JP2007244530A - 内視鏡操作部構造、内視鏡、及び、内視鏡操作部の組立方法 - Google Patents

内視鏡操作部構造、内視鏡、及び、内視鏡操作部の組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】限定的なスペースに設置される回路実装基板を他の要素と絶縁させるのに好適な内視鏡操作部構造を提供する。
【解決手段】ユーザ・オペレーションを処理するための回路が片面実装された回路実装基板と、その内部に回路実装基板を保持したハウジングとを備え、回路実装基板の回路実装面全体に該回路を覆うよう絶縁性接着剤が略均一に塗布され、且つ、回路実装基板の非実装面全体に絶縁性シートが密着された内視鏡操作部構造を提供する。
【選択図】図2

Description

この発明は、体腔内を観察するための内視鏡に備えられた操作部の構造、そのような操作部構造を持つ内視鏡、及び、内視鏡の操作部の組立方法に関する。
患者の体腔内を高倍率・高解像度で観察するための共焦点内視鏡が例えば下記特許文献1に提案されている。このような共焦点内視鏡は、光の点像を生体組織上で二次元又は三次元走査するよう構成されている。例えば下記特許文献1によれば、共焦点内視鏡の挿入部の先端側にアクチュエータが実装されている。また、挿入部の末端側には、例えばアクチュエータを駆動させるための操作部が備えられている。
共焦点内視鏡の操作部内部には基板が取り付けられており、当該基板上にはアクチュエータ駆動用の回路が実装されている。アクチュエータと駆動用回路は、共焦点内視鏡の挿入部内部に配線された信号ケーブルによって接続されている。この駆動用回路は、所定のユーザ・オペレーションに呼応して駆動パルスを生成する。生成された駆動パルスは、信号ケーブルにより伝送されてアクチュエータに入力する。これにより、光の点像を三次元方向に走査するようアクチュエータが駆動する。
また、共焦点内視鏡内部には、その末端部から先端部にレーザ光を導くための光ファイバが配管されている。光ファイバ末端側の端部は、レーザ光源と光学的に接続されるよう構成されている。レーザ光源からのレーザ光が光ファイバを介して共焦点内視鏡の先端部側に伝送されると、当該先端部から外部に向かってレーザ光が照射される。アクチュエータの作用によってレーザ光の照射方向が振られることにより、当該レーザ光は、例えば三次元方向に走査される。
上記の共焦点内視鏡のように、その操作部に電気系統(例えば上記特許文献1におけるアクチュエータ駆動用の回路等)が含まれている場合、操作部内部において、各系統の信号ケーブルは回路基板上に接続される。また光ファイバは回路基板周辺のスペースを縫うように配管される。
また、下記特許文献2に、送気送水機能を有した内視鏡が開示されている。下記特許文献2によれば、内視鏡内部に送気送水用のチャンネルが組み込まれている。送気送水用チャンネルは、例えば内視鏡の操作部上に設けられたメカニカルボタンと連動する弁構造に連結されている。このため、送気送水用チャンネルの一端は操作部内部に位置している。送気送水用チャンネルは、この一端から、操作部内部を介して内視鏡先端まで延びた形状を有している。
特開2004−321792号公報 特開2001−61773号公報
以上のことから、例えば操作部に電気系統を含む内視鏡に送気送水機能を付加したものがあるとした場合、送気送水用チャンネルも光ファイバと同様に、当該操作部内部において回路基板周辺のスペースを縫うように配管されると考えられる。また送気送水機能に加えて吸気吸引機能を有した内視鏡も存在する。この場合も送気送水用チャンネルと同様に、吸気吸引用のチャンネルが操作部内部において回路基板周辺のスペースを縫うように配管されると考えられる。
ここで、例えば操作部が外部衝撃等を受けたとき、操作部内部において送気送水用チャンネルが他の部品に衝突したり擦れたりすることがあると考えられる。このような衝突や擦れが何回も繰り返された場合、送気送水用チャンネルの外皮が徐々に摩耗していくと想定される。また吸気吸引用チャンネルの場合、メンテナンスのためブラシを用いてその管路内を定期的に掃除する必要がある。このようなブラッシング作業を過度に行うことで、吸気吸引用チャンネルが摩耗することもあると考えられる。このような摩耗が進行して送気送水用チャンネルや吸気吸引用チャンネルが損傷した場合、その損傷部分から洗浄水や吸引物(例えば体液や血液など)が漏れ出る可能性がある。
例えば送気送水用チャンネルの損傷により操作部内部に洗浄水が進入した場合、当該操作部内部の基板上の回路が短絡して電気系統に不具合(例えばアクチュエータの動作不良等)が起こり得る。
上記のような短絡を防ぐため、例えば基板上の回路を他の要素と絶縁させることが考えられる。これを実現するため、例えばシールドカバー等の部材を当該基板上に取り付けるという手法が広く一般に採用されている。ところが、上記の如くチャンネルや光ファイバ等が操作部内部という限定的なスペースの間隙を縫うように配管されている場合、上記の如きシールドカバーを基板上に取り付けることはスペースの関係上極めて困難であると言える。別の観点では、基板上にシールドカバーを取り付けると、チャンネルや光ファイバが配管できない、又は、配管の自由度がなくなる等の問題がある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、限定的なスペースに設置される回路実装基板を他の要素と絶縁させるのに好適な内視鏡操作部構造、そのような操作部構造を持つ内視鏡、及び、内視鏡の操作部の組立方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る、体腔内を観察するための内視鏡に備えられた操作部の構造は、ユーザ・オペレーションを処理するための回路が片面実装された回路実装基板と、その内部に回路実装基板を保持したハウジングとを備えたものである。この内視鏡操作部構造は、回路実装基板の回路実装面全体に該回路を覆うよう絶縁性接着剤が略均一に塗布され、且つ、回路実装基板の非実装面全体に絶縁性シートが密着されたことを特徴としたものである。
上記内視鏡操作部構造によれば、実装部品が散在するためその面上に多くの凹凸が見られる回路実装面上が絶縁性接着剤で埋められている。そして更に、比較的平らな非実装面が絶縁性シートで覆われている。このような構造によれば、回路実装基板用の省スペースな絶縁構造体が実現される。このような絶縁構造体に覆われた回路実装基板は、限定的なスペースに設置されるのに極めて好適である。
また、上記の課題を解決する本発明の一態様に係る、体腔内を観察するための内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部と、挿入部に連結された、体腔内に挿入されない非挿入部と、非挿入部の末端において外部機器と接続され、該外部機器から供給される光を挿入部先端まで伝送する光伝送路とを備えたものである。この内視鏡は、非挿入部に設けられ、上記内視鏡操作部構造を持った操作部を有し、操作部内部において光伝送路をハウジング内壁と該回路実装面との間に配管したことを特徴としたものである。
上記構成によれば、省スペースな絶縁構造体により確保された操作部内部の空きスペースに光伝送路を容易に配管することができた内視鏡が提供される。
また、上記の課題を解決する本発明の一態様に係る、体腔内を観察するための内視鏡の操作部の組立方法は、片面実装基板の回路実装面の所定領域を除く領域上に、実装回路を覆うよう絶縁性接着剤を略均一に塗布する第一の接着剤塗布ステップと、該絶縁性接着剤が塗布された回路実装基板を該操作部のハウジングに固定すると共に、絶縁性シートを該回路実装基板の非実装面全体に密着させる基板固定・密着ステップと、ユーザ・オペレーションに応じた信号を該実装回路に入出力させるための信号ケーブルを、該所定領域に半田付けする半田付けステップと、該半田付け箇所を覆うよう該所定領域に絶縁性接着剤を塗布する第二の接着剤塗布ステップとを含むことを特徴としたものである。
上記内視鏡操作部の組立方法によれば、実装回路の絶縁性が確保された回路実装基板を限定的なスペースに容易に配置することが可能となる。また、省スペースな絶縁構造体により確保された操作部内の空きスペースに、光伝送路を容易に配管することが可能となる。
本発明に係る内視鏡操作部構造によれば、限定的なスペースにおいて回路実装基板を他の要素と絶縁させるのに好適な構造が実現される。
また、上記操作部構造を持つ内視鏡によれば、省スペースな絶縁構造体により確保された操作部内部の空きスペースに光伝送路を容易に配管することができた内視鏡が提供される。
また、上記内視鏡操作部の組立方法によれば、実装回路の絶縁性が確保された回路実装基板を限定的なスペースに容易に配置することが可能となる。また、省スペースな絶縁構造体により確保された操作部内の空きスペースに、光伝送路を容易に配管することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の内視鏡システムの構成及び作用について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の内視鏡システム10の外観を概略的に示した図である。本実施形態の内視鏡システム10は、内視鏡100、通常観察用プロセッサ200、通常観察用モニタ300、共焦点観察用プロセッサ400、及び、共焦点観察用モニタ500を備えている。
内視鏡100は二系統の観察系を有している。一方の系統は広く実用に供されている観察系であり、撮像素子を用いたものである。もう一方の系統は、例えば上記特許文献1に開示されている共焦点光学系を用いた観察系である。以下、前者の系統を「通常観察系」、後者の系統を「共焦点観察系」と記す。
内視鏡100の末端部は二股に分岐されている。その一方は通常観察系の末端部である。通常観察系の末端部には通常観察用コネクタ110が設けられている。通常観察用コネクタ110にはピンプラグが設けられている。このピンプラグを通常観察用プロセッサ200に接続することにより、当該プロセッサ200と内視鏡100とが光学的及び電気的に接続される。
通常観察用コネクタ110にはユニバーサルコード120の一端が結合されている。ユニバーサルコード120は可撓性を有しており、もう一端が操作部130に結合されている。
内視鏡100末端部のもう一方は共焦点観察系の末端部である。この末端部には共焦点観察用コネクタ112が設けられている。共焦点観察用コネクタ112にもピンプラグが設けられている。このピンプラグを共焦点観察用プロセッサ400に接続することにより、当該プロセッサ400と内視鏡100とが光学的及び電気的に接続される。
共焦点観察用コネクタ112には共焦点観察用コード122の一端が結合されている。共焦点観察用コード122は可撓性を有しており、もう一端が操作部130に結合されている。
操作部130は、内視鏡100を術者に操作させるための入力インターフェースである。操作部130には挿入部可撓管140の一端が結合されている。挿入部可撓管140は患者の体腔内に挿入される管であり、可撓性を有している。挿入部可撓管140の先端には先端部150が設けられている。
先端部150は硬質性の素材(例えば樹脂)で形成されている。先端部150の内部には各観察系の要素が保持されている。具体的には、通常観察系の要素として、例えば撮像素子、対物光学系(以下、「通常用対物光学系」と記す)等が保持されている(何れも不図示)。また、共焦点観察系の要素として、例えば対物光学系(以下、「共焦点用対物光学系」と記す)、レーザ光走査用アクチュエータ、Z軸アクチュエータ、位置センサ等が保持されている(何れも不図示)。レーザ光走査用アクチュエータは、共焦点観察に用いられるレーザ光をXY方向に走査するための機構である。またZ軸アクチュエータは、レーザ光走査用アクチュエータをZ方向に移動させるための機構である。また位置センサは、先端部150内における、レーザ光走査用アクチュエータのZ方向の位置を検出するためのセンサである。なお、ここでいうZ方向とは、共焦点用対物光学系の光軸に沿った方向である。またX方向とY方向は互いに直交した方向である。またX及びY方向の何れもZ方向と直交する。
図2(a)及び(b)に操作部130の構成を示す。なお図2(a)及び(b)は、操作部130の内蔵物を視認可能とするため、操作部130のカバー部材131a(ハウジングの一部)が外された状態を示している。図2(a)及び(b)においてカバー部材131aを矢印A方向にスライドするように移動させてハウジング131bに嵌め込むことにより、操作部130は図1に示された状態となる。このとき操作部130の内蔵物がカバー部材131aに内包される。なおこれらの図において、操作部130の内部構造を分かり易く示すため、一部の要素を一点鎖線で示している。また説明の便宜上、カバー部材131a及びハウジング131bを一まとめに表現する場合には「ハウジング131」と記す。
例えば術者が図2に示された操作レバー130aを操作したとき、先端部150根元付近の挿入部可撓管140が、周知の機構(不図示)により、そのレバーの操作角に応じて屈曲される。これにより先端部150のアングルが変化し、それに伴って観察領域も変更される。
ここで、通常観察系について概説する。
通常観察用プロセッサ200には周知の光源、及び、信号処理回路が実装されている。通常観察用コネクタ110が通常観察用プロセッサ200に接続されているときに上記光源がオンされると、その光はライトガイド(不図示)に入射する。
ライトガイドは、内視鏡100の長手方向に沿って、通常観察用コネクタ110から先端部150に掛けて延在するよう配管された光ファイバ束である。ライトガイドに入射した光はその内部を伝送されて、先端部150において前方に放射される。これにより、外部から光の届かない患者の体腔内が明るく照らされる。
先端部150前方に放射された照明光は、観察対象部位で反射されて通常用対物光学系に入射する。この入射光は、通常用対物光学系のパワーにより撮像素子の受光面上で観察対象部位の光学像として結像される。撮像素子は、各画素において結像された光学像をその光量に応じた電荷として蓄積して撮像信号に変換する。変換された撮像信号は、撮像素子用ケーブル(不図示)により通常観察用プロセッサ200に向けて伝送される。
撮像素子用ケーブルは、内視鏡100の長手方向に沿って、通常観察用コネクタ110から先端部150に掛けて延在するよう配線されている。撮像素子が出力した撮像信号は、撮像素子用ケーブルにより伝送されて通常観察用プロセッサ200に入力する。通常観察用プロセッサ200は、この撮像信号を周知の信号処理により所定の信号形式(例えばコンポジットビデオ信号やSビデオ信号、RGBビデオ信号等)に変換して、通常観察用モニタ300に出力する。これにより、体腔内の動画や静止画が通常観察用モニタ300上に表示される。なお術者は、操作ボタン130fを押下することにより、撮像素子で撮像された画像を記録媒体(不図示)に保存することができる。また操作ボタン130gを押下することにより、撮像画像のフリーズ処理を行うことができる。
次に、共焦点観察系について概説する。
共焦点観察用プロセッサ400には周知のレーザ光源、及び、信号処理回路が実装されている。また共焦点観察用コネクタ112にもZ軸アクチュエータ等の駆動制御を行うための信号処理回路が実装されている。共焦点観察用コネクタ112が共焦点観察用プロセッサ400に接続されているときに上記レーザ光源がオンされると、そのレーザ光は共焦点観察用シングルモードファイバ(不図示)の一端に入射する。
共焦点観察用シングルモードファイバは、内視鏡100の長手方向に沿って、共焦点観察用コネクタ112から先端部150に掛けて延在するよう配管されている。共焦点観察用シングルモードファイバの一端に入射したレーザ光は、その内部を伝送されて、もう一方の端部から出射する。共焦点観察用シングルモードファイバのもう一方の端部は先端部150内部に配置されている(以下、この端部を「共焦点用ファイバ先端側端部」と記す)。共焦点用ファイバ先端側端部から出射したレーザ光は、その前方に配置された共焦点用対物光学系に入射して、共焦点用対物光学系のパワーにより観察対象部位上で集光される。次いで、その反射光が、共焦点用対物光学系を介して先端部150内部に戻る。
共焦点用ファイバ先端側端部は、極めて小さい開口(コア)を有しており、点光源且つ絞りとして機能する。従って共焦点観察用シングルモードファイバ内部には、観察対象部位からの反射光のうち、共焦点用ファイバ先端側端部と共役な集光点から反射した光のみが入射する。この入射光は、共焦点観察用シングルモードファイバにより伝送されて共焦点観察用プロセッサ400に入力する。共焦点観察用プロセッサ400はこの入射光を電気信号に変換する。そして周知の信号処理により所定の信号形式に変換して共焦点観察用モニタ500に出力する。
片面実装基板であるHPB(Hand piece Board)132は、ハウジング131cに固定された状態で取り付けられている。カバー部材131aがハウジング131cに嵌め込まれたとき、HPB132は、カバー部材131aに内包された状態となる。HPB132上には、制御用チップ133を始めとする、Z軸アクチュエータの駆動制御に関わる信号を処理するための駆動用回路が片面実装されている。
例えば術者が操作部130に設けられた操作ボタン130b又は130cを押下することにより、所定のパルス信号が出力される。このパルス信号は、リモコンケーブル161aを介してHPB132上の駆動用回路に入力し、HPB用ケーブル161bにより共焦点観察用コネクタ112内の信号処理回路に伝送される。
ここで、内視鏡100内部には、先端部150から共焦点観察用コネクタ112の信号処理回路に掛けて複数本のケーブル類が配線されている(何れも不図示)。その一つに、Z軸アクチュエータを駆動させるための信号を伝送するZ軸用駆動ケーブルが挙げられる。共焦点観察用コネクタ112の信号処理回路は、操作ボタン130b又は130cからの上記パルス信号に基づいて、Z軸アクチュエータを駆動させるための信号を出力する。この信号はZ軸用駆動ケーブルに伝送されてZ軸アクチュエータに入力する。Z軸アクチュエータは、この信号により、レーザ光走査用アクチュエータをZ方向に沿って、先端部150前面に対して接近又は離間するように移動させる。このときの移動方向は押下された操作ボタンによって決まる。またその移動量は、操作ボタンの押下回数又は押下時間に比例する。
位置センサは、Z軸アクチュエータにより移動されるレーザ光走査用アクチュエータのZ方向の位置を検出してその信号を出力する。この信号は、HPB用ケーブル161cにより伝送されてHPB132で中継された後、HPB用ケーブル161bにより共焦点観察用コネクタ112内の信号処理回路に伝送されて、Z軸アクチュエータの駆動制御に利用される。
附言するに、上記複数本のケーブル類にはZ軸用駆動ケーブルの他に、例えばフィードバック信号伝送用ケーブルやスキャン制御信号伝送用ケーブル等も含まれる。フィードバック信号伝送用ケーブルは、例えばレーザ光走査用アクチュエータをホームポジションにセットするために用いられる信号を伝送するケーブルである。またスキャン制御信号伝送用ケーブルは、レーザ光走査用アクチュエータを駆動してレーザ光をXY方向に走査するための信号を伝送するケーブルである。
レーザ光走査用アクチュエータ及びZ軸アクチュエータの駆動により、共焦点用ファイバ先端側端部が二次元又は三次元方向に振られる。共焦点用ファイバ先端側端部にはその位置に応じてそれぞれ異なる反射光が入射するため、このように共焦点用ファイバ先端側端部を振ることにより、共焦点観察用シングルモードファイバ内部には観察対象部位の各位置に対応する点像が時系列で入射する。共焦点観察用プロセッサ400は、これらの点像を受け取って電気信号に変換し、所定の信号処理を施す。これにより共焦点観察用プロセッサ400は、二次元又は三次元の高倍率・高解像度の動画や静止画を共焦点観察用モニタ500上に表示させることができる。
また内視鏡100内部には、送気用管路162、送水用管路163、副送水用管路164が先端部150から通常観察用コネクタ110に掛けて延在するよう組み込まれている。送気用管路162や、送水用管路163、副送水用管路164には、例えば送気送水装置(不図示)から供給される流体(洗浄水や空気)が噴流される。この送気送水装置は、内視鏡100末端側の所定箇所に接続されることにより、送気用管路162や、送水用管路163、副送水用管路164と連結される。
例えば術者が操作部130に設けられた操作ボタン130dを押下することにより、送気送水装置から供給された洗浄水や空気が送気用管路162や、送水用管路163、副送水用管路164に流れ込む。この洗浄水や空気は、送気用管路162や、送水用管路163、副送水用管路164内部を流れて、先端部150から外部(例えば観察対象部位等)に噴射される。
また内視鏡100内部には、吸引用管路165も先端部150から通常観察用コネクタ110に掛けて延在するよう組み込まれている。吸引装置(不図示)が、内視鏡100末端側の所定箇所に接続されることにより、この吸引用管路165と連結される。
例えば術者が操作部130に設けられた操作ボタン130eを押下することにより、吸引装置(不図示)の作用によって、体腔内の体液や血液等が吸引されて吸引用管路165内に流れ込み、採取や除去される。
ここで、操作部130の内部構造について説明を加える。
HPB132の回路実装面には、駆動用回路全体を覆うように絶縁性シリコーン接着剤134が略均一に塗布されている。本実施形態では、制御用チップ133以外のHPB132上の他の全ての実装部品が、絶縁性シリコーン接着剤134で覆われている。なお制御用チップ133は、例えば各種制御を司る機能を有したベアチップを、絶縁性のある枠体でパッケージしたものである。制御用チップ133の各ピンは、絶縁性シリコーン接着剤134により覆われている。
また、HPB132の非実装面には、その全面を覆うように絶縁テープ(不図示)が貼られている。一方、ハウジング131は金属板136を保持している。HPB132は、非実装面が金属板136と対向した状態でハウジング131に固定されている。なお、HPB132の非実装面と金属板136との間には、絶縁テープに加えてマイラー(Mylar(登録商標))シート135も介在されている。HPB132は、四本のネジ137で金属板136とネジ止めされることにより固定されている。
図2に示されるように、リモコンケーブル161a、HPB用ケーブル161b、161c、送気用管路162、送水用管路163、副送水用管路164、吸引用管路165は、ハウジング131内部を経由して内視鏡100内に配線・配管されている。また図示しない他のケーブル類等も同様に配線・配管されている。図2について附言すると、送気用管路162、送水用管路163、副送水用管路164、吸引用管路165(以下、説明の便宜上、これら四本をまとめて「管類」と記す)は、ハウジング131内部において、HPB132表面とハウジング131との間を縫うように配管されている。
リモコンケーブル161a、HPB用ケーブル161b、161cは、その一端がHPB132上に半田付けされており、HPB132上のパターン及び幾つかの電子部品を介して互いに接続されている。各ケーブルの半田付け箇所は、他の実装部品と同様に絶縁性シリコーン接着剤134で覆われている。なお説明の便宜上、リモコンケーブル161a、HPB用ケーブル161b、161cをまとめて「ケーブル類」と記す。
すなわち本実施形態の操作部130では、HPB132上の実装回路、及び、HPB132とケーブル類との接続箇所が、絶縁性シリコーン接着剤134、絶縁テープ、及び、マイラーシート135により、防水された状態にあり、且つ、他の要素と絶縁された状態にある。従って、例えば管類が損傷してハウジング131内に洗浄水等が浸入した場合であっても、HPB132上の実装回路が短絡することはない。このため、レーザ光走査用アクチュエータやZ軸アクチュエータ等の動作に不良が生じない。
また、HPB132とケーブル類との各接続箇所を絶縁性シリコーン接着剤134で覆うことにより、繰り返し応力に弱いそれらの接続箇所が補強される。この結果、各接続箇所での断線が防止されるという副次的な効果も期待される。また、接続箇所全体が絶縁性シリコーン接着剤134によって固められることにより、例えば半田盛り量が少ない場合であっても当該接続箇所からケーブル類が外れることはない。
ここで、本実施形態の場合、ケーブル類や管類が、ハウジング131内部という限定的なスペースの間隙を縫うように配線・配管されている。従って、上述したように、シールドカバーを用いて基板上の回路を他の要素と絶縁させることはスペースの関係上極めて困難である。これに対して、先に説明された本実施形態の絶縁構造は、組立容易性という観点で極めて優れていると言える。
図3に、操作部130(より詳細にはハウジング131の内部構造)の製造工程について示す。また、図4に、ハウジング131内部に組み込まれる前の段階のHPB132を示す。なお、図4は、制御用チップ133を含む各電子部品がHPB132上に既に実装され、その裏面には絶縁テープが貼られ、更に、HPB132上の一部の領域に絶縁性シリコーン接着剤134が塗布された状態を示している。以下、ハウジング131の内部構造の製造工程について説明する。
上記製造工程として、先ず、HPB132上に各電子部品が実装される(ステップ1、以下の明細書及び図面においてステップを「S」と略記)。次いで、HPB132の非実装面に絶縁テープが貼られる。そしてHPB132の回路実装面上において、その四つの領域132a以外の領域上に絶縁性シリコーン接着剤134が塗布される(S2)。
なお、制御用チップ133は、HPB132上の他の実装部品と比べて際だった高さを有している。従って、例えば制御用チップ133を覆うように絶縁性シリコーン接着剤134を塗布した場合、その塗布厚が著しく厚くなってしまう。このように塗布厚を厚くした場合、ハウジング131内部の空きスペースが減少するため、管類を配管し難くなってしまう。
そこでS2の塗布工程では、絶縁性シリコーン接着剤134を比較的薄めに塗布している。これにより、ハウジング131内部の空きスペースを確保している。このトレードオフとして制御用チップ133が絶縁性シリコーン接着剤134で覆われないが、上述したように制御用チップ133自体に絶縁性が確保されているため、洗浄水浸入等に起因した回路の短絡は好適に防止される。
領域132aすなわち絶縁性シリコーン接着剤134が塗布されない領域には、ネジ穴132bと半田付けパターン132cが含まれている。各領域132aの半田付けパターン132cは、ケーブル類をHPB132上に半田付けするためのパターンである。なお、例えば領域132a上にマスク部材を載置することにより、絶縁性シリコーン接着剤134を塗布する際における、当該領域132a上への絶縁性シリコーン接着剤134の流入を防ぐことができる。絶縁性シリコーン接着剤134には、例えば剥離性に優れたものが採用されている。従って、絶縁性シリコーン接着剤134乾燥後、上記マスク部材を絶縁性シリコーン接着剤134から剥がすことは容易である。マスク部材を取り除いた後、HPB132は図3に示された状態になる。なおS2までの工程は、例えばロット毎にまとめて行われる。
次いで、HPB132の非実装面の絶縁性をより顕著にするために、マイラーシート135が金属板136上に載置される。そして更に、マイラーシート135上にHPB132が載置される(S3)。これによりマイラーシート135は、HPB132の非実装面と金属板136との間に介在した状態になる。なおこのときハウジング131は、図2に示された状態、すなわちカバー部材131aがハウジング131bに嵌め込まれていない状態にある。
各ネジ137を金属板136及びマイラーシート135の穴(何れも不図示)に挿通してネジ穴132bをタッピングしながらネジ止めすることにより、HPB132と金属板136が固定、すなわちHPB132がハウジング131bに対して固定された状態になる(S4)。またマイラーシート135は、HPB132の非実装面(より正確には絶縁テープ)と金属板136とにより狭持され、互いの面に密着する。
HPB132をハウジング131bに固定した後、ケーブル類の半田付け処理が行われる(S5)。ケーブル類のそれぞれは、各半田付けパターン132cに半田付けされてHPB132上の回路と接続された状態になる。次いで、各領域132aにも、HPB132上の他の領域と同様に絶縁性シリコーン接着剤134が塗布される(S6)。絶縁性シリコーン接着剤134を乾燥させた後、カバー部材131aがハウジング131bに嵌め込まれて(S7)、この製造工程が終了する。
本実施形態では、HPB132上の実装回路の短絡を防止するためにその両面を他の要素と絶縁させている。より詳細には、HPB132の回路実装面に絶縁性シリコーン接着剤134を塗布している。また非実装面には、絶縁テープを貼り付けて、更に、マイラーシート135を密着させている。
すなわち本実施形態では、実装部品が散在するためその面上に多くの凹凸が見られる回路実装面上を絶縁性シリコーン接着剤134で埋め、且つ、比較的平らな非実装面をシート状の絶縁部材で覆うことにより、省スペースな絶縁構造体を実現することを可能としている。
省スペースな絶縁構造体を実現することにより、例えば管類が引き回されている限定的なスペース(すなわちハウジング131内部)への回路実装基板の組み込みが容易となる。別の観点では、省スペースな絶縁構造体により確保されたハウジング131内部の空きスペースに、ケーブル類や管類を容易に配線・配管することが可能となる。また、絶縁性シリコーン接着剤134をHPB132上の実装回路上に直接塗布することにより、高い防水性も同時に実現される。更に、HPB132とケーブル類との各接続箇所を補強する等の効果も期待される。
以上が本発明の実施の形態である。本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
本発明の実施の形態の内視鏡システムの外観を概略的に示した図である。 本発明の実施の形態の内視鏡が有した操作部の構成を示す。 本発明の実施の形態の内視鏡が有した操作部の製造工程について示す。 本発明の実施の形態の内視鏡が有したハウジング内部に組み込まれる前の段階のHPBを示す。
符号の説明
10 内視鏡システム
100 内視鏡
130 操作部
131 ハウジング
132 HPB
133 制御用チップ
134 絶縁性シリコーン接着剤
135 マイラーシート
136 金属板
137 ネジ
161a リモコンケーブル
161b、161c HPB用ケーブル
162 送気用管路
163 送水用管路
164 副送水用管路
165 吸引用管路

Claims (3)

  1. 体腔内を観察するための内視鏡に備えられた操作部の構造において、
    ユーザ・オペレーションを処理するための回路が片面実装された回路実装基板と、
    その内部に前記回路実装基板を保持したハウジングと、を備え、
    前記回路実装基板の回路実装面全体に該回路を覆うよう絶縁性接着剤が略均一に塗布され、且つ、前記回路実装基板の非実装面全体に絶縁性シートが密着されたこと、を特徴とする内視鏡操作部構造。
  2. 体腔内に挿入される挿入部と、前記挿入部に連結された、体腔内に挿入されない非挿入部と、前記非挿入部の末端において外部機器と接続され、該外部機器から供給される光を前記挿入部先端まで伝送する光伝送路と、を備えた、体腔内を観察するための内視鏡において、
    前記非挿入部に設けられ、請求項1に記載の内視鏡操作部構造を持った操作部を有し、
    前記操作部内部において、前記光伝送路を、前記ハウジング内壁と該回路実装面との間に配管したこと、を特徴とする内視鏡。
  3. 体腔内を観察するための内視鏡の操作部の組立方法において、
    片面実装基板の回路実装面の所定領域を除く領域上に、実装回路を覆うよう絶縁性接着剤を略均一に塗布する第一の接着剤塗布ステップと、
    該絶縁性接着剤が塗布された回路実装基板を該操作部のハウジングに固定すると共に、絶縁性シートを該回路実装基板の非実装面全体に密着させる基板固定・密着ステップと、
    ユーザ・オペレーションに応じた信号を該実装回路に入出力させるための信号ケーブルを、該所定領域に半田付けする半田付けステップと、
    該半田付け箇所を覆うよう該所定領域に絶縁性接着剤を塗布する第二の接着剤塗布ステップと、を含むこと、を特徴とする内視鏡操作部の組立方法。
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