JP2007255711A - 球面滑り軸受け及び球面滑り軸受けと結合するハウジング - Google Patents

Abstract

【課題】球面滑り軸受けを交換する必要がある場合に、他のいずれの部品の交換も要求しない球面滑り軸受け及びハウジングアッセンブリを提供する。
【解決手段】球面滑り軸受け３０において、外輪３４の長さに沿った一方の端部に配置される第１の肩部３６、並びに、外輪３４の長さに沿った他方の端部に配置される第２の肩部３８を規定する外周面を有している。第２の端部は、ハウジング４２の壁面に第１、第２の肩部３６，３８が押圧嵌合されるサイズとされるように、第１の端部の略反対側に配置されている。ハウジング４２の壁面は、球面滑り軸受け３０が内部に配置される穴部を規定している。また、外輪３４の外周面は、その第１の遠心端で外周面から径方向の外側に延在する第１の支持縁４４、並びに、外周面における第１の遠心端の略反対側の第２の遠心端で外周面から径方向の外側に延在する第２の支持縁４６を規定している。
【選択図】図３

Description

本発明は、概して球面滑り軸受けに関し、特に、ハウジングと支持縁とを押圧嵌合するための肩部を用いて軸受けをハウジング内の適切な位置に保持する球面滑り軸受けに関する。

球面滑り軸受けは、軸受け及び適用物のデザインの制限がある中で、あらゆる方向の内輪の自由な回転を許容する球状の接触面を有している。これにより、球面滑り軸受けは、例えば、不正確な機械加工に起因する位置ずれ、溶接からのフレームの歪み、或いは、静的及び動的な力による負荷による変形を調整するように自己整合される。このような位置ずれは、多量の負荷を端部に発生させ、円筒型のスリーブ滑り軸受けの早期の不具合の原因となる。

図１及び図２は、従来の２つの球面滑り軸受けのアッセンブリを示している。図１は、ログスキッダ用のタイロッドアッセンブリを示しており、全般的に参照番号１０で特定される球面滑り軸受けは、ハウジング１６内に配置される内輪１２及び外輪１４を備えている。１組の止め輪１８は、ハウジング１６内の適切な位置に外輪１４を保持するために用いられている。外輪１４は、実質的に外輪全体の長さに沿ってハウジングに形成された穴の内壁に押圧嵌合されている。

図２は、運搬トラック用のヒンジピンアッセンブリを示している。このアッセンブリは、運搬トラックのベッドとフレームとの間に配置され、内輪２２及び外輪２４を有する球面滑り軸受け２０を備えている。図１に示すアッセンブリと同様に、外輪２４は、実質的にハウジング全体の長さに沿って内輪２２と押圧嵌合されている。また、外輪２４及びハウジング２６は、スペーサ部材２８及び３０によって適切な位置に保持されている。

この種の従来のアッセンブリにおいては、球面滑り軸受けを交換する必要がある場合に、ハウジング及び他の部品も交換しなければならないという問題に直面する。従って、現在、球面滑り軸受け、並びに、球面滑り軸受け／ハウジングアッセンブリにおいては、球面滑り軸受けを交換する必要がある場合に、他のいずれの部品の交換も要求しないものが要請されている。

これらに基づき、本発明の全般的な目的は、従来の問題及び欠点を克服し、或いは、改良する球面滑り軸受け、並びに、球面滑り軸受け及びハウジングアッセンブリを提供することである。

本発明は、一形態において、内輪及び外輪を備える球面滑り軸受けを対象とする。外輪は、ある長さを有し、また、外輪の一方の端部に配置される第１の肩部及び外輪における第１の端部の略反対側の第２の端部に配置される第２の肩部を規定する外周面を有している。第１及び第２の肩部は、球面滑り軸受けが内部に配置される穴を規定するハウジングの壁部に押圧嵌合するサイズにされている。

本発明の好ましい実施形態において、外周面は、その第１の遠心端から径方向の外側に延在する第１の支持縁を規定する。第２の支持縁も、外輪における第１の遠心端と略反対側の第２の遠心端における外周面から径方向の外側に延在している。

本発明は、上述した球面滑り軸受けがハウジング内に配置され、用いられる球面滑り軸受け及びハウジングにも存在する。ハウジングは、ハウジングの少なくとも一部に延在し、壁面を規定する穴部を有している。穴部の壁面は、第１の支持機構を規定する第１の遠心端、並びに、第１の遠心端と略反対側の第２の遠心端を有している。第２の遠心端は、第２の支持機構を規定する。球面滑り軸受けは、第１及び第２の肩部が穴部の壁面に押圧嵌合し、第１の支持縁が第１の支持機構の周辺に配置されると共に、第２の指示縁が第２の支持機構の周辺に配置されるように、穴部内に配置される。本発明に係る球面滑り軸受けを安定させるため、第１の支持縁が第１の支持機構と接触して動かされ、第２の支持縁が第２の支持機構と接触させることで、球面滑り軸受けが穴部内に保持される。

図３に示すように、全般的に参照番号３０で特定される球面滑り軸受け及びハウジングアッセンブリは、中心線３５を挟んで対称である内輪３２及び外輪３４を有している。軸部材３６は、例示するために球面滑り軸受け３０を介して延在する場合について示しているが、いくつかの異なる部品の構成要素とすることが可能であり、例えば、タイロッドやヒンジピンなどに限定されるものではない。外輪３４は、ハウジング４２によって規定される穴部の壁面４０に押圧嵌合する、第１、第２の肩部３６、３８を有している。第１、第２の肩部３６、３８は、それぞれ直径Ｄ２及びＤ３で定義される。図示した実施形態において、直径Ｄ２及びＤ３は、実質的に同一であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、直径Ｄ２及びＤ３は、本発明の範囲を逸脱することなく異ならせることもできる。第１の肩部３６及び第２の肩部３８の間に、直径Ｄ１で定義される外輪３４の部分が配置されている。直径Ｄ１は、直径Ｄ２及びＤ３よりも小さいため、第１の肩部３６及び第２の肩部３８のみで穴部の壁面４０に接触可能となっている。

図示した実施形態において、外輪３４の長さはＬ１で定義され、第１の肩部３６と第２の肩部３８との間の距離はＬ２で定義される。図示するように、第１、第２の肩部３６、３８の長さは略同一であるため、式（Ｌ１−Ｌ２）／２で定義される。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、第１、第２の肩部３６、３８は、本発明の範囲を逸脱することなく、異なる長さにすることが可能である。

外輪３４は、外輪３４における略反対側の遠心端に配置された第１、第２の支持縁４４、４６も規定している。図示した実施形態において、外輪３４は、さらに一部で第１、第２の支持縁を規定する、環状溝５２をそれぞれ規定する第１、第２の対向面４８、５０を規定している。図示した実施形態において、環状溝５２は、Ｖ字形状を有しているが、本発明はこれに限定されるものではない。

ハウジング４２は、第１、第２の支持縁４４、４６に対応する形状を有する起伏面５４を規定している。ハウジング４２内への球面滑り軸受け３０のアッセンブリにおいて、第１、第２の支持縁４４、４６は、起伏面５４に接触させて曲げられ又は動かされ、これにより、ハウジング４２を基準とする位置に外輪３４を解放可能に保持する。図示した実施形態において、解放面５４は、面取りした面の形状で示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持機構は、上述した支持縁の形状に対応する、いずれの実用的な形状にすることが可能である。

本発明は、その詳細な実施形態に関して記載されているが、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更が加えられ、均等物がその要素及び工程に代用され得ると、当業者には理解されるであろう。また、変更は、特徴的な範囲を逸脱することなく本発明の教示に従って、特別な状況に適応して加えられる。それ故、本発明は、上述した詳細な説明における開示された特定の実施形態に限定されるものでなく、上述した説明の範囲に入る全ての実施形態を含むことを意図している。

球面滑り軸受けを用いた、従来のログスキッダで使用されるタイロッドアッセンブリの部分断面図である。 球面滑り軸受けを用いた、従来の運搬トラックに使用されるヒンジピンアッセンブリの部分断面図である。 本発明に従った球面滑り軸受け及びハウジングの部分断面図である。

Claims (14)

1. 内輪と、
   ある長さを有すると共に、前記長さに沿って第１の端部に配置される第１の肩部及び前記長さに沿って第２の端部に配置される第２の肩部を規定し、前記第２の端部が前記第１の端部と略反対側であり、前記第１及び第２の肩部がハウジングの壁面に押圧嵌合するサイズとされ、前記ハウジングの壁面が、球面滑り軸受けが内部に配置される穴を規定する外周面を有する外輪とで構成される球面滑り軸受けであって、
   前記外周面は、その第１の遠心端で当該外周面から径方向の外側に延在する第１の支持縁、並びに、前記第１の遠心端と略反対側の第２の遠心端で前記外周面から径方向の外側に延在する第２の支持縁を規定する球面滑り軸受け。
2. 前記外輪は、第１の対向面、並びに、前記第１の対向面の略反対側であって、当該第１の対向面と実質的に平行である第２の対向面を規定し、
   前記第１の対向面は、少なくとも部分的に前記第１の支持縁を規定する第１の環状溝を規定し、前記第２の対向面は、少なくとも部分的に前記第２の支持縁を規定する第２の環状溝を規定する請求項１記載の球面滑り軸受け。
3. 前記内輪が拡張された請求項１記載の球面滑り軸受け。
4. 前記第１の肩部が第１の長さを規定し、前記第２の肩部が第２の長さを規定し、当該第１及び第２の長さが実質的に同一である請求項１記載の球面滑り軸受け。
5. 前記外輪の長さがＬ１で定義され、前記第１及び第２の肩部の間の距離がＬ２で定義され、前記第１及び第２の肩部の長さは、それぞれ（Ｌ１−Ｌ２）／２で定義される請求項４記載の球面滑り軸受け。
6. 前記第１の肩部で特定される第１の直径は、前記第２の肩部で特定される第２の直径と実質的に同一である請求項１記載の球面滑り軸受け。
7. 前記第１及び第２の溝は、Ｖ字形状を有する請求項２記載の球面滑り軸受け。
8. 内輪と、
   ある長さを有すると共に、前記長さに沿って第１の端部に配置される第１の肩部及び前記長さに沿って第２の端部に配置される第２の肩部を規定し、前記第２の端部が前記第１の端部と略反対側であり、前記第１、第２の肩部がハウジングの壁面に押圧嵌合するサイズとされ、前記ハウジングの壁面が、球面滑り軸受けが内部に配置される穴を規定する外周面を有する外輪とを含む球面滑り軸受けであって、
   前記外周面は、その第１の遠心端で当該外周面から径方向の外側に延在する第１の支持縁、並びに、前記第１の遠心端と略反対側の第２の遠心端で前記外周面から径方向に外側に延在する第２の支持縁を規定する球面滑り軸受けと、
   ハウジングの少なくとも一部に延在し、壁面を規定する穴を含み、前記穴の壁面が、第１の支持機構を規定する第１の遠心端と、当該第１の遠心端の略反対側の第２の遠心端を有し、前記第２の遠心端が第２の支持機構を規定するハウジングとで構成される球面滑り軸受け及びハウジングであって、
   前記球面滑り軸受け及びハウジングのアッセンブリの際、前記球面滑り軸受けは、第１及び第２の肩部が前記穴の壁面に押圧嵌合し、第１の支持縁が第１の支持機構の周辺に配置されると共に、第２の指示縁が第２の支持機構の周辺に配置されるように穴内に配置され、前記第１の支持縁が前記第１の支持機構と接触して動かされ、前記第２の支持縁が前記第２の支持機構と接触させることで、前記球面滑り軸受けが前記穴内に保持される球面滑り軸受け及びハウジング。
9. 前記第１及び第２の支持機構が面であり、前記第１及び第２の支持縁のそれぞれによって規定される合わせ面が前記第１及び第２の面に対応する形状である請求項８記載の球面滑り軸受け及びハウジング。
10. 前記第１の肩部が第１の長さを特定し、前記第２の肩部が第２の長さを特定し、当該第１及び第２の長さが実質的に同一である請求項８記載の球面滑り軸受け及びハウジング。
11. 前記外輪の長さがＬ１で定義され、前記第１、第２の肩部の間の距離がＬ２で定義され、前記第１及び第２の肩部の長さＬＳ１及びＬＳ２は、それぞれ（Ｌ１−Ｌ２）／２で定義される請求項１０記載の球面滑り軸受け及びハウジング。
12. 前記第１の肩部で特定される第１の直径は、前記第２の肩部で特定される第２の直径と実質的に同一である請求項８記載の球面滑り軸受け及びハウジング。
13. 前記外輪は、第１の対向面、並びに、前記第１の対向面の略反対側であって、当該第１の対向面と実質的に平行である第２の対向面を規定し、
    前記第１の対向面は、少なくとも部分的に前記第１の支持縁を規定する第１の環状溝を規定し、前記第２の対向面は、少なくとも部分的に前記第２の支持縁を規定する第２の環状溝を規定する請求項８記載の球面滑り軸受け及びハウジング。
14. 前記第１、第２の溝は、Ｖ字形状を有する請求項１３記載の球面滑り軸受け及びハウジング。

Images