JP2007049547A - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Yoshinori Matsumaru
宜紀 松丸
Hirofumi Tomita
裕文 富田
Shusuke Ohata
秀典 大波多
Yoshio Kawakami
義雄 川上
Yosuke Hitomi
洋介 人見
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Abstract

【課題】 入出力V.S.W.R.、挿入損失や動作周波数帯域幅などの電気的特性を向上させながら、非可逆回路素子の大型化を回避し得る非可逆回路素子を提供する。
【解決手段】 磁気回転子2は、軟磁性基体4と、複数の中心導体31〜33とを含み、ケース9の内部に設けられる。永久磁石は、ケース9の内部で磁気回転子2に重ねて配置され、磁気回転子2に直流磁界を印加する。ケース9は、磁性金属材料を含み、磁気回転子2及び永久磁石8のためのケース磁路M1を有する。ケース磁路M1には、直流電流に対して高インピーダンスとなり、高周波電流に対して低インピーダンスとなり、電気絶縁性の磁性体を容量層とする静電容量要素Eが挿入されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、アイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子に関する。
アイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子は、例えば携帯電話等のごとき移動体無線機器等に用いられている。この種の非可逆回路素子は、ケース内に、軟磁性基体と中心電極とで構成された磁気回転子、永久磁石、さらに他の磁気部品及び電気部品を収容して構成される。ケースは、磁性金属材料を含み、磁気回転子及び永久磁石のためのケース磁路を与える。
この種の非可逆回路素子は、その市場性から限りなく小型化が要求されており、現状の大きさは、一辺が4mm以下にまとめられるようになってきている。これに対処するため、非可逆回路素子を構成する磁気回転子や永久磁石の小型、薄型化が進展し、これらの部品が金属ケース内に高密度実装されるようになってきている。また、昨今のこの種の非可逆回路素子の動作周波数帯域は、GHz帯に達している。このような高密度実装された非可逆回路素子を高周波信号で動作させると金属ケースに高周波電流が発生するという問題がある。
すなわち、上述した非可逆回路素子において、磁気回転子及び永久磁石の周囲にはケースを構成する磁性金属材料が密着して配置されている。このため、磁気回転子を構成する中心導体に高周波信号が供給されると、中心導体のもつインダクタンス成分及びケースのもつインダクタンス成分によって、ケースに高周波電流が誘起される。この高周波電流は、ジュール損として消耗される。また、ケースを周回する高周波電流は、中心導体を流れる信号を打ち消すように働くため、磁気回転子の高周波磁界を弱め、入出力V.S.W.R.、挿入損失や動作周波数帯域幅などの電気的特性を悪化させる。
特許文献1は、金属ケースに、フェライトと中心電極の周りを流れる周回電流(高周波電流)を遮断するためのギャップを設ける技術を開示している。しかし、この開示技術では、電気的特性の向上に限界がある。
また、電気的特性の向上の際には、ケース磁路の連続性を損なわないようにしたい。磁路の連続性が損なわれると、磁気抵抗が増大するから、大きな直流磁界を印加しなければならない。このため、大型の永久磁石が必要となり、非可逆回路素子の大型化を招く。
特許3412588号公報
本発明の課題は、入出力V.S.W.R.、挿入損失や動作周波数帯域幅などの電気的特性を向上させながら、非可逆回路素子の大型化を回避し得る非可逆回路素子を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る非可逆回路素子は、磁気回転子と、永久磁石と、ケースとを含む。
前記磁気回転子は、軟磁性基体と、複数の中心導体とを含み、前記ケースの内部に設けられる。前記永久磁石は、前記ケースの内部で前記磁気回転子に重ねて配置され、前記磁気回転子に直流磁界を印加する。
前記ケースは、磁性金属材料を含み、前記磁気回転子及び前記永久磁石のためのケース磁路を有する。前記ケース磁路には、直流電流に対して高インピーダンスとなり、高周波電流に対して低インピーダンスとなり、電気絶縁性の磁性体を容量層とする静電容量要素が挿入されている。
上述した本発明に係る非可逆回路素子では、磁気回転子は、軟磁性基体と、複数の中心導体とを含み、ケースの内部に設けられる。永久磁石は、ケースの内部で磁気回転子に重ねて配置され、磁気回転子に直流磁界を印加する。ケースは、磁性金属材料を含み、磁気回転子及び永久磁石のためのケース磁路を有する。従って、非可逆回路素子の基本的構造が得られる。
一般的に、かかる構造の非可逆回路素子では、磁気回転子の中心導体に高周波信号が供給されると、中心導体のもつインダクタンス成分及びケースのもつインダクタンス成分により、ケース磁路に高周波電流が誘起される可能性がある。
本発明において、ケース磁路には、直流電流に対して高インピーダンスとなり、高周波電流に対して相対的に低インピーダンスとなる静電容量要素が挿入される。電気回路的にみれば、ケース磁路に対して、ケースのもつインダクタンス成分と直列に静電容量要素が挿入され、共振回路が構成されることになる。この共振回路によって、ケース磁路M1の高周波電流が抑制される。従って、入出力V.S.W.R.が改善され、挿入損失が低減し、動作周波数帯域幅が拡大する。
更に、上記の静電容量要素は、電気絶縁性の磁性体を容量層とした構成であるから、ケース磁路の連続性を損なうことなくケース磁路に挿入することができる。従って、静電容量要素の挿入による磁気抵抗の増大を回避することができる。よって、大きな直流磁界を印加する必要はなく、大型の永久磁石は不要であるから、非可逆回路素子の大型化を回避することができる。
一つの具体的な実施形態において、静電容量要素は、電気絶縁性の磁性体シートである。更に具体的には、静電容量要素は、電気絶縁樹脂と磁性粉との混合物から構成される電気絶縁性の磁性体シートであってもよいし、または、ガラスと磁性粉との混合物から構成される電気絶縁性の磁性体シートであってもよい。また、電気絶縁性の磁性体シートの両面に、導体膜が設けられていてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、入出力V.S.W.R.、挿入損失や動作周波数帯域幅などの電気的特性を向上させながら、非可逆回路素子の大型化を回避し得る非可逆回路素子を提供することができる。
図1は本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示す斜視図、図2は図1に図示した非可逆回路素子の分解斜視図、図3は、図1、図2に図示した非可逆回路素子における下側ケースの分解斜視図、図4は、図1〜図3に図示した非可逆回路素子の模式的断面図である。
まず、図2を参照すると、本発明に係る非可逆回路素子は、磁気回転子2と、永久磁石8と、ケース9とを含む。図示実施形態では、更に、複数の整合コンデンサC1〜C3、終端抵抗器R、コンデンサC9や押圧部材7などが備えられている。
ケース9は、上側ケース91と、下側ケース92とを含む。図2に加えて図3を参照すると、下側ケース92は、導電性を有する磁性金属材料と、電気絶縁性樹脂材料とを含み、上部が開口した四角形の箱形に形成される。下側ケース92は、略四角形状の磁性金属板の相対向する2辺をプレス等により折り曲げて、底板920から立ち上がった接続部921、922を有する断面コ字状に形成し、これを電気絶縁性樹脂材料とともに樹脂モールド成形技術等を用いて一体成形することにより構成する。また、下側ケース92は、あらかじめ枠状に成形した電気絶縁性樹脂材料部分と磁性金属材料部分とを組み合わせて一体化することによっても構成できる。
下側ケース92の底板920及び接続部921、922は、磁性金属材料から構成される。底板920はグランドGとされ、接続部921、922は、上側ケース91への接続部として機能する。
下側ケース92の橋絡片925、926、入出力電極配置用の高段部95及び終端抵抗器配置用の高段部98は、電気絶縁性樹脂材料から構成される。橋絡片925、926は、電気絶縁性樹脂材料部分の相対向する2辺を連結する。一方の橋絡片925には、コンデンサ配置用の凹部927が形成されている。凹部927には、コンデンサC9が配置される。
入出力電極配置用の高段部95は、磁気回転子2を構成する軟磁性基体4の厚みと略同一の高さに設定され、その上面に入出力電極96が配置される。入出力電極96は、下側ケース92の外面側の電気絶縁性樹脂材料部分に引き出されて入出力外部端子97となる。終端抵抗器配置用の高段部98は、終端抵抗器Rが配置されたとき、終端抵抗器Rの上面が軟磁性基体4の厚みと略同一の高さとなるように設定され、その上面にグランドGが引き出されている。
整合コンデンサC1〜C3はそれぞれ直方体状に形成され、軟磁性基体4の厚さ寸法と略同じ厚さ寸法を有し、厚さ方向の両端面にそれぞれ外部電極C11〜C32を有する。整合コンデンサC1〜C3は、それぞれその厚さ方向が軟磁性基体4の厚さ方向に沿うように下側ケース92の側壁に沿って配置され、それぞれ一方の外部電極C11〜C31がグランドGにはんだ付けSによって接続されている。
終端抵抗器Rは、抵抗体の両側に外部電極R1、R2が形成された汎用のチップ抵抗器で構成できる。終端抵抗器Rは、終端抵抗器配置用の高段部98に配置され、一方の電極R1が高段部98の上面に引き出されたグランドGにはんだ付けSによって接続されている。
次に、図2及び図4を参照すると、磁気回転子2は、中心電極3と、軟磁性基体4と、粘着性の絶縁シート6とを含み、下側ケース92に収容される。軟磁性基体4は、イットリウム/鉄/ガーネット(YIG)等の軟磁性材料が好適である。軟磁性基体4は、1辺が2mm程度の四角形状で、厚さ0.1〜0.5mm程度の平板状に形成される。
中心電極3は、グランド部30と、第1〜第3の中心導体31〜33とを含み、例えば、厚さ30μm程度の銅板を打ち抜いた導体板で構成される。
グランド部30は、軟磁性基体4の板面と同様の1辺が2mm程度の略四角形状であって、軟磁性基体4の下面と対向して配置される。
第1〜第3の中心導体31〜33は、軟磁性基体4の面上で互いに所定の角度、たとえば120度の角度で交差するように、グランド部30の縁辺から引き出されている。引き出された中心導体31〜33は、軟磁性基体4の上面上に絶縁シート6を介して順次折り曲げられ、互いに絶縁されて所定の角度で交差する。最上部の第3の中心導体33上にも、絶縁シート6が重ねられる。第1〜第3の中心導体31〜33の先端は、軟磁性基体4の上面の側端から突出して形成され、整合コンデンサC1〜C3、終端抵抗器R及び入出力電極96等に対する接続用端子部311〜331となる。
磁気回転子2は、下側ケース92の中央部に配置され、グランド部30がグランドGにはんだ付けSによって接続されている。第1、第2の中心導体31、32の接続用端子部311、321は、整合コンデンサC1、C2の他方の外部電極C12、C22にはんだ付けSによって接続されるとともに、入出力電極96にはんだ付けSによって接続される。第3の中心導体33の接続用端子部331は、整合コンデンサC3の他方の外部電極C32にはんだ付けSによって接続されるとともに、終端抵抗器Rの他方の外部電極R2にはんだ付けSによって接続される。
押圧部材7はエンジニアリングプラスチック等の絶縁材料からなり、空洞部70と、枠部71と、押圧片72とを有する。空洞部70は枠部71で囲まれて形成され、永久磁石8が配置される。押圧片72は、枠部71から突き出て形成され、永久磁石8を受けるとともに、下側ケース92内に収容され、第1〜第3の中心導体31〜33の端子部311〜331を介して、整合コンデンサC1〜C3及び終端抵抗器Rを押圧し、位置決めする。
永久磁石8は、空洞部70に収容できる平板状に形成され、磁気回転子2に重ねて配置されて磁気回転子2に直流磁界を印加する。
上側ケース91は、略四角形の磁性金属板の相対向する2辺がプレス等により折り曲げ成形されて、天板910から立ち下がった接続部911、912を有する断面コ字状に構成される。上側ケース91の天板910及び接続部911、912は、磁性金属材料から構成される。
上側ケース91は、永久磁石8に重なり、かつ、下側ケース92の開口を閉塞するように下側ケース92と組み合わされる。更に、コンデンサC9が、上側ケース91の接続部911の先端と、下側ケース92の底板920との間にはんだ付けSで接続される。
上側ケース91の接続部911と、下側ケース92の接続部921との間には、僅かな隙間901が在る。同様に、上側ケース91の接続部912と、下側ケース92の接続部922との間にも、僅かな隙間902が在る。隙間901について詳細な構造を示すため、図示では、隙間901が隙間902よりも広く表示されているが、実際には、同じ程度の隙間であり得る。
上側ケース91及び下側ケース92は、永久磁石8と磁気的に結合し、永久磁石8及び磁気回転子2のためのケース磁路M1、M2を構成する。ケース磁路M1は、磁気回転子2から下側ケース92の底板920、下側ケース92の接続部921、上側ケース91の接続部911及び上側ケース91の天板910を順次に経由し、永久磁石8に向かう磁路である。同様に、もう一つのケース磁路M2も、磁気回転子2から下側ケース92の底板920、下側ケース92の接続部922、上側ケース91の接続部912及び上側ケースの天板910を順次に経由し、永久磁石8に向かう磁路である。
ケース磁路M1には、静電容量要素Eが挿入されている。静電容量要素Eは、電気絶縁性の磁性体を容量層として構成される。具体的には、静電容量要素Eは、上側ケース91の接続部911を一方の電極とし、下側ケース92の接続部921を他方の電極とし、これら2つの電極に挟まれる電気絶縁性の磁性体シート903を容量層として構成される。
静電容量要素Eは、直流電流に対しては、2つの電極が電気絶縁性の磁性体シート903で互いに絶縁され、高インピーダンスとなる。静電容量要素Eは、高周波電流に対しては、相対的に低インピーダンスとなる。
電気絶縁性の磁性体シート903は、電気絶縁樹脂と、磁性粉との混合物から構成することができる。電気絶縁樹脂としては、例えば、テフロン(登録商標)や、ポリイミドなどが挙げられる。テフロン(登録商標)及びポリイミドは、誘電正接が小さい点でも好ましい。磁性粉としては、例えば、イットリウム/鉄/ガーネット(YIG)などのフェライト粉が挙げられる。YIGの含有量は、樹脂シート全体の重量の30%〜90%を占めるように設定される。これは、YIGの含有量が30%未満であると、磁気抵抗低減効果が十分得られないからであり、逆にYIGの含有量が90%を超えると、シートの破損が懸念されるからである。
別の構成として、電気絶縁性の磁性体シート903は、ガラスと、磁性粉との混合物から構成することもできる。ガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラスなどが挙げられる。磁性粉については先に述べた通りであり、例えば、イットリウム/鉄/ガーネット(YIG)などのフェライト粉が挙げられる。YIGの含有量は、ガラス全体の重量の30%〜90%を占めるように設定される。これは、YIGの含有量が30%未満であると、磁気抵抗低減効果が十分得られないからであり、逆にYIGの含有量が90%を超えると、シートの破損が懸念されるからである。
電気絶縁性の磁性体シート903は、上側ケース91の接続部911または下側ケース92の接続部921の少なくとも一方に、好ましくは、上側ケース91の接続部911及び下側ケース92の接続部921の双方に接着される。接着手段として、電気絶縁性の磁性体シート903は、その片面もしくは両面に、粘着層もしくは接着層を備えていることが好ましい。
別の接着手段として、電気絶縁性の磁性体シート903を、熱処理によって溶融させ、上側ケース91の接続部911または下側ケース92の接続部921の少なくとも一方に、好ましくは、上側ケース91の接続部911及び下側ケース92の接続部921の双方に接着することもできる。熱処理による溶融性を備えたシート材料としては、例えば、熱可塑性エポキシ樹脂などが挙げられる。
図示実施形態では、2つのケース磁路M1、M2のうち、ケース磁路M1のみに静電容量要素Eを挿入した構成となっているが、本発明はこのような構成に限定されることはなく、ケース磁路M1、M2の双方に静電容量要素を挿入した構成でもよい。
図5は、図1〜図4に図示した非可逆回路素子の等価回路図である。図において、L1、L2、L3は、それぞれ、第1〜第3の中心導体31〜33のインダクタンス成分を示している。L0は、ケース9のインダクタンス成分を示している。C0は、ケース9のキャパシタンス成分を示しており、ケース磁路M1に挿入された静電容量要素Eの容量値と、コンデンサC9の容量値との和で与えられる。
図2、図4を参照して説明したように、本発明に係る非可逆回路素子では、磁気回転子2は、軟磁性基体4と、第1〜第3の中心導体31〜33とを含み、ケース9の内部に設けられる。永久磁石8は、ケース9の内部で磁気回転子2に重ねて配置され、磁気回転子2に直流磁界を印加する。ケース9は、磁性金属材料を含み、磁気回転子2及び永久磁石8のためのケース磁路M1、M2を構成する。従って、非可逆回路素子の基本的構造が得られる。
一般的に、かかる構造の非可逆回路素子では、磁気回転子2の中心導体31〜33に高周波信号が供給されると、中心導体31〜33のインダクタンス成分L1〜L3及びケースのインダクタンス成分L0(図5参照)により、ケース磁路M1、M2に高周波電流が誘起される可能性がある。
本発明では、ケース磁路M1に、直流電流に対して高インピーダンスとなり、高周波電流に対して相対的に低インピーダンスとなる静電容量要素Eが挿入される。電気回路的にみれば、ケース磁路M1に対して、ケース9のインダクタンス成分L0と直列に静電容量要素Eが挿入されることになる。従って、図5に示すように、インダクタンス成分L0とキャパシタンス成分C0との共振回路が構成されることになり、この共振回路によって、ケース磁路M1の高周波電流が抑制される。従って、入出力V.S.W.R.、挿入損失や動作周波数帯域幅などの電気的特性が改善される。
更に、上記の静電容量要素Eは、電気絶縁性の磁性体シート903を容量層とした構成であるから、ケース磁路M1の連続性を損なうことなくケース磁路M1に挿入することができる。従って、静電容量要素Eの挿入による磁気抵抗の増大を回避することができる。よって、大きな直流磁界を印加する必要はなく、大型の永久磁石は不要であるから、非可逆回路素子の大型化を回避することができる。
静電容量要素Eの容量値は、電気絶縁性の磁性体シート903の厚みなどを適宜、選択することにより調整することができ、非可逆回路素子の形状、大きさ及び動作周波数帯域や要求特性に合わせて決定される。
図6は本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を示す模式的断面図、図7は図6に図示した非可逆回路素子の等価回路図である。図示において、図1〜図5に図示された構成部分と同一性ある構成部分には同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。
図示の非可逆回路素子は、アイソレータを構成した例を示している。具体的に説明すると、磁気回転子2が誘電体シート20を介して、下側ケース92のグランドGに配置されている。従って、その電気的等価回路は図7に図示したように表せる。図において、C20は、誘電体シート20による静電容量要素成分を示している。
本実施形態の非可逆回路素子は、磁気回転子2とグランドGとの間に誘電体シート20による静電容量要素成分を有しているので、動作周波数及び印加磁界を同時に下げることができる。動作周波数が下がればより小型の磁気回転子2を使用することが可能となり、印加磁界が下がればより小型の永久磁石8を使用することが可能となるので、非可逆回路素子が小型化できる。
図8は本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す部分拡大断面図である。図示において、図1〜図5に図示された構成部分または図6、図7に図示された構成部分と同一性ある構成部分には同一の参照符号を付し、重複説明を省略する。図8には、上側ケース91の接続部911と、下側ケース92の接続部921との間の隙間901が現れている。
図1〜図5に示した実施形態または図6、図7に示した実施形態との対比において、本実施形態では、導体膜904、905が、電気絶縁性の磁性体シート903の両面に設けられている。
詳しく説明すると、導体膜904は、電気絶縁性磁性体シート903の一面に付着されるとともに、導電性接着剤906を介して上側ケース91の接続部911に接着されている。同様に、導体膜905は、電気絶縁性磁性体シート903の他面に付着されるとともに、導電性接着剤907を介して下側ケース92の接続部921に接着されている。導体膜904、905は、例えば銅などの導電性金属材料で構成される。導電性接着剤906、907は、例えばはんだ等で構成される。
次に、本実施形態による追加的な作用効果について説明する。
図1〜図5に示した実施形態及び図6、図7に示した実施形態では、静電容量要素Eは、上側ケース91の接続部911及び下側ケース92の接続部921を2つの電極として構成されており(図4または図6を参照)、静電容量要素Eの容量値は、接続部911、921の対向面積によって与えられる。
一方、本実施形態では、導体膜904、905が、電気絶縁性の磁性体シート903の両面に設けられている。かかる構成によれば、導体膜904、905を、静電容量要素Eの電極として機能させることができ、静電容量要素Eの容量値は、導体膜904、905の対向面積によって与えられることになる。従って、上側ケース91の接続部911及び下側ケース92の接続部921の対向面積に制約されずに静電容量要素Eの容量値を確保することができる。例えば、接続部911、921の対向面積が小さい場合でも、導体膜904、905の対向面積を大きく設定することにより、静電容量要素Eの容量値を確保することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示す斜視図である。 図1に図示した非可逆回路素子の分解斜視図である。 図1、図2に図示した非可逆回路素子における下側ケースの分解斜視図である。 図1〜図3に図示した非可逆回路素子の模式的断面図である。 図1〜図4に図示した非可逆回路素子の等価回路図である。 本発明に係る非可逆回路素子の別の実施形態を示す模式的断面図である。 図6に図示した非可逆回路素子の等価回路図である。 本発明に係る非可逆回路素子の更に別の実施形態を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
2 磁気回転子
31〜33 中心導体
4 軟磁性基体
8 永久磁石
9 ケース

Claims (5)

  1. 磁気回転子と、永久磁石と、ケースとを含む非可逆回路素子であって、
    前記磁気回転子は、軟磁性基体と、複数の中心導体とを含み、前記ケースの内部に設けられ、
    前記永久磁石は、前記ケースの内部で前記磁気回転子に重ねて配置され、前記磁気回転子に直流磁界を印加し、
    前記ケースは、磁性金属材料を含み、前記磁気回転子及び前記永久磁石のためのケース磁路を有し、
    前記ケース磁路には、直流電流に対して高インピーダンスとなり、高周波電流に対して低インピーダンスとなり、電気絶縁性の磁性体を容量層とする静電容量要素が挿入されている、
    非可逆回路素子。
  2. 請求項1に記載された非可逆回路素子であって、
    前記静電容量要素は、電気絶縁性の磁性体シートである、
    非可逆回路素子。
  3. 請求項1に記載された非可逆回路素子であって、
    前記静電容量要素は、電気絶縁樹脂と磁性粉との混合物から構成される電気絶縁性の磁性体シートである、
    非可逆回路素子。
  4. 請求項1に記載された非可逆回路素子であって、
    前記静電容量要素は、ガラスと磁性粉との混合物から構成される電気絶縁性の磁性体シートである、
    非可逆回路素子。
  5. 請求項2乃至4の何れかに記載された非可逆回路素子であって、
    前記電気絶縁性の磁性体シートの両面に、導体膜が設けられている、
    非可逆回路素子。


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