JP2011076358A - 住宅用火災警報器 - Google Patents

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Abstract

【課題】火災警報器の電池切れ警報を適正に行う。
【解決手段】制御装置と火災検出部と火災報知部と電池とテストボタン群と表示出力部と警報音出力部とを備える火災報知器であって、前記制御装置は、電池電圧を所定時間毎に測定する測定部と、該測定部で測定した電圧値を第1の閾値と第2の閾値と対比して電池切れ警報を発する警報制御部とを有し、前記第1の閾値は電池切れ警報電圧の値で設定し、前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも高い電圧値で設定し、前記測定部で測定した電池電圧が第2の閾値よりも低下し且つ一定時間連続して低下した状態の時に警報音出力部から電池切れの予備警報を発すると共に表示出力部で表示し、前記測定部で測定した電池電圧が第1の閾値よりも低下した時に電池切れの本格警報を発するようにしたことによって、電池切れの予備警報と電池切れの本格警報とを行わせ、電池の取り替えを怠った場合でも数日後に本格警報で報知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池で作動する住宅用の火災警報器に関するものである。
この種の電池作動型の火災警報器としては複数のものが公知になっている。例えば、第1の公知例としては、電源と、スピーカと、電池電圧監視を行い電源電圧が所定の電圧値以下になると電源電圧低下を検出し、その検出時点から所定時間経過後に電池切れ警報を前記スピーカから出力させる制御手段とを備え、該制御手段は、電源電圧低下を検出した場合には、更に所定時間継続して電源電圧低下を検出すると、電池切れ警報を出力させるというものである(特許文献1)。
この第1の公知例に係る火災警報器は、電池電圧監視を行い電源電圧低下を検出した場合には、その検出時点から所定時間経過後に電池切れ警報を出力するようにしたので、室内温度の低下に起因して夜間から早朝にかけて電源電圧が低下し、電源電圧低下を検出しても、電池切れ警報は所定時間経過後に出力される。そのため、夜間から早朝にかけて電池切れ警報が出力されることが低減されるとともに、電池電圧が低下しやすい夜間から早朝にかけても電源電圧監視を行うので、電源電圧低下を早く発見できる。なお、電池切れ警報を出すための所定の電圧値は、警報後も所定時間火災検出が可能となるような値であり、所定時間経過後、例えば朝や昼間まで警報を遅延しても、火災検出には影響がないとしている。
公知に係る第2の火災警報器としては、例えば、電池電圧を所定時間毎に計測し、計測した値に対して予め設定された基準アルゴリズムを適用して電池切れを判別して所定の電池切れ警報音を出力させる機能を有した、電池作動型の住宅用火災警報器において、電池電圧を所定時間毎に計測する電池電圧計測部と、上記基準アルゴリズムを実行して、電池切れ判別を行う電池切れ警報制御部とを備え、上記基準アルゴリズムは、上記電池電圧計測部によって計測された値が、予め設定された第1のしきい値を第1の所定回数下回った後、更に、第2のしきい値以上に上昇したときに、または、第2の所定回数下回ったときに、第2のしきい値以上に上昇しなくても、電池切れ警報を出力させるようにしたというものである(特許文献2)。
この火災警報器によれば、所定時間毎に計測した電池電圧の値が、予め設定された第1のしきい値を第1の所定回数下回った後、更に、第2のしきい値以上に上昇したときに電池切れ警報を出力するので、電池の電源電圧に少し余裕があり十分作動することができる状態である場合に、夜間の周囲温度の低下により電池の電源電圧が低下したときには電池切れ警報を行わず、その後、周囲温度が上昇して電源電圧が上昇したときに電池切れ警報を行うことができ、電池を取り替える緊急性がないのに夜間の睡眠が妨害されることを防止するという、反面、第2の所定回数下回ったときには、夜間であっても電池切れの警報を発して確実に電池切れを知らせるというものである。
特開2005−44317号公報 特開2008−134973号公報
ところで、この種の電池式火災警報器においては、電池の特性である温度変化に伴って電池電圧が上下に変動するので、その電池が終止期近くになった時の電池電圧の昼と夜との温度差による変動状況を測定し、法令で定める電池切れ警報電圧値近傍に第1と第2のしきい値を設定して、夜の温度低下に伴う電圧低下が所要時間経過した後の昼間に警報を鳴動させ続けるというものである。
確かに、夜の睡眠中に電池切れの警報が鳴動すると住民が迷惑するので昼間の在宅時間帯に鳴動させることは好ましいが、昼間といっても電池切れする日時が全く予測できないので、たまたま外出したり旅行したりしている留守中に鳴動した場合には、電池切れが確認できないという問題点を有している。
従って、前記いずれの公知技術においても、1回の電池切れ警報を行うだけであることから、電池切れの警報を見逃すこともあり、火災警報器において、火災警報器が常に正常に機能させるために、電池切れ警報を確実に認識できるようにすることに解決すべき課題を有している。
本発明は、前記課題を解決する具体的手段として、少なくとも制御装置と、火災検出部と、火災報知部と、電池と、テストボタン群と、表示出力部と警報音出力部とを備えている火災警報器であって、前記制御装置は、電池電圧を所定時間毎に測定する測定部と、該測定部で測定した電圧値を設定した第1の閾値と第2の閾値と対比して電池切れ警報を発する警報制御部とを有し、前記第1の閾値は電池切れ警報電圧の値で設定し、前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも僅かに高い電圧値で設定し、前記測定部で測定した電池電圧が第2の閾値よりも低下し且つ一定時間連続して低下した状態にある時に警報音出力部から電池切れの予備警報を発すると共に表示出力部で表示し、さらに、前記測定部で測定した電池電圧が第1の閾値よりも低下した時に電池切れの本格警報を発するようにしたことを特徴とする火災警報器を提供するものである。
本発明に係る火災報知器とし、前記第2の閾値における前記第1の閾値よりも僅かに高い電圧値は、昼夜における電圧変動幅の略1変動幅であること;一定時間連続して低下は、略24時間以内であること;警報音出力部から報知される警報音の内で音声警報は、標準語または設置される地域の方言であること;を付加的な要件として含むものである。
本発明に係る火災警報器によれば、電池切れの予備警報と電池切れの本格警報とを行わせるものであり、予備警報を認知して電池の取り替えを行えば、本格警報が鳴動する前に火災警報器を正常な状態に戻すことができ、仮に、予備警報による音声を聞き逃しても表示部による表示で電池切れが確認できるのであり、また、電池の取り替えを怠った場合でも数日後に本格警報で報知するので、電池切れを確実に認識でき、その時に電池を取り替えれば火災警報器としてその機能が正常に維持されるという優れた効果を奏する。要するに、数日の時間を置いて2回の警報を鳴動させるので電池切れによる不祥事は生じさせないのである。
本発明に係る火災警報器の要部構成を略示的に示したブロック図である。 電池の終止期近くになった時の昼夜における温度変化による電池電圧の変動と時間との関係を示すグラフ状の説明図である。 本発明に係る火災警報器の一例の動作を示すフローチャート図である。
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。図1において、火災警報器1は少なくともCPUなどの制御装置2と、火災検出部3と、電源の電池4と、テストボタン群5(スイッチ群)と、スピーカなどの警報音出力部6と表示出力部7とを備えている。
前記制御装置2は、少なくとも火災発生判定部8と、電池電圧測定部9と、平均電圧算出部10と、電池切れ警報判定部11と、電池切れ警報制御部12とを備えており、火災発生判定部8は火災検出部3からの信号に基づき火災発生かどうかを判定し、火災発生と判定したときに警報音出力部6に出力する。
また、電池電圧測定部9は常に電池4の電圧を測定しており、検出した電圧は一方において平均電圧算出部10で算出して平均電圧を電池切れ警報判定部11に出力すると共に他方においては算出した電池電圧を電池切れ警報判定部11に出力する。この電池切れ警報判定部11において、平均電圧と電池電圧とに基づき電池電圧が設定した値よりも低くなった時に電池切れ警報制御部12を介してスピーカなどの警報音出力部6から、例えば「ピッ、ビッ、ピッ」などの機械的な合成音や「電池切れ、電池切れ」などの音声による警報を報知すると共に電池切れになることを表示出力部7にて点滅などの断続表示させるようになっている。なお、制御装置2には、図示していないが、所要のタイマーを備えている。
火災検出部3は、煙や熱などの火災要因の一方または双方を検知したときに、その度合いに基づく信号を火災発生判定部8に出力し、該火災発生判定部8でその度合いまたは一方か双方かによって火災発生か否かを判定し、火災発生と判定したときに警報音出力部6から、例えば、けたたましい機械的な合成音のベル音や「火事です、火事です」などの音声による火災警報の報知を行うものであり、一般的に使用されているものが利用できる。特に、音声での警報報知の場合には、標準語による報知と使用地域における方言での報知が選択される。その理由は、地域によっては標準語の報知であると聞き慣れないことから目覚めや緊急の対応が遅れることも懸念されるため、聞き慣れたその地方の方言での報知の方が目覚めや緊急対応がスムーズに行えると考えられからである。
テストボタン群5は複数設けてあって、例えば、火災検出部3が適正に機能しているか否かをテストして警報音出力部6から、火災警報音を出力さて確認するためのボタン(スイッチ)や、電池電圧測定部9以降の電池切れ判定部11などが適正に作動するか否かのテストをして警報音出力部8から電池切れの警報音を発して見たり、表示出力部7に、例えば、点滅表示(発光ダイオード)させて状態を確認するためのボタンと、タイマーを設定するためのボタンなどである。なお、表示出力部7での点滅表示は夜になればより一層明確に確認できる。
次ぎに、図2について説明する。火災警報器1にセットされた電池4は、周知のとおり電池電圧は経年により徐々に低下すること、および温度変化に基づいて変動することは知られている。図示のグラフ(変動例)は、終止期近くになった時の電池電圧の変動状況、即ち、昼夜における電圧変動を示す線5aと平均電圧を示す線5bとを表示したものである。
このような電池電圧の変動状況において、本発明の火災警報器1では、この種火災警報器で電池電圧が電池切れ警報電圧(主な機能が損なわれる一定時間以上前)まで低下した時に電池切れ警報を出すこと(省令第2章第3条11項ロ)が定められており、その電池切れ警報電圧を第1の閾値T1として設定し、該第1の閾値T1よりも僅かに高い予備警報電圧を第2の閾値T2として設定する。この場合の第1の閾値T1よりも僅かに高いというのは、昼夜における電圧変動線5aの略1変動幅(下がって上がる幅または高さ)よりも高いということである。
このように第1の閾値T1と第2の閾値T2とを設定しておくことにより、例えば、経年により低下した平均的な電池電圧が一定時間tに渡って連続して第2の閾値T2を下回った場合に、電池切れの予備警報を発するようにする。この場合の一定時間tとしての設定時間は、例えば、8時間以上24時間以内の任意の時間で、夜間における低温での電池電圧低下が昼間の温度上昇に伴って上昇し、上昇のピーク時まで経過した後に予備警報を発するようにする。なお、好ましくは、昼間または夕方から就寝前までの間に予備警報を発するようにしても良い。この予備警報をユーザーが聞いて認知した時から、好ましくはその翌日に、遅くとも数日(2〜3日)以内には電池を取り替えるようにする。
もし仮に、予備警報を聞いて認知しても電池の取り替えを怠った場合には、さらに経時的に電池電圧が下がり続けて第1の閾値T1を超えたときには、直ちに電池切れの本格的警報を発するようにしたものである。この場合には、安全を期するために、就寝中の夜中であっても警報を発する。
また、電池が終止期近くになった時に、予期しない要因によって急に電圧が下がる場合がある。このような場合でも、前記と同様に、まず、平均的な電池電圧が一定時間tに渡って連続して第2の閾値T2を下回ったことを検出して予備警報を発するか、第1の閾値T1を超えたことを検出して本格警報を発するのである。いずれが先に行われても、近い段階で2回の警報を発すると共に表示部で表示することにより、ユーザーに対して電池切れ警報を確実に報知し認識させるのである。いずれの場合でも、電池取り替えと同時に火災警報器1はリセットされる。
そこで、図3のフローチャートを用いて、本発明の火災警報器1における電池切れ警報を発する機能が正常に作動するか否かの基本動作について説明する。まず、ステップS1の始動、即ちスタートさせるとステップS2で電池電圧を所定の間隔で測定する。この場合に、例えば、30分間隔で電池電圧を測定するように設定する。そして、測定した電圧値をステップS3で電池切れ警報電圧(設定した第1の閾値T1)以下であるかどうかを判断し、以下でない(N)と判断した場合に、ステップS4でその測定値について平均電池電圧を計算し、その計算された平均電池電圧についてステップS5で平均電池電圧が予備警報電圧(設定した第2の閾値T2)以下であるかどうかを判断し、以下でない(N)と判断した場合にステップS6でタイマーを初期化し、ステップS7で電池切れ警報の発信を停止する。
次ぎに、ステップS2で測定した測定値が、ステップS3で電池切れ警報電圧(設定した第1の閾値T1)以下でない(N)と判断し、ステップS4でその測定値について平均電池電圧を計算し、その計算された平均電池電圧についてステップS5で平均電池電圧が予備警報電圧(設定した第2の閾値T2)以下である(Y)と判断した場合に、その判断した段階からステップS8のタイマーで時間を積算し続ける。その間にステップS2では設定した時間間隔(例えば、30分毎)で継続して複数回の測定がなされ、その各測定値が依然として警報電圧以下でなければ、ステップS4で平均電池電圧を計算し、その計算された平均電池電圧が、ステップS5により前記同様に予備警報電圧以下であると判断し続けることになる。
そして、ステップS5で例えば、4〜5時間に渡って平均電池電圧が予備警報電圧(設定した第2の閾値T2)以下である(Y)と判断してステップS8のタイマーでその時間を積算するが、その間に気温が上がって平均電池電圧が第2の閾値T2よりも上位の電圧値になり、それをステップS2で検出しステップS4で平均電池電圧を計算し、ステップS5でその電圧が予備警報電圧以下でない(N)と判断し、ステップS6側に出力してタイマーを初期化すると共に、ステップS7で電池切れ警報の発信を停止する。
この場合に、ステップS8のタイマーで積算した時間は4〜5時間であり、ステップS9ではステップS8での積算時間を見ており、その積算時間が一定時間t(例えば、8時間)を超えていない(N)のであるから、各積算した時点毎にステップS7の電池切れ警報停止側に停止すべき信号を出力しているのである。上記の動作は、予備警報を発するまで繰り返し行われるのである。
これとは逆に、ステップS8での積算時間が一定時間tを超えた場合には、ステップS9で一定時間tを超えたこと(Y)を判断して、予備警報を発する側に信号を出力し、ステップS10を介して電池切れの予備警報を報知(鳴動または音声)すると共に、表示部に電池切れを示す点滅表示をする。この予備警報の報知は所定の時間(数分間)行うが、表示の点滅は数十時間行っても良い。そして予備警報が報知されるとステップS3からステップS4への回路がオフになり、ステップS5〜S9は実質的に作動しないように設定してある。
それ以降は、ステップS2で検出した電池電圧をステップS3で電池切れ警報電圧(設定した第1の閾値T1)以下であるかどうかを判断し、以下である(Y)と判断した場合にのみ、その信号をステップS10に出力して電池切れの本格警報を報知(鳴動または音声)するようにしたものである。
なお、テストボタン群6を操作することにより、図3に示したフローチャートの動作を短時間でテストすることができ、それによって火災警報器1が適正に作動するかどうかを確認することができるし、また、第1と第2の閾値の設定や一定時間tの設定なども適宜行えるのである。
本発明に係る火災警報器は、主として一般家庭で使用するものを対象としているが、電池切れの警報を余裕をもって且つ確実に報知または認知させて安全性を向上させることができるものであり、小規模の工場またはオフイスなどにも広く利用できるのである。
1 火災警報器
2 制御装置
3 火災検出部
4 電源となる電池
5 テストボタン群
5a 平均電池電圧
5b 昼夜における電圧変動線
6 警報音出力部
7 表示出力部
8 火災発生判定部
9 電池電圧測定部
10 平均電圧算出
11 電池切れ判定部
12 電池切れ警報制御部
T1 第1の閾値
T2 第2の閾値
S1〜S10 ステップ

Claims (4)

  1. 少なくとも制御装置と、火災検出部と、火災報知部と、電池と、テストボタン群と、警報音出力部と、表示出力部とを備えている火災警報器であって、
    前記制御装置は、火災発生判定部と、電池電圧を所定時間毎に測定する測定部と、該測定部で測定した電圧値を設定した第1の閾値と第2の閾値と対比して電池切れ警報を発する警報制御部とを有し、
    前記第1の閾値は電池切れ警報電圧の値で設定し、
    前記第2の閾値は前記第1の閾値よりも高い電圧値で設定し、
    前記測定部で測定した電池電圧が第2の閾値よりも低下し且つ一定時間連続して低下した状態にある時に警報音出力部から電池切れの予備警報を発すると共に表示出力部で表示し、
    さらに、前記測定部で測定した電池電圧が第1の閾値よりも低下した時に電池切れの本格警報を発すること
    を特徴とする火災警報器。
  2. 前記第2の閾値における前記第1の閾値よりも高い電圧値は、
    昼夜における電圧変動幅の略1変動幅であること
    を特徴とする請求項1に記載の火災警報器。
  3. 一定時間連続して低下は、
    略24時間であること
    を特徴とする請求項1に記載の火災警報器。
  4. 警報音出力部から報知される警報音の内で音声警報は、
    標準語または設置される地域の方言であること、
    を特徴とする請求項1に記載の火災警報器。
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