JP2007245460A - 積層成形品及びその製造方法 - Google Patents

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一彦 田中
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Abstract

【課題】 特に、ABS樹脂を使用しても綺麗に発泡発色させることを可能とした積層成形品及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 本体部材2の表示部7での厚さ寸法H1を薄肉にすることで、前記本体部材2に透明又は半透明な被覆部材3を重ねた積層成形品1において、前記本体部材2にABS樹脂を用いても、前記表示部7の表面7aにて適切に発泡発色させることができる。よって発色度合を大きくでき、また発色むらを小さくでき、良好な発色性を有する発色領域4を形成することが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザマーキングによって綺麗に発泡発色させることが可能な積層成形品に関する。
ゲーム機やキーボード等には、表面に数字や記号等がマーキングされたキートップが使用される。マーキングの方法には色々あるがそのうち、レーザマーキングには、樹脂成形品の可視表面を発泡させて発色させる方法がある。従来、本体部材の可視表面に、質感を高めたり、又、前記可視表面にレーザマーキングにより形成される発色領域が直接、指等に触れないように、透明な被覆部材が密着形成された場合、前記本体部材は、発泡発色用の樹脂としてアクリル樹脂が使用されていた。
なお下記特許文献1には、レーザマーキングに使用される樹脂成形品の材質が列挙されている。また特許文献2は、レーザ積層成形品に関する発明ではないが、半透明の樹脂組成物(A)から成る半透明基材層と、蛍光材料が含有された樹脂組成物(B)からなる発光樹脂層とが積層された半透明樹脂成形品が開示されている。
特表平11−508202号公報 特開平7−68718号公報
前記被覆部材は上記のように例えば透明であり、レーザを透過するため、前記レーザマーキングは、本体部材と被覆部材とを積層した積層成形品に対し行い、レーザを、前記被覆部材を介して前記本体部材に照射する。これにより、前記本体部材の可視表面は発泡発色し、前記可視表面に発色領域が形成される。
上記したように、本体部材にアクリル樹脂を使用した場合、発色領域を形成するために必要な発泡量は小さくて済み、したがって前記本体部材上に被覆部材が設けられている状態でもレーザマーキングにより綺麗に発色領域を形成することが可能である。
しかしアクリル樹脂は、割れやすい、材料費が高い、成形加工しにくい等の理由により、アクリル樹脂に変わる樹脂が求められた。
アクリル樹脂の上記問題点を解決できる樹脂にはABS樹脂があるが、ABS樹脂で、前記本体部材を形成した場合、上記のように被覆部材を重ねた状態で、レーザマーキングを行うと、綺麗に発色領域を形成できないことがわかった。これは、前記ABS樹脂の場合、前記アクリル樹脂よりも発色領域を形成するに必要な発泡量が多く、可視表面に被覆部材が密着した状態では十分に発泡できないためであった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、ABS樹脂を使用しても綺麗に発泡発色させることを可能とした積層成形品及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明における積層成形品は、ABS樹脂を主体とし発色剤を含有した本体部材と、前記本体部材の表面を覆う透明又は半透明の被覆部材とを有し、
前記本体部材には表示部が設けられ、前記表示部の表面には、発泡により発色した発色領域が形成されており、前記表示部は、他の部位に比べて薄肉で形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、本体部材の表示部での厚さを薄肉にすることで、前記本体部材に透明又は半透明な被覆部材を重ねた積層成形品において、前記本体部材にABS樹脂を用いても、適切に発泡発色させることができる。よって発色度合を大きくでき、また発色むらを小さくでき、良好な発色性を有する発色領域を形成することが可能である。前記表示部の表面で発泡した際、薄肉であるために、前記表示部の裏面側に膨張しやすく前記発泡は阻害されない。その結果、発泡発色が適切に行われる。
前記表示部での最小厚さ寸法は、0.2mm以上で1mm以下の範囲内であることが好ましい。これにより、発泡発色がより適切に行われ、より発色性に優れた発色領域の形成が可能である。
また本発明では、前記最小厚さ寸法は0.5mm以下であることがさらに好ましい。
また本発明では、前記表示部の裏面には前記被覆部材から離れる方向に突出する突出部が設けられ、前記突出部の最大幅寸法は、0.8mm以下であることが好ましい。後述する実験によれば、多少、前記突出部が前記発色領域と厚さ方向でオーバーラップしていても、前記突出部の最大幅寸法を0.8mm以下にすれば、前記発色領域全体を発色性に優れた状態で形成することが出来る。
また本発明では、平面視にて、前記突出部は前記発色領域を横断して形成されていてもよい。
また本発明では、前記被覆部材は、ABS樹脂を主体として形成されていることが好ましい。これにより前記被覆部材を割れにくい材料で、安い材料費で、所定形状に適切に成形できる。
また本発明における積層成形品の製造方法は、以下の工程を用いて形成することを特徴とするものである。
(a) 本体部材をABS樹脂を主体とし発色剤を含有して形成し、このとき、表示部を、前記表示部以外の部位よりも薄肉で形成する工程、
(b) 前記本体部材の表面に透明又は半透明の被覆部材を重ねる工程、
(c) 前記被覆部材を介して前記本体部材の表示部にレーザマーキングを行い、前記表示部の表面に、発色発泡により発色領域を形成する工程。
本発明では、上記の製造方法により、前記本体部材にABS樹脂を使用しても、発泡発色の際に表示部の裏面側への膨張が可能となったから、適切に発泡発色させることが出来、発色性に優れた発色領域を形成できる。
また本発明では、前記(c)工程のとき、レーザの焦点を、前記表示部の表面、前記被覆部材の内部、及び前記被覆部材の表面以外の位置に合わせて、前記レーザマーキングを行うことが好ましい。前記レーザの焦点を、前記表示部の内部に合わせることがより好ましい。
前記レーザの焦点が例えば前記被覆部材の内部にあると、前記被覆部材でのエネルギー吸収量が大きくなり適切に前記本体部材にレーザを照射できない。またレーザ照射による前記被覆部材へのダメージが大きくなり、前記被覆部材が劣化する。したがって上記のように前記レーザの焦点を調整する。
また本発明では、前記(a)工程にて、前記表示部での厚さを0.2mm以上で1mm以下の範囲内で形成することが、発泡発色の際に裏面側により適切に膨張が可能となり、発色性に優れた発色領域を容易に形成できて好ましい。
本発明では、本体部材の表示部での厚さを薄肉にすることで、前記本体部材に透明又は半透明な被覆部材を重ねた積層成形品において、前記本体部材にABS樹脂を用いても、適切に発泡発色させることができる。よって発色度合を大きくでき、また発色むらを小さくでき、良好な発色性を有する発色領域を形成することが可能である。
図1は本実施形態の積層成形品の構造を示す断面図、図2は図1に示す積層成形品の平面図、図3は、レーザマーキングの方法を説明するための前記積層成形品の断面図、図4は、他の実施形態の積層成形品の構造を示す断面図、図5は、図4に示す積層成形品の平面図、図6は、図4に示す積層成形品のレーザマーキング前の状態を示す断面図、図7は、図6に示す積層成形品の裏面図、図8は、図1とは別のレーザマーキング方法を説明するための積層成形品の断面図、である。
図1に示す積層成形品1は、例えばゲーム機やキーボード等に使用されるキートップであり、前記積層成形品1は、着色された本体部材(着色部材)2と、前記本体部材2の表面上に重ねられた透明又は半透明の被覆部材3から構成される。前記被覆部材3は質感を高め、また発色領域4に直接指が触れないようにするために設けられたものである。前記被覆部材3は前記本体部材2に密着している。
前記本体部材2は、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)を主体として形成される。さらに前記本体部材2は着色剤である顔料やレーザの吸収性を高めるための充填剤、発泡剤等が含まれる。前記発泡剤には、ペンタン、ヘキサン、アゾ化合物、ニトロソ化合物等を挙げることができる。また前記本体部材2は、発色剤を含む。前記発色剤は例えば、珪素無機化合物やフェノール系化合物等である。
図1に示すように、前記本体部材2上に形成された被覆部材3の主体は、ABS樹脂で形成されてもアクリル樹脂やその他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、又はガラス等で形成されてもよい。ただし前記被覆部材3も本体部材2と同様に、ABS樹脂を主体として形成されることが好ましい。
また前記被覆部材3の全光線透過率は、50%以上であることが好ましい。用途に応じて全光線透過率が決定される。
図1,図2に示すように、前記本体部材2の中央部には表示部7が設けられている。前記表示部7の領域をわかりやすくするために図2には斜線を記載し、この斜線部を表示部7とする。図2に示すように、前記表示部7の表面7aは例えば円形状で現れる。
図1,図2に示すように前記表示部7の周囲には、前記表示部7の裏面7bよりも被覆部材3から遠ざかる方向に突出する側壁部2dが形成されている。そして前記側壁部2dよりも内側が凹状部2cで形成されることで前記表示部7の(最小)厚さ寸法H1は、前記側壁部2dでの厚さ寸法H2に比べて薄肉となっている。
図1,図2に示す実施形態では、平面視にて、前記表示部7の輪郭を、前記側壁部2dの内側側面2d1に一致させている。前記表示部7をどの部分とするかは任意である。例えば図2に示すように、前記表示部7の表面7aには発色領域4が形成されるが、表面7aに前記発色領域4が形成される部分だけを表示部7と規定してもよいし、前記表示部7を、前記側壁部2dの内側側面2d1よりも外側に広げてもよい。前記表示部7とは、その表面にて図形、文字、記号等のレーザマーキングを行うことを可能とした領域であり、表示部7の平面面積≧発色領域4の面積という関係が保たれていれば、前記表示部7の認定は任意である。
図1,図2に示すように前記表示部7の表面7aには、本体部材2の色よりも薄い色の発色領域4が形成されている。ここで発色領域4とは、輪郭内の表面全域を示す。発色領域4は前記表示部7にビームが照射されるときに熱が発せられて発泡し、そのとき前記本体部材2に添加された発色剤が、前記表面7aに集まり発色する。以下、このような現象を「発泡発色」と言う。
図1に示すように、前記本体部材2の表示部7での(最小)厚さ寸法H1は、前記表示部7以外の部位(側壁部2dの形成部分)に比べて薄肉で形成されている。このため、本体部材2上に被覆部材3が重ねられた積層成形品1において、前記発色領域4の形成の際に発泡量が大きいABS樹脂を前記本体部材2として用いても、発泡時に、薄肉である表示部7の裏面7b側に適切に膨張でき、よって適切に発泡発色させることが可能である。また換言すれば、前記凹状部2cは、いわば膨張逃げ部(発泡逃げ部)として機能する。
したがって本実施形態では、前記本体部材2の表示部7に、発色度合が大きく、発色むらが小さい良好な発色性を有する発色領域4が形成されている。
図1に示すように前記表示部7の裏面7bのうち、発色領域4と厚さ方向で対向する裏面7b1は、下方向に膨張している(点線部が膨張する前の裏面7b位置である)。よって前記表面7aから前記裏面7b1での厚さ寸法は、その周囲の薄肉部よりもやや厚くなる。
前記表示部7での最小厚さ寸法H1は、0.2mm以上で1mm以下の範囲内で形成される。なお前記最小厚さ寸法H1は0.5mm以下であることがより好ましい。また前記側壁部2dの厚さ寸法H2は、用途によって決定され特に限定されないが、例えば、0.5mm以上で15mm以下の範囲内で形成される。
図1,図2に示す積層成形品1の製造方法について説明する。
まず前記本体部材2及び前記被覆部材3を射出成形、注型法等により形成する。前記本体部材2をABS樹脂を主体とし発色剤を含有して形成し、このとき、前記本体部材2の表示部7での厚さ寸法H1を、前記表示部7の周囲に形成される側壁部2dの厚さ寸法H2よりも薄肉で形成する。
次に、前記本体部材2の表面に前記被覆部材3を成形、あるいは密着させる。
次に、レーザマーキングを行う。レーザマーキング方法は、図3を用いて詳しく説明する。
図3に示すように、YAGやYVO等のレーザ光Lを、レーザ照射口5から前記積層成形品1に向けて照射する。図3は簡単に記載されているが、実際にはレーザ照射口5と前記積層成形品1との間には各種レンズやミラー等が設けられている。
図3に示す実施形態では前記レーザ光Lの焦点L1を、前記表示部7の内部に合わせている。本実施形態では、前記焦点L1が、前記表示部7の表面7a、前記被覆部材3の内部、及び前記被覆部材3の表面3aに位置しないことが重要である。したがって図6のように、前記被覆部材3の表面3aよりも前記レーザ照射口5から見て手前側の空間に焦点L1を合わせてもよい。ただし前記被覆部材3の厚さ寸法H3が厚い場合、図6のように、前記焦点L1を前記被覆部材3の手前側に位置させるのは得策ではない。それは、前記本体部材2の表示部7の表面7aにまで光が到達するまでに光の拡散量が大きくなり、所定形状の発色領域4をレーザマーキング法によって綺麗に形成できないからである。
前記被覆部材3の厚さ寸法H3が6mm以下である場合、図6のように、前記焦点L1を前記被覆部材3の手前側に位置させても適切に前記表面7aを発泡発色でき綺麗な形状の発色領域4を形成できるが、前記被覆部材3の厚さ寸法H3が6mmよりも大きい場合、図3に示すように、前記焦点L1を前記表示部7の内部に合わせることが好ましい。
図3に示すレーザ照射された表示部7の表面7aは発泡し、その部分に発色剤が集まり発色する。これにより発色領域4が形成される。
本実施形態では、前記本体部材2がABS樹脂を主体として形成されているため、前記発色領域4を形成するために必要な発泡量は、例えば前記本体部材2をアクリル樹脂で形成した場合に比べて大きいが、図3に示すように、前記本体部材2の表示部7での厚さを側壁部2dに比べて薄肉で形成しているから、図1で説明したように前記表示部7の裏面7bが、前記被覆部材3にて密閉された前記表面7aでの発泡によって適切に下方向に膨張する。したがって前記表示部7の表面7aで発泡発色を適切に起こすことが出来る。
図4,図5に示す実施形態のように、前記表示部7の裏面7b側に前記被覆部材3から遠ざかる方向に向けて突出するリブ(突出部)6が設けられていてもよい。図5に示すように、平面視にて、前記リブ6は、前記発色領域4を横断している。前記リブ6の両端は、前記側壁部2dに繋がっており、したがって図4,図5に示すように凹状部2cは分断されている。
図5に示すように前記リブ6は幅寸法T1を持つ直線状で形成されるが、そのように限定されるものではない。また前記リブ6の両端は、前記側壁部2dと繋がっていなくてもよい。
図4,図5に示す実施形態は、前記リブ6の幅寸法T1は0.8mm以下に設定されている。またこのとき、前記発色領域4の幅寸法T2は2.4mm以上である。前記リブ6の幅寸法T1及び前記発色領域4の幅寸法T2は同じ方向に対する幅寸法である。図5のように平面視にて前記発色領域4は前記リブ6の両側にはみ出しているが、そのはみ出した方向への幅寸法によって規定する(図5ではリブ6の長手方向に対して直交する方向で規定される)。図5のように前記発色領域4が円形状であれば前記発色領域Aの直径で前記発色領域4の幅寸法T2を規定する。前記幅寸法T2は、前記発色領域Aが円形状以外の形状のとき、前記リブ6の長手方向に対し直交する方向での最大長さで規定される。
あるいは、前記発色領域4の面積をA、前記発色領域4と厚さ方向で重なる前記リブ6の面積をBとしたとき、前記面積Aは、前記面積Bの3倍以上に規制されている。なお、前記発色領域4が広がって、例えば前記側壁部2dの一部と厚さ方向で重なる場合、前記側壁部2dも前記リブ6と同様に突出形状であり、発泡発色を阻害する要因であるから、前記面積Bに、前記発色領域4と厚さ方向で重なる側壁部2dの面積も加える。
上記したリブ6の幅寸法T1及び面積Bが大きくなると前記発色領域4と厚さ方向で重なるリブ6の割合は大きくなる。すなわち、前記発色領域4と対向する表示部7の薄肉部の割合が減るため、発泡発色時に前記表示部7の裏面7b側が膨張しにくく、適切に発泡発色させることができない。特に、前記リブ6と厚さ方向で対向する部分での発泡発色が適切に起こらず発色度合がその部分だけ小さくなり発色むらが生じ、発色性に優れた前記発色領域4を形成できない。よって、上記した幅寸法あるいは面積比率を規定している。
また、リブ形状でなく、例えば、前記表示部7の中央部の裏面7bから円柱状等の突出部が形成されてもよい。突出部の形状は限定されるものではない。
以上のように本実施形態では、前記本体部材2をABS樹脂で形成し、表面7aに発色領域4が形成される前記表示部7を薄肉で形成したものである。前記ABS樹脂は、アクリル樹脂に比べて、割れにくい、安価である、成形加工性に優れるといった特性を持つ。よって前記本体部材2(加えて被覆部材3も)をアクリル樹脂に代えてABS樹脂で形成することは上記のメリットがある。また本実施形態では、前記本体部材2の表示部7を薄肉で形成したので、前記表示部7の表面7aで発泡発色により発色領域4を形成したとき、アクリル樹脂に比べて発泡量の大きいABS樹脂でも、前記表示部7の裏面7bが膨張するので適切に発泡発色させることができ、前記表示部7に発色性に優れた発色領域4を形成することが可能になる。
本実施形態では、前記表示部7の厚さ寸法H1を0.2mm〜1mmに設定したが、これにより、適切に発泡発色させることができる。なお前記表示部7の厚さ寸法H1の下限値を0.2mmとしたのは、製品としての最低限の強度を保つためである。
また前記厚さ寸法H1は、0.5mm以下であることが、より適切に発泡発色を行うことができ、より発色性に優れた発色領域4を形成することができて好ましい。
また前記本体部材2及び被覆部材3はともに所定の高さ寸法を持つ平面が円形状の形状となっているが、そのような形態に限定されるものではない。用途に合わせて形状を種々変えることが可能である。
本実施形態における積層成形品は、数字、文字、図形、記号等を透明あるいは半透明な被覆部材3を通して本体部材2の表示部7の表面7aにレーザマーキングするものであれば、キートップ以外の用途でも適用可能である。
実験では、図1に示す積層成形品1を用い、前記凹状部2cでの直径φ1(図3参照)、及び前記表示部7での厚さ寸法H1を種々、変化させて、前記本体部材2の表示部7の表面7aに形成される発色領域4の発色性を調べた。なお前記本体部材2の外周の直径φ(図3参照)を10mmとした。また被覆部材3の厚さ寸法H3を3mmとした。また本体部材2には、東レ(株)製のトヨラック(登録商標)920を用いた。なお本体部材2を黒色に着色し、緑色の発色剤を添加した。また被覆部材3には、日本エイアンドエル(株)のクラスチック(登録商標)ST−120を使用した。
実験では、発色領域4をドーナッツ状で形成した。図7(a)〜(i)が実験に使用された積層成形品1を真上から見た写真である。図7(a)は、直径φ1を3mm、厚さ寸法H1を0.5mmとした実験結果である。図7(b)は、直径φ1を5mm、厚さ寸法H1を0.5mmとした実験結果である。図7(c)は、直径φ1を7mm、厚さ寸法H1を0.5mmとした実験結果である。図7(d)は、直径φ1を3mm、厚さ寸法H1を1mmとした実験結果である。図7(e)は、直径φ1を5mm、厚さ寸法H1を1mmとした実験結果である。図7(f)は、直径φ1を7mm、厚さ寸法H1を1mmとした実験結果である。図7(g)は、直径φ1を3mm、厚さ寸法H1を1.5mmとした実験結果である。図7(h)は、直径φ1を5mm、厚さ寸法H1を1.5mmとした実験結果である。図7(i)は、直径φ1を7mm、厚さ寸法H1を1.5mmとした実験結果である。
図7に示すように、厚さ寸法H1が大きい試料ほど(図7に示す下側の試料ほど)、発色領域の発色がうすくなり、特に前記厚さ寸法H1を1.5mmにすると、直径φ1を大きくしても発色しないことがわかった。
図7に示す実験結果から前記厚さ寸法を1mm以下に設定した。好ましくは0.5mm以下である。
次に、図4,図5に示すような表示部7の裏面7bに突出部(リブ)6が形成された積層成形品を用い、前記突出部6の幅寸法T1を種々変化させて、前記本体部材2の表面7aに形成される発色領域4の発色性を調べた。なお実験で使用した本体部材、及び被覆部材の材質は図10の実験で使用したものと同じである。また本体部材2の外周の直径φ2を10mmとした。また被覆部材3の厚さ寸法H3を3mmとした。また、薄肉部の厚さ寸法H1を0.8mmとした。また、凹状部2cの直径φ1を7mmとした。
そして図8に示すように、本体部材の表面に3本線の発色領域を形成した。図8(a)は、幅寸法T1を0.6mm、図8(b)は、幅寸法T1を0.7mm、図8(c)は、幅寸法T1を0.8mm、図8(d)は、幅寸法T1を0.9mm、図8(e)は、幅寸法T1を1.0mm、図8(f)は、幅寸法T1を1.1mm、図8(g)は、幅寸法T1を1.2mm、図8(h)は、幅寸法T1を1.3mm、図8(i)は、幅寸法T1を1.4mm、図8(j)は、幅寸法T1を1.5mmとした実験結果である。
そして、リブ6が厚さ方向でオーバーラップする部分での発色強度をC、リブ6が厚さ方向でオーバーラップしない部分での発色強度をDとしたときのコントラスト比(C/D)は、図8(a)で0.95、図8(b)で0.94、図8(c)で0.92、図8(d)で0.9、図8(e)で0.89、図8(f)で0.86、図8(g)で0.85、図8(h)で0.83、図8(i)で0.81、図8(j)で0.8であった。
図8に示すように幅寸法T1が大きくなるにつれ、前記突出部と厚さ方向にてオーバーラップする前記発色領域の一部の発色がうすくなることがわかった。
図8に示す実験結果から前記突出部の幅寸法を0.8mm以下に設定した。
本実施形態の積層成形品の構造を示す断面図、 図1に示す積層成形品の平面図、 レーザマーキングの方法を説明するための前記積層成形品の断面図、 他の実施形態の積層成形品の構造を示す断面図、 図4に示す積層成形品の平面図、 図1とは別のレーザマーキング方法を説明するための積層成形品の断面図、 薄肉部の膜厚H1及び凹状部の直径φ1を種々変更して実験した各試料の発色領域の発色状態を示す写真、 本体部材の裏面に形成された突出部(リブ)の幅寸法を種々変更して実験した各試料の発色領域の発色状態を示す写真、
符号の説明
1 積層成形品
2 本体部材
3 被覆部材
4 発色領域

Claims (10)

  1. ABS樹脂を主体とし発色剤を含有した本体部材と、前記本体部材の表面を覆う透明又は半透明の被覆部材とを有し、
    前記本体部材には表示部が設けられ、前記表示部の表面には、発泡により発色した発色領域が形成されており、前記表示部は、他の部位に比べて薄肉で形成されていることを特徴とする積層成形品。
  2. 前記表示部での最小厚さ寸法は0.2mm以上で1mm以下の範囲内である請求項1記載の積層成形品。
  3. 前記最小厚さ寸法は0.5mm以下である請求項2記載の積層成形品。
  4. 前記表示部の裏面には前記被覆部材から離れる方向に突出する突出部が設けられ、前記突出部の最大幅寸法は、0.8mm以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の積層成形品。
  5. 平面視にて、前記突出部は前記発色領域を横断して形成されている請求項4記載の積層成形品。
  6. 前記被覆部材は、ABS樹脂を主体として形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の積層成形品。
  7. 以下の工程を用いて形成することを特徴とする積層成形品の製造方法。
    (a) 本体部材をABS樹脂を主体とし発色剤を含有して形成し、このとき、表示部を、前記表示部以外の部位よりも薄肉で形成する工程、
    (b) 前記本体部材の表面に透明又は半透明の被覆部材を重ねる工程、
    (c) 前記被覆部材を介して前記本体部材の表示部にレーザマーキングを行い、前記表示部の表面に、発色発泡により発色領域を形成する工程。
  8. 前記(c)工程のとき、レーザの焦点を、前記表示部の表面、前記被覆部材の内部、及び前記被覆部材の表面以外の位置に合わせて、前記レーザマーキングを行う請求項7記載の積層成形品の製造方法。
  9. 前記レーザの焦点を、前記表示部の内部に合わせる請求項8記載の積層成形品の製造方法。
  10. 前記(a)工程にて、前記表示部での厚さを0.2mm以上で1mm以下の範囲内で形成する請求項7ないし9のいずれかに記載の積層成形品の製造方法。
JP2006070644A 2006-03-15 2006-03-15 積層成形品及びその製造方法 Withdrawn JP2007245460A (ja)

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