JP2007254106A - 給紙装置およびこれを備える画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重送などの搬送不良を防止できる給紙装置を提供すること。
【解決手段】給紙装置2は、用紙層PSの先端PSa側を持ち上げるためのリフト板16と、リフト板16によって持ち上げられた用紙層PSの第1枚目の用紙P1を吸引し、かつ、第1枚目の用紙P1とその下側にある第2枚目の用紙P2との間に送風してこれら2枚の用紙P1,P2を分離するためのファン14と、を有している。用紙層PSの先端PSa側をリフト板16で持ち上げることにより、第1枚目の用紙P1の先端が第2枚目の用紙P2の先端よりも後端側にずれる。このずれた箇所から2枚の用紙P1,P2間に送風して、2枚の用紙P1,P2を確実に分離する。
【選択図】図2

Description

この発明は、給紙装置およびこれを備える画像形成装置に関する。
給紙カセットのトレイに積層された複数枚の用紙層のうち、最上位置にある用紙をファンで吸引して給紙する給紙装置が知られている(たとえば、特許文献1,2参照)。給紙装置は、一対のローラと、一対のローラに張架されたベルトと、用紙層の最上位置にある用紙を吸引してベルトに吸着させるファンとを有している。また、最上位置の用紙とその下にある用紙との間には、用紙層の先端側から空気流が吹き付けられるようになっている。この空気流が、最上位置にある用紙とその下にある用紙との間に入って、これら2枚の用紙を分離する。
特開昭62−111844号公報 特開平11−193138号公報
特許文献2では、トレイの後端側を支点とし、この支点回りにトレイを揺動可能にしている。これにより、トレイ上の用紙層の先端側部分を揺動させるようになっている。用紙層を揺動しつつ、用紙層の先端側に空気流を吹き付けることで、用紙層の積層方向における上位の数枚の用紙間に空気流が入り込み易くなるようにして、分離性を高めている。
しかしながら、この場合、用紙層が下向きになったときに、最上位置の用紙の上方から空気流が吹き付けられてしまう。その結果、用紙層の積層方向における上位の用紙同士が互いに密着し、これらの用紙がそのまま一緒にベルトに吸い寄せられてしまうおそれがある。複数の用紙が一緒にベルトに吸い寄せられると、重送などの搬送不良を起こしてしまう。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、搬送不良を防止することのできる給紙装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、積層された複数枚の用紙層(PS)の先端(PSa)側を持ち上げるための昇降部材(16)と、昇降部材(16)によって持ち上げられた用紙層(PS)先端(PSa)側の最上位置にある第1枚目の用紙(P1)を吸引するための吸引手段(14)と、第1枚目の用紙(P1)と当該第1枚目の用紙(P1)の下側にある第2枚目の用紙(P2)との間に送風して第1枚目の用紙(P1)と第2枚目の用紙(P2)とを分離するための送風手段(14)と、を有していることを特徴とする給紙装置(2)である。
である。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素などを表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、用紙層の先端側を昇降部材で持ち上げることにより、用紙層の上位にある用紙ほど、用紙層の後端側へずれる。これにより、第1枚目の用紙と第2枚目の用紙との密着力が弱まる。また、第1枚目の用紙の先端が第2枚目の用紙の先端よりも後端側にずれるので、このずれた箇所から第1枚目の用紙と第2枚目の用紙との間に送風することができる。これにより、第1枚目の用紙と第2枚目の用紙との間に確実に送風でき、これら2枚の用紙を確実に分離することができる。複数の用紙が重なった状態で搬送される重送などの搬送不良を防止できる。
請求項2記載の発明は、上記用紙層(PS)の後端縁を受け止める受け部(19)を有し、当該受け部(19)は用紙層(PS)の積層方向に、上方が用紙層(PS)から離れる方向へ傾斜していることを特徴とする請求項1記載の給紙装置(2)である。
この構成によれば、第1枚目の用紙の後端縁は、第2枚目の用紙の後端縁よりも後方において、受け部に受けられる。したがって、用紙層の先端側を昇降部材で持ち上げた際に、第1枚目の用紙の先端を、第2枚目の用紙の先端に対してより後端側にずらすことができる。第1枚目の用紙と第2枚目の用紙との間により確実に送風できる。
請求項3記載の発明は、上記昇降部材(16)は、用紙層(PS)の先端縁から一定量(B)後方寄りの位置から用紙層(PS)を支え、用紙層(PS)を持ち上げたときに、用紙層(PS)の先端縁が垂れ下がるようにしていることを特徴とする請求項1または2記載の給紙装置(2)である。この構成によれば、用紙層の先端側を昇降部材で持ち上げた際に、第1枚目の用紙の先端と第2枚目の用紙の先端との間に、隙間を設けることができる。これにより、第1枚目の用紙と第2枚目の用紙との間により確実に送風できる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の給紙装置(2)と、給紙装置(2)から給紙された用紙(P)に画像を形成する画像形成部(3)と、を備えていることを特徴とする画像形成装置(1)である。この構成によれば、用紙の搬送不良による紙詰まりを確実に防止することのできる画像形成装置を実現できる。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態にかかる給紙装置を備える画像形成装置としてのプリンタの要部の概略構成を示す図解的な縦断面図である。なお、この発明は、プリンタに限らず、複写機やファクシミリなどの他の画像形成装置に適用することができる。
図1を参照して、プリンタ1は、画像データに基づくトナー画像を用紙P(記録材)に形成するためのものであり、積層された複数枚の用紙層PSの最上位置にある第1枚目の用紙P1を1枚ずつ吸引して搬送するための給紙装置2と、給紙装置2から給紙された第1枚目の用紙P1(用紙P)に画像を形成する画像形成部3とを備えている。
画像形成部3は、一対の送りローラ4,5と、感光体ドラム6(像担持体)と、定着装置7とを備えている。
画像形成動作は、以下のようにして行われる。すなわち、画像形成動作を指示する旨の信号がプリンタ1に与えられると、用紙Pが給紙装置2からガイド板8を介して一対の送りローラ4,5に搬送される。一対の送りローラ4,5に送られた用紙Pは、さらに感光体ドラム6に向けて搬送される。
感光体ドラム6には、画像データに基づくトナー画像が形成されるようになっている。このトナー像は、感光体ドラム6から用紙Pに転写される。トナー像が転写された用紙Pは、定着装置7で加熱および加圧されてトナー像が定着される。定着装置7を通過した用紙Pは、機外へ排出される。
この実施形態の特徴の1つは、給紙装置2において、搬送不良が生じることを防止するための構成が備えられている点にある。
具体的には、給紙装置2は、給紙カセット9と、給紙カセット9内に設けられた昇降装置10と、昇降装置10の上方に配置された一対のローラ11,12と、これら一対のローラ11,12に張架されたベルト13と、ベルト13の内径側に配置されたファン14(吸引手段。送風手段。)およびダクト15と、を有している。
給紙カセット9は、上方が開放された箱型形状をしており、用紙層PSを収容するようになっている。
昇降装置10は、リフト板16(昇降部材)と、リフト板16を上下に変位させるためのアーム部材17とを含んでいる。
リフト板16は、用紙層PSの先端PSa側が載置され、当該用紙層PSの先端PSa側を上下に持ち上げて変位させるためのものである。リフト板16は、用紙Pの搬送方向Dにおける給紙カセット9の先端側に配置されている。リフト板16の上面は、略水平である。
ここで、用紙層PSの先端PSa側とは、搬送方向D(用紙層PSの前後方向)における用紙層PSの先端縁から所定の位置Aまでの部分をいう。この実施形態において、上記所定の位置Aは、用紙層PSの先端縁を起点として、搬送方向Dにおける用紙層PSの長さの約1/3まで進んだ位置である。なお、上記所定の位置Aは、用紙層PSの先端縁を起点として、搬送方向Dにおける用紙層PSの長さの約1/2まで進んだ位置であってもよいし、それより用紙層PSの先端縁に近い位置であってもよい。
用紙層PSのうち、先端PSa側の後方にある部分(後端PSb側)は、給紙カセット9の底面9a上に載置されている。
リフト板16は、用紙層PSの先端縁から一定量Bだけ後方寄りの位置から、用紙層PSを支えている。これにより、用紙層PSの先端縁が垂れ下がっている。用紙層PSを持ち上げたときにおいても、用紙層PSの先端縁はより垂れ下がったままとなる。
アーム部材17は、その基端に支軸17aが取り付けられており、その先端がリフト板16を支えている。支軸17aは、図示しないモータによって回動されるようになっている。アーム部材17が支軸17a回りに回動することにより、アーム部材17の先端の位置が上下に変化し、リフト板16が上下に変位する。図1において、降下した状態のリフト板16を示している。
搬送方向Dにおける給紙カセット9の後端部には、用紙層PSの後端縁を受け止めるためのガイド部材18が設けられている。このガイド部材18は、給紙カセット9の底面9aに立設されており、用紙層PSと対向する一側面に、用紙層PSの後端縁を受け止める受け部19が設けられている。
受け部19は、用紙層PSの積層方向(上下方向)に、上方が用紙層PSから離れる方向(搬送方向Dの後端側)へ傾斜している。これにより、リフト板16に載置された用紙層PSは、リフト板16の上昇に伴い、上方の用紙Pほど、後端側にずれて受け部19に受けられる。
一対のローラ11,12は、用紙Pの搬送方向Dに沿って配列されている。一方のローラ11は、モータ(図示せず)により回転駆動されるようになっている。なお、他方のローラ12は、この実施形態では従動ローラになっているが、他方のローラ12をモータにより回転駆動される駆動ローラとし、一方のローラ11を従動ローラとしてもよい。あるいは、各ローラ11,12が共にモータにより回転駆動されるようにしてもよい。
一方のローラ11は、用紙層PSの先端PSaに対して搬送方向Dの後方に配置されており、他方のローラ12は、用紙層PSの先端PSaに対して搬送方向Dの前方に配置されている。これら一対のローラ11,12は、互いに平行である。
ベルト13は、用紙Pを搬送方向Dに沿って搬送するためのものであり、合成樹脂などを用いて無端状に形成されている。このベルト13は、一対のローラ11,12に張架されており、これら一対のローラ11,12と回転接触して駆動される。
ベルト13の上方周面13aおよび下方周面13bのそれぞれが、用紙Pの搬送方向Dに延びている。ベルト13の下方周面13bは、用紙層PSの最上位置にある第1枚目の用紙P1の先端側と対向している。
ファン14は、第1枚目の用紙P1を下方から上方へと移動させてベルト13の下方周面13bに吸引するためのものであり、ベルト13の下方周面13bを通して、下方から上方へと空気を移動させる。このファン14として、軸流ファンを例示することができる。
ファン14の吸気側の開口部14aは、用紙層PSの先端PSa側の一部と対向しており、第1枚目の用紙P1を、ベルト13を介して吸引するようになっている。ファン14によって吸引された用紙P1は、ベルト13の下方周面13bに吸着される。
ファン14の開口部14aは、ファン14の側面側からも空気を導入できるようになっている。これにより、用紙P1がベルト13に吸着されたときにおいて、用紙P1によって開口部14aが塞がれることを防止し、用紙P1を吸引するための負圧状態を維持することができる。
ダクト15は、ファン14からの排気を用紙層PSの先端PSa側に導くためのものであり、ファン14の排気側の開口部14bと連通している。ダクト15の排気口15aは、ベルト13を介して用紙層PSの先端PSaと対向しており、ファン14からの排気を、用紙層PSの第1枚目の用紙P1の先端とその下にある第2枚目の用紙P2の先端との間に送風する。これにより、第1枚目の用紙P1と第2枚目の用紙P2とを分離する。
以上の概略構成を有する給紙装置2において、給紙動作は以下のようにして行われる。すなわち、給紙動作が行われていない待機状態において、リフト板16は、図2に示す所定の位置まで上昇して、用紙層PSの先端PSa側を持ち上げ、第1枚目の用紙P1をベルト13に近接させる。
これにより、第1枚目の用紙P1がその下側にある第2枚目の用紙P2に対して、後端側にずらされる。第1枚目の用紙P1の先端は、第2枚目の用紙P2の先端に対して後端側へずれる。このとき、用紙層PSの後端縁は、受け部19に受けられる。
この待機状態から、画像形成動作を行う旨の信号がプリンタ1に入力されると、ファン14の駆動が開始される。これにより、矢印C1,C2で示すように、開口部14aから開口部14bを通って排気口15aへ流れる空気流が発生する。この空気流により、第1枚目の用紙P1が、図3に示すように吸い上げられて、当該第1枚目の用紙P1の先端側が、ベルト13の下方周面13bに吸着される。
ファン14の吸気によって第1枚目の用紙P1が吸引される際、排気口15aからはファン14の排気が吹き付けられる。この排気は、第1枚目の用紙P1の先端と第2枚目の用紙P2の先端との間からこれら2枚の用紙P1,P2間に入り込み、当該2枚の用紙P1,P2が互いに分離される。
第1枚目の用紙P1は、第2枚目の用紙P2と分離されてベルト13に吸着された後、ベルト13の回転駆動によって搬送方向Dに搬送される。搬送方向Dに搬送された用紙P1は、先端が一対の送りローラ4,5に挟まれると、図示しないセンサがその旨を検知する。これにより、ファン14の駆動が停止される。
なお、複数枚の用紙を連続して給紙する場合は、用紙P1の後端が一対の送りローラ4,5を通過したことを上記センサで検知したことに基づいて、ファン14を再度駆動し、上記と同様の給紙動作を繰り返す。
以上説明したように、この実施形態によれば、以下の作用効果を発揮することができる。すなわち、用紙層PSの先端PSa側をリフト板16で持ち上げることにより、用紙層PSの上位にある用紙ほど、用紙層PSの後端側へずれる。これにより、第1枚目の用紙P1と第2枚目の用紙P2との密着力が弱まる。
また、第1枚目の用紙P1の先端が第2枚目の用紙P2の先端よりも後端側にずれるので、このずれた箇所からこれら2枚の用紙P1,P2の間に送風することができる。第1枚目の用紙P1と第2枚目の用紙P2との間に確実に送風でき、これら2枚の用紙P1,P2を確実に分離することができる。複数の用紙が重なった状態で搬送される重送などの搬送不良を防止できる。
さらに、第1枚目の用紙P1の後端縁は、第2枚目の用紙P2の後端縁よりも後方において、受け部19に受けられる。したがって、用紙層PSの先端PSa側をリフト板16で持ち上げた際に、第1枚目の用紙P1の先端を、第2枚目の用紙P2の先端に対してより後端側にずらすことができる。第1枚目の用紙P1と第2枚目の用紙P2との間により確実に送風できる。
また、リフト板16は、用紙層PSの先端縁から一定量Bだけ後方寄りの位置から用紙層PSを支えており、用紙層PSを持ち上げたときに、用紙層PSの先端縁が垂れ下がるようにしている。これにより、用紙層PSの先端PSa側をリフト板16で持ち上げた際に、第1枚目の用紙P1の先端と第2枚目の用紙P2の先端との間に、隙間を設けることができる。これにより、これらの2枚の用紙P1,P2の間により確実に送風できる。
さらに、用紙層PSの先端縁を垂らすことなどにより、第1枚目の用紙P1の先端と第2枚目の用紙P2の先端との間に隙間が設けられているので、少ない風量で両用紙P1,P2間に確実に送風でき、ファン14を小型なものにできる。ファン14の低騒音化、コストダウンを実現できる。
このようにして、用紙Pの搬送不良による紙詰まりを確実に防止することのできるプリンタ1を実現できる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、用紙の吸引を行うファンと用紙の分離を行うファンとを別々に設けてもよい。
また、リフト板16の上面は水平に限るものではなく、用紙後端PSb方向に下がって傾斜した構成であってもよい。この場合も、リフト板16は上下(垂直)に移動して、ベルト13との位置合わせを行うが、リフト板16が上昇するとき、用紙Pがよりずれ易くなる。また、用紙Pがベルト13に対して傾くこととなり、第1枚目の用紙P1の吸引を吸引するのに好ましい。
この発明の一実施形態にかかる給紙装置を備える画像形成装置としてのプリンタの要部の概略構成を示す図解的な縦断面図である。 給紙動作について説明するための図である。 給紙動作について説明するための図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像形成装置)
2 給紙装置
3 画像形成部
14 ファン(吸引手段。送風手段。)
16 リフト板(昇降部材)
19 受け部
B 一定量
P 用紙
P1 第1枚目の用紙
P2 第2枚目の用紙
PS 用紙層
PSa (用紙層の)先端

Claims (4)

  1. 積層された複数枚の用紙層の先端側を持ち上げるための昇降部材と、
    昇降部材によって持ち上げられた用紙層先端側の最上位置にある第1枚目の用紙を吸引するための吸引手段と、
    第1枚目の用紙と当該第1枚目の用紙の下側にある第2枚目の用紙との間に送風して第1枚目の用紙と第2枚目の用紙とを分離するための送風手段と、
    を有していることを特徴とする給紙装置。
  2. 上記用紙層の後端縁を受け止める受け部を有し、当該受け部は用紙層の積層方向に、上方が用紙層から離れる方向へ傾斜していることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 上記昇降部材は、用紙層の先端縁から一定量後方寄りの位置から用紙層を支え、用紙層を持ち上げたときに、用紙層の先端縁が垂れ下がるようにしていることを特徴とする請求項1または2記載の給紙装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の給紙装置と、
    給紙装置から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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