが通常であったが、これらを自動化する方法として、プロジェクタにCCD(Charge-Coupled Device)カメラ等の撮像装置を搭載し、この撮像装置で撮像された画像に基づいて、自動的に台形歪補正や、ズーム・フォーカス調整を行うことができるプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2000−241874号公報 特開2005−318510号公報
しかしながら、このような自動的に台形歪補正や、ズーム・フォーカス調整を行うことのできるプロジェクタでは、最初の設置時のみ撮像装置が動作するだけであり、画像投射後は全く機能していないという問題がある。特に、定置型のプロジェクタでは、一旦設置してしまえば、以後殆ど移動することがないので、搭載された撮像装置は、設置後は機能せず無駄となっていた。
一方、このようなプロジェクタを含む画像表示装置では、省エネルギの観点から少しでも消費電力を少なくしたいという要望がある。
本発明の目的は、設置時の投射画像の自動調整を行う撮像装置が設けられたプロジェクタにおいて、画像投射中に撮像装置の有効活用を図り、省エネルギを実現することのできるプロジェクタ、表示画像調整方法、この方法を実行するプログラム、及びこのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
本発明に係るプロジェクタは、
光源と、前記光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置で形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備え、拡大投射された投射画像を撮像して、設置時の投射画像の自動調整を行う撮像装置が設けられたプロジェクタであって、
画像投射中、前記撮像装置で撮像された投射画像を含む画像を取得する画像取得手段と、
取得された画像における投射画像領域及び背景画像領域を分離する画像領域分離手段と、
分離された背景画像領域における背景画像の経時変化を取得する背景画像経時変化取得手段と、
取得された背景画像の経時変化を蓄積する背景画像経時変化蓄積手段と、
前記投射画像領域に表示される投射画像の経時変化を取得する投射画像経時変化取得手段と、
取得された投射画像の経時変化を蓄積する投射画像経時変化蓄積手段と、
前記蓄積された背景画像の経時変化、及び前記蓄積された投射画像の経時変化に基づいて、当該プロジェクタの使用傾向を判定する使用傾向判定手段と、
判定の結果に基づいて、前記光源の光量を調整する光量調整手段とを備えていることを特徴とする。
ここで、自動調整用の撮像装置は、プロジェクタに内蔵されていてもよいが、プロジェクタに設けられたUSB端子等にケーブルを介して接続される別体の撮像装置であってもよい。
また、プロジェクタの使用傾向の判定において、投射画像の経時変化は、観察者がどのような画像を観察する傾向にあるかを判定する場合に用いられ、例えば、プロジェクタで映画等の動画像を表示させる傾向が強ければ、明るい画像を表示することが少ないので、光源の光量を下げてもよいと判定することができ、プロジェクタでコンピュータのプレゼンテーション画像等を表示させる傾向が強ければ、光量を最大限とすべきと判定することができる。
一方、プロジェクタの使用傾向の判定において、背景画像の経時変化は、プロジェクタの設置状況を判定する場合に用いられ、例えば、ホームシアターのように、比較的暗い場所でプロジェクタを使用することが多いようであれば、光量を下げてもよいと判定することができ、会議室等の明るい場所で使用することが多いようであれば、光量を上げてもよいと判定することができる。
また、投射画像及び背景画像の経時変化は、取得された画像の画面全体の輝度、照度等の値を積分して単位時間当たりのデータとして保持すればよい。
そして、それぞれの経時変化の蓄積は、プロジェクタを使用し始めてからのすべての経時変化と、画像投射中の一定時間における経時変化との双方を蓄積しておき、両者に適当な重み付けを行って使用傾向の判定を行うのが好ましい。
この発明によれば、蓄積された投射画像、背景画像の経時変化に基づいて、プロジェクタの使用傾向の判定を行って、光量調整を行っているため、プロジェクタで表示させる投射画像の傾向や、プロジェクタの設置環境に応じた適切な光源の光量で観察者に投射画像を観察させることができ、光源の電力消費を必要最小限に抑えて省エネルギを実現することができる。
また、このように光量調整を行うことにより、光源の負荷を軽減して、光源の寿命を向上させ、また、光源の照明光による液晶パネル等の光変調装置への負荷も軽減して、光変調装置の寿命を向上させることができるため、プロジェクタの寿命を向上させることができる。
本発明では、投射画像経時変化取得手段による投射画像の経時変化の取得は、次の2つの方法が考えられる。
(1) 画像領域分離手段で分離された投射画像領域の画像に基づいて、投射画像の経時変化を取得する、すなわち、撮像装置で撮像された投射画像領域から投射画像の経時変化を取得することが考えられる。
(2) プロジェクタのフレームバッファに保持されたフレーム単位の画像データに基づいて、投射画像の経時変化を取得することが考えられる。
(1)の方法による場合、背景画像の経時変化の取得と同様の処理で投射画像の経時変化を取得できるため、処理の簡単化を図ることができる。
一方、(2)の方法による場合、撮像装置を介して取得された画像ではなく、実際に入力される画像信号に基づいて取得しているため、入力される画像信号に応じた、より正確な投射画像の経時変化を取得することができる。また、入力される画像信号がMPEG2等の形式の画像信号であれば、画像信号に付帯されるメタデータにより、画像信号の特性等を取得できるため、これらを利用してより好ましい光量調整を実現できる。
本発明では、プロジェクタが異なる形式の画像信号が入力される複数の入力系を備えている場合、
投射画像経時変化蓄積手段には、各入力系に応じた投射画像の経時変化を記憶する領域が確保されているのが好ましい。
ここで、画像信号が入力される入力系としては、例えば、PC等が接続されるRGB端子、DVI(Digital Visual Interface)端子や、DVD(Digital Versatile Disc)再生装置等の映像再生装置が接続されるS端子等のセパレート映像端子、コンポーネント端子等が考えられる。
この発明によれば、例えば、S端子であれば映画等の動画像に係る画像信号が多いため、この入力系での経時変化を取得することで、観察者の嗜好を含む動画像の傾向をも使用傾向として取得することができ、観察者の嗜好も加味した光量調整を行って、光量調整の精度を向上することができる。
本発明では、プロジェクタが画像信号の入力を監視する画像信号監視手段を備え、
光量調整手段は、画像信号監視手段が画像信号の入力が停止したと判定したら、光源の光量を調整するのが好ましい。
ここで、画像信号の入力の監視は、画像信号入力端子への信号入力の状態を監視してもよく、撮像装置で撮像された投射画像領域の画像を監視して、青色等の所定の単色画像となった場合、画像信号の入力が停止したと判定してもよい。
この発明によれば、画像信号の入力が停止した状態では、あえて多くの光量で投射画像を表示させる必要がないため、このような場合に光量を調整して投射画像の輝度を下げることで省エネルギの促進を図ることができる。
本発明は、自動調整用の撮像装置が設けられたプロジェクタにおける表示画像調整方法としても構成することができ、さらにはこの表示画像調整方法を構成する各ステップをコンピュータが実行するプログラム、及びこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立するものである。
具体的には、本発明に係る表示画像調整方法は、
光源、前記光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成する光変調装置、及び、光変調装置で形成された光学像を拡大投射する投射光学装置を備えた装置本体に、拡大投射された投射画像を撮像して、設置時の投射画像の自動調整を行う撮像装置、及びこの撮像装置による撮像データから前記装置本体を制御する制御手段が設けられたプロジェクタにより、前記制御手段が表示中の画像を調整する表示画像調整方法であって、
前記制御手段が、
投射画像表示中、前記撮像装置で撮像された投射画像を含む画像を取得する画像取得ステップと、
取得された画像における投射画像領域及び背景画像領域を分離する画像領域分離ステップと、
分離された背景画像における背景画像の経時変化を取得し、蓄積する背景画像経時変化蓄積ステップと、
前記投射画像領域に表示される投射画像の経時変化を取得し、蓄積する投射画像経時変化蓄積ステップと、
前記蓄積された背景画像の経時変化、及び前記蓄積された投射画像の経時変化に基づいて、当該プロジェクタの使用傾向を判定する使用傾向判定ステップと、
判定の結果に基づいて、前記光源の光量を調整する光量調整ステップとを実行することを特徴とする。
この発明によれば、前記と同様の作用及び効果を享受することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ1が示されている。このプロジェクタ1は、光学系2、画像処理系3、及び制御系4を備えて構成され、入力端子DVI、RGB、S端子から入力された画像信号を、画像処理系3で処理した後、処理結果に基づいて、光学系2で光学像を形成してスクリーンSC上に画像を拡大投射する光学機器である。
■1.光学系2の構成
光学系2は、光源装置21、レンズアレイ22、23、集光レンズ24、液晶パネル25、及び投射レンズ26を備えて構成されている。尚、図1では図示を略したが、本実施形態の光学系2は、3枚の液晶パネル25を備え、赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ画像信号に応じて変調を行って合成してカラー画像を形成している。このため、液晶パネル25の前段には、光源装置21からの光束をRGBの三色に分離する色分離光学系が設けられ、各液晶パネル25の後段で投射レンズ26の前段には、各色光を合成する色合成光学系が設けられている。
光源装置21は、超高圧水銀ランプ等の放電発光管211及びリフレクタ212を備え、放電発光管211から放射された光束は、リフレクタ212によって方向が揃えられて射出される。
レンズアレイ22、23は、複数の小レンズが平面的にマトリクス状に配列された構成を具備し、光源側のレンズアレイ22は、光源装置21からの照明光を複数の部分光束に分割する光学素子として機能し、レンズアレイ23は、後段の集光レンズ24とともに、各部分光束を液晶パネル25の画像形成領域上で重畳させる光学素子として機能する。
液晶パネル25は、固定画素型の画像生成デバイスとして構成され、画像形成領域上に平面状に配置される複数の固定画素から構成されている。固定画素は、図示を略したが、一対の透明基板上に密閉封入された液晶に電圧を印加するTFT(Thin Filmed Transistor)をスイッチング素子とし、TFTのスイッチングにより各画素に印加される電圧が変化することにより、液晶の配向状態が変化することにより、入射光束を入力画像データに応じて変調することが可能となる。
投射レンズ26は、液晶パネル25で形成された光学像を拡大投射する光学素子であり、鏡筒内に複数のレンズが組み込まれた組レンズとして構成される。
■2.画像処理系3の構成
画像処理系3は、各入力端子DVI、RGB、S端子に応じて設けられるフロントエンドIC31、スケーラ32、画像処理IC33、フレームバッファ34、及びLCDコントローラ35を備えて構成される。
入力端子DVI、RGBには、コンピュータが接続され、コンピュータからの画像信号が入力される。一方、S端子には、DVD再生装置、ビデオ再生装置等が接続され、主としてこのような再生装置で再生された動画像からなる画像信号が入力される。
フロントエンドIC31は、各入力端子DVI、RGB、S端子に接続された機器から出力されたアナログ形式の画像信号をデジタル形式の画像信号に変換する部分である。
スケーラ32は、入力された画像信号の解像度を、液晶パネル25で表示可能な解像度に変換する部分である。
画像処理IC33は、スケーラ32によって解像度変換が行われた画像信号に対して、種々の画像処理を行って、液晶パネル25で高品質の画像を表示させる部分である。具体的には、画像処理IC33は、液晶パネル25の個々の画素における輝度ムラ補正、色ムラ補正の他、V−Tγ補正などを行い、処理後の画像信号をフレームバッファ34に描き込む。
フレームバッファ34には、画像処理IC33からシリアルに供給される画像信号がフレーム単位で記憶保持され、1フレーム分の画像が記憶されたら、LCDコントローラ35に出力する。
LCDコントローラ35は、フレームバッファ34に記憶保持された画像信号に基づいて、液晶パネル25の駆動制御を行う部分であり、フレームバッファ34に記憶保持されたフレーム単位の画像信号に基づいて液晶パネル25の駆動制御を行う。
このような画像処理系3では、入力端子DVI、RGB、S端子のいずれかに入力された画像信号は、フロントエンドIC31においてデジタル変換され、スケーラ32において解像度変換が行われ、画像処理IC33において画像処理が行われた後、LCDコントローラ35で液晶パネル25の駆動制御を行ってスクリーンSC上に投射画像が形成される。
■3.制御系4の構造
制御手段としての制御系4は、CCD等の撮像装置5で撮像された投射画像含む画像に基づいて、種々の処理を行う部分であり、演算処理装置4A及び記憶装置4Bを備えて構成される。
演算処理装置4Aは、画像解析補正手段41、画像取得手段42、画像領域分離手段43、投射画像経時変化取得手段44、背景画像経時変化取得手段45、投射画像経時変化蓄積手段46、背景画像経時変化蓄積手段47、使用傾向判定手段48、画像信号監視手段49、及び光量調整手段50を備え、これら各機能的手段は、演算処理装置4A上で実行されるプログラムとして構成される。
画像解析補正手段41は、撮像装置5で撮像された投射画像を解析し、補正量を生成し、画像処理IC33に出力して、台形歪やズーム・フォーカスの補正を実行する。例えば、台形歪を補正する場合、画像解析補正手段41は、撮像装置5で撮像された投射画像を含む画像から、投射画像領域のエッジを輝度分布等のデータから取得して、投射画像の歪の状況を把握する。
次に、画像解析補正手段41は、得られた投射画像の歪の状況に基づいて、これを逆変換する補正データを生成する。具体的には、画像解析補正手段41は、撮像装置5により撮像された投射画像が、上が大きく下が小さいような台形歪の場合、下が大きく上が小さくなるような補正データを生成し、画像処理IC33に出力する。画像処理IC33では、この補正データに基づいて、画像信号の表示領域の伸縮を行い、フレームバッファ34に描き込む。
画像取得手段42は、プロジェクタ1による画像投射中、撮像装置5で撮像された投射画像を含む画像を取得する部分であり、取得される画像は、略中央が投射画像領域となり、その回りが額縁状に背景画像となる。この画像取得手段42による画像の取得は、一定時間間隔で行われ、例えば、1分に1回程度の間隔で行われる。
画像領域分離手段43は、画像取得手段42で取得された画像を、投射画像領域及び背景画像領域に分離する部分であり、前述した画像解析補正手段41と同様に、投射画像領域のエッジに基づいて分離する。
投射画像経時変化取得手段44は、画像取得手段42により1分間隔で取得され、画像領域分離手段43で分離された投射画像領域の画像について、例えば、画像全体の輝度値を取得し、プロジェクタ1の起動後の時間ととともに、投射画像経時変化蓄積手段46に蓄積する。この投射画像経時変化取得手段44では、投射画像経時変化蓄積手段46に経時変化を蓄積する際、入力端子DVI、RGB、S端子いずれの入力系からの画像信号の入力であるかを確認し、入力系に応じた投射画像経時変化蓄積手段46に設定された入力系の領域に蓄積する。
ここで、投射画像経時変化蓄積手段46は、EPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリ内の記憶領域に確保され、図2に示されるように、各入力系DVI、RGB、S端子に応じた総輝度積算値Yt、総積算時間Tt、起動後の輝度積算値Y1、及び積算時間T1が書き込めるテーブルTable1から構成されている。総輝度積算値Yt及び総積算時間Ttは、プロジェクタ1の最初の起動からの総輝度値及び稼働時間を積算したものであり、起動後の輝度積算値Y1及び積算時間T1は、プロジェクタ1を起動した際における総輝度値及び稼働時間を積算したものである。
背景画像経時変化取得手段45は、投射画像経時変化取得手段44と同様に、画像領域分離手段43で分離された背景画像領域の画像について、画像全体の輝度値を取得し、プロジェクタ1の起動後の時間とともに、背景画像経時変化蓄積手段47に蓄積する。
背景画像経時変化蓄積手段47は、EPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリ内の記憶領域に確保され、図3に示されるように、背景画像領域の総輝度積算値Yh、総積算時間Th、起動後の輝度積算値Y2、及び積算時間T2が書き込めるテーブルTable2として構成され、プロジェクタ1の最初の起動からの総輝度値及び稼働時間を積算したものと、プロジェクタ1を起動した際における総輝度値及び稼働時間を積算したものが書き込まれる。
使用傾向判定手段48は、前記の投射画像経時変化蓄積手段46及び背景画像経時変化蓄積手段47に蓄積された投射画像の経時変化、背景画像の経時変化に基づいて、プロジェクタ1の使用傾向を判定する部分である。具体的には、この使用傾向判定手段48は、まず、投射画像経時変化蓄積手段46に蓄積された総輝度値及び積算時間の情報に基づいて、単位時間当たりに表示させる画像の輝度値に基づいて、観察者がどのような明るさの画像を表示させているかを判定する。
この際、使用傾向判定手段48は、投射画像経時変化蓄積手段46中の総輝度積算値Yt及び総積算時間Ttから得られる単位時間当たりの輝度値と、プロジェクタ1の起動後の総輝度値Y1及び積算時間T1から得られる単位時間当たりの輝度値とに基づいて、起動後に適当な重み付けをして、プロジェクタ1で表示させている画像の傾向を判定する。
また、使用傾向判定手段48は、背景画像経時変化蓄積手段47に蓄積された背景画像の経時変化についても、単位時間当たりの輝度値として算出し、プロジェクタ1の使用環境を把握する。
そして、使用傾向判定手段48は、投射画像の経時変化を与える単位時間当たりの総輝度値と、背景画像の経時変化を与える単位時間当たりの総輝度値とに基づいて、例えば、差分を取ることにより、投射される画像とプロジェクタ1の設置環境とを加味した判定結果を光量調整手段50に出力する。
画像信号監視手段49は、前記の画像取得手段42で取得された投射画像を含む画像において、投射画像表示領域に表示された画像を監視し、その画像が一定の単色画像であり、一定時間が経過しても変化がないと判定された場合、プロジェクタ1への画像信号の入力が遮断すると判定して、光量を下げる旨の光量調整信号を生成して、光量調整手段50に出力する。
光量調整手段50は、使用傾向判定手段48の判定結果、及び画像信号監視手段49による監視結果に基づいて、光源装置21の光量を設定する部分である。例えば、使用傾向判定手段48の判定結果において、背景画像が十分に暗く、投射画像が動画等の比較的暗い画像が多いと判定された場合には、光量調整手段50は、光源装置21の光量を下げる旨の光量制御信号を生成して、光源駆動回路51に出力する。光源駆動回路51では、光量調整手段50からの光量制御信号に基づいて、光源装置21に与える電力をコントロールして、光源装置21の光量を調整する。
■4.プロジェクタ1の作用
次に、前述した構成のプロジェクタ1の作用について、図4に示されるフローチャートに基づいて説明する。
まず、プロジェクタ1が起動されると(処理S1)、スクリーンSC上に初期画面となる投射画像が表示される(処理S2)。制御系4の画像解析補正手段41は、撮像装置5を介してスクリーンSC上に表示された投射画像を含む画像の取り込みを行う(処理S3)。
画像解析補正手段41は、画像の解析を行い(処理S4)、投射画像領域のエッジ部分を取得し、このエッジ部分の形状に基づいて、台形歪を補正する必要があるかどうかを判定し(処理S5)、補正が必要であると判定されたら、補正画像を生成し(処理S6)、再び投射画像として表示させ、補正が不要となるまで繰り返す。
次に、スクリーンSC上に矩形状の適切な画像が表示されたら、投射画像経時変化取得手段44は、信号入力端子DVI、RGB、S端子に応じて、投射画像経時変化蓄積手段46に蓄積された投射画像の経時変化データを読み出して、作業用RAM等に保持する(処理S7)とともに、経時変化データの内、起動後経時変化データY1、積算時間T1をリセットする(処理S8)。
さらに背景画像経時変化取得手段45は、同様に、背景画像の経時変化データを読み出し、作業用RAMに保持するとともに(処理S9)、起動後経時変化データY2、積算時間T2をリセットする(処理S10)。
プロジェクタ1による画像の投射中、画像取得手段42は、撮像装置5を介して投射画像を含む画像の取り込みを行い(処理S11)、画像領域分離手段43により投射画像領域及び背景画像領域の分離を行った後、投射画像経時変化取得手段44は、投射画像領域の輝度値を取得して、経時変化データの輝度値Yt、Y1に積算するとともに、その際の経過時間を積算時間Tt、T1に積算し(処理S12)、投射画像経時変化蓄積手段46にそのデータを書き込む(処理S13)。
続けて、背景画像経時変化取得手段45は、同様に背景画像領域の輝度値データを取得して、経時変化データの輝度値Yh、Y2に積算するとともに、その際の経過時間を積算時間Th、T2に積算し(処理S14)、背景画像経時変化蓄積手段47にそのデータを書き込む(処理S15)。
このような一連の投射画像及び背景画像の取り込み中、画像信号監視手段49は、投射画像を監視し、単色画像が一定時間続き信号入力が停止していないかを判定し(処理S16)、信号入力が停止していると判定された場合、光量を下げる旨の信号を出力し、光量調整手段50により光源装置21の光量を調整する。
信号入力が停止していないと判定されたら、使用傾向判定手段48は、先に取得された投射画像の経時変化データ、及び背景画像の経時変化データに基づいて、光量調整を行うべきかどうかを判定する(処理S17)。
光量を調整すべきと判定されたら、光量調整手段50にその旨の判定結果を出力し、光量調整手段50はその結果に基づいて、光源駆動回路51を駆動制御して光源装置21の光量を調整した後(処理S18)、処理S11に戻って同様の手順を繰り返す。
一方、光量調整が不要であると判定された場合、処理S11に戻って、同様の手順を繰り返す。
このような一連の処理によって光量を調整することにより、光量を上げる必要がないときには、投射画像及び環境条件に応じて光量を低下させることができるため、プロジェクタ1の省エネルギ化を図ることができるという効果がある。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分等については、同一符号を付してその説明を省略する。
前述の第1実施形態では、投射画像経時変化取得手段44は、撮像装置5で取り込まれた画像のうち、画像領域分離手段43で分離された投射画像領域に基づいて、投射画像の経時変化データを取得していた。
これに対して、第2実施形態に係るプロジェクタ6は、図5に示されるように、制御系7の演算処理装置7A上で実行されるプログラムとしての投射画像経時変化取得手段71が画像処理系3のフレームバッファ34に描き込まれたデータに基づいて、経時変化データを取得している点が相違する。
すなわち、投射画像経時変化取得手段71は、撮像装置5で撮像された投射画像領域の画像データではなく、フレームバッファ34に描き込まれた投射画像を与える画像信号を参照することにより、投射画像の経時変化を取得している。フレームバッファ34からのデータの読み出しは、フレーム毎に行う必要はなく、例えば、3乃至10フレームおきに読みに行って投射画像の経時変化として取得すればよい。この際、投射画像経時変化取得手段71は、フレーム内の輝度積算値を算出するとともに、積算時間も取得して、投射画像経時変化蓄積手段46に蓄積する
このような第2実施形態では、入力画像信号から直接投射画像の経時変化を取得しているため、第1実施形態よりも正確な投射画像の経時変化を取得することができる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記第1実施形態では、プロジェクタ1に撮像装置5及び制御系4が内蔵された構成であったが、これに限らず、これらをプロジェクタ1とは別体に構成して、USB等の双方向に通信可能な接続端子により制御系を接続して、プロジェクタ1の光量制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、汎用のプロジェクタに撮像装置及び制御系のユニットを接続するだけで、本発明と同様の作用効果を享受でき、より汎用性が向上する。
また、前記第2実施形態では、フレームバッファ内の画像信号から投射画像の経時変化を取得していたが、本発明はこれに限らず、例えば、MPEG2のように、GOP等に所定のヘッダ情報が付されており、ここから投射画像の特性が読み取れるような場合は、これを利用して、投射画像の経時変化を取得してもよい。
さらに、前記第1実施形態では、画像信号監視手段49は、画像取得手段42で取り込まれた投射画像に基づいて、画像信号の入力が停止したか否かを判定していたが、本発明はこれに限らず、例えば、入力端子から直接画像信号の入力が停止したか否かを判定するように、画像信号監視手段を構成してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの構造を表すブロック図。 前記実施形態における投射画像経時変化蓄積手段の構造を表す模式図。 前記実施形態における背景画像経時変化蓄積手段の構造を表す模式図。 前記実施形態の作用を説明するためのフローチャート。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクタの構造を表すブロック図。
符号の説明
1…プロジェクタ、5…撮像装置、21…光源装置、25…液晶パネル、26…投射光学装置、42…画像取得手段、43…画像領域分離手段、44、71…投射画像経時変化取得手段、45…背景画像経時変化取得手段、46…投射画像経時変化蓄積手段、47…背景画像経時変化蓄積手段、48…使用傾向判定手段、49…画像信号監視手段、50…光量調整手段

Claims (8)

  1. 光源と、前記光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置で形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備え、拡大投射された投射画像を撮像して、設置時の投射画像の自動調整を行う撮像装置が設けられたプロジェクタであって、
    画像投射中、前記撮像装置で撮像された投射画像を含む画像を取得する画像取得手段と、
    取得された画像における投射画像領域及び背景画像領域を分離する画像領域分離手段と、
    分離された背景画像領域における背景画像の経時変化を取得する背景画像経時変化取得手段と、
    取得された背景画像の経時変化を蓄積する背景画像経時変化蓄積手段と、
    前記投射画像領域に表示される投射画像の経時変化を取得する投射画像経時変化取得手段と、
    取得された投射画像の経時変化を蓄積する投射画像経時変化蓄積手段と、
    前記蓄積された背景画像の経時変化、及び前記蓄積された投射画像の経時変化に基づいて、当該プロジェクタの使用傾向を判定する使用傾向判定手段と、
    判定の結果に基づいて、前記光源の光量を調整する光量調整手段とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記投射画像経時変化取得手段は、
    前記画像領域分離手段で分離された投射画像領域の画像に基づいて、投射画像の経時変化を取得することを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    入力される画像信号を、フレーム単位の画像データとして記憶保持するフレームバッファを備え、
    前記投射画像経時変化取得手段は、
    このフレームバッファに保持されたフレーム単位の画像データに基づいて、投射画像の経時変化を取得することを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    異なる形式の画像信号が入力される複数の入力系を備え、
    前記投射画像経時変化蓄積手段には、各入力系に応じた投射画像の経時変化を記憶する領域が確保されていることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記画像信号の入力を監視する画像信号監視手段を備え、
    前記光量調整手段は、前記画像信号監視手段が画像信号の入力が停止したと判定したら、前記光源の光量を調整することを特徴とするプロジェクタ。
  6. 光源、前記光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成する光変調装置、及び、光変調装置で形成された光学像を拡大投射する投射光学装置を備えた装置本体に、拡大投射された投射画像を撮像して、設置時の投射画像の自動調整を行う撮像装置、及びこの撮像装置による撮像データから前記装置本体を制御する制御手段が設けられたプロジェクタにより、前記制御手段が表示中の画像を調整する表示画像調整方法であって、
    前記制御手段が、
    投射画像表示中、前記撮像装置で撮像された投射画像を含む画像を取得する画像取得ステップと、
    取得された画像における投射画像領域及び背景画像領域を分離する画像領域分離ステップと、
    分離された背景画像における背景画像の経時変化を取得し、蓄積する背景画像経時変化蓄積ステップと、
    前記投射画像領域に表示される投射画像の経時変化を取得し、蓄積する投射画像経時変化蓄積ステップと、
    前記蓄積された背景画像の経時変化、及び前記蓄積された投射画像の経時変化に基づいて、当該プロジェクタの使用傾向を判定する使用傾向判定ステップと、
    判定の結果に基づいて、前記光源の光量を調整する光量調整ステップとを実行することを特徴とする表示画像調整方法。
  7. 光源と、前記光源から射出された光束を、入力される画像信号に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置で形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備え、拡大投射された投射画像を撮像して、台形歪及びフォーカス調整を含む投射画像調整用の撮像装置、及びこの撮像装置による撮像データから装置本体を制御する制御手段が設けられたプロジェクタの前記制御手段上で実行されるプログラムであって、
    前記制御手段が、
    請求項6に記載の表示画像調整方法の各ステップを実行することを特徴とするプログラム。
  8. 請求項7に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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