JP2007243089A - プラズマ処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマ処理装置1の運転工程では、電圧印加回路30によって連続波又は間欠波からなる処理電圧を一対の電極11,12間に印加して放電を形成するとともに、処理ガスを電極間に導入して被処理物Wに接触させ、被処理物Wのプラズマ処理を行なう。この運転工程が一時停止された場合、再開されるまでの一時停止期間中、電極11,12間に前記処理電圧を一定期間t1印加する動作を間欠的に行なう。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、電圧印加工程の前工程又は後工程として電極間に乾燥ガスを流し、電極を乾燥させることが記載されている。これによって、プラズマ放電の開始時、ただちに安定した放電状態を得ることができる。
特許文献2には、放電状態が安定するまで予備放電を行い、その後にプラズマを被処理体に接触させることが記載されている。
一対の電極間に連続波又は間欠波からなる処理電圧を印加して放電を形成するとともに、処理ガスを前記電極間に導入して被処理物に接触させ、被処理物のプラズマ処理を行なう運転工程と、
前記運転工程が一時停止された場合、再開されるまでの一時停止期間中、前記電極間に前記処理電圧を一定期間印加する電圧印加動作を間欠的に行なう運転再開準備工程と、
を含むことを特徴とする。
これによって、一時停止期間中に巻き込んだ不純物を除去することができ、電極が冷めて来たとしても温めなおしておくことができ、一時停止が解除されたとき、短時間でプラズマ安定状態にすることができ、運転工程を短時間で再開することができる。
前記運転再開準備工程において、少なくとも前記処理電圧の印加動作を行なう一定期間中、前記電極間への処理ガス導入を行なうことが好ましい。
電圧印加動作の開始前に電極間への処理ガス導入をしばらく行ない、処理ガス流を安定化させておくのが好ましい。
処理ガスの導入されるガス導入空間を形成する一対の電極と、
前記一対の電極間に、前記ガス導入空間を前記放電空間にするための連続波又は間欠波からなる処理電圧を印加する電圧印加回路と、
前記プラズマ処理運転の一時停止と再開の指示のための入力部と、
を備え、
前記入力部から一時停止の入力があったとき、再開の指示がなされるまで、前記電圧印加回路が、前記電極間に前記処理電圧を一定期間印加する動作を間欠的に行なうことを特徴とする。
これによって、一時停止期間中に電極が冷めて来たとしても温めなおすことができ、再開の指示(一時停止解除)がなされたとき、短時間で放電状態を安定させプラズマ安定状態にすることができ、運転工程を短時間で再開することができる。
前記一対の電極の少なくとも一方の対向面には固体誘電体層が設けられているのが好ましい。
図1は、大気圧プラズマ処理装置1を示したものである。装置1は、処理部10と、ガス導入系20と、電圧印加回路30と、ローラコンベア40(搬送手段)とを備えている。
ローラコンベア40は、処理物を載せて一方向(図1の矢印方向)へ搬送するようになっている。被処理物Wは、例えば半導体基板や液晶等のフラットパネル用ガラスが用いられる。搬送手段は、ローラコンベア40に代えてベルトコンベアで構成されていてもよく、被処理物Wをセットするステージとこのステージを移動させる駆動部とで構成されていてもよい。ステージが固定され、これに対し処理部10が移動するようになっていてもよい。
制御部50には、操作パネル60(入力部)が付設されている。操作パネル60には、主スイッチ61や一時停止スイッチ62等が設けられている。
立ち上げ工程
作業者が主スイッチ61をオンすると、制御部50からローラコンベア40等に運転立ち上げ指令が出される。これに応じてコンベア40では自己診断等の立ち上げ動作を行ない、完了すると、立ち上げ動作済み(運転準備完了)の信号を制御部50に返す。
プラズマ安定化期間が満了したとき、プラズマ処理の運転工程の実行が開始される。すなわち、制御部50が、運転実行信号をコンベアへ送り、これを受けたコンベアが被処理物Wの搬送動作を開始する。また、前記安定化工程から継続して、ガス導入系20による電極間空間13への処理ガス供給と、電圧印加回路30による電極11への処理電圧供給を実行する。これにより、電極間空間13でグロー放電によるプラズマが生成され、処理ガスがプラズマ化される。このプラズマ化された処理ガスが、処理部10の下方を通る被処理物Wに接触して反応が起きる。これによって、被処理物Wの洗浄や表面改質等のプラズマ処理運転が実行される。
運転工程中に作業者が一時停止スイッチ62をオンしたものとする。すると、この一時停止オン信号を受けた制御部50が、電圧印加回路30から電極11への電圧供給を停止させる。これにより、電極間空間13でのプラズマ生成が停止される。また、制御部50は、処理ガス源21から電極間空間13への処理ガス供給量を運転工程時より低下させる。(図2のタイムチャートにおいて、処理ガス供給量の減少区間は、運転工程時より段を低くして示す。)
プラズマ照射の停止と同時に、制御部50が内蔵のクロックを用いて再開準備待ち期間t0のカウントを開始する。
再開準備待ち期間t0が所定時間T0に達する前(t0<T0)に、作業者によって一時停止スイッチ62がオフされたものとする。所定時間T0は、運転停止後、電極11,12が冷め、固体誘電体層15が吸湿し出すまでの時間として設定されたものであり、例えばT0=10分間である。制御部50は、一時停止スイッチ62のオフ信号を受け、再開準備待ち期間満了前の一時停止解除動作を実行する。すなわち、処理ガス源21からの処理ガス供給量を増やし運転工程時と同じ所定量に戻す。また、再開準備待ち期間t0のタイマをリセットする。そして、ガス安定化期間として例えば1〜3分程度経った後、プラズマ安定化期間を経て運転工程を再開する。この再開準備待ち期間満了前の再開時においては、電極11,12が未だ温かい状態になっており、固体誘電体層15は未だ乾燥した状態になっているので、プラズマ安定化期間は、立ち上げ時より短時間でよく、例えば1〜3分程度でよい。
一方、再開準備待ち期間t0が上記所定時間T0に達した時(t0=T0)、一時停止スイッチ62が未だオンのままであった場合、制御部50は、再開準備待ち期間の満了(t0≧T0)を受けて、運転の再開準備工程を実行する。この再開準備工程では、電圧印加回路30から電極11への処理電圧の印加動作を間欠的に行なう。すなわち、処理電圧を印加する期間t1と印加を停止する期間t2を交互に繰り返す。
このように処理電圧印加を間欠的に実行することによって、電極11,12が冷めかかっても温めなおすことができ、電極11,12の対向面の固体誘電体層15の乾燥状態を維持することができる。また、一時停止期間中に例えばカーボン、ミスト、パーティクルなどの不純物が電極間空間13に侵入して来たとしても、これを除去することができる。
各期間t1、t2、t3、t4のカウントは、制御部50に内蔵のクロックにて行なう。
また、図4に示すように、プラズマ安定化期間t3満了後の処理電圧印加期間t1中に作業者によって一時停止スイッチ62がオフされ、一時停止が解除されたときは、再立ち上げ工程を経ることなく、そのまま運転工程に移行することができる。すなわち、処理電圧の印加と処理ガス供給を継続して行ないながら、被処理物Wの搬送及びプラズマ照射を直ちに再開することができる。(被処理物Wの搬送前にコンベア40の状態確認等を要する場合もある。)
これによって、作業時間の一層の短縮を図ることができる。
例えば、上記実施形態では、一時停止の際の再開準備待ち期間t0には、処理ガス源21から電極間空間13への処理ガス供給量を運転工程時より小さくしていたが、再開準備待ち期間は、処理ガス供給を停止することにしてもよい。また、再開準備工程における処理電圧印加停止期間t2(ガス安定化期間t4を除く)は、処理ガス供給を停止することにしてもよい。
再開準備工程における処理電圧印加期間t1の処理ガス供給量を、運転工程時より小さくし、再開準備待ち期間t0及び処理電圧印加停止期間t2での供給量と同じにしてもよい。その場合、一時停止の期間中、処理ガス供給量が一定になるので、運転再開準備工程におけるガス安定化期間t4は不要である。
一時停止の全期間にわたって処理ガス供給量を運転工程時と同量に維持し続けることにしてもよい。その場合、運転再開準備工程におけるガス安定化期間t4や一時停止解除後の再立ち上げ時におけるガス安定化期間は不要である。
一時停止の全期間にわたって処理ガス供給を停止してもよく、したがって、再開準備工程の処理電圧印加期間t1中も処理ガス供給を行なわないことにしてもよい。
図1に示す実施形態のプラズマ処理装置1は、被処理物Wを電極間空間13の外部に配置し、これに向けてプラズマを吹き出す所謂リモート式のプラズマ処理装置であったが、本発明はこれに限定されず、被処理物を電極間空間の内部に配置し、電極間で生成したプラズマを被処理物に直接的に照射する所謂ダイレクト式のプラズマ処理装置にも適用可能である。
本発明は、大気圧プラズマ放電処理の他、真空化におけるプラズマ処理にも適用可能である。
本発明は、グロー放電によるプラズマ処理の他、コロナ放電や沿面放電等によるプラズマ処理にも適用可能である。
10 処理部
11,12 電極
13 電極間空間(ガス導入空間、放電空間)
14 吹出し口
15 固体誘電体層
20 ガス導入系
21 処理ガス源
22 供給路
23 流量制御手段
30 電圧印加回路
40 ローラコンベア(搬送手段)
50 制御部
60 操作パネル(入力部)
61 主スイッチ
62 一時停止スイッチ
T0 運転工程の一時停止開始からの所定時間
t1 処理電圧の印加動作を行なう一定期間
W 被処理物
Claims (4)
- 一対の電極間に連続波又は間欠波からなる処理電圧を印加して放電を形成するとともに、処理ガスを前記電極間に導入して被処理物に接触させ、被処理物のプラズマ処理を行なう運転工程と、
前記運転工程が一時停止された場合、再開されるまでの一時停止期間中、前記電極間に前記処理電圧を一定期間印加する動作を間欠的に行なう運転再開準備工程と、
を含むことを特徴とするプラズマ処理方法。 - 前記運転再開準備工程が、前記運転工程の一時停止の開始から所定時間経過後に運転工程が再開されないとき、実行されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
- 前記運転再開準備工程において、少なくとも前記処理電圧の印加動作を行なう一定期間中、前記電極間への処理ガス導入を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
- 処理ガスを放電空間に導入して被処理物に接触させ、被処理物のプラズマ処理運転を行なう装置であって、
処理ガスの導入されるガス導入空間を形成する一対の電極と、
前記一対の電極間に、前記ガス導入空間を前記放電空間にするための連続波又は間欠波からなる処理電圧を印加する電圧印加回路と、
前記プラズマ処理運転の一時停止と再開の指示のための入力部と、
を備え、
前記入力部から一時停止の入力があったとき、再開の指示がなされるまで、前記電圧印加回路が、前記電極間に前記処理電圧を一定期間印加する動作を間欠的に行なうことを特徴とするプラズマ処理装置。
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