<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例1に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、図1はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例1において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例1では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ122は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ124は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。メダル投入枚数表示ランプ126は、メダルが何枚投入されたかを表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例1においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130または131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプと呼ぶこともある。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置157は、小役告知などの演出を行うための液晶表示装置600(図7参照)と、外部から情報入力が可能なタッチパネル430(図3参照)を備えている。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
<制御部>
次に、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに応じて液晶表示装置600を用いて各種演出などを行う第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンセンサ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算ボタンセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。図示省略。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。
乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400へコマンドを送信するが、第1副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<第1副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。なお、同図は第1副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
第1副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、第1副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されている。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、タッチパネル430に入力された信号を検出するためのスイッチング回路432、このスイッチング回路432からの信号をA/D変換するためのA/Dコンバータ434、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。なお、時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。
7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば第1副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。さらに、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、受け皿ランプ156、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、払い出し口の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、第1副制御部400は、デマルチプレクサ419を介して第2副制御部500に接続されており、第2副制御部500へのコマンド送信が可能となっている。
また、入出力インタフェース474には、他のスロットマシンとの通信を行うための通信制御部490が接続されている。
図4(a)は、この通信制御部490近傍のブロック図を示したものである。
通信制御部490は、同図(b)に拡大して示されるようなトランシーバ492を介して通信線494に接続されている。通信線494には、図5(a)に示されるように、遊技システムPSを構成する複数(本実施例1では5台)のスロットマシン100が接続されており、遊技システムPSの各スロットマシン100は、各々の通信制御部490を介して相互に通信可能とされている。なお、本発明に係る「遊技台」はスロットマシンに限定されるものでなく、例えばパチンコであってもよい、従って、例えば、図5(b)に示されるように、複数のパチンコで遊技システムPSを構成し、各パチンコを相互に通信可能としてもよく、また、スロットマシンとパチンコを混在させて遊技システムを構成してもよい。
また、通信制御部490の基板上には、図6に示されるように、管理者設定スイッチ496および台番号設定スイッチ498が配設されている。管理者設定スイッチ496は、スロットマシンやパチンコの相互通信を許可するか否かの設定を行うためのスイッチであり、ONに設定することで遊技台間の通信が可能な設定となる。また、台番号設定スイッチ498は、各遊技台に予め与えられた番号(台番号)を設定するためのスイッチであり、この例では、台番号として「2」が設定されている。なお、管理者設定スイッチ496および台番号設定スイッチ498の配設場所は通信制御部490の基板上に限定されるものではなく、例えば、第1副制御部400の基板の任意の位置に配設することもできる。
<第2副制御部>
次に、図7を用いて、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。なお、同図は第2副制御部500の回路ブロック図を示したものである。
第2副制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。このタイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
CPU510は、第1副制御部400の出力インタフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたCPU410からの信号を、入力インタフェース520およびバスを介して受信し、第2副制御部500全体を制御する。このCPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513が接続されている。
ROM512には、第2副制御部500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。
また、CPU510には、バスを介してCPU530が接続されている。このCPU530には、さらにバスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
ROM531には、CPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532は、CPU530で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、液晶表示装置700の画像データが複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からの信号をもとにROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、液晶表示装置600の表示画面に画像を表示する。
<図柄配列>
次に、図8(a)を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、複数種類の図柄が所定コマ数(本実施例1では、番号1〜21の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号1〜21は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施例1では、左リール110の番号1のコマには「俵」の図柄、中リール111の番号1のコマには「チェリー(かんざし)」の図柄、右リール112の番号3のコマには「姫」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図8(b)〜(d)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。
スロットマシン100では、遊技状態毎に以下に説明する入賞役が採用されている。なお、各遊技状態における入賞役の種類は、本実施例1で示す入賞役に限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。また、本実施例1における入賞役の内、ビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)はボーナスゲームに移行する図柄として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる図柄として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本発明に係る「入賞役」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスが含まれ、本発明に係る「入賞」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスへの入賞が含まれる。
<通常遊技>
図8(b)は、通常遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、抽選データ(メダル3枚投入時)とを示した図である。
抽選データは、所定の遊技回数における各入賞役の出現回数を示すものである。実際の各入賞役の内部当選確率は、各抽選データの数値を、入賞役の内部抽選時に取得される乱数値の範囲の大きさ(本実施例1では16384)で除した値となる(抽選データのカッコ内の数値を参照)。乱数値は予めいくつかの数値範囲(当選確率データ)に分割され、その各数値範囲に各入賞役やハズレが対応付けられる。なお、抽選データは、設定1〜設定6まで存在し(図8(b)〜(d)には設定1における抽選データのみ示している)、遊技店の係員等はいずれかを任意に選択し、設定することができる。
通常遊技の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(小役1、小役2、小役3)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される役である。対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「セブン−セブン−セブン」と「姫−姫−姫」である。また、本実施例1ではBBについてフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまでフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中とする。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される役である。対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「BAR(「将軍」の文字が入った図柄)−BAR−BAR」である。なお、本実施例1ではRBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる役であり、メダルの払出は行わない。なお、対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
「小役(小役1、小役2、小役3)」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、本実施例1の場合、小役1は「松−松−松」、小役2は「俵−俵−俵」、小役3は「チェリー(かんざしの図柄)−any−any」である。対応する払出枚数は、同図に示す通りである。なお、「チェリー−any−any」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
<BB一般遊技>
図8(c)は、BB一般遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、抽選データ(メダル3枚投入時)とを示した図である。
本実施例1におけるBB一般遊技の入賞役には、シフトレギュラーボーナス(SRB)と、小役(小役1、小役2、小役3)がある。
「シフトレギュラーボーナス(SRB)」は、入賞によりシフトレギュラーボーナスゲーム(SRB遊技)が開始される入賞役(作動役)である。入賞時には所定数(例えば15枚)のメダルの払い出しも行う。なお、対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。また、前述したRBと比べるとSRBの方が内部当選確率が極めて高い。つまり、BB遊技ではこのSRBに入賞し易くすることで遊技者がより大きな利益を得られることになる。なお、SRBについてはBBと同様にフラグ持越しを行うものとしても良い。
「小役(小役1、小役2、小役3)」は、通常遊技と同じであり、本実施例1の場合、小役1は「松−松−松」、小役2は「俵−俵−俵」、小役3は「チェリー−any−any」である。なお、小役については、そのメダル払出枚数や抽選データを通常遊技とは異なるものとしてもよい。
<RB(SRB)遊技>
図8(d)は、RB(SRB)遊技における入賞役の種類と、対応する入賞図柄組合せと、メダルの払出枚数(配当)と、抽選データ(メダル1枚投入時)とを示した図である。RB(SRB)遊技における入賞役は「役物(JAC)」のみであり、RB(SRB)遊技中の各遊技を役物遊技という。役物はRB(SRB)遊技中にのみ入賞する入賞役であって、本実施例1では、入賞時には所定数(ここでは15枚)のメダルの払い出しを行う。なお、対応する入賞図柄組合せは本実施例1の場合、「リプレイ―リプレイ―リプレイ」と「俵−俵−俵」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB(SRB)遊技と、に大別される。
BB遊技の内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、BB遊技中にSRBに入賞することが可能で、これに入賞するとSRB遊技が開始される。なお、BB遊技は、本実施例1では予め定めたメダル数を獲得した場合(例えば、入賞により獲得したメダル数が465枚に達した場合)に終了する。また、その他の条件を加えてBB遊技の終了条件としてもよく、例えば、SRB遊技を予め定めた遊技回数行った場合(例えば、SRB遊技が3回終了した場合)にBB遊技が終了するようにしてもよい。この場合、SRB遊技が終了するとBB一般遊技に戻るか、或いは、BB遊技が終了する(BB一般遊技の30回目にSRBに入賞してSRBが開始された場合)こととなる。
RB(SRB)遊技の内容は、複数種類考えられるが、本実施例1では、予め定めた回数(本実施例1では12回)の遊技を行うか、あるいは、役物が予め定めた回数(本実施例1では8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することを終了条件とする遊技である。
<第1副制御部メイン処理>
次に、図9を用いて、第1副制御部400のメイン処理について説明する。なお、同図は第1副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS101では、バースト信号送信、ネットワーク構築処理、ID番号取得処理などの初期処理を行う。
「バースト信号送信」は、遊技システムPSを構成する複数のスロットマシン100によってネットワークを構築するために行われるものである。各スロットマシン100は、電源投入時やリセットスタート時などにおいて、バースト信号を通信線494に向けて送信する。これにより、遊技システムPSを構成する各スロットマシン100は、同時にネットワーク構築処理(リコンフィグレーション)を開始することになる。
この「ネットワーク構築処理」では、遊技システムPSを構成する複数のスロットマシン100のいずれか1つのスロットマシン100が所定のルールに基づいてトークン(ネットワークの使用権)を取得する。以降、このトークンをネットワーク(遊技システムPS)内で巡回させ、トークンを取得したノード(スロットマシン100)がデータおよびトークンを送信することによって(いわゆるトークンパッシング方式で)各スロットマシン100が相互に通信を行う。なお、「ID番号取得処理」については後述する。
図10は、通信制御部490のデータ送受信用バッファの構成と、各スロットマシン100間で送受信される主なメッセージの構成を示したものである。
各スロットマシン100は、CPU410を介して通信制御部490のデータ送受信用バッファ(レジスタ)の設定を行うことによってメッセージの送受信を実現する。例えば、他のスロットマシン100にデータを送信する際には、「SID」に送信元のスロットマシンのID番号、「NID」に送信先のスロットマシンのID番号、「systemDATA0〜7」に送信データを設定する。なお、本実施例1の送受信メッセージには、ITT(トークン)、FEB(フリーバッファ問い合わせ)、ACK(肯定応答)、NAK(否定応答)、PACKET(データパケット)が存在する。
次に、遊技システムPSにおける一般的な通信方法を具体的に説明する。
例えば、図11(a)に示されるように、遊技システムに3つのノード1〜3(3台のスロットマシン100)が存在している場合を考える。
トークンを所有しているノード3がノード1にトークンを渡す場合には、ノード3はNIDに1を設定し、図11(b)に示されるように、ノード1にITTメッセージによりトークンを送信する。これにより、ノード1はトークンを取得する。
次に、トークンを取得したノード1がノード3にデータを送信する場合には、ノード1はNIDに3を設定し、FEBメッセージによりノード3に送信要求メッセージを送信する。送信要求メッセージを受け取ったノード3は、ノード1にACKメッセージを送信する(ノード3がノード1から送信された送信要求メッセージを拒否する場合には、図11(c)に示されるように、ノード3は、ノード1にNAKメッセージを送信する)。
そして、ACKメッセージを受け取ったノード1は、PACKETメッセージによりノード3にデータを送信する。PACKETメッセージを受け取ったノード3は、ノード1にACKメッセージを送信する。
データの送信が終了したノード1はNIDに2を設定し、ノード2にITTメッセージによりトークンを送信する。これにより、ノード2がトークンを取得する。
なお、本発明に係る遊技システムは各遊技台が通信可能に構成されていればよく、通信プロトコル、送受信メッセージの種類などは本実施例1で示した例に限定されるものではない。従って、本実施例1では各遊技台が専用の通信線で接続される仕様としたが、例えば、無線通信や、既存の配電線に通信信号を注入して通信する電力線搬送通信(PLC、低周波帯10〜450kHz、または、高周波帯2〜30MHz)を適用してもよい。PLCによる場合は、PLCアダプタ(通信装置)が遊技台の電源装置(図示しない)と、外部の配電線との間に接続され、更には、このPLCアダプタ(通信装置)と副制御部が接続される。このときは、使用目的からして、店舗内または島内のみで通信可能な(クローズドなネットワーク)仕様であることが好ましい。
図9に戻って、ステップS102では、主制御部300からのコマンドを受信したか否かを判断する。そして、主制御部300から何らかのコマンドを受信した場合はステップS105に進み、コマンドを受信していない場合はステップS103に進む。
ステップS103では、他のスロットマシン100から何らかのデータを受信したか否かを判断する。そして、何らかのデータを受信した場合はステップS105に進み、データを受信していない場合はステップS104に進む。
ステップS104では、タッチパネル430の操作を検出したか否かを判断する。そして、タッチパネル430の操作があった場合はステップS105に進み、そうでない場合はステップS102に戻る。
ステップS105では、演出処理(詳細は後述)を行う。
第1副制御部400のSubCPU410は、以上の処理を、電源断等を検知しないかぎり繰り返し実行する。
<データ出力処理およびデータ入力処理>
次に、図12を用いて、第1副制御部400によるデータ出力処理およびデータ入力処理について説明する。なお、同図(a)はデータ出力処理の流れを示すフローチャート、同図(b)はデータ入力処理の流れを示すフローチャートである。
このデータ出力処理およびデータ入力処理は、上記第1副制御部メイン処理中に適宜、実行される処理である。
ステップS201では、他のスロットマシン100に送信するための送信データがあるか否かを判断する。そして、送信データがある場合にはステップS202に進み、そうでない場合は送信データを待つ。
ステップS202では、送信データを外部出力送信バッファ(通信制御部490の送信バッファ)に設定する。
ステップS203では、データが正常に送信されたか否かを判断する、そして、データが正常に送信できた場合はステップS204に進み、そうでない場合はステップS201に戻る。
ステップS204では、データの送信が完了したことを記憶すると共に、データ送信完了に伴う設定を行う。
一方、データ入力処理のステップS301では、他のスロットマシン100からの受信データがあるか否かを判断する。そして、受信データがある場合にはステップS302に進み、そうでない場合は受信データを待つ。
ステップS302では、受信データを通信制御部490の受信バッファから取得し、RAM413に記憶する。
ステップS303では、データが正常に受信できたか否かを判断する、そして、データが正常に受信できた場合はステップS304に進み、そうでない場合はステップS301に戻る。
ステップS304では、データの受信が完了したことを記憶すると共に、データ受信完了に伴う設定を行う。
<ID番号取得処理>
次に、図13を用いて、ID番号取得処理について説明する。なお、同図はID番号取得処理の流れを示すフローチャートである。
第1副制御部400は、既に電源立ち上げ時の初期処理において自台のネットワークへの参加設定を済ませているが、他のスロットマシンの状態を記憶している訳ではない。このID番号取得処理は、ネットワークに参加しているスロットマシンの台番号を記憶するようにし、これを演出態様に効果的に反映させるための処理である。
ステップS401では、NID番号と自ID番号(自身のID番号)を比較する。そして、NID番号よりも自ID番号が大きい場合はステップS402に進み、そうでない場合にはステップS407に進む。
ステップS402では、NID番号宛に自ID番号情報を含む巡回番号データを送信する。
ステップS403では、ネットワークを周回した巡回番号データを取得したか否かを判定する。そして、巡回番号データを受信した場合はステップS404に進み、そうでない場合は巡回番号データを受信するのを待つ。
ステップS404では、巡回番号データに基づいて、ネットワークに接続された全てのスロットマシン100の台番号(全台番号データ)を記憶する。
ステップS405では、NID番号宛に全台番号データを送信する。
ステップS406では、ネットワークを周回した全台番号データを取得したか否かを判定する。そして、全台番号データを受信した場合は処理を終了し、そうでない場合は全台番号データを受信するのを待つ。
ステップS407では、巡回番号データを取得したか否かを判定する。そして、巡回番号データを受信した場合はステップS408に進み、そうでない場合は巡回番号データを受信するのを待つ。
ステップS408では、取得した巡回番号データに自ID番号情報を加えた後、巡回番号データをNID番号宛に送信する。
ステップS409では、全台番号データを取得したか否かを判定する。そして、全台番号データを受信した場合は処理を終了し、そうでない場合は全台番号データを受信するのを待つ。
ステップS410では、受信した全台番号データを記憶する。
ステップS411では、NID番号宛に全台番号データを送信して処理を終了する。
次に、図14を用いて、このID番号取得処理を具体的に説明する。
まず、ID番号が一番大きいスロットマシン(この例では、ID番号5のスロットマシン)がトークンを取得する。
次に、ID番号5のスロットマシンは、NID番号=1<自ID番号=5であるため、図14(a)に示されるように、NID番号(=1)に自ID番号(=5)を加えた巡回番号データ(1、5)をID番号1のスロットマシンに送信した後、巡回番号データの受信待ちとなる(上記ステップS401〜S403)。
一方、ID番号1〜4のスロットマシンは、全てNID番号>自ID番号であるため、巡回番号データの受信待ちとなっている(上記ステップS407)。
次に、ID番号1のスロットマシンは、ID番号5のスロットマシンから巡回番号データ(1、5)を受信するため、この巡回番号データ(1、5)にNID番号(=2)を加えた巡回番号データ(1、2、5)をID番号2のスロットマシンに送信した後、全台番号データの受信待ちとなる(上記ステップS408〜409)。
以下同様な流れで、巡回番号データは、(1、2、5)→(1、2、3、5)→(1、2、3、4、5)と更新されてID番号5のスロットマシンに到達する(図14(b)参照)。
そして、周回した巡回番号データを受信したID番号5のスロットマシンは、巡回番号データに含まれる台番号を記憶し、ID番号1のスロットマシンに全台番号データ(1、2、3、4、5)を送信する(上記ステップS405)。
最後に、ID番号5のスロットマシンは、図14(c)に示されるように、周回した全台番号データ(1、2、3、4、5)を受信してID番号取得処理を終了する(上記ステップS406)。
このID番号取得処理により、ネットワークに接続された個々のスロットマシン100は、ネットワークに接続されている全てのスロットマシン100のID番号を取得することができ、このID番号を用いて相互に各種情報の送受信が可能となっている。そのため、各スロットマシン100では、送受信される情報に基づいた従来にない効果的な演出が可能である。
<演出処理>
次に、図15および図16を用いて、上記第1副制御部メイン処理における演出処理(ステップS105)について説明する。なお、同図は演出処理の流れを示すフローチャートである。
この実施例1に係る演出処理は、他のスロットマシンに記憶された情報を収集して記憶し、この自身のスロットマシンに記憶された情報から所定の情報を検索可能にするための処理である。なお、本発明は、自身のスロットマシンだけに記憶された情報に基づく検索に限定されるものではなく、自身および他のスロットマシンに記憶された情報に基づく検索や、他のスロットマシンだけに記憶された情報に基づく検索も含まれる。
なお、フローチャートに図示はしていないが、遊技システムPSに接続された各スロットマシンの間では、以下に説明するように、演出データなどの情報の送受信が可能となっている。
例えば、各スロットマシンにおいて、図17に示されるような第2操作画面で「演出を設定する」が選択された場合、自身のスロットマシンから他のスロットマシンに対して、現在記憶している演出データが何であるのか、確認のための情報が送信される。
第3操作画面は他のスロットマシンから受信した情報に基づいた表示であり、この例では、台番号2のスロットマシンは、遊技者がタッチパネル430の操作を行っている遊技台、台番号4のスロットマシンは、通信可能な状態にない(例えば、故障により電源投入されていない)遊技台、台番号5のスロットマシンは、遊技者が演出データを使用する選択を行った遊技台である。
第4操作画面には、台番号5のスロットマシンには機種「ガクセイ」と「レーサー」の演出データが記憶されていることが示されている。なお、同図右側に示されるように、機種「レーサー」は台番号1番から5番の何れのスロットマシンにも該当しないが、新たに島に取り付けられた台番号5のスロットマシンには機種「レーサー」の演出データが記憶されている。
この第4操作画面で「ガクセイ」が選択されると、台番号5のスロットマシンから台番号2のスロットマシンへ「ガクセイ」の演出データを送信するために、台番号2のスロットマシンから台番号5のスロットマシンへ演出データの送信要求がされる。
第5操作画面は、遊技者が遊技を行っている台番号2のスロットマシンに「ガクセイ」の演出データが設定されたことを示している。
本実施例1に係る演出処理では、例えば、図19(a)に示されるような第n+1操作画面において「演出」が選択されると、自身または他のスロットマシンに記憶された情報が検索され、同図(b)に示されるような検索結果が表示される。
以下、図15および図16に戻って、この演出処理の流れを具体的に説明する。
ステップS501では、主制御部300から受信したコマンドが「遊技開始コマンド」であるか否かを判断する。そして、「遊技開始コマンド」である場合にはステップS502に進み、そうでない場合にはステップS505に進む。
ステップS502では、操作検出モードの設定中か否か、即ち、タッチパネル430による操作が可能な状態か否かを判断する。そして、操作検出モード設定中の場合にはステップS503に進み、そうでない場合には処理を終了する。
ステップS503では、操作検出モードを終了し、タッチパネル430による操作を禁止する。
ステップS504では、タッチパネル操作画面(詳細は後述)を通常演出の画面(通常遊技画面)やBB演出の画面に切り替えるべく、第2副制御部500に対して液晶表示画面600の表示の切り替えを指示する。
ステップS505では、主制御部300から受信したコマンドが「遊技終了コマンド」であるか否かを判断する。そして、「遊技終了コマンド」である場合にはステップS506に進み、そうでない場合にはステップS509に進む。
ステップS506では、現在の遊技状態がBB遊技(BB遊技モード)中であるか否かを判断する。そして、BB遊技中である場合は処理を終了し、そうでない場合はステップS507に進む。
ステップS507では、操作検出モードに設定し、タッチパネル430による操作を許可する。
ステップS508では、図18に示されるように、通常遊技画面を第1操作画面(タッチパネル操作画面)に切り替えるべく、第2副制御部500に対して液晶表示画面600の表示の切り替えを指示する。
ステップS509では、主制御部300から受信したコマンドが「BB遊技開始コマンド」であるか否かを判断する。そして、「BB遊技開始コマンド」である場合にはステップS510に進み、そうでない場合にはステップS511に進む。
ステップS510では、遊技状態を通常遊技からBB遊技に変更する。なお、図示はしないが、このステップS510では、自身のBB遊技に関する情報(例えば、BB当選回数)が後述する情報記憶部に記憶される。
ステップS511では、主制御部300から受信したコマンドが「BB遊技終了コマンド」であるか否かを判断する。そして、「BB遊技終了コマンド」である場合にはステップS512に進み、そうでない場合にはステップS513に進む。
ステップS512では、遊技状態をBB遊技から通常遊技に変更する。
ステップS513では、通信線494を監視し、他のスロットマシン100からバースト信号を受信したか否かを判断する。そして、バースト信号を受信した場合にはステップS514に進み、受信していない場合はステップS515に進む。
ステップS514では、上述のネットワーク構築処理やID番号取得処理を開始する。
ところで、スロットマシン100は、例えば、点検等の目的で電源を落とされ、その後に電源が投入されるような場合があるが、このような場合、第1副制御部400の初期処理において、ネットワークへの参加のためにバースト信号が送信されることになる。そのため、このバースト信号を受信した他のスロットマシンは、再度ネットワーク構築処理やID番号取得処理を実行することとなる。
ステップS515では、主制御部300から受信したコマンドが「検索用情報コマンド」であるか否か、即ち、検索に用いられる検索用情報を受信したか否かを判断する。そして、検索用情報を受信した場合にはステップS517に進み、そうでない場合にはステップS516に進む。
なお、「検索用情報」としては、例えば、BBやRBの当選回数の情報、設定された演出の情報、遊技数の情報(一日の遊技回数、前回のボーナス終了時からの遊技回数、遊技媒体の総獲得枚数)、キャラクタの情報、最も多く遊技媒体を獲得しているスロットマシンの台番号、1000ゲーム以上BBやRBに当選していないスロットマシンの台番号などの「遊技に関する情報」や、自身が有する情報と検索キーワードが一致(ヒット)した回数(検索ヒット回数)、検索ヒット回数が最も多いスロットマシンの台番号、検索ヒット回数が最も少ないスロットマシンの台番号などの「検索に関する情報」などを挙げることができる。
このように、所定の情報(本実施例では検索用情報)が、遊技者にとって有利な特典が付与される特別遊技(本実施例ではRBやBB)の回数や、遊技の回数などを含む、遊技に関する情報、または、自身あるいは他の遊技台(本実施例ではスロットマシン)に記憶された情報と所定の情報とが一致した回数である検索ヒット回数などを含む、検索に関する情報であれば、検索対象のバリエーションを広げることができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
ステップS516では、他のスロットマシン100から検索用情報を受信したか否かを判断する。そして、他のスロットマシン100から検索用情報を受信した場合にはステップS517に進み、そうでない場合にはステップS518に進む。
ステップS517では、自身の検索用情報や他のスロットマシン100から受信した検索用情報を、検索用情報に対応する情報記憶部(例えば、RAM413の所定領域)に記憶する。
このように、他の遊技台(本実施例ではスロットマシン)に記憶された情報の少なくとも一部を取得して自身の遊技台に記憶可能であれば、他の遊技台との通信頻度を低減することができ、検索速度を高めることができる。
ステップS518では、タッチパネル430が操作検出モードであるか否か、即ち、タッチパネル430によって遊技者の操作が可能であるか否かを判断する。そして、タッチパネル430が操作検出モードである場合はステップS519に進み、そうでない場合はステップS525に進む。
ステップS519では、第n操作画面(nは正の整数、図示省略)において、「検索」のアイコンが選択されたか否かを判断する。そして、「検索」のアイコンが選択された場合はステップS520に進み、「検索」のアイコンが操作されていない場合はステップS521に進む。なお、この第n操作画面は、例えば、上記図17の第2〜第5操作画面の間で所定のタッチパネル操作が行われた場合などに表示させることができる。
ステップS520では、次の操作画面(第n+1操作画面)として、例えば、図19(a)に示されるような検索項目を表示する画面を液晶表示装置600に表示すべく、第2副制御部500に表示を指示する。
ステップS521では、第n+1操作画面において何れかの検索項目が選択されたか否かを判断する。そして、検索項目が選択された場合はステップS522に進み、そうでない場合は処理を終了する。
ステップS522では、タッチパネル430からの入力に基づいて、ステップS517で記憶された検索用情報の中から所定の情報を検索する。なお、本発明では、データの検索アルゴリズムは特に限定されるものではなく、例えば、2分検索やハッシュ方などの公知の検索アルゴリズムを適用することができる。
ステップS523では、次の操作画面(第n+2操作画面)として、例えば、図19(b)に示されるような検索結果を表示する画面を液晶表示装置600に表示すべく、第2副制御部500に表示を指示する。
ステップS524では、操作検出モードを終了し、タッチパネル430による操作を禁止する。
ステップS525では、他の処理を行う。
次に、この演出処理の具体例を説明する。
例えば、上記図19(a)に示されるように、第n+1操作画面において「演出」という検索項目が選択された場合には、自身の情報記憶部に記憶された検索用情報の中から、「演出」に関連する情報が検索される。例えば、図19(b)に示される例では、検索結果として「トノサマ」の演出データ、「ガクセイ」の演出データ、および「レーサー」の演出データが記憶されているスロットマシン100の台番号が検索され、その検索結果が液晶表示画面600に表示されている。これにより、遊技者は、どのスロットマシン100にどの演出データが記憶されているかを容易に把握することができる。
なお、図示しないが、第n+1操作画面と第n+2操作画面との間に、さらに、条件を絞り込むことが可能な操作画面の設定があってもよい。例えば、第n+1操作画面で「遊技数」が選択された場合に、次の操作画面では「一日の遊技回数」、「前回のボーナス終了時からの遊技回数」、または「遊技媒体の総獲得枚数」の何れを検索するのかを選択させるアイコンが操作画面に表示される。例えば、ここで「前回のボーナス終了時からの遊技回数」のアイコンが操作された場合、更に、次の操作画面で「全台の情報」、「500遊技が経過している台の情報」、または「1000遊技が経過している台の情報」の何れを検索するのかを選択させるアイコンが操作画面に表示される。例えば、ここで「1000遊技が経過している台の情報」のアイコンが操作された場合、自身の情報記憶部から、該当する情報の有無を判定する。例えば、台番号5のスロットマシンから送信された検索用情報に、「前回ボーナス終了時からの遊技回数が1279回」である情報が含まれていた場合、次の操作画面には「5番台は、前回ボーナスから1279遊技が経過しています」の表示がされる。
また、上記操作例では、台番号5のスロットマシンが検索ヒットしているので、自身のスロットマシンから、他のスロットマシンに「検索ヒットは台番号5」の情報が送信されている。よって、条件を絞り込む操作画面の設定の他の例として、以下のような操作画面設定があってもよい。
例えば、第n+1操作画面で「検索多い台」が選択された場合に、次の操作画面では「BB」、「演出」、または「遊技数」の何れを検索するのかを選択させるアイコンが操作画面に表示される。例えば、ここで「遊技数」のアイコンが操作された場合、自身の情報記憶部から、該当する情報の有無を判定し、次の操作画面は「5番台は、検索ヒット回数が最も多いです。例えば、1000遊技が経過している台の検索がされて、12回検索ヒットしています。」の表示がされる。
以上説明したように、本実施例1に係るスロットマシン100は、少なくとも1台の他の遊技機との間で情報の送受信が可能であって、自身または他の遊技台に記憶された情報から所定の情報(本実施例では検索用情報)が検索可能であるため、各遊技台が有している情報を他の遊技台との間で相互に利用することで、法規制を満たしつつ遊技のバリエーションを増やし(情報検索機能を増やし)、遊技を盛り上げる制御を行って(他の遊技台が有する情報を検索する制御を行って)遊技者の興趣を高めることができる。
また、外部から情報入力が可能な操作部(本実施例ではタッチパネル430)を備え、操作部によって入力された入力情報に基づいて所定の情報が検索可能であるため、遊技者や遊技店の店員などが容易かつ迅速に検索を行うことができる。
なお、所定の情報として、自身の遊技台に記憶された数値情報と他の遊技台に記憶された数値情報とを用いた演算によって算出された情報(例えば、複数の遊技台におけるBB当選回数の合計値)が検索可能であれば、もともと遊技台に記憶されている限られた情報のみならず、演算によって生成された情報も検索の対象とすることができ、検索の情報量を大幅に増やすことができる。
また、本実施例1では、自身の情報記憶部に他のスロットマシンの検索用情報を蓄積する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、他のスロットマシンの検索用情報を蓄積することなく、検索と同時に他のスロットマシンに検索キーワードを送信し、これを受けた他のスロットマシンから検索結果のみを取得するように構成してもよい(詳細は実施例2を参照)。