JP2007253236A - ろう付け／溶接マニピュレータおよびノズルの操作方法 - Google Patents

Abstract

【課題】ガスタービンまたは蒸気タービンのノズル部分を支持し操作するためのマニピュレータアセンブリを提供する。
【解決手段】アセンブリは、垂直支持部材２０と水平支持部材２２とを含む。垂直支持部材は、基部に対して選択的に垂直変位を行うために取り付けられており、水平支持部材は、その近位端で前記垂直支持部材に動作可能に連結されて、該垂直支持部材に対して垂直方向に変位し、前記垂直支持部材の垂直軸Ａの周囲を旋回可能Ｂになっている。ノズル部分固定具１４は、前記水平支持部材の遠位端に動作可能に連結されて、それに対してノズル部分を選択的に支持し操作する。
【選択図】 図１

Description

本発明はタービンの修理技術に関し、より詳細には、ろう付けおよび溶接の際にタービンのノズルアセンブリを操作するためのマニピュレータに関する。

通常、最大で９１ｋｇ（２００ポンド）の重さがあるノズルは、手動では作業台の上で安全に操作することができない。さらに、ノズルアセンブリを動かそうとすると、部品を損傷し、操作者を負傷させてしまう可能性がある。

本発明の例示的実施形態にしたがって、例えばガスタービンまたは蒸気タービンのノズル部分を支持し、該ノズル部分を垂直方向および水平方向に動かし、適切な位置に回転させた後、溶接またはろう付けの際の静止状態を保たせるマニピュレータが提供される。

したがって、本発明は、ノズル部分を支持し操作するためのマニピュレータアセンブリであって、基部に対して選択的に垂直変位を行うために取り付けられている垂直支持部材と、その近位端で前記垂直支持部材に動作可能に連結されて、該垂直支持部材に対して垂直方向に変位し、かつ前記垂直支持部材の垂直軸の周囲を旋回可能になっている水平支持部材とを含むマニピュレータと、前記水平支持部材の遠位端に動作可能に連結され、ノズル部分と選択的に係合するための連結要素をノズル部分の第１および第２の半径方向端部それぞれに相補的に有するノズル部分固定具とを有するマニピュレータアセンブリにおいて具現化することができる。

本発明は、ろう付け、溶接および／または点検の際にノズル部分を操作する方法であって、基部に対して選択的に垂直変位を行うために取り付けられている垂直支持部材と、その近位端で前記垂直支持部材に動作可能に連結されて、該垂直支持部材に対して垂直方向に変位し、前記垂直支持部材の垂直軸の周囲を旋回可能になっている水平支持部材と、前記水平支持部材の遠位端に動作可能に連結されたノズル部分固定具とを設けるステップと、ノズル部分をその各長手方向端部で前記ノズル部分固定具に連結するステップと、選択的に（ａ）前記垂直支持部材を垂直方向に変位させるステップおよび（ｂ）前記水平支持部材を前記垂直支持部材の垂直軸の周囲で旋回させて、前記ノズル部分固定具を作業表面に対して垂直方向および水平方向に選択的に変位させるステップの少なくとも１つとを有する方法においても具現化することができる。

本発明のこれらおよびその他の目的および利点は、以下の本発明の現時点で好適な例示的実施形態のより詳細な説明を、添付の図面と併せて注意深く検討することによって、より完全に理解され、高く評価されるであろう。

図１〜図１１は、本発明の実施形態にしたがって、ノズルマニピュレータアセンブリと関連部品の非限定的例を示している。溶接、ろう付けまたは他の点検や修理の際に、ノズル部分を支持し移動させるためのマニピュレータアセンブリ１０が、図１および図２に概略的に示されている。そこに示されるように、本発明の一例示的実施形態では、マニピュレータアセンブリはマニピュレータ１２とノズル部分支持固定具１４とを含んでいる。マニピュレータは、ノズル固定具１４で支持されたノズル部分１６が矢印Ｖで示されるような垂直方向および作業台１８などの上を水平方向に移動可能となるように配置されている。図示の例示的実施形態では、垂直部分２０と、該垂直部分２０に対して旋回可能に取り付けられている（Ｂ）水平部分２２とを含むマニピュレータ１２を設けることによって、水平移動が達成される。本実施形態では、ノズル部分固定具取付台２４も同様に、水平部分２２の遠位端２６に旋回可能に取り付けられている（Ｄ）。したがって、矢印Ｂおよび矢印Ｄで示されるように、軸Ａおよび軸Ｃの周囲で同時に起こる旋回移動によって、水平面内でノズル部分固定具１４が移動する一方、操作者Ｘに対するノズル部分１６の方向性が維持されることになる。

図示の実施形態におけるマニピュレータ１２の垂直部分２０は、支柱・基部組立体２８と、油圧シリンダ３２の作動にしたがって支柱沿いに上方または下方に選択的に変位する支持管３０とからなる。

上述したように、水平部分２２は垂直部分２０の軸Ａの周囲を旋回するように取り付けられている。このために、図示の例示的実施形態では、水平部分２２は支持管３０上に位置するスリーブ３６上に回転可能に配置される略円筒形容器３４を含んでおり、支持管３０が油圧シリンダ３２によって昇降（Ｖ）されると、水平部分２２の近位端３８も同様に昇降されるようになっている。上述したように、固定具取付台２４は水平部分の遠位端で軸Ｃの周囲を旋回するように取り付けられている。このために、図示の例示的実施形態では、水平部分２２の遠位端２６は、ノズル部分固定具の取付アセンブリが旋回可能に取り付けられる垂直配向スリーブ４０を、図２および図４に概略的に示される円筒形バンド４２，４４と共に含んでいる。

図示の例示的実施形態では、軸Ｃの周囲でのノズル部分固定具１４および取付台２４の移動と、軸Ａの周囲での水平部分２２の移動は、手動で実行される。さらに、一例示的実施形態では、回転軸は、荷重制御を行いながら円錐ころ軸受上に支持されて、手動による移動の容易さを調節する。好都合なことに、回転軸はまた、各軸を単独で固定するためにロック（詳細には図示せず）を有している。しかしながら、水平部分２２の旋回移動および／または固定具取付台２４の旋回移動は、本発明から逸脱することなく自動化することができることを理解されたい。さらにまた、水平部分２２は固定長であるとして概略的に示されているが、当業者には、水平アームが、例えば軸に沿って水平アームを選択的に伸長または収縮させる伸縮管から形成されうることが理解されるであろう。水平アームの伸長は、適当な油圧シリンダまたは当該技術分野で周知のその他の駆動機構の導入によって自動化することができる。

上述のように、マニピュレータ１２および固定具１４は、例えば２００ポンドを超える重さのノズル部分１６を支持し操作するようになっている。したがって、図示の例示的実施形態では、固定具１４は、水平部分２２に対するノズル部分の片持ち支持による曲げ荷重に耐えるための固定支柱として構成される。さらにまた、本発明の一例示的実施形態では、１つ以上のノズル部分固定具１４，１１４が、選択的にマニピュレータ１２に取り付けられて、異なるサイズ／長さのノズル部分を収容するように提供されてもよい。図示の実施形態におけるノズル部分固定具１４，１１４は、通常、固定具取付台２４に取り付けられた基部５０，１５０と、基部から水平方向に延在し、ノズル部分の各半径方向端部に固着されている第１および第２のアーム５２，５４；１５２，１５４とを有するＵ字形状である。

ノズルをそれぞれノズル固定具に固着するために、ノズル専用である交換可能工具すなわちイヤー５６，５８；１５６，１５８が、固定具の各アームに選択的に固着されるように提供される。したがって、交換可能工具５６，５８；１５６，１５８は、ノズル部分構成特有のものであり、固定具１４，１１４はそれぞれ、概して同様のサイズ／長さである種々のノズルを受け入れるように構成されている。交換可能工具は、工具に固着されたノズル部分が固定具アームに対して選択的に回転可能（Ｎ）となるように、固定具アームに取り付けられる。上述のように、マニピュレータ構造に関しては、好都合なことに、ノズルを回転させるための軸受構造が、被支持部分の自由回転を防止するように設計されており、そのため、ノズル部分の回転を実行するためには手動での作業が必要となる。その結果、ノズル部分が特定方向に固定されることによって、意図しない回転が防止される。さらにまた、この場合はノズル部分の回転である、選択的な電動移動は、固定具アームに対してノズル専用工具を選択的に回転させるための適当な駆動機構を設けることによって、調整することができる。

図示の例示的実施形態において、その上でノズル部分１６が固定具１４，１１４によって懸垂されている作業台１８は、通常はその中に格子（図示せず）を有し、それを通して空気が下方に吸い込まれて、ろう付け利用の際の塵粒や溶媒煙霧などを除去することになる開口または切り欠き１９を有する下向通気テーブルである。

さらなる自由度を得るために、固定具取付具２４は、旋回軸Ｃに対して垂直な軸（Ｅ）の周囲で固定具１４，１１４の選択的な回転（Ｆ）が行われるように、水平部分に対して回転可能に配置されてもよい。これにより、必要とみなされる場合、すなわち溶接、ろう付けまたは検査を容易にすることが望まれる場合、ノズル部分を選択的に、水平部分に対してある角度で傾斜させることができる。水平軸Ｅの周囲での回転Ｆもまた、選択的に固定具へのノズルの取付を容易にする。さらにまた、選択的に手動回転を防止するロック機構を伴った手動回転が提案されているが、電動回転がその代わりとなる。

本発明の一例示的実施形態では、フットペダルを使用して油圧シリンダ３２を制御し、マニピュレータ１２の水平部分２２の昇降を行う。別の例では、例えば、選択的に押下することによって、それに対応して油圧シリンダ３２の制御を行う上昇ボタンと下降ボタンなどを備えた、２ボタン式制御装置が使用される。

本発明は、現時点で最も実用的かつ好適だと考えられる実施形態に関して説明されてきたが、本発明は開示の実施形態に限定されるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれる種々の変形態様および同等の構成を網羅するよう意図されることを理解されたい。

本発明の例示的実施形態にしたがった、作業台上でノズル部分を支持するノズルマニピュレータアセンブリの概略平面図である。 図１のマニピュレータアセンブリの側面図である。 明確にするためにノズル部分支持固定具を省略した、本発明を具現化するマニピュレータの正面図である。 図３の線４−４に沿った図である。 明確にするためにノズル専用工具を省略した、本発明の一例示的実施形態にしたがったノズル部分支持固定具の平面図である。 図５の固定具の背面図である。 明確にするために工具を省略した図５の固定具の、後方および上方からの斜視図である。 ノズル専用工具の例などの、別のノズル部分支持固定具の平面図である。 図８の固定具および工具の背面図である。 図９の固定具および工具の側面図である。 図１０の線１１−１１に沿った図である。

符号の説明

１０ マニピュレータアセンブリ
１２ マニピュレータ
１４，１１４ ノズル部分支持固定具
１６ ノズル部分
１８ 作業台
１９ 開口または切り欠き
２０ 垂直部分
２２ 水平部分
２４ ノズル部分
２６ 遠位端
２８ 支柱・基部組立体
３０ 支持管
３２ 油圧シリンダ
３４ 容器
３６ スリーブ
３８ 近位端
４０ スリーブ
４２，４４ 円筒形バンド
５０，１５０ 基部
５２，５４；１５４，１５４ 第１および第２のアーム
５６，５８；１５６，１５８ 交換可能工具すなわちイヤー
Ｎ 回転
Ｖ 垂直変位
Ｂ 軸Ａ周囲の旋回移動
Ｄ 軸Ｃ周囲の旋回移動
Ｆ 軸Ｅ周囲の回転
Ｘ 操作者

Claims (10)

1. ノズル部分（１６）を支持し操作するためのマニピュレータアセンブリ（１０）であって、
   基部（２８）に対して選択的に垂直変位（Ｖ）を行うために取り付けられている垂直支持部材（２０）と、その近位端（３８）で前記垂直支持部材に動作可能に連結されて、該垂直支持部材に対して垂直方向に変位し、かつ前記垂直支持部材の垂直軸（Ａ）の周囲を旋回可能（Ｂ）になっている水平支持部材（２２）とを含むマニピュレータと、
   前記水平支持部材の遠位端（２６）に動作可能に連結され、ノズル部分と選択的に係合するための連結要素（５６，５８；１５６，１５８）をノズル部分（１６）の第１および第２の半径方向端部それぞれに相補的に有するノズル部分固定具（１４，１１４）と
   を有する、マニピュレータアセンブリ。
2. 前記固定具は、基部（５０，１５０）と、該基部から突出し、前記連結要素が取り付けられている第１および第２のアーム（５２，５４；１５２，１５４）とを有する、請求項１に記載のマニピュレータアセンブリ。
3. 前記連結要素は、前記固定具の前記アームに対して選択的に回転可能（Ｎ）であるように、該連結要素に固着されたノズル部分（１６）が前記固定具（１４，１１４）に対して回転することができる、請求項１に記載のマニピュレータアセンブリ。
4. 前記固定具は、前記水平支持部材に対して旋回可能となるように、該水平支持部材の前記遠位端に動作可能に連結される、請求項１に記載のマニピュレータアセンブリ。
5. 前記固定具は、前記水平支持部材に対して前記垂直軸に実質的に平行な旋回軸（Ｃ）の周囲で旋回可能（Ｄ）である、請求項４に記載のマニピュレータアセンブリ。
6. 固定具取付台（２４）が前記固定具と前記水平支持部材の間に置かれるとともに、前記固定具取付台が前記水平支持部材に対して前記垂直軸に実質的に平行な旋回軸（Ｃ）の周囲で旋回可能（Ｄ）である、請求項１に記載のマニピュレータアセンブリ。
7. 前記固定具取付台は、一方の端部が前記固定具（１４，１１４）に固定され、他方の端部が前記水平支持部材（２２）に旋回可能に連結されており、また、前記固定具取付台は、前記各端部の間を回転可能であるように、前記固定具が前記旋回軸（Ｃ）に対して通常は垂直な軸（Ｅ）の周囲を回転（Ｆ）することができる、請求項６に記載のマニピュレータアセンブリ。
8. ろう付け、溶接および／または点検の際にノズル部分を操作する方法であって、
   基部（２８）に対して選択的に垂直変位（Ｖ）を行うために取り付けられている垂直支持部材（２０）と、その近位端（３８）で前記垂直支持部材（２０）に動作可能に連結されて、該垂直支持部材に対して垂直方向に変位し、前記垂直支持部材の垂直軸（Ａ）の周囲を旋回可能（Ｂ）になっている水平支持部材（２２）と、前記水平支持部材の遠位端（２６）に動作可能に連結されたノズル部分固定具（１４，１１４）とを設けるステップと、
   ノズル部分（１６）をその各長手方向端部で前記ノズル部分固定具（１４，１１４）に連結するステップと、
   選択的に（ａ）前記垂直支持部材を垂直方向に変位（Ｖ）させるステップおよび（ｂ）前記水平支持部材を前記垂直支持部材の垂直軸の周囲を旋回（Ｂ）させて、前記ノズル部分固定具を作業表面に対して垂直方向および水平方向に選択的に変位させるステップの少なくとも１つとを有する、方法。
9. 前記ノズル部分固定具は、基部（５０，１５０）と、第１および第２のアーム（５２，５４；１５２，１５４）と、ノズル部分と選択的に係合するための前記ノズル部分と相補的な連結要素（５６，５８；１５６，１５８）とからなり、さらに、前記連結要素を前記ノズル部分固定具の前記アームに対して選択的に回転（Ｎ）させて、そこに固着されたノズル部分を前記ノズル部分固定具に対して回転させることを含む、請求項８に記載の方法。
10. さらに、前記ノズル部分固定具を前記水平支持部材の遠位端（２６）に対して選択的に旋回（Ｄ）させることを含む、請求項８に記載の方法。

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