JP2007260624A - 真空装置に用いる真空容器及びその製造方法 - Google Patents

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寛樹 岡
Masaru Narishima
大 成嶋
Kazuyuki Tezuka
一幸 手塚
Mineo Gonda
峰夫 権田
Toshiharu Hasuo
俊治 蓮尾
Seiichi Eto
誠一 衛藤
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Abstract

【課題】鋳造により容器本体を形成することにより、大幅なコストダウンを図ることが可能な真空装置に用いる真空容器を提供する。
【解決手段】被処理体Wに対して所定の処理を施すため、或いは前記被処理体を搬送するために内部が真空雰囲気に設定される真空装置が用いられ、プロセスチャンバ4、トランスファチャンバ6やロードロック室10で構成される。プロセスチャンバに用いられる真空容器30は、筒体状に成形された容器本体30Aとこの天井板30Bと底部を閉じる底板30Cとにより構成されており、トランスファチャンバやロードロック室の真空容器32、34も同様に構成される。上記真空容器構成部材をSi含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金を用いて鋳造し、アルマイト皮膜を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハ等の被処理体に対して真空雰囲気下にて成膜処理やエッチング処理等の所定の処理を施すプロセスチャンバや真空雰囲気下で被処理体を搬送するトランスファチャンバ等の真空装置に用いる真空容器及びその製造方法に関する。
一般に、半導体デバイス等を製造するためには、半導体ウエハやガラス基板等の被処理体に対して成膜処理、エッチング処理、酸化拡散処理、改質処理等の各種の処理を繰り返し施す必要がある。この場合、ウエハに施される各種処理の内の多くの処理は真空雰囲気中で行われ、且つ処理時にはウエハに対する金属汚染を避けなければならないことから、内部を真空雰囲気にするようなプロセスチャンバ(真空装置)の真空容器の材料は、加工が比較的容易で且つ金属汚染の極めて少ない材料が選択されている。
またプロセスチャンバのみならず、プロセスチャンバまでにウエハを搬送する経路途中に設けられる各種の搬送室にあっても、この内部が真空雰囲気に晒されるような真空装置に用いる真空容器には、被処理体を搬出入するための搬出入口や、真空容器内のガスを排気するための排気マニホルドなどを有しており、このような複雑な形状の真空容器は一体的に削り出して製造することはできないので、真空容器を複数の構成部材で構成し、削り出しにより成形した各構成部材をボルト等で接合して組み立てるようにしている。
そして、この種の真空装置に用いる真空容器の材料としては、上記したように加工が比較的容易で且つ金属汚染の極めて少ない材料が求められる。このような条件に適合した材料として、一般的にはアルミニウム合金が使用されており、このアルミニウム合金により真空容器を形成し、アルマイト処理を施すことによりその表面にアルマイト皮膜を形成して耐久性や耐腐食性等を向上させるようになっている(特許文献1)。具体的には、アルミニウム合金よりなる大きなブロック材料を圧延機で形成し、このブロック材料を削り出しすることによって真空装置の筒体状の容器本体を製造し、そして、この容器本体にアルマイト処理を施すことによって容器本体の外面や内面を含む表面全体にアルマイト皮膜を形成するようになっている。この場合、上記ブロック材料中に含まれるSiが、単独のSi粒子として析出した状態で存在するとき、このような合金材料を陽極酸化すると、Si粒子が皮膜中に残存し、これが周囲の皮膜と化学的性質が異なるために、塩素イオンを含む腐食媒によって、選択的に溶解脱落して皮膜欠陥となり腐食が進行する。しかし、Mgを添加してSiをMg Siなる化合物にすれば、陽極酸化処理でもAlとともに溶解してしまうために皮膜欠陥にならないとされている(特開平6−25808号公報)。そこで、例えばJIS6061合金においては、Mg Siを形成するに必要なSi量と同等或いは若干過剰な量になるようにSi量は0.4〜0.8%に規定されている。
特開平11−300482号公報
ところで、上記した真空容器の製造方法にあっては、ブロック材料が高価であるのみならず、削り出し作業に要する費用も高いことから、全体的に大幅なコスト高を招来している、という問題があった。特に、ウエハサイズも直径200mmから300mmへ更に大型化する傾向にあり、この点よりも装置自体が大型化しているので、更なるコスト高を招来する、といった問題があった。
また前述のように、真空容器は、複数の構成部材をボルト等で接合して組み立てるようにしているので、真空容器を接地するためのシール部材を構成部材の接合面に介在させたり、真空容器内を気密保持するためのシール部材を接合面に設けたりする必要がある。このため、シール部材の管理が必要になる上、このシール面の加工精度も要求されるので、加工処理がコスト高になっていた。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、鋳造法により容器本体を形成することにより、大幅なコストダウンを図ることを可能とすると共に、鋳物で製造することにより、複雑な形状の真空容器を一体的に形成でき、低コストでできるのみならず、リークや接地不良などの心配のない真空装置に用いる真空容器及びこの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、真空容器の鋳造による製造の可能性について鋭意研究した結果、鋳造時の湯流れを促進させる作用と、アルマイト皮膜の形成を阻害する作用の両作用を示すSi含有量を最適化することにより、ブロック材料からの削り出しによって製造した従来の真空容器と同等の特性を示す真空容器を製造することができる、という知見を得ることにより、本発明に至ったものである。
請求項1に係る発明は、被処理体に対して所定の処理を施すため、或いは前記被処理体を搬送するために内部が真空雰囲気に設定される真空装置に用いる真空容器において、Si含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金を用いて鋳造されることを特徴とする真空装置に用いる真空容器である。
このように、Si含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金を用いて鋳造法により容器本体を形成することにより、従来の削り出しによって形成した場合と同等の特性を維持しつつ大幅なコストダウンを図ることを可能とすると共に、鋳物で製造することにより、複雑な形状の真空容器を一体的に形成でき、低コストでできるのみならず、リークや接地不良などの心配も無くすことができる。
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記真空容器の表面にアルマイト処理が施されている。
また、例えば請求項3に規定するように、前記真空装置は、前記被処理体に対して真空雰囲気下にて所定の処理を施すためのプロセスチャンバである。
また例えば請求項4に規定するように、前記真空装置は、前記被処理体を真空雰囲気下で搬送するためのトランスファチャンバである。
また例えば請求項5に規定するように、前記真空装置は、前記被処理体を搬送するために真空引き及び大気圧復帰が繰り返されるロードロック室である。
請求項6に係る発明は、被処理体に対して所定の処理を施すため、或いは前記被処理体を搬送するために内部が真空雰囲気に設定される真空装置に用いる真空容器の製造方法において、前記真空容器を形成する容器構成部材を、Si含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金を用いて鋳造によって形成する鋳造工程を有することを特徴とする真空容器の製造方法である。
この場合、例えば請求項7に規定するように、前記容器構成部材の表面にアルマイト皮膜を形成するアルマイト工程を有する。
また例えば請求項8に規定するように、前記鋳造工程の直後に、前記容器構成部材を加熱することにより溶体化処理を施し、次いで人工時効処理を施す。
また例えば請求項9に規定するように、前記アルマイト工程の前工程として、前記容器構成部材の表面に存在する共晶Siを除去するSi除去処理を施す。
また例えば請求項10に規定するように、前記Si除去処理は、薬液を用いた化学的処理である。
また例えば請求項11に規定するように、前記Si除去処理は、洗浄水を用いた物理的処理である。
また例えば請求項12に規定するように、前記アルマイト工程の前後には、前記容器構成部材のシール面に引き目加工処理を施す。
本発明の真空装置に用いる真空容器及びその製造方法によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
Si含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金を用いて鋳造法により容器本体を形成することにより、大幅なコストダウンを図ることを可能とすると共に、鋳物で製造することにより、複雑な形状の真空容器を一体的に形成でき、低コストでできるのみならず、リークや接地不良などの心配も無くすことができる。
以下に、本発明に係る真空装置に用いる真空容器及びその製造方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る真空装置の真空容器を用いた処理システムの一例を示す概略平面図、図2は処理システムを示す概略断面図である。
まず、本発明に係る真空容器を用いた真空装置を組み合わせてなる処理システムの一例について説明する。図1及び図2に示すように、この処理システム2は、真空装置としての真空引き可能になされたプロセスチャンバ4A、4B、4C、4Dを有している。これらのプロセスチャンバ4A〜4Dとしては、成膜処理やエッチング処理等の真空雰囲気下で行われる全ての処理装置が適用される。これらのプロセスチャンバ4A〜4Dは、同じく真空装置としての真空引き可能になされた六角形状のトランスファチャンバ6の周囲にそれぞれゲートバルブ8A、8B、8C、8Dを介して接続されている。また、この処理システム2は、上記トランスファチャンバ6内に対して、この真空を破ることなく被処理体としての半導体ウエハWを搬送するための真空装置としてのロードロック室10A、10Bを有しており、両ロードロック室10A、10Bは上記トランスファチャンバ6にそれぞれゲートバルブ12A、12Bを有して接続されている。
そして、上記各プロセスチャンバ4A〜4D内には、ウエハWを載置するための載置台12A〜12Dがそれぞれ設けられている。また、上記トランスファチャンバ6内には、ウエハWを搬送するために屈伸及び旋回可能になされた2ピックの搬送アーム機構14が設けられ、各プロセスチャンバ4A〜4D間及びこれらと各ロードロック室10A、10Bとの間でウエハWを移載できるようになっている。また各ロードロック室10A、10B内には、ウエハWを一時的に保持する保持台16A、16Bがそれぞれ設けられる。また上記ロードロック室10A、10Bの反対側には、それぞれゲートバルブ18A、18Bを介して横長のロードモジュール20が取り付けられ、このロードモジュール20の一側には、複数枚のウエハを収容できるカセット(図示せず)を載置するI/Oポート22が設けられている。そして、このロードモジュール20内には、屈伸及び旋回可能になされた搬送アーム24が設けられており、この搬送アーム24は案内レール26に沿ってその長手方向へ移動可能になされている。
ここで図2を参照して各真空装置について説明する。尚、図2中において、4つのプロセスチャンバ4A〜4Dを代表してプロセスチャンバ4として示しており、載置台12A〜12Dを代表して載置台12として示している。また2つのロードロック室10A、10Bを代表してロードロック10として示している。
上記プロセスチャンバ4内では、例えば処理ガスが供給されて、真空雰囲気中にて所定の処理、例えば成膜処理等が行われ、所定の処理ガスやN ガス等を導入するガス導入部28が設けられる。
このプロセスチャンバ4に用いる真空容器30は、筒体状に成形された容器本体30Aと、この天井部を閉じる天井板30Bと、底部を閉じる底板30Cとにより構成されている。ここで例えば上記容器本体30Aと底板30Cとは鋳物で一体成形され、この一体成形物と天井板30Bとはボルト等により接合される。またトランスファチャンバ6の真空容器32は、その径が大きな筒体状に成形された容器本体32Aと、この天井部を閉じる天井板32Bと、底部を閉じる底板32Cとにより構成されている。ここで例えば上記容器本体32Aと底板32Cとは鋳物で一体成形され、この一体成形物と天井板32Bとはボルト等により接合される。
また更に、ロードロック室10の真空容器34は、筒体状に成形された容器本体34Aと、この天井部を閉じる天井板34Bと、底部を閉じる底板34Cとにより構成されている。ここで例えば上記容器本体34Aと底板34Cとは鋳物で一体成形され、この一体成形物と天井板34Bとはボルト等により接合される。ここで上記各容器本体、天井板及び底部がそれぞれ容器構成部材となる。尚、上記トランスファチャンバ6やロードロック室10内へは必要に応じてN ガス等の不活性ガス、或いは清浄空気が供給されて大気圧復帰できるようになっている。
そして、上記した各真空容器30、32、34の筒体状の容器本体30A、32A、34A及び各底板30C、32C、34Cがそれぞれ本発明方法で一体物として製造されることになる。尚、各天井板30B、32B、34Bも本発明方法で製造するようにしてもよい。すなわち、本発明方法では、上記各容器構成部材をSi含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金により鋳造によって形成し、この容器構成部品の表面全体にアルマイト皮膜を形成する。このように構成した容器構成部品は、その後、ボルト等によって組み立て固定することによって真空容器が作られる。尚、上記容器本体と底板とをそれぞれ別々に本発明方法で製造し、その後、両者をボルト等によって組み立てるようにしてもよいし、また容器本体と天井板とを一体物として成形し、これに底板をボルト等によって組み立てるようにしてもよい。
図3は容器構成部品の表面の変化を示す部分拡大模式図、図4はシール面に形成される引き目の状態を示す模式図、図5は本発明方法を説明するための工程図である。尚、図3においては、各容器構成部材を代表してトランスファチャンバ6の真空容器32の容器本体32Aを例にとって説明する。
まず、Si含有量が4〜6%の範囲内になるように調整されたアルミニウム合金よりなる溶湯を用いて、この溶湯を鋳型に流すことによって容器構成部材である容器本体32Aを形成する(図3(A)及びS1)。このようにSi含有量を4〜6%の範囲内に設定する理由は、Si含有量が多くなればなるほど、溶湯の流動性は良好になるが、Si含有量が6%以上になると、後工程で行われるアルマイト処理においてアルマイト皮膜の生成が不均一になるとともに、アルマイト皮膜の均質性が損なわれることになり、更にざく巣等の欠陥が生じ易く、耐圧性を損なうことにもなるからである。また、4%よりも少なくなると、ポロシティが発生し易くなるとともに、準固相温度範囲が広くなるため溶湯の流動性が低下し、溶湯を鋳型に鋳込む際に鋳型内の隅々まで溶湯が十分に廻り込まず、湯廻り不良や湯境等の不具合が発生することになる。さらに、準液相範囲が狭くなり、押湯による溶湯補給性が劣化して、引け等の欠陥が発生し易くなるからである。
また、溶湯を注湯する前に、鋳型を高温で加熱することが望ましく、加熱することによって鋳型内の水分量を常に一定に保つことができ、これによって鋳物の品質を季節や天候に左右されることなく、一定に維持することができる。また、この加熱によって溶湯の湯流れが向上し、湯廻り不良や湯境等の不具合の発生が防止されるとともに、塗型材やバインダーを適度に燃焼させ、ガスとして鋳型内の隙間から外部へ放出させることにより、注湯後、鋳型内部で発生するガスを抑制し、ブローホール欠陥の発生を防止することが可能となる。
このような鋳造物にあっては、その表面、すなわち鋳肌面にSi元素が比較的晶出し易くなり、図3(A)に示すように鋳肌面にSi元素40が晶出する傾向となる。尚、この露出状態のSi元素40は後述するアルマイト処理時に悪影響を及ぼすので、以下に説明する方法で除去されることになる。
Al−Si系合金鋳物にあっては、共晶Siは針状および棒状に晶出するため、後述するアルマイト処理時においてアルマイト皮膜の生成および均質性に悪影響を及ぼすことになるため、この共晶Siの形態を変化させる必要がある。容器本体32Aに所定の強さを付与するために高温から焼入れを行い、溶体化処理を施し、次いで人工時効処理を行なう。この際、溶体化処理の温度が高ければ高いほど、共晶Siが分断され、その形態も針状、棒状から塊状に変化する。しかし、溶体化処理の温度が高すぎると、焼入れ時に生ずる残留応力が大きくなり、その後の加工時に割れを生ずる可能性がある。したがって、溶体化温度は500〜535℃が好ましい。500℃以下では、溶質元素の固溶度が小さくなり、所定の強度が得られないし、共晶Siの形態変化が十分でなくなる。また、535度を超えると焼入れ時の残留応力が過大となり、割れの危険性が増す。
次に、容器の組み立て時に部材同士がOリング等のシール部材を介して接することになるシール面に対してシール性を高めるために第1回目の引き目加工処理を施す(S3)。図4は容器本体32Aに形成されているシール面の一例を示しており、ここではゲートバルブに接合されるウエハ搬送用の開口42の周囲がシール面44となっている。そして、このシール面44に、ここに介在されるべきシール部材の長さ方向に沿って複数条の微細なる溝46が引き目加工によって形成される。図4においては、ウエハ搬送用の開口42の周囲に、これを囲むようにして複数条の溝46が形成されており、容器組み立て時にはこのシール面44上に、溝方向に沿ってシール部材が接触することになる。
次に、エッチング処理の際、容器本体32Aの表面に生じた黒色付着物を取り除く処理(Desmutting)を行う(S4)。この汚れ取り処理には、化学的処理と物理的処理の2種類あり、どちらの処理を用いてもよい。化学的処理では、フッ酸溶液、例えばフッ化アンモン溶液や硝酸系溶液により容器本体32Aの全表面を清浄、或いはエッチングする。物理的処理では、洗浄水を噴射したり、温水を噴射したりして容器本体32Aの全表面を洗浄する。
上記洗浄やエッチングにより、図3(A)に示すように、容器本体32Aの表面に晶出しているSi40を除去したり、他の付着物を除去する。なお、表面のSi40を除去しないままアルマイト処理を行うと、Siがアルマイト皮膜中に取り込まれるため、表面を拭いた際、黒粉が付着し好ましくない。
このようなスマット除去処理が終了したならば、次にアルマイト処理を行う(S5)。このアルマイト処理は、上記容器本体32Aを、例えば硫酸溶液中で電気分解することにより行う。これによって図3(C)に示すように容器本体32Aの表面全体に所定の厚さ、例えば厚さ50μm程度のアルマイト(アルミナの水和物)皮膜50を形成する。この場合、上述したように、容器本体32Aの表面に露出しているSi元素40はすでに除去されているので、アルマイト被膜50を均一に形成することができる。
このようにアルマイト処理が完了したならば、硫酸溶液を純水等で洗浄した後、次に、ステップS3において第1回目の引き目加工を行った部分と同一の部分、すなわちシール面に第2回目の引き目加工処理を施す(S6)。ここでは図4を参照して説明したと同様にシール面に引き目加工処理を行う。これによって、シール面のシール性を、圧延ブロック材を削り出して製造した従来の部材と同等のシール性まで高めることができる。
このようにして、容器構成部材としての容器本体32Aの作成を完成する。そして、この容器本体32Aと、上記したと同様に作成した他の容器構成部材とを組み合わせてボルト等で固定することにより真空容器の組み立て製造が完了することになる。このようにして、真空装置の容器構成部材を、アルミニウム合金の鋳造法により容易に製造することができ、コスト削除に大幅に寄与することができる。
ここで、容器構成部材(製品)中のSi含有量とアルマイト皮膜の健全性および溶湯の流動性との関係を説明する。図6は、容器構成部材中のSi含有量とアルマイト皮膜の健全性および溶湯の流動性の依存性を示すグラフである。アルマイト皮膜の健全性とは、表面に形成されるアルマイト皮膜の良否を示し、Si含有量が少ないほど均質なアルマイト皮膜を形成することができる。また、溶湯の流動性とは、溶湯の鋳型内での流れ易さを示し、Si含有量が多くなるほど良好になって、湯廻り不良、湯境および引け巣などの欠陥が発生することが防止できる。すなわち、Si含有量が少なくなると、溶湯の流動性が悪くなって欠陥が多く発生することになる。
このグラフから明らかなように、溶湯の流動性は、溶湯中のSi含有量が増加するほど良好となり、製品に発生する欠陥が少なくなる。この場合の下限値は4%であり、この値よりもSi含有量が少なくなると、ポロシティ、引け巣、湯廻り不良および湯境等の欠陥が発生し、好ましくない。
これに対して、アルマイト生成性は、溶湯中のSi含有量が少ない程好ましく、Si含有量が多くなる程、その後に形成されるアルマイト皮膜の特性が劣化してしまう。この場合、Si含有量の上限値は6であり、この上限値6よりもSi含有量が多くなると、真空容器の材料としては耐腐食性及び絶縁耐性が過度に低下し、採用することができない。
この結果、上記溶湯の流動性の特性とアルマイト生成性の特性を共に満足させるSi含有量は4〜6%の範囲内であることが確認できた。この場合、より好ましいSi含有量は4.0〜5.0%の範囲内である。
また上記実施例では、図5に示すようにS1〜S6の各ステップについて説明したが、製造されるべき真空装置で必要とされる最低の真空圧にもよるが、必要とされる真空圧がそれ程低くない場合には、すなわちそれ程高いシール性が要求されない場合には、少なくともステップS1の鋳造工程とステップS5のアルマイト処理の2工程を行うようにすればよい。そして、必要とされる真空圧がより低くなるに従って、他のステップS2〜S4、S6を次第に加えていく。
特に、必要とする真空圧が最も低い場合、すなわち高いシール性が要求される場合には、特に、アルマイト処理工程S5の前後に図5に示したようにそれぞれ引き目加工処理S3、S6を加えるのがよい。
この引き目加工処理を、アルマイト処理加工S5の前、或いは後のいずれか1回だけ行った場合、または両方行わなかった場合には、アルマイト処理加工の前後で引き目加工処理をそれぞれ共に1回行った場合と比較していずれもシール性がやや劣化する傾向にあった。
下記の表1は引き目加工処理のシール性に対する影響を示すデータである。
Figure 2007260624
表1に示すように、引き目加工処理を全く行わなかった場合、或いはアルマイト処理の前のみに1回引き目加工処理を行った場合、またはアルマイト処理の後のみに1回引き目加工処理を行った場合には、シール性はそれ程高くなかった。
これに対して、アルマイト処理の前後でそれぞれ1回ずつ引き目加工処理を行った場合には、従来方法のようにブロック材料から削り出しによって製造した場合と略同等の高いシール性を確保できることが確認できた。
上記実施例では、被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、ガラス基板、LCD基板等を処理する真空装置に用いる真空容器にも本発明を適用できるのは勿論である。
本発明に係る真空装置の真空容器を用いた処理システムの一例を示す概略平面図である。 処理システムを示す概略断面図である。 容器構成部品の表面の変化を示す部分拡大模式図である。 シール面に形成される引き目の状態を示す模式図である。 本発明方法を説明するための工程図である。 容器構成部材中のSi含有量とアルマイト皮膜の健全性および溶湯の流動性の依存性を示すグラフである。
符号の説明
2 処理システム
4A〜4D プロセスチャンバ(真空装置)
6 トランスファチャンバ(真空装置)
10A,10B ロードロック室(真空装置)
30,32,34 真空容器
30A,32A,34A 容器本体
W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (12)

  1. 被処理体に対して所定の処理を施すため、或いは前記被処理体を搬送するために内部が真空雰囲気に設定される真空装置に用いる真空容器において、
    Si含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金を用いて鋳造されることを特徴とする真空装置に用いる真空容器。
  2. 前記真空容器の表面にアルマイト処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の真空装置に用いる真空容器。
  3. 前記真空装置は、前記被処理体に対して真空雰囲気下にて所定の処理を施すためのプロセスチャンバであることを特徴とする請求項1または2記載の真空装置に用いる真空容器。
  4. 前記真空装置は、前記被処理体を真空雰囲気下で搬送するためのトランスファチャンバであることを特徴とする請求項1または2記載の真空装置に用いる真空容器。
  5. 前記真空装置は、前記被処理体を搬送するために真空引き及び大気圧復帰が繰り返されるロードロック室であることを特徴とする請求項1または2記載の真空装置に用いる真空容器。
  6. 被処理体に対して所定の処理を施すため、或いは前記被処理体を搬送するために内部が真空雰囲気に設定される真空装置に用いる真空容器の製造方法において、
    前記真空容器を形成する容器構成部材を、Si含有量が4〜6%の範囲内のアルミニウム合金を用いて鋳造によって形成する鋳造工程を有することを特徴とする真空容器の製造方法。
  7. 前記容器構成部材の表面にアルマイト皮膜を形成するアルマイト工程を有することを特徴とする請求項6記載の真空容器の製造方法。
  8. 前記鋳造工程の直後に、前記容器構成部材を加熱することにより溶体化処理を施し、次いで人工時効処理を施すことを特徴とする請求項6または7記載の真空容器の製造方法。
  9. 前記アルマイト工程の前工程として、前記容器構成部材の表面に存在する共晶Siを除去するSi除去処理を施すようにしたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の真空容器の製造方法。
  10. 前記Si除去処理は、薬液を用いた化学的処理であることを特徴とする請求項9記載の真空容器の製造方法。
  11. 前記Si除去処理は、洗浄水を用いた物理的処理であることを特徴とする請求項9記載の真空容器の製造方法。
  12. 前記アルマイト工程の前後には、前記容器構成部材のシール面に引き目加工処理を施すことを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の真空容器の製造方法。

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