JP2007254689A - 転倒防止シート - Google Patents
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Abstract
【課題】転倒防止性、防汚性、再使用性に優れる転倒防止シート。
【解決手段】下記の要件(A−1)および(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体を含有する粘着層(1)を含む転倒防止シートに関する。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が1〜3である。
【選択図】なし
【解決手段】下記の要件(A−1)および(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体を含有する粘着層(1)を含む転倒防止シートに関する。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が1〜3である。
【選択図】なし
Description
本発明は、転倒防止性、防汚性、再使用性に優れる転倒防止シートに関する。
転倒防止シートとは、地震等の振動によって、床に設置された什器・備品が転倒して安全を損なったり、机や棚の物品が落下して損壊したりすることを防止する目的で使用されるシートである。
例えば、特許文献1には、軟質合成樹脂製シート材本体層と、少なくともその片面に貼着乃至形成され、上記シート材本体層よりも更に軟質な合成樹脂製のシート材補体層とを有することを特徴とする転倒防止シートが記載されている。
例えば、特許文献1には、軟質合成樹脂製シート材本体層と、少なくともその片面に貼着乃至形成され、上記シート材本体層よりも更に軟質な合成樹脂製のシート材補体層とを有することを特徴とする転倒防止シートが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された軟質合成樹脂をシート材補体層とする転倒防止シートでは、什器・備品や物品の転倒を防止するのに充分とはいえず、これらの被着体から剥離したときに、被着体の表面に軟質合成樹脂の一部やそれに含有される可塑剤等の添加剤によって汚れて外観を損ねたり、剥離した転倒防止シートを再使用するとさらに転倒防止性が低下するという問題があった。
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題、即ち、本発明の目的は、転倒防止性、防汚性、再使用性に優れる転倒防止シートを提供することにある。
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題、即ち、本発明の目的は、転倒防止性、防汚性、再使用性に優れる転倒防止シートを提供することにある。
即ち、本発明は、下記の要件(A−1)および(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体を含有する粘着層(1)を含む転倒防止シートに関する。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が1〜3である。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が1〜3である。
本発明によれば、粘着性、剥離性、再粘着性に優れる転倒防止シートがが提供される。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体は、下記の要件(A−1)および(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体である。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が1〜3である。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が1〜3である。
炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィン等の鎖状オレフィンが挙げられる。
エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンの組み合わせとしては、例えば、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテン、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン、プロピレン/1−ブテン/1−ヘキセン等が挙げられる。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体は、粘着層(1)の粘着力を高める観点から好ましくは、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンの炭素原子数の合計が6以上である少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる非晶性オレフィン系重合体である。
非晶性オレフィン系重合体としてより好ましくは、炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して得られる非晶性プロピレン系重合体であり、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。
非晶性オレフィン系重合体としてより好ましくは、炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して得られる非晶性プロピレン系重合体であり、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体は、上記α−オレフィン以外の単量体に由来する単量体単位を含有していてもよく、該単量体としては、例えば、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物、ポリエン化合物を挙げることができる。
環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
ポリエン化合物としては、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物等を挙げることができる。共役ポリエン化合物としては、例えば、直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物や分岐状脂肪族共役ポリエン化合物等の脂肪族共役ポリエン化合物、脂環族共役ポリエン化合物等が挙げられ、非共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環族非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等を有していてもよい。
脂肪族共役ポリエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3―ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が挙げられる。
脂環族共役ポリエン化合物としては、例えば、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。
脂肪族非共役ポリエン化合物としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3.3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が挙げられる。
脂環族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。
芳香族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼン等が挙げられる。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体に含有されるエチレンに由来する単量体単位の含有量は、高い粘着力を得る観点から、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以下であり、特に好ましくは0モル%である。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体に含有されるプロピレン単量体単位の含有量は、高い粘着力を得る観点から、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは60モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上であり、特に好ましくは80モル%以上であり、最も好ましくは90モル%以上である。
また、非晶性オレフィン系重合体に含有されるプロピレン単量体単位の含有量は、低温での粘着力を得る観点から、好ましくは99.9モル%以下であり、より好ましくは99モル%以下であり、さらに好ましくは98.5モル%以下であり、特に好ましくは98モル%以下である。
また、非晶性オレフィン系重合体に含有されるプロピレン単量体単位の含有量は、低温での粘着力を得る観点から、好ましくは99.9モル%以下であり、より好ましくは99モル%以下であり、さらに好ましくは98.5モル%以下であり、特に好ましくは98モル%以下である。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体の非晶性として好ましくは、粘着層(1)の粘着力を高める観点から、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−100℃〜200℃の範囲で測定して得られる、結晶融解熱量が1J/g以上のピークおよび結晶化熱量が1J/g以上のピークのいずれのピークも観測されないことである。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体の極限粘度[η]は、本発明の転倒防止シートを被着体から剥離したときの被着体表面の汚れを防止する観点から、好ましくは0.1dl/g以上であり、より好ましくは0.3dl/g以上であり、さらに好ましくは0.5dl/g以上であり、特に好ましくは0.7dl/g以上である。また、極限粘度[η]は、粘着層(1)の成形加工性を高める観点から、好ましくは10dl/g以下であり、より好ましくは7dl/g以下であり、さらに好ましくは5dl/g以下であり、特に好ましくは4dl/g以下である。なお、極限粘度[η]は、135℃テトラリン中でウベローデ粘度計を用いて測定される。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は1〜3であり、好ましくは1.5〜2.5であり、より好ましくは1.8〜2.2である。分子量分布が3を上回ると、本発明の転倒防止シートを被着体から剥離したときに被着体表面が汚れが残ることがある。なお、分子量分布はゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により測定される。
本発明の粘着層(1)に用いられる非晶性オレフィン系重合体は、公知のチーグラー・ナッタ型触媒または公知のシングルサイト触媒(メタロセン触媒等)を用いて製造することができるが、耐熱性をより高める観点から、公知のシングルサイト触媒が好ましく、かかるシングルサイト触媒としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載のメタロセン系触媒、特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、特開表11−71420号公報等に記載の非メタロセンの錯体触媒が挙げられる。これらの中でも、入手容易性の観点から、メタロセン触媒が好ましく、その中でも好適なメタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエン型アニオン骨格を少なくとも1個有し、C1対掌構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。また、メタロセン触媒を用いた製造方法として、例えば、欧州特許出願公開第1211287号明細書の方法を挙げることができる。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)は、必要に応じて、非晶性オレフィン系重合体以外の公知の樹脂やエラストマーと混合して用いてもよい。
非晶性オレフィン系重合体以外の樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
非晶性オレフィン系重合体以外の樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。
エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、ポリアクリロニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、部分水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコンゴム、ウレタンゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、ハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムが挙げられる。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)は、必要に応じて、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂等の他の樹脂を加えて用いることができる。
ロジン系樹脂としては、例えば、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン、これらロジンのエステル化物(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル、メチルエステル)、ロジン誘導体(例えば、不均化ロジン、フマル化ロジン、ライム化ロジン)が挙げられる。
ポリテルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等の環状テルペンの単独重合体、環状テルペンの共重合体、環状テルペンと、フェノール、ビスフェノール等のフェノール系化合物との共重合体(例えば、α−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂およびテルペン−ビスフェノール樹脂等のテルペン−フェノール系樹脂)、環状テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂が挙げられる。
合成石油樹脂としては、例えば、ナフサ分解油のC5留分、C6〜C11留分およびその他オレフィン系留分の単独重合体や共重合体、これらの単独重合体や共重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合樹脂が挙げられる。合成石油樹脂として、さらに、ナフサ分解油とテルペンとの共重合体や、該共重合体の水添物である共重合系石油樹脂が挙げられる。
ナフサ分解油の好ましいC5留分としては、例えば、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等のメチルブテン類、1−ペンテン、2−ペンテン等のペンテン類、ジシクロペンタジエンが挙げられる。好ましいC6〜C11留分として、インデン、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等のメチルスチレン類、メチルインデン、エチルインデン、ビニルキシレン、プロペニルベンゼンが挙げられる。好ましいその他オレフィン系留分としては、例えば、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン、オクタジエンが挙げられる。
クマロン樹脂としては、例えばクマロンインデン樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、例えば、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂、これら樹脂の変性物が挙げられる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂や、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。
キシレン系樹脂としては、例えば、m−キシレンとホルムアルデヒドとからなるキシレン−ホルムアルデヒド樹脂や、これに第3成分を添加して反応させた変性樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレンの低分子量重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合体、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合体が挙げられる。
イソプレン系樹脂としては、例えば、イソプレンの二量化物であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物とを共重合して得られる重合体が挙げられる。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)は、必要に応じて、例えば、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、内部剥離剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤等の添加剤、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂等の充填剤、ナフテン油およびパラフィン系鉱物油等の鉱物油系軟化剤を配合してもよい。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)は、必要に応じて、難燃剤を配合してもよい。難燃剤としては、例えば、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化合物、ポリりん酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のリン酸エステルやリン化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、テトラブロモジペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤が挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)は、必要に応じて、発泡剤を配合して得られる発泡体であってもよい。発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、アゾカルボナミド、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゼンスルフォニルヒドラジン、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、トルエンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド誘導体等のスルフォニルヒドラジドが挙げられる。発泡剤は、サリチル酸、尿素、尿素誘導体等の発泡助材を併用してもよい。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)は、必要に応じて、極性ポリマー等の高周波加工助剤を配合してもよい。高周波加工助剤としては、例えば、エチレンと、少なくとも1種のコモノマーとの共重合体が挙げられる。コモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸、ジカルボン酸のモノエステル、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和カルボン酸のビニルエステル、これらの酸やエステルのアイオノマーが挙げられる。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)の厚さは特に限定されず、好ましくは0.001〜10mmであり、より好ましくは0.01〜3mmであり、特に好ましくは0.1〜1mmである。
本発明の転倒防止シートの粘着層(1)において、転倒を防止するために被着体に粘着させる面積は特に限定されず、転倒を防止しようとする物品の底面積や側面積等の幾何学的寸法や重心の位置等に応じて決められる。また、転倒を防止しようとする物品の、設置される面との接触面の全面積に使用されなくても、一部に使用されても、分割して使用されてもよい。
本発明の転倒防止シートは、本発明の非晶性オレフィン系重合体を含有する粘着層(1)を含むシートである。本発明の非晶性オレフィン系重合体を含有する粘着層(1)は、単一の粘着層であってもよいし、複数の粘着層からなる多層の粘着層であってもよい。
本発明の転倒防止シートは、粘着層(1)の表面に、必要に応じて、使用時に剥離される剥離層(2)を設けてもよい。剥離層(2)として好ましくはフィルムである。剥離層(2)を設けることにより、製造された転倒防止シートを巻き取ったり、重ねて保管したり、適当な大きさに裁断して製品とした場合に、転倒防止シートが互いに粘着したり、他の包装材料に粘着したりすることがなく、使用時の取り扱いが容易になる。
粘着層(1)の表面に必要に応じて設けられる剥離層(2)は、粘着層(1)から剥離しやすいように、表面に剥離剤が塗布されていたり、エンボス等の微小突起が設けられていてもよい。
剥離層(2)に用いられる樹脂は、剥離剤を使用しない場合は、例えば、ポリアミド、ポリエステルおよびポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂である。
剥離層(2)に用いられる樹脂は、剥離剤を使用しない場合は、例えば、ポリアミド、ポリエステルおよびポリウレタンからなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂である。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系剥離剤および非シリコーン系剥離剤が挙げられる。シリコーン系剥離剤としては、例えば、熱硬化型シリコーン系剥離剤、光硬化型シリコーン系剥離剤、他ポリマーとの共重合体剥離剤および、他ポリマーとのブレンド系剥離剤が挙げられ、例えばポリジメチルシロキサン等が挙げられる。非シリコーン系剥離剤としては、例えば、長鎖アルキル化合物や、長鎖アルキルポリマーや、ポリオレフィンや、フッ素化合物を主成分とする剥離剤が挙げられる。
本発明の転倒防止シートの層構成としては、例えば、粘着層(1)単独、粘着層(1)/剥離層(2)、剥離層(2)/粘着層(1)/剥離層(2)、剥離層(2)/粘着層(1)/粘着層(1)/剥離層(2)等の層構成が挙げられ、層構成として好ましくは、剥離層(2)/粘着層(1)/剥離層(2)である。
本発明の転倒防止シートの製造方法としては、特に限定されない。
本発明の転倒防止シートが、粘着層(1)単独から構成される場合は、非晶性オレフィン系重合体を、必要に応じて加えられる添加剤、充填剤等を混練して、通常のシート成形、好ましくは押出し成形により成形する。
本発明の転倒防止シートが、粘着層(1)単独から構成される場合は、非晶性オレフィン系重合体を、必要に応じて加えられる添加剤、充填剤等を混練して、通常のシート成形、好ましくは押出し成形により成形する。
本発明の転倒防止シートの厚さは特に限定されず、転倒を防止しようとする物品の材質、形状、重量、設置面の材質等、転倒防止シートに要求される特性に応じて決めればよいが、好ましくは0.001〜10mm程度である。
本発明の転倒防止シートは、パソコン、サーバ、プリンタ、複写機等のOA機器、テレビ、オーディオ機器、洗濯機、食器洗い機、電子レンジ等の家電製品、タンス、ピアノ等の家具や楽器、骨董品、宝飾品等の陳列商品等を、床や棚や机等の設置面の上面または側面等に設置または貼り付けて、これら物品が振動によって転倒するのを防止する目的に好適に用いることができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
初めに、実施例および比較例における物性値の測定方法を以下に示す。
(1)非晶性オレフィン系重合体の単量体組成(単位:モル%)
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、プロピレン単位由来のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテン単位由来のメチル炭素のスペクトル強度の比からプロピレン単位と1−ブテン単位の組成比を算出した。
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの非晶性オレフィン系重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである非晶性オレフィン系重合体のテトラリン溶液を調製し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロに外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により、下記の条件で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度:140℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)結晶融解ピーク温度(単位:℃)、結晶融解熱量(J/g)、結晶化ピーク温度(単位:℃)、結晶化熱量(J/g)
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。この(ii)で観察されるピークトップが結晶化ピーク温度であり、ピーク面積が1J/g以上の結晶化ピークの有無を確認した。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この(iii)で観察されるピークトップが結晶の融解ピーク温度であり、ピーク面積が1J/g以上の融解ピークの有無を確認した。
(5)メルトフローレイト(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に従い、試験荷重21.18N、試験温度230℃の条件で測定を行った。
(6)転倒防止性
振倒機としてタイテック社製レシプロシェイカー(R−10)を使用し、振動板上に厚さ3mmの転倒防止シートを設置し、さらにその上に、高さ10cm、幅2.5cm、厚さ0.5cmの楓の木製の試料片を設置した。設置の向きは振動方向に平行に試料片の厚さ方向が、振動方向と垂直に試料片の幅方向が向くようにした。レシプロシェイカーを120往復/分で振動させ、振動開始から試料片が転倒するまでに要した時間を測定した。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
初めに、実施例および比較例における物性値の測定方法を以下に示す。
(1)非晶性オレフィン系重合体の単量体組成(単位:モル%)
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、プロピレン単位由来のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテン単位由来のメチル炭素のスペクトル強度の比からプロピレン単位と1−ブテン単位の組成比を算出した。
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの非晶性オレフィン系重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである非晶性オレフィン系重合体のテトラリン溶液を調製し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロに外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により、下記の条件で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度:140℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)結晶融解ピーク温度(単位:℃)、結晶融解熱量(J/g)、結晶化ピーク温度(単位:℃)、結晶化熱量(J/g)
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。この(ii)で観察されるピークトップが結晶化ピーク温度であり、ピーク面積が1J/g以上の結晶化ピークの有無を確認した。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この(iii)で観察されるピークトップが結晶の融解ピーク温度であり、ピーク面積が1J/g以上の融解ピークの有無を確認した。
(5)メルトフローレイト(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に従い、試験荷重21.18N、試験温度230℃の条件で測定を行った。
(6)転倒防止性
振倒機としてタイテック社製レシプロシェイカー(R−10)を使用し、振動板上に厚さ3mmの転倒防止シートを設置し、さらにその上に、高さ10cm、幅2.5cm、厚さ0.5cmの楓の木製の試料片を設置した。設置の向きは振動方向に平行に試料片の厚さ方向が、振動方向と垂直に試料片の幅方向が向くようにした。レシプロシェイカーを120往復/分で振動させ、振動開始から試料片が転倒するまでに要した時間を測定した。
(製造例1)
<非晶性オレフィン系重合体の製造>
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節剤として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、本発明で用いる非晶性オレフィン系重合体に相当するプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマーおよび水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。該共重合体の生成速度は7.10kg/時間であった。
得られたプロピレン−1−ブテン共重合体の物性評価結果を表1に示した。
該共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(モル%)をx、炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量(モル%)をyとすると、x=0、y=4であり、(x/(x+y))=0であった。
<非晶性オレフィン系重合体の製造>
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節剤として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、本発明で用いる非晶性オレフィン系重合体に相当するプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマーおよび水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。該共重合体の生成速度は7.10kg/時間であった。
得られたプロピレン−1−ブテン共重合体の物性評価結果を表1に示した。
該共重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(モル%)をx、炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量(モル%)をyとすると、x=0、y=4であり、(x/(x+y))=0であった。
<転倒防止シートの製造>
製造例1で得られたプロピレン−1−ブテン共重合体を用いて、プレス機を使用し、200℃の温度で予熱2分、加圧3分の条件で厚さ2mmのシートを作成した。
製造例1で得られたプロピレン−1−ブテン共重合体を用いて、プレス機を使用し、200℃の温度で予熱2分、加圧3分の条件で厚さ2mmのシートを作成した。
(実施例1)
製造例1で得られたプロピレン−1−ブテン共重合体からなる粘着層を含む転倒防止シートを用いて、転倒防止性を評価した結果、1分以上経過しても試料片は転倒しなかった。
製造例1で得られたプロピレン−1−ブテン共重合体からなる粘着層を含む転倒防止シートを用いて、転倒防止性を評価した結果、1分以上経過しても試料片は転倒しなかった。
(比較例1)
実施例1において、転倒防止シートとして、エチレン系軟質樹脂である「エクセレンFX CX5501」(住友化学株式会社製 エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン単位含有量=20重量%、MFR(190℃)=30g/10分、密度880kg/m3)からなる粘着層を含む転倒防止シートを用いた以外は、実施例1と同様に行った。転倒防止性を評価した結果、3秒で試料片が転倒した。
実施例1において、転倒防止シートとして、エチレン系軟質樹脂である「エクセレンFX CX5501」(住友化学株式会社製 エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン単位含有量=20重量%、MFR(190℃)=30g/10分、密度880kg/m3)からなる粘着層を含む転倒防止シートを用いた以外は、実施例1と同様に行った。転倒防止性を評価した結果、3秒で試料片が転倒した。
Claims (3)
- 下記の要件(A−1)および(A−2)を満たす非晶性オレフィン系重合体を含有する粘着層(1)を含む転倒防止シート。
(A−1)エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られる。
(A−2)分子量分布(Mw/Mn)が1〜3である。 - 非晶性オレフィン系重合体が、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれるオレフィンの炭素原子数の合計が6以上である少なくとも2種のオレフィンを共重合して得られ、非晶性オレフィン系重合体に含有されるエチレンに由来する単量体単位の含有量が0〜60モル%である非晶性オレフィン系重合体である請求項1記載の転倒防止シート。
- 非晶性オレフィン系重合体が、炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンと、プロピレンとを共重合して得られる非晶性プロピレン系重合体である請求項1記載の転倒防止シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006084738A JP2007254689A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 転倒防止シート |
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JP2006084738A JP2007254689A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | 転倒防止シート |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP (1) | JP2007254689A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012082263A (ja) * | 2010-10-07 | 2012-04-26 | Mitsui Chemicals Tohcello Inc | 表面保護フィルム |
-
2006
- 2006-03-27 JP JP2006084738A patent/JP2007254689A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012082263A (ja) * | 2010-10-07 | 2012-04-26 | Mitsui Chemicals Tohcello Inc | 表面保護フィルム |
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Date | Code | Title | Description |
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