JP7095327B2 - 低温喫食用油脂加工食品およびそれと組み合わせた食品 - Google Patents
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Description
本来の組み合わせ食品が喫食する温度帯においてはチョコレートの融点、すなわち口溶けのよい人間の体温域と大きく乖離しておらず、口中では速やかにチョコレートは咀嚼等によって融点に達して、良好な口溶けを呈する。
しかし、低温で喫食する組み合わせ食品においては口腔内に供された時点での食品の温度は体温域から大きく乖離しており、少量ならば体温側の熱容量が大きくないため、食品は速やかに融解するものの、そのたびに口腔内の温度を奪い、口腔内の温度がチョコレートの融点より低くなるにつれ、チョコレートが溶けるまでの時間がかかるようになる。これが口溶けの悪さとして顕実化する。
このような背景もあって、低温喫食用途のチョコレートは他の用途のチョコレートとは別に技術的な困難さがある。
そのため室温にて液体の油脂(以降、液油と称する)を添加することで融点を調節し、カカオバターを減らしたココアパウダーなどを用いることが多い。
しかし、ココアパウダーはカカオマスとは風味が異なる為、カカオマス由来の濃厚感のあるチョコレート感を付与する為に、カカオマスを、またカカオバター自体の持つ口溶け感や風味を期待してカカオバターを高配合にするということへの市場からの要望は大きい。
高甘味度を付与する目的なら、高甘味度の甘味料を用いる(引用文献1)こともあるが、甘味以外の目的においては、その目的に合わせ様々な糖質を配合することがある。
例えばカロリーの低減目的の場合、砂糖の一部をエリスリトール、ラクチトール、パラチニット、キシリトールといった低吸収糖を配合する発明(引用文献2)や、う歯(俗に言うところの虫歯)の原因として知られる、ストレプトコッカス・ミュータンス等の増殖抑制効果を持つキシリトールをチョコレート等に配合する発明(引用文献3)が挙げられる。
しかし、チョコレートの持つ濃厚な風味や乳味感には冷涼感が合わず、吸熱量の大きな糖類の利用はガム類などへの盛んな利用と異なり、あまり用いられることはなかった。そのため、チョコレートで吸熱量が大きい糖類を別の目的(例えば低カロリー)で用いたい場合に如何に従来の砂糖に近い程度の吸熱量に抑えるかの発明が大半であった。例えば、ココアバター、ココア・ニブ及びエリスリトールとマルチトールの混合物を含有するチョコレートにおいて、エリスリトールとマルチトールが、80%-20%ないし60%-40%の割合で存在する調合物を用いる事でエリスリトールとマルチトールの清涼作用を著しく減少させることが出来る事を見出したという発明(引用文献5)であったり、取り扱いが容易で、低カロリー、低う蝕性で、かつ、冷感作用が少ないため、チョコレート等の油性菓子へ応用することが出来る、新規甘味料組成物として糖アルコールと天然食物繊維を特定比率で含有する甘味料組成物といった発明(引用文献6)がなされている。
しかしながら、吸熱量の大きな糖質の利用は前述の通り、その大きな吸熱量を長所として用いるガムなどでは多いものの、チョコレートへの利用はむしろ短所とされることが多く、その低カロリーや低う蝕性といった特徴を主眼としている発明においては、その吸熱量の大きさが通常のショ糖等を原料とした場合と食感が異なる事への対処が主であり、積極的な利用はあまり見られない。まして、低温喫食の場合、チョコレートの口溶けが悪く感じるのは口腔内が冷える為であり、本来室温での喫食では十分に口溶けをよく感じる融点のチョコレートであっても、冷えた口腔内では融点に達するまでに時間がかかる、口腔内の温度を十分に上昇させる必要があるなどという点から見て、吸熱反応が大きい糖類を用いる事は、さらに口腔内を冷やす事となる。
たとえ常温喫食のチョコレートで冷感付与の目的であれ、低カロリー化といった別の目的であれ、吸熱量の大きな糖類を用いる事があったとしても、低温喫食用途に用いる事は考えられない事であった。
従って、本発明の課題は、チョコレートを含む油脂加工食品として、低温喫食時において、常温で良好な口溶けを感じる油脂を高配合しても口溶けの悪化を低減できる低温喫食用油脂加工食品の開発である。
本発明において言うところの油脂加工食品とは、油脂が連続相を為す油性食品であり、後述の油脂の量を特定の値とすることを必須とする以外は特に限定はされないが、一例を挙げると、チョコレートやチョコレート様食品、グレーズといったものが挙げられる。
またチョコレートは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(昭和46年3月29日、公正取引委員会告示第16号)による「チョコレート生地」及び「準チョコレート生地」を含むものであって、カカオ豆から調製したカカオマス、カカオ脂、ココアパウダー及び糖類を原料とし、必要により他の食用油脂、乳製品、香料等を加え、チョコレート製造の工程を経たものをいい、またカカオマスを使用しない所謂ホワイトチョコレート生地、あるいはグレーズのように油脂と吸熱素材だけで構成されている油脂加工食品をも包含するものである。
なおグレーズとはチョコレートまたは油脂加工食品の中で、意図的に糖類の粒子径を大きくするよう製造されるものである。
低温喫食用油脂加工食品は油脂が連続相を為し、低温域で喫食する食品と組み合わせて用いられるものであれば特にその形状や用いられ方に限定はないし、低温喫食用油脂加工食品単独を低温域で喫食してもかまわない。
低温域で喫食する食品とは、低温域とは冷凍域(0℃以下)と冷蔵域(10℃以下)にて加工あるいは保存をされ、喫食寸前まで保存温度を維持されるものであり、喫食により、口腔内の温度が急激に下がるものを指す。一例を挙げると、冷凍域のものはアイスクリームやシャーベット、ソフトクリーム、あるいはそれらの素材を組み合わせたものが、冷蔵域のものとしては、シュークリームやチルド温域のケーキなど、ゼリー、ムースやババロアなどが挙げられる。
低温喫食用油脂加工食品とそれら組み合わせ対象の食品との組み合わせ方法とその形態は特に限定されないが、例えば、対象食品を融解した低温喫食用油脂加工食品に漬ける、あるいは食品表面に塗布することで、対象食品表面を均一に一部、または全部を覆うことができる「コーティング」、融解した低温喫食用油脂加工食品を冷凍・冷蔵域で流動性凝固する前のまだ流動性を有する状態においてに滴下・混合することで凝固させ、対象食品内で粒状ないしは破片状に存在させる「滴下混合」などが挙げられる。
上記の通り、低温域で喫食する食品は、喫食寸前まで保存温度である冷凍域や冷蔵域を維持されている。そのため喫食される際に口腔内がより早く、より低く温度が下がることが、従来の油性食品とそれらとの組み合わせ食品においての口溶けの悪さにつながる為、より低い温度帯の方が、具体的には冷凍域(0℃以下)にて喫食することがより本発明の効果をより明確に得やすい。
本発明における油脂加工食品はその全量に対して油脂を20~80重量%、望ましくは30~70重量%含有している必要がある。油分が低いほど油脂加工食品の風味が濃厚な傾向にあるが、20重量%を下回ると見かけ粘度が上昇してコーティング作業が難しくなる。逆に80重量%を超えると固形分が少なくなったり薄くかかりすぎたりして、均一にコーティングできず透けたりしやすくなる。
なお、以下特に断らない場合は、配合における重量%の基準は油脂加工食品の最終製品の状態に対してのものとする。
本発明においては、油性食品に含まれる油脂は後述のSFCの規定を満たすかぎりにおいては特に限定はされず、ココアバターやハードバター、さらには不飽和脂肪酸や中鎖脂肪酸などを多く含む液状油が使用できる。ここでハードバターとは、油脂加工食品に対して物性改良や製造コストの節約等の目的にて、ココアバターの一部または全部を他の油脂に置換する為のものであり、CBEと称される1,3位飽和、2位不飽和の対称型トリアシルグリセリドに富むハードバターと、CBRと称されるラウリン系もしくは高エライジン酸タイプのハードバターなどが上げられる。
本発明の油性食品は喫食の際に口腔内にて十分な量の結晶量が必要である(後述)ため、さらには口溶けの良さや濃厚なチョコレート感の付与には欠かせないカカオマスにはココアバターが含まれる為、ココアバターとハードバターが、更にはハードバターとしてCBEが含まれていることがより望ましく、その場合、全油脂中の対称型トリアシルグリセロール含有量が30%以上、より好ましくは40%以上含有することが望ましい。
なお、本発明で言うところの対称型トリアシルグリセロールとは、POSt、StOSt及びPOP(ただし、Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸、Stはステアリン酸を示す)であり、その含有量はその3種のトリアシルグリセロール含有量を合計した値である。
本発明の油脂組成物におけるトリアシルグリセロール含量は、高速液体クロマトグラフ分析にて、測定し求めることができる。特に測定条件は適宜設定出来るが、一例としては、高速液体クロマトグラフ分析の測定条件は、カラム;ODS、溶離液;アセトン/アセトニトリル=80/20、液量;0.9ml/分、カラム温度;25℃、検出器;示差屈折計において実施できる。
また、一方で液油配合量は全油脂中の望ましくは0~50重量%、さらに望ましくは0~30重量%である。ここで液油とは、3℃において透明で液状である油脂であって、具体的には大豆油、菜種油、米油、ひまわり油、コーン油を挙げることが出来、より望ましくは大豆油、菜種油である。
液油分を入れるのは低温喫食用油脂加工食品においては低温での流動性・作業性を担保する為のものである反面、結晶転移を進みやすくなる。一方多すぎると、肝心の結晶転移を抑制する対象であるハードバターやカカオバターがへってしまい、結晶量自体が少なくなる。特にカカオバター、それに伴うカカオマス成分の配合量が減少するとカカオマス由来のチョコレート感が減少する。
油脂加工食品の油脂は以下測定条件におけるSFCが10℃60%以上、望ましくは70%以上、もっとも望ましくは80%以上、30℃10%以下、望ましくは5%以下である。また油脂の含有量は20%以上、望ましくは25重量%以上含有する事が好ましい。さらに(10℃のSFC)-(25℃のSFC)が60以上、望ましくは70以上であることが好ましい。低温喫食時に口腔内は10℃から25℃の間にまで冷えている事が多く、SFCの急激な現象が口溶けの良さを感じるため、この値を下回ると、口溶け感が損なわれがちになる。
SFC測定条件は、試料油脂を完全に融解させた後、IUPAC.2 150 “SOLTID CONTENT DETERMINATI ON INFATS BY NMR“に準じ、80℃で30分間保持して油脂を完全に溶融させた後、60℃で30分、0℃で1時間固化させ各測定温度にて30分間保持後、測定した数値を用いるものとする。
ここで、固化した際に結晶を形成するが、その安定性に差があり、特定の温度操作を施したり、種結晶を分散させたり(なお、これらはテンパリング操作と呼ばれ、口溶けのよいチョコレートなどを作る上では、欠かせない操作の一つとされる)しなければ、固化の初発は、不安定で低融点の結晶からより安定な高温の結晶へと転移していく傾向にある。
この結晶転移が起こる要因のひとつには熱がある。例えばココアバター由来の対称型トリアシルグリセロールの場合だと、急速に冷凍温度域まで冷却した場合、不安定ながらも非常に口溶けのよいI型の結晶が、他のハードバターにおいても、最初は後述の口腔内が冷えた状態であっても融解する融点特性を持つ「超不安定結晶」が発生するが、喫食により口腔内に投入されると速やかに口腔内の熱により転移してココアバター由来の対称型トリアシルグリセロールの場合はII型、他のハードバターにおいては、口腔内が冷えて状態では融解しにくい融解特性をもつ「不安定結晶」になる。(なお、ココアバター由来の対称型トリアシルグリセロールにせよ、他のハードバターにせよ、安定な結晶は体温付近であり、この特性があるから、通常の口腔内温度で素早く溶ける「口溶けの良さ」が得られる。)
通常の口腔内の温度域ではこのII型結晶(不安定結晶)はさほど口溶けが悪く感じる融点ではないのだが、この油脂自体、あるいは他の組み合わせ食品が低温であるため、口腔内の温度を下げるに至り、II型の結晶ですら融解しにくくなると、口溶けの悪さを感じるようになる。
つまり喫食時の口腔内での結晶転移を抑制して、不安定ながらも低融点で口溶けのよいI型の状態を維持出来ると、多少口腔内の温度が下がっても良好な口溶けを維持することが出来ると考えられる。
I型(超不安定結晶)をII型(不安定結晶)に転移させない方法は、転移に必要な熱を与えないことが一つであり、口腔内で付与される熱を他の吸熱反応に使用することで、結晶の熱による転移を抑制し、口腔内の温度が下がっても口溶けが悪化しないことを見出した。
上記機序は推測の域をでないものであり、実証されたわけではなく、通常口腔内が冷えた為、口溶けが悪くなったという現象に対して、さらに吸水吸熱反応のある可食物を添加することは考えが及ばないものである。しかし、吸水吸熱素材を配合された油脂加工食品は口溶けは向上し、その口溶けの向上量は全体としての吸水吸熱量に依存していることが明らかである。
以下に本発明における吸水吸熱特性のある可食物について記載する。
水系の溶媒と接触することで吸水吸熱反応を起こす可食物は様々なものがあり、またそれぞれにその吸水吸熱量は異なるのだが、油脂加工食品内にそういった可食物が1種以上含まれる場合、油脂加工食品全体で100gあたり、その吸水吸熱反応による吸水吸熱量の総量が200cal以上、のぞましくは250cal以上、さらに望ましくは300cal以上、もっとも望ましくは、600cal以上であることが好ましい。吸水吸熱量が200cal未満の場合、後述の油脂中の不安定結晶の転移を抑えきれず、口溶けの悪化を抑制しにくい。一方、その上限は1000cal以下が好ましく、さらに望ましくは900cal以下であることが好ましい。本発明の口溶けの効果とは別であるが、上限を上回ると、冷感が強くなりすぎたり、商品設計的に他の配合を圧迫したりしかねない。
また、油脂加工食品全体で100gあたりの吸水吸熱反応による吸水吸熱量の総量にて規定されており、どんな種類の吸水吸熱素材を用いても、あるいは組み合わせても総量がこの規定を上回れば効果は得られるが、出来るだけ単位吸水吸熱量が大きい吸水吸熱素材を用いるほど、少量で大きな吸水吸熱量を得られる為、他の原料配合の自由度が増し望ましい。
なお本発明における吸水吸熱量は、配合された物質ごとの溶解熱(物質が単位重量(通常1g)あたり溶媒(通常は水)に溶解する際に発生する熱量)にその物質の重量(単位重量g)を乗じた値の総和さらに-1を乗じたもの(溶解熱は発熱が+(正)、吸熱は-(負)であるため)は吸熱反応を示す)にて代用してもかまわない。
なお、吸水吸熱反応は吸水に伴う吸熱反応だけであり、油脂の融解に伴う吸熱反応は除外する。
ここで、油脂加工食品全体としての吸水吸熱量が上記吸水吸熱量の要件を満たしさえすれば、特に用いる原料は特に限定されないが、吸水吸熱量の大きい素材としては糖類や糖アルコールがあり、なかでもエリスリトール(42.9cal/g)、キシリトール(36.6cal/g)、ソルビトール(26.5cal/g)、マンニトール(28.9cal/g)、ラクチトール(13.9cal/g)、グルコース(13.8cal/g)、など、特に吸水吸熱量が10cal/g以上、さらに望ましくは20cal/g以上の吸水吸熱素材が好適に用いられるものとして挙げられる。
(上記の通り本発明において吸水吸熱量は溶解熱に-1を乗じたものであり、吸熱を正とする。)
油脂加工食品の粒度は食感などの商品設計等に応じ、従来の油脂加工食品と同様に適宜設定出来る。また粘度も作業性や付着量の多少などに合わせ、適宜設定出来る。双方とも本発明の効果には特に影響を与えないので、特に限定はされない。
製法については、上記条件以外は特に既存のチョコレートやグレーズなどといった油性食品の製造法を適宜用いることができる。
糖類38.3部、カカオマス(油脂分55重量%)21.2部、全脂粉乳10.5部、レシチン0.1部にココアバター30.0部の内の7.0部をニーダーに入れ混合し、その後ロール掛けを行い、粒度を細かくした後、残りのココアバター18.0部、レシチン0.3部を添加してコンチングを行いペースト状にして低温喫食用油脂加工食品(油脂分:44.18重量%)を得た。
なお、油脂部のSFCは10℃で91.32%、25℃で11.37%、30℃1.34%、(10℃のSFC)-(25℃のSFC)は79.95、(StOSt+POSt)/(POSt+POP)比率は1.21であった。
表1に示す配合にて糖類部分の構成比の異なる低温喫食用油脂加工食品を上記調整法にてそれぞれ作製した。その全吸水吸熱量及び官能評価も併せて表1に提示した。
なお、今回使用する糖類の吸水吸熱量は表2にまとめて示す。
表1の配合で得られた冷菓被覆用油脂加工食品類を、50℃まで加温し、油脂結晶を完全に溶解した後、40℃まで冷却して一定温度に保持した。一方、市販のバニラバーアイス(商品名:雪印バニラバー(ロッテスノー株式会社製)ラクトアイス・無脂乳固形分9%、植物性脂肪分8%)を-18℃の冷凍庫から取り出し、速やかに50℃の油脂加工食品中に浸漬して、1秒後に引き上げ、室温20℃の環境下で、油脂加工食品の表面が完全に固化するまで数十秒間保持した後、-30℃の急速冷凍庫のなかで一晩安定化のち、-15℃の冷蔵庫で品温-15℃になるまで保存した後に、実際に喫食してその効果を評価した。
※ 油脂加工食品の評価方法は、口溶け、口腔内での感触にて以下の基準で評価した。
×:口溶けの改善効果を感じることが出来ず、既存の商品並みである。
△:口溶けの改善効果が感じられる。
○:明らかな口溶けの改善効果が感じられ、口腔内でのもごもごとした口溶けの悪さの低減が体感できる。
◎:明らかな口溶けの改善効果が感じられ、口腔内でのもごもごとした口溶けの悪さが明らかに低減している。
表3に示す配合にて糖類部分の構成比の異なる低温喫食用油脂加工食品を上記調整法にてそれぞれ作製し評価した。その全吸水吸熱量及び官能評価も併せて表3に提示した。
なお、油脂分には変更がない為、実施例1などと、油脂分:44.18重量%、油脂部のSFCは10℃で91.32%、25℃で11.37%、30℃1.34%、(10℃のSFC)-(25℃のSFC)は79.95、(StOSt+POSt)/(POSt+POP)比率は1.21で同じである。
表4に示す配合にて油脂部分の構成比の異なる油脂加工食品を上記調整法にてそれぞれ作製した。その油分と対称型トリアシルグリセロール含有量、(StOSt+POSt)/(POSt+POP)比率、及び官能評価も併せて表5に提示した。
なお、使用した原料については、ハードバターは不二製油株式会社製/商品名「メラノNEWSS7」を使用する。また、今回使用する糖類にはエリスリトールを5重量%配合してあるため、吸水吸熱量は低温喫食用油脂加工食品全体として、すべて-364.35cal/100gであった。これは糖部分の配合、そして吸水吸熱量だけ見ると実施例3と同じである。
表6に示す配合にて油脂部分の構成比の異なる油脂加工食品を上記調整法にてそれぞれ作製した。その油分と対称型トリアシルグリセロール含有量、(StOSt+POSt)/(POSt+POP)比率、及び官能評価も併せて表7に提示した。
なお、使用した原料については、低融点パーム油は不二製油株式会社製、商品名「パームエース-10」を使用する。また、今回使用する糖類にはエリスリトールを5重量%配合してあるため、吸水吸熱量は低温喫食用油脂加工食品全体として、すべて-364.35cal/100gであった。これは糖部分の配合、そして吸水吸熱量だけ見ると実施例3と同じである。
Claims (8)
- 吸水吸熱量が200cal/100g以上であり、含有する全油脂のSFCが10℃で60%以上、30℃で10%以下である低温喫食用油脂加工食品。
- 全油脂のSFCにおいて、(10℃のSFC)-(25℃のSFC)が60以上であり、該油脂を20%以上含有する請求項1記載の低温喫食用油脂加工食品。
- 全油脂中の対称型トリアシルグリセロール含有量が30%以上であり、(StOSt+POSt)/(POSt+POP)比が0.1~1.5である事を特徴とする請求項1ないし請求項2記載の低温喫食用油脂加工食品。
ただし、対称型トリアシルグリセロール含有量は、POSt、StOSt及びPOPの合計した値である(Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸、Stはステアリン酸を示す。 - 液油配合量が全油脂中の50%以下である請求項1ないし請求項3いずれか一項に記載の低温喫食用油脂加工食品。
- 品温0℃以下で喫食されることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか一項に記載の低温喫食用油脂加工食品。
- 吸水吸熱量が10cal/g以上の吸水吸熱素材を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか一項に記載の低温喫食用油脂加工食品。
- 可食物と請求項1ないし請求項6いずれか一項に記載の低温喫食用油脂加工食品を組み合わせることを特徴とする低温喫食用組み合わせ食品。
- 単独で喫食することを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか一項に記載の低温喫食用油脂加工食品。
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