以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる火災警報器100の回路構成を示すブロック図である。図1に基づいて、火災警報器100の構成について説明する。この火災警報器100は、機器異常や火災等の異常が発生した時に警報音及び表示によって異常報知を行ない、このときに警報音の鳴動を停止させる警報音停止スイッチが操作されると、所定期間警報音の鳴動停止を行ない、表示灯の異常表示形態を、警報音鳴動中と、警報音鳴動停止期間中とで異なるものとしたことを特徴とするものである。なお、以下の説明においては、機器異常(異常)と火災とを区別して説明する。
図1では、電源部1が電池であり、その電池からの電源供給によって火災警報器100が動作する場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、商用電源からの電源供給によって火災警報器100を動作させてもよい。この場合は、商用電源から供給される交流電源を整流して直流電源に変換する整流回路を設けるとよい。また、電池で火災警報器100を動作させる場合においては、火災警報器100に収容する電池の個数や種類を特に限定するものではない。
この火災警報器100は、制御回路10と、定電圧回路20と、電源電圧異常監視回路21と、点検・音声停止回路22と、昇圧・発光回路30と、受光増幅回路40と、電池電圧検出回路50と、警報音鳴動回路60と、火災・異常表示回路70と、連動回路80とで構成されている。なお、点検・音声停止回路22には、警報音停止スイッチ23が接続されている。また、火災・異常表示回路70には、表示灯71が接続されている。さらに、連動回路80には、連動配線82を介して連動端子81が接続されている。
制御回路10は、ワンチップマイコン等で構成されており、火災警報器100の全体的な制御を行なうようになっている(図2参照)。この制御回路10は、通常、メインクロック発振部16からのクロック信号の供給を停止してサブクロック発振部17からのクロック信号の供給のみで動作するスリープモードで動作している。また、制御回路10は、定期的なタイマ割込や点検スイッチ割込等があったときは、メインクロック発振部16を動作させて、必要な動作を行なうようになっている。
定電圧回路20は、電源部1の電源電圧を所定の定電圧電源(たとえば、約2.3V(ボルト)の電圧)として制御回路10に供給するものである。電源電圧異常監視回路21は、定電圧回路20の電源電圧を監視する機能を有している。点検・音声停止回路22は、図示省略の点検スイッチ操作によって点検を開始したり、警報音停止スイッチ23の操作によって警報音の鳴動を停止させたりする機能を有している。この警報音停止スイッチ23は、火災警報器100の筐体表面に設けられており、居住者等のユーザからの操作を受け付けるものである。
なお、点検スイッチと警報音停止スイッチとを1つスイッチとして設けてもよく、別のスイッチとして設けてもよい。1つのスイッチとして設ける場合には、異常や火災が発生していないときには点検スイッチとして機能させ、異常や火災が発生しているときには警報音停止スイッチとして機能させるとよい。別のスイッチとして設ける場合には、いずれのスイッチであるかが容易に識別できるようにしておくとよい。また、点検スイッチと警報音停止スイッチとを1つとするかどうかは、火災警報器100の形状や大きさによって決定するとよい。
昇圧・発光回路30は、赤外発光ダイオード等の発光素子を備えており、制御回路10からの発光制御パルスを受けたときに発光素子に電流パルスを供給するものである。受光増幅回路40は、フォトダイオード等の受光素子を備えており、昇圧・発光回路30の発光素子の発光による散乱光を受光し、その受光素子の出力レベルを所定のゲインで増幅し、制御回路10に供給するものである。つまり、昇圧・発光回路30と、受光増幅回路40とで煙を検出し、その検出したレベルに応じて火災の発生を検出するようになっている。
図1では、昇圧・発光回路30及び受光増幅回路40が煙を検出する煙検出部または火災検出部として機能している場合を例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、火災警報器100にサーミスタ等の温度センサを備えて、温度によって火災の発生を検出してもよい。また、昇圧・発光回路30、受光増幅回路40及び温度センサの全部を備えて火災検出部としてもよい。なお、火災発生の判断は、受光増幅回路40や温度センサ等からの出力情報に基づいて制御回路10(演算部11)が行なうようになっている。
電池電圧検出回路50は、電源部1(電池)から供給される電源電圧を検出するものであり、電源部1から供給される電圧を制御回路10に伝達するようになっている。つまり、制御回路10は、この電池電圧検出回路50からの情報に基づいて、電池の残量が低下しているかどうか判断するようになっている。なお、火災警報器100が商用電源からの電源供給で動作する場合には、電池電圧検出回路50を設けなくてもよい。警報音鳴動回路60は、音声アンプ及びスピーカによって警報音を鳴動させるものである。この警報音には、音声メッセージによる音声やブザー音による音響等がある。
火災・異常表示回路70は、火災警報器100の状態を表示灯71に表示させるものである。この火災警報器100の状態には、正常に動作している場合の他、電池残量の低下や、センサの故障等の機器異常が発生している場合、火災が発生している場合がある。また、火災・異常表示回路70に接続されている表示灯71は、赤色発光ダイオードや緑色発光ダイオード等で構成されており、火災警報器100の筐体に設けられている。なお、表示灯71の種類や個数を特に限定するものではない。
この表示灯71は、火災警報器100が正常に動作している状態(通電状態)を表示する通電表示灯としての機能や、火災警報器100に異常が発生している状態を表示する異常表示灯としての機能、火災警報器100に火災が発生している状態を表示する火災表示灯としての機能を有しているものである。そして、火災警報器100に異常や火災が発生していることを報知する表示灯71の異常表示形態を、警報音鳴動中と、警報音鳴動停止期間中とで異なるものにしていることを特徴としている。
たとえば、表示灯71が1つ設けられている場合にあっては、火災警報器100が正常に動作している状態であれば表示灯71を消灯状態にし、火災が発生している状態で警報音鳴動中あれば表示灯71を点灯状態にし、機器異常が発生している状態で警報音鳴動中あれば表示灯71を点滅状態にして表示するとよい。また、火災が発生している状態で警報音鳴動停止期間中あれば表示灯71を点灯状態から点滅状態に変更し、機器異常が発生している状態で警報音鳴動停止期間中あれば表示灯71を警報音鳴動中の点滅状態よりも早い周期の点滅状態に変更して表示するとよい。
表示灯71が複数設けられている場合にあっては、火災警報器100が正常に動作している状態であれば1つの表示灯71(通電表示灯)を点灯状態にし、火災が発生している状態で警報音鳴動中あれば他の表示灯71(火災及び異常表示灯)を点灯状態にし、機器異常が発生している状態で警報音鳴動中あれば他の表示灯71を点滅状態にして表示するとよい。また、複数設けられている表示灯71を交互に点灯させて、火災警報器100に異常や火災が発生していることを表示させてもよい。
さらに、火災が発生している状態で警報音鳴動停止期間中あれば他の表示灯71を点灯状態から点滅状態に変更し、機器異常が発生している状態で警報音鳴動停止期間中あれば他の表示灯71を警報音鳴動中の点滅状態よりも早い周期の点滅状態に変更して表示するとよい。つまり、火災警報器100は、警報音鳴動中における表示灯71の表示状態と、警報音鳴動停止期間中における表示灯71の表示状態とを異ならせるように設定されているのである。なお、表示灯71が複数の発光色を備えている場合には、色の違いによって警報音鳴動中の表示状態と、警報音鳴動停止期間中の表示状態とを異ならせるようにしてもよい。
連動回路80は、連動端子81を外部機器に接続し、連動配線82を介して火災警報器100及び外部機器相互の情報の入出力を行なうようになっている。つまり、連動回路80は、火災警報器100と外部機器を接続し、その外部機器の状態を連動入力して火災警報器100に外部機器の状態を報知したり、火災警報器100の状態を連動出力して火災警報器100の状態を外部機器に報知させたりするものである。たとえば、別の部屋に設置してある他の火災警報器を連動回路80と接続して、他の火災警報器の火災又は異常状態を火災警報器100で報知したり、火災警報器100の火災又は異常状態を他の火災警報器に報知させたりすることができる。
図2は、制御回路10の内部構成を示すブロック図である。図2に基づいて、制御回路10の主要な内部構成について説明する。この制御回路10は、火災警報器100の動作を統括制御する演算部11と、ROM(リード・オンリ・メモリ)12と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)13とを主要な回路として備えている。演算部11は、上述した各回路から送信される各種データに基づいて、異常の発生や火災の発生を判断する異常監視動作や火災監視動作を実行するようになっている。
ROM12は、演算部11が実行するプログラムや各種固定データを記憶している。RAM13は、演算部11がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリやページメモリ等のメモリとして機能する。なお、演算部11は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)やMPU(Micro Processing Unit:超小型演算処理装置)等で構成するとよい。
この演算部11には、バスを介してタイマ部14と、A/D変換部15と、メインクロック発振部16と、サブクロック発振部17と、インターフェース部18とが接続されている。タイマ部14は、時間を計測するものである。たとえば、タイマ部14は、制御回路10が定期的に行なう異常監視動作や火災監視動作の開始タイミングを計時するようになっている。つまり、タイマ部14の計時するタイミングで定期的に割り込みが発生し、その割り込みによって演算部11が動作するようになっている。また、タイマ部14は、警報音の鳴動を停止したときからの時間を計時したり、表示灯71の点滅状態の周期を計時したりするようになっている。
A/D変換部15は、受光増幅回路40や図示省略の温度センサ等から送信されるアナログ電気信号を入力し、その情報をディジタル電気信号に変換して演算部11に供給するようになっている。そして、演算部11は、このディジタル電気信号に基づいて、火災警報器100に異常や火災が発生しているかどうか判断するようになっている。メインクロック発振部16は、定期的なタイマ割り込みや点検スイッチの操作があった場合に、異常監視動作や火災監視動作を実行する際のクロック信号を演算部11に供給する役目を果たす。
メインクロック発振部16からのクロック信号が供給されている演算部11は、各回路からのデータ、たとえば火災検出データや、電池電圧データ、電源電圧監視データ、連動入力データ等を収集し、それらのデータに基づいて、異常の発生の有無や火災の発生の有無を判断する異常監視動作や火災監視動作を実行するようになっている。そして、演算部11は、異常監視動作や火災監視動作を終了すると、メインクロック発振部16からのクロック信号の供給をサブクロック発振部17からのクロック信号の供給に切り替えてスリープモードで動作するようになっている。
サブクロック発振部17は、メインクロック発振部16が供給するクロック信号よりも周波数の低いクロック信号を演算部11に供給するものである。つまり、サブクロック発振部17は、演算部11を低速動作(スリープモード)にするクロック信号を供給するのである。インターフェース部18は、火災警報器100を構成している各回路と制御回路10とを接続する機能を有している。つまり、火災警報器100を構成している各回路は、インターフェース部18を介して制御回路10と接続され、各種データの入出力を行なうようになっている。なお、アナログ電気信号の場合には、A/D変換部15を経由させるとよい。
次に、火災警報器100の動作について説明する。ここでは、煙を検出して火災発生の有無を判断する場合を例に説明する。火災警報器100は、電源部1(電池または商用電源)に接続されて動作を開始する。火災警報器100が電源部1に接続されると、電源部1から供給される電源電圧を定電圧回路20によって安定した所定の定電圧電源(たとえば、約2.3Vの電圧)が生成される。そして、制御回路10、電源電圧異常監視回路21及び点検・音声停止回路22に、この定電圧電源が供給される。
また、火災警報器100が電源部1に接続されると、火災警報器100を構成する各回路に電源部1から供給される電源電圧が供給される。この火災警報器100は、タイマ部14が計時している所定の周期で火災監視動作及び異常監視動作を実行するようになっている。まず、火災監視動作について説明すると、演算部11は、サブクロック発振部17からのクロック信号の供給をメインクロック発振部16からのクロック信号の供給に切り替る。次に、制御回路10は、昇圧・発光回路30に発光制御パルスを供給し、昇圧・発光回路30に所定のパルス幅及び所定の周期で赤外発光ダイオード等の発光素子を発光させる。
煙が発生していない場合には、受光増幅回路40のフォトダイオードには、昇圧・発光回路30の赤外発光ダイオードが発光した光がほとんど到達しない。つまり、受光増幅回路40で増幅された信号は、所定の基準値(火災発生レベル)以下になっているため、制御回路10からは、警報音鳴動回路60及び火災・異常表示回路70を動作させる信号が出力されない。したがって、警報音鳴動回路60では警報音を鳴動せず、火災・異常表示回路70では表示灯71に火災が発生していることを表示することはない。
煙が発生している場合には、昇圧・発光回路30の赤外発光ダイオードが発光した光が乱反射し、その乱反射した光が受光増幅回路40のフォトダイオードに到達する。つまり、受光増幅回路40で増幅された信号は、所定の基準値以上になっているため、制御回路10は、火災が発生していると判断し、警報音鳴動回路60及び火災・異常表示回路70を動作させる信号が出力する。したがって、制御回路10は、警報音鳴動回路60には警報音を鳴動させ、火災・異常表示回路70には表示灯71に異常(火災)表示させる。
制御回路10内では、まず、受光増幅回路40で増幅されたアナログ電気信号がA/D変換部15でディジタル電気信号に変換されて演算部11に入力する。このディジタル電気信号が入力された演算部11は、このディジタル電気信号を火災検出データとしてRAM13に格納する。そして、演算部11は、RAM13に格納した火災検出データが、あらかじめ設定されている所定の基準値以上であるかどうかによって火災発生の有無を判断するのである。
演算部11が火災が発生していないと判断したときは、サブクロック発振部17からのクロック信号の供給に切り替えて、スリープモードの動作状態に復帰する。一方、演算部11が火災が発生していると判断したときは、メインクロック発振部16からのクロック信号の供給を継続し、警報音鳴動回路60及び火災・異常表示回路70を動作させるようにする。つまり、演算部11は、警報音鳴動回路60には警報音を鳴動させ、火災・異常表示回路70には表示灯71に異常(火災)表示させるのである。
次に、異常監視動作について説明すると、演算部11は、サブクロック発振部17からのクロック信号の供給をメインクロック発振部16からのクロック信号の供給に切り替えて、各回路からのデータを収集し、RAM13に格納する。そして、演算部11は、RAM13に格納したデータを、あらかじめ設定されている所定の基準値と比較して異常発生の有無を判断している。
異常監視動作には、たとえば、電源電圧異常監視回路21や、電池電圧検出回路50、連動回路80からのデータ、又はセンサ出力データ(前記火災検出データ)を所定の基準値と比較して火災警報器100に異常発生の有無を判断する場合がある。異常が発生していると判断した場合には、上記の火災が発生していると判断したときと同じように、演算部11は動作する。なお、上述したように、火災発生時と、異常発生時とでは、表示灯71の表示形態を異なるものとするとよい。
次に、本実施の形態の特徴部分である表示灯71の表示形態について説明する。
図3は、異常監視動作時における表示灯71の表示形態変化の流れを示すフローチャートである。ここでは、異常発生時において、異常が発生したことを報知する警報音を鳴動させると共に、表示灯71を60秒周期で点滅させる場合を例に説明する。つまり、制御回路10内の演算部11が異常が発生していると判断した場合には、警報音鳴動回路60に警報音を鳴動させ、火災・異常表示回路70に異常であることを表示させるのである。また、単一の発光色を有する表示灯71が1つ設けられている場合を例に説明する。なお、異常監視動作と、火災監視動作とを分けて説明する。
火災警報器100は、異常監視動作の検出タイミングが到来するまでは待機状態(スリープモード)である(ステップS101;No)。この異常監視動作は、タイマ部14が計時している所定のタイミングで開始される(ステップS101;Yes)。つまり、タイマ部14が計時する所定の周期のタイミングで割り込みが実行されて異常監視動作が開始するようになっている。異常監視動作を開始すると、制御回路10内の演算部11は、サブクロック発振部17からのクロック信号の供給をメインクロック発振部16からのクロック信号の供給に切り替える。
演算部11は、火災警報器100を構成する各回路から収集した検出データをRAM13に記憶させる(ステップS102)。この検出データには、電池電圧検出回路50から送られてくる電池電圧データや、電源電圧異常監視回路21から送られてくる電圧異常データ、受光増幅回路40から送られてくるセンサ出力データ等がある。そして、演算部11は、各検出データをあらかじめ設定してある基準値と比較して異常発生の有無を判断する(ステップS103)。異常が発生していないと判断したときは(ステップS103;No)、演算部11は、異常検出フラグをオフ(オフのままにする場合を含む)にする(ステップS104)。
また、演算部11は、警報音停止タイマをクリア(警報音停止タイマをカウントさせていない場合を含む)する(ステップS105)。さらに、演算部11は、異常を報知する警報音の鳴動を停止(鳴動させていない場合を含む)及び表示灯71の異常表示を消灯(異常表示をさせていない場合を含む)させる(ステップS106)。そして、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来するまで待機する。この警報音停止タイマとは、異常発生時における警報音の鳴動中に、警報音停止スイッチ23が操作され、警報音の鳴動を停止させたときからの時間を計時したものである。なお、警報音停止タイマが24時間タイマである場合を示している。
異常が発生している判断したときは(ステップS103;Yes)、演算部11は、異常検出フラグをオンにする(ステップS107)。そして、警報音停止タイマがカウント中であるかどうか判断する(ステップS108)。つまり、警報音停止スイッチ23が操作され、警報音の鳴動を停止させているかどうか判断する。警報音停止タイマがカウントされていれば、警報音停止スイッチ23が操作されている場合であるので、演算部11は、警報音鳴動回路60に警報音の鳴動を停止させる(ステップS109)。それから、演算部11は、警報音停止タイマのカウントに応じて表示灯71の異常表示形態を変化させる(ステップS114移行参照)。
警報音停止タイマがカウント中でなければ(ステップS108;No)、演算部11は、警報音鳴動回路60を動作させて警報音を鳴動させると共に、火災・異常表示回路70を動作させて表示灯71を60秒周期で点滅表示させる(ステップS110)。この状態は、警報音停止スイッチ23が操作されるまで継続する(ステップS111)。警報音停止スイッチ23が操作されないと(ステップS111;No)、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来するまで警報音及び点滅表示が継続する。
つまり、次の異常監視動作のときに、演算部11が異常が発生していないと判断したときは(ステップS103;No)、異常検出フラグがオンになっているので異常検出フラグをオフにし(ステップS104)、警報音停止タイマがカウントされているので警報音停止タイマをクリアし(ステップS105)、警報音の鳴動及び異常表示がされているので警報音の鳴動を停止及び異常表示を消灯させるのである(ステップS106)。
警報音停止スイッチ23が操作されると(ステップS111;Yes)、演算部11は、警報音鳴動回路60に警報音の鳴動を停止させる(警報音鳴動停止期間中)。そして、演算部11は、警報音停止タイマがカウント中であるかどうか判断する(ステップS112)。警報音停止タイマのカウント中でなければ(ステップS112;No)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントを開始する(ステップS113)。また、警報音停止タイマのカウント中であれば(ステップS112;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントに応じて表示灯71の異常表示形態を変化させる(ステップS114移行参照)。
演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから11時間を経過したかどうか判断する(ステップS114)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから11時間を経過していなければ(ステップS114;No)、表示灯71を10秒周期で点滅表示させる(ステップS115)。そして、演算部11は、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来するまで10秒周期の点滅表示を継続させる。
すなわち、演算部11は、警報音鳴動中では火災・異常表示回路70に表示灯71を60秒周期で点滅表示させるようにしているが、警報音鳴動停止期間中では火災・異常表示回路70に表示灯71を10秒周期で点滅表示させるようにしているのである。したがって、10秒周期の点滅表示にすれば、60秒周期の点滅表示に比べて目立たせることができ、警報音が鳴動していなくても居住者等にユーザに異常が継続していることをアピールすることができる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから11時間を経過していれば(ステップS114;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから17時間を経過したかどうか判断する(ステップS116)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから17時間を経過していなければ(ステップS116;No)、表示灯71を6秒周期で点滅表示させる(ステップS117)。そして、演算部11は、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来するまで6秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから17時間を経過していれば(ステップS116;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから21時間を経過したかどうか判断する(ステップS118)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから21時間を経過していなければ(ステップS118;No)、表示灯71を3秒周期で点滅表示させる(ステップS119)。そして、演算部11は、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来するまで3秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから21時間を経過していれば(ステップS118;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから23時間を経過したかどうか判断する(ステップS120)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから23時間を経過していなければ(ステップS120;No)、表示灯71を1秒周期で点滅表示させる(ステップS121)。そして、演算部11は、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来するまで1秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから23時間を経過していれば(ステップS120;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから24時間を経過したかどうか判断する(ステップS122)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから24時間を経過していなければ(ステップS122;No)、表示灯71を1秒周期で点滅表示させたまま、演算部11は、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来するまで1秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから24時間を経過していれば(ステップS122;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントをクリアする(ステップS123)。そして、演算部11は、次回の異常監視動作の検出タイミングが到来したときに、異常を検出すると(ステップS103;Yes)、再度異常警報音を鳴動させる(ステップS110)。以上のように、時間の経過に応じて表示灯71の点滅表示形態の周期を早くしているので、時間の経過と共に表示灯71の表示形態を目立たせることができるのである。したがって、点滅表示の周期を早めれば、点滅表示を目立たせることができ、ユーザに異常が継続していることをアピールすることができる。
一般的に、時間の経過に伴って異常の度合いも大きくなる可能性があり、また、警報音の再鳴動時期を正確にユーザに報知するため、そのような場合に備えて指数関数的な関係で周期を決定するようにしている。つまり、時間の経過と点滅表示の周期とが比例の関係ではく、指数関数的な関係に基づいて点滅表示の周期を決定した場合を例に示している。なお、ここでは、指数関数的な関係に基づいて点滅表示の周期を決定したが、これに限定するものではない。たとえば、時間の経過と点滅表示の周期とを比例の関係に基づいて表示灯71の点滅表示の周期を決定してもよい。
図4は、火災監視動作時における表示灯71の表示形態変化の流れを示すフローチャートである。ここでは、火災発生時において、火災が発生したことを報知する警報音を鳴動させる共に、表示灯71を点灯表示させる場合を例に説明する。つまり、制御回路10内の演算部11が火災が発生していると判断した場合には、警報音鳴動回路60に警報音を鳴動させ、火災・異常表示回路70に火災であることを表示させるのである。また、単一の発光色を有する表示灯71が1つ設けられている場合を例に説明する。
火災警報器100は、火災監視動作の検出タイミングが到来するまでは待機状態(スリープモード)である(ステップS201;No)。この火災監視動作は、タイマ部14が計時している所定のタイミングで開始される(ステップS201;Yes)。つまり、タイマ部14が計時する所定の周期のタイミングで割り込みが実行されて火災監視動作が開始するようになっている。火災監視動作を開始すると、制御回路10内の演算部11は、サブクロック発振部17からのクロック信号の供給をメインクロック発振部16からのクロック信号の供給に切り替える。
演算部11は、火災警報器100を構成する受光増幅回路40から収集した火災検出データをRAM13に記憶させる(ステップS202)。そして、演算部11は、その火災検出データをあらかじめ設定してある基準値と比較して火災発生の有無を判断する(ステップS203)。火災が発生していないと判断したときは(ステップS203;No)、演算部11は、火災検出フラグをオフ(オフのままにする場合を含む)にする(ステップS204)。
また、演算部11は、警報音停止タイマをクリア(警報音停止タイマをカウントさせていない場合を含む)する(ステップS205)。さらに、演算部11は、火災を報知する警報音の鳴動を停止(鳴動させていない場合を含む)及び表示灯71の火災表示を消灯(火災表示をさせていない場合を含む)させる(ステップS206)。そして、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来するまで待機する。なお、警報音停止タイマが5分間タイマである場合を示している。
火災が発生している判断したときは(ステップS203;Yes)、演算部11は、火災検出フラグをオンにする(ステップS207)。そして、警報音停止タイマがカウント中であるかどうか判断する(ステップS208)。つまり、警報音停止スイッチ23が操作され、警報音の鳴動を停止させているかどうか判断する。警報音停止タイマがカウントされていれば、警報音停止スイッチ23が操作されている場合であるので、演算部11は、警報音鳴動回路60に警報音の鳴動を停止させる(ステップS209)。それから、演算部11は、警報音停止タイマのカウントに応じて表示灯71の火災表示形態を変化させる(ステップS214移行参照)。
警報音停止タイマがカウント中でなければ(ステップS208;No)、演算部11は、警報音鳴動回路60を動作させて警報音を報知させると共に、火災・異常表示回路70を動作させて表示灯71を点灯表示させる(ステップS210)。この状態は、警報音停止スイッチ23が操作されるまで継続する(ステップS211)。警報音停止スイッチ23が操作されないと(ステップS211;No)、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来するまで警報音及び点灯表示が継続する。
つまり、次の火災監視動作のときに、演算部11が火災が発生していないと判断したときは(ステップS203;No)、火災検出フラグがオンになっているので火災検出フラグをオフにし(ステップS204)、警報音停止タイマがカウントされているので警報音停止タイマをクリアし(ステップS205)、警報音の鳴動及び火災表示がされているので警報音の鳴動を停止及び火災表示を消灯させるのである(ステップS206)。
警報音停止スイッチ23が操作されると(ステップS211;Yes)、演算部11は、警報音鳴動回路60に警報音の鳴動を停止させる(警報音鳴動停止期間中)。そして、演算部11は、警報音停止タイマがカウント中であるかどうか判断する(ステップS212)。警報音停止タイマのカウント中でなければ(ステップS212;No)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントを開始する(ステップS213)。また、警報音停止タイマのカウント中であれば(ステップS212;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントに応じて表示灯71の火災表示形態を変化させる(ステップS214移行参照)。
演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから3分間を経過したかどうか判断する(ステップS214)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから3分間を経過していなければ(ステップS214;No)、表示灯71を5秒周期で点滅表示させる(ステップS215)。そして、演算部11は、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来するまで5秒周期の点滅表示を継続させる。
すなわち、火災発生と判断したとき表示灯71を点灯表示させている。そして、警報音停止スイッチ23の操作から3分間を経過していない場合には、5秒周期の点滅表示を継続させるようになっている。したがって、警報音停止スイッチ23の操作から表示灯71を目立たせることができ、警報音が鳴動していなくても居住者等にユーザに火災が発生していることをアピールすることができる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから3分間を経過していれば(ステップS214;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから4分間を経過したかどうか判断する(ステップS216)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから4分間を経過していなければ(ステップS216;No)、表示灯71を3秒周期で点滅表示させる(ステップS217)。そして、演算部11は、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来するまで3秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから4分間を経過していれば(ステップS216;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから4.5分間を経過したかどうか判断する(ステップS218)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから4.5分間を経過していなければ(ステップS218;No)、表示灯71を2秒周期で点滅表示させる(ステップS219)。そして、演算部11は、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来するまで2秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから4.5分間を経過していれば(ステップS218;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから4.7分間を経過したかどうか判断する(ステップS220)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから4.7分間を経過していなければ(ステップS220;No)、表示灯71を1秒周期で点滅表示させる(ステップS221)。そして、演算部11は、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来するまで1秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから4.7分間を経過していれば(ステップS220;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントが開始されてから5分間を経過したかどうか判断する(ステップS222)。警報音停止タイマのカウントが開始されてから5分間を経過していなければ(ステップS222;No)、表示灯71を1秒周期で点滅表示させたまま、演算部11は、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来するまで1秒周期の点滅表示を継続させる。
警報音停止タイマのカウントが開始されてから5分間を経過していれば(ステップS222;Yes)、演算部11は、警報音停止タイマのカウントをクリアする(ステップS223)。そして、演算部11は、次回の火災監視動作の検出タイミングが到来したときに、火災を検出すると(ステップS203;Yes)、再度火災警報音を鳴動させる(ステップS210)。以上のように、時間の経過に応じて表示灯71の点滅表示形態の周期を早くしているので、時間の経過と共に表示灯71の表示形態を目立たせることができるのである。したがって、点滅表示の周期を早めれば、点滅表示を目立たせることができ、ユーザに発生した火災が継続していることをアピールすることができる。
一般的に、時間の経過に伴って火災の度合いも大きくなる可能性があり、また、警報音の再鳴動時期を正確にユーザに報知するため、そのような場合に備えて指数関数的な関係で周期を決定するようにしている。つまり、時間の経過と点滅表示の周期とが比例の関係ではく、指数関数的な関係に基づいて点滅表示の周期を決定した場合を例に示している。なお、ここでは、指数関数的な関係に基づいて点滅表示の周期を決定したが、これに限定するものではない。たとえば、時間の経過と点滅表示の周期とを比例の関係に基づいて表示灯71の点滅表示の周期を決定してもよい。
なお、実施の形態では、表示灯71が1つ設けられている場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、表示灯71を火災表示灯と異常表示灯との別体として複数設けて警報音の鳴動停止期間中と鳴動停止期間中とで異なる表示形態にしてもよい。また、表示灯71の色の違いで異なる表示形態にしてもよい。実施の形態では、警報音停止スイッチ23の操作に対して異常監視動作における表示灯71の点滅周期の初期設定が10秒周期、火災監視動作における表示灯71の点滅周期の初期設定が5秒周期である場合を例に説明したが、これに限定するものではい。
また、実施の形態では、点滅周期の時間を指数関数的に早めた場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、点滅周期の時間を比例的に早めてもよい。また、実施の形態では、異常監視動作及び火災監視動作の場合における各点滅周期の時間があらかじめ設定してある場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、ユーザが任意に点滅周期の時間を設定できるようにしてもよい。
1 電源、10 制御回路、11 演算部、12 ROM、13 RAM、14 タイマ部、15 A/D変換部、16 メインクロック発振部、17 サブクロック発振部、18 インターフェース部、20 定電圧回路、21 電源電圧異常監視回路、22 点検・音声停止回路、23 警報音停止スイッチ、30 昇圧・発光回路、40 受光増幅回路、50 電池電圧検出回路、60 警報音鳴動回路、70 火災・異常表示回路、71 表示灯、80 連動回路、81 連動端子、82 連動配線、100 火災警報器。