JP2007258532A - 基板及びこの基板を用いた生産方式 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる基板及びこの基板を用いた生産方式を提供する。
【解決手段】基板ユニット20は、搬送治具10にAL基板1とCNT基板2を装着したものであり、AL基板1とCNT基板2は一組の異種基板として生産ライン上を搬送され、クリームはんだ印刷工程40→部品搭載工程41→はんだ付け工程42により表面実装部品と挿入部品の両者が組付けられる。部品組付けが完了した基板ユニット20は、搬送治具10からAL基板1及びCNT基板2が取り外され、AL基板1及びCNT基板2がそれぞれ単体の状態で搬送される。そして、検査工程122で所望の条件を満たすか否か検査され、検査に合格したものについては組立工程123でAL基板1とCNT基板2とが互いに組み合わされ、スイッチング電源装置としての最終組立が行われる。
【選択図】図5

Description

本発明は、同一の生産ラインに流して同時生産(部品組付け)を可能とする基板と、この基板を用いた生産方式に関する。
一般に、電子機器の生産ラインには、主に、基板(ベア基板)の例えばランドなどの所定箇所にクリームはんだを印刷塗布するクリームはんだ印刷機と、基板上に部品を搭載するマウンタと、クリームはんだを溶融して基板に設けられた配線パターンに部品を半田付け接続するリフロー炉とが順に配置され、基板が当該生産ラインを流れることにより一連の部品組付け工程が完了した実装基板が完成する(例えば特許文献1)。当該実装基板は例えば電子機器の制御基板などに使用されるが、一つの電子機器に複数種類の実装基板が使用されることが少なくなく、この場合は一乃至複数の生産ラインにより生産された異なる種類の実装基板を組み合わせて電子機器が構成される。
ここで、複数種類の実装基板から構成される電子機器の生産工程について図7を参照しながら説明する。同図に示された生産工程は、電子機器たるスイッチング電源装置を構成するAL基板100とCNT基板101の2種類の基板に関するものである。AL基板100は例えばアルミなどの金属をベース材とした金属基板(メタルベース基板)であり、例えばダイオードやコンデンサなどからなるスイッチング電源装置の出力系回路が搭載される。一方、CNT基板101は、例えばガラスエポキシ等の樹脂基板であり、例えば制御ICやトランジスタなどからなるスイッチング電源装置の制御系回路が搭載される。
AL基板100は、表面実装部品と挿入部品(挿入実装部品)の混載基板であり、クリームはんだ印刷工程110→部品搭載工程111,112→はんだ付け工程113,114により表面実装部品と挿入部品の両者が組付けられる。クリームはんだ印刷工程110では、AL基板100のランド位置に合わせて複数の開口部が形成されたメタルマスクを用いて、クリームはんだ印刷機によりクリームはんだがAL基板100のランド上に塗布される。次に、部品搭載工程111では高速マウンタにより表面実装部品がAL基板100に搭載され、部品搭載工程112では異形マウンタにより挿入部品がAL基板100に搭載される。続く、はんだ付け工程113ではAL基板100をリフロー炉に通すことにより前記ランドに塗布されたクリームはんだが溶融し、表面実装部品がはんだ付けされ、はんだ付け工程114ではAL基板100をはんだ槽に通すことにより挿入部品がはんだ付けされる。そして、ストック工程115で部品組付けが完了したAL基板100が所定のロット数に到達するまで蓄積され、待機状態となる。
CNT基板101は、表面実装用基板であり、クリームはんだ印刷工程116→部品搭載工程117→はんだ付け工程119により表面実装部品が組付けられる。部品搭載工程118及びはんだ付け工程120は、CNT基板101に挿入部品も搭載される場合など必要に応じて追加実施される。クリームはんだ印刷工程116では、CNT基板101のランド位置に合わせて複数の開口部が形成されたメタルマスクを用いて、クリームはんだ印刷機によりクリームはんだがCNT基板101のランド上に塗布される。次に、部品搭載工程117では高速マウンタにより表面実装部品がCNT基板101に搭載される。なお、部品搭載工程118では異形マウンタにより挿入部品がCNT基板101に搭載されることとなる。続く、はんだ付け工程119ではCNT基板101をリフロー炉に通すことにより前記ランドに塗布されたクリームはんだが溶融し、表面実装部品がはんだ付けされる。なお、はんだ付け工程120ではCNT基板101をはんだ槽に通すことにより挿入部品がはんだ付けされる。そして、ストック工程121で部品組付けが完了したCNT基板101が所定のロット数に到達するまで蓄積され、待機状態となる。
ストック工程115,121でストックされ、所定のロット数に到達した各AL基板100と各CNT基板101は、検査工程122で所望の条件を満たすか否か検査され、検査に合格したものについては組立工程123でAL基板100とCNT基板101とが互いに組み合わされ、スイッチング電源装置としての最終組立が行われる。
特開平6−252546号公報
しかし、上記従来の生産ラインでは、一つのスイッチング電源装置を構成するAL基板100とCNT基板101の生産スピードが異なるため、ある程度のロット数をストックした後にまとめて最終組立を行っていた。すなわち、最終組立を行うに際して、電子機器を構成する全ての実装基板の部品組付け工程が終了するまでの待ち時間が発生し、電子機器全体としての生産効率が良くないという問題があった。とりわけ、複数種類の実装基板を一つの生産ラインで生産する場合には1種類毎(図7ではAL基板100とCNT基板101の各種類毎)に例えばメタルマスクや実装部品の交換,リフロー温度の変更などといった段取りを余儀なくされるため、さらに生産効率が悪化してしまう。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる基板及びこの基板を用いた生産方式を提供することを目的とする。
本発明における請求項1の基板は、搬送手段により搬送され、部品が組付けられる基板であって、異なる種類の基板を固定し一組の異種基板としてまとめて搬送するために前記搬送手段に設けられた係止部に対応する係止受部を設けている。
このようにすると、基板に設けられた係止受部に搬送手段が有する係止部を係止させて、異なる種類の基板を同じ搬送手段により一組の異種基板としてまとめて搬送することができる。
本発明における請求項2の基板は、搬送手段により搬送され、部品が組付けられる基板であって、前記部品が組付けられる被組付領域以外の基板領域に、異なる種類の他の基板を固定し一組の異種基板としてまとめて搬送するために当該他の基板を取り付け可能な基板取付部を設けている。
このようにすると、基板に設けられた基板取付部に異なる種類の他の基板を取り付けて、異なる種類の基板を同じ搬送手段により一組の異種基板としてまとめて搬送することができる。
本発明における請求項3の生産方式では、異なる種類の請求項1記載の基板を前記係止部により固定し一組の異種基板としてまとめて搬送する搬送手段と、当該一組の異種基板に対する部品組付けを同一工程内で行う部品組付け手段とを備えている。
このようにすると、電子機器を構成する一組の異種基板に対して、同一工程内で部品組付けを行うことができるため、生産する実装基板の種類毎に発生していた段取りを省略することができる。また、電子機器を構成する全ての実装基板の部品組付け工程が同時に終了するため、最終組立を行うに際して待ち時間が発生することもない。
本発明における請求項4の生産方式では、前記基板取付部に前記他の基板が取り付けられた状態の請求項2記載の基板を一組の異種基板としてまとめて搬送する搬送手段と、当該一組の異種基板に対する部品組付けを同一工程内で行う部品組付け手段とを備えている。
このようにすると、治具等を使用しなくても電子機器を構成する一組の異種基板を一枚の基板として取り扱うことができるため、同一工程内での部品組付けが容易となり、生産する実装基板の種類毎に発生していた段取りを省略することができる。また、電子機器を構成する全ての実装基板の部品組付け工程が同時に終了するため、最終組立を行うに際して待ち時間が発生することもない。
本発明の請求項1によると、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる基板を提供することができる。
本発明の請求項2によると、一の基板に他の基板を取り付け可能となり、異種基板を一つの基板にまとめた状態で同一の生産ラインを搬送して複数種類の実装基板について同時生産が可能となる基板を提供することができる。
本発明の請求項3によると、請求項1記載の基板を用いて、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる生産方式を提供することができる。
本発明の請求項4によると、請求項2記載の基板を用いて、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる生産方式を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明における基板及びこの基板を用いた生産方式の好ましい各実施例を説明する。なお、従来例と同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
本発明における生産方式では、例えば金属基板や樹脂基板などのように異なる種類の基板に対して同一の生産ラインにおける同時生産を可能とするために、基板の搬送態様に特徴を有し、これに対応して搬送される基板についても当該搬送に適した基板形状としている。
図1は、本第1実施例における生産ライン上を搬送される基板ユニット20を示したものである。基板ユニット20は、搬送手段としての搬送治具10にAL基板1とCNT基板2を装着したものであり、AL基板1とCNT基板2を一組の異種基板として生産ライン上を搬送する。ここでいう一組の異種基板とは、一つの電子機器を構成する一まとまりの基板群を意味し、当該基板群に属する各基板は例えば基板の材質・形状,実装部品などがそれぞれ異なる。AL基板1とCNT基板2は、従来例で説明したAL基板100とCNT基板101と略同様の構成であるが、AL基板1には係止受部3が、CNT基板2には係止受部4がそれぞれ形成されている点で相違している。係止受部3は、AL基板1の端縁部に形成された切欠きであり、後述する係止部13が嵌合するように係止部13の形状に対応した形状となっている。同様に、係止受部4は、CNT基板2の端縁部に形成された切欠きであり、後述する係止部14が嵌合するように係止部14の形状に対応した形状となっている。
搬送治具10の構成について図1及び図2を参照しながら詳述する。搬送治具10は、略矩形の金属枠であり、右側中央にはAL基板1の形状に合わせてAL基板取付部11が開口形成され、左側中央にはCNT基板2の形状に合わせてCNT基板取付部12が開口形成されている。すなわち、AL基板取付部11とCNT基板取付部12は、それぞれAL基板1とCNT基板2に対して略投影形状に開口している。このAL基板取付部11とCNT基板取付部12とにAL基板1とCNT基板2とがそれぞれ嵌め込まれることとなるが、搬送途中で容易に抜け落ちないように、AL基板取付部11の周縁部には、その上面が搬送治具10の上面(同図において図示された面)から一段落ち込むように段違いとなる複数の基板支持片15が当該開口部内側に向けて突設されると共に、先端が内側へやや膨出した棒状の係止部14,14が設けられ、同様に、CNT基板取付部12の周縁部には、その上面が搬送治具10の上面から一段落ち込むように段違いとなる複数の基板支持片16が当該開口部内側に向けて突設されると共に、先端が内側へやや膨出した棒状の係止部13,13が設けられている。
基板支持片15,16は、AL基板取付部11に嵌め込まれたAL基板1、又はCNT基板取付部12に嵌め込まれた状態のCNT基板2の下面に当接して下方への抜け落ちを防止するものであり、AL基板1及びCNT基板2が安定して支持されるようにこれら基板の形状,重心等を考慮して適当な位置に複数配置されている。
係止部13,14は、ばね弾性を有し、その先端にはAL基板1及びCNT基板2に設けられた係止受部3,4と係止可能なように膨出部が形成されている。AL基板1又はCNT基板2をAL基板取付部11又はCNT基板取付部12に取り付けた際には、係止部13,14が係止受部3,4と嵌合,係止し、これらの基板を係止部13,14が設けられた一の周縁部と対向する他の周縁部に位置する基板支持片15の段部へ弾性的に付勢して(押し付けて)、AL基板1又はCNT基板2に対して側面方向への位置ずれを防止する。当該位置ずれの防止策としては、例えば粘着テープや接着剤などで仮止めすることも考えられる。
なお、搬送治具10の材質としては、本第1実施例のような金属の他、例えば耐熱性樹脂などでもよく、各生産工程時においてAL基板1,CNT基板2を支持し、はんだ付け時の高温に耐えることができる材質であればどのようなものでもよい。
次に、搬送治具10を利用した場合の生産工程について図5を参照しながら説明する。同図に示された生産工程は、電子機器たるスイッチング電源装置を構成するAL基板1とCNT基板2の2種類の基板に関するものであり、一組の異種基板としてのAL基板1とCNT基板2は搬送治具10にそれぞれ取り付けられ、基板ユニット20として例えば搬送レールやコンベアなどの同じ搬送手段によりまとめて生産ライン上を搬送される。基板ユニット20を構成する基板には、表面実装部品と挿入部品の両者が組み付けられるため、表面実装及び挿入実装の両方の工程が同一生産ライン内で実行される。具体的には、AL基板1とCNT基板2は、クリームはんだ印刷工程40→部品搭載工程41→はんだ付け工程42により表面実装部品と挿入部品の両者が組付けられる。すなわち、AL基板1とCNT基板2とは異なる種類の基板であるが、同一の生産ラインにおいて同時生産されることとなる。
クリームはんだ印刷工程40では、搬送治具10に取り付けられた状態におけるAL基板1及びCNT基板2のランド位置に合わせて複数の開口部が形成されたメタルマスクを用いて、クリームはんだ印刷機によりクリームはんだがAL基板1及びCNT基板2のランド上に塗布される。ところで、AL基板1とCNT基板2とでは、これら基板上に形成された回路パターン(ランドを含む)を流れる電流の大きさが異なることから、当該回路パターンの厚みが大きく異なり、本第1実施例の場合はAL基板1の回路パターンの方が厚くなる。すなわち、AL基板1とCNT基板2とを並べてクリームはんだ印刷を行った場合には、メタルマスクから各基板1,2のランドに至る距離は、AL基板1に比べてCNT基板2の方が短くなるため、例えば、クリームはんだの塗布量をAL基板1に合わせた設定では、ランド上に塗布されたクリームはんだの量(高さ)がCNT基板2では多くなりすぎてしまう。
そこで、各基板1,2のランドに塗布されるクリームはんだの量が略均等になるよう調整することを目的として、図6に示すように、メタルマスク50を各基板1,2に対して傾斜させた状態でクリームはんだ印刷を行う。具体的には、ランド53が比較的厚いAL基板1側が高く、ランド54a,54b,54cが比較的薄いCNT基板2側が低くなるように、メタルマスク50底面の片側だけに脚部材51を設け、この脚部材51を搬送治具10に当接させることによりメタルマスク50を傾斜させる。これにより、メタルマスク50から各基板1,2のランド53,54a,54b,54cに至る距離が略均等になり、各基板1,2のランド53,54a,54b,54cに塗布されるクリームはんだの量を適切な量に調整することができる。しかしながら、メタルマスク50の傾斜角が大きいと、CNT基板2のようなある程度の幅を有する基板では、両側に離れたランド程、クリームはんだ量に多少の不均等が生じる。そこで、メタルマスク50の高さが低くなる方にある開口部52aの開口量を小さくし、メタルマスク50の高さが高くなるに従って開口部52b,52cの開口量を徐々に大きくすれば、同一基板上のランドに塗布されるクリームはんだの量に関しても適切な量に調整することができる。すなわち、メタルマスク50とAL基板1のランド54a,54b,54cとの距離に応じてメタルマスク50の開口部52a,52b,52cの開口量を変化させればよい。
次に、部品搭載工程41では、高速マウンタにより表面実装部品がAL基板1及びCNT基板2に搭載され、異形マウンタにより挿入部品がAL基板1(必要に応じてCNT基板2)に搭載される。続く、はんだ付け工程42では、基板ユニット20をリフロー炉に通すことにより前記ランドに塗布されたクリームはんだが溶融し、表面実装部品がはんだ付けされ、一方で基板ユニット20をはんだ槽に通すことにより挿入部品がはんだ付けされる。はんだ付け工程42で使用するリフロー炉は、AL基板1とCNT基板2の両者に適した温度に設定されている。部品組付けが完了した基板ユニット20は、搬送治具10からAL基板1及びCNT基板2が取り外され、AL基板1及びCNT基板2がそれぞれ単体の状態で搬送される。そして、検査工程122で所望の条件を満たすか否か検査され、検査に合格したものについては組立工程123でAL基板1とCNT基板2とが互いに組み合わされ、スイッチング電源装置としての最終組立が行われる。
当該生産方式からなる生産ラインでは、一つのスイッチング電源装置を構成するAL基板1とCNT基板2が同一生産ラインで同時に搬送,部品組付けされるため、生産する実装基板の種類毎に発生していた段取りを省略することができると共に、最終組立を行うに際して電子機器を構成する全ての実装基板の部品組付け工程が終了するまでの待ち時間が発生することがなく、電子機器全体としての生産効率を著しく向上させることができる。
以上のように本第1実施例のAL基板1及びCNT基板2は、搬送手段としての搬送治具10により搬送され、部品が組付けられる基板であって、異なる種類のAL基板1及びCNT基板2を固定し一組の異種基板としての基板ユニット20としてまとめて搬送するために搬送治具10に設けられた係止部13,14に対応する係止受部3,4を設けている。
このようにすると、AL基板1及びCNT基板2に設けられた係止受部3,4に搬送治具10が有する係止部13,14を係止させて、異なる種類のAL基板1及びCNT基板2を同じ搬送手段により基板ユニット20としてまとめて搬送することができる。従って、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる基板を提供することができる。
また本第1実施例の生産方式では、異なる種類のAL基板1及びCNT基板2を係止部13,14により固定し基板ユニット20としてまとめて搬送する搬送治具10と、当該基板ユニット20(AL基板1,CNT基板2)に対する部品組付けを同一工程内で行う部品組付け手段としてのクリームはんだ印刷工程40,部品搭載工程41,はんだ付け工程42とを備えている。
このようにすると、電子機器を構成するAL基板1及びCNT基板2に対して、同一工程内で部品組付けを行うことができるため、生産する実装基板の種類毎に発生していた段取りを省略することができる。また、電子機器を構成する全ての実装基板の部品組付け工程が同時に終了するため、最終組立を行うに際して待ち時間が発生することもない。以上により、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる生産方式を提供することができる。
図3は、本第2実施例における生産ライン上を搬送される基板ユニット20aを示したものである。基板ユニット20aは、搬送治具10の代わりにCNT基板2の捨て基板(ベア基板のみみ部分)を利用して、AL基板1とCNT基板2を一組の異種基板として生産ライン上を搬送する。AL基板1の端縁部には、第1実施例と同様に係止受部3が形成されている。同図におけるCNT基板2は、枠状の捨て基板21が付いたままの状態であり、CNT基板2の周囲には切断する線上にミシン目状の穴があけられ、CNT基板2と捨て基板21とは架橋部22のみで結合している。部品が組付けられる被組付領域となるCNT基板2は、その他の基板領域としての捨て基板21に対して左側に偏奇した位置にあり、その右側中央にはAL基板1の形状に合わせてAL基板取付部23が開口形成されている。このAL基板取付部23にAL基板1が嵌め込まれることとなるが、搬送途中で容易に抜け落ちてしまわないように、AL基板取付部23の周縁部には、AL基板1の係止受部3と嵌合するように先端が内側へやや膨出した棒状の係止部24,24が設けられている。
係止部24は、ばね弾性を有し、その先端は、AL基板1に設けられた係止受部3と係止可能なように膨出部が形成されている。AL基板1をAL基板取付部23に取り付けた際には、係止部24が係止受部3と嵌合,係止し、AL基板1を係止部24が設けられた一の周縁部と対向する他の周縁部25へ弾性的に付勢して、AL基板1に対して側面方向への位置ずれを防止する。
本第2実施例においても、搬送対象となる基板ユニット20aが第1実施例と異なる以外、図5と同様の生産ラインを利用して部品組付けや最終組立が行われる。基板ユニット20aは、例えば搬送レールやコンベアなどの搬送手段により搬送されて、クリームはんだ印刷工程40,部品搭載工程41,はんだ付け工程42を経ることにより部品組付けが行われる。部品組付けが終了した基板ユニット20aは、まず捨て基板21のAL基板取付部23からAL基板1が取り外され、例えば基板分割機などを用いて架橋部22を切断することによりCNT基板2から捨て基板21が切り離され、2枚の実装基板が完成する。AL基板1及びCNT基板2は、その後、それぞれ単体の状態で検査工程122,組立工程123に搬送され、スイッチング電源装置としての最終組立が行われる。
以上のように本第2実施例では、搬送手段により搬送され、部品が組付けられる基板であって、前記部品が組付けられる被組付領域としてのCNT基板2以外の基板領域としての捨て基板21に、異なる種類の他の基板としてのAL基板1を固定し一組の異種基板としてまとめて搬送するために当該AL基板1を取り付け可能なAL基板取付部23を設けている。
このようにすると、捨て基板21に設けられたAL基板取付部23に異なる種類のAL基板1を取り付けて、異なる種類のAL基板1とCNT基板2を同じ搬送手段により一組の異種基板としてまとめて搬送することができる。従って、CNT基板2にAL基板1を取り付け可能となり、AL基板1とCNT基板2という異種基板を一つの基板にまとめた状態で同一の生産ラインを搬送して複数種類の実装基板について同時生産が可能となる基板を提供することができる。
また本第2実施例の生産方式では、AL基板取付部23にAL基板1が取り付けられた状態のCNT基板2(捨て基板21)を一組の異種基板としての基板ユニット20aとしてまとめて搬送する搬送手段と、当該基板ユニット20a(AL基板1,CNT基板2)に対する部品組付けを同一工程内で行う部品組付け手段としてのクリームはんだ印刷工程40,部品搭載工程41,はんだ付け工程42とを備えている。
このようにすると、搬送治具10等を使用しなくても電子機器を構成するAL基板1及びCNT基板2を一枚の基板として取り扱うことができるため、同一工程内での部品組付けが容易となり、生産する実装基板の種類毎に発生していた段取りを省略することができる。また、電子機器を構成するAL基板1及びCNT基板2の部品組付け工程が同時に終了するため、最終組立を行うに際して待ち時間が発生することもない。以上により、CNT基板2の捨て基板21を用いて、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる生産方式を提供することができる。
図4は、本第3実施例における生産ライン上を搬送される基板ユニット20bを示したものである。基板ユニット20bは、搬送手段としての搬送レール30,30間に直接AL基板1とCNT基板2とを交互に並べて取り付けることにより、AL基板1とCNT基板2を一組の異種基板として生産ライン上を搬送する。搬送レール30,30は平行して配設され、こ2本のレール間に保持された基板を搬送するものであるが、本第3実施例では、搬送レール30,30間に対向して設けられた、基板保持台31,31によってCNT基板2を、また基板保持台35,35によってAL基板1をそれぞれ保持しながら生産ライン上を搬送するように構成している。
基板保持台31,31は、CNT基板2の載置面となる上面に円柱状の係止部32,32がそれぞれ突設されている。一方、基板保持台31,31に載置されるCNT基板2の対向する両端縁には、この係止部32と嵌合する半円形状の切欠きである係止受部33が形成されている。係止部32と係止受部33の形状は、例えば凹凸や鉤形など互いに嵌合又は係止可能であればどのような形状でもよい。搬送レール30,30にCNT基板2を取り付けるには、基板保持台31,31に設けられた係止部32,32に、CNT基板2に形成された係止受部33,33を宛がい、係止部32,32の間を摺動させながらCNT基板2を基板保持台31,31に載置する。これにより、基板保持台31の係止部32がCNT基板2に形成された係止受部33に嵌合,係止し、CNT基板2が搬送レール30,30間に保持される。
同様に、基板保持台35,35には、AL基板1の載置面となる上面に円柱状の係止部36,36がそれぞれ突設され、AL基板1の対向する両端縁には、この係止部36と嵌合する半円形状の切欠きである係止受部37が形成されている。AL基板1もCNT基板2を取り付けるのと同様の方法により基板保持台36,36に取り付けられることにより、基板保持台35の係止部36がAL基板1に形成された係止受部37に嵌合,係止し、AL基板1が搬送レール30,30間に保持される。
なお、保持対象となる諸基板に対して汎用性を持たせるために、例えば弾性ゴムやバネなどの付勢手段により基板保持台31,31又は基板保持台35,35を互いに接近する方向へ付勢し、基板の大きさに応じてその長さが伸縮自在となるよう構成してもよい。
本第3実施例においても、搬送対象となる基板ユニット20bが第1実施例と異なる以外、図5と同様の生産ラインを利用して部品組付けや最終組立が行われる。基板ユニット20bは、搬送レール30,30により搬送されて、クリームはんだ印刷工程40,部品搭載工程41,はんだ付け工程42を経ることにより部品組付けが行われる。AL基板1及びCNT基板2は、その後、それぞれ単体の状態で検査工程122,組立工程123に搬送され、スイッチング電源装置としての最終組立が行われる。
以上のように本第3実施例のAL基板1及びCNT基板2は、搬送手段としての搬送レール30(基板保持台31,35)により搬送され、部品が組付けられる基板であって、異なる種類のAL基板1及びCNT基板2を固定し一組の異種基板としての基板ユニット20bとしてまとめて搬送するために基板保持台31,35に設けられた係止部32,36に対応する係止受部33,37を設けている。
このようにすると、AL基板1及びCNT基板2に設けられた係止受部33,37に基板保持台31,35が有する係止部32,36を係止させて、異なる種類のAL基板1及びCNT基板2を同じ搬送手段により基板ユニット20bとしてまとめて搬送することができる。従って、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる基板を提供することができる。
また本第3実施例の生産方式では、異なる種類のAL基板1及びCNT基板2を係止部32,36により固定し基板ユニット20bとしてまとめて搬送する搬送レール30(基板保持台31,35)と、当該基板ユニット20b(AL基板1,CNT基板2)に対する部品組付けを同一工程内で行う部品組付け手段としてのクリームはんだ印刷工程40,部品搭載工程41,はんだ付け工程42とを備えている。
このようにすると、電子機器を構成するAL基板1及びCNT基板2に対して、同一工程内で部品組付けを行うことができるため、生産する実装基板の種類毎に発生していた段取りを省略することができる。また、電子機器を構成する全ての実装基板の部品組付け工程が同時に終了するため、最終組立を行うに際して待ち時間が発生することもない。以上により、同一の生産ラインでも複数種類の実装基板について同時生産が可能となる生産方式を提供することができる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。3枚以上の異種基板を一組の異種基板として同時に生産ラインに流すようにしてもよい。各基板の組合わせ方や搬送方法も特に限定されるものではない。
本発明の第1実施例における基板を搬送治具に取り付けた状態を示す平面図である。 同上、基板を取り付けていない状態の搬送治具の平面図である。 本発明の第2実施例における基板を他の基板に取り付けた状態を示す平面図である。 本発明の第3実施例における基板を搬送レールに取り付けた状態を示す平面図である。 本発明の第1実施例における生産方式を示すブロック図である。 同上、生産方式におけるクリームはんだ印刷を行っている際の基板ユニットを示す要部断面図である。 従来例における生産方式を示すブロック図である。
符号の説明
1 AL基板
2 CNT基板(被組付領域)
3,4,33,37 係止受部
10 搬送治具(搬送手段)
13,14,32,36 係止部
20,20a,20b 基板ユニット(一組の異種基板)
21 捨て基板(基板領域)
23 AL基板取付部
30 搬送レール(搬送手段)
31,35 基板保持台(搬送手段)
40 クリームはんだ印刷工程(部品組付け手段)
41 部品搭載工程(部品組付け手段)
42 はんだ付け工程(部品組付け手段)

Claims (4)

  1. 搬送手段により搬送され、部品が組付けられる基板であって、異なる種類の基板を固定し一組の異種基板としてまとめて搬送するために前記搬送手段に設けられた係止部に対応する係止受部を設けたことを特徴とする基板。
  2. 搬送手段により搬送され、部品が組付けられる基板であって、前記部品が組付けられる被組付領域以外の基板領域に、異なる種類の他の基板を固定し一組の異種基板としてまとめて搬送するために当該他の基板を取り付け可能な基板取付部を設けたことを特徴とする基板。
  3. 異なる種類の請求項1記載の基板を前記係止部により固定し一組の異種基板としてまとめて搬送する搬送手段と、当該一組の異種基板に対する部品組付けを同一工程内で行う部品組付け手段とを備えたことを特徴とする生産方式。
  4. 前記基板取付部に前記他の基板が取り付けられた状態の請求項2記載の基板を一組の異種基板としてまとめて搬送する搬送手段と、当該一組の異種基板に対する部品組付けを同一工程内で行う部品組付け手段とを備えたことを特徴とする生産方式。
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