明 細 書
酸化還元電位に基づく温熱治療システム
技術分野
[0001] 本発明は、患者の頭部以外のほぼ全身を温水に浸漬させて温熱治療を行うための 温熱治療装置に関し、特に、たとえばがんもしくは HIV等の難治性感染症の治療に 用いる温熱治療装置に関する。
背景技術
[0002] 従来、がんの治療には外科的治療、放射線療法、化学療法等が用いられていたが 、これらは!、ずれも人体の正常糸且織に対して損傷を与える侵襲的治療方法であるた め、患者に対してダメージを与える。また、 HIV等の難治性感染症では、適切な治療 法が無いのが現状である。これに対し、近年、正常細胞とがん細胞やウィルスの温度 感受性の差を利用して、患部を 41°C〜43°Cに加温して、正常細胞を守りながらがん 細胞およびウィルスを死滅させる温熱療法 (ハイパーサーミア)が非侵襲的治療方法 として注目されている。また、放射線療法や化学療法に温熱療法を併用することで、 その治療効果が高まることが確認されて 、る。
[0003] このような温熱療法には、特定の患部のみを加温する部分温熱療法と、全身を均 一に加温する全身温熱療法とがある。部分温熱療法には患部に高周波、超音波を 照射する方法および患部に電極針を差し入れて加温する方法が、全身温熱療法に は体外循環によって血液を加温する方法、遠赤外線を照射する方法が現在までに 試みられている。
[0004] しかし、従来の温熱療法では、以下のような問題があった。患部に高周波や超音波 を照射する方法や患部に電極針を差し入れて加温する方法等の部分温熱療法では 、局所的ながんに対しては効果があるが、全身に転移するがんや血液内を循環する ウィルスに対しては必要な治療効果が得られない。
[0005] 体外循環によって血液を加温する方法では、全身を加温することになるので全身に 転移するがんや血液内を循環するウィルスに対して治療効果が期待できる力 全身 の深部体温を上げるためには血液を 45°C〜46°Cに加温する必要があり、通常血液
の凝固を防止する等のために例えばへパリン等を投与するため、治療時間は 1時間 程度が限度であり、治療後数日間は立ち上がれないほどの肉体的負担が生ずる。
[0006] 遠赤外線を照射する方法でも全身を加温することは可能であり、全身に転移するが んゃ血液内を循環するウィルスに対して治療効果が期待できる力 深部体温を 41°C 〜42°Cに上げるには皮膚の温度が 65°C以上となり、長時間照射すると低温やけど を生ずる。このため、治療時間はやはり 1時間程度が限度であり、深部体温を治療温 度に長時間保持する治療が困難である。
[0007] これに対し、患者の頭部以外のほぼ全身を温水に浸漬させて体温を上昇させる全 身浸漬温熱療法は、患者を直接温水に浸漬させることから熱伝導性が飛躍的に高ま り、患者を必要以上の高温に曝すことなく全身の体温を短時間に必要な治療温度に 上昇できるので、患者の肉体的負担が抑えられ、長時間の治療が可能であるという 特長を有する。
[0008] 本発明者らは、特開 2003— 126135号公報(特許文献 1)、特開 2003— 126138 号公報 (特許文献 2)、特開 2001— 299798号公報 (特許文献 3)において、全身に 転移するがんや HIV等の難治性感染症に適応でき、患者を必要以上の高温に曝す ことなく深部体温を治療温度に短時間に昇温して精度良く長時間保持し、正常細胞 に対して非侵襲的に治療できる温熱治療装置を提供した。
[0009] し力しながら、患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度 を含む温熱療法のパラメータは、患者個々によって異なっており、さらに同一患者に おいても、日々変化する可能性がある力 従来では、一般的に好ましいとされる温度 範囲およびその他のパラメータに設定した治療温度およびその他のパラメータで実 施していた。
[0010] そのため、患者にとって温熱治療効果が上がらないばかりか、患者の体力を消耗 するという欠点があった。例えば、患者の治療温度が最適な治療温度より低い場合 には、効果が上がらずまた患者への負担時間が長くなり、最適な治療温度よりも高い 場合には、逆に顆粒球などが増えるなど好ましくない欠点があった。また、ある場合 には、一般に望ましいとされる温度範囲で処置しても、顆粒球が変性、壊死、または 崩壊するなどの有害な効果すら観察されることも報告されている。
[0011] 治療温度その他のパラメータを調節する方法は、これまでの技術では、解明されて おらず、行き当たりばったりで治療することが多力つた。例えば、特開平 07-112005号 公報 (特許文献 4)では、生体内情報を考慮した 43°C等価時間と!/、う考え方が提唱さ れているが、これは、局部治療を考慮しているのみであり、全身の状態については、 実質的に考慮されていない。
[0012] 実開平 6?64792号公報 (特許文献 5)は、温熱療法用の浴槽の改善方法を提供す る。しかし、これは、浴槽自体の改善を提供するのみで、人体に関するパラメータは 考慮されていない。
[0013] Circulation. 2004 Apr 13;109(14):1763— 8. Epub 2004 Mar 29 (Thermal treatment attenuates neointimal thickening with enhanced expression of heat-shock protein 72 and suppression of oxidative stress. ;非特許文献 1)では、温熱治療が HSP72の発 現を増大させ、酸化ストレスを解消して、がん治療が可能になる可能性が提唱されて V、るが、温熱治療法のコントロールが可能でな 、と!/、う難点がある。
特許文献 1 :特開 2003— 126135号公報
特許文献 2:特開 2003— 126138号公報
特許文献 3:特開 2001— 299798号公報
特許文献 4:特開平 07-112005号公報
特許文献 5:実開平 6— 64792号公報
非特許文献 l : Circulation.2004 Apr 13;109(14): 1763- 8. Epub 2004 Mar 29.
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] 本発明は、上記欠点を解消するために成されたものであり、種々の疾患の治療の ためにどのように温熱治療器をコントロールするかを可能にすべきかを課題とする。
[0015] 本発明はまた、上記の欠点を解消するためになされたものであり、その目的とすると ころは、全身に転移するがんや HIV等の難治性感染症に適応でき、患者を必要以 上の高温に曝すことなく深部体温を必要な治療温度に短時間に昇温して精度良く長 時間保持し、正常細胞に対して非侵襲的に治療でき、し力も患者にとって確実に最 適な条件で (例えば、温度および時間)で温熱治療を受けさせることができる温熱治
療装置を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0016] 上記課題は、生体の酸ィ匕還元電位をモニターすることによって温熱治療をコント口 ールすることで、予想外の治療効果を達成したことによって解決された。従って、本 発明は、 A)該患者の酸化還元電位を測定する工程と、 B)該酸化還元電位に基づ いて、該患者に適した温熱療法のパラメータを決定する工程とを包含する、患者の疾 患、障害または状態を処置または予防するための温熱療法のパラメータを調節する 方法を提供する。
[0017] 本発明はまた、この方法によって得られたパラメータを用いて、温熱療法を該患者 に与える工程を包含する、患者の疾患、障害または状態を処置または予防するため の方法を提供する。
[0018] 本発明はまた、 A)該患者の酸化還元電位を測定する手段と、 B)該酸化還元電位 に基づいて、該患者に適した温熱療法のパラメータを決定する手段とを備える、患者 の疾患、障害または状態を処置または予防するための温熱療法のパラメータを調節 するシステムを提供する。
[0019] 本発明はまた、 A)該患者の酸化還元電位を測定する手段と、 B)該酸化還元電位 に基づ!/ヽて、該患者に適した温熱療法のパラメータを決定する手段と C)該パラメ一 タに基づいて、温熱療法を該患者に与える手段を備える、患者の疾患、障害または 状態を処置または予防するためのシステムを提供する。
[0020] 1つの実施形態において、本発明の方法またはシステムは、患者を温浴に浸すこと または手段を包含し得る。
[0021] 別の実施形態において、本発明の方法またはシステムにおいて使用される酸ィ匕還 元電位は、酸化還元電位または pH (特に血液、具体的には末梢血の酸ィヒ還元電位 または pH、 pHが好ましい。)を測定することによって得ることができる。
[0022] 好ま 、実施形態にぉ 、て、本発明の対象となる患者の体温は、直腸温により観 察される。
[0023] 別の実施形態にお!ヽて、温熱療法のパラメータは、ガス分析、血球分画生化学、疾 病マーカー、 SpO、心拍数および血流量力 なる群より選択される少なくとも 1つの
因子をさらに考慮して決定される。
[0024] 別の実施形態にお!、て、温熱療法のパラメータは、加温温度および加温時間を包 含する。加温温度は、通常 39°C〜45°Cであり、直腸温より 4〜5°C高い温度が使用 され得る。
[0025] 別の実施形態において、本発明の方法またはシステムは、体温の調節の間に前記 患者の酸化還元電位を得、それに基づ!ヽて該体温の調節をさらに調節することまた は手段をさらに包含する。
[0026] さらに別の実施形態において、本発明の方法またはシステムは、さらなる調節工程 または手段は、前記患者の体温が 1. 0°C上昇したとき、 39. 0°Cに到達したときおよ び最高値に到達したとき力 なる群より選択される少なくとも 1つの時点で調節するこ とまたは手段を包含することが好ましい。より好ましくは、これら 3点すべてでの調節ま たはその手段を包含することが有利である。
[0027] 1つの実施形態にお!、て、このさらなる調節にぉ 、てもまた、患者のガス分析、血球 分画生化学、疾病マーカー、 SpO
2、心拍数および血流量からなる群より選択される 少なくとも 1つの因子をさらに考慮して行われる。
[0028] 別の実施形態において、本発明では、体温の調節すなわち温熱治療の後、さらに 患者の酸ィ匕還元電位を測定する工程または手段が包含され得る。なお、これらのさ らなる測定手段は、上記手段と同じでも異なっていてもよい。このさらなる調節は、前 記患者のガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO
2、心拍数および血流量 力もなる群より選択される少なくとも 1つの因子をさらに考慮して行われてもよい。
[0029] 1つの実施形態において、上記パラメータの決定は、直腸温より 3〜5°C高い温度( 例えば、 42°C)の温浴での患者の処置に基づいて行われる。
[0030] 別の実施形態において、上記パラメータの決定において、疾患についてのパラメ一 タが存在する場合、その疾患パラメータが参酌される。
[0031] 1つの実施形態において、利用される酸化還元電位は、患者力 の血液の酸ィ匕還 元電位の測定により決定され得る。
[0032] 1つの実施形態において、本発明が対象とする疾患は、免疫状態に関連する疾患 を包含する。
[0033] 好ま 、実施形態にぉ 、て、本発明が対象とする疾患は、がん、ウィルス性疾患、 代謝性疾患、循環器系疾患、消化器系疾患、炎症性疾患、中枢疾患、免疫学的疾 患、感染症および生活習慣病力 なる群より選択される。
[0034] より好ましい実施形態において、本発明が対象とするウィルス性疾患は、 B型肝炎、
C型肝炎および後天性免疫不全症候群 (AIDS)力もなる群より選択される。
[0035] 別の好ましい実施形態において、本発明が対象とする代謝性疾患は、糖尿病、糖 尿病合併症、前立腺肥大、痛風および肝炎力 なる群より選択される。
[0036] 別の好ましい実施形態において、本発明が対象とする免疫学的性疾患は、自己免 疫性疾患、後天性免疫不全症候群 (AIDS)を含む。
[0037] 別の好ましい実施形態において、本発明が対象とするがんは、悪性リンパ腫、脾臓 がん、子宮頸がん、口腔底がん、腎臓がん力 なる群より選択される。
[0038] 別の好ましい実施形態において、本発明が対象とする循環器系疾患は、高血圧を 含む。
[0039] 別の好ましい実施形態において、本発明が対象とする消ィ匕器系疾患は、潰瘍性大 腸炎を含む。
[0040] 別の好ましい実施形態において、本発明が対象とする免疫学的疾患は、免疫不全 疾患 (例えば、 AIDS)、悪性リンパ腫、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸 疾患、好中球減少症および好中球増加症力 なる群より選択される。
[0041] 別の好ましい実施形態において、本発明が対象とする疾患は、リンパ球数が減少 する状態を伴うものである。
[0042] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法において、前記患者の酸化還元電位を測定 し、該測定された酸化還元電位に基づ ヽてパラメータを修正する工程または手段が さらに包含される。
[0043] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法は、前記患者の酸化還元電位が回復するま で反復される。反復間隔は、毎日、隔日、 1週間に 1〜7回、 1ヶ月に 1〜31回など任 意の回数に対する間隔であり得る。
[0044] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法は、前記患者の pHが処置前の pHより少な くとも 0. 05高い値になるまで継続される。 pHを上げることにより正常な生体 pHに戻 すことによって、生体が健常状態を取り戻す力もである。絶対値の目安は、患者の p Hが 7. 35〜7. 45であることが好ましいが、治療状況に応じてこの pHは変動し得る 。より好ましくは、この pHは、 7. 40-7. 45の範囲内であり得るがそれに限定されな い。
[0045] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法は、前記患者の pHが処置前の pHより少な くとも 0. 1高い値になるまで継続される。従来の治療法では、 pを 0. 1変動させること は不可能であり、通常例えば、上下 0. 05の範囲内(例えば、恒常性 pHが 7. 4の場 合 7. 35〜7. 45の範囲内を変動する)の変動しかあり得な力つた力もであり、本発明 では、これを超えた治療法が可能であることが示されたことになる。また、このような 0 . 1を超える変動によって、 HIV患者などの従来治療できな力つた疾患をも処置する ことが可能となった。
[0046] これまでの治療では、生体の酸ィ匕還元電位を考慮することは皆無であった。そのた め、効率よい、確実な治療を提供することができな力つた。本発明では、治療効果と 生体の酸化還元電位とが直接関連することが示されたことから、確実な治療を患者 に提供することが可能になった。特に、従来の温熱治療では、治ったり治らな力つた りした例があったり、 AIDS患者のように治らな力つた例が存在した。本発明では、生 体の酸化還元電位に基づいて治療を行うことによって確実に生体の免疫状態を回復 させること(リンパ球の増加など)ができるようになったことから、従来不確定または不 能であった疾患の治癒を高度の確率で行うことが可能となった。
[0047] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法は、前記患者の酸化還元電位が処置前の 酸ィ匕還元電位より約 5mV絶対値が高くなるまで継続される。
[0048] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法は、前記患者の酸ィ匕還元電位が 65mV
〜一 85mVの間になるまで継続される。
[0049] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法またはその装置は、患者の直腸温を低くとも 39. 0°Cに上昇させることまたは手段を包含する。
[0050] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法またはその装置は、患者の直腸温を 39. 0 °Cに少なくとも 10分維持することまたは手段を包含する。
[0051] 本発明の患者の疾患、障害または状態を処置または予防するための方法またはシ ステムの 1つの実施形態では、温熱療法において、前記療法適用前の直腸温と温浴 との間の温度差が 5°C未満であることを特徴とする。
[0052] 別の局面において、本発明はまた、温熱治療装置を提供し、この装置は、患者の 疾患または障害の処置または予防するための温熱治療システムであって、 A)該患 者の酸化還元電位または pHに基づいて該患者の温熱治療効果を最大に発揮させ るための該患者の治療温度を特定する手段; B)温熱治療手段; C)該患者の体温を 測定する温度検出手段;および D)該温度検出手段力 該患者の体温に関する体温 情報に基づき、該体温情報から該患者の体温を該治療温度に調節するように指示 する該温熱治療手段に対する命令を算出する制御装置、を備え、該制御装置は、該 温度検出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該 治療温度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示 するように接続されて ヽることを特徴とする。
[0053] 一つの実施形態では、前記患者の治療温度を特定する手段 (A)が、生体内の酸 化還元電位に加えて、以下: a)患者の血中の hsp72の発現量と機能、 b)患者の血圧 の変化、 c)患者の心拍数、 d)患者の血流量、 e)患者の血液の pH、 1)患者の血中の H LAの発現量、および g)患者の血中のリンパ球数、からなる群より選択される生体変 化を基にして求められる。
[0054] 一つの実施形態では、前記患者の治療温度を特定する手段 (A)が、患者から採取 した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより変動される(例えば、産 生される。以下同じ) hsp72または HLAを指標として行われる。
[0055] 一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、加熱槽を備える。
[0056] 一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、液体により加温する。
[0057] 一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、一定温度以上にならな!/、ような安全 装置を備える。
[0058] 一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、入浴装置である。
[0059] 一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、保温器を備える。
[0060] 一つの実施形態では、前記温熱治療手段は、給湯装置または加温装置と、温度制 御手段と、冷却装置とを備える。
[0061] 一つの実施形態では、前記温度検出手段は、腋下、舌下、直腸、皮下深部、動脈 内、鼓膜および食道からなる群より選択される体温を測るための体温計である。
[0062] 一つの実施形態では、前記温度検出手段は、舌下または直腸の体温を測るための 体温計である。
[0063] 一つの実施形態では、前記患者の平熱に関する情報を格納するための手段をさら に備える。
[0064] 一つの実施形態では、前記患者の処置前の体温を記録するための手段をさらに備 える。
[0065] 一つの実施形態では、さらに、第一温度調節手段、および比熱または変温能力が 第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手段を含む 2種類の温度調節手段 を含み、前記制御装置は、温度調節される被検体が治療温度から一定温度範囲外 の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ、該被検体が該治療温度から該 一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該第 二温度調節手段が作動するよう指示するか、ある!、は温度調節される被検体が治療 温度から一定温度範囲外の温度にあるときには第一温度調節手段を作動させ該第 二の温度調節手段は該被検体から熱的に絶縁されるように配置し、該被検体が該治 療温度から該一定温度範囲内の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動 を停止し該被検体力 熱的に絶縁されるように配置し該第二温度調節手段が作動す るよう指示する。
[0066] 一つの実施形態では、前記制御装置は、前記患者の体温より 5°C高!、温度よりも低
い温度へと前記温熱治療手段を温める命令を算出する。
[0067] 一つの実施形態では、前記制御装置は、前記患者の体温より 5°C高!、温度よりも低 い温度に該温度を維持する命令を算出する。
[0068] 一つの実施形態では、前記制御装置は、測定された体温が治療温度になるまで温 熱治療手段を加温する命令を算出する。
[0069] 一つの実施形態では、前記疾患または障害は、がん、感染症、慢性疾患、生活習 慣病、寄生病、免疫亢進、免疫不全および薬物中毒からなる群より選択される。
[0070] 一つの実施形態では、前記疾患または障害は、免疫系により治癒可能な疾患また は障害を含む。
[0071] 一つの実施形態では、前記疾患または障害は、がんを含む。
[0072] 本発明の患者の体温を調節するためのシステムは、 A)該患者の酸化還元電位ま たは pHに基づいて該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治 療温度を特定する手段; B)温熱治療手段; C)該患者の体温を測定する温度検出手 段;および D)該温度検出手段力 該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体 温情報から該患者の体温を該治療温度に調節するように指示する該温熱治療手段 に対する命令を計算する制御装置、を備え、該制御装置は、該温度検出手段該特 定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該治療温度に関する情報を 受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されて ヽる ことを特徴とする。
[0073] 本発明の患者にぉ 、て hsp72の発現と機能を調節するためのシステムは、 A)該患 者の酸ィ匕還元電位または pHに基づいて該患者の hsp72の発現と機能を調節するた めの該患者の治療温度を特定する手段; B)温熱治療手段; C)該患者の体温を測定 する温度検出手段;および D)該温度検出手段力 該患者の体温に関する体温情報 に基づき、該体温情報から該患者の体温を治療温度に調節するように指示する該温 熱治療手段に対する命令を計算する制御装置、を備え、該制御装置は、該温度検 出手段および該特定する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該治療温 度に関する情報を受け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するよ うに接続されて ヽることを特徴とする。
[0074] 一つの実施形態では、前記 hsp72の発現及び機能の調節により、免疫系を活性化 する。
[0075] 本発明の患者にぉ 、て HLAを発現させるためのシステムは、 A)該患者の酸化還 元電位または pHに基づいて該患者の HLAを最大に発現させるための該患者の治 療温度を特定する手段; B)温熱治療手段; C)該患者の体温を測定する温度検出手 段;および D)該温度検出手段力 該患者の体温に関する体温情報に基づき、該体 温情報から該患者の体温を治療温度に調節するように指示する該温熱治療手段に 対する命令を計算する制御装置、を備え、該制御装置は、該温度検出手段と該特定 する手段とに、それぞれ、該体温に関する情報および該治療温度に関する情報を受 け取るように接続され、該温熱治療手段に該命令を指示するように接続されて!ヽるこ とを特徴とする。
[0076] 一つの実施形態では、前記 HLAの発現により、免疫系を活性化することを特徴と する。
[0077] 本発明の患者の疾患または障害を処置または予防するために使用するシステムは 、 A)温熱治療手段; B)該患者力 サンプルを入手する手段; C)該サンプル中の熱 ショックタンパク質 (hsp)を測定するための手段; D)該 hspの発現パターンに基づき 該温熱治療手段を調節するための手段、を備える。
[0078] 一つの実施形態では、前記 hspの発現パターンは、 hsp72の発現パターンを含む
[0079] 一つの実施形態では、前記調節は、 hsp72の発現の調節を含む。
[0080] 本発明の患者の疾患または障害を処置または予防するために使用するシステムは
、 A)温熱治療手段; B)該患者力 サンプルを入手する手段; C)該サンプル中の HL
Aを測定するための手段; D)該 HLAの発現パターンに基づき該温熱治療手段を調 節するための手段、を備える。
[0081] 一つの実施形態では、前記 HLAの発現パターンは、 HLA— DRの発現パターン を含む。
[0082] 一つの実施形態では、前記調節は、 HLAの発現が亢進されるような調節を含む。
[0083] 本発明の患者の疾患または障害の処置または予防するための方法は、 A)該患者
の平熱情報を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱よ り高い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時間保持する 工程、を包含する。
[0084] 一つの実施形態では、前記平熱情報は、温度検出手段により検出される。
[0085] 一つの実施形態では、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基づ 、て該患者 の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を特定する工程をさ らに包含する。
[0086] 一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程 D)で特定された治療温度士 1. 0°C以内にされる。
[0087] 一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程 D)で特定された治療温度士 0. 3°C以内にされる。
[0088] 一つの実施形態では、前記工程 D)力 以下: a)患者の血中の hsp72の発現量と機 能、 b)患者の血圧の変化、 c)患者の心拍数、 d)患者の血流量、 e)患者の血液の pH、 1)患者の血中の HLAの発現量、および g)患者の血中のリンパ球数、力 なる群より選 択される生体変化を基にする。
[0089] 一つの実施形態では、前記工程 D)力 患者力 採取した末梢血白血球をインビト 口で温度を可変にすることにより変動する hsp72または HLAを指標として行われる。
[0090] 一つの実施形態では、前記疾患または障害は、がん、感染症、慢性疾患、生活習 慣病、寄生病、免疫亢進、免疫不全および薬物中毒からなる群より選択される。
[0091] 一つの実施形態では、前記疾患または障害は、免疫系により治癒可能な疾患また は障害を含む。
[0092] 一つの実施形態では、前記疾患または障害は、がんを含む。
[0093] 本発明の、患者の疾患または障害の処置または予防するために該患者に温熱療 法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムは、以下 A)該患者 の平熱を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高 い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時間保持する工程 、を包含する。
[0094] 一つの実施形態では、前記方法が、 D)前記患者の酸化還元電位または pHに基
づいて該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を特定 する工程をさらに包含する。
[0095] 一つの実施形態では、前記患者の体温より 5°C高!、温度よりも低!、温度へと前記 温熱治療手段を温める命令を算出する。
[0096] 一つの実施形態では、前記患者の体温より 5°C高!、温度よりも低!、温度に該温度 を維持する命令を算出する。
[0097] 一つの実施形態では、測定された体温が治療温度になるまで温熱治療手段をカロ 温する命令を算出する。
[0098] 本発明の、患者における hsp72の発現を増加させるための方法は、 A)該患者の平 熱情報を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高 い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時間保持する工程
、を包含する。
[0099] 一つの実施形態では、 D)前記患者の酸化還元電位または pHに基づ 、て該患者 の hsp 72を最大に発現させるための該患者の治療温度を特定する工程をさらに包含 する。
[0100] 一つの実施形態では、前記平熱情報は、温度検出手段により検出される。
[0101] 一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程 D)で特定された治療温度士 1. 0°C以内にされる。
[0102] 一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程 D)で特定された治療温度士 0. 3°C以内にされる。
[0103] 一つの実施形態では、前記工程 D)力 以下: a)患者の血中の hsp72の発現量と機 能、 b)患者の血圧の変化、 c)患者の心拍数、 d)患者の血流量、 e)患者の血液の pH、 1)患者の血中の HLAの発現量、および g)患者の血中のリンパ球数、力 なる群より選 択される生体変化を基にする。
[0104] 一つの実施形態では、前記工程 D)力 患者力 採取した末梢血白血球をインビト 口で温度を可変にすることにより産生される hsp72または HLAを指標として行われる
[0105] 一つの実施形態では、顆粒球を変性、壊死または崩壊させな 、で hsp72の発現を
増加させることをさらに特徴とする。
[0106] 本発明の、患者における hsp72の発現と機能を調節する(例えば、 hsp72の発現を 増加させる)ために該患者に温熱療法を実行する方法を、コンピュータに実行させる ためのプログラムは、 A)該患者の平熱を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手 段により、該患者の平熱より高い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療 温度で一定時間保持する工程、を包含する。
[0107] 一つの実施形態では、前記方法が、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基 づいて該患者の hsp72を最大に発現させるための該患者の治療温度を特定するェ 程をさらに包含する。
[0108] 本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために使用する方法は、 A)該患者の平熱情報を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患 者の平熱より高い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時 間保持する工程であって、該一定時間は、 hsp72の発現が増加することが確認され るまでの時間である、工程を包含する。
[0109] 一つの実施形態では、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基づ 、て該患者 の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を特定する工程をさ らに包含する。
[0110] 一つの実施形態では、前記一定時間は、顆粒球の変性、壊死または崩壊が認めら れな 、程度の時間である。
[0111] 本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために該患者に温熱療 法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムは、 A)該患者の平 熱を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い治 療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時間保持する工程であ つて、該一定時間は、 hsp72の発現が変動(例えば、増カロ)することが確認されるまで の時間である、工程、を包含する。
[0112] 一つの実施形態では、前記方法が、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基 づいて該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を特定 する工程をさらに包含する。
[0113] 本発明の、患者における HLAの発現を増加させるための方法は、 A)該患者の平 熱情報を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高 い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時間保持する工程 、を包含する。
[0114] 一つの実施形態では、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基づ 、て該患者 の HLAを最大に発現させるための該患者の治療温度を特定する工程をさらに包含 する。
[0115] 一つの実施形態では、前記平熱情報は、温度検出手段により検出される。
[0116] 一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程 D)で特定された治療温度士 1. 0°C以内にされる。
[0117] 一つの実施形態では、前記患者の体温は、前記工程 D)で特定された治療温度士 0' 3°C以内にされる。
[0118] 一つの実施形態では、顆粒球を変性、壊死または崩壊させな 、で HLAの発現を 増加させることをさらに特徴とする。
[0119] 本発明の、患者における HLAの発現を増加させるために該患者に温熱療法を実 行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムは、 A)該患者の平熱を得 る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者の平熱より高い治療温度 にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時間保持する工程、を包含す る。
[0120] 一つの実施形態では、前記方法が、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基 づいて該患者の HLAを最大に発現させるための該患者の治療温度を特定する工程 をさらに包含する。
[0121] 本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために使用する方法は、 A)該患者の平熱情報を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患 者の平熱より高い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時 間保持する工程であって、該一定時間は、 HLAの発現が増加することが確認される までの時間である、工程、を包含する。
[0122] 一つの実施形態では、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基づ 、て該患者
の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を特定する工程をさ らに包含する。
[0123] 一つの実施形態では、前記一定時間は、顆粒球の変性、壊死または崩壊が認めら れな 、程度の時間であることを特徴とする。
[0124] 本発明の、患者の疾患または障害を処置または予防するために該患者に温熱療 法を実行する方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、該方法 は、 A)該患者の平熱を得る工程; B)該患者の体温を、温熱治療手段により、該患者 の平熱より高い治療温度にする工程、 C)該患者の体温を、該治療温度で一定時間 保持する工程であって、該一定時間は、 HLAの発現が増加することが確認されるま での時間である、工程、を包含する。
[0125] 一つの実施形態では、前記方法が、 D)前記患者の酸ィ匕還元電位または pHに基 づいて該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を特定 する工程をさらに包含する。
[0126] 本発明の、少なくとも 2種類の温度調節手段を備える温度調節システムは、該温度 調節手段は、比熱または変温能力が相違する、温度調節システム。
[0127] 一つの実施形態では、前記少なくとも 2種類の温度調節手段は、第一温度調節手 段および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手 段を含み、温度調節される被検体が治療温度から一定温度範囲外の温度にあるとき には第一温度調節手段を作動させ、該被検体が該治療温度力 該一定温度範囲内 の温度になったときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該第二温度調節手段 が作動するよう指示する手段をさらに備える。
[0128] 一つの実施形態では、前記少なくとも 2種類の温度調節手段は、第一温度調節手 段および比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二の温度調節手 段を含み、温度調節される被検体が治療温度から一定温度範囲外の温度にあるとき には第一温度調節手段を作動させ該第二の温度調節手段は該被検体から熱的に 絶縁されるように配置し、該被検体が該治療温度力 該一定温度範囲内の温度にな つたときに、該第一温度調節手段の作動を停止し該被検体力 熱的に絶縁されるよ うに配置し該第二温度調節手段が作動するよう指示する手段をさらに備える。
[0129] ここで、第二の温度調節手段 (比熱の小さ!/、方)の比熱が小さ!/、ほど、目的温度を 超える危険性は小さくなる。昇温速度が遅い方が、目的温度に正確に到達すること ができる。つまり、最低限の性能を必要とするので、チャンバ一から放熱以上の熱量 があるヒーターであれば使用できる。
[0130] 本発明の被検体の温度を治療温度へと調節するための方法は、 A)該患者の酸化 還元電位または pHに基づいて該被検体の温度が治療温度から一定温度範囲外の 温度にあるときには第一温度調節手段を作動させる工程; B)該被検体が該治療温 度から該一定温度範囲内の温度になったときには該第一温度調節手段を停止し、 比熱または変温能力が第一の温度調節手段より小さな第二温度調節手段を作動さ せる工程、を包含する。
[0131] 一つの実施形態では、 C)前記第二の温度調節手段を、前記被検体の温度が前記 治療温度に達したときに停止する工程を包含する。
[0132] 本発明の患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を特 定するシステムは、該治療温度を決定するためのアツセィシステム、を含む。
[0133] 一つの実施形態では、前記患者の治療温度が、以下: a)患者の血中の hsp72の発 現量と機能、 b)患者の血圧の変化、 c)患者の心拍数、 d)患者の血流量、 e)患者の血 液の pH、 D患者の血中の HLAの発現量、および g)患者の血中のリンパ球数、力ゝらな る群より選択される生体変化を基にして決定される。
[0134] 一つの実施形態では、前記患者力 生物サンプルを抽出する手段をさらに含む。
発明の効果
[0135] 本発明は、患者にとって確実に最適な条件で (例えば、温度および時間)で温熱治 療を受けさせることができるので、患者の体力の消耗を極力抑えながら最大の温熱 効果を発揮することができ、予期せぬ副作用も回避可能である。
[0136] 本発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以 下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなる。 図面の簡単な説明
[0137] [図 1]本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置のシステム構成図である。
[図 2]本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置の本体機構の正面図解図である。
圆 3]本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置の本体機構の側面図解図である。
1—
圆 〇 4]本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置の治療槽の外蓋の図解図である。 圆 5]本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置の温度制御アルゴリズムの例であ る。
圆 6]本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の生体管理装置の概観図である。 圆 7]本発明の他の実施形態にカゝかる温熱治療装置のシステム構成図である。
圆 8]本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置の治療制御フロー図である。
[図 9]本発明の昇温処理の第 1実施例に力かる処理フロー図である。
[図 10]本発明の昇温処理の第 2実施例に力かる処理フロー図である。
[図 11]本発明の昇温処理の第 3実施例に力かる処理フロー図である。
[図 12]本発明の保温処理の実施例に力かる処理フロー図である。
[図 13]本発明の降温処理の第 1実施例に力かる処理フロー図である。
[図 14]本発明の降温処理の第 2実施例に力かる処理フロー図である。
[図 15]本発明の治療処理を行った場合の液体温度と深部体温の時間変化を示す概 念図である。
圆 16]本発明において、患者の治療温度を特定するための説明図である。
符号の説明
治療槽
12 加熱槽
14 ヒータ
16 冷却ファン
20 循環ライン
22、 26 循環ポンプ
24、 28 攪拌ノズル
32 連通管
34 UV燈
40 給水ライン
50 排水ライン
60 治療槽内液体温度センサ
62 直腸温度センサ
64 加熱槽内温度センサ
80 コントローラ
82 コンピュータ
90 治療槽外蓋
92 外蓋の手技用窓
94 外蓋の手技用窓の保温カバー
96 治療槽内蓋
100 体位調節機構付きベッド
102〜108 ベッド昇降機構
110〜114 ベッド移送機構
120 搬送台車
130 頭部冷却装置
200 生体モニタ
210 麻酔装置
220 人工呼吸器
発明を実施するための最良の形態
[0139] 以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及 しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形 の冠詞 (例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、そ の複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用 される用語は、特に言及しない限り、当上記分野で通常用いられる意味で用いられる ことが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用 される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によ つて一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書 (定義を含 めて)が優先する。
[0140] 以下に本明細書において特に使用される用語の定義および基本技術を列挙し説
明する。
[0141] 本明細書にお!、て「温熱療法」または「ハイパーサーミア」とは、対象となる患者また は被験体の体温をその生体の通常温度より高い状態を一定期間維持することにより 、患者または被験体の治療を行う方法またはシステムをいう。このような温熱療法に は、「伝導熱 (ホットパックなど)、幅射熱 (赤外線など)、高周波 (超短波など)、温水( 温浴など)を利用して力ゝらだを温める治療などが含まれる。温浴が好ましい。温浴が、 生体の pHを容易に約 0. 1以上(電位では約 6mV以上)変動させることができるから である。
[0142] 本明細書において「酸ィ匕還元電位」とは、ある系における電子のやり取りの際に発 生する電位のことである。本明細書では、特に生体の体液 (例えば、末梢血などの血 液)の電位をモニター対象とすることができる。生体内の酸ィ匕還元電位は、本明細書 において「生体内電位」ともいい、本明細書において交換可能に使用され得る。物質 の電子の放出しやすさ、あるいは受け取りやすさを定量的に評価する尺度でもある。 単位はボルト (V)を用いる。本発明では、生体 (細胞、特に細胞表面上、細胞膜上)の 酸ィ匕還元電位が重要であり、これは、末梢血の酸化還元電位または pHを測定するこ とによって決定することができる。
[0143] このような測定には、 iSTAT (扶桑ィ匕学薬品工業)などの市販の装置を用いること によって実現され得る。
[0144] 本明細書において酸ィ匕還元電位は、 pHと一対一対応することから、交換可能に使 用される。酸ィ匕還元電位約一 70mV力 ¾H7. 35に対応し、 pHO. 1の相違は、酸ィ匕 還元電位では約 5. 94mV (約 6mV)の相違に相当することから、いずれの値を用い ても、本発明を実施することができる(例えば、 pH7. 35は、約 64mVに該当し、 pH7 . 45は、約— 76mVに該当する。)。
[0145] 本発明では、ー且対象となる生体の酸化還元電位が判明すると、 pHに換算して約 7. 40未満の状態は、病的状態であることから、標準的な温熱療法を与え (例えば、 直腸温約 +4°Cの温浴治療を例えば 60分与える)、その結果、酸化還元電位が、処 置前に対して、 pHに換算して 0. 1上昇する場合は、その治療を続け、上昇が鈍い場 合は、温度を上昇させるか、時間を長くするかのいずれかをさせることを検討する。さ
らに標準治療を続け、 pHに換算して約 0. 1以上の上昇をもたらす場合には、その条 件を次回力も採用してもよい。あるいは、直腸温を約 0. 5°C刻みで測定し、その際の pHまたは酸化還元電位を測定し、最大の治療効果が得られる温度を採用しても良 い。従来は、 pHが ±0. 05の範囲の変化しか可能でなかったことから、その効果は 壮大である。
[0146] 電位が治療において重要であることは、本発明において初めて見出された理論で ある。以下に簡単に説明する。
[0147] 生物のゲノムおよび細胞は、電位を作り出すシステムと 、え、ゲノム(DNA)は、電 位差をエネルギーに変換し、タンパク質を作り出す。ここでは、エネルギーは、高電 位から低電位へと移動する。
[0148] ヒトの生体は、約 60兆個の細胞から構成されている。 1つの細胞に 1つのゲノムが 存在し、約 60兆個の細胞には約 60兆個の全く同じタイプのゲノムが存在することに なる。細胞が約 60兆個あっても、ゲノムは 1種類しかない。
[0149] ヒトが病気 (疾患)になれば、「病気 (疾患)を治すタンパク質 (遺伝子産物)」が必要 となる。タンパク質は、遺伝子にしか作れない。ヒトが疾患に罹ると、ヒト自体の遺伝子 が作り出すタンパク質 (病気を治すタンパク質)にしカゝ病気 (疾患)は治せないこと〖こ なる。
[0150] どのようにして病気を治すために必要なタンパク質を遺伝子が産生するのかと!/、う 点については、遺伝子がタンパク質を産生する仕組みが分かれば、病気を治すこと ができることにつながるということである。
[0151] 病気 (疾患)とは、何らかのストレスによって遺伝子が産生するタンパク質の異常が 引き起こされ、その異常によって引き起こされた身体の状態であると定義付けることが できる。換言すれば、病気 (疾患)とは、遺伝子が作り出すタンパク質の産生の異常 によって、発症するということができる。
[0152] 遺伝子は、なぜ病気を引き起こすタンパク質を産生するのかという点について、以 下のように考察することができる。遺伝子がタンパク質を産生するにはエネルギーが 必要である。これを本明細書において「タンパク質産生エネルギー」という。遺伝子の エネルギー量が低いと、低電位遺伝子産生タンパク質が産生される。このタンパク質
は、 、わゆる病気 (疾患)タンパク質であると 、える。
[0153] 本発明では、鋭意研究した結果、恒常性維持電位遺伝子の産生タンパク質 (ホメォ スタシス電位 =約— 75mv)と、高電位遺伝子産生タンパク質 (病気を治すために必 要なタンパク質、約一 80mV)とが存在することを明らかにした。ここで、生体の酸ィ匕 還元電位は、約— 70mVが標準的な細胞膜電位であり、約— 75mVが標準的な細 胞質電位である。ここで、電位の高低は、その絶対値の大きさに関していう。
[0154] 「病気の細胞」は、低 、pH (または電位)であり酸性になり、電位低下による低エネ ルギー状態にあるといえる。
[0155] 他方、「元気な細胞」は、高い pH (または電位)となり、電位の上昇による高工ネル ギー状態にあるといえる。
[0156] 電位を状態に分けると以下のようになる:
恒常性維持電位 細胞膜電位:約― 70mV;細胞質電位:約― 75mV
治療電位 細胞膜電位:約― 75mV〜約― 90mV (電位は絶対値が高 ヽほど治療 効果が高いようである。 );細胞質電位:約— 75mV
老化すると、この電位は、低くなる。
[0157] 本発明では、罹病者の細胞膜電位とタンパク質との関係に着目し、効率よい治療を 行うことに成功した。すべての病気は、罹病者自身の遺伝子が産生するタンパク質に よってしか、治すことができないことを本発明者は見出した。
[0158] 病気 (疾患)は、遺伝子が産生するタンパク質の異常により発症する。そのような発 症メカニズムは、電位の高低によって説明できる。タンパク質を産生するには、産生 エネルギーが必要であり、低い電位の場合には、細胞膜電位が約 70mVとなり、 細胞質電位が約― 75mVとなる。
[0159] ここで、本発明によって実際に治癒した例である AIDS (HIV罹患患者)につ ヽて 説明する。ここでは、 HIV転写酵素応答電位理論と称する。
[0160] HIV転写応答電位につ!、て、ウィルス増殖速度は感染細胞(CD4;マクロファージ )内の電位が約 70mV〜約 74mVの条件により、 HIVの転写が抑制されること が明らかになった。
[0161] 直腸温が 37°Cのとき、末梢血は約 7. 35であり、細胞膜電位は約 70mVであり、
細胞質電位は約— 75mVである。ここで電位差は約— 5mVである。温熱療法により 、直腸温を約 39°Cに上昇させ、末梢血 pHが約 7. 6になった場合、そのときの細胞 膜電位は、約 pHO. 25の変動が約— 14. 75mVに相当することから、約— 84. 75m Vであるといえる。このとき、細胞内電位は、約— 75mVのままである。すると、電位差 は、約 9. 75mV (外の方がマイナスの絶対値が高い)となる。直腸温が約 39. 4°Cに なり、末梢血 pHが約 7. 55となったとき、同様に計算すると、細胞膜電位は約— 81. 8mVであり、細胞内電位は約— 75mVである。すると、その差異は約 6. 8mVである 。このようにエネルギーを与えることにより、恒常性維持タンパク質の産生が誘導され 、免疫状態が元に戻る。その結果、 CD4の値が 400 (病的状態)から 800に回復した 例が見られた。
[0162] 本発明にお 、て、これらのデータを参酌して、温熱療法を与えることができる。本発 明では、生体内電位を恒常性電位と呼ばれる範囲に戻すことを念頭に、治療電位( 細胞内の電位が一 75mV)であるので、それより絶対値が高!、一 75mV〜一 90mV などを与えることによって、治癒されることが明らかになった。
[0163] 上記の設定の場合、直腸温が 39°Cの場合エネルギーを与えることができる酸ィ匕還 元電位の差が約 9. 75mVとなったのに対して、 39. 4°Cのときは、約 6. 8mVにとど まった。従って、 39°Cの方がこの患者にとっては良いことが分かる。なお、この場合、 与えた温熱療法の仕方 (全身浴、半身浴)、長さ(1時間)は、同じ条件であつたが、 同様にして最適な電位を決定することができる。
[0164] 細胞膜電位と細胞内電位との差異が重要なのは、細胞内に電位を発生させる源で あるミトコンドリアが存在することにある。
[0165] ゲノム中の遺伝子によって産生されるタンパク質の量は、核と細胞内の電位差によ つて産生されたエネルギーの量に比例してタンパク質の量と機能とが決定される。こ のとき、例えば、先天性免疫不全遺伝子を持つ細胞では、その遺伝子が発現する発 現電位の状態にあるといえる。
[0166] このように、体温と電位 (pH)との関係についてまとめると、ゲノム産生タンパク質の 量とは、温度に比例しているのではなぐ電位 (pH)に比例して変化し、従って治療 に直結するのは電位 (pH)であることが明らかになった。 pHを変化させるためには、 p
O /pCOもまた役割を担っており、リンパ球と pCOとが関係しており、 ρθと顆粒球
2 2 2 2 とが関係して変化することが明らかになった。このように、遺伝子が産生するタンパク 質は、電位差によって生じるエネルギーによって産生されることが分かる。
[0167] 実際の治療では、治療前の pHより約 0. 1以上 (通常約 0. 1〜約 0. 3程度、約 0. 5 位上がることは希であるが、その方が好ましい)上昇するような条件を探索し (特に、 p Hがより上昇していることが好ましい)、その条件により以後治療を行うことが好ましい 。電位で測定する場合は、約 pH7. 35が約 70mVに等価であること、 pHの 0. 1の 変化は約 5. 94mVの変化に等しいことを考慮して、算出することができる。
[0168] 本発明の温熱療法のノ メータ調節方法では、ガス分析、血球分画生化学、疾病 マーカー、 SpO、心拍数および血流量などを参酌することができる。
2
[0169] 本明細書にぉ 、て、「ガス分析」とは、血液などの対象体液中のガス(例えば、酸素 、二酸ィ匕炭素など)の存在量 (例えば、分圧による)を測定することをいう。
[0170] 本明細書において、血球分画生化学では、リンパ球 (例えば、 Tリンパ球、 Bリンパ 球など)、血小板、赤血球などを測定することができる。
[0171] 本明細書において使用される疾病マーカーは、当該分野において公知の任意の 疾病マーカー(例えば、ガンマーカーなど)を使用することができる。
[0172] 本明細書において「Sp02」または「動脈血酸素飽和度」とは、動脈血液中の酸素 分圧をいう。傷病者の状態を観察するために用いられる。
[0173] 本発明が対象とする「疾患」は、いずれの疾患でもよいが、通常、免疫状態または 身体の恒常性に直接または間接的に関連する障害に関連する疾患または障害であ り得る。そのような疾患としては、がん、ウィルスまたは細菌による感染症、アレルギー 、高血圧、高脂血症、糖尿病、心臓病、脳梗塞、痴呆症、肥満、動脈硬化性疾患、 不妊症、精神神経疾患、白内障、早老症、紫外線放射線過敏症などが挙げられるが それらに限定されない。
[0174] 本発明が対象とする「障害」は、身体の異常が関連する任意の障害であり得る。
[0175] 1つの実施形態にお!、て、上記疾患または障害は循環器系(血液細胞など)であり 得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定 されない:貧血 (例えば、再生不良性貧血 (特に重症再生不良性貧血)、腎性貧血、
がん性貧血、二次性貧血、不応性貧血など)、がんまたは腫瘍 (例えば、白血病)お よびその化学療法処置後の造血不全、血小板減少症、急性骨髄性白血病(特に、 第 1寛解期 (High— risk群)、第 2寛解期以降の寛解期)、急性リンパ性白血病 (特 に、第 1寛解期、第 2寛解期以降の寛解期)、慢性骨髄性白血病 (特に、慢性期、移 行期)、悪性リンパ腫 (特に、第 1寛解期 (High— risk群)、第 2寛解期以降の寛解期 )、多発性骨髄腫 (特に、発症後早期)など。
[0176] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、神経系のものであり得る。そのよ うな疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:痴 呆症、脳卒中およびその後遺症、脳腫瘍、脊髄損傷。
[0177] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、免疫系のものであり得る。そのよ うな疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: T 細胞欠損症、白血病。
[0178] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、運動器 ·骨格系のものであり得る 。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定され ない:骨折、骨粗鬆症、関節の脱臼、亜脱臼、捻挫、靱帯損傷、変形性関節症、骨肉 腫、ユーイング肉腫、骨形成不全症、骨軟骨異形成症。
[0179] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、皮膚系のものであり得る。そのよ うな疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:無 毛症、黒色腫、皮膚悪性リンパ腫、血管肉腫、組織球症、水疱症、膿疱症、皮膚炎、 湿疹。
[0180] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、内分泌系のものであり得る。その ような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: 視床下部 ·下垂体疾患、甲状腺疾患、副甲状腺 (上皮小体)疾患、副腎皮質,髄質 疾患、糖代謝異常、脂質代謝異常、タンパク質代謝異常、核酸代謝異常、先天性代 謝異常(フ -一ルケトン尿症、ガラクトース血症、ホモシスチン尿症、メープルシロッ プ尿症)、無アルブミン血症、ァスコルビン酸合成能欠如、高ピリルビン血症、高ピリ ルビン尿症、カリクレイン欠損、肥満細胞欠損、尿崩症、バソプレツシン分泌異常、侏 儒症、ウォルマン病(酸リパーゼ (Acid lipase)欠損症)、ムコ多糖症 VI型。
[0181] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、呼吸器系のものであり得る。その ような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: 肺疾患 (例えば、肺炎、肺がんなど)、気管支疾患。
[0182] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、消ィ匕器系のものであり得る。その ような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: 食道疾患 (たとえば、食道がん)、胃 ·十二指腸疾患 (たとえば、胃がん、十二指腸が ん)、小腸疾患 ·大腸疾患 (たとえば、大腸ポリープ、結腸がん、直腸がんなど)、胆道 疾患、肝臓疾患 (たとえば、肝硬変、肝炎 (A型、 B型、 C型、 D型、 E型など)、劇症肝 炎、慢性肝炎、原発性肝がん、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)、脾臓疾患 (急 性脾炎、慢性脾炎、脾臓がん、嚢胞性脾疾患)、腹膜 ·腹壁'横隔膜疾患 (ヘルニア など)、ヒルシュスプラング病。
[0183] 別の実施形態にお!、て、上記疾患または障害は、泌尿器系のものであり得る。その ような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: 腎疾患 (腎不全、原発性糸球体疾患、腎血管障害、尿細管機能異常、間質性腎疾 患、全身性疾患による腎障害、腎がんなど)、膀胱疾患 (膀胱炎、膀胱がんなど)。
[0184] 別の実施形態にお!、て、上記疾患または障害は、生殖器系のものであり得る。その ような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: 男性生殖器疾患 (男性不妊、前立腺肥大症、前立腺がん、精巣がんなど)、女性生 殖器疾患 (女性不妊、卵巣機能障害、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮がん、子宮内膜 症、卵巣がん、絨毛性疾患など)。
[0185] 別の実施形態において、上記疾患または障害は、循環器系のものであり得る。その ような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: 心不全、狭心症、心筋梗塞、不整脈、弁膜症、心筋,心膜疾患、先天性心疾患 (たと えば、心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存、ファロー四徴)、動脈疾患 (たと えば、動脈硬化、動脈瘤)、静脈疾患 (たとえば、静脈瘤)、リンパ管疾患 (たとえば、リ ンパ浮腫)。
[0186] 本発明により処置または改善され得る免疫系により治癒可能な疾患または障害とし ては、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチが挙げられるが、これらに限定されない。
[0187] 本発明により処置または改善され得るがんとは、脳腫瘍、白血病、胃がん、肺がん、 肝細胞がん、転移性がん、原発乳がん、再発乳がん、原発性肝がん、胆道がん、脾 がん、腎がん、前立腺がん、睾丸がん、子宫体がん、卵巣がん、肺小細胞がん、白血 病、胆道がん、消化器がん、大腸がん、肝がん、転移性肝がん、子宮頸がん、結腸 がん、直腸がん、甲状腺がん、乳がん、泌尿器がん、子宮がん、食道がん、胞状奇胎 、絨毛がん、胃所性 HCG産生腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、神経芽腫、上顎がん、口 腔がん、口腔底がん、尿路性がん、甲状腺がん、悪性リンパ(ホジキン性および非ホ ジキン性)、膀胱がん、造血器腫瘍、骨転移を伴う前立腺がん、末期がん、神経芽細 胞腫、肺小細胞がん、肺非小細胞がん、褐色細胞腫、ガストリノーマ、インスリノーマ 、カルチノイド、高カルシウム血症を伴う悪性腫瘍、成人 T細胞白血病、外陰がん、皮 膚がん、上気道がん、頭頸部がん、奇形腫、膀胱がん、 β細胞白血病、睾丸腫瘍、 消化器がん、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性腫瘍、原発性肝がん、 肉腫、悪性黒色腫、リンパ腫、肺扁平上皮がんが挙げられるが、これらに限定されな い。
[0188] 本発明により処置または改善され得る感染症とは、 HBV感染症、 HCV感染症、種 々の細菌感染症、真菌感染症、ウィルス感染症、 HIV- 1感染、 HIV- 2感染、ヘル ぺスウィルス(HSV— 1、 HSV— 2、 CMV、 VZV、 HHV— 6、 HHV— 7、 EBVを含 む力 これらに限定さない)感染、アデノウイルス感染、ボックスウィルス感染、ヒトパピ ローマウィルス感染、肝炎ウィルス(例えば、 HAV、 HBV、 HCVなどを含む力 これ らに限定されない)感染、 Helicobacter pylori感染、寄生生物感染、 HTLV—1感 染が挙げられるが、これらに限定されない。
[0189] 本発明により処置または改善され得る生活習慣病とは、糖尿病、動脈硬化症 (脳梗 塞、狭心症、心筋梗塞を含むが、これらに限定されない)、高血圧、悪性腫瘍、肺気 腫、骨の退行性変化、が挙げられるが、これらに限定されない。
[0190] 本発明により処置または改善され得る寄生病とは、アメーバ一症、バべシァ症、コク シジゥム症、クリプトスポリジゥム症、二核アメーバ症、交疫、外部寄生生物感染症、 ジアルジァ鞭毛虫症、蠕虫病、リーシュマニア症、住血吸虫属感染、タイレリア症、ト キソプラスマ症、トリパノソ一マ症、ならびにトリコモナス属感染および胞子虫(例えば
、 Plasmodium virax、 Plasmodium falciparium、 Plasmodium malariaeおよ び Plasmodium ovale)の感染、疥癬、ッッガムシ病、眼感染、腸疾患(例えば、赤 痢、ジアルジァ鞭毛虫症)、肝疾患、肺疾患、 日和見感染症 (例えば、 AIDS関連)、 マラリアが挙げられる力 これらに限定されない。
[0191] 本発明により処置または改善され得る免疫亢進とは、アレルギー性皮膚炎、乾癬、 が挙げられるが、これらに限定されない。
[0192] 本発明により処置または改善され得る免疫不全とは、膿皮症、口腔内ガンジダ症、 ウィルス感染症、が挙げられるが、これらに限定されない。
[0193] 本発明により処置または改善され得る薬物中毒とは、アルコール中毒、ニコチン中 毒、ヘロイン中毒、が挙げられる力 これらに限定されない。
[0194] 本明細書において「生活習慣病」とは、 日常生活のあり方やよくない習慣を繰り返 すなかで病気の根がだんだん広がっていき、ある年齢に達すると症状が出てくる任 意の疾患をいう。糖尿病、高血圧病、高脂血症、痛風 (高尿酸血症)、肥満、動脈硬 ィ匕、脳梗塞、心筋梗塞、脾炎、呼吸器疾患、胃,十二指腸潰瘍、肝機能障害、骨粗 鬆症、がん、歯周病などを挙げることができ、生活習慣病は、上記発症部位などに比 して、原因に重きを置いた疾患分類法である。本発明の方法は、生活習慣病では、 いずれも、生体の酸ィ匕還元電位が下がっていること着目し、これを上昇させること〖こよ つて、これらすベての生活習慣病を治癒させることができることを立証した。従って、こ の酸化還元電位への注目は、生活習慣病とまさに連関しているといえる。
[0195] 本発明によって、上述のような疾患を処置するにおいて、従来の薬物療法によるあ らゆる弊害が回避された。また、温熱治療が最適化されるので、従来確実には治癒し な力つた免疫不全症候群などの治癒が可能になったことは従来技術では不可能で あった力または困難であった格別の効果といえる。
[0196] 1つの実施形態において、本発明は、中枢疾患 (例えば、脳卒中、脳卒中後遺症、 遅発性神経細胞死、アルツハイマー病、痴呆、摂食障害、パーキンソン病、多発性 硬化症、クロイツフェルド 'ヤコブ病など)、炎症性疾患 (例えば、アレルギー、喘息、リ ゥマチなど)、循環器疾患 (例えば、虚血障害、再灌流障害、高血圧症、心肥大、狭 心症、動脈硬化症等)、がん (例えば、非小細胞肺がん、卵巣がん、前立腺がん、胃
がん、膀胱がん、乳がん、子宮頸部がん、結腸がん、直腸がん等)、代謝性疾患 (例 えば、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、動脈硬化、痛風、白内障、肝炎、アミロイドーシ ス、ウィルソン病等)、免疫系疾患 (例えば、自己免疫性疾患等)、消化器系疾患 (例 えば、ストレス潰瘍、急性脾炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰 瘍、胃炎、逆流性食道炎等)、自己免疫疾患 (慢性関節リウマチ、多発性硬化症、全 身性エリテマトーデスなど)、変性疾患 (アミロイド一シス、へモジデローシス、ウィルソ ン病など)、虚血性神経細胞傷害 (脳卒中、脳卒中後遺症、遅発性神経細胞死など )、虚血,再灌流傷害、嚢胞性繊維症、悪性腫瘍、感染症 (敗血症による多臓器不全 、急性呼吸窮迫症候群など)、肝不全、腎不全、薬物中毒、重金属中毒、放射線傷 害、紫外線傷害 (紫外線による皮膚、眼のレンズ或いは網膜の傷害など)、その他の 生体侵襲 (熱または酸などによる皮膚もしくは組織の傷害など)、ウィルス性疾患 (B 型肝炎、 C型肝炎、 D型肝炎、 E型肝炎、後天性免疫不全症候群、成人白血病)また は老化の予防 ·改善 ·治療剤などを処置するのに有効であり得る。
[0197] 本明細書では、少なくとも実際に、 B型肝炎、 C型肝炎、後天性免疫不全症候群( AIDS)、糖尿病、糖尿病合併症、前立腺肥大、痛風、肝炎、自己免疫性疾患、悪性 リンパ腫、脾臓がん、子宮頸がん、口腔底がん、腎臓がん、高血圧、潰瘍性大腸炎、 慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、好中球減少症および好中球増 加症などが実際の治癒したことが確認され、他の疾患についても、確認中であり、実 質的に任意のがん、ウィルス性疾患、代謝性疾患、循環器系疾患、消化器系疾患、 炎症性疾患、中枢疾患、免疫学的疾患、感染症および生活習慣病が治癒している。
[0198] 本明細書において「生体内」または「インビボ」(in vivo)とは、生体の内部をいう。
特定の文脈において、「生体内」は、目的とする組織または器官が配置されるべき位 置をいう。
[0199] 本明細書において「被験体」とは、本発明の処置が適用される生物をいい、「患者」 ともいわれる。患者または被験体は好ましくは、ヒトであり得る。
[0200] 別の実施形態では、本発明では、薬剤 (例えば、抗がん剤)も併用することも企図さ れる。そのような薬剤は、当該分野において公知の任意の医薬であり得、例えば、そ のような薬剤は、薬学において公知の任意の薬剤 (例えば、抗がん剤、抗生物質など
)であり得る。当然、そのような薬剤は、 2種類以上の他の薬剤であり得る。好ましくは 、温熱療法と同時にまたは異時に投与される。そのような薬剤としては、例えば、日本 薬局方最新版、米国薬局方最新版、他の国の薬局方の最新版において掲載されて いるものなどが挙げられ、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない: 中枢神経系用薬 (例えば、全身麻酔剤、催眠鎮静剤、抗不安剤、抗てんかん剤、 解熱鎮痛消炎剤、興奮剤、覚せい剤、抗パーキンソン剤、精神神経用剤、総合感冒 剤、その他の中枢神経系用薬など);
末梢神経用剤 (例えば、局所麻酔剤、骨格筋弛緩剤、自律神経剤、鎮けい剤など) 感覚器官用薬 (例えば、眼科用剤、耳鼻科用剤、鎮暈剤など);
循環器官用薬 (例えば、、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮 剤、血管拡張剤、高脂血症用剤、その他の循環器官用薬など);
呼吸器官用薬 (例えば、呼吸促進剤、鎮咳剤、去痰剤、鎮咳去痰剤、気管支拡張 剤、含嗽剤など);
消化器官用薬 (例えば、止瀉剤、整腸剤、消化性潰瘍用剤、健胃消化剤、制酸剤 、下剤、浣腸剤、利胆剤、その他の消化器官用薬など);
ホルモン剤(例えば、脳下垂体ホルモン剤、唾液腺ホルモン剤、甲状腺、副甲状腺 ホルモン剤、蛋白同ィヒステロイド剤、副腎ホルモン剤、男性ホルモン剤、卵胞、 .黄 体ホルモン剤、混合ホルモン剤、その他のホルモン剤など);
泌尿生殖器官および肛門用薬 (例えば、泌尿器官用剤、生殖器官用剤、子宮収縮 剤、痔疾用剤、他の泌尿生殖器管、肛門用薬など);
外皮用薬 (例えば、外皮用殺菌消毒剤、創傷保護剤、化膿性疾患用剤、鎮痛.鎮 痒.収斂.消炎剤、寄生性皮膚疾患用剤、皮膚軟化剤、毛髪用剤、その他の外皮用 剤など);
歯科口腔用剤;
その他の個々の器官系用薬;
ビタミン剤(例えば、ビタミン A剤、ビタミン D剤、ビタミン B剤、ビタミン C剤、ビタミン E 剤、ビタミン K剤、混合ビタミン剤、その他のビタミン剤など);
滋養強壮薬 (例えば、カルシウム剤、無機質製剤、糖類剤、蛋白アミノ酸製剤、臓 器製剤、乳幼児用剤、その他の滋養強壮剤など);
血液および体液用薬 (例えば、血液代用剤、止血剤、血液凝固阻止剤、その他の 血液.体液用剤など);
人工透析用薬 (例えば、人工腎臓透析用剤、腹膜透析用剤など);
その他の代謝性医薬品 (例えば、臓疾患用剤、解毒剤、習慣性中毒用剤、痛風治 療剤、酵素製剤、糖尿病用剤、他に分類されない代謝性薬など);
細胞賦活用剤(例えば、クロロフィル製剤、色素製剤、その他の細胞賦活用剤など) 腫瘍用薬 (例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍性抗生物質製剤、抗腫瘍 性植物成分製剤、その他の腫瘍用剤など);
放射性医薬品;
アレルギー用薬 (例えば、抗ヒスタミン剤、刺激療法剤、非特異性免疫原製剤、その 他のアレルギー用薬、生薬および漢方処方に基づく医薬品、生薬、漢方製剤、その 他の生薬漢方処方に基づく製剤など);
抗生物質製剤 (例えば、グラム陽性菌に作用する、グラム陰性菌に作用する、ダラ ム陽性菌およびグラム陰性菌に作用、グラム陽性菌マイコプラズマ作用、グラム陽性 陰性.リケッチアに作用、抗酸菌に作用するもの、カビに作用するもの、その他の抗 生物質製剤など);
化学療法剤 (例えば、サルファ剤、抗結核剤、合成抗菌剤、抗ウィルス剤、その他 の化学療法剤など);
生物学的製剤(例えば、ワクチン類、毒素.トキソイド類、抗毒素.抗レプトスビラ血 清、血液製剤類、生物学的試験用製剤類、その他の生物学的製剤、抗原虫剤、駆 虫剤など);
調剤用薬 (例えば、賦形剤、軟膏基剤、溶解剤、矯味.矯臭.着色剤、その他の調 剤用剤など);
診断用薬 (例えば、 X腺造影剤、機能検査用試薬、その他の診断用薬); 公衆衛生用薬 (例えば、防腐剤);
体外診断用医薬品 (例えば、細菌学的検査用薬など);
分類されな ヽ治療を主目的としな 、薬剤;ならびに
麻薬 (例えば、あへんアルカロイド系麻薬、コカアルカロイド系製剤、合成麻薬など)
[0201] (治療装置の実施形態)
図 1に本発明の一実施形態にカゝかる温熱治療システムの構成を示す。本実施形態 は、温熱治療手段 (B)として、患者の頭部以外の全身を液体 Wに浸漬させるための 治療槽 10と、液体 Wを加熱するための加熱槽 12を別に備える 2槽式を採用している 。治療槽 10は、液体 Wの温度を計測する温度センサ 60と、温度検出手段 (C)として 、患者の体温 (例えば、直腸温度)を計測する直腸温度センサ 62とを備える。加熱槽 12は、液体 Wを加熱するヒータ 14と、液体 Wを微小冷却する冷却ファン 16と、温度 センサ 64と、水位センサ 68とを備える。必要に応じて、酸化還元電位または pHの測 定手段 (例えば、 iSTAT)が装着され得る。さらに、必要な場合、他のパラメータ (例 えば、ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO
2、心拍数および血流量など
)を測定する手段が装着され得る。ここで、 SpO
2は 95以上に維持することが好ましい
。 95未満になった場合は、酸素マスクなどを与えて酸欠にならないようにすることが 好ましい。心拍数は通常 120— 130程度に範囲に収まる力 150を超えた場合は、 同様に酸素マスクなどによる処置を行うか中止することが好ましい。
[0202] 治療槽 10と加熱槽 12の間は循環ライン 20で接続され、加熱槽 12から治療槽 10に 液体 Wを強制循環させるポンプ 22と、治療槽 10から加熱槽 12に液体 Wを強制循環 させるポンプ 26と、循環ラインの循環流量を計測する流量センサ 70、 72を備える。 治療槽 10には、多数の噴出穴を有する複数の攪拌ノズル 24が分散配備され、ボン プ 22によって循環された液体が槽内に拡散噴出される。同様に、加熱槽 12には多 数の噴出穴を有する複数の攪拌ノズル 28が分散配備され、ポンプ 26によって循環さ れた液体が槽内に拡散噴出される。
[0203] このように、循環ライン 20によって治療槽 10と加熱槽 12の間で液体 Wを強制循環 させ、攪拌ノズル 24、 28によって各槽内に分散注入することで、治療槽 10内の液体 温度偏差を小さくし、患者の深部体温を設定された治療温度に精度良く加温できる
ようにしている。また、循環ライン 20には液体 Wの不純物を除去するためフィルタ 30 が備えられ、加熱槽 12には治療によって液体 W内に生ずる雑菌の繁殖を防止する ため殺菌用の UV燈 34が備えられて 、る。
[0204] 治療槽 10と加熱槽 12の間は、連通管 32によって接続され、治療槽 10から加熱槽
12への流量と加熱槽 12から治療槽 10への流量にアンバランスが生じても治療槽の 10の水位を安定に保つことができるようにして!/、る。
[0205] 循環ライン 20には液体 Wを供給する給水ライン 40が接続されており、最初の温液 体の治療槽 10および加熱槽 12への給水と、治療時の冷液体の給水による液体 Wの 冷却に使用する。供給される温液体の温度は 40°C程度、冷液体の温度は 5〜20°C 程度を想定しており、最初の給水は電動バルブ (4)と (8)を介して温液体を直接供 給し、治療時の液体 Wの冷却は電動バルブ (6)、(7)を介して温液体と冷液体を温 調弁 42で混合し、適当な温度とした冷却液を電動バルブ (8)を介して供給する。
[0206] 給水温度は温度センサ 66で計測され、給水流量は流量センサ 74で計測される。
[0207] また、治療槽 10、加熱槽 12、給水ライン 20から液体 Wを排水する排水ライン 50を 備え、それぞれ治療槽 10からは電動バルブ(1)を介して、加熱槽 2からは電動バル ブ(2)を介して、給水ラインからは電動バルブ(5)を介して、液体 Wが排水される。
[0208] 治療槽 10からの排水量は流量センサ 76で、加熱槽 12からの排水量は流量センサ
78でそれぞれ計測される。
[0209] 液体 Wは、長時間の浸漬によって患者の皮膚がふやける等の弊害を抑制するため 、人間の体液に近い 0. 85%〜0. 95%の塩分濃度を有する塩水を使用する。この ため、温液体や冷液体の供給ラインには専用タンクを設け、ここで濃度調整や温度 調整を行って給水ライン 40に供給するようにしてもよい。また、生理的食塩水や生理 的塩類溶液を使用してもょ ヽ。
[0210] 上記制御装置 (D)としては、各センサ信号を取込み、ヒータ 14と冷却ファン 16およ び各電動バルブを作動させるコントローラ 80と、コントローラ 80に対して制御指令を 与えるコンピュータ 82とを備える。コントローラ 80は、温度センサ 60および 64の信号 をもとにヒータ 14と冷却ファン 16を作動させて、液体 Wをコンピュータ 82から指定さ れた設定温度に制御する機能を有する。また、コントローラ 80は水位センサ 68、流
量センサ 74、 76、 78の信号をもとに電動バルブ(1)、 (2)、 (4)、 (6)、 (7)、 (8)を作 動させて、温液体を治療槽 10および加熱槽 12に所定水位まで給水する機能と、液 体 Wを所定温度の冷却液と所定量置換してコンピュータ 82から指定された設定温度 まで冷却する機能とを備える。
[0211] コンピュータ 82は、表示装置 83と入力装置 84を備え、コントローラ 80から受信した 各センサ情報を表示装置 83に表示して医師等に対してガイダンスを与えるとともに、 入力装置 84から入力された治療条件に基づき、コントローラ 80に対して制御指令を 与え、一連の治療処理を行う。酸化還元電位または pH、および Zあるいは他のパラ メータは、適宜治療前、中および Zまたは後に測定することによって、治療パラメータ (例えば、加温条件、状態、長さ)などを変更、修正することができる。
[0212] 図 2に本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置の本体機構の正面図解図を、 図 3に同本体機構の側面図解図を示す。
[0213] 治療槽 10には、患者を乗せるベッド 100と、ベッド 100を治療槽内で昇降させて患 者を液体に浸漬させたり、脱出させたりするための昇降ベース 102·昇降アーム 104 'ローラ 106 ·昇降用モータ 108からなる昇降機構と、ベッド 100を搬送台車 120と治 療槽 10の間で水平移動するためのスライドレール 110 ·下車輪 112 ·上車輪 114から なる移送機構とを備える。ベッド 100は、患者を長時間液体に浸漬させるため、最も 楽な体位を取れるように、腰の角度'足の角度'首の角度を調節できる体位調節機構 を有する。
[0214] また、腕に点滴を行う等のため、腕を乗せる台を備える。
[0215] 治療槽 10は、治療槽全体を覆う外蓋 90と、液体 Wの液面を覆う内蓋 96とを備える 。外蓋 90は、図 4のように開閉可能なスライド式としており、患者が液体 Wに浸漬して V、る間は治療槽全体を覆 、、患者の液体 Wから露出した部分力 の熱の拡散を抑え 、深部体温の昇温時間を短縮するとともに、治療中の深部体温の安定化を図る。外 蓋 90は、治療中に患者を観察できるように透明樹脂で形成され、医師等が手技を行 えるように窓 92を備える。窓 92は、可撓性を有する保温カバー 94で覆われており、 保温カバー 94で覆いながら手技をすることで熱の拡散をできる限り抑えるようにして いる。
[0216] また、内蓋 96は、フロート式の断熱材で、患者を液体 Wに浸漬させた後、液体表面 を覆うようにセットする。これにより、液体 Wの保温性が高まり、更に短時間の体温上 昇と、治療中の体温の安定ィヒが図れる。
[0217] 図中、 88は制御装置を収容した制御盤であり、コントローラ 80、コンピュータ 82、表 示装置 83、入力装置 84を収容する。その他、制御盤 88にはヒータやポンプ等を駆 動する動力盤、各種センサの信号処理等を行う電子回路盤、各種コントローラの指 示計器、異常確認燈等を備える。
[0218] 患者を液体 Wに浸漬した後、患者の頭部には頭部冷却装置 130がセットされる。こ れは、治療中に頭部の温度が高くなりすぎた場合に、患者を保護するために頭部を 冷却するものである。ここでは頭部の温度が 39°C以上であって 0. 1°Cきざみで任意 の目的温度を超えたときに頭部冷却装置を作動させるようにした。
[0219] 頭部冷却装置 130は、例えば患者の頭部をへルメット状のもので覆 、、その中に 3 5°C程度の冷却水を流すことで必要な冷却効果を得ることができる。また、患者の頭 部の体温は、直接頭部に深部体温センサを取付けて計測するようにしてもよいが、患 者の頸動脈部と頸静脈部に深部体温センサを取付けて、頭部に流入する血液の温 度と頭部力も流出する血液の温度を計測し、両者の平均値を用いるようにしてもょ 、 。尚、頭部冷却装置 130は、前述の方法によって計測される頭部の体温を一定温度 となるように、冷却水の温度または流量をコントロールするようにしてもよい。このように すれば、頭部に転移するがん細胞やウィルスに対しての治療効果を損なうことなぐ 全身の温熱治療が行える。
[0220] また、患者を液体 Wに浸漬させる際に、患者の特定の患部を更に高い温度に加温 する部分加温装置(図示省略)を取付けてもよい。これにより、例えば全身の体温を 治療温度に保持しながら、特定の患部の深部体温を治療効果温度プラス侵襲のな い範囲で 0. 1°Cきざみで加温することで、非侵襲的に全身に転移するがんや難治性 感染症を治療しつつ、特定の患部のがん細胞や細菌を効果的に死滅させることがで きる。更に、特定の患部の深部体温を全身の体温より高い温度に加温することで、全 体の治療時間を短縮したり、全身の体温をより低い温度で治療したりすることが可能 となり、患者にとってより負担の少ない全身温熱治療を実現できる。
[0221] 部分加温装置は、例えば断熱部材カもなるパッドを患部に固定し、中央部の体表 面側に温液体を流すことにより実現できる。これは、断熱材で熱流を遮断することで 深部体温が近似的に体表面温度と等しくなることを応用したもので、ノ^ドの中心に 温度センサを設け、これが温水の温度を制御することで、特定患部の深部体温を必 要な治療温度に加温できる。
[0222] (患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための患者の治療温度を特定する手段 )
本明細書中で使用される場合、治療温度は、上述のように生体の酸ィ匕還元電位ま たは pHによって決定される他、 a)患者の血中の hsp72の発現量と機能、 b)患者の血 圧の変化、 c)患者の心拍数、 d)患者の血流量、 e)患者の血液の pH、 1)患者の血中の HLAの発現量、 g)患者の血中のリンパ球数などの変化を参酌して決定することがで きる。「治療温度」は、直腸温より 4〜5°C高ぐ好ましくは 4. 5°C高い設定が使用され 、一般的には、 39°C± 1. 0°Cの範囲にあり、それぞれの個体および個体の健康状 態に依存して異なる。この患者の体温は、例えば、腋下、舌下、直腸、皮下深部、動 脈内、鼓膜および食道などにおいて測定され得る。患者の体温は、好ましくは、舌下 および直腸において測定され得、最も好ましくは、直腸において測定され得る。
[0223] 患者を徐々に加温していくと、治療温度前後において、以下のような変化が生じる
[0224] hsp72の発現量は、体温が治療温度に到るまで次第に増加し、体温が治療温度を 超えると減少する。血圧は、体温が治療温度に到るまで次第に増加し、体温が治療 温度を超えると減少する。心拍数は、体温が治療温度に到るまで次第に増加し、体 温が治療温度を超えると減少する。
[0225] 血流量は、体温が治療温度に到るまで次第に増加し、体温が治療温度を超えると 減少する。
[0226] 血液 pHは、体温が治療温度に到るまで減少する場合は、体温が治療温度を超え ると増加し、体温が治療温度に到るまで増加する場合は、体温が治療温度を超える と減少する。 pHは、酸化還元電位と一対一対応しており、治療パラメータを決定する 重要な因子であることが明らかになった。
[0227] HLAの発現量は、体温が治療温度に到るまで次第に増加し、その後プラトーに達 する。
[0228] インビトロで上記パラメータが変化する温度と、インビボで上記パラメータが変化す る温度とがほぼ一致していることが、予想外にもわ力つた。従って、インビボでの上記 ノ メータ変化をわざわざ観察する必要がな 、。患者の治療温度を特定することは、 患者力 採取した末梢血白血球をインビトロで温度を可変にすることにより産生され る、 hsp72または HLA、細胞の大きさ、細胞の密度を指標として行われる。
[0229] 本明細書中で使用される場合、「hsp」とは、熱ショックタンパク質を指す。 hspは、細 胞ゃ個体が平常温度より高い温度変化を受けた時に合成が誘導されるタンパク質群 の総称である。代表的な hspとしては、 hsp72以外に、例えば、 hsp70、 hsp90、 hsp 10、 hsp27、 hsp40、 hsp47、 hsp60、 hsp73、 hspl lO、ュビキチンおよび hsp26 などが挙げられるが、これらに限定されない。
[0230] 本明細書中で使用される場合、「HLA」とは、ヒト白血球抗原を指す。 HLA抗原は 、クラス I抗原とクラス Π抗原の 2群に大別される。クラス I抗原としては、例えば、 HLA A、 HLA— B、 HLA— C、 HLA— E、 HLA— F、 HLA— Gなどが挙げられる。クラ ス I抗原は、ほとんどすべての有核細胞上に発現している。クラス I抗原は、細胞内で 産生されるペプチドと複合体を形成し、その複合体を、 CD8陽性細胞傷害性 T細胞 の抗原特異的 T細胞受容体に提示する。クラス II抗原としては、例えば、 HLA-DR 、 HLA— DQ、 HLA— DPなどが挙げられる。クラス II抗原は、マクロファージ、 B細 胞、活性化 T細胞、榭状細胞、胸腺上皮細胞などの細胞上でのみ発現し、外来抗原 由来ペプチドを CD4陽性ヘルパー T細胞に提示する。クラス II抗原は、抗原提示の ほかにも胸腺での T細胞の正の選択および負の選択にも関与していることが公知で ある。
[0231] (末梢血白血球における hsp72および HLAの発現を検出および定量するアツセィ )
末梢血白血球における hsp72発現は、従来のウェスタンブロット法、 ELISA、リア ルタイム RT—PCR法、ノーザンブロット法などを使用することによって、検出および 定量することが可能である。このために必要な末梢血細胞数は、当業者によって容
易に決定される力 好ましくは、 8 X 105〜: LO X 105細胞である。末梢血白血球細胞 膜上での HLA発現は、従来の FACS分析、蛍光顕微鏡などを使用することによって 、検出および定量することが可能である。このために必要な末梢血細胞数は、当業 者によって容易に決定される力 好ましくは、 5 X 105〜: LO X 105細胞である。
[0232] 上記患者の治療温度を特定する手段 (A)は、制御装置 (D)に直接接続して、リア ルタイムで患者の治療温度の信号を制御装置へ入力するようにしてもよぐあるいは 制御装置と分離し、または間接的に治療温度の信号を制御装置へ入力するようにし てもよい。
[0233] 患者の治療温度を特定するための昇温プログラムは、例えば、以下の点を留意し て作成される。
[0234] チャンバ一 (湯温)と体温の差が大きい場合は、昇温速度は速ぐチャンバ一 (湯温
)と体温の差が小さい場合は、昇温速度は遅くなるように設定する。
[0235] 直腸温度の上昇が急に速くなるポイント(体表からの浸潤温度と血液循環による温 度上昇が一致する点)から、比熱の小さい温度制御に切り替える。
[0236] 目的温度より少し低 、温度 (例えば、目的直腸温度が 42. 0°Cの場合、湯温度は 4
1. 8°C)を維持する。この理由は、熱たまり(予熱)効果の利用である。湯温は 41. 8
°Cであるが、直腸温度は 42. 0°Cになる。
[0237] 保持時間は、体表面温度から湯温への温度差による放熱の速度(1)と、直腸温度 の上昇加速 (2)とのバランスを考慮する。湯温を低く設定する場合は、速度(2)が速 度(1)より高!、ときである。時間の経過にっ 、れて速度(1)と速度(2)のバランスが、 均衡力も逆転することになる。この場合は、速度(1)を抑えるために湯温を加温しても よ!、し、予め逆転しな 、よう速度(2)を強めてぉ 、てもよ 、。
[0238] このように、チャンバ一 (湯温)と体温の差を基に、速度(1)と速度(2)のバランスを 計算により調節して、温度調節をする。
[0239] 上記本体機構の治療開始から、治療終了までの一連の動作を説明すると、例えば
、次のようになる。
[0240] はじめに、該患者の温熱治療効果を最大に発揮させるための該患者の治療温度を 特定する。患者の治療温度を特定する手段 (A)が、患者から採取した末梢血白血球
をインビ卜口で温度を可変にすることにより産生される hsp72、 hsp70、 90、 10、 27、 40、 47, 60, 73, 110, 26及び HLAを旨標として行われること力 ^好まし!/、。この場 合、具体的には、患者の血液(2— 3ml)を採取し、図 16に示すように、温度を変える ことにより、 hsp72の産生量が大きく変化する点を、患者の治療温度 (セットポイントと もいう)とする。このようにして、患者個々の至適加温条件を決定し (つまりインビボの 加療プログラムの作成ができる)、この加温効果のシミュレーションに基づいて、上記 制御装置を制御する。
[0241] (温熱治療効果の判定)
本発明の温熱治療による各種疾患の治療効果は、肉眼または内視鏡による視認、 視認、 CT MRI、 X線等の画像、免疫組織ィ匕学的解析によって判定される。場合に よっては、各種の公知腫瘍マーカー発現量のモニタリングなどを複合的に用いる場 合もある。
[0242] (患者の温熱治療)
治療開始時は、まず搬送台車 100上で患者に場合により麻酔を施し、体温の昇温 が可能な状態になったら、外蓋 90を開け、患者を乗せたベッド 100をスライドレール 110によって昇降ベース 102に移送する。次に、直腸体温センサ 62等の生体モニタ 用のセンサを患者にセットし、必要に応じて人工呼吸器、点滴等、部分加温装置を 患者に取付けた後、昇降モータ 106によって昇降アーム 104を折り畳んでベッド 100 を下降させ、患者を液体 Wに浸漬させる。最後に、頭部冷却装置 130を患者にセット し、内蓋 96をセットし、外蓋 90を閉じる。
[0243] 治療終了時は、まず外蓋 90を開け、内蓋 96を除去する。
[0244] 次に、昇降モータ 106によって昇降アーム 104を伸張してベッド 100を上昇させ、 患者を液体 Wから脱出させる。最後に、患者を乗せたベッド 100をスライドレール 11
0によって搬送台車 120に移送する。
[0245] 次に、コントローラ 80による液体の温度制御について説明する。
[0246] 本実施形態では、加熱槽 12にはヒータ 14として容量の異なるラインヒータを複数本 備え、これと冷却ファン 16とによって、液体 Wの精密な温度コントロールを行うように している。
[0247] 図 5に本発明の一実施形態に力かる温熱治療装置の温度制御アルゴリズムの例を 示す。これは、小動物の臨床試験用として製作した温熱治療装置に使用したもので ある。この場合、治療槽容量は 200リットル、加熱槽容量は 216リットルであり、 3. 0K W、 1. 0KW、 0. 5KWの 3種類のヒータと冷却ファンを用いた。
[0248] 図のように、一定のサイクルタイムの経過を待って液体温度を計測し、液体温度が 設定温度より 0. 3°C以上低いときはすべてのヒータを ONとし、冷却ファンを OFFとす る。
[0249] 液体温度が設定温度より 0. 2°C以上低いときは 3. 0KWのヒータを OFF、 1. 0KW と 0. 5KWのヒータを ON、冷却ファンを OFFとする。液体温度が設定温度より 0. 05 °C以上低いときは 3. 0KWと 0. 5KWのヒータを OFF、 1. 0KWのヒータを ON、冷却 ファンを OFFとする。液体温度が設定温度より 0. Ore以上低いときは 3. 0KWと 1. 0KWのヒータを OFF、 0. 5KWのヒータを ON、冷却ファンを OFFとする。その他の 場合は、すべてのヒータを OFF,冷却ファンを ONとする。
[0250] このように、現在の温度と設定温度(目標温度)の差に応じて通電するヒータの容量 を変更することで、液体温度を約 30分で 5°C昇温でき、かつ設定温度に対して 0. 05 °C以内の精度で保持できることが確かめられた。
[0251] 人間用の温熱治療装置では、治療槽容量は約 800リットル、加熱槽容量は約 300 リットルとなる力 ヒータ容量を上記の約 3倍にすることで、同等の温度制御が実現で きると考えられる。
[0252] 尚、上記実施形態では、ヒータ 14には容量の異なる複数のヒータを用い、温度差に 応じて通電するヒータを切替えるようにした力 本発明はこれに限定されるものではな く、単一のヒータを用いて、例えばパルス通電し、そのデューティを変えることで実質 的に容量を切替えるようにしてもよぐ同様の効果を奏する。
[0253] 循環流を治療槽 10内に拡散するための攪拌ノズルは、図 2、図 3に示すように治療 槽 10内の液面ほぼ中央の両側に 6個ずつ計 12個を備え、循環流を下向きに噴射し て、底面で反射して対流するようにしている。これにより、治療槽内の温度偏差は極 めて微小に抑えられ、浸漬中の患者にも直接循環流が当たらないため不快感を生じ ない。温度制御の場合と同様に、小動物の臨床試験用に製作した治療装置で治療
槽内の温度偏差を測定した。その結果、循環流量を 40リットル Z分以上にすると、 4 2°C〜44°Cにお!/、て最大温度偏差は 0. 05°C未満であることが確認された。
[0254] また、循環水量を 50リットル Z分以上とすると液面にさざなみを生じ始めるので、人 体に違和感を生じないためには、これ以下とするのが望ましいと考えられる。この場 合の治療槽の容量は 200リットルであることから、 1分当たりの循環流量の最適範囲 は治療層の容量の 20%〜25%が最適と考えられる。
[0255] このように、 1分当たりの循環流量を治療槽の容量の 20〜25%にすることで、人間 に違和感を与えることなく液体の温度偏差を 0. 05°Cに抑えることができる。従って、 前述の温度制御精度とあわせて治療槽内の液体の温度を 0. 1°Cの精度で均一に保 持できるので、患者の深部体温を 0. 1°Cの精度で均一に加温する温熱治療が実現 できる。
[0256] 図 6に本発明の一実施形態にかかる温熱治療装置の生体管理装置の概観を示す
[0257] 全身温熱治療にお!ヽては、体温を昇温するため、必要に応じて、患者に対して麻 酔を施し、及び呼吸を確保するための人工呼吸器を装着する。このため、生体管理 装置には患者の心拍数、呼吸数、血圧等をモニタする生体モニタ 200と、患者に対 して麻酔を施すための麻酔装置 210と、麻酔中の呼吸確保のための人工呼吸器 22 0とを備える。
[0258] この生体モニタの情報は、コンピュータ 82に取込み、表示装置 83に表示するととも に、これらの情報に基づいて治療条件を変更するようにしてもよい。例えば、心拍数 が所定数を超えたときは、状況に応じて後述の昇温レートを下げたり、昇温を中止し たりするようにしてもよぐ緊急時には自動的に一定の体温まで降温させるようにして ちょい。
[0259] 上記実施形態では、液体を加熱する加熱手段としてラインヒータを用いたが、本発 明はこれに限定されるものではなぐラバーヒータ等を使用してもよぐガスボイラを使 用してもよい。その他、加熱槽 12または循環ライン 20上に熱交換器を設けて温液体 によって熱交換する方法や、液体を温液体と直接置換する方法等、あらゆる加熱手 段が適用でき、同様の効果を奏する。
[0260] 上記実施形態では、液体を冷却する冷却手段として冷却液を循環ラインに注入す る方法を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなぐ液体 Wを充分に循環 させながら加熱槽 12または治療槽 10に直接冷却液を注入するようにしてもよい。そ の他、加熱槽 12または循環ライン 20上に熱交換器を設けて冷液体と熱交換する方 法、圧縮冷媒ガスを用いた冷凍機を使用する方法、ペルチェ素子を用いた電子冷却 装置を使用する方法等、あらゆる冷却手段が適用でき、同様の効果を奏する。
[0261] 上記実施形態では、患者の深部体温は直腸温度センサ 62によって計測するとして 説明したが、本発明はこれに限定されるものではなぐ鼓膜温度センサを用いたり、 排尿器を取付けて膀胱温度を測定するようにしてもよぐこれらを併用するようにして も、同様の効果を奏する。
[0262] 上記実施形態では、治療槽 10とは別に液体を加熱する加熱槽 12を設ける 2槽式 について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなぐ加熱槽 12を設けず 1 槽式とし、循環ライン上に加熱用のヒータを設けるようにしてもょ 、。
[0263] 図 7に本発明の他の実施形態にカゝかる 1槽式の温熱治療装置のシステム構成を示 す。各構成要素のうち、前記実施形態と同じ番号のものは同等のものである。このよう な 1槽式の温熱治療装置でも、治療槽 10に複数の攪拌ノズル 24を設けて、循環ライ ン 20によって所定の流量を治療槽 10に循環させ、前述のヒータ制御を行うことによつ て、治療槽 10内の液体温度を 0. 1°Cの精度で均一に保持できることが確かめられて いる。
[0264] また、上記実施形態で示した体位調節機構、昇降機構、移送機構は、一実施形態 として示したものであり、それぞれ患者の体位を調節でき、患者を治療槽内で昇降で き、患者を治療槽と搬送台車間で移送できるものであればどのような機構であっても よぐ同様の効果を奏することは言うまでもない。
[0265] 次に、本発明の温熱治療装置の治療制御機能について述べる。図 8に本発明の一 実施形態にかかる温熱治療装置の制御装置による治療制御フローを示す。
[0266] 最初に、治療槽 10と加熱槽 12に所定量の液体 Wを注入する(S100)。注入が完 了すると、液体 Wを浸漬温度 (例えば、 40°C)まで加熱する(S200)。液体温度が浸 漬温度になったら、患者を浸漬させる(S300)。患者の浸漬が完了したら、患者の深
部体温を上げる昇温処理を行う(S400)。患者の深部体温が設定された治療温度に なったら、所定の治療カロリーとなるまで患者の深部体温を保持する保温処理を行う (S500)。設定された治療時間が経過したら、治療を終了して患者の深部体温を下 げる降温処理を行う(S600)。患者の深部体温が脱出体温以下になったら、患者を 脱出させる(S700)。最後に、液体 Wの排水(S800)、治療槽 10等の洗浄 (S900) を行って、一連の治療制御を終了する。
[0267] 図 9に昇温処理(S400)の第 1実施例に力かる処理フローを示す。本昇温処理は、 液体温度をあら力じめ設定した昇温レート ATwaで昇温するものである。最初に、所 定のサイクルタイムの経過を待つ(S402)。サイクルタイムは、深部体温センサの応 答時間等により決定される。本処理では、このサイクルタイムが単位時間となるため、 昇温レート ATwaはこのサイクルタイムあたりの液体上昇温度を設定する。
[0268] サイクルタイムが経過したら、深部体温を計測し (S404)、計測された深部体温から 所定時間後の深部体温を予測する(S406)。深部体温の予測は、前回の測定値と の差力 直線近似によって求めるようにしてもよぐ 3つ以上の深部体温計測値から 高次近似するようにしてもょ ヽ。
[0269] 予測する時間は、液体温度による患者の体温の応答時間等に基づ 、て決定する。
以下の深部体温の予測は、すべて同様の処理によって行う。次に、求められた予測 体温を治療温度と比較し (S408)、まだ治療温度に達していない場合は液体温度を 計測し (S410)、計測された液体温度が最大液体温度 Tmaxを超えない範囲で設定 温度に ATwaをカ卩算する(S414)。ここで、 Tmaxは液体温度を上げ過ぎないように するものであって、通常は 45°C以下に選ばれる力 患者の深部体温と液体温度の温 度差を一定の温度で制限するようにしてもよい。このようにすれば、患者が体温と液 体温度の差によって生ずる温度痛を減少させることができ、より安全に昇温できる。
[0270] 以上の処理を S402から繰返し、 S408で予測温度が治療温度に達したら治療温 度に所定のオフセット Toを加えた温度を設定温度とし (S416)、液体 Wを所定量の 冷却液と置換して液体温度を当該設定温度に冷却する液体冷却を行 、 (S418)、 昇温処理を終了する。ここで、オフセット Toは深部体温を治療温度に保持するため に必要な液体温度と深部体温の温度差であり、本温熱治療装置および患者の代謝
によって失われる熱量を考慮して定める。
[0271] 液体 Wと冷却液の置換による液体冷却は、治療槽 10と加熱槽 12と循環ライン 20の 合計液体量と現在の液体温度と冷却液温度から必要な液体置換量を計算し、流量 センサ 76、 78を監視しながら排水ノ レブ(1)、 (2)を開けて所定量液体 Wを排水し、 流量センサ 74を監視しながら給水バルブ (8)を開けて同量の冷却液を給水すること で行う。ここで、温液体と冷液体を温調弁 42で混合した冷却液温度は、給水開始当 初は誤差があるため、一定時間排水バルブ(5)を開けて排水した後に温度センサ 66 で計測するようにしている。以下の液体冷却はすべて同様の処理によって行う。
[0272] 図 10に昇温処理(S400)の第 2実施例に力かる処理フローを示す。本昇温処理は 、患者の深部体温と液体温度の温度差を一定に保ちながら昇温するものである。最 初に、深部体温の温度上昇レートを求めるための初期値として、深部体温を計測し、 これを前回体温とする(S420)。
[0273] 第 1実施例と同様に、サイクルタイムの経過を待ち(S422)、深部体温の計測(S42 4)、深部体温の予測(S426)を行う。予測体温を治療温度と比較して (S428)、まだ 治療温度に達して 、な 、場合は、設定温度に計測された深部体温と前回体温の差 をカロえ(S430)、計測された深部体温を前回体温にセットして(S432)、 S422から繰 返す。 S428で、予測体温が治療温度に達したら、第 1実施例と同様に、治療温度に 所定のオフセット Toを加えた温度を設定温度とし (S434)、当該設定温度に液体冷 却し(S436)、
昇温処理を終了する。
[0274] 図 11に昇温処理(S400)の第 3実施例に力かる処理フローを示す。本昇温処理は 、患者の深部体温をあら力じめ設定した昇温レート ATbaで昇温するものであり、深 部体温の上昇が Δ Tbaより Δ Tbal以上小さ 、場合は液体温度を Δ Twaaだけ上げ、 深部体温の上昇が Δ Tbaより Δ Tbau以上大き 、場合は液体温度を Δ Twadだけ下 げる。 ATbaは、第 1実施例と同様にサイクルタイムあたりの深部体温上昇温度を設 定する。最初に、深部体温の温度上昇を求めるための初期値として、深部体温を計 測し、これを前回体温とする(S440)。第 1実施例と同様にサイクルタイムの経過を待 ち(S442)、深部体温の計測(S444)、深部体温の予測(S446)を行う。予測体温を
治療温度と比較して(S448)、まだ治療温度に達していない場合は、深部体温と前 回体温の差を Δ Tba— Δ Tbalと比較し(S450)、前者深部体温の差の方が小さ!/ヽ 場合は液体温度を計測し (S452)、液体温度が Tmaxを超えない範囲で設定温度を ATwaaだけ上げる(S456)。深部体温の差の方が大きいか等しい場合は、更に深 部体温と前回体温の差を Δ Tba + ATbauと比較し(S458)、深部体温の差の方が 大き 、場合は設定温度を Δ Twadだけ下げ、当該設定温度に液体冷却する(S462 ) oその他の場合は何も行わない。以上の処理を S442から繰返し、 S448で予測体 温が治療温度に達したら、第 1実施例と同様に、治療温度に所定のオフセット Toを 加えた温度を設定温度とし (S464)、当該設定温度に液体冷却し (S466)、昇温処 理を終了する。
[0275] 図 12に保温処理(S500)の実施例に力かる処理フローを示す。最初に、サイクル タイムの経過を待ち(S502)、深部体温の計測(S504)、深部体温の予測(S506)を 行う。予測体温を治療温度 + ATbcu (治療温度偏差上限)と比較し (S508)、予測 体温が大き!/、場合は設定温度を Δ Twcd (治療時液体微小冷却温度)だけ下げ (S5 10)、当該設定温度に液体冷却する(S512)。予測体温が小さいか等しい場合は、 更に予測温度を治療温度一 ATbcl (治療温度偏差下限)と比較し (S514)、予測体 温がこれより小さい場合は設定温度を ATwcaだけ上げる(S516)。最後に、治療時 間が経過した力否かを判断し(S518)、治療時間が経過していないときは S502から 繰返し、治療時間が経過したときは保温処理を終了する。なお、上記実施例では S5 08で予測体温が大きい場合は、設定温度を Δ Twcd下げるとともに、 S512で液体 冷却するとしたが、微小な温度範囲で制御する場合は液体冷却を行わず、設定温度 を下げるだけでよい。この場合でも、自然放熱と冷却ファンによる冷却によって液体 温度は下がるので、同様の効果を奏する。
[0276] 図 13に降温処理(S600)の第 1実施例に力かる処理フローを示す。本降温処理は 、液体温度をあらかじめ設定した昇温レート ATwdで降温するものである。 ATwdは 、同様にサイクルタイムあたりの液体下降温度を設定する。最初に、サイクルタイムの 経過を待ち(S602)、深部体温を計測し (S604)、計測された深部体温を設定された 脱出温度と比較する(S606)。計測された深部体温が脱出体温より大きい場合は、
液体温度を計測し (S608) ,液体温度が Tminを下回らな 、範囲で設定温度を Δ T wdだけ下げ(S612)、当該設定温度に液体冷却する(S614)。ここで、 Tminは液体 温度を下げ過ぎな 、ようにするものである力 患者の深部体温と液体温度の温度差 を一定の温度で制限するようにしてもよい。このようにすれば、患者が体温と液体温 度の差によって生ずる温度痛を減少させることができ、より安全に降温できる。以上の 処理を S602から繰返し、 S606で深部体温が脱出体温以下となったら終了する。
[0277] 図 14に、降温処理(S600)の第 2実施例に力かる処理フローを示す。本降温処理 は、患者の深部体温をあら力じめ設定した降温レート ATbdで降温するものであり、 深部体温の下降が所定の降温レートより ATbdl以上小さい場合は液体温度を ATw ddだけ下げ、深部体温の下降が所定の降温レートより ATbdu以上大きい場合は液 体温度を ATwdaだけ下げる。 ATbdは、同様にサイクルタイムあたりの深部体温下 降温度を設定する。
[0278] 最初に、深部体温の温度上昇を求めるための初期値として、深部体温を計測し、こ れを前回体温とする(S620)。サイクルタイムの経過を待ち(S622)、深部体温を計 測し (S624)、計測された深部体温を設定された脱出温度と比較する(S626)。計測 された深部体温が脱出体温より大き!/ヽ場合は、前回体温と計測された深部体温の差 を ATbd— ATbdlと比較し(S628)、深部体温の差の方が小さい場合は液体温度を 計測し(S630)、液体温度が Tminを下回らない範囲で、設定温度 ATwddだけ下 げ、当該設定温度に液体冷却する(S636)。深部体温の差の方が大きいか等しい場 合は、更に前回体温と計測された深部体温の差を ATbd+ ATbduと比較し(S638 )、深部体温の差の方が大きい場合は設定温度を ATwdaだけ上げる。その他の場 合は、何も行わない。以上の処理を S622から繰返し、 S626で深部体温が脱出体温 以下となったら終了する。
[0279] 以上のような、昇温処理(S400)、保温処理(S500)、降温処理(S600)を行うこと により、深部体温と液体温度の関係は図 15のように制御される。以上のような治療制 御処理によれば、昇温時は所定時間後の深部体温を予測して冷却処理をするので 、オーバーシュートを生ずることなく深部体温を設定された治療温度に昇温できる。 また、液体温度を設定された昇温レートで昇温したり、深部体温と液体温度の温度差
を一定として昇温したり、深部体温を設定された昇温レートで昇温したりできるので、 患者に合わせた負担の少ない昇温方法が選択できる。治療時においても、深部体 温の変化力 所定時間後の深部体温を予測して液体温度を制御するので、高!、精 度で深部体温を一定に保持できる。また、降温時も、液体温度を設定された降温レ 一トで降温したり、深部体温を設定された降温レートで降温したりできるので、患者に 合わせた負担の少な!/、降温方法が選択でき、深部体温を無理なく脱出体温に冷却 できる。
[0280] また、昇温時 ·降温時にぉ 、て液体温度や、液体温度と深部体温の差を一定の範 囲を超えな!/、ようにする機能を有するので、患者が体温と液体温度の温度差により受 ける温度痛等のストレスを抑制できる。
[0281] 本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、そ の全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援 用される。
[0282] 以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきた力 本発 明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求 の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、 本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に 基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引 用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載さ れているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであるこ とが理解される。
実施例
[0283] 以下の実施例では、各種疾患の実際の治療例を記載する。測定値の→は、治療 前→治療後の数値を示す。
[0284] (実施例 1 A:後天性免疫不全症候群 (AIDS)患者の処置)
本実施例では、 AIDS患者 N. S.氏の処置を行った。
[0285] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0286] 診断は、 AIDSに罹患していることが明らかになり、その 2年後この治療を受けるた めに、診察を受けた。
[0287] 検査結果は以下の通りである。
[0288] 白血球数: 4400/ μ 1
リンパ球(%) :28.6%
リンパ球数: 1258 (Ζ 1)
じ04(7 1):388(1\^110基準では、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)
CD8 (/ μ 1) :614。
[0289] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (41.6°C、 23分 (全身浴)、 57分 (半身浴)) を与えた。ここでは、以下の情報を収集した。
[0290] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血球分画生化学、疾病マーカー、 SpOおよび心拍数。
2
[0291] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0292] 直腸温: 37.7°C
白血球数: 4400Ζ/Π
ジンパ球数: 1258 /zl
じ04(7 1):388(1\^110基準では、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)
CD8 (/ μ 1) :614
SpO :96%
2
心拍数: 92。
[0293] (最高温度到達時)
直腸温: 39.8°C
SpO :97%
2
心拍数: 133。
[0294] (処置後)
白血球数: 5700Ζ /Π
リンパ球数: 1373 (Ζ 1)
: 490 (WHO基準では、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)
CD8 (/ μ 1) : 642
SpO : 97%
2
心拍数: 110。
[0295] ここで、 pHを測定したところ、処置前(pH7. 40)と処置中(pH7. 60)では、処置中 のほうが絶対値が 0. 2高かった。
[0296] (与える温熱療法)
上記から、以下のとおりである。
[0297] 42°Cの全身浴 21分。
[0298] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、この通りの治療を主治医の許 可を得て与えた。
[0299] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、 AIDSであり、 厚生労働省の基準に従い CD4 +の値、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)を収集した。
[0300] 35日目の処置後
白血球数: 4200Ζ /Π
リンパ球数: 2276 (Z 1)
: 632 (WHO基準では、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)
CD8 (Z w l) : 1038
SpO : 97
2
心拍数: 133。
[0301] 1年 3ヶ月の処置後
白血球数: 3970Ζ/Π
リンパ球数: 2199 (Ζ 1)
じ04(7 1):594(1\^110基準では、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)
CD8(Zwl) :1160。
[0302] (結果)
AIDSは、約 1ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。そ のときの免疫学的状態のパラメータについてはほぼ正常値に戻っていた。ウィルス自 体は減少していないものの、 CD4に関して WHO基準で要治療とされる状態から、健 常状態へと戻っていたことが明らかになった。
[0303] 従って、温熱療法を酸化還元状態または pHを指標にして行うことによって治療効 果が最大限に引き出されることが明らかになった。
[0304] (実施例 1B:後天性免疫不全症候群 (AIDS)患者の処置)
本実施例では、 AIDS患者 T. N.氏(女性、妊婦)の処置を行った。
[0305] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0306] 診断は、妊娠の際の検査において HIV感染していることが明らかになり、 AIDS発 症に対し、治療開始を考慮する「閾値である」 CD陽性リンパ球数 350以下に著しく近 づいており危険な状態であることが告げられた。
[0307] (治療前)
直腸温: 37.5°C
pH7.373
pCO :39mmHg
2
ρθ: 28mmHg
2
白血球数: 8400Ζ/Π
赤血球数: 356X104/ 1
血小板: 29.9X104Z 1
リンパ級数: 1798Z 1
顆粒球数: 6250/ /zl
HIV— 1 RNA量: 1.2X103コピー
CD4: 363/^1
CD8:430Z/il。
[0308] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (41.6°C、 23分 (全身浴)、 47分 (半身浴)) を与えた。ここでは、以下の情報を収集した。
[0309] 血液の酸化還元電位(または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0310] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0311] pH:7.373
pCO :39mmHg
2
ρθ: 28mmHg
2
白血球数: 8400Ζ/Π
赤血球数: 356 ( X 10 V μ 1)
血小板数: 29.9(Χ104/ 1)
リンパ球数: 1798 (Ζ 1)
顆粒球数: 6250(Ζ/Π)
HIV— 1RNA量: 1.2X103コピー
じ04(7 1):363(1\^110基準では、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)
CD8 (/ μ 1) :430
SpO :98
2
心拍数: 70。
[0312] (入浴時 +1°C)
直腸温: 38.47°C
SpO :99%
2
心拍数: 99
直腸温 39. 0°Cの時点
直腸温: 39. 00°C
SpO: 100%
2
心拍数: 99
最高温度到達時
直腸温: 39. 28°C
SpO :98%
2
心拍数: 106。
[0313] (処置後)
直腸温: 39. 24°C
pH:7. 446
pCO :28. 9mmHg
2
ρθ: 56mmHg
2
白血球数: 7400Ζ/Π
赤血球数: 395X104/ 1
リンパ球数: 2183Z 1
顆粒球数 {/ μ\) : 4988/ μ 1
HIV- 1RNA量: 1. 2 X 10 V μ 1
:435 (WHO基準では、 200以下が発症、 350以下が治療開始を考 慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。)
CD8 (/ μ 1) :454
SpO: 100%
2
心拍数: 110。
[0314] 治療前と治療中の pHを比較すると、治療中は、治療前より絶対値が 0. 1以上上が つていた。
[0315] (与える温熱療法)
上記から、以下のとおりである。
[0316] 全身浴 22分、半身浴 38分、入浴時温度 42°C。
[0317] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、この通りの治療を複数回主治 医の許可を得て与えた。
[0318] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、 AIDSであり、 厚生労働省の基準に従い CD4 +の値、 WHO基準では、 200以下が発症、 350以 下が治療開始を考慮する閾値である。 500以下は、治療開始危険帯にあるとされる。 )を収集した。
[0319] (2回目(1週間後)の処置後)
pH:7. 409
白血球数 7200Ζ/Π
リンパ球数: 1771//Z1
HIV— 1RNA量: 1. 5X103コピー
CD8(Zwl) :574。
[0320] (3回目(2週間後)の処置後)
pH:7. 374
白血球数 lllOOZ/Π
リンパ球数: 2564Ζ/Π
HIV— 1RNA量: 1. 6X103コピー
CD8 (/ μ 1) :690。
[0321] (結果)
AIDSは、 2週間の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。第 1 回目の治療においても、指針となる「CD4」の値が大きく好転していることが明らかに なった。経過状況において、 CD4値は、サイクルアップで確実に好転し、第 1回治療 後 17日後で、 から 800Z 1へと大幅な改善効果が得られた。
[0322] そのときの酸化還元電位、免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻 つていた。ウィルス自体は減少していないものの、 CD4に関して WHO基準で発症状 態とされる状態から、健常状態へと戻っていたことが明らかになった。
[0323] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0324] (実施例 2: B型肝炎 (HBV)患者の処置)
本実施例では、 B型肝炎患者 N. M.氏(男性、 53歳)の処置を行った。
[0325] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0326] 神経痛の自覚有、 DNAプローブにて、 HBVの感染が発覚した。
[0327] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 24分、全身浴、 36分半身浴)を与 えた。ここでは、以下の情報を収集した。
[0328] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO
2、心拍数および血流量。
[0329] データは以下のとおりである。
[0330] リンパ球数: 2778→3686
舌下温度: 36. 7°C→38. 3°C。
[0331] 治療前と治療中では、治療中の pHは、治療前に比べて、約 0. 1以上絶対値が高 くなつていた。
[0332] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 24分、全身浴、 36分半身浴。
[0333] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°C、 24分、全身浴、 36分半身浴。これを、 2週間〜 4週間おき に、 6ヶ月間与えた。
[0334] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、 HBV)を収集
した。
[0335] HBV— DNAプローブ:処置後すぐ: 9. 4 (標準値 0. 7未満)
2ヶ月後: 0. 7未満
5ヶ月後: 0. 7未満。
[0336] (結果)
HBVは、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。そのと きの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。
[0337] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0338] (実施例 3: C型肝炎 (HCV)患者の処置)
本実施例では、 HCV患者 K. T氏(女性、 56歳)の処置を行った。
[0339] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0340] 抗体検査の後、 DNAプローブにて、 HCVの感染が発覚した。
[0341] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 24分、全身浴、 36分半身浴)を与 えた。ここでは、以下の情報を収集した。
[0342] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO
2、心拍数および血流量。
[0343] 治療前と治療中では、治療中の pHは、治療前に比べて、約 0. 1以上絶対値が高 くなつていた。
[0344] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 24分、全身浴、 36分半身浴。
[0345] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°C、 24分、全身浴、 36分半身浴。これを、 2週間〜 4週間おき に、 6ヶ月間与えた。
[0346] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、 HCV)を収集 した。
[0347] HCV—DNAプローブにより調べたところ、 2力月後には、ほぼ HCVが消失してい た。
[0348] (結果)
HCVは、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。そのと きの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。
[0349] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0350] (実施例 4 :糖尿病患者の処置)
本実施例では、糖尿病患者 K. T.氏(男性、 52歳)の処置を行った。
[0351] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。血糖値 力 l81mgZdLと、標準(70—109mgZdL)のおおよそ倍となっていた。
[0352] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 41°C、 46分)を与えた。ここでは、 以下の情報を収集した。
[0353] 血液の酸化還元電位(または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO
2、心拍数および血流量。
[0354] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0355] 直腸温: 36. 91°C
舌下温: 36. 60°C
pH : 7. 339
pCO : 30. OmmHg
2
ρθ : 52. 3mmHg
2
白血球数: 8500Ζ/Π
赤血球数: 487 ( X 1 O μ 1)
血小板数: 15. 6 ( Χ 104/ 1)
リンパ球数(Z 1) :3340.5
顆粒球数(Z 1) :5040.5
血糖値: 157
SpO :99%
2
心拍数: 86。
[0356] (39°C到達時)
直腸温: 39.00°C
SpO :99%
2
心拍数: 138。
[0357] (処置後)
直腸温: 38.15°C
舌下温: 36.50°C
pH:7.507
pCO :76. OmmHg
2
ρθ :31. OmmHg
2
白血球数: 10900Ζ/Π
赤血球数:531( 104/ 1)
リンパ球数(Z l) :4599.8
顆粒球数 (Z 1): 6114.9
血糖値: 177
SpO :99%
2
心拍数: 144。
[0358] (温熱療法)
以下のとおりである。 42°C、 24分全身浴、 36分半身浴。
[0359] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°C、全身浴 23分、半身浴 10〜40分。これを、 1週間〜 2ヶ月
ごとに複数回行った。
[0360] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、糖尿病)を収 集 た。
[0361] (2力月後)
直腸温: 36.74°C
舌下温: 36.50°C
pH:7.361
pCO :52.4mmHg
2
ρθ: 25mmHg
2
白血球数: 7400Ζ/Π
赤血球数: 461 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数 (Z 1): 2967
顆粒球数 (Z 1): 4196
血糖値: 109
SpO :98%
2
心拍数: 69。
[0362] (6力月後)
直腸温: 37.04°C
舌下温: 36.8°C
pH:7.382
pCO :41.25mmHg
2
ρθ :42mmHg
2
白血球数: 7500Ζ/Π
赤血球数: 499 ( X 10 V μ 1)
血小板数: 15.8(Χ104/ 1)
リンパ球数 3233
顆粒球数 (Z 1) : 4080
血糖値: 125
SpO : 98%
2
心拍数: 76。
[0363] (結果)
糖尿病は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。その ときの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。
[0364] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって糖尿病の治療効果 が最大限に引き出されることが明らかになった。
[0365] (実施例 5:前立腺肥大患者の処置)
本実施例では、前立腺肥大患者 N. M.氏(男性)の処置を行った。
[0366] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0367] 痛風をわずらい、高血圧であり、前立腺肥大の症状が見られる。痛風治療のために ァロプリノールを投与し、 AVAPRO (高血圧)および前立腺がんのために FLOMA Xが投与されていた。
[0368] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分 (全身浴 40分))を与えた。ここ では、以下の情報を収集した。
[0369] 血液の酸化還元電位(または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0370] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0371] 直腸温: 36. 6°C
舌下温: 37. 03°C
pH : 7. 344
pCO : 52. 5mmHg
2
ρθ: 30mmHg
2
白血球数: 5000Ζ /Π
赤血球数: 438 ( X 10 V μ 1)
血小板数: 18.3(Χ104/ 1) リンパ球数: 1250Z 1
顆粒球数: 3600 (Ζ 1)
尿酸値: 9.8(mgZdl;標準値 7.0未満) 血圧: 158Z76 (境界値: 140Z85) 前立腺肥大:見られる
SpO :94%
2
心拍数: 84
電位:— 67mV。
[0372] (39°C到達時)
直腸温: 39.00°C
SpO :98%
2
心拍数: 110
電位:— 70mV。
[0373] (最高温度到達時(39.42°C))
直腸温: 39.42°C
SpO :97%
2
心拍数: 88
電位:— 72mV
出浴後
直腸温: 39.35°C
SpO :94%
2
心拍数: 92
電位:— 71mV。
[0374] (処置後)
舌下温: 36.7°C
pH:7.551
pCO :27.2
2
ρθ :32
2
白血球数(Z 1) :5100
赤血球数(Χ104//ζ1) :498
血小板数: 13
リンパ球数 (Ζ 1): 2743
顆粒球数(7 1):2859
血圧: 135Z66
SpO :94%
2
心拍数: 73。
[0375] (標準的な温熱療法)
42°Cで、全身浴 20分、半身浴 40分を行った。
[0376] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°Cで、全身浴 20分、半身浴 40分を行った。これを 5から 7日 に一度行った。
[0377] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、痛風)を収集 した。なお、痛風の指標となる数値は、尿酸値である。
[0378] (1週間後)
舌下温: 37.2°C
pH:7.384
pCO :44.6mmHg
2
ρθ :39mmHg
2
白血球数: 5000Ζ/Π
赤血球数: 399 ( X 10 V μ 1)
血小板数: 11.4(Χ104/ 1)
リンパ球数 (Ζ 1): 1845
顆粒球数 (Z 3744
血圧 172/89
SpO : 98%
2
心拍数: 82。
[0379] (2週間後)
舌下温: 36. 13°C
pH : 7. 389
pCO :42mmHg
2
ρθ: 60mmHg
2
白血球数: 5900Ζ /Π
赤血球数: 436 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数 (Z 1) : 2331
顆粒球数(Z 1) : 3398
血圧 157/89
SpO : 97%
2
心拍数: 70。
[0380] (結果)
前立腺肥大は、 2週間の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った 。そのときの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。
[0381] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0382] (実施例 6 :痛風患者の処置)
本実施例では、痛風患者 N. M.氏(男性)の処置を行った。
[0383] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0384] 痛風をわずらい、高血圧であり、前立腺肥大の症状が見られる。痛風治療のために ァロプリノールを投与し、 AVAPRO (高血圧)および前立腺がんのために FLOMA
Xが投与されていた。
[0385] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分 (全身浴 40分))を与えた。ここ では、以下の情報を収集した。
[0386] 血液の酸化還元電位(または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0387] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0388] 直腸温: 37. 03°C
舌下温: 36. 6°C
pH : 7. 344
pCO : 52. 5mmHg
2
ρθ: 30mmHg
2
白血球数: 5100 (Z 1)
赤血球数: 447 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数: 2509 (Z 1)
顆粒球数: 2387(Ζ/Π)
尿酸値: 9. 8 (mgZdl;標準値 7. 0未満)
血圧: 158Z76 (境界値: 140Z85)
前立腺肥大:見られる
SpO : 94%
2
心拍数: 54。
[0389] (39°C到達時)
直腸温: 39. 00°C
SpO : 98%
2
心拍数: 110
最高温度到達時(39. 42°C)
直腸温: 39. 42°C
SpO :97%
2
心拍数: 88。
[0390] (出浴後)
直腸温: 39.35°C
SpO :96%
2
心拍数: 92。
[0391] (処置後)
舌下温: 36.7°C
pH:7.551
pCO :27.2
2
ρθ :32
2
白血球数(Z 1) :5100
赤血球数( 10 1/ 1) :498
血小板数(X104 1Z 1):13
リンパ球数 (Z 1): 2743
顆粒球数(7 1):2859
血圧: 135Z66
SpO :94%
2
心拍数: 73。
[0392] (標準的な温熱療法)
42°Cで、全身浴 20分、半身浴 40分を行った。
[0393] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°Cで、全身浴 20分、半身浴 40分を行った。これを 5から 7日 に一度行った。
[0394] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、痛風)を収集 した。なお、痛風の指標となる数値は、尿酸値である。
[0395] (最終処置後)
直腸温: 39. 09°C
pH : 7. 535
pCO : 25. 6
2
ρθ : 51
2
白血球数(Z 1) : 5800
赤血球数( X 10 V μ 1): 447
血小板数: 12. 2
リンパ球(%) : 51. 7
顆粒球(%) :45. 6
尿酸値: 9. 8
血圧: 160Z68
前立腺肥大:見られなくなった。
[0396] SpO : 94%
2
心拍数: 68。
[0397] (結果)
痛風は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。そのと きの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。
[0398] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0399] (実施例 7:自己免疫性疾患患者の処置)
本実施例では、自己免疫性疾患患者の処置を行う。
[0400] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は自己免疫疾患と診断されている
[0401] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分間)を与えた。ここでは、以下 の情報を収集する。
[0402] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0403] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 60分間。
[0404] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、上記治療を主治医の許可を得 て与える。
[0405] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、自己免疫性 疾患)を収集する。
[0406] (結果)
自己免疫性疾患は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻 る。そのときの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っている。
[0407] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになる。
[0408] (実施例 8:悪性リンパ腫 (非ホジキンリンパ腫)患者の処置)
本実施例では、悪性リンパ腫患者 T. N.氏(女性)の処置を行った。
[0409] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0410] 病院にて左腎臓がん摘出後、卵巣頸がん、悪性リンパ腫転移、これらを同時に切 除し、 GSSも見られた。このとき、右卵巣は全摘出、左卵巣は一部切除した。抗がん 剤を 4回 1クールを 2回投与している。
[0411] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (41°C、 32分間(全身浴)、 41. 5°C (半身浴 ) 27分)を与えた。ここでは、以下の情報を収集した。
[0412] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0413] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0414] 直腸温: 37.51°C
舌下温: 37.1°C
pH:7.353
白血球数: 4300Ζ/Π
赤血球数: 303 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数: 1023
顆粒球数: 3066 (Z 1)
SpO :99%
2
心拍数: 87。
[0415] (処置後)
直腸温: 39.66°C
舌下温: 39.2°C
pH:7.439
白血球数: 5400Ζ/Π
赤血球数: 310(Χ104/ 1)
血小板数: 13.3(Χ104/ 1)
リンパ球数: 1517 (Ζ 1)
顆粒球数: 3586 (Ζ 1)
SpO :99%
2
心拍数: 108。
[0416] (温熱療法)
以下のとおりである。
[0417] 42°Cで 60分(全身浴 45分)。
[0418] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。
[0419] 5〜7日おきに、 42°Cで 60分 (全身浴 45分)を与えた。
[0420] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、悪性リンパ腫) を収集した。
[0421] (3回目後 (治療開始後 9日後) )
直腸温: 37.43°C→不明
舌下温: 36.9°C→38.8°C
pH:7.325→7.429
pCO :53.5→37.0
2
ρθ :30→77
2
白血球数: 4100Z μ 1→5400/ μ 1
赤血球数: 305→319 ( X 104 1)
血小板数: 12.9→13.7( 104/ 1)
リンパ球数: 1611→2300 (/ μ 1)
顆粒球数: 2210→2765 (/ μ 1)
CA19— 9 (悪性リンパ腫のマーカー): 179.3→194.6
SpO :99%
2
心拍数: 153。
[0422] (6回目後 (治療開始後 1ヶ月))
直腸温: 37.35°C→39.30°C
舌下温: 37.0°C→37.2°C
pH:7.350→7.436
pCO :51.8→38.5
2
ρθ :35→69
2
白血球数: 4100Z μ 1→5300/ μ 1
赤血球数: 303→328 ( X 10 V μ 1)
血小板数: 13.6→16.8(Χ10ソ 1)
リンパ球数: 1181→1802 (/ μ 1)
顆粒球数: 2781→3291 (/ μ 1)
CA19— 9 (悪性リンパ腫のマーカー): 31. 8→34. 1 (標準値 37. 0以下) SpO : 97%→95%
2
心拍数: 85→143
血流量: 4. 2→18. 2。
[0423] (16回目後(2ヶ月後))
舌下温: 36. 7°C→37. 9°C
pH : 7. 212→7. 468
pCO : 68. 8→40. 7
2
ρθ : 50→82
2
白血球数: 4300Z μ 1→5300/ μ 1
赤血球数: 334→368 ( X 10 V μ 1)
血小板数: 14. 9→16. 3 ( Χ 104/ 1)
リンパ球数: 1346→1754 (/ μ 1)
顆粒球数: 2804→3355 (/ μ 1)
CA19— 9 (悪性リンパ腫のマーカー): 25. 4 (標準値 37. 0以下)
SpO : 99%→99%
2
心拍数: 70→158。
[0424] (結果)
悪性リンパ腫は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った 。そのときの酸化還元電位、免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻 つていた。
[0425] 従って、温熱療法を、酸ィヒ還元状態または pHを指標にして行うことによって治療効 果が最大限に引き出されることが明らかになった。
[0426] (実施例 9 :脾臓がん患者の処置)
本実施例では、脾臓がん患者 O. H.氏の処置を行った。
[0427] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。脾臓が ん、およびその肝臓への転移が見られた。
[0428] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分 (うち全身浴 24分))を与えた。 ここでは、以下の情報を収集した。
[0429] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0430] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0431] 直腸温: 36.94°C
pH:7.382
pCO :44. OmmHg
2
ρθ :o7mmHg
2
白血球数(Z/il) :8300
赤血球数: 464 ( X 104 (Z 1) )
リンパ球数(Z l) :4000.6
顆粒球数(Z/il) :4058.7
所見:脾臓がんおよび肝臓がんの転移が見られる
SpO: 100.0%
2
心拍数: 52
血流量: 4.2。
[0432] (39.0°C到達時)
直腸温: 39.00°C
SpO :98.0%
2
心拍数: 82
血流量: 14.5。
[0433] (最大温度到達時)
直腸温: 39.68°C
SpO :99.0%
2
心拍数: 86
[0434] (処置後)
舌下温: 38.1°C
pH:7.501
pCO :30.2mmHg
2
ρθ :o5mmHg
2
白血球数(Z 1) :9700
赤血球数: 476 ( X 10 V μ 1)
血小板数: 21.9(Χ104/ 1)
リンパ球数 (Ζ 1): 2124.3
顆粒球数 (Ζ 1): 7410.8
SpO :99.0%。
2
[0435] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである。 42°Cで 24分全身浴、 36分半身浴。
[0436] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°Cで 24分全身浴、 36分半身浴。これを 5〜7日ごとに複数回 治療を行った。
[0437] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、肝臓がん)を 収集した。
[0438] 治療後の経過
(1力月後)
舌下温: 37.0°C
pH:7.427
pCO :36.8mmHg
2
ρθ :68. OmmHg
2
白血球数(Z 1) :5700
赤血球数:421( 1047 1)
血小板数: 21.5(X104/ 1)
リンパ球数 2171.7
顆粒球数(Z/il) :3290.0
所見:脾臓がんおよび肝臓がんが縮小し、インスリン投与が不要になる。
[0439] (3力月後)
直腸温: 37.18°C
pH:7.434
pCO :38.7mmHg
2
ρθ :68. OmmHg
2
白血球数(Z 1) :7100
赤血球数: 447 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数(Z 1) :2591.5
顆粒球数 (Z 1): 2877.6
所見:脾臓がんおよび肝臓がんが縮小し、インスリン投与が不要になる。
[0440] 治療前には、インスリンの使用をしていた力 3ヶ月後には、インスリンの使用をやめ
、 自己産生するようになった。
[0441] (4力月後)
直腸温: 36.97°C
pH:7.468
pCO :33.4mmHg
2
ρθ :108. OmmHg
2
白血球数(Z 1) :5300
赤血球数: 432 ( X 1 O μ 1)
リンパ球数(Z 1) :2067.0
顆粒球数 :3068.7
所見:脾臓がんおよび肝臓がんが縮小し、インスリン投与が不要になる。
[0442] 4ヶ月後でも、インスリンの使用は必要ではなぐ自己産生が継続されていた。
[0443] (5力月後)
直腸温: 36. 74°C
pH: 7. 411
pCO :43. 3mmHg
2
ρθ : 53. OmmHg
2
白血球数(Z 1) : 7100
赤血球数: 468 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数(Z 1) : 2520. 5
顆粒球数 (Z/ l) :4416. 2
所見:脾臓がんおよび肝臓がんが縮小し、インスリン投与が不要になる。
[0444] 5ヶ月後でも、インスリンの使用は必要ではなぐ自己産生が継続されていた。
[0445] (結果)
脾臓がんは、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。患 者本人もまた、体がすっきりして元気になったとの所見を示した。そのときの免疫学的 状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。治療時に必要であったインス リンの必要は、 3ヶ月目から必要でなくなり、自己産生が始まり、その状態は、現在も 続いている。また、肝臓がんについても治癒していた。
[0446] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0447] (実施例 10 :子宮頸がんの処置)
本実施例では、子宮頸願患者 O. A.氏(女性、 56歳)の処置を行った。
[0448] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0449] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 24分間全身浴、 36分半身浴)を与
えた。ここでは、以下の情報を収集した。
[0450] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0451] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである。 42°C、 24分間全身浴、 36分半身浴。
[0452] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°C、 24分間全身浴、 36分半身浴、 1週間おきに 5週間。
[0453] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、子宮頸願)を 収集した。
[0454] リンパ球数 2140→2156
1週間後: CA125 (子宮頸がん、基準値 35以下) :45. 5
2週間後: CA125 (子宮頸がん、基準値 35以下): 32. 7→26. 2
3週間後: CA125 (子宮頸がん、基準値 35以下): 20. 9→20. 1
4週間後: CA125 (子宮頸がん、基準値 35以下): 16. 9→13. 6。
[0455] (結果)
子宮頸願は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。そ のときの酸化還元電位、免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻って いた。
[0456] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0457] (実施例 11:口腔底がん患者の処置)
本実施例では、口腔底がん患者 K. S.氏(女性、 46歳)の処置を行った。
[0458] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0459] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 24分全身浴、 36分半身浴)を与え
た。ここでは、以下の情報を収集した。
[0460] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0461] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 24分全身浴、 36分半身浴。
[0462] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°C、 24分全身浴、 36分半身浴、 1ヶ月おきに 6ヶ月。
[0463] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、口腔底がん) を収集した。
[0464] リンパ球数: 1734→1928
2ヶ月後: CA125 (口腔底がん、基準値 35以下) : 63→62
4ヶ月後: CA125 (口腔底がん、基準値 35以下) :40. 0→58. 6
5ヶ月後: CA125 (口腔底がん、基準値 35以下): 39. 5
6ヶ月後: CA125 (口腔底がん、基準値 35以下): 16. 1。
[0465] (結果)
口腔底がんは、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。 そのときの酸化還元電位、免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻つ ていた。
[0466] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0467] (実施例 12:膀胱がん患者の処置)
本実施例では、膀胱がん患者 T. T.氏(70歳、男性)の処置を行った。
[0468] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0469] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 24分間全身浴、 36分半身浴)を与
えた。ここでは、以下の情報を収集した。
[0470] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0471] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 24分間全身浴、 36分半身浴。
[0472] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°C、 24分間全身浴、 36分半身浴、 1週間おきに 8週間。
[0473] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、腎臓がん)を 収集した。
[0474] 結果:リンパ球数: 1267→ 1526
1週間後: IAP: 282→253
2週間後: IAP: 280→284
4週間後: IAP: 267→269
8週間後: IAP : 217→210。この時点で、膀胱がん (腫瘍 2個)の消失を確認。
[0475] (結果)
腎臓がんは、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。そ のときの酸化還元電位、免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻って いた。この患者は、悪性リンパ腫をわずらっており、これも改善していた。
[0476] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0477] (実施例 13:高血圧患者の処置)
本実施例では、高血圧患者 N. M.氏(男性)の処置を行った。
[0478] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。
[0479] 痛風をわずらい、高血圧であり、前立腺肥大の症状が見られる。痛風治療のために ァロプリノールを投与し、 AVAPRO (高血圧)および前立腺がんのために FLOMA
Xが投与されていた。
[0480] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分 (全身浴 40分))を与えた。ここ では、以下の情報を収集した。
[0481] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0482] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0483] 直腸温: 36. 6°C
舌下温: 37. 03°C
pH : 7. 344
pCO : 52. 5mmHg
2
ρθ: 30mmHg
2
白血球数:
赤血球数: 447 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数: 2509Ζ/Π
顆粒球数: 2387(Ζ/Π)
尿酸値: 9. 8 (mgZdl;標準値 7. 0未満)
血圧: 158Z76 (境界値: 140Z85)
前立腺肥大:見られる
SpO : 96%
2
心拍数: 54。
[0484] (39°C到達時)
直腸温: 39. 00°C
SpO : 98%
2
心拍数: 110。
[0485] (最高温度到達時(39. 42°C) )
直腸温: 39. 42°C
SpO :97%
2
心拍数: 88
(出浴後)
直腸温: 39.35°C
SpO :96%
2
心拍数: 92。
[0486] (処置後)
舌下温: 36.7°C
pH:7.551
pCO :27.2
2
ρθ :32
2
白血球数(Z 1) :5100
赤血球数(Χ104//ζ1) :498
血小板数( 1047 1):13
リンパ球数 (Ζ 1): 2743
顆粒球数(7 1):2859
血圧: 135Z66
SpO :94%
2
心拍数: 73。
[0487] (標準的な温熱療法)
42°Cで、全身浴 20分、半身浴 40分を行った。
[0488] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°Cで、全身浴 20分、半身浴 40分を行った。これを 5から 7日 に一度行った。
[0489] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、痛風)を収集 した。なお、痛風の指標となる数値は、尿酸値である。
[0490] 最終処置後
直腸温: 39. 09°C
pH : 7. 535
pCO : 25. 6
2
ρθ : 51
2
白血球数(Z 1) : 5800
赤血球数( X 10 V μ 1): 447
血小板数( 104/ 1) : 12. 2
リンパ球(%) : 51. 7
顆粒球(%) :45. 6
尿酸値: 9. 8mg/dl
血圧: 160Z68
前立腺肥大:見られなくなった。
[0491] SpO : 94%
2
心拍数: 68。
[0492] (結果)
高血圧は、 2ヶ月の治療後には、薬の投与をやめたにもかかわらず、治療前の値を 示さず、変化しな力つた。従って、被験体は、ほぼ正常状態に戻った。そのときの免 疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。
従って、酸ィ匕還元状態と高血圧の状態との相関関係が定性的にも指摘された。
[0493] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0494] (実施例 14:潰瘍性大腸炎患者の処置)
本実施例では、潰瘍性大腸炎患者 N. T.氏 (男性)の処置を行った。
[0495] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりであった。潰瘍性 大腸炎、骨粗しょう症を罹患しており、ボナロン、カルシウム剤、ビタミン剤を投与され ていた。
[0496] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 27分全身浴、 33分半身浴)を与え た。ここでは、以下の情報を収集した。
[0497] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0498] 処置前のデータは以下のとおりである。
[0499] 直腸温: 36.75°C
舌下温: 36.56°C
pH:7.336
pCO :52.9mmHg
2
ρθ :34. OmmHg
2
白血球数: 6400Ζ/Π
赤血球数: 494 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数 (Z 1): 1472
顆粒球数(Z/il) :4806.4
潰瘍性大腸炎の所見がみられた。
[0500] SpO: 100%
2
心拍数: 64。
[0501] (入浴時 +1°C)
直腸温: 37.75°C
pH:7.424
pCO :40. OmmHg
2
ρθ :74. OmmHg
2
白血球数: 6000Ζ/Π
赤血球数: 483 ( X 10 V μ 1)
リンパ球数 (Z 1): 1248
顆粒球数 (Z 1): 4644 SpO :98%
2
心拍数: 103。
[0502] (直腸温 39°C)
直腸温: 39.00°C pH:7.429
pCO :40.6mmHg
2
ρθ :108. OmmHg
2
白血球数: 6600Ζ/Π 赤血球数: 509 ( X 10 V μ 1) 血小板数: 17.
リンパ球数(Z 1) :1392.6 顆粒球数(Z/il) :5088.6 SpO: 100%
2
心拍数: 113。
[0503] (最高値到達時)
直腸温: 39.16°C SpO: 100%
2
心拍数: 126。
[0504] (出浴時)
直腸温: 39.12°C SpO :99%
2
心拍数: 107
(処置後)
直腸温: 38.35°C 舌下温: 37.48°C pH:7.383
pCO :44.5mmHg
ρθ : 51. OmmHg
2
白血球数: 6000Ζ/Π
赤血球数: 499 ( X 10 V μ 1)
リンパ球(%) :20. 1%
リンパ球数 (Z 1) : 1206
顆粒球: 78. 4%
顆粒球数 (Z 1) : 4704
心拍数: 85。
[0505] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである。 42°C、 27分全身浴、 33分半身浴。
[0506] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、以下のような治療を主治医の 許可を得て与えた。 42°C、 27分全身浴、 33分半身浴。 5〜7日ごとに 5週間。
[0507] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、潰瘍性大腸 炎)を収集した。
[0508] 治療後の経過
1週間後
直腸温: 39. 40°C
舌下温: 38. 39°C
pH : 7. 376
pCO :40. 4mmHg
2
ρθ : 95. OmmHg
2
白血球数:
赤血球数: 497 ( X 1 O μ 1)
リンパ球数(Z 1) : 1549. 4
顆粒球数(Z/il) :4367.6 SpO :97%
2
心拍数: 109。
[0509] (2週間後)
直腸温: 36.81°C 舌下温: 36.56°C pH:7.336
pCO :52.9mmHg
2
ρθ :34.9mmHg
2
白血球数: 6400Ζ/Π 赤血球数: 494 ( X 10 V μ 1) 血小板数: 15.
リンパ球数 (Z 1): 1472 顆粒球数 (Z 1): 4806 SpO: 100%
2
心拍数: 78。
[0510] (6週間後)
直腸温: 37.04°C 舌下温: 36.24°C pH:7.344
pCO :48.3mmHg
2
ρθ: 34mmHg
2
白血球数: 5900Ζ/Π 赤血球数: 482 ( X 1 O μ 1) 血小板数:
リンパ球数 (Z 1): 1558 顆粒球数 (Zwl):4195 SpO: 100%
心拍数: 87。
[0511] (結果)
潰瘍性大腸炎は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻つ た。そのときの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っていた。
[0512] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになった。
[0513] (実施例 15 :慢性関節リウマチ患者の処置)
本実施例では、慢性関節リウマチ患者の処置を行う。
[0514] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は慢性リウマチであると診断される
[0515] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分間)を与えた。ここでは、以下 の情報を収集する。
[0516] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO
2、心拍数および血流量。
[0517] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 60分間。
[0518] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、上記治療を主治医の許可を得 て与える。
[0519] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、慢性関節リウ マチ)を収集する。
[0520] (結果)
慢性関節リウマチは、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻 る。そのときの免疫学的状態のパラメータについてもほぼ正常値に戻っている。
[0521] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限
に引き出されることが明らかになる。
[0522] (実施例 16:慢性肉芽腫症患者の処置)
本実施例では、慢性肉芽腫症患者の処置を行う。
[0523] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は慢性肉芽腫症である。
[0524] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分間)を与える。ここでは、以下 の情報を収集する。
[0525] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0526] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 60分間。
[0527] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、上記治療を主治医の許可を得 て与える。
[0528] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、慢性肉芽腫 症)を収集する。
[0529] (結果)
慢性肉芽腫症は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻る。 そのときの免疫学的状態のパラメータにつ ヽてもほぼ正常値に戻って!/ヽる。
[0530] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになる。
[0531] (実施例 17:炎症性腸疾患患者の処置)
本実施例では、炎症性腸疾患患者の処置を行う。
[0532] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は炎症性腸疾患であった。
[0533] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分間)を与える。ここでは、以下 の情報を収集する。
[0534] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0535] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 60分間。
[0536] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、上記治療を主治医の許可を得 て与える。
[0537] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、炎症性腸疾 患)を収集する。
[0538] (結果)
炎症性腸疾患は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻る。 そのときの免疫学的状態のパラメータにつ ヽてもほぼ正常値に戻って!/ヽる。
[0539] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになる。
[0540] (実施例 18:好中球減少症患者の処置)
本実施例では、好中球減少症患者の処置を行う。
[0541] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は好中球減少症である。
[0542] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分間)を与える。ここでは、以下 の情報を収集する。
[0543] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0544] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 60分間。
[0545] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、上記治療を主治医の許可を得 て与える。
[0546] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、好中球減少 症)を収集する。
[0547] (結果)
好中球減少症は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻る。 そのときの免疫学的状態のパラメータにつ ヽてもほぼ正常値に戻って!/ヽる。
[0548] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになる。
[0549] (実施例 19:好中球増加症患者の処置)
本実施例では、好中球増加症患者の処置を行う。
[0550] (処置前状態)
処置前の医師の診察によれば、この患者の状態は以下のとおりである。
[0551] (温熱療法のための基礎データ収集)
医師の観察のもと、標準的な温熱療法 (42°C、 60分間)を与える。ここでは、以下 の情報を収集する。
[0552] 血液の酸化還元電位 (または pH)
血液ガス分析、血球分画生化学、疾病マーカー、 SpO、心拍数および血流量。
2
[0553] (標準的な温熱療法)
以下のとおりである: 42°C、 60分間。
[0554] (治療方法)
上記標準的温熱療法によって得られたデータから、上記治療を主治医の許可を得 て与える。
[0555] (経過情報)
各治療回ごとに、基本的なデータと、疾病に関するデータ (ここでは、好中球増加 症)を収集する。
[0556] (結果)
好中球増加症は、 2ヶ月の治療後にほぼ消失し、被験体は、ほぼ正常状態に戻る。 そのときの免疫学的状態のパラメータにつ ヽてもほぼ正常値に戻って!/ヽる。
[0557] 従って、温熱療法を酸ィ匕還元状態を指標にして行うことによって治療効果が最大限 に引き出されることが明らかになる。
[0558] (実施例 20:酸化還元電位状態との相関まとめ)
このようにして、得られた結果を総合し、 pH7. 35は、末梢血によって測定された生 体内電位 (酸化還元電位)では、—75mVであることが明らかになった。実際の治療 では、通常の pH変動範囲内である、 ±0. 05を超える変動(上昇)を引き起こす条件 を見出し、これで治療することによって、治療効果が得られることが明らかになった。 p Hの変動範囲は、 0. 1以上であり、 0. 1〜0. 3にはいることが多かった力 0. 5変動 する場合も見受けられ、その場合には、免疫状態が急激に改善していた。
[0559] (実施例 21)
(hsp72の発現量を指標とする治療温度の決定)
被験体から末梢血を 4ml採血した。 Lymphoprep (Nycomed Pharma As, O slo, Norway)によって、末梢血から末梢血単核球を分離した。約 1 X 106個の末 梢血単核球を溶解緩衝液((株)フナコシ、 hsp70 ELISA kitに含まれる)中に溶 解した。この溶液を 37°C力も始めてゆっくり加温した。 0. 5°Cごとに、この溶液からァ リコートを取り出した。取り出した溶液ァリコートから、(株)フナコシ、 hsp70 ELISA kitによってタンパク質を抽出し、 hsp72 ELISA Kit (Stressgen Biotechnolo gies社、シドニー、カナダ)を用いる ELISAによって hsp72の発現量を定量した。 hs p72の発現量が増加から減少に転じた温度を、この被験体を温熱治療する際の治療 温度とした。すなわち、この治療温度において、 hsp72の発現量は最大であった。
[0560] このときの hsp72の発現量は、生体の酸化還元電位または pHと並行していた。
[0561] (実施例 22)
(HLA— DRの発現量を指標とする治療温度の決定)
被験体から末梢血を 4ml採血した。 Lymphoprep (Nycomed Pharma As, O slo, Norway)によって、末梢血から末梢血単核球を分離した。約 1 X 106個の末
梢血単核球を CD4、 CD8、 CD16、 CD56あるいは CD57に対する抗体と、抗 HLA 抗体で二重染色し、 FACS分析によって、それぞれの細胞集団について、 HLA—D Rの発現量を定量した。この被験体の末梢血をインビトロで加温した場合の HLA— DRの発現量が増加から減少に転じた温度を、この被験体を温熱治療する際の治療 温度とした。すなわち、この治療温度において、 HLA— DRの発現量は最大であつ た。
[0562] このときの HLA— DRの発現量は、生体の酸化還元電位または pHと並行していた
[0563] (実施例 23)
(本発明の温熱治療システムを使用する非ホジキン悪性リンパ腫の温熱治療) 実施例 21または 22に記載したようにして、非ホジキン悪性リンパ腫に罹患した患者 について決定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者 を一定時間維持した。この患者は、温熱治療の結果、悪性リンパ腫の腫瘍マーカー である IAPの値が、 242 μ gZmlにまで低下し(正常値は 500 μ gZml以下)、 CA1 9— 9の値が、 179. 3UZmlから 23UZmlにまで低下し(正常値は 37. OUZml以 下)、そして CA125の値が、 25. 9UZmlから 9. lUZmlにまで低下した(正常値は 35. OUZml以下)。
[0564] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合していた。
[0565] (実施例 24)
(本発明の温熱治療システムを使用する膀胱がんの温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、膀胱がんに罹患した患者について決定 した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持した。こ の患者は、温熱治療の結果、膀胱がんの腫瘍が全て消失したことが、内視鏡を用い て確認された。この患者は、温熱治療の結果、 IAPの値が、 397 gZml力ら 217 gZmlにまで低下した(正常値は 500 /z gZml以下)。この患者はまた、固形がんお よびリンパ腫にぉ 、て上昇が報告されて 、る SIL2— Rにつ!/、て高!、値(850UZml )を示していた力 加療によってその値が 617U/mlにまで減少し正常化したことが 観察された(正常値 190UZml〜650UZml)。
[0566] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合していた。
[0567] (実施例 25)
(本発明の温熱治療システムを使用するアトピー性皮膚炎の温熱治療) 実施例 21または 22に記載したようにして、アトピー性皮膚炎に罹患した患者につ いて決定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維 持した。この患者は、温熱治療の結果、アトピー性皮膚炎の症状が改善した。
[0568] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合していた。
[0569] (実施例 26)
(本発明の温熱治療システムを使用する口腔底がんの温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、口腔底がんに罹患した患者について決 定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持した。 この患者は、 T細胞を活性ィ匕させる IL2産生能(正常値 92pgZml〜1574pgZml) の亢進が見られた。詳細には、治療開始時の IL2産生能 691pgZmlから、 4日後に 2678pg/mlに充進し、 6曰後に 2126pg/ml、 8曰後に 2185pg/mlと、 ¾進力維 持された。これにより、細胞性免疫が賦活される。
[0570] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合していた。
[0571] (実施例 27)
(本発明の温熱治療システムを使用する卵巣がんの温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、卵巣がんに罹患した患者について決定 した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持した。こ の患者は、温熱治療の結果、卵巣がんの腫瘍マーカーである CA125の値力 OOU Zml以上から 186UZmlにまで減少した(基準値は、 35UZml)。
[0572] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0573] (実施例 28)
(本発明の温熱治療システムを使用する B型肝炎ウィルス (HBV)感染症の温熱治 療)
実施例 21または 22に記載したようにして、 HBV感染症に罹患した患者にっ 、て決 定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持した。
この患者は、温熱治療の結果、 HBV感染症の指標である HBV DNAプローブを用 いて検出される HBV DNAの量が減少した。この変化は、 HBVの存在が減少した ことを示す。
[0574] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0575] (実施例 29)
(本発明の温熱治療システムを使用する子宮頸がんの温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、子宮頸がんに罹患した患者について決 定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持した。 この患者は、温熱治療の結果、子宮頸がんの腫瘍マーカーの値が減少した。
[0576] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0577] (実施例 30)
(本発明の温熱治療システムを使用する感染症)
実施例 21または 22に記載したようにして、感染症に罹患した患者について決定し た治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持する。この 患者は、温熱治療の結果、感染症が改善または治癒する。このことから、免疫能力が 賦活されていること力 分かる。
[0578] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0579] (実施例 31)
(本発明の温熱治療システムを使用する慢性疾患の温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、慢性疾患 (糖尿病)に罹患した患者につ いて決定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維 持していた。この患者は、温熱治療の結果、慢性疾患が改善または治癒した。
[0580] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0581] (実施例 32)
(本発明の温熱治療システムを使用する生活習慣病の温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、生活習慣病(痛風および高血圧)に罹患 した患者について決定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度 にて患者を維持した。この患者は、温熱治療の結果、生活習慣病が改善または治癒
した。
[0582] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0583] (実施例 33)
(本発明の温熱治療システムを使用する寄生病の温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、寄生病に罹患した患者について決定し た治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持する。この 患者は、温熱治療の結果、寄生病が改善または治癒する。
[0584] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0585] (実施例 34)
(本発明の温熱治療システムを使用する免疫亢進の温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、免疫亢進に罹患した患者について決定 した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持する。こ の患者は、温熱治療の結果、免疫亢進が改善または治癒する。
[0586] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0587] (実施例 35)
(本発明の温熱治療システムを使用する免疫不全の温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、免疫不全 (HIV)に罹患した患者につい て決定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持 した。この患者は、温熱治療の結果、免疫不全が改善または治癒していた。
[0588] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0589] (実施例 36)
(本発明の温熱治療システムを使用する薬物中毒の温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、薬物中毒に罹患した患者について決定 した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持する。こ の患者は、温熱治療の結果、薬物中毒が改善または治癒する。
[0590] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0591] (実施例 37)
(本発明の温熱治療システムを使用する免疫系により治癒可能な疾患または障害
の温熱治療)
実施例 21または 22に記載したようにして、免疫系により治癒可能な疾患または障 害に罹患した患者について決定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその 治療温度にて患者を維持する。この患者は、温熱治療の結果、免疫系により治癒可 能な疾患または障害が改善または治癒する。
[0592] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0593] (実施例 38)
(本発明の温熱治療システムを使用する C型肝炎ウィルス (HCV)感染症の温熱治 療)
実施例 21または 22に記載したようにして、 HCV感染症に罹患した患者にっ ヽて 決定した治療温度まで、その患者を加温し、そしてその治療温度にて患者を維持す る。この患者は、温熱治療の結果、 HCV感染症の指標である HCV DNAプローブ を用いて検出される HCV DNAの量が減少する。この変化は、 HCVの存在が減少 したことを示す。
[0594] このときの治療は、生体の酸化還元電位または pHに基づく治療に適合している。
[0595] 以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきた力 本発 明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求 の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、 本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に 基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引 用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載さ れているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであるこ とが理解される。
産業上の利用可能性
[0596] 本発明により、どのような疾患も処置することが可能となり、その治療を達成するた めの方法、装置、システムを製造、利用する分野において産業上の利用可能性を有 する。