JP2007244400A - 温熱治療システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 全身に転移する癌やHIV等の難治性感染症に適応でき、患者を必要以上の高温に曝すことなく治療温度に短時間に昇温して、正常細胞に対して非侵襲的に治療できる温熱治療装置を提供する。患者にとって最適な条件で温熱治療を受けるようにする。
【解決手段】 患者の疾患または障害の処置または予防するための温熱治療システムであって、A)患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための患者の至適温度を特定する手段;B)温熱治療手段;C)患者の体温を測定し得る温度検出手段;D)温度検出手段から患者の体温に関する体温情報に基づき、体温情報から患者の体温を至適温度に調節するように指示する温熱治療手段に対する命令を算出する制御装置、を備える。制御装置は、温度検出手段から体温に関する情報を受け取るように接続され、温熱治療手段に命令を指示するように接続される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、患者の頭部以外のほぼ全身を温水に浸漬させて温熱治療を行うための温熱治療装置に関し、特に、たとえば癌もしくはHIV等の難治性感染症の治療に用いる温熱治療装置に関する。
従来、癌の治療には外科的治療、放射線療法、化学療法等が用いられていたが、これらはいずれも人体の正常組織に対して損傷を与える侵襲的治療方法であるため、患者に対してダメージを与える。また、HIV等の難治性感染症では、適切な治療法が無いのが現状である。これに対し、近年、正常細胞と癌細胞やウィルスの温度感受性の差を利用して、患部を41℃〜43℃に加温して、正常細胞を守りながら癌細胞やウィルスを死滅させる温熱療法(ハイパーサーミア)が非侵襲的治療方法として注目されている。また、放射線療法や化学療法に温熱療法を併用することで、その治療効果が高まることが確認されている。
このような温熱療法には、特定の患部のみを加温する部分温熱療法と、全身を均一に加温する全身温熱療法とがある。部分温熱療法には患部に高周波や超音波を照射する方法や患部に電極針を差し入れて加温する方法が、全身温熱療法には体外循環によって血液を加温する方法、遠赤外線を照射する方法が現在までに試みられている。
しかし、従来の温熱療法では、以下のような問題があった。患部に高周波や超音波を照射する方法や患部に電極針を差し入れて加温する方法等の部分温熱療法では、局所的な癌に対しては効果があるが、全身に転移する癌や血液内を循環するウィルスに対しては必要な治療効果が得られない。
体外循環によって血液を加温する方法では、全身を加温することになるので全身に転移する癌や血液内を循環するウィルスに対して治療効果が期待できるが、全身の深部体温を上げるためには血液を45℃〜46℃に加温する必要があり、通常血液の凝固を防止する等のために例えばへパリン等を投与するため、治療時間は1時間程度が限度であり、治療後数日間は立ち上がれないほどの肉体的負担が生ずる。
遠赤外線を照射する方法でも全身を加温することは可能であり、全身に転移する癌や血液内を循環するウィルスに対して治療効果が期待できるが、深部体温を41℃〜42℃に上げるには皮膚の温度が65℃以上となり、長時間照射すると低温やけどを生ずる。このため、治療時間はやはり1時間程度が限度であり、深部体温を治療温度に長時間保持する治療が困難である。
これに対し、患者の頭部以外のほぼ全身を温水に浸漬させて体温を上昇させる全身浸漬温熱療法は、患者を直接温水に浸漬させることから熱伝導性が飛躍的に高まり、患者を必要以上の高温に曝すことなく全身の体温を短時間に必要な治療温度に上昇できるので、患者の肉体的負担が抑えられ、長時間の治療が可能であるという特長を有する。
本発明らは、特開2003−126135号公報(特許文献1)、特開2003−126138号公報(特許文献2)、特開2001−299798号公報(特許文献3)において、全身に転移する癌やHIV等の難治性感染症に適応でき、患者を必要以上の高温に曝すことなく深部体温を治療温度に短時間に昇温して精度良く長時間保持し、正常細胞に対して非侵襲的に治療できる温熱治療装置を提供した。
しかしながら、患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度は、患者個々によって異なっており、さらに同一患者においても、日々変化する可能性があるが、従来では、一般的に好ましいとされる温度範囲に設定した治療温度で実施していた。
そのため、患者にとって温熱治療効果が上がらないばかりか、患者の体力を消耗するという欠点があった。例えば、患者の治療温度が至適温度より低い場合には、効果が上がらずまた患者への負担時間が長くなり、至適温度よりも高い場合には、逆に顆粒球などが増えるなど好ましくない欠点があった。また、ある場合には、一般に望ましいとされる温度範囲で処置しても、顆粒球が変性、壊死、または崩壊するなどの有害な効果すら観察されることも報告されている。
特開2003−126135号公報 特開2003−126138号公報 特開2001−299798号公報
本発明は上記の欠点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、全身に転移する癌やHIV等の難治性感染症に適応でき、患者を必要以上の高温に曝すことなく深部体温を必要な治療温度に短時間に昇温して精度良く長時間保持し、正常細胞に対して非侵襲的に治療でき、しかも患者にとって確実に最適な条件で(例えば、温度および時間)で温熱治療を受けさせることができる温熱治療装置を提供することである。
本発明の温熱治療装置は、患者の疾患または障害の処置または予防するための温熱治療システムであって、A)該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する手段;B)温熱治療手段;C)該患者の体温を測定する温度検出手段;およびD)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を該至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を算出する制御装置、を備え、該制御装置は、該温度検出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする。
一つの実施形態では、前記患者の至適温度を特定する手段(A)が、以下:a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、b)患者の血圧の変化、c)患者の心拍数、d)患者の血流量、e)患者の血液のpH、f)患者の血中のHLAの発現量、およびg)患者の血中のリンパ球数、からなる群より選択される生体変化を基にして求められる。
一つの実施形態では、前記患者の至適温度を特定する手段(A)が、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより変動される(例えば、産生される。以下同じ)hsp72またはHLAを指標として行われる。
一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、加熱槽を備える。
一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、液体により加温する。
一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、一定温度以上にならないような安全装置を備える。
一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、入浴装置である。
一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、保温器を備える。
一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、給湯装置または加温装置と、温度制御手段と、冷却装置とを備える。
一つの実施形態では、前記温度検出手段は、腋下、舌下、直腸、皮下深部、動脈内、鼓膜および食道からなる群より選択される体温を測るための体温計である。
一つの実施形態では、前記温度検出手段は、舌下または直腸の体温を測るための体温計である。
一つの実施形態では、前記患者の平熱に関する情報を格納するための手段をさらに備える。
一つの実施形態では、前記患者の処置前の体温を記録するための手段をさらに備える。
一つの実施形態では、さらに、第一温度調節手段、および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手段を含む2種類の温度調節手段を含み、前記制御装置は、温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該第二温度調節手段が作動するよう指示するか、あるいは温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ該第二の温度調節手段は該被検体から熱的に絶縁されるように配置し、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該被検体から熱的に絶縁されるように配置し該第二温度調節手段が作動するよう指示する。
一つの実施形態では、前記制御装置は、前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度へと前記温熱治療手段を温める命令を算出する。
一つの実施形態では、前記制御装置は、前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度に該温度を維持する命令を算出する。
一つの実施形態では、前記制御装置は、測定された体温が至適温度になるまで温熱治療手段を加温する命令を算出する。
一つの実施形態では、前記疾患または障害は、癌、感染症、慢性疾患、生活習慣病、寄生病、免疫亢進、免疫不全および薬物中毒からなる群より選択される。
一つの実施形態では、前記疾患または障害は、免疫系により治癒可能な疾患または障害を含む。
一つの実施形態では、前記疾患または障害は、癌を含む。
本発明の患者の体温を調節するためのシステムは、A)該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する手段;B)温熱治療手段;C)該患者の体温を測定する温度検出手段;およびD)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を該至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を計算する制御装置、を備え、該制御装置は、該温度検出手段該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする。
本発明の患者においてhsp72の発現と機能を調節するためのシステムは、A)該患者のhsp72の発現と機能を調節するための該患者の至適温度を特定する手段;B)温熱治療手段;C)該患者の体温を測定する温度検出手段;およびD)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を計算する制御装置、を備え、該制御装置は、該温度検出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする。
一つの実施形態では、前記hsp72の発現及び機能の調節により、免疫系を活性化する。
本発明の患者においてHLAを発現させるためのシステムは、A)該患者のHLAを最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する手段;B)温熱治療手段;C)該患者の体温を測定する温度検出手段;およびD)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を計算する制御装置、を備え、該制御装置は、該温度検出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする。
一つの実施形態では、前記HLAの発現により、免疫系を活性化することを特徴とする。
本発明の患者の疾患または障害を処置または予防するために使用するシステムは、A)温熱治療手段;B)該患者からサンプルを入手する手段;C)該サンプル中の熱ショックタンパク質(hsp)を測定するための手段;D)該hspの発現パターンに基づき該温熱治療手段を調節するための手段、を備える。
一つの実施形態では、前記hspの発現パターンは、hsp72の発現パターンを含む。
一つの実施形態では、前記調節は、hsp72の発現の調節を含む。
本発明の患者の疾患または障害を処置または予防するために使用するシステムは、A)温熱治療手段;B)該患者からサンプルを入手する手段;C)該サンプル中のHLAを測定するための手段;D)該HLAの発現パターンに基づき該温熱治療手段を調節するための手段、を備える。
一つの実施形態では、前記HLAの発現パターンは、HLA−DRの発現パターンを含む。
一つの実施形態では、前記調節は、HLAの発現が亢進されるような調節を含む。
本発明の患者の疾患または障害の処置または予防するための方法は、A)該患者の平熱情報を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、を包含する。
一つの実施形態では、前記平熱情報は、温度検出手段により検出される。
一つの実施形態では、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±1.0℃以内にされる。
一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±0.3℃以内にされる。
一つの実施形態では、前記工程D)が、以下:a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、b)患者の血圧の変化、c)患者の心拍数、d)患者の血流量、e)患者の血液のpH、f)患者の血中のHLAの発現量、およびg)患者の血中のリンパ球数、からなる群より選択される生体変化を基にする。
一つの実施形態では、前記工程D)が、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより変動するhsp72またはHLAを指標として行われる。
一つの実施形態では、前記疾患または障害は、癌、感染症、慢性疾患、生活習慣病、寄生病、免疫亢進、免疫不全および薬物中毒からなる群より選択される。
一つの実施形態では、前記疾患または障害は、免疫系により治癒可能な疾患または障害を含む。
一つの実施形態では、前記疾患または障害は、癌を含む。
本発明の、患者の疾患または障害の処置または予防するために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムは、以下A)該患者の平熱を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、を包含する。
一つの実施形態では、前記方法が、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
一つの実施形態では、前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度へと前記温熱治療手段を温める命令を算出する。
一つの実施形態では、前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度に該温度を維持する命令を算出する。
一つの実施形態では、測定された体温が至適温度になるまで温熱治療手段を加温する命令を算出する。
本発明の、患者におけるhsp72の発現を増加させるための方法は、A)該患者の平熱情報を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、を包含する。
一つの実施形態では、D)前記患者のhsp72を最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
一つの実施形態では、前記平熱情報は、温度検出手段により検出される。
一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±1.0℃以内にされる。
一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±0.3℃以内にされる。
一つの実施形態では、前記工程D)が、以下:a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、b)患者の血圧の変化、c)患者の心拍数、d)患者の血流量、e)患者の血液のpH、f)患者の血中のHLAの発現量、およびg)患者の血中のリンパ球数、からなる群より選択される生体変化を基にする。
一つの実施形態では、前記工程D)が、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより産生されるhsp72またはHLAを指標として行われる。
一つの実施形態では、顆粒球を変性、壊死または崩壊させないでhsp72の発現を増加させることをさらに特徴とする。
本発明の、患者におけるhsp72の発現と機能を調節する(例えば、hsp72の発現を増加させる)ために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムは、A)該患者の平熱を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、を包含する。
一つの実施形態では、前記方法が、D)前記患者のhsp72を最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために使用する方法は、A)該患者の平熱情報を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、hsp72の発現が増加することが確認されるまでの時間である、工程を包含する。
一つの実施形態では、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
一つの実施形態では、前記一定時間は、顆粒球の変性、壊死または崩壊が認められない程度の時間である。
本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムは、A)該患者の平熱を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、hsp72の発現が変動(例えば、増加)することが確認されるまでの時間である、工程、を包含する。
一つの実施形態では、前記方法が、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
本発明の、患者におけるHLAの発現を増加させるための方法は、A)該患者の平熱情報を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、を包含する。
一つの実施形態では、D)前記患者のHLAを最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
一つの実施形態では、前記平熱情報は、温度検出手段により検出される。
一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±1.0℃以内にされる。
一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±0・3℃以内にされる。
一つの実施形態では、顆粒球を変性、壊死または崩壊させないでHLAの発現を増加させることをさらに特徴とする。
本発明の、患者におけるHLAの発現を増加させるために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムは、A)該患者の平熱を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、を包含する。
一つの実施形態では、前記方法が、D)前記患者のHLAを最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために使用する方法は、A)該患者の平熱情報を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、HLAの発現が増加することが確認されるまでの時間である、工程、を包含する。
一つの実施形態では、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
一つの実施形態では、前記一定時間は、顆粒球の変性、壊死または崩壊が認められない程度の時間であることを特徴とする。
本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、A)該患者の平熱を得る工程;B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、HLAの発現が増加することが確認されるまでの時間である、工程、を包含する。
一つの実施形態では、前記方法が、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する。
本発明の、少なくとも2種類の温度調節手段を備える温度調節システムは、該温度調節手段は、比熱または変温能力が相違する、温度調節システム。
一つの実施形態では、前記少なくとも2種類の温度調節手段は、第一温度調節手段および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手段を含み、温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該第二温度調節手段が作動するよう指示する手段をさらに備える。
一つの実施形態では、前記少なくとも2種類の温度調節手段は、第一温度調節手段および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手段を含み、温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ該第二の温度調節手段は該被検体から熱的に絶縁されるように配置し、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該被検体から熱的に絶縁されるように配置し該第二温度調節手段が作動するよう指示する手段をさらに備える。
ここで、第二の温度調節手段(比熱の小さい方)の比熱が小さいほど、目的温度を超える危険性は小さくなる。昇温速度が遅い方が、目的温度に正確に到達することができる。つまり、最低限の性能を必要とするので、チャンバーから放熱以上の熱量があるヒーターであれば使用できる。
本発明の被検体の温度を至適温度へと調節するための方法は、A)該被検体の温度が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させる工程;B)該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときには該第一温度調節手段を停止し、比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二温度調節手段を作動させる工程、を包含する。
一つの実施形態では、C)前記第二の温度調節手段を、前記被検体の温度が前記至適温度に達したときに停止する工程を包含する。
本発明の患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定するシステムは、該至適温度を決定するためのアッセイシステム、を含む。
一つの実施形態では、前記患者の至適温度が、以下:a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、b)患者の血圧の変化、c)患者の心拍数、d)患者の血流量、e)患者の血液のpH、f)患者の血中のHLAの発現量、およびg)患者の血中のリンパ球数、からなる群より選択される生体変化を基にして決定される。
一つの実施形態では、前記患者から生物サンプルを抽出する手段をさらに含む。
本発明は、患者にとって確実に最適な条件で(例えば、温度および時間)で温熱治療を受けさせることができるので、患者の体力の消耗を極力抑えながら最大の温熱効果を発揮することができ、予期せぬ副作用も回避可能である。
本発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなる。
図1に本発明の一実施形態にかかる温熱治療システムの構成を示す。本実施形態は、温熱治療手段(B)として、患者の頭部以外の全身を液体Wに浸漬させるための治療槽10と、液体Wを加熱するための加熱槽12を別に備える2槽式を採用している。治療槽10は、液体Wの温度を計測する温度センサ60と、温度検出手段(C)として、患者の体温(例えば、直腸温度)を計測する直腸温度センサ62とを備える。加熱槽12は、液体Wを加熱するヒータ14と、液体Wを微小冷却する冷却ファン16と、温度センサ64と、水位センサ68とを備える。
治療槽10と加熱槽12の間は循環ライン20で接続され、加熱槽12から治療槽10に液体Wを強制循環させるポンプ22と、治療槽10から加熱槽12に液体Wを強制循環させるポンプ26と、循環ラインの循環流量を計測する流量センサ70、72を備える。治療槽10には、多数の噴出穴を有する複数の攪拌ノズル24が分散配備され、ポンプ22によって循環された液体が槽内に拡散噴出される。同様に、加熱槽12には多数の噴出穴を有する複数の攪拌ノズル28が分散配備され、ポンプ26によって循環された液体が槽内に拡散噴出される。
このように、循環ライン20によって治療槽10と加熱槽12の間で液体Wを強制循環させ、攪拌ノズル24、28によって各槽内に分散注入することで、治療槽10内の液体温度偏差を小さくし、患者の深部体温を設定された治療温度に精度良く加温できるようにしている。また、循環ライン20には液体Wの不純物を除去するためフィルタ30が備えられ、加熱槽12には治療によって液体W内に生ずる雑菌の繁殖を防止するため殺菌用のUV燈34が備えられている。
治療槽10と加熱槽12の間は、連通管32によって接続され、治療槽10から加熱槽12への流量と加熱槽12から治療槽10への流量にアンバランスが生じても治療槽の10の水位を安定に保つことができるようにしている。
循環ライン20には液体Wを供給する給水ライン40が接続されており、最初の温液体の治療槽10および加熱槽12への給水と、治療時の冷液体の給水による液体Wの冷却に使用する。供給される温液体の温度は40℃程度、冷液体の温度は5〜20℃程度を想定しており、最初の給水は電動バルブ(4)と(8)を介して温液体を直接供給し、治療時の液体Wの冷却は電動バルブ(6)、(7)を介して温液体と冷液体を温調弁42で混合し、適当な温度とした冷却液を電動バルブ(8)を介して供給する。
給水温度は温度センサ66で計測され、給水流量は流量センサ74で計測される。
また、治療槽10、加熱槽12、給水ライン20から液体Wを排水する排水ライン50を備え、それぞれ治療槽10からは電動バルブ(1)を介して、加熱槽2からは電動バルブ(2)を介して、給水ラインからは電動バルブ(5)を介して、液体Wが排水される。
治療槽10からの排水量は流量センサ76で、加熱槽12からの排水量は流量センサ78でそれぞれ計測される。
液体Wは、長時間の浸漬によって患者の皮膚がふやける等の弊害を抑制するため、人間の体液に近い0.85%〜0.95%の塩分濃度を有する塩水を使用する。このため、温液体や冷液体の供給ラインには専用タンクを設け、ここで濃度調整や温度調整を行って給水ライン40に供給するようにしてもよい。また、生理的食塩水や生理的塩類溶液を使用してもよい。
上記制御装置(D)としては、各センサ信号を取込み、ヒータ14と冷却ファン16および各電動バルブを作動させるコントローラ80と、コントローラ80に対して制御指令を与えるコンピュータ82とを備える。コントローラ80は、温度センサ60および64の信号をもとにヒータ14と冷却ファン16を作動させて、液体Wをコンピュータ82から指定された設定温度に制御する機能を有する。また、コントローラ80は水位センサ68、流量センサ74、76、78の信号をもとに電動バルブ(1)、(2)、(4)、(6)、(7)、(8)を作動させて、温液体を治療槽10および加熱槽12に所定水位まで給水する機能と、液体Wを所定温度の冷却液と所定量置換してコンピュータ82から指定された設定温度まで冷却する機能とを備える。
コンピュータ82は、表示装置83と入力装置84を備え、コントローラ80から受信した各センサ情報を表示装置83に表示して医師等に対してガイダンスを与えるとともに、入力装置84から入力された治療条件に基づき、コントローラ80に対して制御指令を与え、一連の治療処理を行う。
図2に本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の本体機構の正面図解図を、図3に同本体機構の側面図解図を示す。
治療槽10には、患者を乗せるベッド100と、ベッド100を治療槽内で昇降させて患者を液体に浸漬させたり、脱出させたりするための昇降ベース102・昇降アーム104・ローラ106・昇降用モータ108からなる昇降機構と、ベッド100を搬送台車120と治療槽10の間で水平移動するためのスライドレール110・下車輪112・上車輪114からなる移送機構とを備える。ベッド100は、患者を長時間液体に浸漬させるため、最も楽な体位を取れるように、腰の角度・足の角度・首の角度を調節できる体位調節機構を有する。
また、腕に点滴を行う等のため、腕を乗せる台を備える。
治療槽10は、治療槽全体を覆う外蓋90と、液体Wの液面を覆う内蓋96とを備える。外蓋90は、図4のように開閉可能なスライド式としており、患者が液体Wに浸漬している間は治療槽全体を覆い、患者の液体Wから露出した部分からの熱の拡散を抑え、深部体温の昇温時間を短縮するとともに、治療中の深部体温の安定化を図る。外蓋90は、治療中に患者を観察できるように透明樹脂で形成され、医師等が手技を行えるように窓92を備える。窓92は、可撓性を有する保温カバー94で覆われており、保温カバー94で覆いながら手技をすることで熱の拡散をできる限り抑えるようにしている。
また、内蓋96は、フロート式の断熱材で、患者を液体Wに浸漬させた後、液体表面を覆うようにセットする。これにより、液体Wの保温性が高まり、更に短時間の体温上昇と、治療中の体温の安定化が図れる。
図中、88は制御装置を収容した制御盤であり、コントローラ80、コンピュータ82、表示装置83、入力装置84を収容する。その他、制御盤88にはヒータやポンプ等を駆動する動力盤、各種センサの信号処理等を行う電子回路盤、各種コントローラの指示計器、異常確認燈等を備える。
患者を液体Wに浸漬した後、患者の頭部には頭部冷却装置130がセットされる。これは、治療中に頭部の温度が高くなりすぎた場合に、患者を保護するために頭部を冷却するものである。ここでは頭部の温度が39℃以上であって0.1℃きざみで任意の目的温度を超えたときに頭部冷却装置を作動させるようにした。
頭部冷却装置130は、例えば患者の頭部をヘルメット状のもので覆い、その中に35℃程度の冷却水を流すことで必要な冷却効果を得ることができる。また、患者の頭部の体温は、直接頭部に深部体温センサを取付けて計測するようにしてもよいが、患者の頚動脈部と頚静脈部に深部体温センサを取付けて、頭部に流入する血液の温度と頭部から流出する血液の温度を計測し、両者の平均値を用いるようにしてもよい。尚、頭部冷却装置130は、前述の方法によって計測される頭部の体温を一定温度となるように、冷却水の温度または流量をコントロールするようにしてもよい。このようにすれば、頭部に転移する癌細胞やウィルスに対しての治療効果を損なうことなく、全身の温熱治療が行える。
また、患者を液体Wに浸漬させる際に、患者の特定の患部を更に高い温度に加温する部分加温装置(図示省略)を取付けてもよい。これにより、例えば全身の体温を至適温度に保持しながら、特定の患部の深部体温を治療効果温度プラス侵襲のない範囲で0.1℃きざみで加温することで、非侵襲的に全身に転移する癌や難治性感染症を治療しつつ、特定の患部の癌細胞や細菌を効果的に死滅させることができる。更に、特定の患部の深部体温を全身の体温より高い温度に加温することで、全体の治療時間を短縮したり、全身の体温をより低い温度で治療したりすることが可能となり、患者にとってより負担の少ない全身温熱治療を実現できる。
部分加温装置は、例えば断熱部材からなるパッドを患部に固定し、中央部の体表面側に温液体を流すことにより実現できる。これは、断熱材で熱流を遮断することで深部体温が近似的に体表面温度と等しくなることを応用したもので、パッドの中心に温度センサを設け、これが温水の温度を制御することで、特定患部の深部体温を必要な治療温度に加温できる。
(患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための患者の至適温度を特定する手段)
(定義)
本明細書中で使用される場合、「至適温度(セットポイントともいう)」とは、 a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、b)患者の血圧の変化、c)患者の心拍数、d)患者の血流量、e)患者の血液のpH、f)患者の血中のHLAの発現量、g)患者の血中のリンパ球数などの変化が患者の血液中において生じる、患者の体温を指す。「至適温度」は、一般的には、39℃±1.0℃の範囲にあり、それぞれの個体および個体の健康状態に依存して異なる。この患者の体温は、例えば、腋下、舌下、直腸、皮下深部、動脈内、鼓膜および食道などにおいて測定され得る。患者の体温は、好ましくは、舌下および直腸において測定され得、最も好ましくは、直腸において測定され得る。
患者を徐々に加温していくと、至適温度前後において、以下のような変化が生じる。
hsp72の発現量は、体温が至適温度に到るまで次第に増加し、体温が至適温度を超えると減少する。血圧は、体温が至適温度に到るまで次第に増加し、体温が至適温度を超えると減少する。心拍数は、体温が至適温度に到るまで次第に増加し、体温が至適温度を超えると減少する。
血流量は、体温が至適温度に到るまで次第に増加し、体温が至適温度を超えると減少する。
血液pHは、体温が至適温度に到るまで減少する場合は、体温が至適温度を超えると増加し、体温が至適温度に到るまで増加する場合は、体温が至適温度を超えると減少する。
HLAの発現量は、体温が至適温度に到るまで次第に増加し、その後プラトーに達する。
インビトロで上記パラメータが変化する温度と、インビボで上記パラメータが変化する温度とがほぼ一致していることが、予想外にもわかった。従って、インビボでの上記パラメータ変化をわざわざ観察する必要がない。患者の至適温度を特定することは、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより産生される、hsp72またはHLA、細胞の大きさ、細胞の密度を指標として行われる。
本明細書中で使用される場合、「hsp」とは、熱ショックタンパク質を指す。hspは、細胞や個体が平常温度より高い温度変化を受けた時に合成が誘導されるタンパク質群の総称である。代表的なhspとしては、hsp72以外に、例えば、hsp70、hsp90、hsp10、hsp27、hsp40、hsp47、hsp60、hsp73、hsp110、ユビキチンおよびhsp26などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、「HLA」とは、ヒト白血球抗原を指す。HLA抗原は、クラスI抗原とクラスII抗原の2群に大別される。クラスI抗原としては、例えば、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−E、HLA−F、HLA−Gなどが挙げられる。クラスI抗原は、ほとんどすべての有核細胞上に発現している。クラスI抗原は、細胞内で産生されるペプチドと複合体を形成し、その複合体を、CD8陽性細胞傷害性T細胞の抗原特異的T細胞受容体に提示する。クラスII抗原としては、例えば、HLA−DR、HLA−DQ、HLA−DPなどが挙げられる。クラスII抗原は、マクロファージ、B細胞、活性化T細胞、樹状細胞、胸腺上皮細胞などの細胞上でのみ発現し、外来抗原由来ペプチドをCD4陽性ヘルパーT細胞に提示する。クラスII抗原は、抗原提示のほかにも胸腺でのT細胞の正の選択および負の選択にも関与していることが公知である。
本発明により処置または改善され得る免疫系により治癒可能な疾患または障害としては、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により処置または改善され得る癌とは、脳腫瘍、白血病、胃癌、肺癌、肝細胞癌、転移性癌、原発乳癌、再発乳癌、原発性肝癌、胆道癌、膵癌、腎癌、前立腺癌、睾丸癌、子宮体癌、卵巣癌、肺小細胞癌、白血病、胆道癌、消化器癌、大腸癌、肝癌、転移性肝癌、子宮頚癌、結腸癌、直腸癌、甲状腺癌、乳癌、泌尿器癌、子宮癌、食道癌、胞状奇胎、絨毛癌、胃所性HCG産生腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、神経芽腫、上顎癌、口腔癌、口腔底癌、尿路性癌、甲状腺癌、悪性リンパ(ホジキン性および非ホジキン性)、膀胱癌、造血器腫瘍、骨転移を伴う前立腺癌、末期癌、神経芽細胞腫、肺小細胞癌、肺非小細胞癌、褐色細胞腫、ガストリノーマ、インスリノーマ、カルチノイド、高カルシウム血症を伴う悪性腫瘍、成人T細胞白血病、外陰癌、皮膚癌、上気道癌、頭頚部癌、奇形腫、膀胱癌、β細胞白血病、睾丸腫瘍、消化器癌、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性腫瘍、原発性肝癌、肉腫、悪性黒色腫、リンパ腫、肺扁平上皮癌が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により処置または改善され得る感染症とは、HBV感染症、HCV感染症、種々の細菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、HIV−1感染、HIV−2感染、ヘルペスウイルス(HSV−1、HSV−2、CMV、VZV、HHV−6、HHV−7、EBVを含むが、これらに限定さない)感染、アデノウイルス感染、ポックスウイルス感染、ヒトパピローマウイルス感染、肝炎ウイルス(例えば、HAV、HBV、HCVなどを含むが、これらに限定されない)感染、Helicobacter pylori感染、寄生生物感染、HTLV−1感染が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により処置または改善され得る生活習慣病とは、糖尿病、動脈硬化症(脳梗塞、狭心症、心筋梗塞を含むが、これらに限定されない)、高血圧、悪性腫瘍、肺気腫、骨の退行性変化、が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により処置または改善され得る寄生病とは、アメーバー症、バベシア症、コクシジウム症、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症、交疫、外部寄生生物感染症、ジアルジア鞭毛虫症、蠕虫病、リーシュマニア症、住血吸虫属感染、タイレリア症、トキソプラスマ症、トリパノソーマ症、ならびにトリコモナス属感染および胞子虫(例えば、Plasmodium virax、Plasmodium falciparium、Plasmodium malariaeおよびPlasmodium ovale)の感染、疥癬、ツツガムシ病、眼感染、腸疾患(例えば、赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、肝疾患、肺疾患、日和見感染症(例えば、AIDS関連)、マラリアが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により処置または改善され得る免疫亢進とは、アレルギー性皮膚炎、乾癬、が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により処置または改善され得る免疫不全とは、膿皮症、口腔内ガンジダ症、ウイルス感染症、が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明により処置または改善され得る薬物中毒とは、アルコール中毒、ニコチン中毒、ヘロイン中毒、が挙げられるが、これらに限定されない。
(末梢血白血球におけるhsp72およびHLAの発現を検出および定量するアッセイ)
末梢血白血球におけるhsp72発現は、従来のウェスタンブロット法、ELISA、リアルタイムRT−PCR法、ノーザンブロット法などを使用することによって、検出および定量することが可能である。このために必要な末梢血細胞数は、当業者によって容易に決定されるが、好ましくは、8×10〜10×10細胞である。末梢血白血球細胞膜上でのHLA発現は、従来のFACS分析、蛍光顕微鏡などを使用することによって、検出および定量することが可能である。このために必要な末梢血細胞数は、当業者によって容易に決定されるが、好ましくは、5×10〜10×10細胞である。
上記患者の至適温度を特定する手段(A)は、制御装置(D)に直接接続して、リアルタイムで患者の至適温度の信号を制御装置へ入力するようにしてもよく、あるいは制御装置と分離し、または間接的に至適温度の信号を制御装置へ入力するようにしてもよい。
患者の至適温度を特定するための昇温プログラムは、例えば、以下の点を留意して作成される。
チャンバー(湯温)と体温の差が大きい場合は、昇温速度は速く、チャンバー(湯温)と体温の差が小さい場合は、昇温速度は遅くなるように設定する。
直腸温度の上昇が急に速くなるポイント(体表からの浸潤温度と血液循環による温度上昇が一致する点)から、比熱の小さい温度制御に切り替える。
目的温度より少し低い温度(例えば、目的直腸温度が42.0℃の場合、湯温度は41.8℃)を維持する。この理由は、熱たまり(予熱)効果の利用である。湯温は41.8℃であるが、直腸温度は42.0℃になる。
保持時間は、体表面温度から湯温への温度差による放熱の速度(1)と、直腸温度の上昇加速(2)とのバランスを考慮する。湯温を低く設定する場合は、速度(2)が速度(1)より高いときである。時間の経過についれて速度(1)と速度(2)のバランスが、均衡から逆転することになる。この場合は、速度(1)を抑えるために湯温を加温してもよいし、予め逆転しないよう速度(2)を強めておいてもよい。
このように、チャンバー(湯温)と体温の差を基に、速度(1)と速度(2)のバランスを計算により調節して、温度調節をする。
上記本体機構の治療開始から、治療終了までの一連の動作を説明すると、例えば、次のようになる。
はじめに、該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する。患者の至適温度を特定する手段(A)が、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより産生されるhsp72、hsp70、90、10、27、40、47,60,73,110,26及びHLAを指標として行われることが好ましい。この場合、具体的には、患者の血液(2−3ml)を採取し、図16に示すように、温度を変えることにより、hsp72の産生量が大きく変化する点を、患者の至適温度(セットポイントともいう)とする。このようにして、患者個々の至適加温条件を決定し(つまりインビボの加療プログラムの作成ができる)、この加温効果のシミュレーションに基づいて、上記制御装置を制御する。
(温熱治療効果の判定)
本発明の温熱治療による各種疾患の治療効果は、肉眼または内視鏡による視認、視認、CT−MRI、X線等の画像、免疫組織化学的解析によって判定される。場合によっては、各種の公知腫瘍マーカー発現量のモニタリングなどを複合的に用いる場合もある。
(患者の温熱治療)
治療開始時は、まず搬送台車100上で患者に場合により麻酔を施し、体温の昇温が可能な状態になったら、外蓋90を開け、患者を乗せたベッド100をスライドレール110によって昇降ベース102に移送する。次に、直腸体温センサ62等の生体モニタ用のセンサを患者にセットし、必要に応じて人工呼吸器、点滴等、部分加温装置を患者に取付けた後、昇降モータ106によって昇降アーム104を折り畳んでベッド100を下降させ、患者を液体Wに浸漬させる。最後に、頭部冷却装置130を患者にセットし、内蓋96をセットし、外蓋90を閉じる。
治療終了時は、まず外蓋90を開け、内蓋96を除去する。
次に、昇降モータ106によって昇降アーム104を伸張してベッド100を上昇させ、患者を液体Wから脱出させる。最後に、患者を乗せたベッド100をスライドレール110によって搬送台車120に移送する。
次に、コントローラ80による液体の温度制御について説明する。
本実施形態では、加熱槽12にはヒータ14として容量の異なるラインヒータを複数本備え、これと冷却ファン16とによって、液体Wの精密な温度コントロールを行うようにしている。
図5に本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の温度制御アルゴリズムの例を示す。これは、小動物の臨床試験用として製作した温熱治療装置に使用したものである。この場合、治療槽容量は200リットル、加熱槽容量は216リットルであり、3.0KW、1.0KW、0.5KWの3種類のヒータと冷却ファンを用いた。
図のように、一定のサイクルタイムの経過を待って液体温度を計測し、液体温度が設定温度より0.3℃以上低いときはすべてのヒータをONとし、冷却ファンをOFFとする。
液体温度が設定温度より0.2℃以上低いときは3.0KWのヒータをOFF、1.0KWと0.5KWのヒータをON、冷却ファンをOFFとする。液体温度が設定温度より0.05℃以上低いときは3.0KWと0.5KWのヒータをOFF、1.0KWのヒータをON、冷却ファンをOFFとする。液体温度が設定温度より0.01℃以上低いときは3.0KWと1.0KWのヒータをOFF、0.5KWのヒータをON、冷却ファンをOFFとする。その他の場合は、すべてのヒータをOFF,冷却ファンをONとする。
このように、現在の温度と設定温度(目標温度)の差に応じて通電するヒータの容量を変更することで、液体温度を約30分で5℃昇温でき、かつ設定温度に対して0.05℃以内の精度で保持できることが確かめられた。
人間用の温熱治療装置では、治療槽容量は約800リットル、加熱槽容量は約300リットルとなるが、ヒータ容量を上記の約3倍にすることで、同等の温度制御が実現できると考えられる。
尚、上記実施形態では、ヒータ14には容量の異なる複数のヒータを用い、温度差に応じて通電するヒータを切替えるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一のヒータを用いて、例えばパルス通電し、そのデューティを変えることで実質的に容量を切替えるようにしてもよく、同様の効果を奏する。
循環流を治療槽10内に拡散するための攪拌ノズルは、図2、図3に示すように治療槽10内の液面ほぼ中央の両側に6個ずつ計12個を備え、循環流を下向きに噴射して、底面で反射して対流するようにしている。これにより、治療槽内の温度偏差は極めて微小に抑えられ、浸漬中の患者にも直接循環流が当たらないため不快感を生じない。温度制御の場合と同様に、小動物の臨床試験用に製作した治療装置で治療槽内の温度偏差を測定した。その結果、循環流量を40リットル/分以上にすると、42℃〜44℃において最大温度偏差は0.05℃未満であることが確認された。
また、循環水量を50リットル/分以上とすると液面にさざなみを生じ始めるので、人体に違和感を生じないためには、これ以下とするのが望ましいと考えられる。この場合の治療槽の容量は200リットルであることから、1分当たりの循環流量の最適範囲は治療層の容量の20%〜25%が最適と考えられる。
このように、1分当たりの循環流量を治療槽の容量の20〜25%にすることで、人間に違和感を与えることなく液体の温度偏差を0.05℃に抑えることができる。従って、前述の温度制御精度とあわせて治療槽内の液体の温度を0.1℃の精度で均一に保持できるので、患者の深部体温を0.1℃の精度で均一に加温する温熱治療が実現できる。
図6に本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の生体管理装置の概観を示す。
全身温熱治療においては、体温を昇温するため、必要に応じて、患者に対して麻酔を施し、及び呼吸を確保するための人工呼吸器を装着する。このため、生体管理装置には患者の心拍数、呼吸数、血圧等をモニタする生体モニタ200と、患者に対して麻酔を施すための麻酔装置210と、麻酔中の呼吸確保のための人工呼吸器220とを備える。
この生体モニタの情報は、コンピュータ82に取込み、表示装置83に表示するとともに、これらの情報に基づいて治療条件を変更するようにしてもよい。例えば、心拍数が所定数を超えたときは、状況に応じて後述の昇温レートを下げたり、昇温を中止したりするようにしてもよく、緊急時には自動的に一定の体温まで降温させるようにしてもよい。
上記実施形態では、液体を加熱する加熱手段としてラインヒータを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラバーヒータ等を使用してもよく、ガスボイラを使用してもよい。その他、加熱槽12または循環ライン20上に熱交換器を設けて温液体によって熱交換する方法や、液体を温液体と直接置換する方法等、あらゆる加熱手段が適用でき、同様の効果を奏する。
上記実施形態では、液体を冷却する冷却手段として冷却液を循環ラインに注入する方法を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液体Wを充分に循環させながら加熱槽12または治療槽10に直接冷却液を注入するようにしてもよい。その他、加熱槽12または循環ライン20上に熱交換器を設けて冷液体と熱交換する方法、圧縮冷媒ガスを用いた冷凍機を使用する方法、ペルチェ素子を用いた電子冷却装置を使用する方法等、あらゆる冷却手段が適用でき、同様の効果を奏する。
上記実施形態では、患者の深部体温は直腸温度センサ62によって計測するとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鼓膜温度センサを用いたり、排尿器を取付けて膀胱温度を測定するようにしてもよく、これらを併用するようにしても、同様の効果を奏する。
上記実施形態では、治療槽10とは別に液体を加熱する加熱槽12を設ける2槽式について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、加熱槽12を設けず1槽式とし、循環ライン上に加熱用のヒータを設けるようにしてもよい。
図7に本発明の他の実施形態にかかる1槽式の温熱治療装置のシステム構成を示す。各構成要素のうち、前記実施形態と同じ番号のものは同等のものである。このような1槽式の温熱治療装置でも、治療槽10に複数の攪拌ノズル24を設けて、循環ライン20によって所定の流量を治療槽10に循環させ、前述のヒータ制御を行うことによって、治療槽10内の液体温度を0.1℃の精度で均一に保持できることが確かめられている。
また、上記実施形態で示した体位調節機構、昇降機構、移送機構は、一実施形態として示したものであり、それぞれ患者の体位を調節でき、患者を治療槽内で昇降でき、患者を治療槽と搬送台車間で移送できるものであればどのような機構であってもよく、同様の効果を奏することは言うまでもない。
次に、本発明の温熱治療装置の治療制御機能について述べる。図8に本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の制御装置による治療制御フローを示す。
最初に、治療槽10と加熱槽12に所定量の液体Wを注入する(S100)。注入が完了すると、液体Wを浸漬温度(例えば、40℃)まで加熱する(S200)。液体温度が浸漬温度になったら、患者を浸漬させる(S300)。患者の浸漬が完了したら、患者の深部体温を上げる昇温処理を行う(S400)。患者の深部体温が設定された治療温度になったら、所定の治療カロリーとなるまで患者の深部体温を保持する保温処理を行う(S500)。設定された治療時間が経過したら、治療を終了して患者の深部体温を下げる降温処理を行う(S600)。患者の深部体温が脱出体温以下になったら、患者を脱出させる(S700)。最後に、液体Wの排水(S800)、治療槽10等の洗浄(S900)を行って、一連の治療制御を終了する。
図9に昇温処理(S400)の第1実施例にかかる処理フローを示す。本昇温処理は、液体温度をあらかじめ設定した昇温レートΔTwaで昇温するものである。最初に、所定のサイクルタイムの経過を待つ(S402)。サイクルタイムは、深部体温センサの応答時間等により決定される。本処理では、このサイクルタイムが単位時間となるため、昇温レートΔTwaはこのサイクルタイムあたりの液体上昇温度を設定する。
サイクルタイムが経過したら、深部体温を計測し(S404)、計測された深部体温から所定時間後の深部体温を予測する(S406)。深部体温の予測は、前回の測定値との差から直線近似によって求めるようにしてもよく、3つ以上の深部体温計測値から高次近似するようにしてもよい。
予測する時間は、液体温度による患者の体温の応答時間等に基づいて決定する。以下の深部体温の予測は、すべて同様の処理によって行う。次に、求められた予測体温を治療温度と比較し(S408)、まだ治療温度に達していない場合は液体温度を計測し(S410)、計測された液体温度が最大液体温度Tmaxを超えない範囲で設定温度にΔTwaを加算する(S414)。ここで、Tmaxは液体温度を上げ過ぎないようにするものであって、通常は45℃以下に選ばれるが、患者の深部体温と液体温度の温度差を一定の温度で制限するようにしてもよい。このようにすれば、患者が体温と液体温度の差によって生ずる温度痛を減少させることができ、より安全に昇温できる。
以上の処理をS402から繰返し、S408で予測温度が治療温度に達したら治療温度に所定のオフセットToを加えた温度を設定温度とし(S416)、液体Wを所定量の冷却液と置換して液体温度を当該設定温度に冷却する液体冷却を行い(S418)、昇温処理を終了する。ここで、オフセットToは深部体温を治療温度に保持するために必要な液体温度と深部体温の温度差であり、本温熱治療装置および患者の代謝によって失われる熱量を考慮して定める。
液体Wと冷却液の置換による液体冷却は、治療槽10と加熱槽12と循環ライン20の合計液体量と現在の液体温度と冷却液温度から必要な液体置換量を計算し、流量センサ76、78を監視しながら排水バルブ(1)、(2)を開けて所定量液体Wを排水し、流量センサ74を監視しながら給水バルブ(8)を開けて同量の冷却液を給水することで行う。ここで、温液体と冷液体を温調弁42で混合した冷却液温度は、給水開始当初は誤差があるため、一定時間排水バルブ(5)を開けて排水した後に温度センサ66で計測するようにしている。以下の液体冷却はすべて同様の処理によって行う。
図10に昇温処理(S400)の第2実施例にかかる処理フローを示す。本昇温処理は、患者の深部体温と液体温度の温度差を一定に保ちながら昇温するものである。最初に、深部体温の温度上昇レートを求めるための初期値として、深部体温を計測し、これを前回体温とする(S420)。
第1実施例と同様に、サイクルタイムの経過を待ち(S422)、深部体温の計測(S424)、深部体温の予測(S426)を行う。予測体温を治療温度と比較して(S428)、まだ治療温度に達していない場合は、設定温度に計測された深部体温と前回体温の差を加え(S430)、計測された深部体温を前回体温にセットして(S432)、S422から繰返す。S428で、予測体温が治療温度に達したら、第1実施例と同様に、治療温度に所定のオフセットToを加えた温度を設定温度とし(S434)、当該設定温度に液体冷却し(S436)、
昇温処理を終了する。
図11に昇温処理(S400)の第3実施例にかかる処理フローを示す。本昇温処理は、患者の深部体温をあらかじめ設定した昇温レートΔTbaで昇温するものであり、深部体温の上昇がΔTbaよりΔTbal以上小さい場合は液体温度をΔTwaaだけ上げ、深部体温の上昇がΔTbaよりΔTbau以上大きい場合は液体温度をΔTwadだけ下げる。ΔTbaは、第1実施例と同様にサイクルタイムあたりの深部体温上昇温度を設定する。最初に、深部体温の温度上昇を求めるための初期値として、深部体温を計測し、これを前回体温とする(S440)。第1実施例と同様にサイクルタイムの経過を待ち(S442)、深部体温の計測(S444)、深部体温の予測(S446)を行う。予測体温を治療温度と比較して(S448)、まだ治療温度に達していない場合は、深部体温と前回体温の差をΔTba―ΔTbalと比較し(S450)、前者深部体温の差の方が小さい場合は液体温度を計測し(S452)、液体温度がTmaxを超えない範囲で設定温度をΔTwaaだけ上げる(S456)。深部体温の差の方が大きいか等しい場合は、更に深部体温と前回体温の差をΔTba+ΔTbauと比較し(S458)、深部体温の差の方が大きい場合は設定温度をΔTwadだけ下げ、当該設定温度に液体冷却する(S462)。その他の場合は何も行わない。以上の処理をS442から繰返し、S448で予測体温が治療温度に達したら、第1実施例と同様に、治療温度に所定のオフセットToを加えた温度を設定温度とし(S464)、当該設定温度に液体冷却し(S466)、昇温処理を終了する。
図12に保温処理(S500)の実施例にかかる処理フローを示す。最初に、サイクルタイムの経過を待ち(S502)、深部体温の計測(S504)、深部体温の予測(S506)を行う。予測体温を治療温度+ΔTbcu(治療温度偏差上限)と比較し(S508)、予測体温が大きい場合は設定温度をΔTwcd(治療時液体微小冷却温度)だけ下げ(S510)、当該設定温度に液体冷却する(S512)。予測体温が小さいか等しい場合は、更に予測温度を治療温度―ΔTbcl(治療温度偏差下限)と比較し(S514)、予測体温がこれより小さい場合は設定温度をΔTwcaだけ上げる(S516)。最後に、治療時間が経過したか否かを判断し(S518)、治療時間が経過していないときはS502から繰返し、治療時間が経過したときは保温処理を終了する。なお、上記実施例ではS508で予測体温が大きい場合は、設定温度をΔTwcd下げるとともに、S512で液体冷却するとしたが、微小な温度範囲で制御する場合は液体冷却を行わず、設定温度を下げるだけでよい。この場合でも、自然放熱と冷却ファンによる冷却によって液体温度は下がるので、同様の効果を奏する。
図13に降温処理(S600)の第1実施例にかかる処理フローを示す。本降温処理は、液体温度をあらかじめ設定した昇温レートΔTwdで降温するものである。ΔTwdは、同様にサイクルタイムあたりの液体下降温度を設定する。最初に、サイクルタイムの経過を待ち(S602)、深部体温を計測し(S604)、計測された深部体温を設定された脱出温度と比較する(S606)。計測された深部体温が脱出体温より大きい場合は、液体温度を計測し(S608),液体温度がTminを下回らない範囲で設定温度をΔTwdだけ下げ(S612)、当該設定温度に液体冷却する(S614)。ここで、Tminは液体温度を下げ過ぎないようにするものであるが、患者の深部体温と液体温度の温度差を一定の温度で制限するようにしてもよい。このようにすれば、患者が体温と液体温度の差によって生ずる温度痛を減少させることができ、より安全に降温できる。以上の処理をS602から繰返し、S606で深部体温が脱出体温以下となったら終了する。
図14に、降温処理(S600)の第2実施例にかかる処理フローを示す。本降温処理は、患者の深部体温をあらかじめ設定した降温レートΔTbdで降温するものであり、深部体温の下降が所定の降温レートよりΔTbdl以上小さい場合は液体温度をΔTwddだけ下げ、深部体温の下降が所定の降温レートよりΔTbdu以上大きい場合は液体温度をΔTwdaだけ下げる。ΔTbdは、同様にサイクルタイムあたりの深部体温下降温度を設定する。
最初に、深部体温の温度上昇を求めるための初期値として、深部体温を計測し、これを前回体温とする(S620)。サイクルタイムの経過を待ち(S622)、深部体温を計測し(S624)、計測された深部体温を設定された脱出温度と比較する(S626)。計測された深部体温が脱出体温より大きい場合は、前回体温と計測された深部体温の差をΔTbd−ΔTbdlと比較し(S628)、深部体温の差の方が小さい場合は液体温度を計測し(S630)、液体温度がTminを下回らない範囲で、設定温度ΔTwddだけ下げ、当該設定温度に液体冷却する(S636)。深部体温の差の方が大きいか等しい場合は、更に前回体温と計測された深部体温の差をΔTbd+ΔTbduと比較し(S638)、深部体温の差の方が大きい場合は設定温度をΔTwdaだけ上げる。その他の場合は、何も行わない。以上の処理をS622から繰返し、S626で深部体温が脱出体温以下となったら終了する。
以上のような、昇温処理(S400)、保温処理(S500)、降温処理(S600)を行うことにより、深部体温と液体温度の関係は図15のように制御される。以上のような治療制御処理によれば、昇温時は所定時間後の深部体温を予測して冷却処理をするので、オーバーシュートを生ずることなく深部体温を設定された治療温度に昇温できる。また、液体温度を設定された昇温レートで昇温したり、深部体温と液体温度の温度差を一定として昇温したり、深部体温を設定された昇温レートで昇温したりできるので、患者に合わせた負担の少ない昇温方法が選択できる。治療時においても、深部体温の変化から所定時間後の深部体温を予測して液体温度を制御するので、高い精度で深部体温を一定に保持できる。また、降温時も、液体温度を設定された降温レートで降温したり、深部体温を設定された降温レートで降温したりできるので、患者に合わせた負担の少ない降温方法が選択でき、深部体温を無理なく脱出体温に冷却できる。
また、昇温時・降温時において液体温度や、液体温度と深部体温の差を一定の範囲を超えないようにする機能を有するので、患者が体温と液体温度の温度差により受ける温度痛等のストレスを抑制できる。
(実施例1)
(hsp72の発現量を指標とする至適温度の決定)
被験体から末梢血を4ml採血した。Lymphoprep(Nycomed Pharma As, Oslo, Norway)によって、末梢血から末梢血単核球を分離した。約1×10個の末梢血単核球を溶解緩衝液((株)フナコシ、hsp70 ELISA kitに含まれる)中に溶解した。この溶液を37℃から始めてゆっくり加温した。0.5℃ごとに、この溶液からアリコートを取り出した。取り出した溶液アリコートから、(株)フナコシ、hsp70 ELISA kitによってタンパク質を抽出し、hsp72 ELISA Kit(Stressgen Biotechnologies社、シドニー、カナダ)を用いるELISAによってhsp72の発現量を定量した。hsp72の発現量が増加から減少に転じた温度を、この被験体を温熱治療する際の至適温度とした。すなわち、この至適温度において、hsp72の発現量は最大であった。
(実施例2)
(HLA−DRの発現量を指標とする至適温度の決定)
被験体から末梢血を4ml採血した。Lymphoprep(Nycomed Pharma As, Oslo, Norway)によって、末梢血から末梢血単核球を分離した。約1×10個の末梢血単核球をCD4、CD8、CD16、CD56あるいはCD57に対する抗体と、抗HLA抗体で二重染色し、FACS分析によって、それぞれの細胞集団について、HLA−DRの発現量を定量した。この被験体の末梢血をインビトロで加温した場合のHLA−DRの発現量が増加から減少に転じた温度を、この被験体を温熱治療する際の至適温度とした。すなわち、この至適温度において、HLA−DRの発現量は最大であった。
(実施例3)
(本発明の温熱治療システムを使用する非ホジキン悪性リンパ腫の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、非ホジキン悪性リンパ腫に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を一定時間維持した。この患者は、温熱治療の結果、悪性リンパ腫の腫瘍マーカーであるIAPの値が、242μg/mlにまで低下し(正常値は500μg/ml以下)、CA19−9の値が、179.3U/mlから23U/mlにまで低下し(正常値は37.0U/ml以下)、そしてCA125の値が、25.9U/mlから9.1U/mlにまで低下した(正常値は35.0U/ml以下)。
(実施例4)
(本発明の温熱治療システムを使用する膀胱癌の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、膀胱癌に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持した。この患者は、温熱治療の結果、膀胱癌の腫瘍が全て消失したことが、内視鏡を用いて確認された。この患者は、温熱治療の結果、IAPの値が、397μg/mlから217μg/mlにまで低下した(正常値は500μg/ml以下)。この患者はまた、固形癌およびリンパ腫において上昇が報告されているSIL2−Rについて高い値(850U/ml)を示していたが、加療によってその値が617U/mlにまで減少し正常化したことが観察された(正常値190U/ml〜650U/ml)。
(実施例5)
(本発明の温熱治療システムを使用するアトピー性皮膚炎の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、アトピー性皮膚炎に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持した。この患者は、温熱治療の結果、アトピー性皮膚炎の症状が改善した。
(実施例6)
(本発明の温熱治療システムを使用する口腔底癌の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、口腔底癌に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持した。この患者は、T細胞を活性化させるIL2産生能(正常値92pg/ml〜1574pg/ml)の亢進が見られた。詳細には、治療開始時のIL2産生能691pg/mlから、4日後に2678pg/mlに亢進し、6日後に2126pg/ml、8日後に2185pg/mlと、亢進が維持された。これにより、細胞性免疫が賦活される。
(実施例7)
(本発明の温熱治療システムを使用する卵巣癌の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、卵巣癌に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持した。この患者は、温熱治療の結果、卵巣癌の腫瘍マーカーであるCA125の値が400U/ml以上から186U/mlにまで減少した(基準値は、35U/ml)。
(実施例8)
(本発明の温熱治療システムを使用するB型肝炎ウイルス(HBV)感染症の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、HBV感染症に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持した。この患者は、温熱治療の結果、HBV感染症の指標であるHBV DNAプローブを用いて検出されるHBV DNAの量が減少した。この変化は、HBVの存在が減少したことを示す。
(実施例9)
(本発明の温熱治療システムを使用する子宮頚癌の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、子宮頚癌に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持した。この患者は、温熱治療の結果、子宮頚癌の腫瘍マーカーの値が減少した。
(実施例10)
(本発明の温熱治療システムを使用する感染症)
実施例1または2に記載したようにして、感染症に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、感染症が改善または治癒する。このことから、免疫能力が賦活されていることが、分かる。
(実施例11)
(本発明の温熱治療システムを使用する慢性疾患の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、慢性疾患に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、慢性疾患が改善または治癒する。
(実施例12)
(本発明の温熱治療システムを使用する生活習慣病の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、生活習慣病に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、生活習慣病が改善または治癒する。
(実施例13)
(本発明の温熱治療システムを使用する寄生病の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、寄生病に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、寄生病が改善または治癒する。
(実施例14)
(本発明の温熱治療システムを使用する免疫亢進の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、免疫亢進に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、免疫亢進が改善または治癒する。
(実施例15)
(本発明の温熱治療システムを使用する免疫不全の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、免疫不全に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、免疫不全が改善または治癒する。
(実施例16)
(本発明の温熱治療システムを使用する薬物中毒の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、薬物中毒に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、薬物中毒が改善または治癒する。
(実施例17)
(本発明の温熱治療システムを使用する免疫系により治癒可能な疾患または障害の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、免疫系により治癒可能な疾患または障害に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、免疫系により治癒可能な疾患または障害が改善または治癒する。
(実施例18)
(本発明の温熱治療システムを使用するC型肝炎ウイルス(HCV)感染症の温熱治療)
実施例1または2に記載したようにして、HCV感染症に罹患した患者について決定した至適温度まで、その患者を加温し、そしてその至適温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、HCV感染症の指標であるHCV DNAプローブを用いて検出されるHCV DNAの量が減少する。この変化は、HCVの存在が減少したことを示す。
本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置のシステム構成図である。 本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の本体機構の正面図解図である。 本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の本体機構の側面図解図である。 本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の治療槽の外蓋の図解図である。 本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の温度制御アルゴリズムの例である。 本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の生体管理装置の概観図である。 本発明の他の実施形態にかかる温熱治療装置のシステム構成図である。 本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の治療制御フロー図である。 本発明の昇温処理の第1実施例にかかる処理フロー図である。 本発明の昇温処理の第2実施例にかかる処理フロー図である。 本発明の昇温処理の第3実施例にかかる処理フロー図である。 本発明の保温処理の実施例にかかる処理フロー図である。 本発明の降温処理の第1実施例にかかる処理フロー図である。 本発明の降温処理の第2実施例にかかる処理フロー図である。 本発明の治療処理を行った場合の液体温度と深部体温の時間変化を示す概念図である。 本発明において、患者の至適温度を特定するための説明図である。
符号の説明
10 治療槽
12 加熱槽
14 ヒータ
16 冷却ファン
20 循環ライン
22、26 循環ポンプ
24、28 攪拌ノズル
32 連通管
34 UV燈
40 給水ライン
50 排水ライン
60 治療槽内液体温度センサ
62 直腸温度センサ
64 加熱槽内温度センサ
80 コントローラ
82 コンピュータ
90 治療槽外蓋
92 外蓋の手技用窓
94 外蓋の手技用窓の保温カバー
96 治療槽内蓋
100 体位調節機構付きベッド
102〜108 ベッド昇降機構
110〜114 ベッド移送機構
120 搬送台車
130 頭部冷却装置
200 生体モニタ
210 麻酔装置
220 人工呼吸器

Claims (82)

  1. 患者の疾患または障害の処置または予防するための温熱治療システムであって、
    A)該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する手段;
    B)温熱治療手段;
    C)該患者の体温を測定する温度検出手段;および
    D)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を該至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を算出する制御装置、
    を備え、
    該制御装置は、該温度検出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする、
    システム。
  2. 前記患者の至適温度を特定する手段(A)が、以下:
    a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、
    b)患者の血圧の変化、
    c)患者の心拍数、
    d)患者の血流量、
    e)患者の血液のpH、
    f)患者の血中のHLAの発現量、および
    g)患者の血中のリンパ球数、
    からなる群より選択される生体変化を基にして求められる、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記患者の至適温度を特定する手段(A)が、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより変動されるhsp72またはHLAを指標として行われる、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記温熱治療手段は、加熱槽を備える、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記温熱治療手段は、液体により加温することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記温熱治療手段は、一定温度以上にならないような安全装置を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記温熱治療手段は、入浴装置であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記温熱治療手段は、保温器を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記温熱治療手段は、給湯装置または加温装置と、温度制御手段と、冷却装置とを備える、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記温度検出手段は、腋下、舌下、直腸、皮下深部、動脈内、鼓膜および食道からなる群より選択される体温を測るための体温計である、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記温度検出手段は、舌下または直腸の体温を測るための体温計である、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記患者の平熱に関する情報を格納するための手段をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記患者の処置前の体温を記録するための手段をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
  14. さらに、第一温度調節手段、および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手段を含む2種類の温度調節手段を含み、
    前記制御装置は、温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該第二温度調節手段が作動するよう指示するか、あるいは
    温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ該第二の温度調節手段は該被検体から熱的に絶縁されるように配置し、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該被検体から熱的に絶縁されるように配置し該第二温度調節手段が作動するよう指示する、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記制御装置は、前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度へと前記温熱治療手段を温める命令を算出することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記制御装置は、前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度に該温度を維持する命令を算出することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記制御装置は、測定された体温が至適温度になるまで温熱治療手段を加温する命令を算出することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  18. 前記疾患または障害は、癌、感染症、慢性疾患、生活習慣病、寄生病、免疫亢進、免疫不全および薬物中毒からなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記疾患または障害は、免疫系により治癒可能な疾患または障害を含む、請求項1に記載のシステム。
  20. 前記疾患または障害は、癌を含む、請求項1に記載のシステム。
  21. 患者の体温を調節するためのシステムであって、
    A)該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する手段;
    B)温熱治療手段;
    C)該患者の体温を測定する温度検出手段;および
    D)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を該至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を計算する制御装置、
    を備え、該制御装置は、該温度検出手段該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする、
    システム。
  22. 患者においてhsp72の発現と機能を調節するためのシステムであって、
    A)該患者のhsp72の発現と機能を調節するための該患者の至適温度を特定する手段;
    B)温熱治療手段;
    C)該患者の体温を測定する温度検出手段;および
    D)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を計算する制御装置、
    を備え、該制御装置は、該温度検出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする、
    システム。
  23. 前記hsp72の発現及び機能の調節により、免疫系を活性化することを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
  24. 患者においてHLAを発現させるためのシステムであって、
    A)該患者のHLAを最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する手段;
    B)温熱治療手段;
    C)該患者の体温を測定する温度検出手段;および
    D)該温度検出手段から該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を至適温度に調節するように指示する該温熱治療手段に対する命令を計算する制御装置、
    を備え、該制御装置は、該温度検出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該至適温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されていることを特徴とする、
    システム。
  25. 前記HLAの発現により、免疫系を活性化することを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
  26. 患者の疾患または障害を処置または予防するために使用するシステムであって、
    A)温熱治療手段;
    B)該患者からサンプルを入手する手段;
    C)該サンプル中の熱ショックタンパク質(hsp)を測定するための手段;
    D)該hspの発現パターンに基づき該温熱治療手段を調節するための手段、
    を備える、システム。
  27. 前記hspの発現パターンは、hsp72の発現パターンを含む、請求項26に記載のシステム。
  28. 前記調節は、hsp72の発現の調節を含む、請求項26に記載のシステム。
  29. 患者の疾患または障害を処置または予防するために使用するシステムであって、
    A)温熱治療手段;
    B)該患者からサンプルを入手する手段;
    C)該サンプル中のHLAを測定するための手段;
    D)該HLAの発現パターンに基づき該温熱治療手段を調節するための手段、
    を備える、システム。
  30. 前記HLAの発現パターンは、HLA−DRの発現パターンを含む、請求項29に記載のシステム。
  31. 前記調節は、HLAの発現が亢進されるような調節を含む、請求項29に記載のシステム。
  32. 患者の疾患または障害の処置または予防するための方法であって、
    A)該患者の平熱情報を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、
    を包含する、方法。
  33. 前記平熱情報は、温度検出手段により検出される、請求項32に記載の方法。
  34. D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項32に記載の方法。
  35. 前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±1.0℃以内にされる、請求項34に記載の方法。
  36. 前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±0.3℃以内にされる、請求項34に記載の方法。
  37. 前記工程D)が、以下:
    a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、
    b)患者の血圧の変化、
    c)患者の心拍数、
    d)患者の血流量、
    e)患者の血液のpH、
    f)患者の血中のHLAの発現量、および
    g)患者の血中のリンパ球数、
    からなる群より選択される生体変化を基にする、請求項34に記載の方法。
  38. 前記工程D)が、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより変動するhsp72またはHLAを指標として行われる、請求項34に記載の方法。
  39. 前記疾患または障害は、癌、感染症、慢性疾患、生活習慣病、寄生病、免疫亢進、免疫不全および薬物中毒からなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
  40. 前記疾患または障害は、免疫系により治癒可能な疾患または障害を含む、請求項32に記載の方法。
  41. 前記疾患または障害は、癌を含む、請求項32に記載の方法。
  42. 患者の疾患または障害の処置または予防するために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、
    A)該患者の平熱を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、
    を包含する、プログラム。
  43. 前記方法が、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項42に記載のプログラム。
  44. 前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度へと前記温熱治療手段を温める命令を算出することを特徴とする、請求項42に記載のプログラム。
  45. 前記患者の体温より5℃高い温度よりも低い温度に該温度を維持する命令を算出することを特徴とする、請求項42に記載のプログラム。
  46. 測定された体温が至適温度になるまで温熱治療手段を加温する命令を算出することを特徴とする、請求項42に記載のプログラム。
  47. 患者におけるhsp72の発現と機能を調節するための方法であって、
    A)該患者の平熱情報を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、
    を包含する、方法。
  48. D)前記患者のhsp72を最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項47に記載の方法。
  49. 前記平熱情報は、温度検出手段により検出される、請求項47に記載の方法。
  50. 前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±1.0℃以内にされる、請求項48に記載の方法。
  51. 前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±0.3℃以内にされる、請求項48に記載の方法。
  52. 前記工程D)が、以下:
    a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、
    b)患者の血圧の変化、
    c)患者の心拍数、
    d)患者の血流量、
    e)患者の血液のpH、
    f)患者の血中のHLAの発現量、および
    g)患者の血中のリンパ球数、
    からなる群より選択される生体変化を基にする、請求項48に記載の方法。
  53. 前記工程D)が、患者から採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより産生されるhsp72またはHLAを指標として行われる、請求項48に記載の方法。
  54. 顆粒球を変性、壊死または崩壊させないでhsp72の発現と機能を調節することをさらに特徴とする、請求項47に記載の方法。
  55. 患者におけるhsp72の発現と機能を調節するために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、
    A)該患者の平熱を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、
    を包含する、
    プログラム。
  56. 前記方法が、D)前記患者のhsp72を最大に発現と機能を調節するための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項55に記載のシステム。
  57. 患者の疾患または障害を処置または予防するために使用する方法であって、
    A)該患者の平熱情報を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、hsp72の発現が変動することが確認されるまでの時間である、工程、
    を包含する、方法。
  58. D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項57に記載の方法。
  59. 前記一定時間は、顆粒球の変性、壊死または崩壊が認められない程度の時間であることを特徴とする、請求項57に記載の方法。
  60. 患者の疾患または障害を処置または予防するために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、
    A)該患者の平熱を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、hsp72の発現が変動することが確認されるまでの時間である、工程、
    を包含する、
    プログラム。
  61. 前記方法が、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項60に記載のシステム。
  62. 患者におけるHLAの発現を増加させるための方法であって、
    A)該患者の平熱情報を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、
    を包含する、方法。
  63. D)前記患者のHLAを最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項62に記載の方法。
  64. 前記平熱情報は、温度検出手段により検出される、請求項62に記載の方法。
  65. 前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±1.0℃以内にされる、請求項63に記載の方法。
  66. 前記患者の体温は、前記工程D)で特定された至適温度±0・3℃以内にされる、請求項63に記載の方法。
  67. 顆粒球を変性、壊死または崩壊させないでHLAの発現を増加させることをさらに特徴とする、請求項62に記載の方法。
  68. 患者におけるHLAの発現を増加させるために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、
    A)該患者の平熱を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程、
    を包含する、
    プログラム。
  69. 前記方法が、D)前記患者のHLAを最大に発現させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項68に記載のプログラム。
  70. 患者の疾患または障害を処置または予防するために使用する方法であって、
    A)該患者の平熱情報を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、HLAの発現が増加することが確認されるまでの時間である、工程、
    を包含する、方法。
  71. D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項70に記載の方法。
  72. 前記一定時間は、顆粒球の変性、壊死または崩壊が認められない程度の時間であることを特徴とする、請求項70に記載の方法。
  73. 患者の疾患または障害を処置または予防するために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法は、
    A)該患者の平熱を得る工程;
    B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い至適温度にする工程、
    C)該患者の体温を、該至適温度で一定時間保持する工程であって、該一定時間は、HLAの発現が増加することが確認されるまでの時間である、工程、
    を包含する、
    プログラム。
  74. 前記方法が、D)前記患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定する工程をさらに包含する、請求項73に記載の方法。
  75. 少なくとも2種類の温度調節手段を備える温度調節システムであって、
    該温度調節手段は、比熱または変温能力が相違する、
    温度調節システム。
  76. 前記少なくとも2種類の温度調節手段は、第一温度調節手段および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手段を含み、
    温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該第二温度調節手段が作動するよう指示する手段をさらに備える、請求項75に記載の温度調節システム。
  77. 前記少なくとも2種類の温度調節手段は、第一温度調節手段および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手段を含み、
    温度調節される被検体が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ該第二の温度調節手段は該被検体から熱的に絶縁されるように配置し、該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該被検体から熱的に絶縁されるように配置し該第二温度調節手段が作動するよう指示する手段をさらに備える、請求項76に記載の温度調節システム。
  78. 被検体の温度を至適温度へと調節するための方法であって、
    A)該被検体の温度が至適温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させる工程;
    B)該被検体が該至適温度から該一定温度範囲内の温度になったときには該第一温度調節手段を停止し、比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二温度調節手段を作動させる工程、
    を包含する、方法。
  79. C)前記第二の温度調節手段を、前記被検体の温度が前記至適温度に達したときに停止する工程を包含する、請求項78に記載の方法。
  80. 患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の至適温度を特定するシステムであって、
    該至適温度を決定するためのアッセイシステム、
    を含む、システム。
  81. 前記患者の至適温度が、以下:
    a)患者の血中のhsp72の発現量と機能、
    b)患者の血圧の変化、
    c)患者の心拍数、
    d)患者の血流量、
    e)患者の血液のpH、
    f)患者の血中のHLAの発現量、および
    g)患者の血中のリンパ球数、
    からなる群より選択される生体変化を基にして決定される請求項80に記載のシステム。
  82. 前記患者から生物サンプルを抽出する手段をさらに含む、請求項80に記載のシステム。
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