JP2007247365A - デッドボルトの構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 デッドボルトがストライク孔の開口端縁部に突き当たって停止しても、モータの焼損事故を防止することができると共に、施錠が可能であるデッドボルトを提供する。
【解決手段】 鞘杆9と、鞘杆9に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された係止杆10とを有してなり、この係止杆10のデッドボルト駆動機構側の側端部に従動切欠13を形成し、一方、鞘杆9と係止杆10との間にばね部材17を弾装し、以て、係止杆10に対し鞘杆9を相対的に前方に付勢し、鞘杆9がストライク19に突き当たって停止した場合でも、係止杆10を取り敢えずストライク孔に投入し、他方、鞘杆9と係止杆10との間にストッパー18を設け、鞘杆9に外力が作用しない常態において、鞘杆の先端と係止杆のそれとが同一面になるようにする。
【選択図】 図4

Description

この発明は、デッドボルトの構造(以下単にデッドボルトという)に係り、特に、デッドボルトとストライク孔の位置が多少狂っても施錠ができるモータ駆動電気錠用のデッドボルトに関する。
電気錠の錠止機構には種々の型式があるが、特にデッドボルトをモータにより駆動するものは、錠止が確実なので重要な部屋の戸口に多用されている。
しかして、この型式の電気錠は、マイクロモータ等の電動機の回転力を、減速機を介してデッドボルト駆動機構に伝達するように構成されており、デッドボルトを駆動する力は強大なものになる。
一方、戸口を錠止する際、例えばクローザが気密室のパッキングを完全に押切れない状態で、換言すれば扉が完全に閉りきらない状態でモータを作動させると、デッドボルトの先端がストライク孔の開口端縁部に突き当たりデッドボルトが停止してしまうので、モータが焼き切れてしまう、という不都合がある。
この不都合は、例えば経年変化によって扉が反ってしまい、扉の自由側端縁が正規の位置から外れた場合にも生じる。
そこで、本出願人は、先に、後記特許文献1を以て、デッドボルト駆動部材とデッドボルトとの間にばねを介在させた電気錠を提案した。
この電気錠は、ばねを介してデッドボルトを駆動するように構成されており、デッドボルトがストライク孔の開口端縁部に突き当たって停止しても、以降デッドボルト駆動機構がばねを変形させるだけなのでモータの焼損事故を防止することができる。
特公平03−058430号公報
しかしながら、上記特許文献1によって提案された電気錠は、デッドボルトがストライク孔の開口端縁部に突き当たって停止した場合でもモータの焼損事故を防止できるが、施錠ができないので、錠前としての防犯性に問題が生じる。
そこで、この発明は、モータ駆動電気錠において、デッドボルトがストライク孔の開口端縁部に突き当たって停止しても、モータの焼損事故を防止することができると共に、施錠が可能であるデッドボルトを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、錠箱内において、フロント板に垂直な前後方向に延在すると共に同方向に移動可能に案内され、施錠時先端部が扉枠のストライク孔に投入可能な鞘杆と、この鞘杆内に前後方向に延在して担持され、鞘杆に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された係止杆とを有してなり、この係止杆のデッドボルト駆動機構側の側端部に従動切欠を形成し、一方、鞘杆と係止杆との間にばね部材を弾装し、以て、係止杆に対し鞘杆を相対的に前方に付勢し、他方、鞘杆と係止杆との間にストッパーを設け、鞘杆に外力が作用しない常態において、鞘杆の先端と係止杆のそれとが同一面になるようにし、また、鞘杆の先端部に係止杆の両鉛直面の少なくとも一部を覆う部分を残したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、錠箱内において、フロント板に垂直な前後方向に延在すると共に同方向に移動可能に案内され、施錠時先端部が扉枠のストライク孔に投入可能な鞘杆と、この鞘杆内に前後方向に延在して担持され、鞘杆に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された中子杆と、上記鞘杆及び/又は中子杆に前後方向に相対移動可能に案内されて担持され、デッドボルト駆動機構側の側端部に従動切欠を形成した駆動体とを有してなり、上記駆動体と中子杆との間に第1ばね部材を、また、駆動体と鞘杆との間に第2ばね部材を夫々弾装し、以て、駆動体に対し鞘杆及び中子杆を相対的に前方に付勢し、一方、駆動体と鞘杆との間、及び駆動体と中子杆との間に第1及び第2ストッパーを夫々設け、設け、鞘杆及び中子杆に外力が作用しない常態において、鞘杆の先端と中子杆のそれとが同一面になるように各部材の形状、寸法を設定し、他方、鞘杆の先端部に中子杆の両鉛直面の少なくとも一部を覆う部分を残したことを特徴とする。
更にまた、請求項3に記載の発明は、錠箱内において、フロント板に垂直な前後方向に延在すると共に同方向に移動可能に案内され、施錠時先端部が扉枠のストライク孔に投入可能な鞘杆と、この鞘杆内に前後方向に延在して担持され、鞘杆に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された中子杆と、上記鞘杆及び/又は中子杆に前後方向に相対移動可能に案内されて担持され、デッドボルト駆動機構側の側端部に従動切欠を形成した駆動体とを有してなり、上記駆動体と中子杆との間に第1ばね部材を、また、中子杆と鞘杆との間に第2ばね部材を夫々弾装し、以て、駆動体に対し中子杆を、中子杆に対し鞘杆を夫々相対的に前方に付勢すると共に、第1ばね部材の弾力を第2ばね部材のそれより大きく設定し、一方、駆動体と中子杆との間、及び中子杆と鞘杆との間に第1及び第2ストッパーを夫々設け、鞘杆及び中子杆に外力が作用しない常態において、鞘杆の先端と中子杆のそれとが同一面になるように各部材の形状、寸法を設定し、他方、鞘杆の先端部に中子杆の両鉛直面の少なくとも一部を覆う部分を残したことを特徴とする。
上記のように構成された請求項1に記載の発明は、係止杆と鞘杆との間にばね部材を介在させた状態で閉扉時係止杆の方を施錠方向に駆動するので、鞘杆がストライク孔の開口端縁部に突き当たって停止しても、ばね部材を弾性変形させつつその内側の係止杆をストライク孔に投入することが可能であり、電気錠の防犯性を向上させることできる。
この場合、係止杆とストライク孔の開口端縁との間に通常より大きな隙間が形成されるが、後に警備員が巡回のときに扉のハンドルを押し引きすることにより、鞘杆がばねの付勢力により自動的にストライク孔に投入されるので、この隙間による扉のガタつきは解消される。
また、同様の理由により、モータ駆動電気錠のモータの焼損事故を完全に防止することができる。
更にまた、請求項2及び請求項3に記載の発明によれば、ストライク孔と係止杆とのずれが想定外となり、係止杆もストライク孔の開口端縁部に突き当たって停止した場合でも、以降係止杆及び鞘杆をストライクに当接させた状態で、駆動体が第1及び第2ばね部材を弾性変形させつつ移動するのみなので、モータの焼損事故が生じることがない、等種々の効果を奏する。
デッドボルトを鞘杆とその中で長さ方向に相対移動できる係止杆とで構成し、この係止杆と鞘杆との間にばね部材を介在させて、係止杆を駆動側にしてばね部材を介して鞘杆を駆動するようにしたので、位置の狂いにより鞘杆がストライク孔の開口端縁部に突き当たって停止しても、以降ばね部材を弾性変形させつつ係止杆をストライク孔に投入することにより施錠を完了させることができ、同時にモータの焼損事故も完全に防止できた。
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1において符号1は錠箱を示し、この錠箱1は、そのフロント板2の外面を扉の自由側端縁と同一面として、扉の自由側端縁部に装着される。
上記錠箱1の側板1aにはデッドカム3が回動可能に支承されている。このデッドカム3には上記側板1aと平行な作動アーム4が一体に形成されており、この作動アーム4の先端には作動ピン5が植設されている。
また、回動中心に関して作動アーム4とは反対側におけるデッドカムの端部には、従動側の第1セクタギア6が刻設されている。この第1セクタギア6は、駆動側の第2セクタギア7と噛み合い係合をしている。
そしてこの第2セクタギア7は、例えば図示しないウオーム減速機構を介して、マイクロモータ等の電動機に連結されている。
上記の構成により、施、解錠時作動アーム4は減速機を介して電動機に駆動され、その先端がフロント板2に垂直な前後方向(図1で左右方向)に一定角度(例えば90度)揺動するように作動する。
上記デッドカム3の上方には全体を符号8で示すデッドボルトが配設されている。この発明によるデッドボルトは、前記したように、鞘杆9と、この鞘杆9を刀の鞘に観立てた場合、刀身に対応する係止杆10とを有してなる。
上記鞘杆9は、図1及び図2に示すように、例えば押出しに加工によって中空に成形された偏平な角筒体で、この鞘杆9の空洞部は、下側側端縁前端部から後端に掛けて形成された切欠により外部空間と連通している。
また、この鞘杆9は、外側面、すなわち、図2に示す錠箱1への取付状態において鉛直面となる面(以下鉛直面という)の後端部に一体に突設された図示しない一対の案内突起の夫々を、錠箱の側板1a、1aの夫々において前後方向に長く開口した案内長孔11に摺動可能に係合させることにより、また、側板1aに垂直な回転軸を有する例えば3個の案内ローラ12、12、12(図1)によって、前後方向に移動可能に案内されている。
一方、上記鞘杆9の内側の空洞部には、全体の形状が略L字形の厚板体で、この鞘杆9内に前後方向に延在して担持され、鞘杆に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された係止杆10が収納されている。
図示の実施例では、図1から明らかなように、係止杆10はその後端の突出部を下側にして後方から鞘杆9内に挿入されている。
なお、この係止杆10の突出部には従動切欠13と、この従動切欠13の開口部を拡開して形成した前方衝止部14(図3参照)及び後方衝止部15とが形成されている。
そして、上記係止杆10は、上記従動切欠13を前記作動アームの作動ピン5と係合させることにより減速機を介して電動機に連結されており、説明を省略する電気錠の制御機構からの解錠信号、施錠信号の発生毎に揺動する作動アームに駆動され、図1に示す施錠位置から図3に示す解錠位置に、或いは図3に示す解錠位置から図1に示す施錠位置に夫々移動する。
他方、図1及び図3に示すように、係止杆10の後端部には、その中心軸線に沿って、細長いばね収納孔16が開口している。
このばね収納孔16は、係止杆10をその厚さ方向(図2で左右方向)に貫通するように形成されており、このばね収納孔16内には圧縮コイルばねとしてのばね部材17が弾装されている。
なお、このばね部材は、例えば松葉ばね等、他のばね部材を採用することができる。
また、鞘杆9が外力を受けない常態においてばね収納孔16の外端に相当する位置に、鞘杆9及び係止杆を貫通するようにしてストッパピン18が設けられている。
このストッパピン18を設けるには、例えば鞘杆9を厚さ方向に貫通するようにストッパピンが通る穴を開け、この穴の鞘杆外面における開口に皿を揉んで、ストッパピンを通した後この部分でストッパピンの両端をかしめる。
なお、ストッパピン18の装着時、ばね収納孔16内に予めばね部材を弾装しておくと、上記ストッパピン18の装着時これとばね部材と干渉するので、鞘部材9の少なくとも外面の一方にばね部材が露出する図示しない作業孔を形成し、この作業孔からピンセット等の工具を差込んでばね部材を後方に片寄せると良い。
言うまでもないことであるが、この作業孔はばね部材が飛出してしまわないように、ばね収納孔より小さめに設定する。
上記した構成により、駆動系に連結された係止杆10に対し、鞘杆9は相対的に前方に付勢されることになる。
そして、鞘杆9に外力が作用しない常態においては、図1及び図3に示すように、ストッパピン18とばね収納孔16の前端との係合により、鞘杆9の先端と係止杆10のそれとが同一面になるようにその相対関係位置が設定されている。
上記のように構成されたこの発明の一実施例によるデッドボルトは、施錠時、図1に示すように、鞘杆9及び係止杆10は、先端を一致させた状態で図示しないストライク孔に投入される。
また、解錠時、図3に示すように、鞘杆9及び係止杆10は一体的に錠箱内に引込む。
何れの場合にも、すなわち、施錠時及び解錠時の双方の場合において、係止杆10が作動アーム4によって剛的に駆動され、鞘杆9はばね部材17によって弾性的に従動する。
一方、閉扉時デッドボルト8とストライク孔との相対位置がずれ、鞘杆9がストライク孔の開口端縁部に当接した場合には、図4に示すように、鞘杆9の先端をストライク板19に当接させた状態で、ばね部材17を押し縮めつつ係止杆10を取り敢えずストライク孔に投入することができる。
このとき、係止杆10とストライク孔の開口端縁との間には、少なくとも図2に示す鞘杆9の側板の厚さ分のガタが、このガタは後に警備員が巡回したときドアハンドル等を前後に少し動かせば、鞘杆がばね部材17の弾力により自動的にストライク孔に投入されるので解消される。
図5はこの発明の他の実施例を示し、この実施例は、係止杆10の中心軸線に沿って、後端にU字形の切欠21を、係止杆の一面に深いばね収納溝22を連設し、このばね収納溝22内に引張りコイルばねとしてのばね部材17を弾装したものである。
なお、この場合、切欠21内における鞘杆9の部分に第1ばね掛けピン23を植設すると共に、ばね収納溝22の前端に第2ばね掛けピン24を植設し、上記ばね部材17の後端を第1ばね掛けピン23に、前端を第2ばね掛けピン24に夫々掛け止める。
すると、鞘杆9は係止杆10に対し相対的に前方に付勢されると共に、常態における相対関係位置は第1ばね掛けピン23と切欠21との係合によって一義的に定まる。
上記した構成の実施例2によるデッドボルトの作用は、図1乃至図4に示した実施例と同じであるから、更に詳細な説明は省略する。
図6はこの発明の更に他の実施例を示し、この実施例は、プレスによって打ち抜かれた板材を重ねて例えば連結ピンでかしめて係止杆10を構成すると共に、少なくとも前端部を断面コ字形に折曲した板材により鞘杆を形成したものである。
図6に示すものは、図示しない部分の鞘杆9及び係止杆10を折曲げ、穴開けし、溝を形成し、或いはピン等で結合することにより、図1乃至図5に示すデッドボルトと均等なものを構成することは明らかであるから、更に詳細な説明を省略する。
図6に示すように係止杆の一部を露出させたものは、その露出部分に例えば図示しない段部を形成し、この段部に先端を係合可能に臨ませる係止レバーにより更に複雑な制御を可能にするが、これは本発明の要旨ではないので、更に詳細な説明は省略する。
また、上述したこの発明の作動原理及び図6から明らかなように、鞘杆の先端部は係止杆の両鉛直面の少なくとも一部を覆えば足りることは明らかである。
図7乃至図11は請求項2に記載の発明の一実施例によるデッドボルトを示し、この実施例は、デッドボルトとストライク孔との位置のずれが想定以上に大きくなり、閉扉時デッドボルトをフロント板から突出させると係止杆がストライク孔の開口端縁部に当接する場合に対応させたものである。
すなわち、上記したようにデッドボルトとストライク孔とが大きくずれた場合において、係止杆による一応の施錠はできないにしても、モータの焼損事故は防止できるように構成してある。
すなわち、図7乃至図9に示すように、鞘杆9の構造は図1乃至図5に示した実施例におけるものと同じであるが、係止杆10が中子杆25と駆動体26に分割されている点が異なっている。
上記駆動体26は、図7に示すように、デッドボルト駆動機構側の下側側端縁部に従動切欠13を形成した略L字形の厚板体で、上記中子杆25内において、中子杆25に対し前後方向に相対移動可能に案内され、かつ担持されている。
この駆動体26を収納するため、外形が略J字形のスペーサ27を挟むようにして、図7の手前側と向こう側に細長い矩形の側面板28、28を配設し、これらスペーサ27及び側面板28、28を図示しない結合ピンにより例えばかしめつけて中子杆25を形成する。
この中子杆25には、したがって、駆動体26を収納し前後方向に案内する空隙29が形成される。なお、上記スペーサ27の厚さを駆動体26のそれよりも大きくし、駆動体26が中子杆25内において前後方向に円滑に移動できるようにすることは勿論である。
上記のようにして中子杆25に担持される駆動体26には、図7乃至図9に示すように、これを厚さ方向に貫通しかつ前後方向(図で左右方向)に延在する第1及び第2ばね収納スリット31、32が形成されている。
そして、上記第1及び第2ばね収納スリット31、32内には、圧縮コイルばねである第1及び第2ばね部材33、34が夫々弾装されている。
また、第1ばね収納スリット31には中子杆25を厚さ方向に貫通する第1ストッパピン35が、第2ばね収納スリット32には鞘杆9及び側面板28の一方を貫通する第2ストッパピン36が夫々遊動可能に係合している。
なお、上記第1ストッパピン35は両端を上記側面板28にかしめ付けられており、第2ストッパピンは鞘杆9の側板に夫々かしめ付けられているものとする。
また、上記第1ばね部材33は第1ばね収納スリット31の左端と第1ストッパピン35との間に、第2ばね部材34は第2ばね収納スリット32の左端と第2ストッパピンとの間に夫々弾装されているものとする。
更にまた、鞘杆9及び中子杆25に外力が作用しない常態において、第1及び第2ばね部材33、34が夫々第1及び第2ストッパピン35、36をばね収納スリット31、32の右端に押し付けたとき、中子杆25の先端と鞘杆のそれとが同一面になるように各部材の形状、寸法を設定する。
上記のように構成された請求項2に記載の発明の一実施例によるデッドボルトは、鞘杆9及び中子杆25に外力が作用しない常態においては、鞘杆9、中子杆25及び駆動体26はばね部材33、34によって一体的に結合されているので、鞘杆9がストライク孔に投入可能な程度のずれの場合、デッドボルト8は図7乃至図9に示す相対位置関係を保った侭作動アーム4によって前後方向に駆動され、通常の施解錠操作が可能である(図1及び図3参照)。
しかして、デッドボルトとストライク孔との位置がずれ、鞘杆9がストライク孔の開口端縁部に当接した場合には、鞘杆9がストライク板19に係止された状態で中子杆25及び駆動体26が一体となってストライク孔に投入される(図4参照)。
このとき、図10に示すように、第2ばね部材34のみが弾性変形し、第1ばね部材33は弾性変形せず中子杆25及び駆動体26が一体に駆動される。
一方、デッドボルトとストライク孔とのずれが想定外に大きくなり、中子杆25がストライク孔の開口端縁部に当接するに致ったときには、図11に示すように、第1及び第2ばね部材33、34の双方が駆動体26によって押し縮められ、鞘杆9及び中子杆25はそれ以上は前進できなくなるが、モータの焼損事故は防止される。
図12乃至図15は請求項3に記載の発明の一実施例によるデッドボルトを示し、この実施例も、前記実施例4に記載のデッドボルトと同様に、デッドボルトとストライク孔との位置のずれが想定以上に大きくなり、閉扉時デッドボルトをフロント板から突出させると係止杆がストライク孔の開口端縁部に当接する場合に対応させたものである。
すなわち、上記したようにデッドボルトとストライク孔とが大きくずれた場合において、係止杆による一応の施錠はできないにしても、モータの焼損事故は防止できるように構成してある。
そして、請求項3に記載のデッドボルトは前記請求項2に記載のものと殆ど同じ構造であるが、駆動体26と中子杆25との間に第1ばね部材33を、また、中子杆25と鞘杆9との間に第2ばね部材34を夫々弾装し、以て、駆動体26に対し中子杆25を、中子杆25に対し鞘杆9を夫々相対的に前方に付勢すると共に、第1ばね部材33の弾力を第2ばね部材34のそれより大きく設定した点が請求項2に記載のデッドボルトと異なる。
なお、図12乃至図15において図7乃至図11と等符号を付した部分は相互に均等な部分を示す。
すなわち、図7と図12に示すデッドボルトが異なっている点は、一つは中子杆25のJ字の縦部分の幅を大きくして、ここに第2ばね収納スリット32、第2ストッパピン36及び第2ばね部材34の組を収納するようにしたこと、他の点は、駆動体26側に第1ばね収納スリット31、第1ストッパピン35及び第1ばね部材33の組を収納するようにしたことである。
その結果、図7と比較して、図12に示すものは第1ばね部材33と第2ばね部材34の上下が入れ替わった形になる。
また、上記したように、駆動体26と中子杆25との間に第1ばね部材33を、また、中子杆25と鞘杆9との間に第2ばね部材34を夫々弾装し、以て、駆動体26に対し中子杆25を、中子杆25に対し鞘杆9を夫々相対的に前方に付勢するようにしたので、第1ばね部材33と第2ばね部材34とが直列に弾装されることになる。
更にまた、第1ばね部材33の弾力を第2ばね部材34のそれより大きく設定したので、中子杆25がストライク孔に投入できる程度にデッドボルトの位置がずれている場合(図10参照)には、図14に示すように、第1ばね部材33の弾性変形が0でも第2ばね部材34を弾性変形させて中子杆25を鞘杆9から突出させることができる。
ちなみに、第1ばね部材33の弾力を第2ばね部材34のそれより大きく設定するという意味は、図14に示すように第2ばね部材34が押し縮められた状態においても第1ばね部材33の弾性変形が無く、かつ、図14に致る過程において、中子杆25の摩擦抵抗があっても第1ばね部材33が弾性変形0で中子杆を駆動できることを意味するものとする。
なお、鞘杆9及び中子杆25共ストライク孔の開口端縁に突き当たるほどデッドボルトの位置がずれた場合でも、図15に示すように、駆動体26のみが第1ばね部材33を押し縮めつつ前方に移動するので、モータの焼損事故は生じない。
このときには、中子杆25と鞘杆9との間に相対移動が無いので、第2ばね部材34は弾性変形しない(図15参照)。
請求項1に記載の発明の一実施例によるデッドボルトを装備した電気錠の一部断面側面図で、施錠状態を示す。 その一部正面図。 図1と同様の電気錠の一部断面側面図で、解錠状態を示す。 図1と同様の電気錠の一部断面側面図で、鞘杆がストライクに係止された状態で施錠させた場合を示す。 請求項1に記載の発明の他の実施例によるデッドボルトを装備した電気錠の一部断面側面図で、施錠状態を示す。 請求項1に記載の発明の更に他の実施例によるデッドボルトの正面図。 請求項2に記載の発明の一実施例によるデッドボルトの縦断面図。 図7及び図12のVIII−VIII線による断面図。 図7のIX−IX線による断面図。 図7と同様のデッドボルトの縦断面図で、鞘杆がストライク板に当接した場合を示す。 図7と同様のデッドボルトの縦断面図で、中子杆がストライク板に当接した場合を示す。 請求項3に記載の発明の一実施例によるデッドボルトの縦断面図。 図12のXIII−XIII線による断面図。 図12と同様のデッドボルトの縦断面図で、鞘杆がストライク板に当接した場合を示す。 図12と同様のデッドボルトの縦断面図で、中子杆がストライク板に当接した場合を示す。
符号の説明
1 錠箱
2 フロント板
3 デッドカム
4 作動アーム
5 作動ピン
6 第1セクタギア
7 第1セクタギア
8 デッドボルト
9 鞘杆
10 係止杆
11 案内長孔
12 案内ローラ
13 従動切欠穴
16 ばね収納孔
17 ばね部材
18 ストッパピン
19 ストライク
21 切欠
22 ばね収納溝
23 第1ばね掛けピン
24 第2ばね掛けピン
25 中子杆
26 駆動体
27 スペーサ
28 側面板
29 空隙
31 第1ばね収納スリット
32 第2ばね収納スリット
33 第1ばね部材
34 第2ばね部材
35 第1ストッパピン
36 第2ストッパピン

Claims (3)

  1. 錠箱内において、フロント板に垂直な前後方向に延在すると共に同方向に移動可能に案内され、施錠時先端部が扉枠のストライク孔に投入可能な鞘杆と、この鞘杆内に前後方向に延在して担持され、鞘杆に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された係止杆とを有してなり、この係止杆のデッドボルト駆動機構側の側端部に従動切欠を形成し、一方、鞘杆と係止杆との間にばね部材を弾装し、以て、係止杆に対し鞘杆を相対的に前方に付勢し、他方、鞘杆と係止杆との間にストッパーを設け、鞘杆に外力が作用しない常態において、鞘杆の先端と係止杆のそれとが同一面になるようにし、また、鞘杆の先端部に係止杆の両鉛直面の少なくとも一部を覆う部分を残したことを特徴とするデッドボルトの構造。
  2. 錠箱内において、フロント板に垂直な前後方向に延在すると共に同方向に移動可能に案内され、施錠時先端部が扉枠のストライク孔に投入可能な鞘杆と、この鞘杆内に前後方向に延在して担持され、鞘杆に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された中子杆と、上記鞘杆及び/又は中子杆に前後方向に相対移動可能に案内されて担持され、デッドボルト駆動機構側の側端部に従動切欠を形成した駆動体とを有してなり、上記駆動体と中子杆との間に第1ばね部材を、また、駆動体と鞘杆との間に第2ばね部材を夫々弾装し、以て、駆動体に対し鞘杆及び中子杆を相対的に前方に付勢し、一方、駆動体と鞘杆との間、及び駆動体と中子杆との間に第1及び第2ストッパーを夫々設け、鞘杆及び中子杆に外力が作用しない常態において、鞘杆の先端と中子杆のそれとが同一面になるように各部材の形状、寸法を設定し、他方、鞘杆の先端部に中子杆の両鉛直面の少なくとも一部を覆う部分を残したことを特徴とするデッドボルトの構造。
  3. 錠箱内において、フロント板に垂直な前後方向に延在すると共に同方向に移動可能に案内され、施錠時先端部が扉枠のストライク孔に投入可能な鞘杆と、この鞘杆内に前後方向に延在して担持され、鞘杆に対し相対的に前後方向に移動可能に案内された中子杆と、上記鞘杆及び/又は中子杆に前後方向に相対移動可能に案内されて担持され、デッドボルト駆動機構側の側端部に従動切欠を形成した駆動体とを有してなり、上記駆動体と中子杆との間に第1ばね部材を、また、中子杆と鞘杆との間に第2ばね部材を夫々弾装し、以て、駆動体に対し中子杆を、中子杆に対し鞘杆を夫々相対的に前方に付勢すると共に、第1ばね部材の弾力を第2ばね部材のそれより大きく設定し、一方、駆動体と中子杆との間、及び中子杆と鞘杆との間に第1及び第2ストッパーを夫々設け、鞘杆及び中子杆に外力が作用しない常態において、鞘杆の先端と中子杆のそれとが同一面になるように各部材の形状、寸法を設定し、他方、鞘杆の先端部に中子杆の両鉛直面の少なくとも一部を覆う部分を残したことを特徴とするデッドボルトの構造。
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