JP2007263495A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】急速昇温性及び耐久性の向上の両立を図ることのできるグロープラグを提供する。
【解決手段】グロープラグは、軸孔を有する筒状の主体金具2と、主体金具2の先端側から突出した状態で軸孔4内に接合されるシースヒータ3とからなる。シースヒータ3は、先端部が閉じた金属製のシースチューブ7を備えており、その内側には、チューブ先端に溶融接合された発熱コイル9等が絶縁性粉末とともに封入されている。また、シースチューブ7の先端近傍に配置される発熱コイル9の先端部35は、軸線Oに対するテーパ角度が所定の変曲点を境に先側が小さく、後側が大きくなった最外周形状となっており、最先端部36を始点とした1巻目及び2巻目の巻線C1,C2のコイル外周側に接する先側直線S1のテーパ角度αが、3巻目及び4巻目の巻線C3,C4のコイル外周側に接する後側直線S2のテーパ角度βよりも小さくなっている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの予熱などに使用するグロープラグに関する。
ディーゼルエンジンの予熱などに使用するグロープラグとしては、一般に、先端部の閉じた金属製のシースチューブ内に、発熱体としてのコイル部材を絶縁性粉末とともに封入したシースヒータを用いるものが知られている。
シースチューブ内に配設されたコイル部材は、その先端部がシースチューブの先端に接合され、その後端部が、シースチューブ後部に挿入された通電端子軸の先端に接合されており、当該通電端子軸を介して通電されることにより発熱する。
上記シースヒータは、主体金具の軸孔に対し、当該主体金具の先端側から自身の先端部を突出させた状態で固定されており、グロープラグをディーゼルエンジンに取付けた際には、シースヒータ先端の最高発熱部がエンジンの燃焼室内に臨む。なお、最高発熱部とは、所定電圧を印加したときに、その温度が最も高くなる部位を意味しており、一般的なグロープラグでは先端から2〜3mmの位置が最高発熱部となる。
さて、上記シースチューブは、例えば円筒状のパイプ材を加工して形成される。より詳しくは、図4(a)に示すように、シースチューブ51となるパイプ材の一端をつぶしてテーパ状にするともに、当該端部にコイル部材52の一端を挿入可能な穴部53を形成する。そして、コイル部材52の先端を穴部53に挿入した状態で溶接を施すことにより、コイル部材52の先端とシースチューブ51を溶融させ、図4(b)に示すように溶融部(閉塞部)54を形成する。これにより、シースチューブ51の先端部が閉塞されるとともに、コイル部材52がシースチューブ51に電気的に接続される(例えば、特許文献1参照。)。
近年では、グロープラグのヒータ昇温性能に関して、ディーゼルエンジンの始動性を向上させるために短時間で始動温度に到達する、いわゆる急速昇温性が要求されている。
ところが、シースチューブ51の表面温度を急速に上げようとしてコイル部材52の発熱量を増やすと、コイルの断線などシースヒータの耐久性を低下させるおそれがあった。
これに対しては、図4(c)に示すように、コイル部材52のテーパ状先端部52aのテーパ角度を軸線方向に対して大きくして、シースチューブ51先端近傍のテーパ面55に沿うようにすることが対策として考えられる。このようにすれば、シースチューブ51先端近傍におけるコイル部材52とシースチューブ51とのクリアランスを小さくでき、効率よくシースチューブ51の表面に熱を伝え、昇温することができる。
特表2001−524655号公報
しかしながら、コイル部材52のテーパ状先端部52aと、シースチューブ51とのクリアランスを小さくすると、例えば溶接時やスウェージング加工時の製造誤差等により両者が接触してしまい、コイル部材52の抵抗値、ひいてはヒータ昇温性能にばらつきが出てきてしまうおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、急速昇温性及び耐久性の向上の両立を図ることのできるグロープラグを提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成のグロープラグは、
軸線方向に延び、先端部が閉塞した筒状のシースチューブと、
抵抗発熱線よりなり、前記シースチューブ内にその軸線に沿って配置されるとともに、前記シースチューブの先端に溶融接合されたコイル部材とを備えたグロープラグであって、
前記コイル部材の先端部は、
自身の最外周形状が変曲点よりも軸線方向先端側を画定する先側直線と、
前記変曲点よりも軸線方向後端側を画定する後側直線と
の2本により画定されてなり、
前記先側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をαとし、
前記後側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をβとしたとき、
α<β
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成1によれば、コイル部材の先端部は、軸線に対するテーパ角度が、変曲点を境に先側が小さく、後側が大きくなった最外周形状となっている。これにより、コイル部材の先端部の先端側においては、シースチューブとコイル部材とのクリアランスを確保しやくなるとともに、変曲点より後側においては、コイル部材をシースチューブにより近接させることができる。従って、仮に溶接時等に製造誤差が発生した場合でも両者が接触しにくくなる。結果として、コイル部材の抵抗値、ひいてはヒータ昇温性能にばらつきが生じるといった不具合の発生を低減することができる。さらに、シースチューブの表面に効率よく熱を伝えることができるため、コイル部材の発熱量を抑えつつ、シースチューブの表面温度を高くすることができる。その結果、コイル部材の断線などの不具合の発生を抑え、耐久性の向上を図ることができる。つまり、急速昇温性及び耐久性の向上の両立を図ることができる。なお、抵抗発熱線の一部が溶融接合部に埋もれている場合でも、当該部位が発熱部として作用する場合には、当該部位はコイル部材の一部とみなす。
構成2.本構成のグロープラグは、
軸線方向に延び、先端部が閉塞した筒状のシースチューブと、
抵抗発熱線よりなり、前記シースチューブ内にその軸線に沿って配置されるとともに、前記シースチューブの先端に溶融接合されたコイル部材とを備えたグロープラグであって、
前記コイル部材の先端部は、
自身の最外周形状がコイル部材の1巻目及び2巻目の抵抗発熱線のコイル外周側に接する先側直線と、
前記先側直線よりもコイル外周側に位置する抵抗発熱線のうち、最も軸線方向先端側に位置する2巻目分の抵抗発熱線のコイル外周側に接する後側直線と
の2本により画定されてなり、
前記先側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をαとし、
前記後側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をβとしたとき、
α<β
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成2によれば、上記構成1と同様の作用効果が奏される。なお、上記「コイル部材の1巻目及び2巻目」とは、コイル部材のうち、最も軸線方向先端側に位置する部位(最先端部)を始点とした1巻目及び2巻目を指す。
構成3.本構成のグロープラグは、上記構成1又は2において、
β−α≧10°
の関係を満たすことを特徴とする。
上記構成3によれば、上記構成1又は2の作用効果がより確実に奏される。
上記構成1〜3がより効果を発揮するためには、コイル部材とシースチューブとの関係も非常に重要である。例えばコイル部材の先端部のテーパ角度が、軸線に対してシースチューブの先端側テーパ部のテーパ角度よりも大きい場合には、コイル部材とシースチューブとが接触しやすくなるが、このような不具合は以下の構成4〜6によって、より確実に低減することができる。
構成4.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、
前記シースチューブの先端側テーパ部の内周面と軸線とがなす角のうち小なる角度をγとしたとき、
α<γ
の関係を満たすことを特徴とする。
但し、シースチューブの先端側テーパ部の内周面が湾曲して必ずしも直線状とならない場合もある。この場合、コイル部材のうち、最も軸線方向先端側に位置する部位を始点としてN巻目(N:正の整数)の抵抗発熱線と、シースチューブの先端側テーパ部の内周面との軸線に直交する方向への距離をAとし、コイル部材のN+1巻目の抵抗発熱線と、シースチューブの先端側テーパ部の内周面との軸線に直交する方向への距離をBとしたとき、A<Bの関係を満たしていれば、上記α<γの関係を満たしているとみなす。
構成5.本構成のグロープラグは、上記構成4において、
α≦γ/2
の関係を満たすことを特徴とする。
構成6.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、
前記シースチューブの先端側テーパ部の内周面と軸線とがなす角のうち小なる角度をγとしたとき、
β≦γ
の関係を満たすことを特徴とする。
また、近年、求められる細径のグロープラグでは、シースヒータやコイル部材のサイズも小さくなることから、コイル部材とシースチューブとのクリアランスが確保しにくくなるとともに、急速昇温性が得にくい。従って、上記構成1〜6がより効果的に適用されるグロープラグの構成は、以下の構成7〜構成16である。
構成7.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、
前記シースチューブの先端側テーパ部の内周面と、前記コイル部材の先端部の外周面との間隔を0.1mm〜0.3mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成8.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至7のいずれかにおいて、
軸線方向に沿って延びる前記シースチューブの一般部の内周面と、前記コイル部材の一般部の外周面との間隔を0.1mm〜0.3mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成9.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至8のいずれかにおいて、
前記抵抗発熱線の線径を0.2mm〜0.35mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成10.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至9のいずれかにおいて、
前記コイル部材の互いに隣接する抵抗発熱線間の間隔を0.05mm〜0.15mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成11.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至10のいずれかにおいて、
前記シースチューブの一般部の外径を3.0mm〜6.5mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成12.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至11のいずれかにおいて、
前記シースチューブの一般部の内径を2.5mm〜4.2mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成13.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至12のいずれかにおいて、
前記コイル部材の一般部の外径を1.6mm〜3.0mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成14.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至13のいずれかにおいて、
その全長を60mm〜220mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成15.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至14のいずれかにおいて、
軸孔を有する筒状の主体金具を有し、当該主体金具の先端側から突出した状態で前記シースチューブが前記軸孔内に接合される構成であって、
前記主体金具からの前記シースチューブの突出長(チューブ出寸法)を15mm〜40mmの範囲内としたことを特徴とする。
構成16.本構成のグロープラグは、上記構成1乃至15のいずれかにおいて、
軸孔を有する筒状の主体金具を有し、当該主体金具の先端側から突出した状態で前記シースチューブが前記軸孔内に接合される構成であって、
前記主体金具のねじ径をM10以下としたことを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1(a)は、本発明により製造されるグロープラグの一例を示す全体図であり、図1(b)はその縦断面図である。
図1(a),(b)に示すように、グロープラグ1は、筒状の主体金具2と、主体金具2に装着されたシースヒータ3とを備えている。
主体金具2は、軸線方向に貫通する軸孔4を有するとともに、その外周面には、ディーゼルエンジンへの取付用のねじ部5と、トルクレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部6とが形成されている。
シースヒータ3は、シースチューブ7と通電端子軸8とが軸線方向に一体化されて構成されている。
図2に示すように、シースチューブ7は、先端部が閉じた金属製(例えばステンレス鋼等)のチューブであって、その内側には、チューブ先端に溶融接合された発熱コイル9と、当該発熱コイル9の後端に直列接続された制御コイル10とがマグネシア粉末等の絶縁性粉末11とともに封入されている。シースチューブ7の後端は、通電端子軸8との間で環状ゴム17により封止されている。前述のように、発熱コイル9はその先端においてシースチューブ7と導通しているが、発熱コイル9及び制御コイル11の外周面とシースチューブ7の内周面とは、絶縁性粉末11の介在により絶縁された状態となっている。発熱コイル9及び制御コイル10により本実施形態におけるコイル部材が構成される。
発熱コイル9は例えばニッケルクロム合金等の抵抗発熱線により構成され、制御コイル10は発熱コイル9の材質よりも電気比抵抗の温度係数が大きい材質、例えばコバルト−鉄合金等の抵抗発熱線により構成されている。これにより、制御コイル10は、自身の発熱及び発熱コイル9からの発熱を受けることにより電気抵抗値を増大させ、発熱コイル9に対する電力供給量を制御する。従って、通電初期においては制御コイル10の温度が低く電気抵抗値が小さいため、発熱コイル9には比較的大きな電力供給がなされこれを急速昇温させる。そして、発熱コイル9の温度が上昇すると、その発熱により制御コイル10が加熱されて電気抵抗値が増大し、発熱コイル9への電力供給が減少する。これにより、ヒータの昇温特性は、通電初期に急速昇温した後、以降は制御コイル10の働きにより電力供給が抑制されて温度が飽和する形となるので、急速昇温性を高めつつコイル温度の過昇も生じにくくすることができる。
また、シースチューブ7には、スウェージング加工等によって、その先端側に発熱コイル9等を収容する小径部7aが形成されるとともに、その後端側において小径部7aより径の大きい大径部7bが形成されている。そして、この大径部7bが、主体金具2の軸孔4に形成された小径部4aに対し圧入接合されることにより、シースチューブ7が主体金具2の先端より突出した状態で保持される。
通電端子軸8は、自身の先端がシースチューブ7内に挿入され、前記制御コイル10の後端と電気的に接続されるとともに、主体金具2の軸孔4に挿通されている。通電端子軸8の後端は主体金具2の後端から突出しており、この主体金具2の後端部においては、ゴム製等のOリング12、樹脂製等の絶縁ブッシュ13、絶縁ブッシュ13の脱落を防止するための押さえリング14、及び、通電用のケーブル接続用のナット15がこの順序で通電端子軸8に嵌め込まれた構造となっている。
ここで、本発明の要部であるシースヒータ3の先端部近傍の構成について図3を参照して詳しく説明する。図3は、シースヒータの先端部近傍を説明するための模式図である。
シースチューブ7の先端周囲には、当該シースチューブ7の成形時に形成された先端側テーパ部30が設けられている。さらに、先端側テーパ部30の先端側には、シースチューブ7と発熱コイル9とを溶融接合して形成された溶融接合部31が設けられている。
一方、発熱コイル9の先端部35は、軸線Oに対するテーパ角度が所定の変曲点を境に先側が小さく、後側が大きくなった最外周形状となっている。より詳しくは、発熱コイル9の最先端部36を始点とした1巻目及び2巻目の巻線C1,C2のコイル外周側に接する先側直線S1のテーパ角度αが、3巻目及び4巻目の巻線C3,C4のコイル外周側に接する後側直線S2のテーパ角度βよりも小さく設定されている。この場合、両直線S1,S2は、溶融接合部31から軸線方向後端側に離間した位置において交わり、その交点Kが上記変曲点となる。
上記テーパ角度α,βの値としては、上記関係を満たす多様な値を設定可能であるが、本実施形態ではテーパ角度α=0°,β=20°に設定したシースヒータ3(実施例)の性能に関して検証した結果を表1に示す。また、表1には、発熱コイルの先端部が変曲点を持たないテーパ形状であるシースヒータ(比較例1,2)の検証結果を併せて示す。
Figure 2007263495
表1では、シースチューブ7の先端側テーパ部30の内周面30aのテーパ角度、コイル1巻目及び2巻目のテーパ角度、3巻目及び4巻目のテーパ角度、抵抗値のばらつき、及び、昇温特性に関して示している。ここで、抵抗値のばらつき及び昇温特性に関しては、上記実施例及び比較例1,2に係るサンプルをそれぞれ30本製作し、これらの測定結果に基づき検証している。そして、表1においては、昇温特性に関して、通電開始から4秒後の到達温度の平均値を示すとともに、コイルの抵抗値のばらつきが所定範囲に収まっているものを良(○)とし、所定範囲内に収まっていないものを不良(×)として示している。なお、通電パターンは直流11Vの一定電圧を印加している。
ここで比較する実施例及び比較例1,2は、三者ともシースチューブ7のチューブテーパ角度γが20°に設定されるとともに、発熱コイル9の長さL3=7.0mm、シースチューブ7(小径部7a)の外径D1=4.5mm、シースチューブ7(小径部7a)の内径D2=3.0mm、発熱コイル9の一般部の外径D3=2.6mm、小径部7aの一般部の内周面と発熱コイル9の一般部の外周面とのクリアランスD4=0.2mm、発熱コイル9の線径D6=0.3mm、巻線間の間隔D7=0.4mmに設定されたものを使用している。なお、発熱コイル9及び小径部7aの一般部とは、それぞれ軸線方向に沿って均一に延びている部位を指す。
表1から分かるように、比較例1は、図4(b)に示すような、軸線に対するコイルテーパ角度がチューブテーパ角度に比べて比較的緩やかなシースヒータであり、コイル1巻目から4巻目のテーパ角度が10°に設定されている。このため、シースチューブ7と発熱コイル9との短絡のおそれは少なく、この検証試験においては短絡していたものはなかったため、コイルの抵抗値のばらつき度合いは比較的小さいものであった。故に、発熱温度のばらつきも小さいものであったが、発熱コイル9からシースチューブ7の外表面までの距離は比較的長く、通電開始から4秒後の温度で約790℃となり、昇温速度は比較的遅いものであった。
比較例2は、図4(c)に示すような、軸線に対するコイルテーパ角度がチューブテーパ角度に沿って比較的急なシースヒータであり、コイル1巻目から4巻目のテーパ角度が20°に設定されている。すなわち、発熱コイル9からシースチューブ7の外表面までの距離は比較的短く、昇温速度は比較的早い。しかしながら、過剰なまでに公差等の製造管理を行わなければシースチューブ7と発熱コイル9とが短絡してしまうものが製造されることを排除することができない。この検証試験においても短絡していたものが存在したため、通電開始から4秒後の温度で約810℃であった。
これに対し、本発明を具現化した実施例では、比較的早い昇温性能を備えつつも短絡が生じておらず、通電開始から4秒後の到達温度が約830℃と高く、かつコイルの抵抗値すなわち発熱温度のばらつき度合いも小さいものであった。
表1の結果から、昇温速度を速めるためには、コイルテーパ角度を大きくすればよく、コイルの抵抗値及び発熱温度のばらつき度合いを抑えるためには、コイルテーパ角度を小さくすればよいことがわかる。つまり、両者の性能を併せ持つには、本実施形態のように、発熱コイル9の先端部35における軸線Oに対するテーパ角度を、所定の変曲点を境に先側を小さく、後側を大きくすればよい。
こうすることによって、発熱コイル9の先端部35の先端側においては、シースチューブ7と発熱コイル9とのクリアランスを確保しやくなるとともに、後側においては、発熱コイル9をシースチューブ7により近接させることができる。従って、仮に溶接時等に製造誤差が発生した場合でも両者が接触しにくくなる。結果として、発熱コイル9等の抵抗値、ひいてはヒータ昇温性能にばらつきが生じるといった不具合の発生を低減することができる。さらに、シースチューブ7の表面に効率よく熱を伝えることができるため、昇温速度を速めることができる。ひいては、発熱コイル9の発熱量を抑えつつ、シースチューブ7の表面温度を高くすることができる。その結果、発熱コイル9の断線などの不具合の発生を抑え、耐久性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)グロープラグ1の形状や寸法等は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、シースチューブ7は、大径部7bが省略され、その外径が略一定のストレート形態のものであってもよい。また、主体金具2の軸孔4の小径部4aを省略し、軸線方向にストレート形態となった軸孔4にシースチューブ7が圧入される構成としてもよい。
但し、本発明がより効果的に作用するための各部位の望ましい寸法や角度は以下の通りである。
グロープラグ1の全長L1=60mm〜220mm、チューブ出寸法L2=15mm〜40mm、発熱コイル9の長さL3=5.0〜15.0mm、制御コイル10の長さL4=10mm〜30mm、主体金具2(ねじ部5)のねじ径がM10以下に設定されているものが好ましい。
シースチューブ7に関しては、シースチューブ7(小径部7a)の外径D1=3.0mm〜6.5mm、シースチューブ7(小径部7a)の内径D2=2.5mm〜4.2mm、発熱コイル9の一般部の外径D3=1.6mm〜3.0mm、小径部7aの一般部の内周面と発熱コイル9の一般部の外周面とのクリアランスD4=0.1mm〜0.3mm、先端側テーパ部30の内周面30aと発熱コイル9の先端部35の外周面とのクリアランスD5=0.1mm〜0.3mm、発熱コイル9の線径D6=0.2mm〜0.35mm、巻線間の間隔D7=0.05mm〜0.15mmに設定されているものが好ましい。
各部のテーパ角度に関しては、両直線S1,S2のテーパ角度差(β−α)が10°以上、後側直線S2のテーパ角度βがチューブテーパ角度γ以下に設定されているものが好ましい。
(b)上記実施形態では、最先端部36を始点とした1巻目及び2巻目の巻線C1,C2のコイル外周側に接する先側直線S1のテーパ角度αを、3巻目及び4巻目の巻線C3,C4のコイル外周側に接する後側直線S2のテーパ角度βよりも小さく設定することにより、発熱コイル9の先端部35の最外周形状を画定している。もちろん、先端部35の最外周形状は、これに限定されるものではなく、少なくとも軸線Oに対するテーパ角度が所定の変曲点を境に先側が小さく、後側が大きくなった最外周形状となっていればよい。例えば、3巻目の巻線(抵抗発熱線)C3の断面中心点が先側直線S1よりもコイル内周側に位置している場合には、断面中心点が先側直線S1よりもコイル外周側に位置する巻線のうち、最もコイル先端側に位置する2巻目分の巻線(4巻目及び5巻目の巻線など)のコイル外周側に接する接線を後側直線S2と設定してもよい。なお、先側直線S1が3巻目の巻線C3等と交差していたとしても、その巻線の断面中心点が先側直線S1よりもコイル外周側に位置している場合には、当該巻線は先側直線S1よりもコイル外周側に位置する巻線に含まれることとなる。従って、先側直線S1が3巻目の巻線C3と交差し、かつ、巻線C3の断面中心点が先側直線S1よりもコイル外周側に位置している場合には、3巻目及び4巻目の巻線C3,C4が、先側直線S1よりもコイル外周側に位置する巻線のうち、最もコイル先端側に位置する2巻目分の巻線となる。
(c)上記実施形態では、発熱コイル9及び制御コイル10によりコイル部材が構成されているが、これに限らず、例えば制御コイル10を省略した構成であってもよい。
(a)は本実施形態のグロープラグを示す全体図であり、(b)はその縦断面図である。 シースヒータを説明するための部分拡大断面図である。 シースヒータの先端部近傍を説明するための模式図である。 (a)は、コイル溶接前の従来のシースチューブ及びコイルを示す模式図であり、(b)は、コイル溶接後の従来のシースチューブ及びコイルを示す模式図であり、(c)は、先端部のテーパ角を異ならせた従来のコイルを示す模式図である。
符号の説明
1…グロープラグ、2…主体金具、3…シースヒータ、4…軸孔、7…シースチューブ、7a…小径部、9…発熱コイル、10…制御コイル、30…先端側テーパ部、31…溶融接合部、36…最先端部、S1…先側直線、S2…後側直線、α,β…テーパ角度。

Claims (6)

  1. 軸線方向に延び、先端部が閉塞した筒状のシースチューブと、
    抵抗発熱線よりなり、前記シースチューブ内にその軸線に沿って配置されるとともに、前記シースチューブの先端に溶融接合されたコイル部材とを備えたグロープラグであって、
    前記コイル部材の先端部は、
    自身の最外周形状が変曲点よりも軸線方向先端側を画定する先側直線と、
    前記変曲点よりも軸線方向後端側を画定する後側直線と
    の2本により画定されてなり、
    前記先側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をαとし、
    前記後側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をβとしたとき、
    α<β
    の関係を満たすことを特徴とするグロープラグ。
  2. 軸線方向に延び、先端部が閉塞した筒状のシースチューブと、
    抵抗発熱線よりなり、前記シースチューブ内にその軸線に沿って配置されるとともに、前記シースチューブの先端に溶融接合されたコイル部材とを備えたグロープラグであって、
    前記コイル部材の先端部は、
    自身の最外周形状がコイル部材の1巻目及び2巻目の抵抗発熱線のコイル外周側に接する先側直線と、
    前記先側直線よりもコイル外周側に位置する抵抗発熱線のうち、最も軸線方向先端側に位置する2巻目分の抵抗発熱線のコイル外周側に接する後側直線と
    の2本により画定されてなり、
    前記先側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をαとし、
    前記後側直線と軸線とがなす角のうち小なる角度をβとしたとき、
    α<β
    の関係を満たすことを特徴とするグロープラグ。
  3. β−α≧10°
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のグロープラグ。
  4. 前記シースチューブの先端側テーパ部の内周面と軸線とがなす角のうち小なる角度をγとしたとき、
    α<γ
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のグロープラグ。
  5. α≦γ/2
    の関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載のグロープラグ。
  6. 前記シースチューブの先端側テーパ部の内周面と軸線とがなす角のうち小なる角度をγとしたとき、
    β≦γ
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のグロープラグ。
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