JP2007254168A - 過酸化水素水の精製方法 - Google Patents

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【課題】精製過酸化水素水中の硫酸イオン等のアニオン性不純物濃度を増加させることなく、過酸化水素水中の金属不純物、特にNa+濃度を数pptオーダーの濃度にまで低減した超高純度の過酸化水素水を提供する。
【解決手段】イオン交換樹脂を用いて過酸化水素水を精製するに際して、少なくとも前段用と後段用の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置が連設された混床型イオン交換樹脂からなる精製装置を用いて、被精製過酸化水素水を前段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液し、次いで後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液して精製する方法であり、後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合比率が、イオン交換容量比でカチオン交換樹脂1に対して、アニオン交換樹脂が0.1〜0.3であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、過酸化水素水の精製方法に関し、特に電子工業分野において洗浄等に使用される超高純度過酸化水素水を製造するイオン交換樹脂を用いた精製方法に関する。
電子工業分野において集積回路等の洗浄に使用される洗浄用の薬液として精製された高純度過酸化水素水が使用されている。近年、集積回路の高度化に伴って、さらに純度の高い精製過酸化水素水が要求されるようになってきている。
過酸化水素水を高純度化する精製方法として、イオン交換樹脂による精製方法が従来から広く利用されてきている。過酸化水素水のカチオン性不純物を除去するためのカチオン交換樹脂と、アニオン性不純物を除去するためのアニオン交換樹脂を充填した混床型イオン交換樹脂装置を、過酸化水素水を通液させて精製する方法がある。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等を挙げられる。
特許文献1には、混床型イオン交換樹脂装置と吸着剤装置を併用し、被精製過酸化水素水を先ず混床型イオン交換樹脂装置に通液させ、次いで吸着剤装置に通液させ、さらに混床型イオン交換樹脂装置に通液させて、金属イオン濃度を1ppb以下、かつ全有機炭素濃度10ppm以下に精製する方法が開示されている。
特許文献2には、複数の混床型イオン交換樹脂装置を前段と後段の二段に分け、前段と後段との混床型イオン交換樹脂装置の間で、流出する過酸化水素水中のイオン濃度を検出してイオン交換樹脂の貫流交換容量を超える前にイオン交換樹脂を取り換えて精製する方法が開示されている。
特許文献3には、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を母体とし、交換基としてスルホン酸基を有する水素型強酸性カチオン交換樹脂で、かつ架橋度6〜10多孔性型カチオン交換樹脂を使用する方法が開示されている。
特開平9−278418号公報 特開平8−231207号公報 特開平10−251004号公報
近年、集積回路のさらなる高度化に伴って、さらに純度の高い過酸化水素水が要求され、特にNa+等のカチオン性金属不純物の濃度が数pptオーダーの超高純度のものが要求されるようになってきている。さらに金属不純物のみならず硫酸イオンのようなアニオン性不純物の濃度も数ppbオーダーのものが要求されるようになってきている。
一般に混床型イオン交換樹脂からなる精製装置は、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをイオン交換容量比が略1:1となるように混合して使用されている。このような混床型イオン交換樹脂からなる精製装置を用いて粗過酸化水素水を精製することにより、過酸化水素水中の金属不純物の濃度をppbオーダーにすることができる。金属不純物のNa+濃度をさらに低減化するために混床型イオン交換樹脂からなる精製装置を複数組合わせて精製することにより金属不純物のNa+濃度をさらに低減化することは可能である。しかしながら、発明者らの知見によれば、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とをイオン交換容量比が略1:1で混合された従来の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置を複数組合わせて精製した場合ではNa+濃度は5〜10ppt程度に低減されるのに止まることが認められた。
過酸化水素水中のNa+濃度をさらに低減化するために、混床型イオン交換樹脂装置で処理した精製過酸化水素水をカチオン交換樹脂に通液することが有効であるとされているが、この場合カチオン交換樹脂が過酸化水素水によって酸化されイオン交換基が基材から離脱し、精製過酸化水素水中のアニオン性不純物、例えば硫酸イオンが増加することが避けられない。
本発明は、上記に鑑み精製過酸化水素水中の硫酸イオン等のアニオン性不純物濃度を増加させることなく、金属不純物、特にNa+濃度をさらに低減した超高純度の過酸化水素水を得る精製方法に係り、精製過酸化水素水中の金属不純物、特にNa+濃度が2ppt未満で、かつアニオン性不純物濃度が3ppb未満である超高純度の過酸化水素水を提供することを目的とする。
本発明者は、イオン交換樹脂による過酸化水素水の精製に際して、精製過酸化水素水中の硫酸イオン等のアニオン性不純物濃度を増加させることなく、金属不純物、特にNa+濃度を数pptオーダーに低減する精製方法について種々検討を行った結果、従来のカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とがイオン交換容量比でカチオン交換樹脂1に対してアニオン交換樹脂0.8〜1.2の混合比で混合された混床型イオン交換樹脂からなる精製装置により精製された過酸化水素水を、さらにカチオン交換樹脂に対するアニオン交換樹脂の混合比率が特定の範囲にある混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液することにより、上記の目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)イオン交換樹脂を用いて過酸化水素水を精製するに際して、少なくとも前段用と後段用の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置が連設された混床型イオン交換樹脂からなる精製装置を用いて、被精製過酸化水素水を前段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液し、次いで後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液して精製する方法であり、後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合比が、イオン交換容量比でカチオン交換樹脂1に対して、アニオン交換樹脂が0.1〜0.3であることを特徴とする過酸化水素水の精製方法;
(2)前記前段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合比が、イオン交換容量比でカチオン交換樹脂1に対して、アニオン交換樹脂が0.8〜1.2であることを特徴とする上記(1)に記載の過酸化水素水の精製方法;
(3)前記後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるアニオン交換樹脂として、重炭酸塩基型の強塩基性アニオン交換樹脂を使用することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の過酸化水素水の精製方法;
(4)前記後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるカチオン交換樹脂として、水素型の強酸性カチオン交換樹脂を使用することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の過酸化水素水の精製方法;
を要旨とする。
本発明の精製法によれば、精製された過酸化水素水中の金属不純物、特にNa+濃度が2ppt未満であり、かつアニオン性不純物濃度が3ppb未満である超高純度の精製過酸化水素水を得ることができる。
一般に市販されている過酸化水素水には、製造法に由来する金属不純物や有機物不純物(TOC:全有機性炭素)、また過酸化水素水の安定化のために添加される安定化剤等が含まれている。電子工業分野における集積回路の洗浄用薬液としては、過酸化水素水中に含まれる金属不純物や有機物不純物等は、例えば、逆浸透膜等に通液して1次精製を行った後(以下、「1次精製過酸化水素水」という)、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、あるいは混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液して2次精製を行って高純度過酸化水素水とされる。
本発明においては、上記2次精製を行った高純度過酸化水素水(以下、「2次精製過酸化水素水」という)を、さらにカチオン交換樹脂に対しアニオン交換樹脂が少ない混合比率で混合された特定の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置(以下、単に「混床型イオン交換樹脂装置」と呼称する)を通液させ超高純度過酸化水素水を得る精製法である。
すなわち、本発明の精製法は、原料過酸化水素水を逆浸透膜に通過させたのち、混床型イオン交換樹脂装置を複数組合わせて前段用と後段用に連設された混床型イオン交換樹脂装置を用いて、1次精製過酸化水素水を前段の混床型イオン交換樹脂装置に通液し、さらに後段の混床型イオン交換樹脂装置に通液して高純度に精製する方法であり、後段の混床型イオン交換樹脂装置を通液させて精製された過酸化水素水中に含まれるアニオン性不純物濃度を高めることなく、金属不純物、特にNa+濃度を数pptオーダーの濃度にまで低減した超高純度の過酸化水素水を得る精製方法である。
本発明の精製フローの概略図を図2に示す。原料過酸化水素水は循環タンク20に導入され、循環タンク20から熱交換器30を通して5〜10℃に調温した後、逆浸透膜10を通して原料過酸化水素水中の金属不純物及び有機物不純物の大部分を除去(1次精製)して1次精製過酸化水素水を得、次いで、前段用混床型イオン交換装置11と後段用混床型イオン交換装置12とを連設した混床型イオン交換装置により、1次精製過酸化水素水を前段の混床型イオン交換装置11に通液し、引き続き後段の混床型イオン交換装置12に通液して超高純度過酸化水素水とされる。なお、図2では前段用混床型イオン交換装置と後段用混床型イオン交換装置はそれぞれ1基を設置した態様が示されているが、必要に応じて前段、後段共に複数の混床型イオン交換装置を設置してもよい。また前段を1基とし後段を2基とすること、またその逆とすることもできる。
本発明の精製法において、逆浸透膜を通過させた後の1次精製過酸化水素水中のNa+濃度は100ppb〜1ppmであり硫酸イオン濃度も略同程度である。この1次精製過酸化水素水を前段の混床型イオン交換樹脂装置(カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合比が、カチオン交換樹脂1に対してアニオン交換樹脂がイオン交換容量比で0.8〜1.2である)を通液させた2次精製過酸化水素水中のNa+濃度は5〜10pptであり、硫酸イオン(SO4 2-)濃度は1ppb未満であった。
この前段の混床型イオン交換樹脂装置を通液させた2次精製過酸化水素水中のNa+濃度をさらに低減する目的で、前段に用いたと同様の混床型イオン交換樹脂装置に、該2次精製過酸化水素水を通液したがNa+濃度は期待したようには減少しなかった。
前段の混床型イオン交換樹脂装置で精製された2次精製過酸化水素水を、さらに精製する後段の混床型イオン交換樹脂装置について、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合比と、精製過酸化水素水中のNa+濃度および、硫酸イオン(SO4 2-)濃度との関係を検討し、図1に示すカチオン交換樹脂に対するアニオン交換樹脂の混合比と精製過酸化水素水中のNa+濃度(ppt)と硫酸イオン(SO4 2-)濃度(ppb)との関係を見出した。すなわち、硫酸イオン濃度はアニオン交換樹脂の混合比が減少するに従って徐々に増加するが、混合比0.1未満になると3ppb以上となった。それは、アニオン交換樹脂の混合比が0.1未満になると、過酸化水素水によってイオン交換樹脂の基材におけるスルホン酸基(−SO3H)が酸化され脱離した硫酸イオンがアニオン交換樹脂によって十分イオン交換されずに一部残存するためである。一方、Na+濃度はアニオン交換樹脂の混合比が増すに伴って徐々に増加するが、混合比0.3までは2ppt未満であった。
この結果から、本発明の精製法に使用される後段の混床型イオン交換樹脂装置として、カチオン交換樹脂に対するアニオン交換樹脂の混合比がイオン交換容量比で、0.1〜0.3の範囲内で、精製過酸化水素水中のNa+濃度が2ppt未満でかつ硫酸イオン(SO4 2-)濃度が3ppb未満となり、本発明の所期の目的が達成され得る。
したがって本発明の精製法において、後段の混床型イオン交換樹脂装置として使用される混床型イオン交換樹脂装置における、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合比は、イオン交換容量比でカチオン交換樹脂1に対して、アニオン交換樹脂0.1〜0.3が採用され、好ましくはアニオン交換樹脂0.15〜0.3の混合比、特に好ましくはアニオン交換樹脂0.15〜0.25の混合比である。アニオン交換樹脂の混合比が0.1よりも少ない場合には、Na+濃度は低いが硫酸イオン濃度が高く、一方、アニオン交換樹脂の混合比が0.3を超えるとNa+濃度が高くなる虞が高く、精製過酸化水素水中のNa+濃度2ppt未満で、かつ硫酸イオン(SO4 2-)濃度3ppb未満を十分に満足することが困難となる虞がある。
本発明の精製法により後段の混床型イオン交換樹脂装置を通液させた超高純度の精製過酸化水素水中におけるアニオン性不純物濃度は、硫酸イオンの濃度が3ppb未満の場合には、塩化物イオン、硝酸イオン、リン酸イオンの濃度もそれぞれ1ppb未満にまでに精製することができる。
本発明において使用される過酸化水素水は、特に限定されず、一般に日本工業規格製品として市販されている過酸化水素水が使用される。また、過酸化水素水の濃度は、例えば5〜60重量%のものが使用されるが、実用的な面から10〜35重量%のものが一般的に使用される。
本発明の精製法に使用される前段および後段の混床型イオン交換樹脂装置は、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とを充填した混床型イオン交換樹脂装置が使用される。カチオン性不純物を除去するためのカチオン交換樹脂は、通常ジビニルベンゼンとスチレンとの共重合体を基材とし、スルホン酸基(−SO3H)を交換基とする強酸性カチオン交換樹脂であり、ゲル型、ポーラス型、ハイポーラス型のものいずれのものも用いられるが、ゲル型のものが好ましい。強酸性カチオン交換樹脂は水素型として使用される。
このような強酸性カチオン交換樹脂としては、例えば、三菱化学株式会社から市販されている商品名ダイヤイオン(ダイヤイオンは三菱化学株式会社の登録商標)PK208、PK212、PK216、PK220等のポーラス型のもの、商品名ダイヤイオンSK1B、SK104、SK110、SKT10、SKT20L等のゲル型のもの等、あるいはオルガノ株式会社から市販されている商品名アンバーライト(アンバーライトは米国Rohm & Haas社の登録商標)IR118H、IR120120BHAG(ゲル型)等がある。
また、アニオン性不純物を除去するためのアニオン交換樹脂は、通常ジビニルベンゼンとスチレンとの共重合体を基材とし、四級アンモニウム基を交換基とする強塩基性アニオン交換樹脂であり、ゲル型、ポーラス型のものいずれのものも用いられる。強塩基性アニオン交換樹脂は、イオン交換性および過酸化水素水の発泡を抑止しつつ安定したイオン交換を行うためには、重炭酸塩型、炭酸塩型として使用されることが好ましく、特に重炭酸塩型であることが望ましい。
このような強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、三菱化学株式会社から市販されている商品名ダイヤイオン(ダイヤイオンは三菱化学株式会社の登録商標)AS10A、SA11A、SA12A、NSA100、PA308、PA312、PA316等のI型のもの、商品名ダイヤイオンSA20A、SA21A、PA408、PA412、PA418等のII型のもの等、あるいはオルガノ株式会社から市販されている商品名アンバーライト(アンバーライトは米国Rohm & Haas社の登録商標)IRA400OHAG、IRA402BLOHAG(I型)、IRA410OHAG(II型)等がある。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4
図1に示したと同様のフローにより、原料過酸化水素水(35重量%)を、逆浸透膜に通液して1次精製し、次いで、前段用と後段用に連設した混床型イオン交換樹脂装置を用い、1次精製過酸化水素水を前段の混床型イオン交換樹脂装置に引き続き後段の混床型イオン交換樹脂装置に通液させた。
前段の混床型イオン交換樹脂装置として、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とをイオン交換容量比1:1で混合した混床型イオン交換樹脂装置を用い、後段の混床型イオン交換樹脂装置として、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とを、表1に示すイオン交換容量比で混合した混床型イオン交換樹脂装置を用いた。
前記1次精製過酸化水素水を、前段の混床型イオン交換樹脂装置に通液したのち、次いで、後段の混床型イオン交換樹脂装置に通液して精製を行い、Na+濃度が2ppt未満で、硫酸イオン(SO4 2-)濃度が3ppb未満の超高純度の精製過酸化水素水を得た。結果を表1に示す。
なお、前記の逆浸透膜に通液した後の、本発明の混床型イオン交換樹脂装置に通液させる前の1次精製過酸化水素水中のNa+濃度は100ppb〜1ppmであった。また前記の前段の混床型イオン交換樹脂装置に通液した2次精製過酸化水素水中のNa+濃度は5〜10pptであり、硫酸イオン濃度は1ppb未満であった。
混床型イオン交換樹脂装置に使用した強酸性カチオン交換樹脂は、三菱化学株式会社製 ダイヤイオンSKT−20Lを用い、強塩基性アニオン交換樹脂は、三菱化学株式会社製 ダイヤイオンPA−316LCTを用いた。
精製過酸化水素水中の金属不純物(Na+)濃度は、IPC−MS法(横河アナリティカル株式会社製 Agilent 7500)により分析し、硫酸イオン(SO4 2-)濃度はイオンクロマトグラフ法(日本ダイオネクス株式会社製 DX-500)により分析した。分析測定は全てクリーンムールで行った。
比較例1、2
表1に比較例1として強塩基性アニオン交換樹脂/強酸性カチオン交換樹脂がイオン交換容量比で0.05/1の場合、比較例2として強塩基性アニオン交換樹脂/強酸性カチオン交換樹脂がイオン交換容量比で0.5/1の場合におけるそれぞれの精製過酸化水素水中のNa+濃度と硫酸イオン濃度を示す。その他の条件は実施例と同一であった。
(表1)
Figure 2007254168
(*1)後段混床型イオン交換樹脂装置における強酸性アニオン交換樹脂/強塩基性カチオン交換樹脂混合比(イオン交換容量比)
以上の実施例から明らかなように、混床型イオン交換樹脂装置を前段用と後段用に複数連設し、後段の混床型イオン交換樹脂装置として、強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン交換樹脂とを、イオン交換容量比で強酸性カチオン交換樹脂1に対して、強塩基性アニオン交換樹脂0.1〜0.3混合した混床型イオン交換樹脂装置を用い、前段の混床型イオン交換樹脂装置に通液させた後、次いで後段の混床型イオン交換樹脂装置に通液させる本発明の精製法によれば、Na+濃度を2ppt未満、硫酸イオンなどのアニオンイオン濃度を3ppb未満に超高純度に精製することができる。
混床型イオン交換装置におけるカチオン交換樹脂に対するアニオン交換樹脂の混合比と精製過酸化水素水中のNa+濃度と硫酸イオン(SO4 2-)濃度との関係を示す。 本発明の精製フローの概略図を示す。
符号の説明
10 逆浸透膜
11 前段混床型イオン交換樹脂装置
12 後段混床型イオン交換樹脂装置
20 循環タンク
30 熱交換器

Claims (4)

  1. イオン交換樹脂を用いて過酸化水素水を精製するに際して、少なくとも前段用と後段用の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置が連設された混床型イオン交換樹脂からなる精製装置を用いて、被精製過酸化水素水を前段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液し、次いで後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置に通液して精製する方法であり、後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合比が、イオン交換容量比でカチオン交換樹脂1に対して、アニオン交換樹脂が0.1〜0.3であることを特徴とする過酸化水素水の精製方法。
  2. 前記前段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂との混合比が、イオン交換容量比でカチオン交換樹脂1に対して、アニオン交換樹脂が0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素水の精製方法。
  3. 前記後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるアニオン交換樹脂として、重炭酸塩基型の強塩基性アニオン交換樹脂を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の過酸化水素水の精製方法。
  4. 前記後段の混床型イオン交換樹脂からなる精製装置におけるカチオン交換樹脂として、水素型の強酸性カチオン交換樹脂を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の過酸化水素水の精製方法。
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