JP6218461B2 - グロープラグの製造方法 - Google Patents

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本発明は、内燃機関等に利用されるグロープラグに関するものである。
従来から、内燃機関の始動補助などのために、通電によって発熱するヒータを含むグロープラグが利用されている。ヒータとしては、例えば、金属チューブと、金属チューブに収容された発熱コイルと、を含む、いわゆるシースヒータが採用され得る。
特開2001−330249号公報 特開昭64−65792号公報 特開平4−119号公報
グロープラグを備える装置(例えば、内燃機関)を機敏に動作させるためには、グロープラグの昇温速度が速いことが好ましい。例えば、発熱コイルに大電流を流すことによって、速い昇温速度を実現できる。ところが、発熱コイルの金属線の断面形状が円形の場合、発熱コイルに大電流を流すことによって発熱コイルの内側部位(例えば、金属線の断面のうちの発熱コイルの中心軸側の端部)において電流密度が局所的に高くなり、発熱コイルの内側部位の温度が過剰に高くなり、発熱コイルが溶融し得る。このような過剰な昇温を抑制するために、扁平した帯状の金属線によって形成された発熱コイルを採用可能である。このような発熱コイルを採用する場合、扁平した帯状の金属線によって、発熱コイルの内側部位において電流が分散されるので、局所的に電流密度が高くなること、すなわち、発熱コイルの温度が局所的に過剰に高くなることを、抑制できる。ここで、帯状の金属線の断面形状の厚さ方向は、コイルの径方向と一致している。
グロープラグの製造時には、発熱コイルの先端側の部分が金属チューブの内面に接触し得る。ここで、発熱コイル上の金属チューブとの接触位置が変化する場合に、金属チューブに対する発熱コイルの位置ズレが大きくなる場合があった。
本発明の主な利点は、金属チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[態様]
グロープラグの製造方法であって、
金属線によって形成され、螺旋形状の螺旋部と、先端部と、前記螺旋部と前記先端部との間に設けられた曲部と、を含む発熱コイルであって、前記螺旋部を形成する金属線の断面形状が前記螺旋部の径方向よりも前記螺旋部の中心軸方向に長い扁平形状であり、前記曲部は、前記螺旋部から前記先端部に向かって前記金属線を辿る場合に、前記金属線がグロープラグの先端側に対応する側である先端側に向かって曲がる部分であり、前記螺旋部の中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記曲部の少なくとも一部が、前記中心軸からの距離が前記螺旋部の最大半径よりも小さい特定距離の範囲内に配置され、前記先端部は、前記曲部から前記先端側に向かって延びる部分である、前記発熱コイルを準備することと、
前記発熱コイルを収容するための金属チューブであって、前記特定距離と同じ半径を有する孔が設けられた先端を含む部分である孔形成部を備える金属チューブを準備することと、
前記発熱コイルの前記先端部を、前記金属チューブの前記孔に、前記金属チューブの内部から挿入することによって、前記金属チューブの中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記発熱コイルの前記曲部の少なくとも一部が、前記孔と重なる領域内に位置するように、前記発熱コイルを前記金属チューブ内に配置することと、
前記発熱コイルの前記先端部と前記金属チューブの前記孔形成部とを溶接することと、
を含み、
前記曲部は、断面形状が扁平形状である金属線が曲がる部分であって、前記扁平形状の厚さ方向の前記曲部における変化量が45度以下であり、前記厚さ方向と直交する方向に向かって前記金属線が曲がる部分である、
製造方法。
[適用例1]
グロープラグの製造方法であって、
金属線によって形成され、螺旋形状の螺旋部と、先端部と、前記螺旋部と前記先端部との間に設けられた曲部と、を含む発熱コイルであって、前記螺旋部を形成する金属線の断面形状が前記螺旋部の径方向よりも前記螺旋部の中心軸方向に長い扁平形状であり、前記曲部は、前記螺旋部から前記先端部に向かって前記金属線を辿る場合に、前記金属線がグロープラグの先端側に対応する側である先端側に向かって曲がる部分であり、前記螺旋部の中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記曲部の少なくとも一部が、前記中心軸からの距離が前記螺旋部の最大半径よりも小さい特定距離の範囲内に配置され、前記先端部は、前記曲部から前記先端側に向かって延びる部分である、前記発熱コイルを準備することと、
前記発熱コイルを収容するための金属チューブであって、前記特定距離と同じ半径を有する孔が設けられた先端を含む部分である孔形成部を備える金属チューブを準備することと、
前記発熱コイルの前記先端部を、前記金属チューブの前記孔に、前記金属チューブの内部から挿入することによって、前記金属チューブの中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記発熱コイルの前記曲部の少なくとも一部が、前記孔と重なる領域内に位置するように、前記発熱コイルを前記金属チューブ内に配置することと、
前記発熱コイルの前記先端部と前記金属チューブの前記孔形成部とを溶接することと、
を含む、製造方法。
この構成によれば、発熱コイルの曲部の全体が、金属チューブの孔と重なる領域の外に位置する場合と比べて、金属チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。
[適用例2]
適用例1に記載の製造方法であって、
前記発熱コイルは、さらに、前記螺旋部と前記曲部とを接続する接続部を含み、
前記螺旋部の中心軸と直交する面に対する前記接続部の傾きは、前記螺旋部の前記中心軸と直交する前記面に対する前記螺旋部を形成する前記金属線の傾きよりも、小さい、
製造方法。
この構成によれば、発熱コイルが金属チューブの内面と接触する場合に、金属チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。
[適用例3]
適用例1または2に記載の製造方法であって、
前記曲部は、断面形状が扁平形状である金属線が曲がる部分であって、前記扁平形状の厚さ方向の前記曲部における変化量が45度以下であり、前記厚さ方向と直交する方向に向かって前記金属線が曲がる部分である、製造方法。
この構成によれば、扁平形状の金属線が大きくひねられる場合と比べて、曲部の形状を簡略化できるので、金属チューブに対する発熱コイルの位置ズレを安定的に抑制できる。
[適用例4]
適用例3に記載の製造方法であって、
前記螺旋部の前記中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記曲部と重なる領域の半分以上の部分が、前記発熱コイルの前記先端部と重なる領域に、含まれている、製造方法。
この構成によれば、曲部が金属チューブと接触することが抑制されるので、金属チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれかに記載の製造方法であって、
前記発熱コイルを前記金属チューブ内に配置する際には、前記金属チューブの中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記発熱コイルの前記曲部の全体が、前記孔と重なる領域内に位置するように、前記発熱コイルが前記金属チューブ内に配置される、製造方法。
この構成によれば、曲部が金属チューブと接触することが抑制されるので、金属チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、グロープラグ用のシースヒータの製造方法、等の態様で実現することができる。
本発明の一実施例としてのグロープラグを示す説明図である。 グロープラグ10の製造方法のフローチャートである。 チューブ810の断面図である。 発熱コイル820の説明図である。 ヒータ800の製造方法の概略図である。 発熱コイルの別の実施例の概略図である。
A.第1実施例:
A1.グロープラグの構成:
本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例としてのグロープラグを示す説明図である。グロープラグ10は、図示しない内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン)の始動補助等のための熱源として機能する。図示されたラインCLは、グロープラグ10の中心軸を示している。以下、中心軸CLのことを「軸線CL」とも呼び、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。図1では、中心軸CLの右側が外観構成を示し、中心軸CLの左側が断面構成を示している。図中の第1方向D1と第2方向D2とは、軸線CLと平行であり、第2方向D2は、第1方向D1と反対の方向である。後述するように、通電によって発熱するヒータ800は、グロープラグ10の第1方向D1側の端部を形成している。以下、このような第1方向D1側を「先端側」とも呼び、第2方向D2側を「後端側」とも呼ぶ。
グロープラグ10は、主体金具20と、中軸30と、ヒータ800と、Oリング50と、絶縁部材60と、端子部材80と、を含んでいる。主体金具20は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔20xを有する筒状の部材である。また、主体金具20は、第2方向D2側の端部に形成された工具係合部28と、工具係合部28よりも第1方向D1側に設けられた雄ネジ部22と、雄ネジ部22よりも第1方向D1側の部分を形成する胴体部21と、を含んでいる。工具係合部28は、グロープラグ10の脱着時に、図示しない工具と係合する部分である。雄ネジ部22は、図示しない内燃機関の取付孔の雌ネジに螺合するためのネジ山を含んでいる。主体金具20は、導電性材料(例えば、炭素鋼等の金属)によって形成されている。
主体金具20の貫通孔20xには、中軸30が収容されている。中軸30は、丸棒状の部材であり、導電材料(例えば、ステンレス鋼)によって形成されている。中軸30の先端部31は、ヒータ800内に配置され、中軸30とヒータ800とは固定されている。中軸30の後端部39は、主体金具20の第2方向D2側の開口OP2から第2方向D2に向かって突出している。
開口OP2の近傍において、中軸30の外面と、主体金具20の貫通孔20xの内面と、の間には、Oリング50が設けられている。Oリング50は、弾性材料(例えば、ゴム)によって形成されている。さらに、主体金具20の開口OP2には、リング状の絶縁部材60が装着されている。絶縁部材60は、筒状部62と、筒状部62の第2方向D2側に設けられたフランジ部68と、を含んでいる。筒状部62は、中軸30の外面と、主体金具20の開口OP2の内面と、の間に挟まれている。絶縁部材60は、例えば、樹脂によって形成されている。主体金具20は、これらの部材50、60を介して、中軸30を支持している。
主体金具20よりも後端側(具体的には、絶縁部材60の第2方向D2側)には、端子部材80が配置されている。端子部材80は、キャップ状の部材であり、導電材料(例えば、ニッケル等の金属)によって形成されている。端子部材80と主体金具20との間には、絶縁部材60のフランジ部68が挟まれている。端子部材80には、中軸30の後端部39が挿入されている。端子部材80が加締められることによって、端子部材80が中軸30の後端部39に固定されている。これにより、端子部材80は、中軸30に、電気的に接続される。
主体金具20の先端部(具体的には、第1方向D1側の開口OP1)には、ヒータ800が圧入されている。ヒータ800は、本実施例では、いわゆるシースヒータであり、通電によって発熱する。ヒータ800の第2方向D2側の一部は、貫通孔20xの開口OP1から、貫通孔20x内に、圧入されている。ヒータ800は、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840と、リング状のパッキン850と、それらの部材820、830、840、850を収容するチューブ810と、を含む。チューブ810は、金属材料(例えば、ニッケル合金)を筒状に形成した部材である。以下、チューブ810を「金属チューブ810」とも呼ぶ。チューブ810は、中心軸CLに沿って延びるように、配置されている。チューブ810の先端を形成する部分811は、閉じられており、チューブ810の後端を形成する後端部819は、開口を形成している。
チューブ810の先端を形成する部分811には、発熱コイル820の第1方向D1側の端部である溶接部821が、溶接されている。発熱コイル820は、通電時の急速な温度上昇を実現するために、電気比抵抗が比較的大きな材料を用いて形成されている。例えば、例えば、鉄−クロム−アルミニウム(Fe−Cr−Al)合金や、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金が、採用される。
発熱コイル820の後端部829には、制御コイル830の先端部831が、溶接されている。制御コイル830は、通電時の過剰な温度上昇を抑制するために、発熱コイル820の材料と比べて、電気比抵抗の温度係数が大きい材料を用いて形成されている。例えば、鉄、ニッケル、イットリウム−ニッケル(Y−Ni)合金、コバルト−ニッケル(Co−Ni)合金等が採用される。なお、本明細書において、電気比抵抗の温度係数とは、常温(摂氏20度)と、昇温後の規定温度(例えば、摂氏1000度)との間の電気比抵抗の変化を、温度差で除した商である。
チューブ810には、チューブ810の第2方向D2側の開口から、中軸30の先端部31が挿入されている。中軸30の先端部31は、制御コイル830の後端部839に、電気的に接続されている(例えば、溶接)。パッキン850は、電気的な絶縁材料(例えば、フッ素ゴム等のゴム)をリング状に形成した部材である。パッキン850は、チューブ810の後端部819と中軸30との間に配置されている。絶縁粉末840は、電気的な絶縁材料(例えば、酸化マグネシウム)の粉末であり、チューブ810の内部に充填されている。パッキン850と絶縁粉末840とは、チューブ810と中軸30との間を、中心軸CLを囲む全周に亘って、電気的に絶縁している。また、絶縁粉末840は、発熱コイル820と制御コイル830と中軸30とチューブ810との間の意図しない電気的短絡を、抑制している。
A2.製造方法:
図2は、グロープラグ10の製造方法のフローチャートである。図2のフローチャートは、ヒータ800の製造方法を、詳細に示している。最初のステップS100では、グロープラグ10の部品が準備される。例えば、ヒータ800の部品として、チューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840と、パッキン850と、中軸30と、が準備される。
図3は、準備されるチューブ810の断面図である。図中には、中心軸CL81と、方向D1、D2が示されている。方向D1、D2は、チューブ810がグロープラグ10に組み込まれた場合の方向D1、D2(すなわち、グロープラグ10の先端側および後端側に対応する方向)を示している。チューブ810の形状は、中心軸CL81に沿って延びる略円筒形状である。チューブ810は、孔812hが設けられた第1方向D1側の端を含む部分である孔形成部813と、孔形成部813よりも第2方向D2側の部分である円筒部814と、で構成されている。円筒部814の内径d814は、第1方向D1の位置によらず、一定である。円筒部814の第2方向D2側の端は、図1で説明した後端部819に対応する。孔形成部813の内径d813は、第1方向D1に向かって徐々に小さくなる。孔形成部813の第1方向D1側の端812は、最小の内径d813(「孔内径d81」と呼ぶ)を有する孔812hを形成する(以下、「先端孔812h」とも呼ぶ)。このようなチューブ810の製造方法としては、任意の方法、例えば、鍛造や鋳造を採用可能である。
図4は、準備される発熱コイル820の説明図である。図4(A)〜図4(C)は、それぞれ、発熱コイル820の中心軸CL82と直交する方向を向いて見た場合の概略図であり、図4(D)は、第2方向D2を向いて見た場合の概略図である。図示された方向D1、D2は、発熱コイル820がグロープラグ10に組み込まれた場合の方向D1、D2(すなわち、グロープラグ10の先端側および後端側に対応する方向)を示している。また、図中には、X方向Dxと、Y方向Dyとが示されている。これらの方向Dx、Dyは、いずれも、第1方向D1と直交し、そして、これらの方向Dx、Dyは、互いに直交する。図4(A)は、Y方向Dyを向いて見た場合の概略図であり、図4(B)は、X方向Dxとは反対の方向を向いて見た場合の概略図であり、図4(C)は、Y方向Dyとは反対の方向を向いて見た場合の概略図である。
発熱コイル820は、扁平した矩形断面を有する帯状の金属線を用いて構成されている。図4(C)に示すように、発熱コイル820は、第2方向D2側の後端部829から、第1方向D1側の先端部822まで延びる部材である。発熱コイル820は、螺旋部828と、接続部824と、曲部823と、先端部822と、で構成されている。先端部822は、中心軸CL82に沿って真っ直ぐに延びている。発熱コイル820を、第2方向D2側の後端部829から、第1方向D1側の先端部822まで辿る場合に、これらの部分828、824、823、822は、この順番に並んでいる。螺旋部828の第2方向D2側の端が、後端部829に対応する。
螺旋部828は、金属線が、中心軸CL82を中心とする螺旋状に巻かれた部分である。換言すれば、中心軸CL82と金属線との距離がおおよそ一定値に維持された状態で、金属線が中心軸CL82の周囲を旋回する部分が、螺旋部828に対応する。図4(B)には、螺旋部828を形成する金属線の断面CS1が示されている。この断面CS1は、中心軸CL82を含む平面(ここでは、Y方向Dyと平行な平面)による断面である。図中の方向dn1は、断面CS1の厚さ方向である。ここで、断面CS1の厚さ方向dn1としては、断面CS1の重心C1を通り、且つ、断面CS1と平行な直線のうちの、断面CS1と重なる部分の長さが最も短い直線L1の延びる方向を、採用可能である。また、断面CS1と平行な方向のうちの厚さ方向dn1と直交する方向dj1を「幅方向dj1」と呼ぶ。この断面CS1の厚さ方向dn1は、Y方向Dy、すなわち、螺旋部828の径方向と平行である。断面CS1の幅方向dj1は、第1方向D1、すなわち、中心軸CL82と平行である。また、厚さW1は、帯状の金属線の厚さ、すなわち、厚さ方向dn1の厚さを示している(以下「第1厚さW1」と呼ぶ)。
螺旋部828の金属線と中心軸CL82との間の距離(すなわち、螺旋部828の半径)は、おおよそ一定である。ただし、螺旋部828のうちの第1方向D1の先端部828e(具体的には、略1周分の部分)の半径は、他の部分よりも小さい。この理由は、先端部828eが、図3に示すチューブ810の孔形成部813(すなわち、内径d813が徐々に小さくなる部分)に嵌まり易くするためである。図4(A)中の外径d820は、螺旋部828の最大外径、すなわち、先端部828e以外の部分の外径である。この外径d820は、チューブ810(図3)の先端孔812hの孔内径d81よりも、大きい。従って、螺旋部828が、チューブ810の内部から、先端孔812hを通って、外に出ることを抑制できる。
図4(C)、図4(D)に示すように、螺旋部828の第1方向D1側の端(具体的には、先端部828e)には、接続部824が接続されている。接続部824は、螺旋部828から中心軸CL82に向かって延びている。このように、中心軸CL82と金属線との間の距離が、維持されずに小さくなる部分が、接続部824に対応する。
図4(C)に示すように、接続部824の第1方向D1側の端には、曲部823が接続されている。曲部823は、螺旋部828から先端部822に向かって金属線を辿る場合に、金属線が第1方向D1側に向かって曲がる部分である。図4(B)、図4(D)の方向dn2は、曲部823を形成する金属線の断面の厚さ方向を示している。本実施例では、厚さ方向dn2は、Y方向Dyと平行である。ここで、厚さ方向dn2を規定する断面としては、金属線が延びる方向と直交する断面が、用いられている。図4(B)には、曲部823を形成する金属線の断面の例として、断面CS2が示されている。この断面CS2は、曲部823の第2方向D2側の端部823e(図4(C))における、金属線が延びる方向(接続部824の延びる方向daとおおよそ同じ)と直交する断面である。厚さ方向dn2は、この断面CS2の重心C2を通り、且つ、断面CS2と平行な直線のうちの、断面CS2と重なる部分の長さが最も短い直線L2の延びる方向である。曲部823は、厚さ方向dn2をほとんど変化させずに、厚さ方向dn2(図4(B)、図4(D))と直交する方向(ここでは、第1方向D1)に向かって金属線が曲がる部分である。すなわち、曲部823の断面の厚さ方向は、曲部823中の断面(金属線の延びる方向と直交する断面)の位置によらず、おおよそ、Y方向Dyと平行である。
金属線が、厚さ方向dn2をほとんど変化させずに、厚さ方向dn2と直交する方向に向かって曲がることは、金属線がひねられずに曲がることを意味している。仮に、金属線をひねることによって曲げると仮定する。この場合、曲げられた部分は、立体的に湾曲し得る。従って、曲部の形状を正確に特定することが難しい。この結果、曲部、ひいては、発熱コイルの形状の製造誤差が大きくなる可能性がある。また、後述するステップS120(図2)で発熱コイルをチューブ810内に配置する場合に、立体的に湾曲する部分が、意図せずに、チューブ810の内周面に接触する可能性がある。従って、チューブ810に対する発熱コイルの位置ズレが大きくなり得る。
一方、本実施例の曲部823によれば、金属線が、ひねられずに曲がる。換言すれば、曲部823は、立体的に湾曲せずに、金属線が曲がる部分である。従って、厚さ方向と平行な方向を向いて(例えば、図4(C)に示すようにY方向Dyとは反対の方向を向いて)曲部823を観察することによって、曲部823の形状を、容易に正確に特定することができる。この結果、曲部823、ひいては、発熱コイル820の形状の製造誤差を抑制できる。また、発熱コイル820の形状の製造誤差が抑制されるので、後述するステップS120(図2)で発熱コイルをチューブ810内に配置する場合に、発熱コイル820のうちの意図しない部分がチューブ810の内周面に接触する可能性を低減できる。従って、チューブ810に対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。
なお、本実施例では、曲部823を形成する金属線は、厚さ方向dn2を変化させずに、厚さ方向dn2と直交する方向に向かって曲がる。そして、図4(B)に示すように、曲部823の厚さ方向dn2は、螺旋部828の中心軸CL82と直交する。従って、図4(D)に示すように、螺旋部828の中心軸と平行な方向を向いて見た場合、曲部823の表面のうちの幅広面Sw1、Sw2は、ほとんど見えない。ここで、曲部823の幅広面Sw1、Sw2は、曲部823の表面のうちの、厚さ方向dn2と平行な方向を向いて見た場合に見える面であり、図4(A)〜図4(D)に示された曲部823の表面Sw1、Sw2である。図4(B)に示された曲部823の表面は、幅広面ではない。
図4(C)に示すように、曲部823の第1方向D1側の端には、先端部822が接続されている。先端部822は、曲部823から第1方向D1側に向かって延びて、端に至る部分である。
以上説明した発熱コイル820は、例えば、帯状の金属線を、治具を用いて曲げ加工することによって、形成可能である。
図2のステップS100では、図3、図4で説明したチューブ810と、発熱コイル820と、に加えて、制御コイル830と、絶縁粉末840と、パッキン850と、中軸30と、が準備される。なお、チューブ810を準備する方法としては、鍛造等によってチューブ810を製造する方法に限らず、チューブ810を取得する任意の方法(例えば、製造業者からの購入)を採用可能である。同様に、発熱コイル820を準備する方法としては、金属線を加工することによって発熱コイル820を製造する方法に限らず、発熱コイル820を取得する任意の方法(例えば、製造業者からの購入)を採用可能である。ヒータ800、ひいては、グロープラグ10の他の部品を準備する方法についても、同様である。なお、グロープラグ10の他の部品を製造する方法については、公知の方法を採用可能であるので、詳細な説明を省略する。
図2の次のステップS110では、発熱コイル820と制御コイル830と中軸30とが接続される。図5(A)は、ステップS110で得られる部材100の概略図である。具体的には、中心軸CLxと直交する方向を向いて見た、3つの部材820、830、30の概略図が示されている。図示するように、3つの部材820、830、30は、共通の中心軸CLx上に並べて配置される。そして、発熱コイル820の後端部829と、制御コイル830の先端部831とが、接続される(例えば、アーク溶接)。また、制御コイル830の後端部839と中軸30の先端部31とが接続される(例えば、アーク溶接)。以下、3つの部材820、830、30を接続することによって得られる部材を、「中心部材100」と呼ぶ。
図2の次のステップS120では、中心部材100が、チューブ810に挿入される。図5(B)は、中心部材100がチューブ810に挿入された状態を示している。図5(B)の左側には、図5(A)と同様の概略図が示されている。チューブ810に関しては、中心軸CLxを含む平面による断面図が示されている。図示するように、中心部材100とチューブ810とは、共通の中心軸CLx上に配置され、そして、中心部材100は、チューブ810の後端部819から、チューブ810の中に挿入される。チューブ810の孔形成部813の内周面には、発熱コイル820の螺旋部828と接続部824との接続部分が接触している。発熱コイル820の先端部822は、チューブ810の内部から、チューブ810の先端孔812hに挿入される。そして、発熱コイル820の先端部822の第1方向D1側の一部分は、チューブ810の外に突出している。
ここで、接続部824の傾きについて説明する。図4(C)には、接続部824の傾きAaが示されている。この傾きAaは、中心軸CL82と直交する仮想面Saに対する、金属線が延びる方向daの傾き(すなわち、仮想面Saと方向daとの間の最小角度)である。図4(C)には、さらに、螺旋部828を形成する金属線の傾きAbも示されている。この傾きAbは、中心軸CL82と直交する仮想面Sbに対する金属線が延びる方向dbの傾きである。図示するように、接続部824の傾きAaは、螺旋部828の傾きAbよりも、小さい。また、中心部材100をチューブ810に挿入する場合には、チューブ810に対する発熱コイル820の配置に誤差が生じ得る(「挿入誤差」と呼ぶ)。例えば、発熱コイル820が、意図された位置よりも第1方向D1側にシフトした位置に、配置され得る。また、発熱コイル820の中心軸が、チューブ810の中心軸から離れた状態で、発熱コイル820がチューブ810内に配置され得る。このような挿入誤差に起因して、発熱コイル820上のチューブ810と接触する位置は、変化し得る。
ここで、仮に、接続部824の傾きAaが、螺旋部828の傾きAbよりも大きいと仮定する。この場合、接続部824の傾きAaが、螺旋部828の傾きAbよりも小さい場合と比べて、挿入誤差に起因するチューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレが大きくなる。例えば、接続部824がチューブ810の内周面上の同じ位置に接触する場合、接続部824上の接触位置の変化に対する接続部824の第1方向D1の位置の変化は、接続部824の傾きAaが大きいほど、大きい。また、このような位置ズレが生じる場合、発熱コイル820の方向ズレ(例えば、チューブ810の中心軸と平行な方向に対する螺旋部828の中心軸と平行な方向のズレ)も生じる可能性がある。このような位置ズレや方向ズレが生じる場合には、後述するステップS130(図2)で、発熱コイル820は、ずれた位置で、チューブ810に溶接され得る。ずれた位置での溶接は、チューブ810内での発熱コイル820とチューブ810との意図しない短絡等の不具合を引き起こし得る。
本実施例のように、接続部824の傾きAaが、螺旋部828の傾きAbよりも小さい場合、接続部824の傾きAaが、螺旋部828の傾きAbよりも大きい場合と比べて、位置ズレと方向ズレとを抑制できる。なお、図4(C)中では、説明の都合により2つの仮想面Sa、Sbを示したが、これらの傾きAa、Abは、共通の仮想面(例えば、仮想面Sa)に基づいて特定可能である。
また、図4(D)の右側には、曲部823と先端部822との拡大図が示されている。図中では、曲部823と重なる領域の輪郭が太線で示され、先端部822と重なる領域が、ハッチングで示されている。図示するように、曲部823と重なる領域の半分以上の部分が、先端部822と重なる領域に、含まれている。従って、曲部823がチューブ810と接触することが抑制される。この結果、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレを抑制できる。
図5(B)の右側には、第2方向D2を向いて見た場合の概略図が示されている。図中には、発熱コイル820の曲部823と、チューブ810と、チューブ810の先端孔812hと、が示されている。図示するように、曲部823の全体が、チューブ810の先端孔812hと重なる領域内に配置されている。従って、曲部823がチューブ810と接触することが抑制されるので、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレを抑制できる。尚、位置ズレは、チューブ810に対する発熱コイル820の偏芯やチューブ810に対する発熱コイル820の、チューブ810の中心軸と平行な方向のズレ等を含み得る。位置ズレを抑制することにより、グロープラグの温度性能のばらつきを抑制できる。
図2の次のステップS130では、発熱コイル820の先端部822と、チューブ810の孔形成部813とが、溶接される。本実施例では、アーク溶接が行われる。図5(C)は、溶接の様子を示す概略図である。図中には、図5(B)の左側の概略図と同様の概略図が示されている。図示するように、発熱コイル820の先端部822の近傍に、溶接用の第1電極110が配置され、チューブ810または中軸30に、溶接用の図示しない第2電極が接続される。そして、溶接用の電極に電力が供給されることによって、孔形成部813と先端部822、および、第1電極110の間に、アーク(アーク放電)が発生する。アークによってもたらされる熱によって、孔形成部813と先端部822が溶融し、チューブ810の孔形成部813と発熱コイル820の先端部822とが溶接される。
図5(D)は、溶接後の状態を示す概略図である。図中には、図5(C)と同様の概略図が示されている。図示するように、チューブ810のうちの溶接された部分811は、閉じた先端を形成している。発熱コイル820の溶接された部分は、溶接部821を形成している。
図2の次のステップS140では、ヒータ800が組み立てられる。図5(E)には、ヒータ800の概略図が示されている。ステップS140では、チューブ810の中には絶縁粉末840が充填され、チューブ810の後端部819の内周面と、中軸30の外周面と、の間に、パッキン850が挿入される。そして、チューブ810をスウェージング加工することによって、所定の外形形状が成形される。本実施例では、チューブ810のうちの第1方向D1側の部分(発熱コイル820を収容する部分)の外径が、縮径される。
図2の次のステップS150では、グロープラグ10(図1)が組み立てられる。このステップS150では、ステップS140で組み立てられたヒータ800が、主体金具20の開口OP1に圧入される。そして、図1で説明した種々の部材を用いて、グロープラグ10が組み立てられる。グロープラグ10の組み立て方法としては、公知の任意の方法を採用可能である。例えば、ヒータ800に接続された中軸30の後端部39が主体金具20の開口OP1に挿入され、そして、ヒータ800が、主体金具20の開口OP1に、圧入される。次に、Oリング50が中軸30の後端部39に嵌め込まれ、さらに、絶縁部材60が中軸30の後端部39に嵌め込まれる。そして、端子部材80が、中軸30の後端部39に加締められる。
以上のように、本実施例のグロープラグ10の製造方法では、図4(D)で説明したように、螺旋部828の中心軸CL82と平行な第2方向D2を向いて見た場合に、曲部823の全体が、螺旋部828の中心軸CL82からの距離が孔内径d81の半分以下である範囲内(すなわち、中心軸CL82を中心とする孔内径d81の範囲内)に配置されている。そして、図5(B)で説明したように、発熱コイル820の先端部822を金属チューブ810の先端孔812hに挿入することによって、発熱コイル820がチューブ810内に配置される。ここで、中心軸CLx(金属チューブ810の中心軸と同じ)と平行な第2方向D2を向いて見た場合に、曲部823の全体が、先端孔812hと重なる領域内に位置している。従って、曲部823の全体が、先端孔812hと重なる領域の外に位置する場合と比べて、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレを抑制できる。
また、図3(C)で説明したように、発熱コイル820は、螺旋部828と曲部823とを接続する接続部824を含む。そして、螺旋部828の中心軸CL82と直交する面Saに対する接続部824の傾きAaは、螺旋部828の中心軸CL82と直交する面Sbに対する、螺旋部828を形成する金属線の傾きAbよりも、小さい。従って、発熱コイル820がチューブ810の内面と接触する場合に、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレを抑制できる。
また、図4(B)、図4(C)で説明したように、曲部823は、厚さ方向dn2をほとんど変化させずに、厚さ方向dn2と直交する第1方向D1に向かって金属線が曲がる部分である。従って、扁平形状の金属線がひねられる場合と比べて、曲部823の形状を簡略化できるので、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレを安定に抑制できる
また、図4(D)で説明したように、螺旋部828の中心軸CL82と平行な方向を向いて見た場合に、曲部823と重なる領域の半分以上の部分が、発熱コイル820の先端部822と重なる領域に、含まれている。従って、曲部823がチューブ810と接触することが抑制されるので、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレを抑制できる。
B.第2実施例:
図6は、発熱コイルの別の実施例の概略図である。図4(C)に示す第1実施例との差異は、接続部824と曲部823とが、曲部823aに置換されている点だけである。第2実施例の発熱コイル820aの他の部分の構成は、第1実施例の発熱コイル820の構成と、同じである。共通な部分には、共通な符号を付して、説明を省略する。この発熱コイル820aは、第1実施例の発熱コイル820の代わりに利用可能である。
図6(A)は、図4(C)と同様の概略図を示し、図6(B)は、図4(D)と同様の概略図を示している。図示するように、第2実施例の曲部823aは、帯状の金属線がひねられることによって、金属線が第1方向D1側に向かって曲がる部分である。このように、金属線をひねることによって、金属線の延びる方向を第1方向D1側に向けてもよい。ただし、第1実施例で説明したように、金属線をひねらずに曲げることによって、曲部823、ひいては、発熱コイル820の形状の製造誤差を抑制できる。
なお、図6(B)に示すように、螺旋部828の中心軸CL82と平行な第2方向D2を向いて見た場合に、曲部823aのほとんど全体が、螺旋部828の中心軸CL82を中心とする孔内径d81の範囲内に配置されている。従って、第2実施例の発熱コイル820aを用いる場合も、図5(B)に示す第1実施例と同様に、発熱コイル820aの先端部822を金属チューブ810の先端孔812hに挿入することによって、中心軸CLx(金属チューブ810の中心軸と同じ)と平行な第2方向D2を向いて見た場合に、曲部823aの少なくとも一部が、先端孔812hと重なる領域内に位置するように、発熱コイル820aがチューブ810内に配置される。従って、曲部823aの全体が、先端孔812hと重なる領域の外に位置する場合と比べて、チューブ810に対する発熱コイル820aの位置ズレを抑制できる。
C.変形例:
(1)発熱コイルの構成としては、上記各実施例に構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、第2実施例の発熱コイル820aに、図4(C)の第1実施例と同様の接続部824が設けられてもよい。具体的には、図4(C)に示す発熱コイル820の構成のうちの曲部823のみを、金属線をひねりつつ曲げる曲部に置換してもよい。
いずれの場合も、接続部824の傾きAaが、螺旋部828の傾きAbよりも、小さいことが好ましい。この構成によれば、チューブ810に対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。ただし、接続部824の傾きAaが、螺旋部828の傾きAbよりも、大きくてもよい。
さらに、螺旋部828の先端を形成する部分(「先端部」とも呼ぶ)の傾きが、螺旋部828の他の部分の傾きよりも小さいことが好ましい。例えば、図4(A)の先端部828eの傾きAcが、螺旋部828の他の部分の傾き(例えば、図4(C)に示す傾きAb)よりも、小さいことが好ましい。発熱コイル820をチューブ810内に挿入する場合、挿入誤差に起因して、発熱コイル820上のチューブ810との接触位置が、螺旋部828の先端部上で変化し得る。ここで、螺旋部828の先端部の傾きが、螺旋部828の他の部分の傾きよりも小さい場合には、螺旋部828の先端部の傾きが、螺旋部828の他の部分の傾き以上である場合と比べて、接触位置の変化に対する発熱コイルの位置ズレ(例えば、第1方向D1の位置ズレ)が、小さくなる。従って、チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。また、螺旋部828の先端部がチューブ810と接触した場合に、チューブ810の中心軸に対して螺旋部828が傾くことを抑制できる。なお、図4(A)に示す傾きAcは、中心軸CL82と直交する仮想面Scに対する、金属線が延びる方向dcの傾き(すなわち、仮想面Scと方向dcとの間の最小角度)である。
(2)発熱コイル820(特に、螺旋部828)を形成する金属線の断面形状は、矩形状に限らず、扁平した種々の形状を採用可能である。例えば、断面形状が楕円形状であってもよい。一般には、螺旋部828を形成する金属線の断面形状(螺旋部828の中心軸CL82を含む平面による断面の形状)が、螺旋部828の径方向(例えば、図4(B)のY方向Dy)よりも螺旋部の中心軸方向(例えば、図4(B)の第1方向D1)に長い扁平形状であることが好ましい。この構成によれば、ヒータ800の外径を大きくせずに、帯状の金属線によって形成された発熱コイルを利用できる。
(3)上記各実施例において、発熱コイルの螺旋部の中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、曲部の一部が、中心軸を中心とする孔内径の範囲の外に配置されていてもよい。例えば、図4(D)の曲部823の一部が、中心軸CL82を中心とする孔内径d81の範囲の外にはみ出てもよい。そして、発熱コイルがチューブ内に配置される工程では、チューブの中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、曲部の一部が、チューブの孔と重なる領域の外に配置されてもよい。例えば、図5(B)の曲部823の一部が、先端孔812hと重なる領域の外にはみ出てもよい。この場合も、先端部822は、曲部823から先端側(第1方向D1側)に向かって延びるように、構成される。そして、先端部822は、チューブ810の先端孔812hに挿入される。
このように、チューブの中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、曲部の一部がチューブの孔と重なる領域の外に配置されてもよい。この場合も、曲部の全体が孔と重なる領域の外に配置される場合と比べて、チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。
仮に、曲部の全体が、螺旋部の中心軸を中心とする孔内径の範囲の外にはみ出ていると仮定する。この場合、チューブの孔に挿入されるべき発熱コイルの先端部は、チューブの孔に挿入可能なように、斜めに延びる。例えば、図4(C)、図4(D)の実施例で、曲部823の全体が、孔内径d81の範囲の外に位置する場合、発熱コイル820の先端部822は、先端側(すなわち、第1方向D1側)に向かって、螺旋部828の中心軸CL82に近づくように、曲部823から、中心軸CL82に対して斜めに延びる。チューブ810内に発熱コイル820が配置される場合には、発熱コイル820の先端部822が、チューブ810の先端孔812hに挿入される。この際、挿入が完了する前に、発熱コイル820の先端部822が、チューブ810の内周面に接触し得る。従って、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレが、大きくなり得る。曲部の少なくとも一部が、中心軸CL82を中心とする孔内径d81の範囲内に配置されていれば、チューブ810に対する発熱コイル820の位置ズレを抑制できる。
(4)発熱コイルの先端部が延びる方向が、螺旋部の中心軸と斜めに交差する方向であってもよい。この場合も、発熱コイルの先端部は、曲部から先端側に向かって延びている、ということができる。また、発熱コイルをチューブ内に配置した場合に、発熱コイルの先端部は、チューブの先端孔から外に突出しなくてもよい。適切な溶接を実現するためには、発熱コイルをチューブ内に配置した場合に、発熱コイルの先端部(すなわち、先端側に向かって延びる先端部)が、チューブの先端孔の第1方向D1の位置に届いていることが好ましい。さらに、溶接時に十分な量の溶融材料を得るためには、発熱コイルの先端部は、先端部の少なくとも一部がチューブの先端孔からチューブの外に突出するのに十分な長さを有していることが好ましい。また、発熱コイルの先端部の形状としては、直線に沿って真っ直ぐに延びる形状を採用してもよく、他の種々の形状(例えば、湾曲する形状)を採用してもよい。いずれの場合も、発熱コイルの先端部としては、発熱コイルをチューブ内に配置した場合に、第1方向D1の位置が先端孔の第1方向D1の位置と同じである部分を含む第1方向D1側の端部を、採用することが好ましい。
(5)螺旋部の中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、曲部と重なる領域のうちの、発熱コイルの先端部と重なる領域に含まれる部分の割合が、半分未満であってもよい。例えば、図4(C)に示す実施例において、曲部823の形状が、緩いカーブを描く形状であってもよい。そして、図4(D)のように螺旋部828の中心軸CL82と平行な方向を向いて見た場合に、曲部と重なる領域の半分以上の部分が、先端部822と重ならない位置に配置されていてもよい。いずれの場合も、螺旋部の中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、曲部の少なくとも一部が、中心軸を中心とする孔内径の範囲内に配置されていることが好ましい。この構成によれば、上述したように、チューブに対する発熱コイルの位置ズレを抑制できる。
(6)発熱コイルの曲部の構成としては、上述の構成に限らず、他の種々の構成を採用可能である。例えば、図4に示す第1実施例において、曲部823上の位置(具体的には、断面の位置)に応じて、厚さ方向dn2が変化してもよい。ここで、発熱コイル820の製造誤差を抑制するためには、曲部での厚さ方向dn2の変化量(詳細は後述)が45度以下であることが好ましい。この構成によれば、金属線のひねりが小さいので、曲部、ひいては、発熱コイルの形状を正確に特定できる。
ここで、図6の発熱コイル820aを参照して、曲部での厚さ方向の変化量について説明する。図6(C)には、図6(B)の曲部823aの拡大図が示されている。図中には、曲部823a中の互いに異なる複数の断面位置における厚さ方向の例として、3つの厚さ方向dna1〜dna3が示されている。ここで、厚さ方向は、金属線の延びる方向と直交する断面によって規定される厚さ方向である。断面の形状と厚さ方向との関係は、図4(B)で説明した断面CS2の形状と厚さ方向dn2との関係と、同じである。また、これらの厚さ方向dna1〜dna3は、いずれも、断面の重心から、帯状の金属線の2つの幅広面Sw1a、Sw2aのうちの同じ幅広面Sw1a側に向かう方向である。厚さ方向の変化量としては、曲部823a上の2つの断面位置から得られる2つの厚さ方向の間の差分(角度差。特に、鋭角)の最大値を採用可能である。例えば、図6(C)の例では、第1厚さ方向dna1と第3厚さ方向dna3との間の差分が、おおよそ、90度である。従って、曲部823aにおける厚さ方向の変化量は、90度以上である。このように厚さ方向の変化量は、断面の重心から同じ幅広面側(例えば、幅広面Sw1a側)に向かう厚さ方向に基づいて、決定される。図4の実施例では、曲部823中の断面位置に依らず、厚さ方向dn2は、ほとんど同じであるので、厚さ方向の変化量は、おおよそ、ゼロである。発熱コイルの形状の製造誤差を抑制するためには、曲部における金属線のひねり(すなわち、厚さ方向の変化量)が小さいことが好ましい。例えば、曲部における厚さ方向の変化量は、45度以下が好ましく、20度以下がより好ましく、10度以下が特に好ましく、5度以下が最も好ましい。
(7)ヒータ800の構成としては、上述の構成に限らず、他の種々の構成を採用可能である。例えば、制御コイル830の金属線としても、発熱コイル820と同様に、帯状の金属線を採用してもよい。また、制御コイル830を省略してもよい。また、発熱コイルの螺旋部の中心軸が、チューブの中心軸から、ずれていてもよい。
(8)グロープラグ10の構成としては、上述の構成に限らず、他の種々の構成を採用可能である。例えば、中軸30の形状としては、外径が異なる複数の部分を含む形状を採用してもよい。
(9)グロープラグ10の製造方法としては、上述の方法に限らず、他の種々の方法を採用可能である。例えば、中軸30に端子部材80を固定する方法としては、加締めとは異なる種々の方法を採用可能である。例えば、中軸30の後端部39に雄ねじを形成し、端子部材80に雌ねじを形成して、端子部材80を後端部39にねじ込む方法を採用してもよい。
(10)上記実施例のグロープラグは、内燃機関の始動補助のために利用されるグロープラグに限らず、種々のグロープラグに適用可能である。例えば、排気ガスを昇温するための排気ガスヒータ装置や、触媒やディーゼル粒子フィルタ(DPF: Diesel Particulate Filter)を再活性化するためのバーナーシステムや、冷却水を昇温するためのウォータヒータ装置等の種々の装置に利用されるグロープラグに、上記実施例のグロープラグを適用可能である。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
10...グロープラグ、20...主体金具、20x...貫通孔、21...胴体部、22...雄ネジ部、28...工具係合部、30...中軸、31...先端部、39...後端部、50...Oリング、60...絶縁部材、62...筒状部、68...フランジ部、80...端子部材、100...中心部材、110...第1電極、500...主体金具、800...ヒータ、810...チューブ、810...金属チューブ、812...端、812h...孔(先端孔)、813...孔形成部、814...円筒部、819...後端部、820...発熱コイル、820a...発熱コイル、821...溶接部、822...先端部、823...曲部、823a...曲部、823e...端部、824...接続部、828...螺旋部、828e...先端部、829...後端部、830...制御コイル、831...先端部、839...後端部、840...絶縁粉末、850...パッキン、CL、CL81、CL82、CLx...中心軸、d813、d814...内径、d820...外径、OP1...開口、OP2...開口

Claims (4)

  1. グロープラグの製造方法であって、
    金属線によって形成され、螺旋形状の螺旋部と、先端部と、前記螺旋部と前記先端部との間に設けられた曲部と、を含む発熱コイルであって、前記螺旋部を形成する金属線の断面形状が前記螺旋部の径方向よりも前記螺旋部の中心軸方向に長い扁平形状であり、前記曲部は、前記螺旋部から前記先端部に向かって前記金属線を辿る場合に、前記金属線がグロープラグの先端側に対応する側である先端側に向かって曲がる部分であり、前記螺旋部の中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記曲部の少なくとも一部が、前記中心軸からの距離が前記螺旋部の最大半径よりも小さい特定距離の範囲内に配置され、前記先端部は、前記曲部から前記先端側に向かって延びる部分である、前記発熱コイルを準備することと、
    前記発熱コイルを収容するための金属チューブであって、前記特定距離と同じ半径を有する孔が設けられた先端を含む部分である孔形成部を備える金属チューブを準備することと、
    前記発熱コイルの前記先端部を、前記金属チューブの前記孔に、前記金属チューブの内部から挿入することによって、前記金属チューブの中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記発熱コイルの前記曲部の少なくとも一部が、前記孔と重なる領域内に位置するように、前記発熱コイルを前記金属チューブ内に配置することと、
    前記発熱コイルの前記先端部と前記金属チューブの前記孔形成部とを溶接することと、
    を含み、
    前記曲部は、断面形状が扁平形状である金属線が曲がる部分であって、前記扁平形状の厚さ方向の前記曲部における変化量が45度以下であり、前記厚さ方向と直交する方向に向かって前記金属線が曲がる部分である、
    製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法であって、
    前記発熱コイルは、さらに、前記螺旋部と前記曲部とを接続する接続部を含み、
    前記螺旋部の中心軸と直交する面に対する前記接続部の傾きは、前記螺旋部の前記中心軸と直交する前記面に対する前記螺旋部を形成する前記金属線の傾きよりも、小さい、
    製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法であって、
    前記螺旋部の前記中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記曲部と重なる領域の半分以上の部分が、前記発熱コイルの前記先端部と重なる領域に、含まれている、製造方法。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の製造方法であって、
    前記発熱コイルを前記金属チューブ内に配置する際には、前記金属チューブの中心軸と平行な方向を向いて見た場合に、前記発熱コイルの前記曲部の全体が、前記孔と重なる領域内に位置するように、前記発熱コイルが前記金属チューブ内に配置される、製造方法。
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