JP4680376B2 - 警報器の交換時期告知システム - Google Patents

警報器の交換時期告知システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の物理量を検出して警報を発する警報器に関連し、この警報器の交換時期に関する告知等を行うための、警報器の交換時期告知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般住宅等において、火災やガス漏れを検出して警報を発する各種の警報器が広く利用されている。このような警報器は、一般住宅等の安全性を監視するという極めて需要な役割を担うものであるため、その構造等に応じて有効期限が設定されており、この有効期限が切れた場合には、新しい警報器に確実に交換してもらう必要がある。
このため、従来から、警報器には、有効期限を表示する銘板が設けられていることが多く、ユーザがこの銘板に表示された有効期限を見て、警報器の交換を自発的に行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような交換時期の報知方法では、ユーザが能動的に銘板の表示内容を確認する必要があるため、ユーザが確認を怠ったような場合には、有効期限が切れている警報器が交換されないまま使用され続ける場合があった。
このような場合には、検出素子が劣化すること等によって、検出感度が適正感度からズレたり、機能に異常が生じることがあり、火災やガス漏れ等が発生した場合に、この発生を検出することができなくなる可能性があった。
したがって、警報器の交換時期をユーザに確実に報知するためのシステムを構築することが求められていた。
【0004】
このような交換時期を報知するためには、有効期限が切れた際に、その旨の告知を表示や音声によって行うことが考えられる。しかしながら、このような告知をユーザの活動時間と無関係に行った場合には、ユーザが警報器の近傍に居ない場合にも告知が行われてユーザが有効期限切れに気づかない可能性があったり、ユーザが安眠中のような場合にまで告知が行われてユーザに不快感を与える可能性があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、警報器の交換時期に関する告知を、最適なタイミングで確実に行うこと等のできる、警報器の交換時期告知システムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、請求項1に記載の警報器の交換時期告知システムは、所定の物理量を検出して警報を発する警報器について、交換時期に関する告知を行うための、警報器の交換時期告知システムであって、上記警報器の電源投入後に作動された内部タイマの積算時間が、所定の交換時期と同一となった場合又は所定の交換時期を超えている場合に、上記警報器の交換時期が到来したと判断する交換時期検出手段と、上記交換時期検出手段による検出結果を告知するための告知タイミングが到来したことを検出するものであって、当該警報器にて検出される上記所定の物理量又は当該物理量の変化に基づいて上記告知タイミングが到来したことを検出するタイミング検出手段と、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記警報器の交換時期が到来したことを報知するための出力を行い、その後、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断されてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上記警報器の交換時期が到来したことを報知するための出力を再び行う告知手段とを備え、上記所定の物理量は、上記内部タイマの積算時間以外の物理量であることを特徴とする。
このシステムによれば、警報器の交換時期の状態が検出され、告知タイミングが到来したことが検出された際、交換時期の検出結果に関する情報が出力される。
したがって、この告知タイミングを適切に設定等することによって、ユーザが警報器の近傍に居る場合に告知を行うことができ、交換時期が到来したこと等をユーザに確実に報知することができる。
また、このシステムによれば、警報器にて検出される物理量(例えば、火災検出手段によって検出される温度や煙濃度、あるいは、ガス検出手段によって検出される炭化水素ガス濃度やCOガス濃度)に基づいて、告知タイミングが到来したことが検出される。したがって、個別の検出機構を設けることなく、告知タイミングの到来を判断することができるので、警報器を簡易かつ安価に構成することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の警報器の交換時期告知システムは、請求項1に記載の警報器の交換時期告知システムにおいて、上記告知手段は、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合に、当該交換時期が到来したことを表示により報知し、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記検出結果に関する情報を音により報知することを特徴とする。
このシステムによれば、交換時期が到来したことを表示により報知することで、警報器の有効期限が切れた旨の告知を、簡易かつ迅速に行うことができる。
また、このシステムによれば、告知タイミングが到来したことが検出された際、検出結果に関する情報を音により報知することで、警報器の交換時期が到来した事をユーザに報知することにより、警報器の交換を促すことができる。
【0009】
また、請求項3に記載の警報器の交換時期告知システムは、請求項1又は2に記載の警報器の交換時期告知システムにおいて、上記告知手段は、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記検出結果に関する情報を音により報知し、その後、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断されてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上記検出結果に関する情報を、当該情報を前回報知した場合とは異なる音により報知することを特徴とする。
また、請求項4に記載の警報器の交換時期告知システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システムにおいて、上記告知手段は、上記検出結果に関する情報を音により報知した場合、当該報知からの経過間隔が所定の最短告知間隔以上になるまで、上記検出結果に関する情報の音による報知を停止することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の警報器の交換時期告知システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システムにおいて、複数の表示手段を備え、上記告知手段は、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記複数の表示手段の中の一つの表示手段を介して、上記検出結果に関する情報を表示させ、その後、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断されてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上記複数の表示手段の中の二つの表示手段を介して、上記検出結果に関する情報を表示させることを特徴とする。
このシステムによれば、警報器の交換時期が到来した後や、告知タイミングが到来した後に、その経過時間に応じて、検出結果に関する情報の出力形態が変更される。
したがって、例えば、経過時間が長くなる程、交換時期が到来した旨の表示を一層目立つようにすることで、警報器の交換を一層確実に促すことができる。
【0011】
また、請求項6に記載の警報器の交換時期告知システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システムにおいて、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来していないことが検出された場合に、上記交換時期が到来していない旨を告知するための出力を行うことを特徴とする。
このシステムによれば、交換時期についてのユーザの不安感を解消することができる。
また、請求項7に記載の警報器の交換時期告知システムは、請求項1から6のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システムにおいて、上記交換時期の告知を行うための機能をON又はOFFに切替えるための切替手段を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる警報器の交換時期告知システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施の形態においては、本システムを、火災およびガスを1台で検出して警報を行う、火災ガス漏れ警報器に適用した場合について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
(警報器の構成)
まず、警報器の構成について説明する。図1は警報器の全体斜視図、図2は警報器の要部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、警報器1は、略方形の筐体2に、火災検出部3、ガス検出部4、スピーカ5、電源ランプ6、火災警報ランプ7、CO警報ランプ8、および、ガス漏れ警報ランプ9を備えて構成されている。
【0014】
このうち、火災検出部3は、例えば、サーミスタ式あるいは散乱光式の火災検出手段である。また、ガス検出部4は、ガス検出素子により、炭化水素ガスまたはCOガスを検出するガス検出手段である。また、スピーカ5は、後述する音声メッセージ等を出力する出力手段である。また、電源ランプ6、火災警報ランプ7、CO警報ランプ8、および、ガス漏れ警報ランプ9は、所定時に点灯または点滅されることにより、警報器1の交換時期が到来した旨や、火災またはガスの検出状態をユーザ等に報知する報知手段である。
【0015】
また、図2に示すように、警報器1は、電源部10、火災検出回路11、ガス検出回路12、音声警報回路13、表示灯回路14、火災移報回路15、有電圧移報回路16、および、制御回路20を備えて構成されている。
【0016】
このうち、電源部10は、AC100V電源に図示しないコンセントを介して接続され、当該警報器1の各部に電力を供給する。
また、火災検出回路11は、図1の火災検出部3に接続され、火災検出部3によって検出された温度や煙濃度に応じた電圧の信号を出力する。
また、ガス検出回路12は、図1のガス検出部4に接続され、ガス検出部4によって検出された炭化水素ガスやCOガスに応じた電圧の信号を出力する。
【0017】
また、音声警報回路13は、図1のスピーカ5に接続され、制御回路20から出力された音声信号に基づいて、スピーカ5から音声メッセージ等を出力させる。
また、表示灯回路14は、図1の電源ランプ6、火災警報ランプ7、CO警報ランプ8、および、ガス漏れ警報ランプ9に接続され、制御回路20から出力された点灯信号または点滅信号に基づいて、これら各ランプ6〜9を点灯または点滅させる。
【0018】
また、火災移報回路15は、制御回路20から出力された信号に基づいて、所定の火災監視盤等への移報を行う。具体的には、火災移報回路15は、火災が検出された場合には、図示しないリレーを短絡させることにより無電圧状態を生じさせ、これによって移報を行う。
また、有電圧移報回路16は、制御回路20から出力された信号に基づいて、所定のガス監視盤等への移報を行う。具体的には、有電圧移報回路16は、警報器1が故障状態であることが検出された場合には0v出力を行い、警報器1が正常状態であることが検出された場合には6v出力を行い、炭化水素ガスが検出された場合には12v出力を行い、COガスが検出された場合には18v出力を行う。
【0019】
また、制御回路20は、警報器1の各部を制御する制御手段である。この制御回路20は、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、A/D(Analog Digital)コンバータ23、および、CPU(Central Processing Unit)24を備えて構成されている。
【0020】
このうち、ROM21は、警報器1の各部を制御するために必要になるプログラムおよびデータを不揮発的に記憶する記憶手段である。
特に、ROM21には、警報器1の交換時期告知を行うための交換時期告知プログラムと、火災発生を判断するための電圧の閾値と、炭化水素ガス漏れやCOガス発生を判断するための電圧の閾値と、当該警報器1の交換時期とが記憶されている。
また、ROM21には、警報器1の交換時期についての告知を行うための、音声メッセージの音声データが記憶されている。この音声データとしては、後述する経過時間に応じて、複数の音声データが記憶されている。
【0021】
また、RAM22は、警報器1の各部を制御するために必要になるプログラムおよびデータを揮発的に記憶する記憶手段である。
特に、RAM22は、CPU24による交換時期の検出結果に関する情報(検出結果情報)を記憶する記憶手段である。
また、A/Dコンバータ23は、制御回路20以外の各回路のアナログ信号と、CPU24のデジタル信号との間のA/D変換を行う。
【0022】
そして、CPU24は、ROM21に記憶されたプログラムをRAM22にロードして実行等する制御手段である。
特に、CPU24は、当該警報器1の各部と協働して、警報器1の交換時期が到来したか否かを検出するための交換時期検出手段と、この交換時期の検出結果情報を告知するための告知タイミングが到来したことを検出するタイミング検出手段と、告知タイミングが到来したことが検出された際、RAM22によって記憶された検出結果情報に基づいて、交換時期に関する情報を出力する告知手段を構成する。
なお、これら各部において行われる具体的な処理の内容については、後述する。
【0023】
(処理の内容)
次に、このように構成された警報器1の交換時期の告知に関する処理の内容について説明する。図3は、この処理のフローチャートである。
この図3に示すように、CPU24は、交換時期が到来したか否かを監視する(ステップS−1)。具体的には、当該警報器1の電源投入後、CPU24は、当該CPU24の内部タイマを作動させる。そして、この内部タイマによる積算時間を、ROM21に記憶されている警報器1の交換時期(例えば、5年)と所定間隔で比較し、積算時間が交換時期と同一または超えている場合には、交換時期が到来したものと判断する。
【0024】
そして、交換時期が到来したものと判断した場合、CPU24は、検出結果情報として、警報器1の有効期限が切れた旨の情報(例えば、フラグ情報)をRAM22に記憶する(ステップS−2)。また、CPU24は、表示灯回路14に点滅信号を出力することにより、電源ランプ6を点滅させる。このことにより、警報器1の有効期限が切れた旨の告知が、簡易かつ迅速に行われる。
【0025】
その後、CPU24は、検出結果情報を告知するための告知タイミングが到来したか否かを監視する(ステップS−3)。この告知タイミングが到来したか否かの判断の具体的内容については後述する。
そして、この告知タイミングが到来した場合には、検出結果情報を告知するための制御を行う。具体的には、RAM22に記憶されている検出結果情報を呼び出し(ステップS−4)、この検出結果情報が、警報器1の有効期限が切れた旨の情報である場合には(ステップS−5)、所定の音声メッセージの音声データをROM21から呼び出して音声警報回路13に出力する。これにより、音声メッセージがスピーカ5から出力される(ステップS−6)。
【0026】
この音声メッセージの具体的な内容は任意である。
例えば、「有効期限を過ぎています。販売店にご連絡ください。」のような音声メッセージを出力することができる。このように、警報器1の交換時期が到来した事をユーザに報知することにより、警報器1の交換を促すことができる。
これにて、交換時期告知システムに関する一連の処理が終了する。
【0027】
(経過時間に応じた出力内容の変更に関する処理)
その後、CPU24は、内部タイマによる積算時間に基づいて、上記ステップS−1において交換時期が到来したものと判断した後の、経過時間を監視する。そして、この経過時間が所定時間に達する毎に、音声メッセージの内容を、より厳しい内容のメッセージに変更する。
すなわち、経過時間が所定時間t1(>0)に達した場合には、2番目の所定の音声メッセージの音声データをROM21から呼び出して音声警報回路13に出力する。これにより、2番目の音声メッセージがスピーカ5から出力される。例えば、「警報器の有効期限を過ぎています。できるだけ早く、販売店にご連絡ください。」のような音声メッセージを出力することができる。
【0028】
さらに、経過時間が所定時間t2(>t1)に達した場合には、3番目の所定の音声メッセージの音声データをROM21から呼び出して音声警報回路13に出力する。これにより、3番目の音声メッセージがスピーカ5から出力される。例えば、「警報器の有効期限をかなり過ぎています。機能低下の可能性があります。至急、販売店にご連絡ください。」のような音声メッセージを出力することができる。
このように、販売後の経過時間に応じて厳しい内容の音声メッセージを出力することにより、ユーザに警報器1の交換を一層強く促すことができる。
【0029】
なお、このような経過時間に応じた告知は、音声メッセージ以外の出力形態でも行うことができる。例えば、上記したように、交換時期が到来したものと判断した場合には電源ランプ6を点滅させる。その後、経過時間が所定時間t1に達した場合には、さらにCO警報ランプ8を点滅させ、経過時間が所定時間t2に達した場合には、さらにガス漏れ警報ランプ9を点滅させることができる。
【0030】
(音声メッセージの出力間隔の制御に関する処理)
なお、上述のように音声メッセージの出力は、あまり頻繁に行うと却ってユーザに不快感を与えるおそれ等がある。そこで、音声メッセージの出力間隔を制御するようにしてもよい。すなわち、CPU24は、音声メッセージを出力する毎に、その日時を公知の方法で取得して、RAM22に記憶する。そして、CPU24は、音声メッセージを出力する前に、RAM22に記憶されている日時を呼び出し、この日時をその時点の日時と比較することによって、最後に音声メッセージを出力してからその時点までの経過間隔を算定する。そして、CPU24は、この経過間隔が所定の最短告知間隔(例えば、1日〜1週間)以上になるまで、音声メッセージ停止する。あるいは、CPU24の内部タイマ等の計時手段を用いて最短告知間隔の経過を監視し、この最短告知間隔が経過する迄は、音声メッセージを出力しないようにしてもよい。
【0031】
(処理の内容−告知タイミングの到来の判断に関する処理)
次に、告知タイミングが到来したか否かを判断するための具体的処理について説明する。この判断を行うためには、いくつかの処理パターンが考えられるため、以下、各処理パターンについて順次説明する。
【0032】
(処理の内容−告知タイミングの到来の判断に関する処理−処理パターン1)
まず、処理パターン1について説明する。この処理パターン1は、温度に基づいて、告知タイミングが到来したか否かを判断する処理である。
具体的には、CPU24は、当該警報器1の周囲の温度を所定間隔で監視する。この温度は、新規に設けた温度センサから取得してもよいが、火災検出部3がサーミスタ式である場合には、火災検出回路11からの信号の電圧に基づいて取得することができる。
次いで、CPU24は、上記温度の上昇率を、ROM21に記憶されている所定の閾値と比較する。そして、この温度の上昇率が、閾値を超えた場合には、ユーザが暖房を開始したり、ユーザが厨房で調理を始めた可能性が高く、ユーザが警報器1の近傍に居る可能性が高いものと判断して、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0033】
ただし、このように温度に基づいて告知タイミングを判断する場合には、季節や冷暖房の有無による温度変化パターンの違いを考慮することが好ましい。
具体的には、冬季であって暖房が使用される場合には、1日の最低温度と最高温度との差が大きいため、上述のように温度の上昇率に基づく判断を比較的高精度で行うことができる。
一方、夏季であって暖房が使用されない場合には、1日の最低温度と最高温度との差が小さいため、温度の上昇率に基づく判断で高精度で行うことが困難になる場合も考えられる。
【0034】
このため、上記温度に基づいて時期を判断し、この時期に応じて、告知タイミングの判断方法を変えることもできる。具体的には、1日の最低温度が低い(例えば、15℃以下)場合は、冬季であって暖房が使用される時期であると判断し、1日の最低温度が高い(例えば、18〜20℃以上)場合は、夏季であって暖房が使用されない時期であると判断する。
そして、夏季であって暖房が使用されない時期の場合、CPU24は、上記温度を長期に取得することによって、1日の最低温度を判断する。そして、最低温度が取得された時間(例えば、4:00頃)から所定時間(例えば、4時間)が経過した時点で、ユーザが起床していて当該警報器1の近傍に居る可能性が高いと判断して、告知タイミングが到来したものと判断してもよい。
【0035】
ただし、1日のうちで温度が大きく変化しない日もあるため、複数の日の温度を取得すると共に、これら温度に基づいて最低温度の算定や見直しを学習的に行うことにより、上記判断精度を向上させることが好ましい。
また、必ずしも1つの判断のみでなく、複数の判断を組み合わせて最終的な判断を行うことも可能である。例えば、温度の上昇率が閾値を超えた場合であり、かつ、最低温度が取得された時間から所定時間が経過した時点で、告知タイミングが到来したものと判断してもよい。
【0036】
(処理の内容−告知タイミングの到来の判断に関する処理−処理パターン2)
次に、処理パターン2について説明する。この処理パターン2は、煙濃度に基づいて、告知タイミングが到来したか否かを判断する処理である。
具体的には、CPU24は、当該警報器1の周囲の煙濃度を所定間隔で監視する。この煙濃度は、新規に設けた煙センサから取得してもよいが、火災検出部3が散乱光式である場合には、火災検出回路11からの信号の電圧に基づいて取得することができる。
次いで、CPU24は、上記煙濃度の上昇率を、ROM21に記憶されている所定の閾値と比較する。そして、この煙濃度の上昇率が、閾値を超えた場合には、ユーザが厨房で調理を始めた可能性が高く、ユーザが警報器1の近傍に居る可能性が高いものと判断して、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0037】
(処理の内容−告知タイミングの到来の判断に関する処理−処理パターン3)
次に、処理パターン3について説明する。この処理パターン3は、ガス濃度に基づいて、告知タイミングが到来したか否かを判断する処理である。
具体的には、CPU24は、当該警報器1の周囲の炭化水素ガス濃度やCOガス濃度を所定間隔で監視する。この温度は、新規に設けたガスセンサから取得してもよいが、ガス検出回路12からの信号の電圧に基づいて取得することができる。
【0038】
次いで、CPU24は、上記炭化水素ガス濃度やCOガス濃度の上昇率を、ROM21に記憶されている所定の閾値と比較する。ここで、炭化水素ガス濃度が閾値を超えた場合には、ユーザが厨房でガスを使用している可能性が高く、あるいは、COガス濃度の上昇率が閾値を超えた場合には、ユーザが厨房で使用したアルコールがCOガスとして検出された可能性が高い。したがって、これらの場合には、ユーザが厨房で調理を始めた可能性等が高く、ユーザが警報器1の近傍に居る可能性が高いものと判断して、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0039】
(処理の内容−告知タイミングの到来の判断に関する処理−処理パターン4)
次に、処理パターン4について説明する。この処理パターン4は、光、赤外線、あるいは、音に基づいて、告知タイミングが到来したか否かを判断する処理である。
まず、光に基づいて判断を行う場合について説明すると、警報器1に受光素子等を設け、この受光素子の受光量を、ROM21に記憶された所定の閾値と比較することによって、警報器1の周囲が、昼間状態、夜間における点灯状態、夜間における消灯状態のいずれであるのかを判断する。そして、昼間状態や夜間における点灯状態ではユーザが警報器1の近傍に居る可能性が高いため、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0040】
次に、赤外線に基づいて判断を行う場合について説明すると、警報器1に赤外線センサ(人感センサ)を設け、この赤外線センサによって人等の存在が検出された場合には、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0041】
次に、音に基づいて判断を行う場合について説明すると、警報器1に音センサを設け、この音センサによる検出音量をROM21に記憶された所定の閾値と比較して、検出音量が閾値を超えている場合には、ユーザが警報器1の近傍に居る可能性が高いため、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0042】
この他にも、匂いセンサによって所定量以上の匂いが検出された場合、振動センサによって所定量以上の振動が検出された場合、あるいは、圧力センサによって所定量以上の圧力が検出された場合等に、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0043】
また、これまで説明した各処理パターン1〜4による判断を、相互に組み合わせて最終的な判断を行うこともできる。例えば、パターン1のように温度に基づいて告知タイミングが到来したものと判断され、かつ、パターン3のようにガス濃度に基づいて告知タイミングが到来したものと判断された場合に、最終的に、告知タイミングが到来したものと判断することができる。
【0044】
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、上記の実施の形態においては、交換時期告知に関する機構を警報器1に設けた例を示したが、この機構の一部または全部を、警報器1の外部に設けることもできる。例えば、複数の警報器1を集中監視盤に電気的に接続し、各警報器1からの検出結果情報を集中監視盤に出力して、この集中監視盤において告知タイミングを判断して告知を行ってもよい。
【0045】
また、交換時期が到来した旨を告知するものとして説明したが、交換時期が到来していないことが検出された場合には、交換時期が到来していない旨を告知することにより、交換時期についてのユーザの不安感を解消することもできる。
また、上記の実施の形態においては、交換時期が到来した場合の告知を音声メッセージによって行うものとしたが、この告知の具体的な形態は任意であり、例えば、ブザー音等によって告知を行うこともできる。
また、このような交換時期の告知を行うための機能は、警報器1に設けたデイップスイッチ等の切替手段によってON/OFF切替できるようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、警報器の交換時期の状態が検出され、告知タイミングが到来したことが検出された際、交換時期の検出結果に関する情報が出力されるので、この告知タイミングを適切に設定等することによって、ユーザが警報器の近傍に居る場合に告知を行うことができ、交換時期が到来したこと等をユーザに確実に報知することができる。
【0047】
また、本発明によれば、警報器にて検出される物理量に基づいて、告知タイミングが到来したことが検出されるので、個別の検出機構を設けることなく、告知タイミングの到来を判断することができるので、警報器を簡易かつ安価に構成することができる。
【0048】
また、本発明によれば、交換時期が到来したことや、告知タイミングが到来したことが検出された後の経過時間に応じて、上記検出結果に関する情報の出力形態が変更されるので、経過時間が長くなる程、交換時期を厳しく促したり、交換時期が到来した旨の表示を一層目立つようにすることで、警報器の交換を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における警報器の全体斜視図である。
【図2】警報器の要部構成を示すブロック図である。
【図3】交換時期の告知に関する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 警報器
2 筐体
3 火災検出部
4 ガス検出部
5 スピーカ
6 電源ランプ
7 火災警報ランプ
8 CO警報ランプ
9 ガス漏れ警報ランプ
10 電源部
11 火災検出回路
12 ガス検出回路
13 音声警報回路
14 表示灯回路
15 火災移報回路
16 有電圧移報回路
20 制御回路
21 ROM
22 RAM
23 A/Dコンバータ
24 CPU

Claims (7)

  1. 所定の物理量を検出して警報を発する警報器について、交換時期に関する告知を行うための、警報器の交換時期告知システムであって、
    上記警報器の電源投入後に作動された内部タイマの積算時間が、所定の交換時期と同一となった場合又は所定の交換時期を超えている場合に、上記警報器の交換時期が到来したと判断する交換時期検出手段と、
    上記交換時期検出手段による検出結果を告知するための告知タイミングが到来したことを検出するものであって、当該警報器にて検出される上記所定の物理量又は当該物理量の変化に基づいて上記告知タイミングが到来したことを検出するタイミング検出手段と、
    上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記警報器の交換時期が到来したことを報知するための出力を行い、その後、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断されてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上記警報器の交換時期が到来したことを報知するための出力を再び行う告知手段とを備え、
    上記所定の物理量は、上記内部タイマの積算時間以外の物理量であること、
    を特徴とする警報器の交換時期告知システム。
  2. 上記告知手段は、
    上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合に、当該交換時期が到来したことを表示により報知し、
    上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記検出結果に関する情報を音により報知する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の警報器の交換時期告知システム。
  3. 上記告知手段は、
    上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記検出結果に関する情報を音により報知し、
    その後、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断されてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上記検出結果に関する情報を、当該情報を前回報知した場合とは異なる音により報知する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の警報器の交換時期告知システム。
  4. 上記告知手段は、上記検出結果に関する情報を音により報知した場合、当該報知からの経過間隔が所定の最短告知間隔以上になるまで、上記検出結果に関する情報の音による報知を停止する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システム。
  5. 複数の表示手段を備え、
    上記告知手段は、
    上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断された場合であって、上記タイミング検出手段によって上記告知タイミングが到来したことが検出された場合に、上記複数の表示手段の中の一つの表示手段を介して、上記検出結果に関する情報を表示させ、
    その後、上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来したと判断されてからの経過時間が所定時間に達した場合に、上記複数の表示手段の中の二つの表示手段を介して、上記検出結果に関する情報を表示させる、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システム。
  6. 上記交換時期検出手段によって上記交換時期が到来していないことが検出された場合に、上記交換時期が到来していない旨を告知するための出力を行う、
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システム。
  7. 上記交換時期の告知を行うための機能をON又はOFFに切替えるための切替手段、
    を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の警報器の交換時期告知システム。
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