JP2005108709A - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被処理体ごとに予備放電を行うことなくプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 プラズマ処理装置M1は、第1の被処理体81を処理空間でプラズマに曝し終わった後、電圧制御手段によってプラズマの発生を停止する。プラズマ処理装置M1は、プラズマの発生が停止している状態で、ガス供給手段71によって電極11、12の間に乾燥ガスの供給を行い、電極の乾燥状態を維持する。このため、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができ、ひいては被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマを利用して被処理体を処理するプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関する。
従来から、互いに対向する一対の電極を用い、電極間に発生させたプラズマが安定するまで予備放電を行った後、被処理体をプラズマに曝すプラズマ処理装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
予備放電を行うことによって、大気中で吸湿した電極を乾燥させることができるので、特許文献1のプラズマ処理装置は、被処理体をプラズマに曝し始めるときから安定したプラズマを発生することができる。
特開2002−155370号公報
ここで、一般的には、第1の被処理体と第2の被処理体に対して順にプラズマ処理を行う場合、第1の被処理体に対するプラズマ処理が終了した後、第2の被処理体をセッティングするために一度プラズマの発生を停止していた。そのため、プラズマ処理装置では、プラズマの発生を停止している間に電極が大気中で吸湿し、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができなり、被処理体ごとに予備放電を行う必要があった。
そこで本発明は、上記問題に鑑み、被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ処理方法は、互いに対向する一対の電極を備え、前記電極間に放電処理電圧を印加することによって発生するプラズマを用いて、被処理体をプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、前記電極間に放電処理電圧を印加する電圧印加工程と、前記電圧印加工程の前工程及び/又は後工程として、プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給するガス供給工程とを有することを特徴としている。
また、本発明のプラズマ処理方法は、複数の被処理体を順に処理空間でプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、前記前工程として、プラズマに曝す前の被処理体を前記処理空間に配置する配置工程と、前記後工程として、プラズマに曝した後の被処理体を前記処理空間から撤去する撤去工程とを有し、前記配置工程及び/又は撤去工程では、プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給することが好ましい。
また、本発明のプラズマ処理方法は、被処理体を連続的に前記処理空間を通過させてプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、前記前工程として、プラズマに曝す前の被処理体を、前記処理空間を通過可能に配置する配置工程と、前記後工程として、プラズマに曝した後の被処理体を撤去する撤去工程とを有し、前記配置工程及び/又は撤去工程では、プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給することが好ましい。
本発明のプラズマ処理装置は、互いに対向する一対の電極を備え、前記電極間に放電処理電圧を印加することによって発生するプラズマを用いて、被処理体をプラズマに曝すプラズマ処理装置であって、前記被処理体をプラズマに曝す前及び/又は被処理体をプラズマに曝し終わった後に、プラズマの発生を停止する電圧制御手段と、プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給するガス供給手段と、を有することを特徴としている。
次に、本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置について説明する。
本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置は、大気圧近傍の圧力下で被処理体をプラズマに曝すプラズマ処理に適している。なお、大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中でも、プラズマ処理を行う圧力が、9.331×104〜10.397×104Paの範囲であると、圧力調整を容易に行うことができ、また、装置構成を簡便にすることができる。
本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に用いられる一対の電極は、導電体から構成されている。一対の電極を構成する導電体としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム等の金属単体や、ステンレス、真鍮等の合金や、金属間化合物あるいは炭素材料等が挙げられる。
また、一対の電極を構成する各電極は、一定の間隔を空けて設けられいることが好ましい。一対の電極を構成する各電極間の距離が一定に設けられていると、プラズマ発生の際に電界集中による異状放電の発生を避けることができる。一定の間隔を空けて設けられている一対の電極としては、例えば、平行平板型、同軸円筒型の構造等が挙げられる。
一対の電極は、その少なくとも一方の電極の対向面に固体誘電体が設けられていることが好ましい。
電極の対向面に設けられる固体誘電体としては、例えば、アルミナ、二酸化珪素、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂等が挙げられ、表面の空孔の数が少なく、大気中で吸湿し難いのが好ましい。
ここで、互いに対向する一対の電極に放電処理電圧以上のが印加されると、これらの電極間にプラズマが発生する。なお、電極に印加される電圧はパルス化された電圧や一般的な交流電圧でよい。
本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置は、被処理体をプラズマに曝すことによって、被処理体の表面に電気的・光学的機能を与えたり、被処理体の表面から有機物除去、レジスト除去、高分子フィルムの接着性向上、ガラス系基板・プリント配線基盤(FPC)の洗浄、成膜、金属除去、デスミア、アッシング、エッチング、デスカム、滅菌洗浄等を行うことができる。
本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置において、プラズマに曝される被処理体の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂等のプラスチックや、ガラス、セラミックス、金属、シリコン等が挙げられる。被処理体の形状としては、特に限定されないが、例えば、板状、フィルム状、シート状、ウェハー状であることが好ましい。
更に、本発明のプラズマ処理方法について詳細を説明する。
本発明のプラズマ処理方法は、電圧印加工程の前工程及び/又は後工程として、プラズマの発生が停止している状態で、電極間に乾燥ガスを供給するガス供給工程を有しているため、プラズマの発生が停止している状態でも、電極が大気中の水分を吸湿するおそれがないので、電極の乾燥状態を維持することができ、被処理体ごとに予備放電を行わなくても、一対の電極に対して電圧の印加を開始したときから電極間に安定したプラズマを発生することができる。
また、ガス供給工程は、プラズマの発生が停止している状態で、電極間に乾燥ガスを継続的に供給する工程であることが好ましい。ガス供給工程が、電極間に乾燥ガスを継続的に供給する工程であることによって、プラズマの発生が停止している状態でも、電極の吸湿を防いで乾燥状態をより長く維持することができるので、被処理体ごとに予備放電を行う必要がない。
乾燥ガスとしては、例えば、安価な空気や窒素が好適である。また、乾燥ガスの湿度は、大気中の湿度より低ければよく、相対湿度10%以下、更には5%以下であることが好ましい。
本発明のプラズマ処理方法は、電極間に存在する処理ガスを適宜選択することによって任意の処理を被処理体に行うことができ、処理ガスとしては、例えば、被処理体表面を親水性とするには窒素ガス等が好ましく、被処理体表面の有機物を除去するには酸素ガス等が好ましい。被処理体表面に電気的特性や光学的特性を付与させるために金属含有化合物ガス等を用いることができる。また、処理ガスは同時に複数種類が用いられてもよく、被処理体ごとに異なる処理ガスが用いられてもよい。また、処理ガスの湿度が低い場合、処理ガスを乾燥ガスとして使用してもよい。
更に、本発明のプラズマ処理装置について詳細を説明する。
本発明のプラズマ処理装置は、プラズマの発生が停止している状態で、一対の電極間に乾燥ガスを供給するガス供給手段を有していることによって、プラズマの発生が停止している状態でも電極が大気中の水分を吸湿するおそれがないので、電極の乾燥状態を維持することができる。また、電極の乾燥状態を維持することによって、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができ、被処理体ごとに予備放電を行う必要がない。
ガス供給手段は、プラズマの発生を停止する前から電極間に乾燥ガスの供給を開始し、プラズマが停止している状態で乾燥ガスの供給が可能になされた手段であることが好ましい。ガス供給手段がプラズマの発生を停止する前から乾燥ガスの供給を開始することによって、プラズマの発生を停止した直後から電極の乾燥状態を維持することができるので、被処理体ごとに予備放電を行わなくても、一対の電極に対して電圧の印加を開始したときから電極間に安定したプラズマを発生することができる。
ガス供給手段は、プラズマの発生が停止している状態で一対の電極の間に乾燥ガスの継続的な供給が可能になされた手段であることが好ましい。ガス供給手段が乾燥ガスを継続的に供給することによって、プラズマの発生が停止している状態でも、電極が大気中の水分を吸湿するおそれがなく、電極の乾燥状態を維持することができ、被処理体ごとに予備放電を行う必要がない。
本発明のプラズマ処理方法は、電圧印加工程の前工程及び/又は後工程として、プラズマの発生が停止している状態で、電極間に乾燥ガスを供給するガス供給工程を有していることによって、プラズマの発生を停止している状態でも電極が大気中の水分を吸湿するおそれがなく、電極の乾燥状態を維持することができる。また、電極の乾燥状態を維持することによって、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができるので、被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
また、本発明のプラズマ処理方法は、複数の被処理体を順に処理空間でプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、設置工程及び/又は撤去工程では、プラズマの発生が停止している状態で、電極間に乾燥ガスを供給することによって、設置工程や撤去工程の際にプラズマの発生を停止している状態でも電極が大気中の水分を吸湿するおそれがなく、電極の乾燥状態を維持することができる。また、電極の乾燥状態を維持することによって、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができるので、被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
また、本発明のプラズマ処理方法は、被処理体を連続的に処理空間を通過させてプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、設置工程及び/又は撤去工程では、プラズマの発生が停止している状態で、電極間に乾燥ガスを供給することによって、設置工程や撤去工程の際にプラズマの発生を停止している状態でも電極が大気中の水分を吸湿するおそれがなく、電極の乾燥状態を維持することができる。また、電極の乾燥状態を維持することによって、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができるので、被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
本発明のプラズマ処理装置は、電圧制御手段とガス供給手段とを有していることによって、プラズマの発生が停止している状態でも電極が大気中の水分を吸湿するおそれがなく、電極の乾燥状態を維持することができる。このため、被処理体ごとに予備放電を行わなくても、一対の電極に対して電圧の印加を開始したときから電極間に安定したプラズマを発生することができるので、被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態における本発明のプラズマ処理装置を模式的に示す図である。
図1に示すプラズマ処理装置M1は、一対の電極11、12、電源(電圧制御手段)40、乾燥ガス源(ガス供給手段)71、処理ガス源72a、ガス排出筒51、支持台50、搬送ロボット90、等を備えている。
板状の電極11、12は、それぞれステンレスから構成されている。これらの電極11、12は、1mmの間隔を空けて互いに平行となるように対向配置されており、これら一対の電極11、12の間に放電空間20aが形成されている。また、一方の電極11は電源40と接続されており、他方の電極12は接地されている。電源40は制御部を備え、電極11、12に印加する電圧の大きさの変更や放電処理電圧のオン・オフが可能になされている。
電極11、12のそれぞれの対向面には、固体誘電体であるアルミナが溶射されている。アルミナの厚みは0.5mmになされている。電極11、12の対向面にアルミナが溶射されていることによって、電極11、12間に電圧を印加してプラズマを発生する際に、電極11、12間にアーク放電等の異常放電を発生することを防ぐことができる。
電極11、12間の放電空間20aの一端側にはガス導入口21が設けられており、放電空間20aの他端側にはガス吹出口22が設けられている。
ガス導入口21には、ガス導入口21にガスを供給するガス供給部材75が設けられている。ガス供給部材75にはガス供給管74が接続されている。また、ガス供給管74は、切換弁73を介して処理ガス源72aと乾燥ガス源71とに接続されている。ここで、ガス供給管74は、切換弁73を切り換えることによって、処理ガス源72a又は乾燥ガス源71のいずれか一方と接続されており、例えば図1では、切換弁73は、ガス供給管74と処理ガス源72aとを接続している。ここで、処理ガス源72aには相対湿度0.1%の窒素ガスが充填されており、乾燥ガス源71には相対湿度0.1%の乾燥空気が充填されている。
電極11、12のガス吹出口22側には、ガラス板(被処理体)81を載せる支持台50が設けられており、支持台50は、電極11、12と垂直に設けられている。また、ガス吹出口22と支持台50との間の空間には、処理空間23が形成されている。
ここで、処理ガス源72aに充填された窒素ガスは、ガス供給部材75から放電空間20aに供給された後、電極11、12の両方の対向面と接触しながらガス吹出口22に向けて移動し、ガス吹出口22を通じて処理空間23に位置するガラス板81の表面に対して垂直に吹き付けられる。
支持台50の両端には、真空ポンプ(図示せず)と接続されたガス排出筒51が設けられている。ガス吹出口22から供給された処理ガス又は乾燥ガスは、放電空間20aを通過した後、ガス排出筒51から排気される。
電極11、12には、電極11、12を矢印a、b方向に搬送する電極搬送機構(図示せず)が設けられており、電極11、12は、電極搬送機構の駆動によって、ガラス板81の上方を支持台50の上面と平行に搬送される。
また、支持台50の一端側には、搬送ロボット90とカセット80が設けられている。
搬送ロボット90は、アーム91によって、ガラス板を搬送可能になされており、支持台50の上に置かれたガラス板81を支持台50から持ち上げてカセット80に収容するとともに、カセット80に備えられたガラス板82をカセット80から取り出して支持台50の上に置くことができる。
以上の構成のプラズマ処理装置M1を用いて、複数のガラス板を順にプラズマに曝してプラズマ処理を行う場合におけるプラズマ処理方法の手順の一例を図3のフローチャートに従って説明する。
手順1:予備放電
まず、1枚目のガラス板81を支持台50の上に配置しない状態で、電極11、12の予備放電を行う。
具体的には、電源40に設けられたスイッチをオンに切り換えることによって、電極11、12間に放電処理電圧の印加を開始する。このときに印加する電圧はパルス状になされており、放電空間20aにはプラズマが発生する。
この予備放電は予め設定した時間行い、放電空間20aに発生するプラズマが均一なグロー放電状態になる。
手順2:乾燥空気の供給開始(ガス供給工程)
予め設定した時間予備放電を行った後、切換弁73を乾燥ガス源71側に切り換えて、プラズマが発生している放電空間20aに対して乾燥空気の供給を開始する。なお、以降は切換弁73を切り換えるまでは放電空間20aに対する乾燥空気の供給を継続する。
手順3:予備放電の終了(ガス供給工程)
乾燥空気を放電空間20aに供給している状態で、電源40のスイッチをオフに切り換えることによって、電極11、12に対する放電処理電圧の印加を停止して、放電空間20aにおけるプラズマの発生を停止させる。
このとき、放電空間20aには引き続き乾燥空気が供給されており、放電空間20aに供給された乾燥空気は、電極11、12の両方の対向面と接触しながら移動し、ガス吹出口22から放電空間20aの外部に吹き出される。
手順4:被処理体の配置(ガス供給工程及び配置工程)
放電空間20aに乾燥空気を供給した状態で搬送ロボット90を駆動させ、処理空間23である支持台50の上にガラス板(被処理体)81を搬送する。支持台50の上に搬送されたガラス板81は、ガス吹出口22の斜め下方向に位置しており、ガス吹出口22から吹き出される窒素ガスに吹き付けられない。
ここで、ガラス板81を搬送する際、放電空間20aにプラズマが発生していないので、ガラス板81を支持台50の上に安全に搬送することができる。
手順5:放電処理電圧の印加開始(ガス供給工程及び電圧印加工程)
ガラス板81を支持台50の上に搬送した後、放電空間20aに乾燥空気を供給した状態で電源40のスイッチをオンに切り換え、電極11、12に対する放電処理電圧の印加を開始する。
ここで、手順4の配置工程において、プラズマの発生が停止している状態で、放電空間20aに対して乾燥空気が供給されているために電極11、12の乾燥状態が維持されており、放電処理電圧の印加の開始と同時に放電空間20aにグロー放電状態のプラズマが発生する。
手順6:処理ガスの供給開始
放電空間20aにプラズマが発生した状態で、切換弁73を乾燥ガス源71側から処理ガス源72a側に切り換え、乾燥空気の供給を停止するとともに、処理ガス源72aに充填された窒素ガスの供給を放電空間20aに開始する。放電空間20aに供給された窒素ガスはプラズマとなり、ガス吹出口22を通じて放電空間20aの外部に吹き出される。
なお、放電空間20aにプラズマが発生している状態では、電極11、12の温度が高温になるために、乾燥ガス以外の気体が放電空間20aに供給されても、電極11、12の乾燥状態を維持して放電空間20aに均一なグロー放電状態のプラズマを発生することができる。
手順7:電極の搬送
次に、電極搬送機構の駆動によって、電極11、12の搬送を行う。このとき、電極11、12は、電極11、12の間隔を維持しながら矢印aの方向に搬送される。
電極11、12が搬送される際、ガス吹出口22から吹き出される窒素ガスのプラズマに曝され、処理空間23中でガラス板81の表面に対するプラズマ処理が行われる。なお、ガラス板81の表面は、窒素ガスのプラズマに曝されることによって親水化される。
ガラス板81をプラズマに曝し終わった後、電極11、12をガラス板81の斜め上方に搬送し、ガス吹出口22から吹き出される窒素ガスのプラズマがガラス板81の表面に吹き付けられないようにする。
手順8:乾燥空気の供給開始(ガス供給工程)
次に、切換弁73を乾燥ガス源71側に切り換えて、窒素ガスの供給を停止するとともに、放電空間20aに乾燥空気の供給を開始する。放電空間20aに供給された乾燥空気は、電極11、12の両方の対向面と接触しながら移動し、ガス吹出口22から放電空間20aの外部に吹き出される。
なお、以降は切換弁73を切り換えるまでは放電空間20aに対する乾燥空気の供給を継続する。
手順9:放電処理電圧の印加停止(ガス供給工程)
乾燥空気を放電空間20aに供給している状態で、電源40のスイッチをオフに切り換えることによって、電極11、12に対する放電処理電圧の印加を停止して、放電空間20aにおけるプラズマの発生を停止させる。
このとき、放電空間20aには引き続き乾燥空気が供給されており、放電空間20aに供給された乾燥空気は、電極11、12の両方の対向面と接触しながら移動し、ガス吹出口22から放電空間20aの外部に吹き出される。また、放電処理電圧の印加を停止する際にも乾燥空気が供給されているため、放電処理電圧の印加を停止したときから電極11、12の乾燥状態を維持することができる。
手順10:被処理体の撤去(ガス供給工程及び撤去工程)
放電処理電圧の印加を停止した後、乾燥空気を放電空間20aに供給している状態で搬送ロボット90を駆動させ、プラズマに曝した後のガラス板81をカセット80に収容する。
このとき、放電空間20aにプラズマが発生していないので、ガラス板81を支持台50の上に安全に搬送することができる。また、乾燥空気を放電空間20aに供給している状態でガラス板81を搬送するので、ガラス板81を搬送している間も電極11、12の乾燥状態を維持することができる。
手順11:最後の被処理体であることの確認
ここで、手順11でプラズマに曝したガラス板81が最後のガラス板である場合、手順12に進む。
また、手順11でプラズマに曝したガラス板が最後のガラス板でない場合、手順4に戻り、次にプラズマに曝す予定のガラス板を用いて、同様の手順でプラズマ処理を行う。このとき、2回目以降の手順5において、撤去工程(手順10)及び搬送工程(手順4)の際に、電極11、12の間に乾燥空気が継続的に供給されているために、放電空間20aにプラズマの発生を停止している間でも、電極11、12の乾燥状態を維持することができ、パルス電圧の印加の再開と同時に均一なグロー放電状態のプラズマが放電空間20aに発生する。電極11、12の間に乾燥空気を供給することによってパルス電圧の印加と同時に均一なグロー放電状態のプラズマが発生するので、一度予備放電を行った後はガラス板ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
手順12:乾燥ガスの供給停止
プラズマに曝した後のガラス板81をカセット80に収容した後、切換弁73を切り換えて、乾燥空気の供給を停止する。
以上手順1〜12によって、複数のガラス板を順にプラズマに曝すことができる。
以上手順1〜12のように、複数のガラス板を順にプラズマに曝す場合、電圧印加工程の前工程及び/又は後工程として、プラズマの発生が停止している状態で、電極11、12間に乾燥空気を供給するガス供給工程を有することによって、プラズマの発生を停止している状態でも電極11、12の吸湿を防ぐことができるので、電極11、12の乾燥状態を維持することができる。また、電極の乾燥状態を維持することによって、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができるので、被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
ここで、手順2と手順3を入れ換えたり、手順8と手順9を入れ換えることによって、プラズマの発生を停止した後、電極11、12間に乾燥ガスの供給を開始してもよい。この場合、プラズマの発生の停止から乾燥ガスの供給の開始までの間隔が短い方が好ましい。
また、手順5と手順6を入れ換えることによって、処理ガスの供給を開始した後、放電処理電圧の印加を開始してもよい。
プラズマの発生を停止している間に電極間に乾燥ガスを供給する場合、電極の乾燥状態を維持できる程度に乾燥ガスの流量を低下させてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態を図2に基づいて説明する。
図2は、第2の実施形態における本発明のプラズマ処理装置を模式的に示す図である。
図2に示すプラズマ処理装置M2は、一対の電極13、14、電源40(電圧制御手段)、乾燥ガス源(ガス供給手段)71、処理ガス源72b、供給ロール61、巻取ロール62等を備えている。
上下に対向して設けられた電極13、14は、それぞれステンレスから構成されている。
下側に位置する電極14は軸方向に長いロール状の形状をなしている。下側の電極14には図示しないモーターが設けられており、電極14は、モーターの駆動によって矢印の方向に回転するようになされている。
また、上側に位置する電極13は板状の形状をなしており、電極13の対向面は略円弧状の凹面になされている。
ここで、電極13、14のそれぞれの対向面には、固体誘電体であるアルミナが溶射されており、電極13、14間にアーク放電等の異常放電を発生することを防いでいる。また、電極13と電極14との間隔は一定に保たれており、電極13、14の間には放電空間(処理空間)20bが形成されている。
上側の電極13は電源40と接続されており、下側の電極14は接地されている。電源40は制御部を備え、電極13、14に印加する電圧の大きさの変更や放電処理電圧印加のオン・オフが可能になされている。
電極13、14間の放電空間20bの一端側には、放電空間20bにガスを供給するガス供給部材75が設けられている。ガス供給部材75はガス供給管74に設けられた切換弁73を介して乾燥ガス源71又は処理ガス源と接続されている。ここで、ガス供給管74は、切換弁73を切り換えることによって、処理ガス源72a又は乾燥ガス源71のいずれか一方と接続されている。ここで、乾燥ガス源71には相対湿度0.1%の乾燥空気が充填されており、処理ガス源72bには相対湿度0.1%の酸素ガスが充填されている。
また、放電空間20bの他端側にはガス排出部材76が設けられている。ガス排出部材76には、ガス排出管77を介して真空ポンプ78と接続されており、ガス排出部材76は、放電空間20b内の排気を行う。
ここで、ガス源71、72bに充填されたガスは、ガス供給部材75から放電空間20bに供給された後、電極11、12の両方の対向面と接触しながらガス排出部材76に向けて移動し、真空ポンプ78の駆動によってガス排出部材76から排気される。
電極14のガス供給部材75側には、ポリエチレンシート(被処理体)83を収容する供給ロール61が設けられており、電極14のガス排出部材76側には、処理済のポリエチレンシート83を収容する巻取ロール62が設けられている。
ここで、ポリエチレンシート83は、モーターの駆動による電極14の回転によって、供給ロール61から放電空間20bを通過して巻取ロール62に向けて連続的に搬送される。
ポリエチレンシート83の巻取ロール62への搬送が終了したとき、次のポリエチレンシートを供給ロール61に設置することができる。このポリエチレンシートは、電極14の回転によって巻取ロール62に向けた搬送が行われる。また、ポリエチレンシート83の巻取ロール62への搬送が終了したとき、放電空間20bを通過済みのポリエチレンシートを巻取ロール62から撤去することができる。
以上の構成のプラズマ処理装置M2を用いて、複数のポリエチレンシートを順にプラズマに曝してプラズマ処理を行う場合におけるプラズマ処理方法の手順の一例を図4のフローチャートに従って説明する。
なお、実施形態1におけるプラズマ処理方法の手順と同様の手順については説明を省略する。
手順1:予備放電
まず、1枚目のポリエチレンシート83を供給ロール61に収容した状態で、電極13、14の予備放電を行う。
手順2:乾燥空気の供給開始(ガス供給工程)
放電空間のプラズマが均一なグロー放電状態であることを確認した後、切換弁73を乾燥ガス源71側に切り換えて、プラズマが発生している放電空間20bに対して乾燥空気の供給を開始する。
なお、以降は切換弁73を切り換えるまでは放電空間20bに対する乾燥空気の供給を継続する。
手順3:予備放電の終了(ガス供給工程)
乾燥空気を放電空間20bに供給している状態で、電源40のスイッチをオフに切り換えることによって、電極13、14に対する電圧の印加を停止して、放電空間20bにおけるプラズマの発生を停止させる。
このとき、放電空間20bには引き続き乾燥空気が供給されており、放電空間20bに供給された乾燥空気は、電極13、14の両方の対向面と接触しながらガス排出部材76に向けて移動し、ガス排出部材76によって大気中に排出される。
手順4:被処理体の配置(ガス供給工程及び配置工程)
放電空間20bにおけるプラズマの発生を停止した後、放電空間20bに乾燥空気を供給した状態でモーターを駆動させ、供給ロール61に収容されたポリエチレンシートを放電空間20bに配置する。このとき、ポリエチレンシート83の一端は、供給ロール61から放電空間20bを介して巻取ロール62に位置している。
ここで、ポリエチレンシート83を配置する際、放電空間20bにプラズマが発生していないので、ポリエチレンシート83を放電空間20bに安全に配置することができる。
手順5:処理ガスの供給開始
ポリエチレンシート83を放電空間20bに配置した後、切換弁73を乾燥ガス源71側から処理ガス源72b側に切り換え、乾燥空気の供給を停止するとともに、処理ガス源72bに充填された酸素ガスの供給を放電空間20bに開始する。
手順6:放電処理電圧の印加開始(電圧印加工程)
酸素ガスの供給を開始した後、放電空間20bに酸素ガスを供給した状態で電源40のスイッチをオンに切り換え、電極13、14に対する放電処理電圧の印加を開始する。
手順5の配置工程において、プラズマの発生が停止している状態で、放電空間20bに対して乾燥空気が供給されているために電極13、14の乾燥状態が維持されており、放電処理電圧の印加の開始と同時に放電空間20bにグロー放電状態のプラズマが発生する。また、放電空間20bに供給される酸素ガスは、放電処理電圧の印加によってプラズマとなり、放電空間20bからガス排出部材76に向けて移動する。
手順7:被処理体の搬送
放電空間に酸素ガスのプラズマが発生している状態で、電極14の回転を開始する。ポリエチレンシート83は、電極14の回転によって、供給ロール61から放電空間20bを通過して巻取ロール62に向けて連続的に搬送される。
ここで、放電空間20bには酸素ガスのプラズマが発生しているので、放電空間20bを通過するポリエチレンシートは酸素ガスのプラズマに曝され、放電空間20b内でポリエチレンシート83の表面に対するプラズマ処理が行われる。なお、ポリエチレンシート83は、酸素ガスのプラズマに曝されることによって表面の有機物が除去される。
ポリエチレンシート83をプラズマに曝し終わった後、ポリエチレンシート83を巻取ロール62に収容して電極14の回転を停止する。
手順8:乾燥空気の供給開始(ガス供給工程)
次に、切換弁73を乾燥ガス源71側に切り換えて、酸素ガスの供給を停止するとともに、放電空間20bに乾燥空気の供給を開始する。なお、以降は切換弁73を切り換えるまでは放電空間20bに対する乾燥空気の供給を継続する。
手順9:放電処理電圧の印加停止(ガス供給工程)
乾燥空気を放電空間20bに供給している状態で、電源40のスイッチをオフに切り換えることによって、電極13、14に対する放電処理電圧の印加を停止して、放電空間20bにおけるプラズマの発生を停止させる。
ここで、放電処理電圧の印加を停止する際にも、放電空間20bには引き続き乾燥空気が供給されており、電極13、14の乾燥状態が維持される。
手順10:被処理体の撤去(ガス供給工程及び撤去工程)
放電処理電圧の印加を停止した後、乾燥空気を放電空間20bに供給している状態で、巻取ロール62に収容されているポリエチレンシート83を取り外す。
このとき、放電空間20bにプラズマが発生していないので、プラズマに曝した後のポリエチレンシート83を巻取ロール62から安全に取り外すことができる。また、乾燥空気を放電空間20bに供給している状態でポリエチレンシート83を取り外すので、ポリエチレンシート83を取り外している間も電極13、14の乾燥状態を維持することができる。
手順11:最後の被処理体であることの確認
ここで、手順11でプラズマに曝したポリエチレンシート83が最後のポリエチレンシートである場合、手順12に進む。
また、手順11でプラズマに曝したポリエチレンシートが最後のポリエチレンシートでない場合、手順4に戻り、次にプラズマに曝す予定のポリエチレンシートを用いて、同様の手順でプラズマ処理を行う。このとき、2回目以降の手順5において、撤去工程(手順10)及び搬送工程(手順4)の際に、電極13、14の間に乾燥空気が継続的に供給されているために、放電空間20bにプラズマの発生を停止している間でも、電極13、14の乾燥状態が維持されており、放電処理電圧の印加の開始と同時に放電空間20bにグロー放電状態のプラズマが発生する。電極13、14の間に乾燥空気を供給することによってパルス電圧の印加と同時に均一なグロー放電状態のプラズマが発生するので、一度予備放電を行った後はポリエチレンシートごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
手順12:乾燥ガスの供給停止
プラズマに曝した後のポリエチレンシート取り外した後、切換弁73を切り換えて、乾燥空気の供給を停止する。
以上手順1〜12によって、複数のポリエチレンシートを順にプラズマに曝すことができる。
以上手順1〜12のように、複数のポリエチレンシートを順にプラズマに曝す場合、電圧印加工程の前工程及び/又は後工程として、プラズマの発生が停止している状態で、電極13、14間に乾燥空気を供給するガス供給工程を有することによって、プラズマの発生を停止している状態でも電極13、14の吸湿を防ぐことができるので、電極13、14の乾燥状態を維持することができる。また、電極の乾燥状態を維持することによって、プラズマの発生を再開したときから安定したプラズマを発生することができるので、被処理体ごとに予備放電を行うことなく短時間でプラズマ処理を行うことができる。
ここで、手順2と手順3を入れ換えたり、手順8と手順9を入れ換えることによって、プラズマの発生を停止した後、電極11、12間に乾燥ガスの供給を開始してもよい。この場合、プラズマの発生の停止から乾燥ガスの供給の開始までの間隔が短い方が好ましい。
また、手順5と手順6を入れ換えることによって、放電処理電圧の印加を開始した後、処理ガスの供給を開始してもよい。
本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置は、上記の実施形態に限られず、種々の改変を行うことができる。
処理ガスの湿度が低く、乾燥ガスを処理ガスとして使用することができる場合、配置工程から撤去工程までの間、乾燥ガスを電極間に供給することによって電極の乾燥状態を維持してもよい。
また、電源40が印加する電圧の大きさを制御する場合、電源40のスイッチをオン又はオフにして電圧を制御する場合のみに限られず、電源40は、放電空間内でのプラズマの発生を停止する程度まで印加する電圧を低下するように制御してもよい。
また、本発明のプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置は、2枚の被処理体を1枚ずつ順にバッチ処理でプラズマに曝す場合のみに限られず、複数の被処理体を同時にバッチ処理でプラズマに曝す場合や、複数の被処理体を順に搬送させながら連続処理でプラズマに曝す場合等にも適用することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
第1の実施形態において、ガラス板81をプラズマに曝し終わった後、放電空間20aにおけるプラズマの発生を停止(手順9)した。プラズマの発生を停止した後、処理済のガラス板81をカセット80に収容(手順10)した。処理済のガラス板81を収容した後、プラズマの発生を停止した状態で2時間放置し、2枚目の未処理のガラス板を支持台50の上に搬送(2度目の手順4)した。その後、電極11、12に対して、印加電圧波高値16kV、周波数10kHzのパルス電圧の印加を再開(2度目の手順5)し、放電空間20aに発生したプラズマをガラス板82に曝した。
なお、プラズマの発生を停止(手順9)した後から、電極11、12にパルス電圧の印加を開始する(2度目の手順5)までの間は、電極11、12間に流量5L/minの乾燥空気を継続的に供給した。
(比較例1)
上記の実施形態において、ガラス板81をプラズマに曝し終わった後、放電空間20aにおけるプラズマの発生を停止(手順9)した。プラズマの発生を停止した後、処理済のガラス板81をカセット80に収容(手順10)した。処理済のガラス板81を収容した後、プラズマの発生を停止した状態で2時間放置し、2枚目の未処理のガラス板を支持台50の上に搬送(2度目の手順4)した。その後、電極11、12に対して、印加電圧波高値16kV、周波数10kHzのパルス電圧の印加を再開(2度目の手順5)し、放電空間20aに発生したプラズマをガラス板82に曝した。
なお、プラズマの発生を停止(手順9)した後から、電極11、12にパルス電圧の印加を開始する(2度目の手順5)までの間は、乾燥空気や窒素ガスの供給を行っていない。
放電状態の確認
以上の実施例1及び比較例1において、電極11、12にパルス電圧の印加を再開(2度目の手順5)したときの放電空間20aにおける放電状態を目視によって観察した。
実施例1では、パルス電圧の印加を再開したときから放電空間20aの全体にわたって均一なグロー放電の発生を確認することができた。
これに対し、比較例1では、パルス電圧の印加を再開したときは放電空間20aに一部雨状のストリーマ放電が発生し、均一なグロー放電の発生を確認することができず、放電空間20aに均一なグロー放電が発生するまで5分を要してしまった。
接触角測定
実施例1及び比較例1において、プラズマの発生を再開して発生させたプラズマに曝されたガラス板82に対して、プラズマに曝される前後の水の接触角測定を行った。
なお、プラズマに曝す前のガラス板82に対する水の接触角は65°だった。
実施例1で得られたガラス板82では、プラズマ処理後の接触角が5°となり、ガラス板82が窒素ガスのプラズマに曝されることによって、ガラス板82の表面に良好な親水化処理が行われたことが確認された。
これに対し、比較例1で得られたガラス板82では、プラズマ処理後の接触角が測定場所によって8〜35°となり、不均一な親水化処理が確認された。
比較例1に対する放電状態の確認の結果において、電極11、12にパルス電圧の印加を再開したときに放電空間20aにストリーマ放電が発生した原因は、パルス電圧の印加を再開するまでの2時間の間に、電極11、12の対向面が外気の水分を吸湿してしまったためと考えられる。また、パルス電圧の印加の再開から5分後に放電空間20aに均一なグロー放電状態のプラズマが発生した理由は、放電空間20aに発生するプラズマによって電極11、12の温度が上昇し、電極11、12の対向面が湿潤状態から乾燥状態に移行したものだと考えられる。
第1の実施形態における本発明のプラズマ処理装置を模式的に示す図である。 第1の実施形態における本発明のプラズマ処理方法の手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態における本発明のプラズマ処理装置を模式的に示す図である。 第2の実施形態における本発明のプラズマ処理方法の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
M1 プラズマ処理装置
M2 プラズマ処理装置
11、12、13、14 電極
20a、20b 放電空間
21 ガス導入口
22 ガス吹出口
23 処理空間
40 電源(電圧制御手段)
50 支持台
51 ガス排出筒
61 供給ロール
62 巻取ロール
71 ガス源
71 乾燥ガス源(ガス供給手段)
72a、72b 処理ガス源
73 切換弁
74 ガス供給管
75 ガス供給部材
76 ガス排出部材
77 ガス排出管
78 真空ポンプ
80 カセット
81、82 ガラス板(被処理体)
83 ポリエチレンシート(被処理体)
90 搬送ロボット
91 アーム

Claims (4)

  1. 互いに対向する一対の電極を備え、
    前記電極間に放電処理電圧を印加することによって発生するプラズマを用いて、被処理体をプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、
    前記電極間に放電処理電圧を印加する電圧印加工程と、
    前記電圧印加工程の前工程及び/又は後工程として、プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給するガス供給工程と
    を有することを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理方法により、複数の被処理体を順に処理空間でプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、
    前記前工程として、プラズマに曝す前の被処理体を前記処理空間に配置する配置工程と、
    前記後工程として、プラズマに曝した後の被処理体を前記処理空間から撤去する撤去工程とを有し、
    前記配置工程及び/又は撤去工程では、プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給することを特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 請求項1に記載のプラズマ処理方法により、被処理体を連続的に前記処理空間を通過させてプラズマに曝すプラズマ処理方法であって、
    前記前工程として、プラズマに曝す前の被処理体を、前記処理空間を通過可能に配置する配置工程と、
    前記後工程として、プラズマに曝した後の被処理体を撤去する撤去工程とを有し、
    前記配置工程及び/又は撤去工程では、プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給することを特徴とするプラズマ処理方法。
  4. 互いに対向する一対の電極を備え、
    前記電極間に放電処理電圧を印加することによって発生するプラズマを用いて、被処理体をプラズマに曝すプラズマ処理装置であって、
    前記被処理体をプラズマに曝す前及び/又は被処理体をプラズマに曝し終わった後に、プラズマの発生を停止する電圧制御手段と、
    プラズマの発生が停止している状態で、前記電極間に乾燥ガスを供給するガス供給手段と、
    を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
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