JP6004739B2 - 冷菓用チョコレート - Google Patents

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Description

本発明は、冷菓中に固体の状態で混合して使用するテンパリング型の冷菓用チョコレートに適したチョコレートに関するものである。
チョコレートは、チョコレートのみからなる商品以外に、チョコレートと他の食品とを組み合わせた商品にも使用されている。チョコレートと他の食品とを組み合わせた商品において、チョコレートとアイスクリーム等の冷菓とを組み合わせた商品は人気のある商品の一つである。チョコレートと冷菓とを組み合わせる方法としては、冷菓をチョコレートでコーティングする方法や冷菓中にチョコレートを混合する方法等が知られている。冷菓中にチョコレートを混合した冷菓は、食感及び風味が良いことから、広く好まれている。
冷菓中にチョコレートを混合する方法としては、融解させた液状のチョコレートを流動状態にある冷菓中に滴下することで凝固させ、冷菓中にチョコレートを粒状や破片状で存在させる方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、この方法で得られる冷菓は、チョコレートが食べごたえのないものであり、チョコレートの食べごたえの面では物足りないものであった。
この他に冷菓中にチョコレートを混合する方法としては、チップ状等に成形した固体のチョコレートを流動状態にある冷菓中に投入して、冷菓中にチョコレートを混合する方法も知られている。この方法で得られる冷菓は、混合したチョコレートがそのまま存在するため、チョコレートが食べごたえのあるものとなる。チップ状等に成形した固体のチョコレートとしては、ベーカリー製品との組み合わせに使用するものが存在する。しかし、このベーカリー製品に使用される固体のチョコレートと冷菓とを組み合わせた場合、冷菓と共に喫食した時のチョコレートの食感が悪いという問題があった。
冷菓中に固体の状態で混合する冷菓用チョコレートで冷菓と共に喫食した時の食感が比較的良いタイプのものとしては、例えば、特許文献2のチョコレートが提案されている。しかし、特許文献2のチョコレートは、テンパリング処理されていないノンテンパリング型チョコレートである。ノンテンパリング型チョコレートは、テンパリング型チョコレートと比較して、ココアバターとの相溶性が悪いため、カカオマス、ココアバターを多量に配合することができない。チョコレート中のカカオマス、ココアバターの量は風味や口溶けに影響するため、ノンテンパリング型チョコレートは、テンパリング型チョコレートと比較して、風味や口溶けの面で劣るという欠点があった。また、食感が比較的良いタイプのノンテンパリング型チョコレートは、流通保管時に物性変化(ブルーム等)が起こりやすい。チップ状等に成型した固体のチョコレートは、流通保管を経て使用されることが多いため、食感が比較的良いタイプのノンテンパリング型チョコレートは流通保管の面でも劣るという欠点があった。
従って、冷菓中に固体の状態で混合して使用するテンパリング型の冷菓用チョコレートでありながら、冷菓と共に喫食した時の食感が良いタイプの冷菓用チョコレートの開発が求められていた。
特開2005−101017号公報 特開昭55−114261号公報
本発明の目的は、冷菓中に固体の状態で混合して使用するテンパリング型の冷菓用チョコレートに適している、かつ、冷菓と共に喫食した時の食感が良いチョコレートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、チョコレートに含まれる油脂中に特定のトリグリセリドを特定量含むと、冷菓中に固体の状態で混合するテンパリング型の冷菓用チョコレートに適している、かつ、冷菓と共に喫食した時の食感が良いチョコレートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、チョコレートに含まれる油脂が下記(a)から(e)の条件を満たすテンパリング型チョコレートであって、該テンパリング型チョコレートが冷菓に用いられるテンパリング型チョコレートである。
(a)XOX含量が60〜95質量%
(b)POP含量が34〜52質量%
(c)POP/XOXの質量比が0.40〜0.63
(d)POSt+StOSt含量が20〜60質量%
(e)ココアバター含量が50〜63質量%
上記の(a)から(d)の条件において、X、P、St、O、XOX、POP、POSt、StOStはそれぞれ以下のものを示す。
X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
P:パルミチン酸
St:ステアリン酸
O:オレイン酸
XOX:1位と3位にX、2位にOが結合しているトリグリセリド
POP:1位と3位にP、2位にOが結合しているトリグリセリド
POSt:1位と3位にP、Stがそれぞれ1分子ずつ、2位にOが結合しているトリグリセリド
StOSt:1位と3位にSt、2位にOが結合しているトリグリセリド
本発明の第2の発明は、前記テンパリング型チョコレートが冷菓中に固体の状態で混合して使用される第1の発明に記載のテンパリング型チョコレートである。
本発明の第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載のテンパリング型チョコレートを含む冷菓である。
本発明によると、冷菓中に固体の状態で混合して使用するテンパリング型の冷菓用チョコレートに適している、かつ、冷菓と共に喫食した時の食感が良いチョコレートを提供することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂が下記(a)から(d)の条件を満たすものである。
(a)XOX含量が60〜95質量%
(b)POP含量が34〜52質量%
(c)POP/XOXの質量比が0.40〜0.63
(d)POSt+StOSt含量が20〜60質量%
本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)乃至法規上の規定により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、調温工程、成形工程、冷却工程等)を経て製造されたもののことである。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレート、カラーチョコレートも含むものである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、好ましくはテンパリング型チョコレートである。
本発明においてチョコレートに含まれる油脂とは、チョコレート中の全油脂分のことであり、配合される油脂の他に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等)中の油脂(ココアバター、乳脂等)も含むものである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のXOX含量(条件(a))が60〜95質量%であり、好ましくは70〜90質量%であり、より好ましくは75〜90質量%である。XOX含量が前記範囲にあると、チョコレートが、テンパリング型チョコレートに適している、かつ、冷菓と共に喫食した時の食感が良いものとなる。
なお、本発明において、XOXは1位と3位にX、2位にOが結合しているトリグリセリドである(トリグリセリドとは、グリセロールに3分子の脂肪酸が結合したトリアシルグリセロールのことである。)。また、本発明において、Xは炭素数16〜20の飽和脂肪酸であり、Oはオレイン酸(炭素数18の1価の不飽和脂肪酸)である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のPOP含量(条件(b))が34〜52質量%であり、好ましくは35〜51質量%であり、より好ましくは36〜50質量%である。POP含量が前記範囲にあると、チョコレートが、テンパリング型チョコレートに適している、かつ、冷菓と共に喫食した時の食感が良いものとなる。
なお、本発明において、POPは1位と3位にP、2位にOが結合しているトリグリセリドである。また、本発明において、Pはパルミチン酸(炭素数16の飽和脂肪酸)である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のPOP/XOXの質量比(条件(c))が0.40〜0.63であり、好ましくは0.42〜0.61であり、より好ましくは0.43〜0.60である。POP/XOXの質量比が前記範囲にあると、チョコレートが、テンパリング型チョコレートに適している、かつ、冷菓と共に喫食した時の食感が良いものとなる。
なお、本発明において、POP/XOXの質量比は、XOX含量(質量%)に対するPOP含量(質量%)の比のことである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のPOSt+StOSt含量(POStとStOStの合計含量)(条件(d))が20〜60質量%であり、好ましくは25〜55質量%であり、より好ましくは32〜46質量%である。POSt+StOSt含量が前記範囲にあると、チョコレートが、テンパリング型チョコレートに適している、かつ、冷菓と共に喫食した時の食感が良いものとなる。
なお、本発明において、POStは1位と3位にP、Stがそれぞれ1分子ずつ、2位にOが結合しているトリグリセリド(POSt+StOP)である。また、本発明において、Stはステアリン酸(炭素数18の飽和脂肪酸)である。また、本発明において、StOStは1位と3位にSt、2位にOが結合しているトリグリセリドである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のX3含量が好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である。
なお、本発明において、X3はXが3分子結合しているトリグリセリドである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のX2U含量が好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80〜95質量%であり、さらに好ましくは85〜95量%である。
なお、本発明において、X2UはXが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド(XXU+XUX+UXX)である。また、本発明において、Uは炭素数18の不飽和脂肪酸である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のX2O/X2Uの質量比が好ましくは0.80以上であり、より好ましくは0.85以上であり、さらに好ましくは0.90以上である。
なお、本発明において、X2O/X2Uの質量比は、X2U含量(質量%)に対するX2O含量(質量%)の比のことである。また、本発明において、X2OはXが2分子、Oが1分子結合しているトリグリセリド(XXO+XOX+OXX)である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のXOX/X2Oの質量比が好ましくは0.85以上であり、より好ましくは0.90以上であり、さらに好ましくは0.95以上である。
なお、本発明において、XOX/X2Oの質量比は、X2O含量(質量%)に対するXOX含量(質量%)の比のことである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のStOSt/XOXの質量比が好ましくは0.30未満であり、より好ましくは0.25未満であり、さらに好ましくは0.12〜0.21である。
なお、本発明において、StOSt/XOXの質量比は、XOX含量(質量%)に対するStOSt含量(質量%)の比のことである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、チョコレートに含まれる油脂中のXU2+U3含量(XU2とU3の合計含量)が好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは7質量%以下である。
なお、本発明において、XU2はXが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド(XUU+UXU+UUX)である。また、本発明において、U3はUが3分子結合しているトリグリセリドである。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、油脂を構成する脂肪酸中のトランス脂肪酸含量が好ましくは5質量%未満であり、より好ましくは3質量%未満、さらに好ましくは1質量%未満である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、油脂を構成する脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸(好ましくは炭素数16〜24の脂肪酸)含量が好ましくは95質量%以上であり、より好ましくは97質量%以上であり、さらに好ましくは98質量%以上である。
トリグリセリド組成の分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)準拠)及び銀イオンカラム−HPLC法(J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)準拠)を用いて行うことができる。また、油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて行うことができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートの原料油脂は、油脂中のトリグリセリドの組成等が前記範囲であれば、特に制限されることなく、通常の食用油脂(ココアバター、パーム油、パーム分別油(パーム中融点等)、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、コクム脂、マンゴー脂、マンゴー分別油、エステル交換により製造したXOX型トリグリセリドに富む油脂、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、牛脂、豚脂、乳脂等)を使用することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートの油脂中のトリグリセリド組成、脂肪酸組成等は、例えば、POP高含有油脂、ココアバター(カカオマス、ココアパウダー等由来のココアバターも含む)等を使用することで調整することができる。
本発明においてPOP高含有油脂は、POP含量が好ましくは60質量%以上、より好ましくは60〜80質量%、さらに好ましくは65〜75質量%である。POP高含有油脂は、例えば、パーム中融点を分別処理して低融点部を除去することにより製造することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートの油脂中のPOP高含有油脂、ココアバターの含量は、好ましくはPOP高含有油脂32〜68質量%、ココアバター32〜68質量%、より好ましくはPOP高含有油脂35〜65質量%、ココアバター35〜65質量%、さらに好ましくはPOP高含有油脂37〜63質量%、ココアバター37〜63質量%である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、油脂含量が好ましくは25〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%、さらに好ましくは35〜50質量%である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、油脂以外にも、チョコレートに一般的に配合される原料を使用することができる。例えば、ショ糖(砂糖、粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、イソマルツロース、ラフィノース、デキストリンなどの糖類、全脂粉乳、脱脂粉乳等の乳製品、カカオマス、ココアパウダー等のカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工品、野菜加工品、抹茶粉末、コーヒー粉末等の各種粉末、ガム類、澱粉類、レシチン、リゾレシチン、酵素分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の乳化剤、酸化防止剤、着色料、香料等を挙げることができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、従来公知の方法により製造することができる。本発明の実施の形態に係るチョコレートは、例えば、油脂、カカオ成分、糖類、乳化剤等の原料をとして、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、調温工程(テンパリング)、成形工程、冷却工程等を経て製造することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、性状は特に限定されないが、好ましくは固体である。また、本発明の実施の形態に係るチョコレートは、形状は特に限定されないが、好ましくはチップ状、チャンク状である。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、テンパリング型チョコレートに適したものである。テンパリング型チョコレートに適していることは、例えば、最下点の温度を25〜30℃、リヒートの温度を26〜35℃の条件でテンパリングを行った時に、チョコレート表面にブルームが発生しない及びチョコレートがモールドから型抜けすることで確認することができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、油脂中にココアバターを30質量%以上配合可能であるため、風味や口溶けのよいものとすることができる。
本発明の実施の形態に係るチョコレートは、冷菓と共に喫食した時の食感が良く、口溶けの良いものである。このため、本発明の実施の形態に係るチョコレートは、冷菓用チョコレートに適している。さらに、本発明の実施の形態に係るチョコレートは、冷菓中に固体の状態で混合して使用する用途に適している。なお、本発明において、冷菓と共に喫食した時の食感が良いとは、好ましくはもろさが強いことである。また、本発明において、もろさが強いとは、ホロホロとした食感で噛み心地が良いことである(もろさが弱いとは、可塑性があり、パリパリとは崩れないことである。)。
本発明の実施の形態に係る冷菓は、本発明の実施の形態に係るチョコレートを含むことを特徴としている。冷菓としては、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等が挙げられる。
本発明の実施の形態に係る冷菓は、好ましくは本発明の実施の形態に係るチョコレートを冷菓中に固体の状態で混合したものである。本発明の実施の形態に係るチョコレートを冷菓中に固体の状態で混合した冷菓は、混合したチョコレートがそのまま存在するため、チョコレートが食べごたえのあるものとなる。また、本発明の実施の形態に係る冷菓は、含まれるチョコレートの食感が良く、口溶けの良いものである。
本発明の実施の形態に係る冷菓は、例えば、本発明の実施の形態に係るチョコレートを流動状態にある冷菓中に固体の状態で混合することで製造することができる。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。但し、以下の実施例のうち、実施例3は、参考例である。
〔分析方法〕
トリグリセリド組成の分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)準拠)及び銀イオンカラム−HPLC法(J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)準拠)を用いて行った。また、油脂の構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて行った。
油脂及び含油原料は以下のものを使用した。
POP高含有油脂(POP含量69.8質量%日清オイリオグループ株式会社社内調製品)(パーム中融点を分別処理して得られる高融点部)
ココアバター(POP含量16.7質量%、商品名:TCココアバター、大東カカオ株式会社製)
ココアパウダー1(ココアバター含量12質量%)
ココアパウダー2(ココアバター含量23質量%)
〔チョコレートの製造〕
表1、2の配合で常法(混合、微粒化、精練、冷却)によりチョコレートを製造した。なお、配合の単位は質量部、含量の単位は質量%である。
また各チョコレートの油脂中のトリグリセリド組成、脂肪酸組成を前記方法により測定した。測定結果を表3、4に示した。含量の単位は質量%である(質量比の単位はなし)。
Figure 0006004739
Figure 0006004739
〔チョコレートのテンパリング適性の評価〕
融解させた各チョコレートを、最下点の温度25.9〜26.1℃、リヒートの温度26.9〜27.1℃の条件下でテンパリングを行い、テンパリングした各チョコレートを型に流し込み、10℃の冷蔵庫でチョコレートが固化するまで冷却した。固化した各チョコレートの表面を観察した後、チョコレートが型から抜け出すかを評価した。
評価は以下の基準に従い行った。評価結果は○である場合、チョコレートはテンパリング適性があると判断した。評価結果を表3、4に示す。
<テンパリング適性の評価基準>
○:チョコレート表面にブルームが発生していない、かつ、チョコレートが型から抜け出す。
×:チョコレート表面にブルームが発生している、又は、チョコレートが型から抜け出さない。
〔チョコレートの官能評価〕
融解させた各チョコレートを、最下点の温度25.9〜26.1℃、リヒートの温度26.9〜27.1℃の条件下でテンパリングを行い、チップ状に成形して冷却した。固体の状態のチップ状チョコレートを、アイスクリームにチョコレート含量が10質量%となるように、混合してチップ状チョコレート入りアイスクリームを製造した。
チップ状チョコレート入りアイスクリームを食した時のチョコレートの食感(もろさ)及び口溶けを以下の基準に従い評価した。食感及び口溶けは、◎又は○である場合、良いと判断した。評価結果を表3、4に示す。なお、テンパリング適正が×である比較例4、5のチョコレートについては、食感及び口溶けの評価を行わなかった。
<食感(もろさ)の評価基準>
◎:もろさが非常に強く、食感が非常に良い
○:もろさが強く、食感が良い
△:もろさが弱く、食感があまり良くない
×:もろさが非常に弱く、食感が良くない
<口溶けの評価基準>
◎:非常に良い
○:良い
△:悪い
×:非常に悪い
Figure 0006004739
Figure 0006004739
表3、4から分かるように、実施例のチョコレートは、テンパリング適性があり、アイスクリームと共に食した時のチョコレートの食感、口溶けも良かった。
一方、表3、4から分かるように、比較例のチョコレートは、テンパリング適性がないか、アイスクリームと共に食した時のチョコレートの食感、口溶けが良くなかった。

Claims (3)

  1. チョコレートに含まれる油脂が下記(a)から(e)の条件を満たすテンパリング型チョコレートであって、該テンパリング型チョコレートが冷菓に用いられるテンパリング型チョコレート
    (a)XOX含量が60〜95質量%
    (b)POP含量が34〜52質量%
    (c)POP/XOXの質量比が0.40〜0.63
    (d)POSt+StOSt含量が20〜60質量%
    (e)ココアバター含量が50〜63質量%
    上記の(a)から(d)の条件において、X、P、St、O、XOX、POP、POSt、StOStはそれぞれ以下のものを示す。
    X:炭素数16〜20の飽和脂肪酸
    P:パルミチン酸
    St:ステアリン酸
    O:オレイン酸
    XOX:1位と3位にX、2位にOが結合しているトリグリセリド
    POP:1位と3位にP、2位にOが結合しているトリグリセリド
    POSt:1位と3位にP、Stがそれぞれ1分子ずつ、2位にOが結合しているトリグリセリド
    StOSt:1位と3位にSt、2位にOが結合しているトリグリセリド
  2. 前記テンパリング型チョコレートが冷菓中に固体の状態で混合して使用される請求項1に記載のテンパリング型チョコレート
  3. 請求項1又は請求項2に記載のテンパリング型チョコレートを含む冷菓。
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