JP2007259265A - 非可逆回路素子、及び、これを用いた通信機器 - Google Patents

非可逆回路素子、及び、これを用いた通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】非可逆回路特性、機械的強度、及び、耐リフロー性の改善に有効で、しかも、部品点数、及び、組立工数が少なく、コストダウンに有効であるとともに、周波数バリエーションの変更、及び、付加回路の増設が容易な非可逆回路素子、及び、これを用いた通信機器を提供すること。
【解決手段】本発明に係る非可逆回路素子において、端子基板1は、一面に複数の端子電極膜11〜13を有している。中心電極基板4は、一面に中心電極膜41を有し、端子基板1に対して、中心電極膜41が、端子電極膜11〜13と向き合う関係で組み合わされており、且、中心電極膜41の端部411〜413が、導電性接合剤6により端子電極膜11〜13と接合されている。フェライト基板3は、端子基板1と、中心電極基板4との相対向面間において、中心電極膜41と向き合う関係で配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非可逆回路素子、及び、これを用いた通信機器に関する。
近年、移動体通信では、周波数が2GHzから5GHzへと高周波化が急速に進展している。一般に、高周波化された場合、磁気回転子に対して印加される直流磁場を小さくできることから、マグネットや、磁気回転子などの形状が小型化されるともに、その組立構造も簡単化できる。しかし、簡単化できるといっても、おのずから限度があるのであって、機械的強度に優れた構造であること、非可逆回路特性を犠牲にしない構造であること、耐リフロー性に優れていること、他の周波数バリエーションが可能であること、などの要求は、当然に満たさなければならない。
さらに具体的に、高周波化に伴う問題点の一つとして、端子電極に対して、磁気回転子を構成する中心電極体をいかに接続するか、という問題がある。例えば、従来の分布定数型の非可逆回路素子において、磁気回転子は、フェライト基板上に中心電極が膜状に形成されることにより構成されている。この磁気回転子は、フェライト基板上の中心電極膜が、端子電極上の端子電極膜と同一方向に向くように、端子基板と組み合わされ、両者が組み合わされた状態で、接続リボンなどにより、端子電極膜と中心電極膜とが接続されている。
しかし、このように接続リボンを用いて、端子電極膜と中心電極膜とを接続する構成によると、接続リボンの分だけ組立工数が多くなり、製造歩留まりが悪くなるとともに、接続リボンの分だけ部品点数が多くなり、コストアップを招く。
また、部品点数が多くなると、機械的強度の低下や、信頼性の低下を招く危険性が高くなる。例えば、接続リボンが破断し、又は、脱落すると、端子電極膜と中心電極との間の電気的接続が断たれてしまう。さらに、端子電極膜と、中心電極膜とを接続する接続リボンが長くなれば長くなるほど、損失が増え、挿入損失の増大を招く。
この種の非可逆回路素子としては、特に5GHz以上の高い周波数領域で使用することを前提としたものではないが、例えば、特許文献1に記載されたものを挙げることができる。特許文献1に記載された非可逆回路素子は、中心電極膜を挟んで下フェライト基板と、上フェライト基板とを向き合わせるとともに、それらを挟んで下導体板、上導体板を向き合わせ、上導体板の上面に上下のフェライト基板に定方向に磁界を加える磁石を配置した構造になっている。
この構造によれば、 シンプルな構成で組み立て性がよく、回路基板上に直接に置く表面実装が行えて、低背化、小型化が容易でありコスト面に有利性があるとされている。
しかし、特許文献1の構成では、部品点数が多くなること、組立工数が多くなること、フェライト基板のコストアップを招くことなどが予測でき、上述した問題点を充分に解決しているとは言えない。
特開2005−80087号公報
本発明の更にもう一つの課題は、非可逆回路特性、機械的強度、及び、耐リフロー性に優れた非可逆回路素子、及び、通信機器を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、部品点数、及び、組立工数が少なく、コストダウンに有効な構造を有する非可逆回路素子、及び、通信機器を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、周波数バリエーションの変更、及び、付加回路の増設が容易な非可逆回路素子、及び、通信機器を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る非可逆回路素子は、端子基板と、中心電極基板と、フェライト基板とを含む。端子基板は一面に複数の端子電極膜を有しており、中心電極基板は一面に中心電極膜を有している。ここで、中心電極基板は、端子基板に対して、中心電極膜が端子電極膜と向き合う関係で組み合わされており、且、中心電極膜の端部が、導電性接合剤により端子電極膜と接合されている。さらに、フェライト基板は、端子基板と、中心電極基板との相対向面間において、中心電極膜と向き合う関係で配置されている。
本発明に係る非可逆回路素子の特徴の1つは、フェライト基板と組み合わされることにより磁気回転子として用いられる中心電極膜が、中心電極基板の一面上に形成されている点にある。
この構成によると、中心電極基板と、端子基板とが、それぞれの電極膜形成面を向き合わせた関係で組み合わされ、且、この中心電極基板と、端子基板との相対向面間に、フェライト基板が、中心電極膜と向き合う関係で配置されている状態において、フェライト基板の板面外の領域で、中心電極膜の端部と、端子電極膜とを対面させ、両者を導電性接合剤により接合することができる。従って、中心電極と端子電極膜との間を電気的接続するために、例えば接続リボンを用いる必要がなくなるから、部品点数、及び、組立工数を低減し、コストダウンを図ることができる。
また、中心電極膜と、端子電極膜とが、互に向き合う関係で組み合わされるから、両者間の電気的接続に接続リボンを用いる必要がなくなる。従って、中心電極膜と端子電極膜との間で生ずべき損失を低減させ、非可逆回路特性を向上させることができる。さらに、接続リボンを用いる必要がなくなることにより、接続リボンの破断事故、及び、脱落事故が回避され、信頼性が向上する。
さらに、中心電極膜と組み合わされることにより磁気回転子を構成するフェライト基板は、端子基板と、中心電極基板との相対向面間において、中心電極膜と向き合う関係で配置されている。即ち、中心電極膜は、フェライト基板から独立した態様で中心電極基板上に形成されているから、フェライト基板を適宜交換することにより、磁気回転子の周波数バリエーションを容易に変更することができる。
本発明に係る非可逆回路素子において、中心電極基板は、一面に中心電極膜を有している。即ち、中心電極膜は、中心電極基板によって面支持されているから、機械的強度が向上し、非可逆回路特性が向上する。また、このような基板に対する電極膜形成には、周知の膜形成技術を用いることができるから、製造コストを低減することができるとともに、中心電極膜を、端子電極膜との電気的接続に適した形状に成形することが容易である。
本発明に係る非可逆回路素子は、一般的な非可逆回路素子と同様に、マグネットと、磁性板とを含むことができる。マグネットは、中心電極基板において、中心電極膜の形成面と相対向する面側に搭載されている。磁性板は、端子基板と、中心電極基板との相対向面間に配置されている。この構成によると、マグネットから中心電極基板に対して印加された直流磁場は、中心電極基板(及び、フェライト基板)を通過した後、直ぐに拡がるのではなく、磁性板に吸い込まれる。このため、磁気回転子を通過する直流磁場の直進性が確保され、非可逆回路特性が向上する。
本発明に係る非可逆回路素子において、端子基板、又は、中心電極基板の少なくとも一方は、フェライト基板を収納する凹状部を有することができる。例えば、中心電極基板が一面に凹状部を有しており、この凹状部にフェライト基板が収納される構成によれば、フェライト基板の板面外の領域で、中心電極膜の端部と、端子電極膜とを直接対面させ、向かい合う両電極膜の表面がほぼ一致する状態で、導電性接合剤により接合することが可能になる。従って、中心電極膜と端子電極膜との間に生ずべき接続路を最小化するとともに、接続の信頼性を向上させ、耐リフロー性を向上させることができる。
また、例えば、中心電極基板が一面に凹状部を有している構成によると、凹状部の開口端面に対して、組み合わされている端子基板の一面が底面となることにより、凹状部の内部に収納空間が形成される。従って、凹状部にフェライト基板を配置する工程が容易になるとともに、この凹状部におけるフェライト基板の配置姿勢を容易に安定化させ、もって非可逆回路特性が向上する。
本発明に係る通信機器は、例えば、基地局として用いられるものであって、送信部などの必要な箇所に上述した非可逆回路素子を用いる点に特徴がある。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
以上述べたように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(a)非可逆回路特性、機械的強度、及び、耐リフロー性に優れた非可逆回路素子、及び、通信機器を提供することができる。
(b)部品点数、及び、組立工数が少なく、コストダウンに有効な構造を有する非可逆回路素子、及び、通信機器を提供することができる。
(c)周波数バリエーションの変更、及び、付加回路の増設が容易な非可逆回路素子、及び、通信機器を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る非可逆回路素子の斜視図、図2は図1に示した非可逆回路素子の内部構造を模式的に示す断面図、図3は図1及び図2に示した非可逆回路素子の内部構造を分解して示す斜視図である。また、図4は図3に示した中心電極基板4の他面側の構造を示す斜視図、図5は図3に示した端子基板1の他面側の構造を示す斜視図である。
図1乃至図5に示す非可逆回路素子は、端子基板1と、磁性基板2と、フェライト基板3と、中心電極基板4と、マグネット5とを含む。
端子基板1は、一面に複数(実施例では3つ)の端子電極膜11〜13を有し、他面に接地電極膜14を有している。端子基板1は、この種の非可逆回路素子において用いられている樹脂材料であれば、特に問題なく使用することができる。また、その外形形状は任意であり、図示の四角形状のほか、他の多角形状、更には円形状であってもよい。
3つの端子電極膜11〜13は、それぞれ入出力用端子として用いられるものであって、端子基板1の側面を通り、接地電極膜14のある他面側に導かれ、この他面において、接地電極膜14からギャップG11、G12、G13によって隔てられた接続部110、120、130を構成している。
また、端子基板1は、端子電極膜11〜13を形成するための端子形成部15と、凹状部16とを含んでいる。端子形成部15は、端子基板1の一面を構成しており、凹状部16は、端子形成部15から落ち込む凹状になっている。さらに図1乃至図5の端子基板1は、少なくとも、凹状部16の底面内に導電膜17を有しており、導電膜17は端子基板1の他面(下面)に設けられた接地電極膜14に、スルーホール18などを介して、電気的に接続されている。これにより面実装が可能な端子構造が得られる。
磁性基板2は、Feを主成分とする金属材料、フェライト磁性材料、磁性粉と合成樹脂とを混合した複合磁性材料などによって構成することができる。要すれば、磁性を有するものであればよく、またその外形形状も任意でよい。
フェライト基板3は、この種の非可逆回路素子において汎用されているイットリウム/鉄/ガーネット(YIG)等の軟磁性材料が好適である。一般にYIGの誘電率は、15〜16の値をとる。フェライト基板3は、図示の円形形状のほか、角形形状など、他の外形形状をとることもできる。
図1乃至図5において、磁性基板2は、凹状部16の内部に落とし込まれており、フェライト基板3は、磁性基板2の一面上であって、凹状部16の内部に落とし込まれている。即ち、上述した凹状部16は、内部に収納される磁性基板2、及び、フェライト基板3の形状に追従して設定することができる。さらに換言すれば、凹状部16は、磁性基板2、及び、フェライト基板3を収納可能であれば、図3に示すような連続する内周面を有する閉鎖的な凹穴形状でなくともよい。例えば、端子基板1の一面において、端子形成部15を部分的に突出させることにより、相対的に落ち込む凹状部16を形成することもできる。この場合、凹状部16は、端子形成部15の部分以外に内周面を有しない開放的な凹穴形状となる。
中心電極基板4は、一面に中心電極膜41を有しており、端子基板1に対して、この中心電極膜41が、端子電極膜11〜13と向き合う関係で組み合わされており、且、中心電極膜41の端部(リード電極)411〜413が、はんだ等の導電性接合剤6により端子電極膜11〜13と接合されている。より具体的に説明すると、中心電極基板4は、基板部40と、中心電極膜41とを有する。
基板部40は、例えば誘電体フィルムなどであって、0.1〜1.0mmの範囲から選択可能であり、さらに0.3〜0.6mm程度が機械的強度の観点から好適である。また、基板部40は、非可逆回路特性を向上する上で、フェライト基板3より低誘電率であることが好ましい。具体的には、PPE(ポリフェニレンエーテル)、ガラスエポキシ、レジン、テフロン(登録商標)などを用いることにより、基体部40の誘電率を2〜4程度の値に抑えることができる。この構成によると、基板部40をスペーサとして兼用することができる。基板部40には、他に、誘電体樹脂基板、誘電体樹脂シート、及び、誘電体セラミック基板などを用いることもできる。
中心電極膜41、及び、中心電極膜41から端部に向かって延設されているリード電極膜411〜413は、基板部40の一面上に、印刷、スパッタ又は蒸着などのプロセスを実行することによって形成することができる。そのほか、基板部40の一面に銅箔などの金属箔を付着させた上で、これをフォトリソグラフィ工程によってパターン化することによって形成することもできる。
中心電極基板4は、端子基板1に対して、リード電極膜411〜413が、端子電極膜11〜13と向き合う関係で組み合わされており、且、リード電極膜411〜413が、導電性接合剤6により端子電極膜11〜13と接合されている。
上述した磁性基板2は、端子基板1と、中心電極基板4との相対向面間において、導電膜17、及び、端子電極膜11〜13と向き合う関係で凹状部16の内部に落とし込まれており、フェライト基板3は、この磁性基板2上であって、中心電極膜41と向き合う関係で凹状部16の内部に落とし込まれている。
マグネット5は、中心電極基板4において、中心電極膜41が形成されている一面とは反対側の面に搭載されている。実施例では、マグネット5は、中心電極基板4の基板部40を介して、中心電極膜41と向き合うように配置される。図示においてマグネット5は、一個だけである。このマグネット5の外形形状は任意である。なお、端子基板1、磁性基板2、フェライト基板3、中心電極基板4、及び、マグネット5は、導電性接合剤などを用いて、一体化されていることが好ましい。
図1乃至図5に示した非可逆回路素子の特徴の1つは、フェライト基板3と組み合わされることにより磁気回転子として用いられる中心電極膜41が、中心電極基板4の一面上に形成されている点にある。
この構成によると、中心電極基板4の中心電極膜41と、端子基板1の端子電極膜11〜13とが相互に向き合う関係で組み合わされている状態において、リード電極膜411〜413と、端子電極膜11〜13とを直接対面させるとともに、導電性接合剤6により接合することができる。即ち、中心電極膜41と端子電極膜11〜13との間を電気的接続するために、例えば接続リボンを用いる必要がなくなるから、部品点数、及び、組立工数を低減し、コストダウンを図ることができる。また、接続リボンを用いる必要がなくなるから、接続リボンの破断事故、及び、脱落事故が回避され、信頼性が向上する。
特に、図1乃至図5に示した中心電極基板4は、端子基板1の端子電極膜11〜13と相対向する面内に、磁性基板2、及び、フェライト基板3を収納する凹状部16を有している。凹状部16は、端子形成部15から落ち込む凹穴形状となっており、その開口端面に対して、組み合わされている端子基板1の一面が底面として機能することにより、内部に遮蔽された収納空間を有している。フェライト基板3は、この凹状部16の収納空間において、中心電極膜41と向き合う関係で収納されている。この構成によると、フェライト基板3と、中心電極膜41とを凹状部16の領域で直接対面させ、磁気回転子を構成することができるとともに、リード電極膜411〜413と、端子電極膜11〜13とを、フェライト基板3の板面外の領域(端子形成部15)で直接対面させ、向かい合う両電極膜の表面がほぼ一致する状態で、両者を導電性接合剤6により接合することができる。従って、リード電極膜411〜413と端子電極膜11〜13との間に生ずべき接続路を最小化するとともに、接続の信頼性を向上させ、耐リフロー性を向上させることができる。
さらに、凹状部16の形状や深さ寸法は、磁性基板2、及び、フェライト基板3の形状や厚み寸法に追従可能に設定することができるから、凹状部16に、磁性基板2、及び、フェライト基板3を配置する工程が容易になるとともに、この凹状部16における磁性基板2、及び、フェライト基板3の配置姿勢を容易に安定化させ、もって非可逆回路特性を向上させることができる。
しかも、出力容量や、周波数の変化によって、フェライト基板3の形状や厚み寸法が変わった場合も、主として、端子基板1、及び、凹状部16の設計変更により追従し、全体としての厚みを増大させることなく、周波数バリエーションに対応することができる。
上述したように、図1乃至図5の非可逆回路素子において、磁気回転子を構成する中心電極膜41が、フェライト基板3から独立した態様で、中心電極基板4の上に形成されている構成によると、フェライト基板3の厚み寸法などを適宜調節することにより、磁気回転子の周波数バリエーションを容易に変更することができる。また、フェライト基板3には特に備えるべき構造的要件はないから、フェライト基板3のコストアップを招くことはない。
さらに、中心電極膜41は、中心電極基板4によって面支持されているから、非可逆回路素子における中心電極膜41の配置姿勢を安定化させ、且、中心電極膜41そのものの機械的強度を向上させることができ、もって非可逆回路特性を向上させることができる。しかも、このような中心電極膜41の形成には、周知の膜形成技術を用いることができるから、製造コストを低減することができるとともに、例えば、中心電極膜41のリード電極膜411〜413を、端子電極膜11〜13との電気的接続に適した形状に成形することが容易である。
マグネット5は、中心電極基板4において、中心電極膜41の形成面とは反対側の面に搭載されている。磁性基板2は、端子基板1と、中心電極基板4との相対向面間において、端子電極膜11〜13の側に配置されている。この構成によると、マグネット5から中心電極基板4に対して印加された直流磁場は、中心電極基板4(及び、フェライト基板3)を通過した後、直ぐに拡がるのではなく、磁性基板2に吸い込まれる。このため、中心電極基板4を通過する直流磁場の直進性が確保され、非可逆回路特性が向上する。
更に、フェライト基板3とマグネット5との間には、好ましくはフェライト基板3より低誘電率となる中心電極基板4がスペーサとして配置されているから、中心電極膜41の作る電磁界が、マグネット5の配置されている側に漏洩する現象を抑制し、特性を向上させることができる。
端子基板1は、少なくとも、凹状部16の内面に導電膜17を有しており、導電膜17は、端子基板1の他面(下面)に設けられた接地電極膜14に電気的に接続されているから、磁性基板2が接地電位となる導電膜17に接触して接地電位となるので、特性上好ましい結果が得られる。
本発明に係る通信機器は、例えば、基地局として用いられるものであって、送信部などの必要な箇所に上述した非可逆回路素子を用いる点に特徴がある。次に、図1〜図5を参照して説明した非可逆回路素子を用いた通信機器の実施例について、図6を参照して説明する。図6は本発明に係る非可逆回路素子を用いた通信機器のブロック図である。
図6の通信機器は、例えば、移動通信システムにおける基地局に備えられるものであって、受信回路部7と、送信回路部8とを含み、両者は、送受信用アンテナ9に接続されている。受信回路部7は、受信用増幅回路72と、受信された信号を処理する受信回路71とを含んでいる。送信回路部8は、音声信号、映像信号などを生成する送信回路81と、電力増幅回路82とを含んでいる。上述した通信機器において、アンテナ9から受信回路部7、及び、送信回路部8に到る回路や、電力増幅回路82の出力段に、本発明に係る非可逆回路素子83、84が用いられる。非可逆回路素子83は、サーキュレータとして機能し、非可逆回路素子84は終端抵抗器R0を有するアイソレータとして機能する。
図6の通信機器によると、図1乃至図5を参照して説明した非可逆回路素子の利点を全て有する通信機器を提供することができる。
図7は本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を示す断面図である。また、図8は図7に示した非可逆回路素子に用いられている中心電極基板4を示す斜視図、図9は図7に示した非可逆回路素子に用いられている端子基板1を示す斜視図である。図7乃至図9において、図1〜図5に現れた構成部分に相当する部分については同一の参照符号を付してある。この実施例の特徴は、中心電極基板4が、基体部40の一面に凹状部46を有している点にある。
図7乃至図9に示す構造であっても、端子基板1と、中心電極基板4との相対向面間に、フェライト基板3が、中心電極膜41と向き合う関係で配置されている状態において、フェライト基板3の板面外の領域で、中心電極膜41の端部411〜413と、端子電極膜11〜13とを直接対面させ、両者を導電性接合剤6により接合することができるなど、先に述べた図1〜図5の実施例と実質的に同等の構造を有し、図1〜図5を参照して説明した作用効果を得ることができる。
図10は本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す断面図である。図10において、図1〜図9に現れた構成部分に相当する部分については同一の参照符号を付してある。この実施例の特徴は、端子基板1、及び、中心電極基板4のそれぞれが、他方の電極膜形成面と向き合う面内に、フェライト基板3を収納する凹状部16、46を有しており、向かい合う凹状部16、46の内部に、磁性基板2、及び、フェライト基板3を収納するための密閉された内部空間を有している点にある。このような構造であっても、先に述べた各実施例と同等の作用効果を得ることができる。
図11は本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す断面図、図12は図11に示した非可逆回路素子を分解して示す斜視図である。図11及び図12において、図1〜図10に現れた構成部分に相当する部分については同一の参照符号を付してある。
図11及び図12の非可逆回路素子は、図1乃至図5を参照して説明した非可逆回路素子の構成を更に発展させた実施形態であって、マグネット5が、基体部40の他面に設けられている凹状部47に、落とし込まれている点に特徴がある。
図11及び図12に示した構造によると、先に述べた各実施例と同等の作用効果を得ることができるうえ、マグネット5の配置姿勢が安定化し、もって非可逆回路特性を向上させることができる。しかも、中心電極基板4に対するマグネット5の搭載工程を迅速、且、確実に行うことができる。
図13は、本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す断面図である。図13において、図1〜図12に現れた構成部分に相当する部分については同一の参照符号を付してある。
図13の非可逆回路素子は、図7の実施形態に対して、図11及び図12の特徴的構成を組み合わせたものであって、マグネット5が、基体部40の他面に設けられた凹状部47に、落とし込まれている点に特徴がある。
図13に示した構造によると、先に述べた各実施例と同等の作用効果を得ることができるうえ、中心電極基板4に対するマグネット5の搭載工程が容易になるとともに、搭載後のマグネット5の配置姿勢が安定化し、もって非可逆回路特性が向上する。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明の一実施形態に係る非可逆回路素子の斜視図である。 図1に示した非可逆回路素子の内部構造を模式的に示す断面図である。 図1及び図2に示した非可逆回路素子の内部構造を分解して示す斜視図である。 図3に示した中心電極基板の他面側の構造を示す斜視図である。 図3に示した端子基板の他面側の構造を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子を用いた通信機器のブロック図である。 本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を示す断面図である。 図7に示した非可逆回路素子に用いられている中心電極基板を示す斜視図である。 図7に示した非可逆回路素子に用いられている端子基板を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す断面図である。 図11に示した非可逆回路素子を分解して示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 端子基板
11〜13 端子電極膜
16 凹状部
2 磁性基板
3 フェライト基板
4 中心電極基板
41 中心電極膜
46 凹状部
5 マグネット
6 導電性接合剤
7 受信回路部
8 送信回路部
83、84 非可逆回路素子
9 送受信用アンテナ

Claims (8)

  1. 端子基板と、中心電極基板と、フェライト基板とを含む非可逆回路素子であって、
    前記端子基板は、一面に複数の端子電極膜を有しており、
    前記中心電極基板は、一面に中心電極膜を有し、前記端子基板に対して、前記中心電極膜が、前記端子電極膜と向き合う関係で組み合わされ、且、前記中心電極膜の端部が、導電性接合剤により前記端子電極膜と接合されており、
    前記フェライト基板は、前記端子基板と、前記中心電極基板との相対向面間において、前記中心電極膜と向き合う関係で配置されている、
    非可逆回路素子。
  2. 請求項1に記載された非可逆回路素子であって、さらにマグネットと、磁性板とを含み、
    前記マグネットは、前記中心電極基板において、前記中心電極膜の形成面とは反対側の面に搭載されており、
    前記磁性板は、前記端子基板と、前記中心電極基板との相対向面間に配置されている、
    非可逆回路素子。
  3. 請求項1又は2に記載された非可逆回路素子であって、
    前記端子基板、又は、前記中心電極基板の少なくとも一方は、前記フェライト基板を収納する凹状部を有している、
    非可逆回路素子。
  4. 請求項3に記載された非可逆回路素子であって、
    前記中心電極基板は、一面に前記凹状部を有している、非可逆回路素子。
  5. 請求項3又は4に記載された非可逆回路素子であって、
    前記端子基板は、一面に前記凹状部を有している、非可逆回路素子。
  6. 請求項5に記載された非可逆回路素子であって、
    前記端子基板は、少なくとも前記凹状部内に導電膜を有しており、
    前記導電膜は、前記端子基板の他面に設けられた接地電極膜と電気的に接続されている、
    非可逆回路素子。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載された非可逆回路素子であって、
    前記中心電極基板は、前記フェライト基板より低誘電率である、
    非可逆回路素子。
  8. 送信回路部と、非可逆回路素子とを含む通信機器であって、
    前記非可逆回路素子は、請求項1乃至7の何れかに記載されたものであり、前記送信回路部に備えられている、
    通信機器。
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