JP4600122B2 - 冷菓用油性食品素材および冷菓 - Google Patents

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Description

本発明は、アイスクリーム等の冷菓類と組み合わせて使用した際に、快い噛み出しの硬さと、良好な口どけ感を有する、冷菓用油性食品素材に関するものである。
技術背景
アイスクリーム等に代表される冷菓類は、風味の付与、食感の改良、水分蒸散の防止等様々な目的でその表面を油性食品にて被覆されたり、油性食品を混合されたりすることがよくある。その冷菓類と組み合わせる油性食品(本発明においては以降「冷菓用油性食品素材」と記述する)はチョコレート類である場合が多い。
冷菓用油性食品素材は、最近の様々な嗜好の多様化に伴う市場の要求により、多種多様になっている。特に、冷菓単独では表現することのできない、特徴のある食感を付加することは、その冷菓の商品価値を高めることにつながり、冷菓用油性食品素材の果たす、大きな役割のひとつとなっている。
冷菓用油性食品素材に通常使用される油脂は、冷凍温度域での口どけを考慮に入れるため、融点が極めて低い大豆油やなたね油に代表される液体油や、シャープな口どけが特徴のラウリン脂が多用される。
対して、いわゆるチョコレート用油脂、一例を挙げるとココアバターやココアバター代替脂に代表される油脂、は冷凍温度域では口どけが悪いため、冷菓用油性食品素材に多量に使用されることはほとんどなかった。
しかしながら、前述のような液体油やラウリン脂を主体とする製品を製造した場合、一般的には冷菓との相性は良いものになるが、最近の多様化した嗜好を満足させられない場合も、多々起こりうる。
チョコレート用油脂には対照型のトリアシルグリセロール(油脂の主成分はトリアシルグリセロールであるため、今後は油脂の化学的な組成に言及する場合はトリアシルグリセロール、TGと称する)である1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグリセリン(以降POPと称する)、1−パルミトイル−2−オレオイル−3−ステアロイルグリセリン、(以降POStと称する)1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセリン(以降StOStと称する)が多く含まれている。
このうちPOPはチョコレート用油脂としては融点が低くて口溶けがよく、また比較的安価なパーム油の中に遍在するといった長所があり、このPOP主体の油脂を用いた新規の油性食品を開発するために様々な試みが為されてきた。
POPに注目した油性食品の製造方法は以前より知られている。
一例を挙げるとPOP含量を30重量%以上且つ非対称型TGを4重量%以下であるハードバターと糖成分からなるハードバター成分と非チョコレート性菓子成分とが互いに分離された状態で一体とされてなる、高いスナップ性をや良好な口溶け感を持つ固形食品がある(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、これはあくまでも室温におけるチョコレート製品を提供することを目的としており、いかにPOPがチョコレート用の油脂としては融点が低いといっても、冷菓用油性食品素材として用いるには融点が高すぎて口溶けが悪く、上記発明においても冷菓用油性食品素材としての用途を窺い知る事はできない。
また、冷菓にPOP含有量の高い油脂を使う試みとしては、SUS型トリグリセリド(2−不飽和1,3−ジ飽和トリグリセリドのこと)を40重量%以上含有する油脂95〜40%とラウリン系油脂5〜60%を含有する冷菓練込み用油脂があり、特にSUS型トリグリセリドを40%以上含有する油脂が、パーム中融点画分である、という発明が為されている。(例えば特許文献2参照)
しかしがなら、この油脂はあくまでも冷菓の練込みようであり、その練込み用油脂がアイスクリーム類の中に乳化・分散した状態は、本願発明にて課題とする冷菓用油性食品素材とは異なるものであった。
冷凍または冷蔵の温度域の品温で喫食し、良好な硬さと口溶けを有するチョコレート類を提供する為にPOPとラウリン含有量が特定の範囲(パルミチン酸(P)とステアリン酸(St)が構成飽和脂肪酸(S)の主体でありP/St比が1.0以上である2−不飽和,1,3−ジ飽和のトリグリセリド(SUS)に富む油脂を95〜40%、及び、ラウリン系油脂を5〜40%含有し、且つ、〔SUSのP/St比:チョコレート類中の油脂分〕の関係が、〔1.0:40%〕、〔1.2:35%〕、〔1.5以上:30%〕で画される線的関係より高油分の領域)であるチョコレート類の発明もある。(例えば特許文献3参照)
しかし、この発明でいうところの「チョコレート類」はテンパリング操作(StOStといった対称型油脂を多く含む油性食品の結晶を喫食事に口溶けの良い状態にする為の温度操作)を必須としており、本願の目的であるアイスクリーム等の冷菓類と組み合わせた使用する場合、特に冷菓に被覆したり、冷菓に滴下したりして用いる冷菓用油性食品素材にはそのような厳密な温度操作を講ずることができないため不向きであった。
このように液体油やラウリン脂を主体とする冷菓用油性食品素材が主流である昨今の市場においても従来にない異なった食感をもつ冷菓用油性食品素材、特に常温域で食されるチョコレート類的な食感を持つ冷菓用油性食品素材としてPOPの機能を十分に発揮させた新規の食感を有する冷菓用油性食品素材の開発に対する市場からの期待は大きいものがあった。
特開平07−155107号公報(第1−10頁) 特開平08−298934号公報(第1−9頁) 特開平08−089172号公報(第1−6頁)
本発明は、冷菓用油性食品素材に従来から多用されている液体油やラウリン脂での食感とは異なる新規な食感を有する冷菓用油性食品素材を開発することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、冷菓用油性食品素材の油脂構成において、POP成分とラウリン酸を特定の構成比率に調整することで、快い噛み出しの硬さを有しながら、冷凍温度域でも口どけが良好な冷菓用油性食品素材を製造できるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)としては油脂組成中のPOP成分含有率が、32%以上であることを特徴とする、冷菓用油性食品素材であり、(2)としては油脂組成中の全構成脂肪酸に対するラウリン酸含有率が、15重量%以上であることを特徴とする(1)記載の冷菓用油性食品素材であり、(3)としては(1)または(2)記載の冷菓用油性食品素材がチョコレート、準チョコレート、チョコレート利用食品などのチョコレート類、もしくは、油脂加工食品である冷菓用油性食品素材であり、(4)としては冷菓中に滴下・混合して、粒状ないしは破片状に存在させて使用する、(1)記載の冷菓用油性食品素材であり、(5)としては(1)乃至(3)記載の冷菓用油性食品素材により被覆されている、もしくは、局在的に組み合わされている冷菓である。
本発明によって、快い噛み出しの硬さを有しながら、冷凍温度域でも口どけが良好な冷菓用油性食品素材を製造できる利点がある。
以下、本発明をより詳細に説明する。本発明で言うところの油性食品素材とは、油脂が連続相をなす食品であれば特に限定はされないが、一例を挙げると、チョコレート類が該当する。また、ここで言うチョコレート類とは、全国チョコレート業公正取引協議会、チョコレート利用食品公正取引協議会で規定されるチョコレート、準チョコレート、チョコレート利用食品の総称である。 なお、チョコレート類の風味は、カカオ原料(カカオマス、ココア、ココアバター)、粉乳類、糖類が主成分であるスィートチョコレート類、ミルクチョコレート類、ホワイトチョコレート類に限らず、種々の粉末類を使用した、コーヒー風味、抹茶風味、果実風味、塩味系風味などの風味バラエティー品も、当然その範囲に入る。
さらに、本発明で言うところの冷菓とは、冷凍温度域で喫食される菓子類であれば、特にその種類は限定されないが、代表的なものとして、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、いわゆる、「乳等省令」で規定される、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスや、厚生省告示「食品、添加物等の規格基準」で規定される氷菓が挙げられる。
さて、本発明で言及する冷菓用油性食品素材では、冷菓用油性食品素材中に含有される油脂組成中のある特定の成分が下記に示される条件を満たしさえすれば、特にそれ以外の組成・製法に限定はされず、冷菓用油性食品素材の一般的製法によって作成できる。
一般的にSUS型トリグリセリドの固化にはテンパリング操作と呼ばれる厳密な温度操作が必要であるが、本願における冷菓用油性食品素材は、組み合わせ作業は冷菓が冷凍温度域であり、冷菓用油性食品素材が凝固する際に厳密な温度管理ができない。もっとも、組み合わせられた冷菓と冷菓用油性食品素材は必然的に喫食に供せられるまでの期間、常に冷凍温度域に置かれるため、テンパリング操作を行わなくても、悪食感をもたらす油脂結晶の粗大化が起こらないため、テンパリング操作は特に必要ない。
冷菓用油性食品素材中に含有される油脂分におけるPOP成分の含有油脂分に対する割合が32%以上、より好ましくは40%以上であることが望ましい。さらには冷菓の中に滴下して用いるタイプの冷菓用滴下型油性食品素材として用いる場合は60%を上回ることでさらに特異な、カリっと砕けるナッツ様の食感(クリスピー感)が、発現するという効果が得られる。
POP成分が32%未満の場合は、快い噛み出しの硬さは得られるが、従来の冷菓用油性食品素材との差が乏しい。
また、上記POP成分が規定を満たすことで、従来の冷菓用油性食品素材とは異なる新規の食感を有する冷菓用油性食品素材は得られるものの、さらに好ましくは冷菓用油性食品素材中に含有される油脂分における脂肪酸組成において、ラウリン酸が含まれる事が望ましく、そのラウリン酸成分の含有油脂分全脂肪酸に対する割合は15重量%以上、より好ましくは20%重量以上であることがより望ましい。
ラウリン酸成分の含有油脂分全脂肪酸に対する割合が15%重量未満の場合は、ボソボソして滑らかさを欠く口どけが発現し易く、ラウリン酸成分の規定をも満たすことでより良好な口どけと快い噛み出しの硬さが両立した食感を発現させる事が可能である。
ただし冷菓用滴下型油性食品として用いる場合は特にラウリン酸の含有量に規定はない。
冷菓用油性食品素材におけるPOP成分、ラウリン酸の上記規定を満たせば、特にその由来は限定されないが、一例としては当該冷菓用油性食品素材を構成する油脂の一部、または、全部をPOP成分またはラウリン酸に富む油脂に置換することで得られる。
POP成分に富む油脂は、パーム、南京ハゼ等の植物油脂を分別して入手する手法が公開されており、POP成分を65%重量以上含む油脂が発明されているが、このような油脂を当該冷菓用油性食品素材に使用することで、その構成油脂中のPOP成分を32重量%以上に設定するのが可能である。
また、ラウリン酸を多く含む油脂としては一例としてはヤシ油、パーム核油などが挙げられるが、特に限定はされない。
冷菓用油性食品素材は油脂が連続相を為し、冷菓に組み合わせて用いられるものであれば特にその形状や用いられ方に限定はないが、一例を挙げると、融解した冷菓用油性食品素材をアイスクリームといった流動性を有する冷菓中に滴下・混合することで凝固させ、冷菓中に粒状ないしは破片状に存在させる「滴下用途」や、冷菓を融解した冷菓用油性食品素材に漬けることで、冷菓用油性食品素材を冷菓表面にコーティングさせた「被覆用途」などがあげられる。なお冷菓と冷菓用油性食品素材との組み合わせ形態も特に限定はされず、冷菓表面を均一に覆い尽くしている場合はもちろん、一部しか被覆されていないといった場合や冷菓用油性食品素材を冷菓の中に滴下して用いる場合に滴下量を増やしていくことで粒状ないしは破片状だった冷菓用油性食品素材が互いに分離しにくくなり、冷菓の中でマーブル状、あるいは薄板状になるような、局在的に組み合わされている場合も挙げられる。
また本願の冷菓用油性食品素材は特にその用いられる温度に限定はないが、冷菓との組み合わせ作業は冷菓用油性食品素材が溶融した状態、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上が望ましい。
なお、冷菓用油性食品素材は、その風味面、物性面を考慮し、総油分が高く設定されるのが一般的である。特に限定はされないが、冷菓用油性食品素材に対して含油量は30重量%以上、より好ましくは40重量%、さらに好ましくは50重量%以上であることが望ましい。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。実施例は一例であり、これをもって、本発明の精神は、何ら限定を受けるものではない。なお、例中で%および部は、すべて重量基準を意味する。
<実施例1・実施例2・実施例3・実施例4・比較例1・比較例2・比較例3>
(冷菓被覆用チョコレート類の調製方法)
トリグリセライド組成中70%がPOPである油脂A、同じく65%がPOPである油脂B、同じく45%がPOPである油脂C、ラウリン酸含量が48%である油脂D、ラウリン酸含量が42%である油脂E、そして液体油(大豆油)を使用し、表1の配合にてチョコレート類実施例1〜比較例3を調製した。なお、チョコレートの調製条件は、公知の方法に従った。すなわち、カカオマス、ココア、砂糖、バニラ香料に適量の油脂とレシチンを加え、ミキサーで加温しながら混和しドウを作成する。このドウをロールリファイナー(BUHLER社製Three-roll mill SDY300)により、約20μmの粒度に微粒化し、ここへ残余の油脂とレシチンを全量加え、コンチングマシン(コンチェ)にて均一に練り上げ、チョコレート類を得るものである。ここで得られた冷菓被覆用チョコレート類の粘度は、品温40℃で、BM型粘度計2号ローター30rpmで測定したところ、400〜600cp(センチポイズ)の範囲となり、冷菓被覆用油性食品素材として妥当な数値であった。
(調製した冷菓被覆用チョコレート類を冷菓に被覆して評価)
表1の配合で得られた冷菓被覆用チョコレート類を、50℃まで加温し、油脂結晶を完全に溶解した後、40℃まで冷却して一定温度に保持した。一方、市販のバニラバーアイス(商品名:雪印バニラバー(ロッテスノー株式会社製)ラクトアイス・無脂乳固形分9%、植物性脂肪分8%)を−18℃の冷凍庫から取り出し、速やかに50℃のチョコレート中に浸漬して、1秒後に引き上げ、室温20℃の環境下で、チョコの表面が完全に固化するまで数十秒間保持した後、−30℃の急速冷凍庫のなかで、一晩安定化させた。
このようにして得られた被覆済みバーアイスは、ナイフで無理なく切れる程度の品温、すなわち、−13℃前後の品温で、当社の品質検査員の資格をもつパネラーにて官能評価を実施した。その評価を配合とともに表1に示す。
[表1]:冷菓被覆用チョコレート類の配合
Figure 0004600122
※ 評価基準:低評価→×→△→○→◎→高評価、△より上の評価は市場性があり、×には市場性に乏しいと判断した。
スナップ感:パキッとした「割れる」堅さを有する食感
クリスピー感:噛んだ際に「砕ける」堅さを有する食感
口どけ感:冷凍温度域にある冷菓用油性食品素材が口中にて速やかに溶ける食感
チューイー・ヌル感:口中にて溶ける際に解ける速度が遅く、あるいは軟化はするものの口中にて長時間咀嚼されるような食感(チューイ感)や軟化・融解しても粘度が高く口中にまとわりつく(ヌル感)ような食感。一般に悪食感とされる。
表1の結果より、実施例4・実施例2の冷菓用油性食品素材は従来にないクリスピーな食感があり、スナップ感や口溶けも良好であった。実施例1・実施例3の冷菓用油性食品素材もやや口溶けが劣るものの市場性を有するレベルであり、且つそのクリスピーの食感は従来の冷菓用油性食品素材には見られないものであった。
しかし比較例2・比較例3の冷菓用油性食品素材はクリスピー感に乏しく、口溶けやスナップ感も従来並みかそれ以下であり、また比較例1は口溶けやスナップ感は良好なものの、クリスピー感に乏しく、従来より用いられている冷菓用油性食品素材の範疇に属する食感であった。
これより、本発明者らは、POP含量が総油脂中32%以上であり、さらに望ましくは、同時にラウリン酸含量が総油脂中15%以上であるという条件充足された場合、スナップ感、クリスピー感、冷凍温度域での良好な口どけ感を、高い次元で満足させる冷菓被覆用油性食品素材が得られることを、見出したのである。
また、最終的な冷菓用油性食品素材としての含有油脂に対するPOPやラウリン酸の量が上記規定を充足していることは勿論であるが、そのPOPやラウリン酸を主に供給する原料油脂のPOP、あるいはラウリン酸含有量が高いものを用いると、さらに効果的であった。
<実施例5・実施例6・実施例7・比較例4・比較例5>
(冷菓滴下用油性食品素材の調整方法)
冷菓滴下用油性食品素材とは、溶解した油性食品素材を冷菓中に滴下しながら混合し、冷菓中に粒状ないしは破片状に油性食品素材を残す用途で用いられるものである。特別な成型機などを使わずとも、冷菓中に口どけの良いチョコレート等が点在する商品が簡便に得られるため、比較的多用される用途である。
実施例1、比較例1で使用した油脂と同様の、トリグリセライド組成中70%がPOPである油脂A、ラウリン酸含量が48%である油脂Dを使用し、表2の配合にてチョコレート類実施例5〜比較例4を調製した。なお、チョコレートの調製条件は、実施例1、比較例1のところで述べた方法と同様に行なった。ここで得られたチョコレート類の粘度は、品温40℃で、BM型粘度計3号ローター12rpmで測定したところ、1,800〜2,500cpの範囲となり、冷菓滴下用チョコレート類として妥当な範囲であった。
(調製した冷菓滴下用チョコレート類を冷菓に滴下した状態での評価)
表2の配合で得られた冷菓滴下用チョコレート類を、50℃まで加温し、油脂結晶を完全に溶解した後、30℃まで冷却して一定温度に保持した。一方、市販のバニラアイス(商品名:「北海道大地のおくりもの」(株式会社シャトレーゼ製)アイスクリーム・ 無脂乳固形分8%、乳脂肪分8%)を製菓用ミキサーで低速攪拌し、品温−5℃のペースト状とし、攪拌を続けながら、30℃に温調した上記のチョコレート類を滴下する。これにより、滴下したチョコレート類はアイスクリームで冷やされ、数ミリメートル大の不定形に固化し、アイスクリーム中に分散する。なお、滴下するチョコレートの量は、アイスクリーム重量の10%とした。チョコレートを混合後、−30℃の急速冷凍庫で一晩安定化させた。
このようにして得られた、チョコレート粒入り冷菓は、匙で無理なくすくえる程度の硬さ、すなわち、−10℃前後の品温で、当社の品質検査員の資格をもつパネラーにて官能評価を実施した。その評価を配合とともに表2に示す。
[表2]冷菓滴下用チョコレート類の配合
Figure 0004600122
※ 評価基準:冷菓滴下用チョコレート類としてその新規な食感等を総合的に評価した。△・○・◎の順で評価が高く、△より上の評価は市場性があり、×には市場性に乏しいと判断した。
表4の結果より、実施例5・実施例6はチョコレート類がカリっと砕けるナッツ様の食感(クリスピー感)を有し、アイスクリーム生地との食感の対比が鮮明であり、また冷凍品温での口どけも良好であった。
特に冷菓用滴下型油性食品素材における総油脂中の総POP含量が60%を超える実施例5は特に強いクリスピー感があり、従来にない極めて新規な食感を有するものであった。
また実施例7は、ややクリスピー感が実施例5・実施例6に比べて少ないものの従来の製品にない新規の食感を有したものであった。
しかし比較例4は、チョコレート類はアイスクリーム生地中で固化して破片状に分散はしたが、そのサイズが小さく、また、硬さも不足しており、アイスクリームとの食感の対比がやや不鮮明であった。また比較例5はチョコレート類の歯応えや存在感のない食感でアイスクリームと組み合わせても新規性が乏しく、冷菓滴下用チョコレート類としては市場性に乏しいものであった。
以上の結果より、本発明者らは、1)POP含量が総油脂中32%以上であり、特に望ましくは2)POP含量が60%以上の配合である場合、冷菓滴下用チョコレート類において、歯応えがあり、冷凍温度域での口どけも必要十分である性状を示すことを見出した。
本発明によって得られる油性食品素材を冷菓と組み合わせることで、冷菓単独では表現できない食感のアクセント、風味のアクセントを容易な方法にて付加することができる。これにより、冷菓の商品構成を豊富にでき、市場的に優位性を持った新商品の設計に寄与できるものである。

Claims (2)

  1. 油脂組成中のPOP成分含有率が32%以上であり、全構成脂肪酸に対するラウリン酸含有率が15重量%以上であり、油脂が連続相をなし、なお且つ冷菓中に滴下・混合して、粒状ないしは破片状に存在させて使用することを特徴とする、チョコレート、準チョコレート、もしくは、チョコレート利用食品などのチョコレート類。
  2. 請求項1記載のチョコレート、準チョコレート、もしくは、チョコレート利用食品などのチョコレート類が局在的に組み合わされている冷菓。
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