JP2007263021A - 羽根車の主軸取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えたテーパ状の羽根ボスを主軸に取り付けることができる羽根車の主軸取付構造を提供する。
【解決手段】 羽根ボス2の周面に翼体4が設けられた羽根車の主軸取付構造であって、基端側2Aに対して先端側2Bが窄まる傾斜周面を備えた羽根ボス2の基端側開口に形成された内向きフランジ2Eと、主軸の先端側周部に形成された溝部1Aに嵌入される抜止め部材3と、前記主軸1に外嵌し、一端側に前記内向きフランジ2Eに対向するとともに前記抜止め部材3と係合する外向きフランジ5Aを備えたスリーブ5とを備え、前記溝部1Aに前記抜止め部材3を嵌入した状態で前記基端側開口から前記主軸1を挿入し、前記内向きフランジ2Eと前記外向きフランジ5Aを締着する。
【選択図】 図2
【解決手段】 羽根ボス2の周面に翼体4が設けられた羽根車の主軸取付構造であって、基端側2Aに対して先端側2Bが窄まる傾斜周面を備えた羽根ボス2の基端側開口に形成された内向きフランジ2Eと、主軸の先端側周部に形成された溝部1Aに嵌入される抜止め部材3と、前記主軸1に外嵌し、一端側に前記内向きフランジ2Eに対向するとともに前記抜止め部材3と係合する外向きフランジ5Aを備えたスリーブ5とを備え、前記溝部1Aに前記抜止め部材3を嵌入した状態で前記基端側開口から前記主軸1を挿入し、前記内向きフランジ2Eと前記外向きフランジ5Aを締着する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、羽根ボスの周面に翼体が設けられた羽根車の主軸取付構造に関する。
従来、ポンプ装置の羽根車は、外周面が略円筒形状の羽根ボスと、前記羽根ボスの周囲に取り付けられた複数の翼体で構成され、図6に示すように、前記羽根ボス2の基端側を主軸1に挿入し、前記ボス部2の他端側から前記主軸1の先端部に形成されたネジ部と前記羽根ボス2とをナット8で締結し、その後、前記羽根ボス2の周壁の外側から翼体4の基端側に設けられた翼軸4Dを貫通させて翼体4が取り付けられ、最後に前記羽根ボス2の他端側にボスキャップCが取り付けられるように構成されていた(特許文献1)。
上述のポンプ装置は、可動翼ポンプ装置であるが、固定翼ポンプ装置であっても同様の取付手法が採用され、前記羽根ボスに翼体を取り付けた後に前記羽根ボス2の基端側を主軸1に挿入し、前記ボス部2の他端側から前記主軸1と前記羽根ボス2とをボルト8で締結する場合もあった。
しかし、近年、ポンプ装置の高効率、小型化のため、基端側に対して先端側が窄まる滑らかな傾斜周面に形成された羽根ボスが提案されている。このような羽根ボスでは、予め羽根ボスの周面に翼体を取り付けた後に、その羽根車を主軸に取り付ける必要があるが、先端側が窄まる傾斜周面に形成された羽根ボスでは、その狭い内部空間を翼体の取付部材が占有するため、羽根ボスを主軸に取り付けるスペースを確保することが困難であった。
本発明の目的は、基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えたテーパ状の羽根ボスであっても羽根ボスを主軸に容易に取り付けることができる羽根車の主軸取付構造を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による羽根車の主軸取付構造の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、羽根ボスの周面に翼体が設けられた羽根車の主軸取付構造であって、基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えた羽根ボスの基端側開口に形成された取付座と、主軸の先端側に着脱自在に取り付けられる抜止め部材と、前記主軸に外嵌し、一端側に前記取付座に対向するとともに前記抜止め部材と係合する外向きフランジを備えたスリーブとを備え、前記主軸の先端側に前記抜止め部材を取り付けた状態で前記基端側開口から前記主軸を挿入し、前記取付座と前記外向きフランジを締着する点にある。
上述の構成によると、内部空間の狭い、基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えたテーパ状の羽根ボスであっても、フランジを介して主軸と羽根車とを羽根ボス外部から取り付けることができるので、容易に羽根車を組み付けることができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、羽根ボスの周面に翼体が設けられた羽根車の主軸取付構造であって、前記取付座が基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えた羽根ボスの基端側開口に形成された内向きフランジであり、主軸の先端側周部に形成された溝部に嵌入される抜止め部材と、前記主軸に外嵌し、一端側に前記内向きフランジに対向するとともに前記抜止め部材と係合する外向きフランジを備えたスリーブとを備え、前記溝部に前記抜止め部材を嵌入した状態で前記基端側開口から前記主軸を挿入し、前記内向きフランジと前記外向きフランジを締着する点にある。
同様に、フランジを介して主軸と羽根車とを羽根ボス外部から取り付けることができるので、内部空間の狭い、基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えたテーパ状の羽根ボスであっても、容易に組み付けることができるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記抜止め部材が前記内向きフランジの内側縁部で保持される点にある。
前記抜止め部材が前記内向きフランジの内側縁部で保持されることで、前記抜止め部材が一体構成されてなくても前記溝部に嵌入された前記抜止め部材は外れることなく、前記主軸が前記スリーブから抜けることを防ぐことができる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記主軸に、前記スリーブの他端側縁部と係合する段差部を形成してある点にある。
前記主軸に前記スリーブの他端縁部と係合する段差部を形成することで、前記主軸が所定の位置より奥に挿入されることを防ぐことができる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述した第一から第四の何れかの特徴構成に加え、前記主軸とスリーブがキー結合又はスプライン結合されている点にある。
前記主軸と前記スリーブがキー結合することにより、前記主軸が回転すると前記スリーブに締着された前記羽根車が滑ることなく回転させることができる。
以上説明した通り、本発明によれば、基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えたテーパ状の羽根ボスであっても羽根ボスを主軸に容易に取り付けることができる羽根車の主軸取付構造を提供することができるようになった。
以下に本発明の第一の実施の形態を説明する。図1及び図2に示すように、軸流ポンプ装置に組み込まれる羽根車は、基端側2Aに対して先端側2Bが窄まる傾斜周面2Cを備えた羽根ボス2と、その傾斜周面2Cに等間隔に取り付けられた三枚の翼体4を備えて構成され、各翼体4は一体成形された円形基部4Aを前記傾斜周面に設けられた円形凹部に嵌め込み、上面から挿入されたボルト4Bを内側からナット4Cにより締め付け固定され、主軸1の先端部に着脱自在に取り付けられている。なお、この羽根車は軸流型である。
前記羽根ボス2の基端側2Aの開口には、取付座としての内向きフランジ2Eが形成されている。一端側に前記内向きフランジ2Eに対向する外向きフランジ5Aを備えたスリーブ5を前記主軸1に外嵌し、前記主軸1の先端側周部に形成された溝部1Aに抜止め部材3を嵌入した状態で前記基端側開口から前記主軸1を挿入し、図2(b)に示すように、前記内向きフランジ2Eと前記外向きフランジ5Aをボルト6により締着することにより、前記羽根車と前記主軸1とが固定される。
前記抜止め部材3は、図3(a)に示すように、リング状部材を二分割したリング片3A,3Bで構成され、前記溝部1Aに周囲から挟み付けるように取り付けられ、ボルト6により締着された状態では、前記溝部1Aから離脱することの無いように前記内向きフランジ2Eの内側縁部で保持される。
さらに、前記主軸1に、前記スリーブ5の他端側縁部と係合する段差部1Bが形成され、以って前記主軸1が前記羽根ボス2側に過挿入されたり、前記抜止め部材3が前記溝部1Aから離脱することの無いように構成されている。
この状態で、前記抜止め部材3が前記溝部1Aの先端側縁部と前記外向きフランジ5Aとの間で係合して、前記主軸1が前記羽根車から抜けることなく保持される。
前記スリーブ5の外周部に軸受け7が配置されるとともに、前記主軸1と前記スリーブ5には、図3(b)に示すように、互いに対向する位置にキー溝1C,5Bが形成され、前記主軸1に前記スリーブ5を外嵌する際にキー9を挿入することにより、前記主軸1と前記スリーブ5が一体回転し、従って、前記主軸1と前記羽根車が一体回転するように構成されている。
以下に本発明の第二の実施の形態を説明する。尚、以下の説明では、上述の第一の実施形態と同等の部材については同じ符号を付けて説明する。
図4及び図5に示すように、ポンプ装置に組み込まれる羽根車は、基端側2Aに対して先端側2Bが窄まる傾斜周面2Cを備えた羽根ボス2と、その傾斜周面2Cに等間隔に取り付けられた三枚の翼体4を備えて構成され、各翼体4は一体成形された円形基部4Aを前記傾斜周面に設けられた円形凹部に嵌め込み、上面から挿入されたボルト4Bを内側からナット4Cにより締め付け固定され、主軸1の先端部に着脱自在に取り付けられている。
前記羽根ボス2の基端側2Aの開口には、周方向に等間隔に三箇所、前記羽根ボス2の周面を軸心に沿った方向に切り欠いて形成された取付座2Fが設けられている。
一端側に前記取付座2Fに対向する外向きフランジ5Aを備えたスリーブ5を前記主軸1に外嵌し、前記主軸1の先端側周部に形成されたネジ部1Cに抜止め部材としてのナット8を廻り止めの座金8Aを介して螺合することにより、前記座金8A及びナット8が前記外向きフランジ5Aと係合して前記スリーブ5の前記主軸1からの離脱を防止した状態で、前記基端側2A開口から前記主軸1を挿入し、図5(b)に示すように、前記取付座2Fと前記外向きフランジ5Aをボルト6により締着することにより、前記羽根車と前記主軸1とが固定される。
さらに、前記主軸1に、前記スリーブ5の他端側縁部と係合する段差部1Bが形成され、以って前記主軸1が前記羽根ボス2側に過挿入されることの無いように構成されている。
前記スリーブ5の外周部に軸受け7が配置されるとともに、前記主軸1と前記スリーブ5には、図3(b)に示した構成と同様に、互いに対向する位置にキー溝1C,5Bが形成され、前記主軸1に前記スリーブ5を外嵌する際にキー9を挿入することにより、前記主軸1と前記スリーブ5が一体回転し、従って、前記主軸1と前記羽根車が一体回転するように構成されている。
以下に別実施形態を説明する。上述の実施形態では、主軸1とスリーブ5にキー溝を備え、前記キー溝にキーが嵌合されるキー結合により一体回転可能な構成を説明したが、前記キー結合としては、主軸1の外周面及びスリーブ5の内周面に軸心方向に沿った凹凸の溝を形成し、互いの凹部と凸部を係合させるスプライン結合を用いてもよい。さらに、主軸1と、羽根車が固定されたスリーブ5とを一体に回転させるための機構であれば他の構造を採用してもよい。
第一の実施形態では、抜止め部材に二つ割りで構成される抜止めリング5を採用したが、前記抜止め部材は二つ割りに限るものではなく、前記主軸1の溝部1Aに嵌め込み可能な構成であれば、二つ以上に分割されるものであってもよい。
第二の実施形態では、取付座2Fと前記外向きフランジ5Aを締結するボルト6を羽根ボスの傾斜面の周方向に三箇所設けた切り欠き部において、各1本ずつで取り付けているが、ボルトの数や配置はこれに限定されるものではない。また、高トルクの場合には適宜リーマボルトを用いてもよい。
上述した実施形態では、羽根車の主軸取付構造として、軸流ポンプに適用したものを説明したが、斜流ポンプ等の他の種類のポンプ装置に対しても適用可能である。
上述した実施形態では、翼体4を羽根ボス2にボルト固定する三枚の固定翼を備えた羽根車の主軸への固定構造について説明したが、羽根ボスに対して翼体の姿勢が可変な可動翼を備えた羽根車に適用することも可能であり、また翼体の枚数も制限されるものではないことはいうまでもない。また羽根車は軸流型に限定されるものではなく斜流型であってもよい。
上述した実施形態で説明した各部の具体的構造、材質、寸法等は、特に限定されるものではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜設計されるものである。
1:主軸
1A:溝部
2:羽根ボス
2E:内向きフランジ
2F:取付座
3:抜止め部材
3A,3B:リング片
4:翼体
5:スリーブ
5A:外向きフランジ
6:ボルト
8:抜止め部材(ナット)
9:キー
1A:溝部
2:羽根ボス
2E:内向きフランジ
2F:取付座
3:抜止め部材
3A,3B:リング片
4:翼体
5:スリーブ
5A:外向きフランジ
6:ボルト
8:抜止め部材(ナット)
9:キー
Claims (5)
- 羽根ボスの周面に翼体が設けられた羽根車の主軸取付構造であって、
基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えた羽根ボスの基端側開口に形成された取付座と、主軸の先端側に着脱自在に取り付けられる抜止め部材と、前記主軸に外嵌し、一端側に前記取付座に対向するとともに前記抜止め部材と係合する外向きフランジを備えたスリーブとを備え、前記主軸の先端側に前記抜止め部材を取り付けた状態で前記基端側開口から前記主軸を挿入し、前記取付座と前記外向きフランジを締着する羽根車の主軸取付構造。 - 羽根ボスの周面に翼体が設けられた羽根車の主軸取付構造であって、
前記取付座が基端側に対して先端側が窄まる傾斜周面を備えた羽根ボスの基端側開口に形成された内向きフランジであり、主軸の先端側周部に形成された溝部に嵌入される抜止め部材と、前記主軸に外嵌し、一端側に前記内向きフランジに対向するとともに前記抜止め部材と係合する外向きフランジを備えたスリーブとを備え、前記溝部に前記抜止め部材を嵌入した状態で前記基端側開口から前記主軸を挿入し、前記内向きフランジと前記外向きフランジを締着する請求項1に記載の羽根車の主軸取付構造。 - 前記抜止め部材が前記内向きフランジの内側縁部で保持される請求項2記載の羽根車の主軸取付構造。
- 前記主軸に、前記スリーブの他端側縁部と係合する段差部を形成してある請求項1から3の何れかに記載の羽根車の主軸取付構造。
- 前記主軸とスリーブがキー結合又はスプライン結合されている請求項1から4の何れかに記載の羽根車の主軸取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006090580A JP2007263021A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 羽根車の主軸取付構造 |
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JP2006090580A JP2007263021A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 羽根車の主軸取付構造 |
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JP (1) | JP2007263021A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023062861A1 (ja) * | 2021-10-11 | 2023-04-20 | 株式会社荏原製作所 | 羽根車およびポンプ |
-
2006
- 2006-03-29 JP JP2006090580A patent/JP2007263021A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023062861A1 (ja) * | 2021-10-11 | 2023-04-20 | 株式会社荏原製作所 | 羽根車およびポンプ |
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