JP2007246418A - 感光性シランカップリング剤、パターン形成方法およびデバイスの製造方法 - Google Patents

感光性シランカップリング剤、パターン形成方法およびデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない工程数で低欠陥な微粒子パターン、ドットアレイパターン、ホールアレイパターンを形成するための感光性シランカップリング剤、及び該感光性シランカップリング剤を用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】o−ニトロベンジルオキシカルボニル基で保護された2級アミノ基を有する感光性シランカップリング剤。基板1の表面に前記感光性シランカップリング剤を積層し、前記感光性シランカップリング剤層2にパターン状に露光を行ない、露光部3に2級アミノ基を発生させ、露光部2に選択的に微粒子を配する。得られた微粒子パターを用いて単一電子素子、パターンドメディア、化学センサ、量子ドットレーザー素子、フォトニック結晶光学デバイスなどを作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は感光性シランカップリング剤、該感光性シランカップリング剤を用いたパターン形成方法およびデバイスの製造方法に関する。
近年、半導体デバイスを始めとする微細加工を必要とする各種電子デバイスの分野では、デバイスの高密度化、高集積化の要求がますます高まってきている。半導体デバイス製造工程で、微細回路パターン形成に重要な役割を果たしているのがフォトリソグラフィ工程である。
現在のフォトリソグラフィ工程は大部分が縮小投影露光で行われているが、その解像度は光の回折限界で制約され、光源の波長の3分の1程度である。このため、露光光源にエキシマレーザを用いるなど短波長化がはかられ、100nm程度の微細加工が可能となっている。
このように微細化が進むフォトリソグラフィであるが、光源の短波長化に伴い、装置の大型化、その波長域でのレンズの開発、装置のコスト、対応するレジストのコストなど、解決すべき課題が数多く浮上してきている。
また、近年、単一電子素子(特許文献1)、パターンドメディア(特許文献2)、化学センサ(特許文献3)、量子ドットレーザー素子(特許文献4)、フォトニック結晶光学デバイス(特許文献5)などの高密度なホールアレイパターンやドットアレイパターンが必要なデバイスが提案されている。しかし、これらのデバイスには半導体デバイス以上の高精細な微細加工技術が必要なため、従来のフォトリソグラフィ技術による量産が困難である。
一方で、リソグラフィ技術にかわる低コストかつ簡便な微細パターン形成方法として、微粒子を自己組織的に配列させる方法などが報告されている。
さらに近年では、エネルギー線を用いて基板表面に化学活性基をパターン状に形成し、その化学活性基と微粒子との相互作用を利用して微細パターンを形成する(非特許文献1、特許文献6)という、リソグラフィと自己組織化の融合技術も提案されている。本発明においては、前記技術をビルドアップリソグラフィと称することとする。
非特許文献1には、ニトロベンジル基で保護されたカルボキシル基を有する感光性シランカップリング剤の単分子膜をパターン状に紫外線照射し、露光部にカルボキシル基を発生させ、該基板を蛍光微粒子水溶液に浸漬し、露光部に選択的に蛍光微粒子を付着させる技術が開示されている。
特許文献6には、不飽和アルキル基を有するシランカップリング剤の単分子膜をパターン状にX線照射し、露光部の不飽和結合を励起し、金属微粒子表面の有機膜と結合させた実施結果が例示されている。
ビルドアップリソグラフィにおいては、上記の先行例のように、光照射により化学活性基を発生する感光性シランカップリング剤が使用される。また、非特許文献2には、1級アミンを発生する感光性シランカップリング剤が開示されている。
特開2001−168317号公報 特開2005−190624号公報 特開2003−268592号公報 特開平10−012968号公報 特開平11−218627号公報 特開2003−168606号公報 高分子学会予稿集,53,4196(2004) "Buildup Photolithography"第4回 物質研、光反応制御・光機能材料 国際シンポジウム予稿集、2001年3月
前記非特許文献2の感光性シランカップリング剤は、1級アミノ基含有シランカップリング剤の1級アミノ基がo−ニトロベンジルオキシカルボニル基で保護された構造を有している。前記のように保護されたアミノ基は、下記の化学式に示すような光反応により1級アミノ基を発生するが、同時に副生成物としてo−ニトロソベンズアルデヒドを生じる。アルデヒド化合物は、下記の化学式に示すように、1級アミンと反応し、イミン化合物を生じることが知られている。つまり、露光部に発生した1級アミンが消失し、露光部と未露光部の化学活性コントラストが低下し、微粒子パターンの欠陥が発生する場合がある。
Figure 2007246418
上記の反応式における副反応を防止し、欠陥の少ない微粒子パターンを形成するためには、副生成物のニトロソベンズアルデヒドを除去するためのリンス工程が必要となる。デバイスの量産にあたっては、コストの観点から、工程数は少ない方が望ましい。
本発明は、上記の背景技術の課題を考慮してなされたものであり、ビルドアップリソグラフィにおいて、リンス工程を必要とせずに、低欠陥なパターンを形成できる感光性シランカップリング剤、及び該感光性シランカップリング剤を用いたパターン形成方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のパターン形成方法を用いて、単一電子素子、パターンドメディア、化学センサ、量子ドットレーザー素子、フォトニック結晶光学デバイスなどの製造方法を提供するものである。
上記課題を解決する本発明の感光性シランカップリング剤は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする。
Figure 2007246418
(式中、Xは一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいポリメチレン基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいナフチレン基、あるいはこれら2価の基が複数結合された構造を有する2価の基である。R1、R2、R3のうち、少なくとも1つはアルコキシ基またはハロゲン原子であり、その他はアルキル基、アルケニル基、水素原子からなる群から選択される。R4は一部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいナフチル基である。R5は水素原子またはアルキル基である。R6、R7、R8、R9はニトロ基、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、一部または全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基またはアルコキシ基からなる群から選択される。)
また、本発明のパターン形成方法は、基板上に平均粒径0.5nm以上500nm以下の複数の微粒子を配して構成されるパターンを形成する方法であって、基板の表面に、上記の感光性シランカップリング剤を積層する工程、前記感光性シランカップリング剤層にパターン状に露光を行い、露光部の前記感光性シランカップリング剤にカルボキシル基を発生させる工程、及び前記露光部または未露光部のみに選択的に微粒子を配して微粒子パターンを形成する工程を有することを特徴とする。
さらに前記微粒子パターンをマスクとしてエッチングにより基板を加工する工程を有することが好ましい。
前記微粒子パターンが形成された基板の全面に成膜を行なう工程と、微粒子パターンとその上に形成した膜を除去して膜のパタ−ンを形成する工程を有することが好ましい。
前記微粒子が微粒子のコロイド溶液を用いて配されることが好ましい。
前記感光性シランカップリング剤層にパターン状の露光を、露光用光源の波長よりも狭い開口を有する遮光層を備えた露光用マスクから発生する近接場光を用いて行なうことが好ましい。
前記微粒子が金属微粒子、金属酸化物微粒子、半導体微粒子、金微粒子、金ナノロッド、磁性金属微粒子、蛍光体微粒子またはポリスチレン微粒子であることが好ましい。
前記微粒子が表面末端がアミノ基となっている微粒子であることが好ましい。
また、本発明は、上記のパターン形成方法で微小トンネル接合部位を形成する工程を有することを特徴とする単一電子素子の製造方法である。
また、本発明は、上記のパターン形成方法で磁気ビット配列を形成する工程を有することを特徴とするパターンドメディアの製造方法である。
また、本発明は、上記のパターン形成方法で金属微粒子パターンを形成する工程を有することを特徴とする化学センサの製造方法である。
また、本発明は、上記のパターン形成方法で量子ドットアレイ構造を形成する工程を有することを特徴とする量子ドットレーザー素子の製造方法である。
また、本発明は、上記のパターン形成方法で2次元フォトニック結晶構造を形成する工程を有することを特徴とするフォトニック結晶光学デバイスの製造方法である。
本発明により、ビルドアップリソグラフィにおいて、リンス工程やレジストを利用するフォトリソグラフィ工程を必要とせずに、低欠陥なパターンを形成できる感光性シランカップリング剤、該感光性シランカップリング剤を用いたパターン形成方法が提供される。さらに本発明により、単一電子素子、パターンドメディア、化学センサ、量子ドットレーザー素子、フォトニック結晶光学デバイスの製造方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感光性シランカップリング剤は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする。
Figure 2007246418
式中、Xは一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいポリメチレン基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいナフチレン基、あるいはこれら2価の基が複数結合された構造を有する2価の基である。ポリメチレン基は−(CH2n−で表され、nは1以上10以下の整数、好ましくは1以上5以下の整数を示す。
1、R2、R3のうち、少なくとも1つはアルコキシ基またはハロゲン原子であり、その他はアルキル基、アルケニル基、水素原子からなる群から選択される。R4は一部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいナフチル基である。R5は水素原子またはアルキル基である。R6、R7、R8、R9はニトロ基、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、一部または全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基またはアルコキシ基からなる群から選択される。
本発明における感光性シランカップリング剤は、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基で保護された2級アミノ基を有する。該感光性シランカップリング剤は、紫外線照射により下記化学式に示すように分解し、2級アミノ基が再生される。
Figure 2007246418
以下、本発明における感光性シランカップリング剤の合成方法を詳細に説明する。
本発明における感光性シランカップリング剤は、下記の化学式に示すように、2−ニトロベンジルクロロフォルメート、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルクロロフォルメートと、2級アミンを有するシランカップリング剤とを、トリエチルアミンやジメチルアミノピリジンのような3級アミン存在下で、室温で反応させることで得られる。2−ニトロベンジルクロロフォルメート、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルクロロフォルメート、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジンはいずれも市販されている。2級アミンを有するシランカップリング剤の具体例としては、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシランなどが市販品として入手可能であるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007246418
(式中、X、R1乃至R9は式(1)と同義である。)
以下、本発明の感光性シランカップリング剤を用いたパターン形成方法を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の感光性シランカップリング剤を用いたパターンの形成方法の一実施態様を示す工程図である。
本発明の感光性シランカップリング剤は化学結合を介して基板上に固定化される。基板は、金属基板、半導体基板、ガラス、石英、BNなどの絶縁性基板、またはこれらの基板上にレジスト、スピン・オン・グラス、金属、酸化物、窒化物など1種類あるいは複数種類を成膜したものなど、広い範囲のものを、所望のデバイスに応じて選択して使用できる。感光性シランカップリング剤を固定化する基板の表面にヒドロキシル基が生成していることが望ましい。
基板表面にヒドロキシル基を生成させるため、必要に応じて基板の前処理を行なうことが望ましい。前処理は、基板表面を酸性溶液または紫外線−オゾン雰囲気に曝露することにより行なう。酸性溶液としては、硫酸、塩酸、硝酸、過酸化水素等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよいが、硫酸及び過酸化水素の併用が好ましく、Si基板の前処理には特に硫酸及び過酸化水素の併用が適している。酸性溶液による前処理の手段としては、例えば、塗布、スプレー、ディッピング等が挙げられる。
前記基板1上に本発明の感光性シランカップリング剤を塗布及び加熱し、感光性シランカップリング剤層2を形成する(図1(b))。感光性シランカップリング剤の塗布は、感光性シランカップリング剤単独の液体あるいは感光性シランカップリング剤を有機溶媒に溶解させた溶液を用い、浸漬法、スピン塗布、スプレー塗布、気相蒸着などで行なうことができる。本発明では浸漬またはスピン塗布が好ましい。感光性シランカップリング剤の塗布の後、適宜加熱して基板上のヒドロキシル基との反応を終結させることが好ましい。加熱は、ホットプレート、熱風乾燥機などの加熱手段を用い、80乃至200℃、好ましくは80乃至150℃で行なう。以上の処理により、本発明の感光性シランカップリング剤の単分子層が形成される。
以上のようにして形成された本発明の感光性シランカップリング剤層は、公知の露光装置を用いてパターン状に露光される(図1(c))。
露光用の放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等を適宜選択して使用することができる。特に、水銀灯光(波長436nm、405nm、365nm、254nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、F2エキシマレーザ光(波長157nm)、超遠紫外線(EUV、波長13nm)等の遠紫外線、あるいは電子線が好ましい。これら放射線は1つまたは複数で使用できる。本発明の感光性シランカップリング剤において、2級アミノ基が2−ニトロベンジルオキシカルボニル基で保護されている場合には波長313nm以下の紫外光を用いることが好ましい。4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル基で保護されている場合には波長405nm以下の紫外光を用いることが好ましい。
露光方法として、露光用光源の波長よりも狭い開口幅を有する遮光層を備えるフォトマスクから発生する近接場光も好ましく使用することができる。近接場光は回折限界の影響を受けないため、より微細なパターンを得ることができる。近接場光の露光用の放射線としては、前記の放射線を用いることができる。これら放射線は1つまたは複数で使用できる。近接場光による露光は、フォトマスクの遮光層を被露光物に密着させることで行なう。近接場光露光装置は、精密な光学系、高価な光源が不要であることから装置が安価であり、生産性の面から本発明では特に好ましい。
上記露光工程により、露光部3には基板に固定された2級アミノ基がパターン状に発生する。2級アミノ基は、ベンズアルデヒド化合物とは反応しないので、露光部の2級アミノ基が副反応により消失することはない。このため、露光後のリンス工程なしで欠陥の少ない微粒子パターンを形成することができる。
露光が完了した前記基板を、微粒子が分散されたコロイド溶液に浸漬する。この工程により、基板の露光部または未露光部に選択的に微粒子5が付着し、微粒子パターンが形成される(図1(d))。
図2は、露光部または未露光部のみに選択的に微粒子を配して形成されたパターンを示す概略図である。パターンの形状としては、微小ドット状露光部または未露光部1箇所に付き微粒子が1個付着するような孤立ドットパターン(図2(a))、狭幅ライン状パターンに微粒子が1列に並ぶような孤立ラインパターン(図2(b))がある。また、微粒子のサイズよりも広い露光部または未露光部に最密に配列される最密充填パターン(図2(c))、微粒子のサイズよりも広い露光部または未露光部に、微粒子間の反発力により一定以上の間隔を置いてランダムに配列されるランダムパターン(図2(d))などがある。これらのパタ−ンは目的とするデバイスに応じて自由に作製することができるが、作製されるパターンはこれらに限定されるものではない。
微粒子の粒径は、平均粒径が0.5nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上100nm以下の範囲が望ましい。
微粒子の種類は、目的とするデバイスに応じて選択されるが、正または負に帯電した微粒子や、末端がカルボキシル基や無水カルボン酸となっている微粒子を特に好ましく用いることができる。例えば、金微粒子や金ナノロッドは負に帯電しており、正に帯電する露光部のアミノ基と静電的結合を生じる。正に帯電した微粒子は、基板未露光部に選択的に付着する。微粒子末端のカルボキシル基と基板表面のアミノ基はイオン結合で結合する(図3)。微粒子末端の無水カルボン酸と基板表面のアミノ基は室温で容易に反応してアミド結合を形成し、強固に結合する(図4)。
単一電子素子の作製を目的とする場合、金属または金属酸化物などの導電性を有する微粒子を用いる。
パターンドメディアなどの磁気記録媒体の作製を目的とする場合、Co、Ni、Fe、FePt、CoPt、CoNi、CoCr、CoP、CoNiP、FeCoB、FeCoNi、CoNiFeB、FeNi、FeCo、CoNiPtなどの磁性金属微粒子を用いる。
化学センサの作製を目的とする場合、金属微粒子を用いる。感度や化学的安定性の面から貴金属微粒子が好ましく、金微粒子や金ナノロッドが特に好ましい。
量子ドットレーザー素子の作製を目的とする場合、例えば、Si、SiGe、GaAs、InGaAs、GaN、InP、InAs、AlGaAs、InGaAsP、GaInAlP、InGaN、AlGaNなどの半導体微粒子を用いる。
図5は微粒子をマスクとしたドライエッチングプロセスを示す説明図である。図5に示す様に、上記のようにして作製された微粒子パターンをエッチングマスクとして基板材料を加工し、ドットアレイパターンを形成してもよい。この場合、基板材料は目的とするデバイスに応じて選択される。
単一電子素子の作製を目的とする場合、金属または金属酸化物を基板材料として用いる。
パターンドメディアなどの磁気記録媒体の作製を目的とする場合、Co、Ni、Fe、FePt、CoPt、CoNi、CoCr、CoP、CoNiP、FeCoB、FeCoNi、CoNiFeB、FeNi、FeCo、CoNiPtなどの磁性金属を基板材料として用いる。
化学センサの作製を目的とする場合、感度や化学的安定性の面から貴金属を、基板材料として好ましく用いることができる。
量子ドットレーザー素子の作製を目的とする場合、例えば、Si、SiGe、GaAs、InGaAs、GaN、InP、InAs、AlGaAs、InGaAsP、GaInAlP、InGaN、AlGaNなどの半導体を基板材料として用いる。
基板の加工は、反応性プラズマやラジカルによるドライエッチング、イオンミリング、ウエットエッチングで行なうことができる。反応性プラズマによるドライエッチングは微細かつ垂直性の高いパターン形成に適しているため、特に好ましい。
ドライエッチングガスとしては、対象基板に応じて、例えば、CF4、C26、C38、CCl22、CCl4、CBrF3、BCl3、PCl3、SF6、Cl2、HCl、HBr、O2、N2、Arなどのガスのプラズマを用いて行なう。
ウエットエッチング剤としては、エッチング対象に応じてフッ酸水溶液、フッ化アンモニウム水溶液、リン酸水溶液、酢酸水溶液、硝酸水溶液、硝酸セリウムアンモニウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液などを挙げることができる。
図6は微粒子をマスクとしたリフトオフプロセスを示す説明図である。図6に示す様に、前記のようにして作製された微粒子パターンを有する基板全面に材料層7の成膜を行ない、リフトオフにより所望の材料のホールアレイパターンを形成してもよい。
材料層の成膜方法としては、各種の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、ディッピング法やスピンコーティング法等の塗布法を挙げることができる。PVD法として、より具体的には、電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各種真空蒸着法、プラズマ蒸着法、2極スパッタリング法、直流スパッタリング法、直流マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、バイアススパッタリング法等の各種スパッタリング法、DC(direct current)法、RF法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオンプレーティング法などを挙げることができる。
成膜の後、有機溶剤、アルカリ性水溶液、酸性水溶液などに浸漬することで、微粒子とその上に付着した膜を除去する。必要に応じて加温、揺動などを行なうことが望ましい。
以上のように形成された微粒子パターン、ホールアレイパターン、ドットアレイパターンを用いて、単一電子素子、パターンドメディア、化学センサ、量子ドットレーザー素子、フォトニック結晶光学デバイスを作製することができる。
本発明のパターン形成方法は、単一電子素子、パターンドメディア、化学センサ、量子ドットレーザー素子、フォトニック結晶光学デバイスの製造方法に利用することができる。
本発明の感光性シランカップリング剤を用いたパターンの形成方法の一実施態様を示す工程図である。 露光部または未露光部のみに選択的に微粒子を配して形成されたパターンを示す概略図である。 基板露光部の2級アミノ基と、微粒子の表面末端のカルボキシル基との結合を示す説明図である。 基板露光部の2級アミノ基と、微粒子の表面末端の無水カルボン酸との結合を示す説明図である。 微粒子をマスクとしたドライエッチングプロセスを示す説明図である。 微粒子をマスクとしたリフトオフプロセスを示す説明図である。
符号の説明
1 基板
2 感光性シランカップリング剤層
3 露光部
4 未露光部
5 微粒子
7 材料層

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を有する感光性シランカップリング剤。
    Figure 2007246418
    (式中、Xは一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいポリメチレン基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいナフチレン基、あるいはこれら2価の基が複数結合された構造を有する2価の基である。R1、R2、R3のうち、少なくとも1つはアルコキシ基またはハロゲン原子であり、その他はアルキル基、アルケニル基、水素原子からなる群から選択される。R4は一部の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、一部の水素原子がフッ素原子またはアルキル基で置換されていてもよいナフチル基である。R5は水素原子またはアルキル基である。R6、R7、R8、R9はニトロ基、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、一部または全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基またはアルコキシ基からなる群から選択される。)
  2. 基板上に平均粒径0.5nm以上500nm以下の複数の微粒子を配して構成されるパターンを形成する方法であって、基板の表面に、請求項1に記載の感光性シランカップリング剤を積層する工程、前記感光性シランカップリング剤層にパターン状に露光を行い、露光部の前記感光性シランカップリング剤にカルボキシル基を発生させる工程、及び前記露光部または未露光部のみに選択的に微粒子を配して微粒子パターンを形成する工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
  3. さらに前記微粒子パターンをマスクとしてエッチングにより基板を加工する工程を有することを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記微粒子パターンが形成された基板の全面に成膜を行なう工程と、微粒子パターンとその上に形成した膜を除去して膜のパタ−ンを形成する工程を有することを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  5. 前記微粒子が微粒子のコロイド溶液を用いて配されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかの項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記感光性シランカップリング剤層にパターン状の露光を、露光用光源の波長よりも狭い開口を有する遮光層を備えた露光用マスクから発生する近接場光を用いて行なうことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかの項に記載の微粒子パターン形成方法。
  7. 前記微粒子が金属微粒子、金属酸化物微粒子、半導体微粒子、金微粒子、金ナノロッド、磁性金属微粒子、蛍光体微粒子またはポリスチレン微粒子であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかの項に記載のパターン形成方法。
  8. 前記微粒子が表面末端がアミノ基となっている微粒子であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかの項に記載の微粒子パターン形成方法。
  9. 請求項2乃至8のいずれかに記載のパターン形成方法で微小トンネル接合部位を形成する工程を有することを特徴とする単一電子素子の製造方法。
  10. 請求項2乃至8のいずれかに記載のパターン形成方法で磁気ビット配列を形成する工程を有することを特徴とするパターンドメディアの製造方法。
  11. 請求項2乃至8のいずれかに記載のパターン形成方法で金属微粒子パターンを形成する工程を有することを特徴とする化学センサの製造方法。
  12. 請求項2乃至8のいずれかに記載のパターン形成方法で量子ドットアレイ構造を形成する工程を有することを特徴とする量子ドットレーザー素子の製造方法。
  13. 請求項2乃至8のいずれかに記載のパターン形成方法で2次元フォトニック結晶構造を形成する工程を有することを特徴とするフォトニック結晶光学デバイスの製造方法。
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