JP4603326B2 - 表面処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ処理装置や熱CVD装置等により被処理物の表面を処理する装置と方法に係り、特に、プリント配線基板等の多層基板のように反りの発生しやすい被処理物を均一に処理できる表面処理装置と、表面処理方法に関する。
従来、この種の表面処理装置としては、所定のガスを被処理材の表面に向けて送出するためのガス流路と、ガス流路内でガスに大気圧又はその近傍の圧力下で気体放電を発生させ、それによりガスの励起活性種を生成するための一対の電源電極及び接地電極とからなり、励起活性種を含むガスを被処理材表面に噴出させるようにした表面処理装置であって、ガス流路が、2枚の誘電体からなる板を所定の間隔をもって対向させ、かつその間隙に供給されるガスを誘電体板の一方の側辺から被処理材表面に噴出させるように形成され、各電極が、誘電体板を挟んでその外側に対向配置されることを特徴としている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−92493号公報(段落[0009]参照)
ところで、前記構造の表面処理装置で、例えばプリント配線基板の表面を洗浄処理するとき、多層のプリント配線基板の場合、積層一体化する際に加熱するため反りが発生することがあり、処理ヘッドと配線基板との距離が変わるため均一に処理できない。特に、プリント配線基板のサイズが300×500mm程度の大きいサイズのときには、平板に対する反りによる突出量が大きくなってしまう。一般的にサイズの大きい被処理物を処理するとき、被処理物を移動して処理を行うが、反りによる突出量が大きい被処理物を処理する際に、被処理物と処理ヘッドとの間のワーキングディスタンスを小さく設定すると、被処理物が処理ヘッドと接触する虞があった。また、被処理物が反っているためガス流が乱されてしまい、処理が均一に行われない虞があった。特に、被処理物毎に反り量がばらついている場合、均一な処理は調整が難しく困難である。接触を防止する目的で前記のワーキングディスタンスを大きく設定すると、処理反応が緩慢となり処理時間が余分にかかる問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、被処理物が反って湾曲している場合で、ワーキングディスタンスを小さく設定しても、被処理物と処理ヘッドとが接触することがなく処理することができ、表面処理が均一に、しかも短時間で行える表面処理装置と、表面処理方法を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る表面処理装置は、処理ヘッドから吹き出した処理ガスを被処理物の表面に接触させて表面処理する装置であって、この表面処理装置は被処理物を平坦な状態にする平坦化手段を備えることを特許請求しない特徴としている。表面処理としては、プラズマ処理による表面改質処理、エッチング処理、クリーニング処理等の他に、熱CVD処理、オゾンアッシング処理、HFベーパエッチング処理等、種々の表面処理を行うことができる。
前記のごとく構成された本発明の表面処理装置は、処理ヘッドから吹き出した処理ガスを平坦な状態にされた被処理物の表面に吹き出させるため、処理ガスが被処理物の表面に均一に接触し表面処理を均一に行うことができ、表面処理の処理品質を高めることができ
る。また、処理ヘッドを被処理物に近づけてワーキングディスタンスを小さく設定できるため、処理反応を速めて処理時間を短縮できる。ここで、被処理物を平坦な状態にするには、被処理物を平坦な基準面に押圧状態にするなどすればよい。
本発明に係る表面処理装置の他の態様としては、この表面処理装置は前記処理ヘッドと被処理物との少なくとも一方を移動させて表面処理することを特徴としている。この構成によれば、表面面積の大きい被処理物が平坦な状態に維持されているため、処理ヘッドと被処理物との少なくとも一方を移動させても、被処理物と処理ヘッドとが接触しないし、ガス流が乱れないので、ワーキングディスタンスを小さくすることができ、表面処理の均一化と迅速化を達成できる。
また、本発明は、処理ヘッドから吹き出した処理ガスを被処理物の表面に接触させて表面処理する装置であって、該表面処理装置は、被処理物を平坦な状態にする平坦化手段を備え、前記平坦化手段は、前記処理ヘッドに回転可能に支持され、前記被処理物の表面を押圧するローラであることを特許請求する特徴としている。ローラは球状、円筒状あるいは太鼓状等が好ましく、回転軸と摺動方向とが直交するように設置され、表面に軟質ゴム等の接触層が形成されることが好ましい。この構成によれば、被処理物の表面をローラで押え付けて平坦な状態で処理するため、表面処理の均一化と、迅速な表面処理を可能とする。被処理物と処理ヘッドとの少なくとも一方を移動させる際でも、均一で迅速な表面処理を行える。
さらに、本発明に係る表面処理装置の好ましい具体的な他の態様としては、前記平坦化手段は、支持台を介して被処理物を平坦な状態に保持することを特許請求しない特徴としている。特に、被処理物が四辺形の基板である場合、四辺形が嵌没するような容器状の支持台や、四辺形の2辺が係合する段差部を有する支持台を使用し、基板の上面を爪やフック、ばね等で押圧するものが好ましい。この構成によれば、被処理物の上面を押え付けて平坦にしてから、その状態のまま表面処理を行うため、均一な表面処理が可能となる。
本発明に係る特許請求しない表面処理方法は、処理ヘッドから処理ガスを吹き出し、被処理物の表面に接触させて表面処理する方法であって、前記被処理物を平坦な状態にしたあと、前記処理ガスを接触させることを特徴としている。このように構成された表面処理方法は、被処理物を平坦な状態に修正して処理ガスを接触させて表面処理するため、均一な表面処理が可能となる。また、被処理物が平坦な状態に修正されるため、ワーキングディスタンスを小さくすることができ、短い処理時間で少ない処理ガスにより効率良く表面処理を行うことができる。
本発明の表面処理装置および表面処理方法によれば、反り等により被処理物が湾曲している場合でも表面処理を均一に行うことができ、処理品質を高めることができる。また、被処理物と処理ヘッドとの間隔であるワーキングディスタンスを小さくすることができ、処理時間を短縮することができる。処理ヘッドと被処理物とを相対的に移動して処理する場合、ワーキングディスタンスを小さく設定しても両者が接触することを防止でき、処理の均一化を達成でき、処理時間を短縮することができる。
以下、本発明に係る表面処理装置の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る表面処理装置としてプラズマ処理装置の要部構成を示す断面図、図2は、図1のプラズマ処理装置の要部底面図である。
図1,2において、本実施形態に係る表面処理装置はプラズマ処理装置Mであり、被処理物であるワークWに放電プラズマを吹き付けるノズルヘッド1を備え、ノズルヘッドは処理ガス源2から処理ガスが導入される処理ガス導入部10と、放電処理部20とを備え
ている。また、プラズマ処理装置MはワークWを移動させる搬送手段3と、放電処理部20の対向する電極に電圧を印加する電源4とを備えており、放電処理部20の上部に処理ガス導入部10が位置し、放電処理部20の下方に搬送手段3の搬送台3aが位置し、放電処理部20の下面と搬送手段3との間を被処理物であるワークWが搬送される構成となっている。そして、電源4は、後述する放電処理部20の内部の電極にパルス状の電圧を印加するものである。以下、各構成部分について、詳細に説明する。
処理ガス導入部10はプラズマ処理を行う際に放電処理部20の放電空間に処理ガスを送り込む部分であり、容器状をしており、内部に処理ガス源2から配管2aを介して処理ガスが導入される2本のパイプ11を備えている。この2本のパイプは紙面と直交する方向に延在しており、ワークWの搬送方向WAと直交する方向のワークWの全幅より大きい幅を有している。2本のパイプ11は上下の板状の支持部材12,13により所定の間隔で支持されてユニット化され、支持部材の上下にはチャンバー14,15が形成されている。
上方の支持部材12には、短い間隔で多数の貫通孔16が上下方向に貫通しており、この貫通孔はパイプ11を貫通しており、パイプの内部と上方のチャンバー14とが連通している。処理ガス導入部10の底面には、外部に開口するスリット17が形成され、このスリットは上方に向けて広がるように形成され、下方のチャンバー15と連通している。したがって、処理ガス源2から導入された処理ガスは2本のパイプ11内に入り、貫通孔16を通して上方のチャンバー14に入り、上下のチャンバーをつなぐ隙間18を通して下方のチャンバー15に入り、下方のスリット17から外部に吹き出されるように構成されている。この構成により、処理ガスの吹き出しはスリット17の長手方向の全ての位置で均一となるように設定されている。スリット17もワークWの全幅より大きい幅を有している。
放電処理部20は、ケース状の本体部21の内部にセラミックスやポリテトラフルオロエチレン等の絶縁性樹脂等の絶縁材からなるホルダ22を介して電極23,24が対向して内蔵されている。電極23,24はワークWの搬送方向WAに直角に交差する方向に沿って、所定の幅を有する中心間隙25を介して平行に配列されている。中心間隙25の幅は、1〜3mm程度が好ましい。電極23,24に電圧が印加されているとき、中心間隙25が放電空間となる。
電極23,24は、銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、黄銅等の合金、金属間化合物等から構成される。各電極の少なくとも電極対向面は、アーク放電を防止するためにアルミナ等の固体誘電体26のコーティング層で被覆されており、コーティング層の厚さは0.01〜4mm程度が好ましい。固体誘電体として、アルミナの他に、セラミックスや樹脂等の板状物、シート状物、フィルム状のものを用いて電極の外周面を被覆してもよい。電極23,24の長さは、被処理物の処理幅に合わせて、それより長く設定される。電極23,24は、少なくとも中心間隙25のコーナー部分がアーク放電を防止するために、図1に示されるようにアール加工がされている。
ケース状の本体部21の上面には、横方向にスリット27が形成され、このスリットは処理ガス導入部10の下面のスリット17と一致している。したがって、処理ガス導入部10のスリット17から出た処理ガスは、本体部21のスリット27から本体部21の内部に進入し、電極23,24の電極面間の中心間隙25を通して下方に移動し、本体部21底面の仕切り板28の吹き出し口28aから吹き出される構成となっている。
ノズルヘッド側の仕切り板28には、ワークWを押圧するローラ29,29…が回転可能に支持されている。ローラ29,29は所定長さのものが、所定の間隔でもって配置さ
れており、下方の突出部分がワークWと接触しワークの移動に伴って回転する構成である。このローラ29,29…はワークWを平坦な状態にする平坦化手段を構成する。ローラはゴム等の軟質材で形成すると、ワークWに擦り傷等が付きにくく好ましい。また、ローラはベアリング等で回転しやすく支持すると好適である。さらに、ローラはワークを押え付けるばね等の押圧手段を備えるように構成してもよい。処理領域がワークの中央部で、処理領域にローラが触れないことが好ましい場合は、処理領域外の端部等をローラで押えるように構成すると好適である。
本体部21の側面には電極23,24を水平方向に進退させる押しボルト30と引きボルト31が装着され、押しボルト30を右回転させることでホルダ22を押して電極を進出させ中心間隙25を狭めることができ、押しボルト30を緩めて引きボルト31を右回転させることにより電極を後退させ中心間隙25を広げることができると共に、中心間隙25を一直線状にすることができる。中心間隙25の幅は一定であることが好ましく、一定にすることで電極23,24間の放電状態を安定させることができ、均一なプラズマ処理が可能となる。押しボルト30と引きボルト31は、前記のように中心間隙25を調整する機能と共に、各電極が電圧印加時にクーロン力を受けたり熱膨張したりして撓むのを防止する機能を有する。
搬送手段3は、例えば搬送台3aを直動機構等で移動させる構成であり、被処理物であるプリント配線基板等のワークWを搬送して放電処理部20の下方に搬送するものであり、一定の搬送速度でワークWを搬送することによりワークWのプラズマ処理を均一に行うことができる。搬送手段3はワークWを搬送する構成であるが、ワークWを固定しておき放電プラズマを吹き付けるノズルヘッド1を搬送するように構成することもできる。搬送手段はベルトコンベア、ローラコンベアや、上下のローラでワークを挟んで搬送するもの等の他の搬送手段で構成してもよい。
電源4は放電処理部20内の電極23,24に極性の異なるパルス状の電圧を印加するものであり、一方の電極23にパルス状電圧を印加し、対向する他方の電極24を接地4aして電極間の中心間隙25に放電を立たせるものである。パルス状の電圧は立上り時間及び立下り時間が10μs以下で、電界強度が10〜1000kV/cm、周波数は0.5kHz以上であることが好ましい。
電界強度が10kV/cm未満であると処理に時間がかかりすぎ、1000kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくなる。0.5kHz未満であると、プラズマ密度が低く、処理に時間がかかりすぎる。上限は特に限定されないが、常用されている13.56MHz、試験的に使用されている500MHzといった高周波帯でも可能である。負荷との整合のとり易さや取り扱い性を考慮すると、500kHz以下が好ましい。このようなパルス状電圧を電源4から電極23,24に印加することにより、処理速度を大きく向上させることができる。
パルス状電圧における1つのパルスの継続時間は、200μs以下であることが好ましい。200μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。ここで、1つのパルス継続時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス状電圧における、1つのパルスの連続するON時間をいう。パルス状電圧におけるパルスのオフ時間は、0.5〜1000μsが好ましく、0.5〜500μsがより好ましい。1000μsを超えるとアーク放電に移行しやすくなる。
なお、電極23,24に印加される電圧はパルス状電圧に限らず、連続波の電圧でもよい。パルス状の電圧波形は、インパルス型の他に、方形波型、変調型、あるいは前記の波形を組み合わせた波形等の適宜の波形を用いることができる。また、電圧波形は、電圧印
加が正負の繰り返しであるものの他に、正又は負のいずれかの極性側に電圧を印加する、いわゆる片波状の波形を用いてもよい。また、バイポーラ型の波形を用いてもよい。もちろん、一般的なサイン波である交流波形を用いてもよい。
このプラズマ処理装置Mは、大気圧近傍の圧力下で処理が行われることが好ましい。大気圧近傍の圧力とは、100〜800Torr(約1.333×104〜10.664×
104Pa)の圧力であり、実際には圧力調整が容易で、かつ放電プラズマ処理に使用さ
れる装置が簡便となる、700〜780Torr(約9.331×104〜10.397
×104Pa)の圧力が好ましい。また、プラズマ処理される被処理材の表面に、放電プ
ラズマを接触させて活性化する際には、被処理材は加熱されていても、冷却されていてもよく、室温に保たれていてもよい。
前記のように構成されたプラズマ処理装置Mの動作について説明する。ノズルヘッド1の処理ガス導入部10で処理ガス源2から供給された処理ガスは、パイプ11から貫通孔16を通して上方のチャンバー14に進入し、隙間18を通って下方のチャンバー15に進入し、ワークWの幅方向に均一化されて下方のチャンバー15からスリット17で構成されるガス導入路を通して放電処理部20の本体部21内にスリット27を通して進入する。
放電処理部20内では、処理ガスは電極23,24間の中心間隙25に均一に導入される。電源4から電極23,24にパルス状電圧が印加されると、中心間隙25は放電空間となってグロー放電が発生し、処理ガスがプラズマ化され活性化されて、吹き出し口28aからワークWに吹き付けられワーク表面に接触して洗浄等の表面処理を行うことができる。
プラズマ化された処理ガスは、中心間隙25を通して幅広のワークWの全幅に亘って吹き出され、グロー放電状態が安定しているため、ワークWの表面は均一に洗浄処理される。ワークWは搬送手段3により所定の速度で搬送され、プラズマ化された処理ガスの吹き付けエリアがワークWの移動に伴って徐々に移動して、ワークWの広いエリアを均一にプラズマ処理することができる。なお、表面処理として洗浄処理について説明したが、親水性処理や撥水性処理等の表面改質処理も、同様に均一に行うことができる。
ワークWはノズルヘッド1に対して搬送手段3により搬送されることで、ワークWの広い処理領域を均一に表面処理することができる。そして、ワークWは処理中に移動される際、ワークが反りによって湾曲している場合でも、搬送方向の前後に設置されたローラ29,29により搬送台3aの方向に押圧され、ひいては搬送台3aの上面である基準面に押圧されるため、反りが修正されてワークWは平坦な状態となり、表面処理を均一に行うことができる。また、ワークWが平坦な状態に保持されるのでワークとノズルヘッドとの間隔であるワーキングディスタンスを小さくでき、処理反応を速くできるため処理時間を短縮できる。ワークWは搬送台3aに直接載置されているが、水平な基準面を備える支持台に載置してもよい。
本発明で用いる処理ガスとしては、電界を印加することによってプラズマを発生するガスであれば、特に限定されず、処理目的により種々のガスを使用できる。本発明のプラズマ処理装置Mによれば、プラズマ発生空間中に存在する気体の種類を問わずグロー放電プラズマを発生させることが可能であり、開放系あるいは気体の自由な流失を防ぐ程度の低気密系での処理が可能となる。前記のパルス電界を用いた大気圧放電プラズマ処理装置によると、ガス種にまったく依存せず、電極間において大気圧下で放電を起こすことが可能であり、電極構造や放電手順を単純化でき、高速処理を実現できる。
処理ガスとして、CF、C、CClF、SF等のフッ素含有化合物ガスを用いることによって、撥水性表面を得ることができる。処理ガスとして、O、O、水、空気等の酸素元素含有化合物、N、NH等の窒素元素含有化合物、SO、SO等の硫黄元素含有化合物を用いることによって、基材表面にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得ることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸等の親水基を有する重合性モノマーを用いて親水性重合膜を被膜することもできる。
さらに、Si、Ti、Sn等の金属の金属−水素化合物、金属−ハロゲン化合物、金属アルコラート等の処理ガスを用いることによって、SiO、TiO、SnO等の金属酸化物薄膜を形成でき、基材表面に電気的、光学的機能を与えることができる。ハロゲン系ガスを用いてエッチング処理やダイシング処理を行ったり、酸素系ガスを用いてレジスト処理や有機物汚染の除去を行ったり、アルゴン、窒素等の不活性ガスを用いて表面クリーニングや表面改質を行うこともできる。経済性及び安全性の観点から、処理ガス単独雰囲気よりも、以下に挙げる希釈ガスによって希釈された雰囲気中で処理を行うことが望ましい。希釈ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガス、窒素ガス等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の他の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図3は本発明に係る表面処理装置の特許請求しない他の実施形態として、平坦化手段である第1の支持台の斜視図と、その変形例の斜視図、図4は第2の支持台の斜視図、図5は第3の支持台の斜視図である。なお、これらの特許請求しない実施形態は前記した実施形態に対し、被処理物であるワークWは支持台を介して平坦な状態に保持され、搬送手段で搬送されて表面処理が行われることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図3において、この実施形態のワークWは平面形状が長方形をしており、ワークを平坦な状態に保持する支持台35はベースとなる平板36と、複数のクリップ37とから構成される。平板36は剛性を有するセラミックス等から形成され、ワークと略同一の長方形状をしており、上面が平坦な基準面となっている。クリップ37はステンレス鋼やばね材から形成され、板材の上下端部を折り曲げて平板36とワークW、具体的には端部とを挟むことによりワークを押圧し、平板36の上面(基準面)に密着させ、ワークWの反りをとって平坦化するものである。
このようにして平坦化手段である支持台35によりワークを平坦な状態で保持し、平板36を搬送台3aに載置、搬送または固定することで、ノズルヘッド1から吹き出される処理ガスはワークの表面に均一に接触し、均一な表面処理を行うことができる。そして、ワーキングディスタンスを小さく設定できるため、処理時間を短縮することができる。なお、平板36のクリップが挟まれる部分を予め段差にしておくと、搬送台3aへの固定が容易となる。また、クリップは絶縁被膜が形成されていてもよく、上下端部にはクッション材を貼着してもよい。クリップの位置はワークに傷を付けたり、処理の邪魔にならない位置を適宜選択すればよい。ワークやノズルヘッドを搬送するときは、ワークの搬送方向に平行な対向する2辺に設けるのが好ましい(図3b参照)。
図4に示す支持台40は、長方形のワークWが陥没する凹部41を形成してある容器状をしており、外周の縁部には回転可能に複数の押え爪42が支持されている。押え爪は4辺の縁部に、その長さに必要な数だけ支持されており、押え爪42が縁部と平行な状態では凹部41上に突出せず、押え爪42を例えば90度回転させたときに凹部41上に突出してワークWを凹部41の底面である水平な基準面に押圧するように構成されている。凹部41の深さは保持されるワークWの厚さと略同じに形成されている。
支持台40も搬送手段3で搬送される搬送台3a上に、図示していないクランプ手段等で固定される。支持台40の凹部41にワークWを嵌合させ、押え爪42を回転させてワークW上に位置させると、反りによりワークWが湾曲していても、その外周部が押え爪42により下方に押圧されるため、ワークは平坦な状態となる。ワークを平坦な状態にしてノズルヘッド1から処理ガスを吹き出させて処理することにより、表面処理は均一に行われ、ワーキングディスタンスが小さくても搬送の途中でワークWと処理ヘッドとの接触が防止される。
図5に示す支持台45は、長方形状のワークWの長手方向の2辺を係合させて支持するものであり、支持台45にはワークWの幅より僅かに大きい凹溝46が形成されている。この凹溝の深さは、保持されるワークの厚さより大きく設定され、凹溝の対向する垂直面には対向する2対の突起47が形成されている。これらの突起は、凹溝46の底面と対向する下面との距離がワークの厚さと同等になるように設定され、前後側が上昇する傾斜面となっている。なお、突起の数は2対に限らず、さらに多くしてもよい。突起が2対の場合は、凹溝46の入口部と出口部に設置することが好ましい。また、突起の下面にばね材を装着してワークを押し付けるように構成してもよい。
このように構成された支持台45では、ワークWを平坦化して保持させるときには凹溝46の開口部の方向から、突起47の下面と凹溝底面との間にワークWを挿入して凹溝46方向に押し込むことでワークWは2対の突起47により押圧状態となり、支持台45具体的には凹溝底面である水平な基準面に密着して平坦な状態で保持固定される。ワークWは2対あるいはそれ以上の突起47により長手方向の外周部を押え付けられるため、ワークが反って湾曲状態でも支持台45に平坦な状態で保持される。この支持台45に保持されたワークWをプラズマ処理装置Mで表面処理すると、各種の表面処理が均一に行われ、ワーキングディスタンスを小さくできるため処理時間を短縮できる。また、少ない処理ガスで表面処理が可能となる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、プラズマ処理として、被処理物の表面を洗浄する例を示したが、成膜、エッチング、表面改質やアッシング等の各種処理にも適用できることは勿論である。また、対向する電極間での放電は、グロー放電に限らず、コロナ放電、アーク放電等の放電でもよく、大気圧近傍での処理に限らず減圧下での表面処理にも適用できる。
被処理物を押圧するローラは処理ガスの吹き出し口の搬送方向前後側に各1列に設ける例を示したが、さらに多数列設けるように構成してもよい。放電処理部に処理ガスを導入する処理ガス導入部を備える構成を示したが、放電処理部に直接処理ガス源から導入するように構成してもよく、途中に処理ガスの圧力変化を防止する圧力調整弁を備えるように構成してもよい。処理ガスは吹き出し口を通して被処理物に吹き付ける構成としたが、中心間隙から直接吹き付ける構成でもよい。
本発明の活用例として、処理ヘッドから吹き出す処理ガスとしてHFベーパ等を使用してエッチング処理を行うことができる。また、プラズマ処理装置に限られるものでなく、熱CVDヘッドを取り付けることによって薄膜形成の用途にも適用できる。さらに、本発明では親水処理や撥水処理等の表面処理を行うこともできる。
本発明に係る表面処理装置の一実施形態としてプラズマ処理装置の要部構成を示す断面図。 図1の要部を示す底面図。 (a)は本発明に係る表面処理装置の特許請求しない他の実施形態で用いる平坦化手段として第1の支持台の斜視図、(b)はその変形例を示す斜視図。 第2の支持台の斜視図。 第3の支持台の斜視図。
符号の説明
1:ノズルヘッド(処理ヘッド)、2:処理ガス源、3:搬送手段、3a:搬送台、4:電源、23,24:電極、29:ローラ(平坦化手段)、10:処理ガス導入部、20:放電処理部、35,40,45:支持台(平坦化手段)、36:平板、37:クリップ、41:凹部、42:押え爪、46:凹溝、47:突起、M:プラズマ処理装置(表面処理装置)、W:ワーク(被処理物)

Claims (2)

  1. 処理ヘッドから吹き出した処理ガスを被処理物の表面に接触させて表面処理する装置であって、
    該表面処理装置は、被処理物を平坦な状態にする平坦化手段を備え、前記平坦化手段は、前記処理ヘッドに回転可能に支持され、前記被処理物の表面を押圧するローラであることを特徴とする表面処理装置。
  2. 前記表面処理装置は、前記処理ヘッドと被処理物との少なくとも一方を移動させて表面処理することを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
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