JP2007252237A - 油性食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、平易な方法にて従来にない良好かつ新規な食感を有し、水和により発泡や吸熱といった機能を発現する可食物を、同添加量でより強い効果を、あるいは同等な効果をより少量の添加量にて発揮される油性食品を開発することを本発明の目的とする。
【解決手段】
本発明は、連続相である油脂と水和により発泡や吸熱といった機能を発現する可食物よりなる油性食品において、可食物を特定の割合になるように含み、油脂を融解した際の食品中の可食物を粗粒にすることで、咀嚼時に良好な口溶けと、発泡や吸熱といった機能を付与した油性食品を平易な方法にて製造できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、油相が連続相である油性食品であり、水和により発泡・吸熱といった機能を発現させる可食物を含み、かつ該機能をより強く官能せしめる効果を有する、良好な口溶けと新規な食感を持つ油性食品に関するものである。
従来、水和によって発泡や吸熱などをする可食物を用いた食品は、非油脂性の他の無水可食物、一例としては糖やスターチなどと混ぜ合わせたり、あるいは単独で、粉末・顆粒状・打錠成型といった無水の系で主に用いられている。
例えば発泡成分である酸味料若しくは炭酸水素ナトリウムのいずれか一方を含有する粉粒状組成物(A)と、(A)と異なる発泡成分を含有する水溶性組成物(B)とを接触させ塊状菓子を形成する組合せ菓子の製造法が考案されている。(特許文献1・特許文献2)
しかしながら、視覚的効果が短期的には得られるが食品自体には既存の水和による発泡菓子の域を超えるものではない。
また、吸湿し易い商品は流通の際の容器気密性の強度や品質管理が向上したとはいえ、その水和の際の機能をより強く容易に保持することができることは重要な機能である。
しかしながら、水和性の高い可食物は一般に吸湿性も高く、気密性の高い包装形態におかないとすぐに水分を吸い、潮解したり、水和によって本来発揮される機能を損なったりしがちである。
このように、水和によって発泡や吸熱などをする可食物単独、あるいは非油脂性の他の無水可食物と混和したもの粉末・顆粒状・打錠成型したものはある程度古典的な機能や形態の域を脱却できず、その機能を十分に生かした製品が市場にはなかった。
一方でチョコレートに代表される油性食品はその素材の性質上、さまざまな他の食品素材と組み合わせて用いられることが多い。
実際に上記水和により発泡や吸熱などをする可食物と油性食品を組み合わせた食品は発明されている。具体的には吸熱量を抑えるため他の糖アルコールと組み合わせたり、(例えば非特許文献1)その冷涼感を生かした夏場の商品を意図したもの(例えば非特許文献2)などがあげられる。
しかしながら、現行の単に甘味料を水和により特異な機能を発現させる可食物に置き換える程度では、多様化する消費者のニーズに答えきれないし、冷涼感のある糖類(例えばキシリトール)はチョコレートの甘味料として適さないとの風潮もある。
さらには、油性食品中に単に分散させた場合、本来口腔中にて水和によって発現する、発泡や吸熱といった機能が油脂に覆われることで低減してしまうといった問題があり、広くは用いられてはいなかった。
よって、水和によって発泡や吸熱などをする可食物と油性食品を組み合わせた食品の範疇でより新規な食感を持ち、且つ、発泡や吸熱といった機能をより強く感じやすくした食品は市場からの強い要望があった。
実開平7−28388号公報 特開2000−14321号公報 崎山淳子 著、「注目される糖質の特性と応用 キシリトールの特性と食品への応用」 月刊フードケミカル 1997年(13巻)6号 23−28頁 北島徹 著 「キシリトールの食品への利用」 New Food Ind. 1997年 (39巻)10号 41−45頁
本発明によって、平易な方法にて従来にない良好かつ新規な食感を有し、水和により発泡や吸熱といった機能を発現する可食物を、同添加量でより強い効果を、あるいは同等な効果をより少量の添加量にて発揮される油性食品を開発することを本発明の目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究をおこなった結果、連続相である油脂と水和により発泡や吸熱といった機能を発現する可食物よりなる油性食品において、可食物を特定の割合になるように含み、油脂を融解した際の食品中の可食物を粗粒にすることで、咀嚼時に良好な口溶けと、発泡や吸熱といった機能を付与した油性食品を平易な方法にて製造できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、(1)としては、連続相である油脂と、水和により発泡および/または吸熱する可食物を含み、油脂を融解した際の食品中の可食物が粗粒である油性食品であり、(2)としては、可食物の粒度が30μm〜1mmである(1)記載の油性食品であり、(3)としては、水和により発泡する可食物が油性食品全体に対して0.5〜30重量%である(1)または(2)記載の油性食品であり、(4)としては、水和により吸熱する可食物が油性食品全体に対して1〜60重量%である(1)または(2)記載の油性食品であり、(5)としては、油分が20〜70重量%である(1)記載の油性食品である。
本発明によって、平易な方法にて、「水和により機能を発現する可食物」を同添加量でより強い効果を、あるいは同等な効果をより少量の添加量にて発揮する油性食品を製造できる利点がある。
以下、本発明をより詳細に説明する。本発明において言うところの油性食品は、油脂が連続相を為す食品であれば特に限定はされないが、一例を挙げると、チョコレートやチョコレート様食品、グレーズといったものが挙げられる。
油性食品は連続相である油脂以外に可食物を含み、本発明における可食物とは特に断りがない場合は、可食物中に連続相として存在する油脂以外のものをさし、一例としては糖類、乳類、カカオマスやココアパウダーなどが挙げられる。なお、可食物は連続相である油脂以外にその内部に油脂を含んでいてもかまわない。
該可食物の粒度の上限については1mm以下であることが望ましい。油性食品には粒径1mmを超える可食物(一例としてはパフやナッツ)が分散したもの、あるいは同じく粒径1mmを超える可食物に油性食品をコーティングやレボルビングを施されたもの、極端な場合としては油性食品を数mm〜数cmの可食物同士を結着させ「つなぎ」的な用い方をしたもの(一例としてはピーナッツにチョコレートをコーティングした「チョコレートボール」や荒く砕いたナッツ同士を油性食品で結着させた「ナッツバー」といったもの)が挙げられるが、1mmを超える粒径の油脂以外の可食物は口中にて油性食品自体とは異なる食品と認識され、本願発明が目的とする水和により発現する特異な機能のさらなる向上効果には寄与しない。
よって、本発明における油性食品に1mmを超える粒径の可食物を含んでいる場合はその可食物は油性食品の可食物とはみなさず、粒径1mm以下のものをもって規定されるものとする。
油性食品に含まれる原料としては、水和により発泡、吸熱の機能を発現する可食物を必須とする。また、双方の機能を有している可食物、またはそれぞれの機能を有する可食物を併用してもかまわない。
本発明における食品中の可食物の粒度は通常、粒度が細かいほど表面積が大きくなって速やかに水和が進みやすく、水和による発泡、吸熱の機能もより大きいと考えられがちだが、実際の口腔中で感じ方では、粗粒であるほど機能が高い。
粗粒とは特に限定はされないが、マイクロメーターによる測定では望ましくは30μm以上であり、さらに望ましくは50μm以上、特に望ましくは70μm〜200μmである方が油脂以外の可食物に含まれる水和により発現する機能の効果が大きい。水和によって発泡する可食物の粒度も30μ未満のものでは食感に与える影響が少なく、また風味への悪い影響が見られる。
また、水和によって吸熱する可食物の粒度は30μ未満のものでも、多く入れられれば冷涼感は増すが、粒度が30μm以上のものでは、相対的に少ない添加量で同等の、等量ならばより大きな冷涼感を得ることができる。
なお、上記記述されている粒度の測定方法は複数の粒度分布をもつ粒子の集合を混和し、しかも油脂を連続相とした中に粒子が分散している場合は油性食品としてその粒度分布を測定することは困難で且つ製品を管理する上では現実的ではないので、油性食品メーカーでは比較的一般的である、マイクロメーターによる測定をもって本発明の粒度の規定に用いる。
より具体的にはマイクロメーター(一例として株式会社ミツトヨ社製 商品名「デジマチック標準外側マイクロメーター MDC−M」など)にて測定面に融解した油性食品(油分が50%に満たない場合は、液油により希釈し油分50%〜60%)を付着させ、測定面同士を近接させていく。油性食品の付着量は、測定時にマイクロメーター測定面の幅が狭まり、測定値が示された時点で油性食品が測定面よりはみ出す程度の量であり、少なくとも測定面に一様に分布する程度をもって測定する。
量が少ないと測定面同士の空隙に十分な量の粒子が存在せず測定誤差が生じやすくなるので、測定面からはみ出さない場合は測定値として用いない。
測定後、測定面を清浄な状態にして再度同様の手順で5回測定し、最大と最小の値を除く3回の平均値をもって油性食品の粒度としている。
上記測定方法によって最終的な油性食品中の粒度が上記規定30μm〜1mmである必要はあるが、粉砕工程で必要以上に微細化しないか、粉砕工程を入れない、あるいは微細化後に粒度の大きな原料を混合するなどの方法をとることができる。
水和によって発泡する可食物とは、水系の溶媒と接触することで気体を発生させる可食物であれば特に限定はされないが、室温・過剰量の水を添加した状態で可食物1gあたり10ml以上、望ましくは20ml以上の気体を発生させることが可能であるものが好ましい。
また、食品に用いられる点を考慮すると、好ましい可食物としては炭酸ガスを発生させる炭酸塩、特に炭酸水素ナトリウム(一般的には重曹と称される)などが挙げられる。
また、炭酸水素ナトリウムを始めとする発泡性の可食物は、発泡助剤を並存させておくことで、水和時により効率的に発泡を促進させることができる。水和して酸性を示す可食物、一例としてはクエン酸やリンゴ酸、酒石酸などが挙げられる。
発泡助剤がない場合は他の食品から発生する酸や、口腔中の酸によっても発泡は起こるが、反応が遅く、また未反応の発泡剤の風味が顕実化しやすいため、発泡剤と過不足なく反応する発泡助剤の添加がより好ましい。
水和によって発泡する可食物の配合量についても特に制限はないものの、0.5〜30重量%、望ましくは1〜20重量%、さらに望ましくは2〜10重量%であることが好ましい。
また発泡助剤は使用する発泡剤と発泡助剤の組み合わせによりそのケースにより異なるが過不足なく反応する量は化学反応式を解くことにより求められる。
一例として発泡剤として炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、発泡助剤としてクエン酸(C3H4 (OH)(COOH) 3)を用いた場合には
C3H4 (OH)(COOH) 3 + 3NaHCO3→ C3H4 (OH)(COONa) 3 + 3CO2 + 3H2O
となる。すなわち、クエン酸1molあたり炭酸水素ナトリウムは3mol必要であり、実際のクエン酸は1水和物が安定であることも考慮に入れると、およその重量比でクエン酸212に対して炭酸水素ナトリウムは252必要である。実際はクエン酸過剰であることが多いが、クエン酸自体も強い酸味を有するので、食品としての風味のバランスを考慮してその添加量は適宜選択できる。
水和によって吸熱する可食物とは、水系の溶媒と接触することで吸熱反応起こす可食物であれば特に限定はされないが、溶解熱が−10cal/g以下(−(マイナス)は吸熱反応を示す)望ましくは−15cal/g以下である可食物が好ましい。
一例としては糖類や糖アルコール、なかでもエリスリトール(−42.9Cal/g)、キシリトール(−36.6Cal/g)、ソルビトール(−26.5Cal/g)、マンニトール(−28.9Cal/g)、ラクチトール(−13.9Cal/g)、グルコース(−13.8Cal/g)、などが好適に用いられるものとして挙げられる。
水和によって吸熱する可食物の配合量についても特に制限はないものの、1〜60重量%、望ましくは2〜50重量%、さらに望ましくは2.5〜30重量%であることが好ましい。
水和によって機能を発現する可食物がそれぞれの下限未満では、本発明が如何に効果的に機能を発揮できるとはいえ、食感に与える影響が少なく、既存の製品との差が乏しい。一方それぞれの範囲の上限を超える量を配合すると場合は、単位重量あたりの水和による機能自体の多少にもよるが、食品としての風味や効果が良好な嗜好品の範疇を逸脱する。
油性食品にて使用する上記以外の原料については特に限定はなく、定法によるチョコレートやグレーズに用いられる原料を適宜用いることができる。一例としては、糖類、油脂類、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー、調整ココアパウダー等のカカオ分、チーズ粉末、コーヒー粉末、果汁粉末等が例示できる。
糖類の一例としては、蔗糖、麦芽糖、ブドウ糖、粉飴、果糖、乳糖、トレハロース、粉末マルトース等が例示できる。
油脂類についても特に制限はなく、定法によるチョコレートやグレーズに用いられる油脂を適宜用いることができるが口腔中で急速に溶けるものが望ましい。油脂の含有量としては20〜70重量%、望ましくは25〜55重量%であることが望ましい。油分が少なすぎると油性食品としての形状をとりにくくなり、多すぎると油性食品として油分の占める割合が多くなり、食品としてのバランスを損ないがちであり、また水和により機能を発現する可食物が相対的に減少し、水和により発現する機能が制限されかねない。
また、油脂の種類としては上記規定をみたせば特にどのようなものを用いてもかまわず、一例を挙げれば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ脂、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物油脂、並びに、それら油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。前述の口腔中にて急速に溶ける油脂が望ましいとしたが、チョコレート用油脂として一般に用いられるカカオ脂やハードバターと称されるものがそれにあたる。また、油性食品がアイスコーティングチョコレートのような室温で流動性を有する場合は融点が低い油脂を用いられる。そういったものはそのまま、あるいは冷蔵・冷凍によって固化させたものを喫食に供することでも、水和による機能が発現できる。
製法については、上記条件以外は特に既存のチョコレートやグレーズなどといった油性食品の製造法を適宜用いることができる。
また、水和により機能を発現する可食物は単独では吸湿性が高いが、該可食物を油性食品に含有させ、さらにその粒度等の条件を上記規定に置くことにより、可食物が油脂により表面を覆われて吸湿耐性が向上し、尚且つ口腔中で期待される水和による機能を向上させることが可能である。
このようにして本発明により、平易な方法にて従来にない良好かつ新規な食感を有し、かつ水和による発泡・吸熱といった機能をより強く官能せしめる効果を有する油性食品を製造できる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中%及び部は重量基準を意味する。
<実施例1>
粉糖50部とトレハロース(林原産業株式会社製「トレハロースH」)15部、クエン酸3部、重曹3部、に60℃で融解したハードバター(不二製油株式会社製 商品名「メラノNEW SS7」)20部を均一にミキサーにて混合し糊状にしてから残りのハードバターとレシチンを適量加え混合した。その後香料(長岡香料株式会社製、商品名:レモンスカッシュフレーバーWH−4111)とパームカロチンを適量加え混合、テンパリング操作を施し、成型し冷却して固化させた油性食品を作製した。
なお、用いた粉体原料は粒度が160μm程度のものを使用し、油性食品の粒度の測定方法は[発明を実施するための最良の形態]に記載の方法にて測定を行った。
<実施例2>
粉体原料の粒度が450μm程度のものを使用する以外は実施例1と同様の配合と製法にて油性食品を作成した。油性食品の粒度は450μmであった。
<実施例3・実施例4>
粉糖50部とトレハロース15部、クエン酸3部、重曹3部に60℃で融解したハードバターを含油量24%となるように配合して加温、混和した。実施例4は粉糖50部とトレハロース15部、重曹3部、クエン酸3部に60℃で融解したハードバターを含油量24%となるように配合して加温、混和した後、ロールリファイナー(BUHRER株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により粉砕した。実施例3は粒子径が30μm、実施例4は粒子径が25μmのロールフレークが得られた。次いでハードバターの残り全量とロールフレークをそれぞれ加温しながらコンチングマシン(コンチェ)にて混和した。その後レシチンと香料、パームカロチンを適量加え混和した。各実施例と比較例の配合と評価は表1に示した。
<表1>
Figure 2007252237
注1) 食感評価は発泡の感じやすさの順に1、2、3、4とした。なお食感評価は10人のパネラーの官能評価にて順位付けをした。
実施例1は油っぽさもなく、口腔中で良好な発泡感と風味を感じさせるものであり、商品価値の高いものであった。実施例2は粒度が粗いため若干ボソついたりするが、発泡を十分感じ、商品価値が認められるものだった。実施例3は他のものと比較して、少し発泡を感じにくかったが、商品価値が認められるものであった。実施例4は風味が悪いわけではないが、発泡を感じにくく、新規性という点ではやや弱いものであった。
<実施例5、実施例6、実施例7、実施例8>
実施例5、実施例6、実施例7を重曹の量以外はすべて実施例1と同様の配合と工程にて作成した。重曹の量は、実施例5は30部、実施例6は0.5部、実施例7は0.4部とした。また、実施例8はクエン酸の量以外はすべて実施例5と同様の配合と工程にて作成し、クエン酸の量は30部とした。
なお、油性食品の粒度はすべて160μm程度となるようにした。各実施例と比較例の配合と評価は実施例1とともに表2に示した。
<表2>
Figure 2007252237
注2) 発泡感は口腔内での発泡に伴う食感の強い順で、風味の発現はトータルで見たレモンスカッシュ風味と発泡感のバランスのよい順位で、に1、2、3…(同順位のものは同程度の評価)とした。なお評価は10人のパネラーの官能評価にて順位付けをした。
実施例5は発泡を感じるものの、重曹の風味が顕実化してしまい、レモンスカッシュの風味をやや阻害する傾向が見られた。さらに、重曹は助剤としてクエン酸が存在することで発泡が促進されるため、クエン酸の量が一定の場合はクエン酸が発泡反応に消費されると発泡が弱まる。そのため、実施例5は確かに発泡感は強いものの実際の重曹の量ほど強いものではなく、一方では未反応の重曹の風味が顕実化しやすいものであった。
その点、実施例8は実施例5と重曹の量は同じであるが、発泡感ははるかに強いものであったが、発泡感・クエン酸の風味がかなり強いため、油性食品自体バランスをやや欠いたものであった。
また、実施例6、実施例7は重曹の風味は顕実化しないものの、発泡感が弱くなる傾向になり新規な食感にやや乏しいものであった。ただ、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8はすべて市場性がある程度に新規性のある風味・食感を発現したものあった。
<実施例9、実施例10、実施例11、実施例12>
実施例9、実施例10、実施例11、実施例12を粉糖とハードバターの量以外はすべて実施例1と同様の配合と工程にて作成した。粉糖とハードバターの量は和が85重量部になるようにし、実施例9は粉糖65部・ハードバター20部に、実施例10は粉糖30部・ハードバター55部に、実施例11は粉糖67部・ハードバター18部に、実施例12は粉糖25部・ハードバター60部とした。なお、油性食品の粒度はすべて160μm程度となるようにした。各実施例と比較例の配合と評価は実施例1とともに表3に示した。
<表3>
Figure 2007252237
注3) 発泡感は口腔内での発泡に伴う食感の強い順で、風味の発現はトータルで見たレモンスカッシュ風味の感じやすさと、発泡の感じやすさの順位で、に1、2、3…(同順位のものは同程度の評価)とした。なお食感評価は10人のパネラーの官能評価にて順位付けをした。
実施例9・実施例11は作業性において粘度が高く、特に実施例11はテンパリングしてモールドに流しこむ作業がやや困難であり、綺麗な成型がしにくい点が見られた。一方、実施例10・実施例12はやや油っぽく、発泡を少し感じにくい点が見られた。特に実施例12は、発泡感の阻害と油性食品自体の油性感(油っぽさ)をより感じやすいものであった。ただ、実施例9、実施例10、実施例11、実施例12はすべて市場性がある程度に新規性のある風味・食感を発現したものあった。
<実施例13>
粉糖59部とエリスリト−ル(三菱化学フーズ株式会社製、商品名:ブドウ糖醗酵甘味料エリスリトール微粉)8部、クエン酸0.4部に60℃で融解したハードバター20部を均一にミキサーにて混合し糊状にしてから残りのハードバターとレシチンを適量加え混合した。その後香料(小川香料株式会社製、商品名:クリームソーダフレーバーBL51071)と食用色素(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:油性ブルーK)を適量加え混合した。なお、用いた粉体原料は粒度が160μm程度のものを使用した。
<実施例14>
粉体原料の粒度が450μm程度のものを使用する以外は、実施例13と同様の配合と製法にて油性食品を作成した。
<実施例15、実施例16>
実施例15・実施例16は粉糖59部とエリスリトール8部、クエン酸0.4部に60℃で融解したハードバターを含油量24%となるように配合して加温、混和したしたものを、ロールリファイナー(BUHRER株式会社製「Three−roll mill SDY−300」)により粉砕し、実施例15は粒子径が30μmに、実施例16は粒子径が25μmになるロールフレークを得た。ハードバターの残り全量とロールフレークをそれぞれ加温しながらコンシングマシン(コンチェ)にて混和した。その後レシチンと香料、パームカロチンを適量加え混和した。(なお粒度の測定法は実施例1と同等の方法にて測定した。)各実施例と比較例の配合と評価は表1に示した。
<表4>
Figure 2007252237
注4) 食感評価は吸熱による冷感の感じやすさの順に1、2、3、4とした。なお食感評価は10人のパネラーの官能評価にて順位付けをした。
実施例13は油っぽさもなく、口腔中で風味と同時に吸熱するため、冷感を感じさせる良好なものであり、商品価値の高いものであった。実施例14は粒度が粗いため若干ボソついたりするが、冷感を十分感じ、商品価値が認められるものだった。実施例15は他のものと比較して、少し冷感を感じにくかったが、商品価値が認められるものであった。実施例16は風味が悪いわけではないが、冷感を感じにくく、新規性という点ではやや弱いものであった。
<実施例17、実施例18、実施例19、実施例20>
実施例17、実施例18、実施例19、実施例20を、粉糖とエリスリトールの量以外はすべて実施例8と同様の配合と工程にて作成した。粉糖とエリスリトールの量は和が67重量部になるようにし、実施例17は粉糖65.5部、エリスリトール1.5部に、実施例18は粉糖5部とエリスリトール60部に、実施例19は粉糖66.5部とエリスリトール0.5部に、実施例20は粉糖3部、エリスリトール62部とした。
なお、用いた粉体原料は粒度が160μm程度のものを使用した。各実施例と比較例の配合と評価は実施例13とともに表5に示した。
<表5>
Figure 2007252237
注5) 冷感は吸熱による冷感の強さの順に、風味の発現はトータルで見たクリームソーダ風味の感じやすさと、冷感の感じやすさのバランスのよい順に1、2、3、4…とした。なお評価は10人のパネラーの官能評価にて順位付けをした。
実施例17・実施例19は冷感がやや弱く、特に実施例19は冷感のある商品設計の点では商品価値がやや劣るものであった。一方、実施例18・実施例20は冷感という点ではきわめて強いものの、その冷感がクリームソーダフレーバーの風味を阻害する傾向があり、特に実施例20は商品としてのバランスをやや欠いたものではあった。ただ、実施例17、実施例18、実施例19、実施例20はすべて市場性がある程度に新規性のある風味・食感を発現したものあった。
本発明によって、平易な方法にて従来にない良好かつ新規な食感を有し、吸湿耐性を有する「水和により機能を発現する可食物」を、同添加量でより強い効果を、あるいは同等な効果をより少量の添加量にて発揮される油性食品を製造できる。

Claims (5)

  1. 連続相である油脂と、水和により発泡および/または吸熱する可食物を含み、油脂を融解した際の食品中の可食物が粗粒である油性食品。
  2. 可食物の粒度が30μm〜1mmである請求項1記載の油性食品。
  3. 水和により発泡する可食物が油性食品全体に対して0.5〜30重量%である請求項1または請求項2記載の油性食品。
  4. 水和により吸熱する可食物が油性食品全体に対して1〜60重量%である請求項1または請求項2記載の油性食品。
  5. 油分が20〜70重量%である請求項1記載の油性食品。
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