JP7061487B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
レーザー透過部材と、レーザーを吸収して発色するレーザー印字部材と、を重ね合わせる工程と、
前記レーザー透過部材を透過させてレーザーを前記レーザー印字部材に照射して、前記レーザー印字部材の表面に印字する工程と、
を含み、この順に行う。
前記重ね合わせ工程後、前記印字工程前に、
さらに、前記レーザー透過部材を透過させてレーザーを前記レーザー印字部材に照射して、前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部とを融着する工程を含むことができる。
前記融着工程において、前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部との融着領域が、前記レーザー印字部材の印字部以外の領域であることができる。
前記レーザー印字部材が、樹脂100質量部に対してレーザー発色剤を0.01質量部超1質量部未満含有する樹脂組成物からなることができる。
前記レーザー発色剤がカーボンブラックであることができる。
レーザー透過部材と、
レーザーを吸収して発色するレーザー印字部材と、
を備えた積層体において、
前記レーザー印字部材の表面に印字部を有し、
前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部とが固定され、前記レーザー透過部材と前記レーザー印字部材との間に前記積層体の厚み方向に対する可撓性領域を有し、
前記印字部が前記可撓性領域に位置する。
前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部とが融着して固定されることができる。
前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部とがレーザー融着して固定されることができる。
前記レーザー印字部材が、樹脂100質量部に対してレーザー発色剤を0.01質量部超1質量部未満含有する樹脂組成物からなることができる。
前記レーザー発色剤がカーボンブラックであることができる。
レーザー印字部材との融着強度にも優れた積層体を製造することができる。
本実施形態に係る積層体の製造方法は、レーザー透過部材と、レーザーを吸収して発色するレーザー印字部材とを重ね合わせる工程(本明細書において「重ね合わせ工程」ともいう。)と、前記レーザー透過部材を透過させてレーザーを前記レーザー印字部材に照射して、前記レーザー印字部材の表面に印字する工程(本明細書において「印字工程」ともいう。)と、を含み、この順に行う。また、本実施形態に係る積層体の製造方法は、前記重ね合わせ工程後、前記印字工程前に、前記レーザー透過部材を透過させてレーザーを前記レーザー印字部材に照射して、前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部とを融着する工程(本明細書において「融着工程」ともいう。)をさらに含んでもよい。以下、本実施形態に係る積層体の製造方法の各工程について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の重ね合わせ工程を模式的に示す断面図である。まず、図1に示すように、レーザー透過部材10と、レーザーを吸収して発色するレーザー印字部材12とを重ね合わせる。この段階では、レーザー透過部材10とレーザー印字部材12とは、脱着可能な状態となっている。本明細書において「脱着可能」とは、レーザー透過部材10とレーザー印字部材12とが、接着層を介して固定されたり、融着によって固定されたりすることなく、両者を分離させることが可能な状態であることをいう。レーザー透過部材10とレーザー印字部材12とが脱着可能な状態となっている場合、両者の間に積層体の厚み方向に対する可撓性領域が存在することになり、いわゆる“遊び”が確保できる。
れる場合は、これらの部材は接着剤等で脱着不可能な状態で固定してもよい。なお、レーザー印字部材12と他の部材とが固定された場合であっても、レーザー透過部材10とレーザー印字部材12とが接するようにして、これらの部材同士が脱着可能な状態で重ね合わせる必要がある。
部材12と同じ材料を用いることができる。各種添加剤は、レーザー融着に使用される一般的な添加剤であり、特に限定されない。
上記のようにして得られた部材同士を、適切な固定手段(例えば、クランプ、空気圧等で各部材の厚み方向に圧力(加重)をかけて固定する手段、または印字部以外の箇所での接着剤による接着、熱板による融着、振動・超音波による融着、レーザー融着による溶接などの手段)で固定して積層体を形成してもよい。これらの固定手段の中でも、各部材の位置ずれを防止するために、印字部以外の箇所にレーザー融着により溶接する手段が好ましい。具体的には、以下のようにすることができる。
に応じて円形、円筒形、半球形などの種々の形状を取り得る。
図3は、本実施形態の印字工程を模式的に示す断面図である。図4は、図3の平面図である。図4のA-A線に沿った断面図が図3に相当する。なお、図3の矢印は、矢印の向きにレーザーが照射されることを意味する。
本発明は、上記製造方法により製造される積層体を包含する。図5は、本実施形態に係る積層体の構成を模式的に示す断面図である。図5に示すように、本発明の一実施形態に係る積層体は、レーザー透過部材10と、レーザーを吸収して発色するレーザー印字部材12と、を備えた積層体100において、レーザー印字部材12の表面に印字部16を有し、レーザー透過部材10の一部とレーザー印字部材12の一部とが固定され、レーザー透過部材10とレーザー印字部材12との間に積層体100の厚み方向に対する可撓性領域18を有し、印字部16が可撓性領域18に位置する。
も、レーザー透過部材10に何ら拘束を受けることなく追従できるので、印字部16が鮮明にあらわれる。その一方で、印字部16はレーザー透過部材10によって保護されているため、外部からの衝撃にも強い。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、本実施例における「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
3.1.1.積層体の作成
<重ね合わせ工程>
シリンダー温度230℃、金型温度60℃の条件下、射出成形機(JSW社製、110H)を用いてPMMA樹脂(三菱ケミカル社製、商品名「アクリペット MF」)を射出成形し、長さ90mm×幅50mm×厚み3mmのレーザー透過部材を作成した。
次いで、PMMA樹脂(三菱ケミカル社製、商品名「アクリペット MF」)100質量部と、レーザー発色剤としてカーボンブラック(三菱ケミカル社製、商品名「#45」、平均粒子径24nm)0.3質量部とを、二軸押出機で溶融混練した後、ペレット化した。作成したペレットを、シリンダー温度230℃、金型温度60℃の条件下、射出成形機(JSW社製、110H)を用いて射出成形し、長さ90mm×幅50mm×厚み3mmのレーザー印字部材を作成した。
得られたレーザー透過部材とレーザー印字部材とを重ね合わせ、さらにその外側から石英板で挟み込み、0.6MPaの荷重で仮固定して積層体を得た。
上記で得られた積層体に対して、レーザー透過部材側からレーザーを、端部から5mmの内周を溶着線幅2mmで額縁上にスキャン照射し、レーザー透過部材とレーザー印字部材とを部分的に融着させた。レーザーには、ドイツロフィン-シナール製のYVO4レーザー(波長1064nm、スポット径60μm、最大出力24W)を使用した。
その後、同レーザーを用いて、レーザー印字部材の表面を焦点位置に設置し、スポット径60μm、出力4W、スキャン速度600mm/secとし、日本カラリングの会社情報を記録した14mm×14mmの2次元バーコードを印字した。
<印字の鮮明さ>
上記で得られた積層体のレーザー透過部材側から2次元バーコードリーダーにより読み取りし、読み取り可否により印字の鮮明さを評価した。読み取り装置としては、ISO/IEC TR29158に基づいて評価できる、キーエンス社製2次元バーコードリーダーSR1000を用いた。
(評価基準)
・読み取り可能であり、しかも目視で印字が非常に鮮明であると認められる場合、非常に良好と判断し「◎」と表記した。
・読み取り可能であり、しかも目視で印字が鮮明であると認められる場合、良好と判断し「○」と表記した。
・読み取り不可の場合、印字が不鮮明であり不良と判断し「×」と表記した。
上記で得られた積層体の印字部を爪で擦り、擦った後の積層体の印字部のかすれ(ダメージ)の状態を目視にて観察し耐摩擦性の評価を行った。評価基準は下記の通りである。評価結果を表1に併せて示す。
(評価基準)
・印字部にかすれが認められない場合、良好と判断し「○」と表記した。
・印字部にかすれが認められる場合、不良と判断し「×」と表記した。
上記で得られた積層体を、インストロン社製の型番「5565」を用いてJIS K6850に準じてレーザー透過部材とレーザー印字部材の剪断強度を測定して評価した。評価基準は下記の通りである。評価結果を表1に併せて示す。
(評価基準)
・せん断強度が1kgf以上の場合、融着強度が良好と判断し「○」と表記した。
・せん断強度が1kgf未満の場合、融着強度が不良と判断し「×」と表記した。
レーザー強度を適時変化させ、樹脂組成物の組成を表1の組成に変更した以外は、実施例1と同様にしてレーザー印字部材を作成し、印字の鮮明さ、耐摩擦性、融着強度を評価した。評価結果を表1に併せて示す。
実施例1と同様にして作成したレーザー透過部材を金型内に載置し、実施例1と同じ装置(JSW社製、110H)を用いて実施例1で作成したレーザー印字部材用ペレットを、シリンダー温度230℃、金型温度60℃の条件下、インサート成形することによって、レーザー透過部材とレーザー印字部材とが一体化した長さ90mm×幅50mm×厚み6mmの積層体を得た。その後、実施例1と同様にして印字の鮮明さ、耐摩擦性及び融着強度を評価した。評価結果を表1に併せて示す。
実施例1で得られたレーザー印字部材の表面を焦点位置に設置し、スポット径60μm、出力4W、スキャン速度600mm/secとし、直接レーザーを照射して日本カラリングの会社情報を記録した14mm×14mmの2次元バーコードを印字した。その後、実施例1と同様にして印字の鮮明さ及び耐摩擦性を評価した。評価結果を表1に併せて示す。
下表1に、各実施例及び比較例における、レーザー印字部材を作成するのに用いた樹脂組成物ペレットの組成、工法、及び評価結果を示す。
・PMMA:三菱ケミカル社製、商品名「アクリペット MF」、ポリメタクリル酸メチル
・PC:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「7022PJ」、ポリカーボネート
・PS:PSジャパン社製、商品名「HF77」、ポリスチレン
Claims (3)
- レーザー透過部材と、レーザーを吸収して発色するレーザー印字部材と、を重ね合わせる工程と、
前記レーザー透過部材を透過させてレーザーを前記レーザー印字部材に照射して、前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部とを融着する工程と、
前記レーザー透過部材を透過させてレーザーを前記レーザー印字部材に照射して、前記レーザー印字部材の表面に印字する工程と、
を含み、この順に行い、
前記融着工程における、前記レーザー透過部材の一部と前記レーザー印字部材の一部との融着領域が、前記レーザー印字部材の印字部以外の領域である、積層体の製造方法。 - 前記レーザー印字部材が、樹脂100質量部に対してレーザー発色剤を0.01質量部超1質量部未満含有する樹脂組成物からなる、請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記レーザー発色剤がカーボンブラックである、請求項2に記載の積層体の製造方法。
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