JP2007245545A - 搬送装置、搬送方法、記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロール紙Rを引き出し可能に保持するスピンドル113、スピンドル受け114、115と、ロール紙Rを所定の引出方向に引き出す紙送りローラ212と、ロール紙Rの重量を測定するロードセル114b、115bと、測定された重量に基づいて、ロール紙Rの引出方向への引き出しに対するロール紙Rの慣性による抵抗力を算出する張力算出部201bと、張力に基づいて、ロール紙Rを引き出す際の紙送りローラ212の駆動量に関する制御値を決定する制御値決定部201cと、制御値に基づいて、ロール紙Rを引き出す際の紙送りローラ212の回転を制御する搬送制御部201dとを有するように構成する。
【選択図】図5
Description
このようなインクジェット式プリンタにおいて、記録用紙の残量(残りの長さ)と記録用紙の幅とに応じて記録用紙を搬送するためのステッピングモータを最適に制御する発明が知られている(特許文献1参照)。
また、例えば、途中まで使用している記録用紙のように、セットした状態における長さが把握できない記録用紙に対しては、残り長さを把握することができず、最適な制御を行うことができないという問題がある。
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ロール状に巻回された被搬送物の使用状況を継続して把握せずとも、ロール状に巻回された被搬送物の搬送精度を向上することのできる技術を提供することにある。
図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタの斜視図、図2は、プリンタの主要部の内部構成例を示す斜視図、図3は、プリンタの概略断面側面図である。図1及び図2に示す記録装置及び搬送装置の一例としてのプリンタ100は、例えばJIS規格のA0判やJIS規格のB0判といった比較的大型のサイズの記録用紙にまで記録できる大型のインクジェット式プリンタであり、給紙部110と、記録手段の一例としての記録部120と、搬送部210と、排紙部130と、脚部140がこの順で上部から配設された構成となっている。そして、記録部120及び搬送部210を制御する制御部200が内蔵されている。給紙部110は一体化された記録部120及び搬送部210と排紙部130に対して分離可能に構成されており、これらはプリンタ本体として構成されている。そして、このプリンタ本体は脚部140に対して分離可能に構成されている。
ロール紙ホルダ111は、図2及び図4に示すように、ロール紙Rを保持するスピンドル113と、給紙部110の両側壁内面に取り付けられて、スピンドル113の着脱及び懸架が可能なスピンドル受け114、115を備えている。
スピンドル受け114、115は、スピンドル113を回転可能に支持するスピンドル支持部114a、115aと、スピンドル支持部114a、115aのそれぞれを支持して加えられる重量に応じて電気信号を出力する重量測定手段の一例としてのロードセル114b、115bと、ロードセル114b、115bと接続されるとともに側面を給紙部110の両側壁内面に接続される接続部114c、115cとを有する。
スピンドル支持部114aは、スピンドル113を挿貫可能な穴が形成されるとともに、内部にトルクリミッタを収容しており、ロール紙Rを記録部120側に送る際にスピンドル113が回転する方向に対して逆向きに所定の一定のトルクを発生させるようになっている。
このような構成により、スピンドル113は、中央にロール紙が装着された後、両端がスピンドル受け114、115に装着され、回転可能に軸支持されるようになっている。
記録部120は、図2に示すように、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)121を搭載したキャリッジ122、記録ヘッド121と記録を実行する為の図示しない制御部とを接続するフレキシブルフラットケーブル(以下、FFCという)123、記録ヘッド121とインクが入った図示しないインクカートリッジとをつなぐインクチューブ124、ロール紙の浮き上がりを防止する図示しない紙吸引手段、キャリッジ122の主走査方向の移動位置を検出するリニアエンコーダ等を備えている。
キャリッジ122は、図2に示すように、主走査方向に設けられているガイドレール127にコロを介して吊り下げられ、キャリッジベルト128に連結されており、図示しないキャリッジ駆動装置によってキャリッジベルト128が作動すると、キャリッジベルト128の動きに連行され、ガイドレール127に案内されて往復移動するようになっている。
プラテン214の表面は、用紙搬送案内面として作用すると共に用紙吸引面としても作用する。即ち、プラテン214は、主走査方向に複数並設された吸引口214aを備えており、記録部120の内部に配設されたファン217により外気が各吸引口214aから吸引されることにより、プラテン214上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。従って、記録時において特にロール紙の幅が広くてもロール紙はプラテン214上で全幅にわたって確実に吸引されて平坦になるので、記録精度を高精度に維持することができる。
脚部140は、図1及び図2に示すように、移動用のコロ141を有する2本の支持柱142と、これらの支持柱142の間に掛け渡されている補強棒143を備えている。そして、支持柱142の上部にプリンタ本体110、120、130が載置されネジ止め固定されるようになっている。ユーザは、プリンタ100のメンテナンス等のために背面側を見たいときや、プリンタ100の設置場所を変更したいときに、コロ141によりプリンタ100を容易に移動させることができる。
制御部200においては、CPU(Central Processing Unit)201と、通信インターフェース部(通信I/F部)202と、ROM(Read Only Memory)203と、RAM(Random Access Memory)204と、記憶手段の一例としてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)205と、機構制御部206とがバス207を介して接続されている。
通信I/F部202は、例えば、USBケーブルを介して外部装置と接続可能であり、外部装置との間での情報交換の仲介を行う。例えば、PC(パーソナルコンピュータ)から送信される当該プリンタ100で記録すべき画像の画像データの仲介を行う。
EEPROM205は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、プリンタ100の電源が入っていない場合でも記憶しておく必要がある各種情報を記憶する。本実施形態では、EEPROM205は、プリンタ100において装着されているロール紙Rに関する設定値情報(用紙設定値情報:被搬送物情報)等を記憶する。用紙設定値情報としては、用紙の密度ρ、用紙幅l、ロール紙内径d等が含まれている。これら用紙設定値情報と、測定された用紙重量wとからロール紙R(ロール状部分)の慣性モーメントI等の各種数値を算出することができる。
機構制御部206は、CPU201による制御に従って、プリントエンジンを構成する給紙部110、記録部120、搬送部210等を制御するようになっている。
張力算出部201bは、重量取得部201aによって取得されたロール紙Rの重量wを利用して、トルクリミッタによる用紙搬送方向逆向きにかかる張力Ftと、ロール紙Rの慣性(イナーシャ)による用紙搬送方向逆向きにかかる張力Fiとを算出し、算出結果を制御値決定部201cに通知する。
ロール紙Rの重量(ロール紙重量)をwとし、ロール紙密度をρとし、ロール紙幅をlとし、ロール紙内径をdとし、ロール紙外径(ロール状部分の外径)をDとし、重力加速度をgとすると、ロール紙重量wは、以下の式(1)で表される。そして、式(1)を変形すると式(2)が得られ、式(2)から式(3)に示すようにロール紙Rの外径Dを示す式が得られる。ここで、測定されたロール紙重量wや、ROM203やEEPROM205に格納されている各値を用いることにより外径Dを算出することができる。
ここで、トルクリミッタにより発生されるトルクをTlとすると、式(4)に示すように、式(3)により算出された外径Dを用いて、トルクリミッタによる張力Ftを算出することができる。
ロール紙Rの慣性モーメントIは、以下に示すように式(5)によって表され、この式(5)を変形すると式(6)が得られる。
一方、式(1)を変形すると、以下の式(7)が得られる。
そして、式(6)に、式(7)及び式(2)を代入すると、以下の式(8)が得られる。したがって、この式(8)に各数値を代入することにより、ロール紙Rの慣性モーメントIを算出することができる。
ここで、紙送りの加速度をaとすると、加速度aと、角度変位θとは、式(11)及び式(12)に示す関係が成立する。
従って、式(9)に、式(12)を代入し、更に、得られたTiを式(10)に代入すると、式(13)に示すように、ロール紙Rの慣性による張力Fiを表すことができる。
図6は、用紙にかかるバックテンションと、用紙の紙送り量との関係を説明する図である。同図においては、線Aはロール紙Rの用紙が実際に送られた量(長さ)を示し、線Bは、その際の紙送りローラ212の駆動量を示している。
同図に示すように、バックテンションが増加するほど、線Bに示す紙送りローラ212の駆動量ILよりも、紙送り量RLが少なくなるという傾向にある。これは、バックテンションが大きいほど、紙送りローラ212による紙送り時において、搬送方向逆向きへのすべり量SLが多くなるためである。
本実施形態では、制御値決定部201cは、決定した駆動量の制御値をRAM204に格納する。
本実施形態においては、搬送制御部201dは、紙送りローラ212を駆動するステッピングモータ216を加速動作させる際には、トルクリミッタによる張力Ftと、慣性による張力Fiが発生しているので、これら張力を考慮して決定された駆動量となるようにステッピングモータ216を制御する。本実施形態では、搬送制御部201dは、機構制御部206により、紙送りローラ212が決定された駆動量の駆動を行うように、駆動量に対応する数のパルスをステッピングモータ216に供給させる。
また、搬送制御部201dは、紙送りローラ212を駆動するステッピングモータ216を定速動作させる際には、トルクリミッタによる張力Ftを考慮して決定された駆動量となるようにステッピングモータ216を制御する。本実施形態では、搬送制御部201dは、機構制御部206により、紙送りローラ212が決定された駆動量の駆動を行うように、駆動量に対応する数のパルスをステッピングモータ216に供給させる。
紙送り制御値決定処理は、CPU201が終了指示を検出していない場合には(ステップS1のNO)、ステップS2からのステップを実行する一方、終了指示を検出した場合(ステップS1のYES)には処理を終了する。
すなわち、終了指示を検出していない場合には(ステップS1のNO)、重量取得部201aは、紙送り調整を実施する時点であるか否かを判定する(ステップS2)。紙送り調整を実施する時点としては、例えば、プリンタ100の電源を入れた直後であってもよく、ロール紙Rを装着した直後の時点であってもよく、また、例えば、前回の調整時点から所定の時間(例えば、5分)が経過した時点のいずれか1つの時点又は複数の時点であってもよい。
この結果、紙送り調整を実施する時点でない場合(ステップS2のNO)には、ステップS1及びステップS2を繰り返して実行する。
更に、張力算出部201bは、重量取得部201aによって取得されたロール紙Rの重量w等を利用して、ロール紙Rの慣性モーメントIを算出し(ステップS6)、慣性モーメントI等を利用して、ロール紙Rの慣性による張力Fiを算出する(ステップS7)。
このようにして、RAM204には、ロール紙Rの当該時点における重量wに基づいて算出された張力に応じた紙送りローラ212の駆動量の制御値が格納されることとなり、以降において、搬送制御部201dにより、RAM204に格納された駆動量の制御値に基づいて、機構制御部206を介して紙送りローラ212の回転が制御されることとなり、ロール紙Rが記録部120へ送られ、記録部120において所定の画像が記録される。
このため、紙送り時に紙のすべりが発生している状態においても、紙送りを高精度に行うことができる。また、紙送りを高精度に行うことができるので、紙に画像を高精度に記録することができる。
例えば、上記実施形態では、用紙を加速して搬送する際について、トルクリミッタによる張力と、慣性による張力との双方の張力を考慮するようにしていたが、本発明はこれに限られず、いずれか一方についての影響を考慮するようにしてもよく、このようにしても紙送りの精度を向上することができる。例えば、いずれか一方が他方に比べて極端に小さい場合には、一方の影響のみを考慮するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、紙送り調整を実施する時点か否かを判定するようにして、処理量を少なくするようにしていたが、本発明はこれに限られず、紙送りの調整を常に繰り返して実行するようにしてもよい。このようにすると、紙送りの精度を常に高く維持することができる。
また、上記実施形態では、インクを吐出する記録装置を一例に説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材を吐出する記録装置、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)を吐出する記録装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する記録装置にも適用することができる。
Claims (6)
- ロール状に巻回された被搬送物を引き出し可能に保持するロール保持手段と、
前記被搬送物を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、
前記ロール状に巻回された前記被搬送物の重量を測定する重量測定手段と、
前記測定された重量に基づいて、前記被搬送物の前記引出方向への引き出しに対する前記ロール状の部分の慣性による抵抗力を算出する抵抗力算出手段と、
前記抵抗力に基づいて、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの駆動量に関する制御値を決定する制御値決定手段と、
前記制御値に基づいて、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御手段と
を有する搬送装置。 - 前記抵抗力算出手段は、前記ロール状に巻回された前記被搬送物の重量に基づいて、被搬送物引出時における回転軸に関する前記ロール状の部分の慣性モーメントを算出し、当該慣性モーメントに基づいて前記ロール状の部分の慣性による抵抗力を算出することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
- 前記被搬送物の密度、前記ロール状の部分の内径、及び前記被搬送物の幅に関する被搬送物情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記抵抗力算出手段は、前記重量及び前記被搬送物情報に基づいて前記慣性モーメントを算出することを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。 - ロール状に巻回された記録媒体を引き出し可能に保持するロール保持手段と、
前記記録媒体を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、
前記ロール状に巻回された前記記録媒体の重量を測定する重量測定手段と、
前記測定された重量に基づいて、前記記録媒体の前記引出方向への引き出しに対する前記ロール状の部分の慣性による抵抗力を算出する抵抗力算出手段と、
前記抵抗力に基づいて、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの駆動量に関する制御値を決定する制御値決定手段と、
前記制御値に基づいて、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御手段と、
前記引出ローラによって引き出された前記記録媒体に対して所定の画像を記録する記録手段と
を有する記録装置。 - ロール状に巻回された被搬送物を引き出し可能に保持するロール保持手段と、前記被搬送物を所定の引出方向に引き出す引出ローラとを有する搬送装置における搬送方法であって、
前記ロール状に巻回された前記被搬送物の重量を測定する重量測定ステップと、
前記測定された重量に基づいて、前記被搬送物の前記引出方向への引き出しに対する前記ロール状の部分の慣性による抵抗力を算出する抵抗力算出ステップと、
前記抵抗力に基づいて、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの駆動量に関する制御値を決定する制御値決定ステップと、
前記制御値に基づいて、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御ステップと
を有する搬送方法。 - ロール状に巻回された記録媒体を引き出し可能に保持するロール保持手段と、前記記録媒体を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、前記引出ローラによって引き出された前記記録媒体に対して所定の画像を記録する記録手段とを有する記録装置における記録方法であって、
前記ロール状に巻回された前記記録媒体の重量を測定する重量測定ステップと、
前記測定された重量に基づいて、前記記録媒体の前記引出方向への引き出しに対する前記ロール状の部分の慣性による抵抗力を算出する抵抗力算出ステップと、
前記抵抗力に基づいて、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの駆動量に関する制御値を決定する制御値決定ステップと、
前記制御値に基づいて、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御ステップと、
前記引出ローラによって引き出された前記記録媒体に対して所定の画像を記録する記録ステップとを有する記録方法。
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