JP2002134594A - 基板ホルダー及び薄膜形成装置 - Google Patents

基板ホルダー及び薄膜形成装置

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JP2002134594A JP2000324365A JP2000324365A JP2002134594A JP 2002134594 A JP2002134594 A JP 2002134594A JP 2000324365 A JP2000324365 A JP 2000324365A JP 2000324365 A JP2000324365 A JP 2000324365A JP 2002134594 A JP2002134594 A JP 2002134594A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板保持の安定性と薄膜転写後の基板解放の
容易性とを実現する。 【解決手段】 薄膜形成装置は、表面が下方を向いたウ
エハ1を基板ホルダー102bで保持し、薄膜が形成さ
れたシートフィルム2をその薄膜形成面が上方を向いた
状態で転写板上に載置し、基板ホルダー102bと転写
板を接近させて、ウエハ1に薄膜を転写する。基板ホル
ダー102bは、複数の基板保持機構を有し、基板保持
機構は、薄膜の転写時に転写板と接触して上昇する可動
支柱202と、ホルダーの基板搭載面との間でウエハ1
を挟持し、挟持中に可動支柱202が上昇したとき、回
転してウエハ1を解放する保持爪201とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の薄膜形
成装置等に配設される、基板を下向きに固定する基板ホ
ルダー及び薄膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品に関わる薄膜形成法は、主に、
スパッタリング法、化学気相成長法、蒸着法、塗布法、
メッキ法などに大別される。薄膜形成を行いたい基板の
面積が小さい場合は、これらの方法の内のどれかを選択
すれば、およそ実現したい電子部品について対応可能で
あった。しかしながら、近年は、LSIの製造に用いる
ウエハや液晶パネルの大面積化にともない、大面積化に
適合した薄膜形成法が必要となってきた。また、大面積
化だけでなく、薄膜形成における表面平坦化技術などへ
の要求も高まってきている。例えば、LSIの多層配線
技術の分野では、多層配線を実現するために、絶縁膜の
表面を完全に平坦化することが要求されている。
【0003】これまでに、この平坦化の代表的な技術と
して、SOG(Spin-On-Glass )法や、PIQ法(K.Sa
to,S.Harada,A.Saiki,T.Kitamura,T.Okubo,and K.Muka
i,"ANovel Planar Multilevel Interconnection Techno
logy Utilizing Polyimide",IEEE Trans.Part Hybrid P
ackage.,PHP-9,176(1973))、エッチバック法(P.Eliki
ns,K.Reinhardt,and R.Layer,"A planarization proces
s for double metal CMOS using Spin-on Glass as a s
acrificial layer,"Proceeding of 3rd International
IEEE VMIC Conf.,100(1986))、リフトオフ法(K.Ehar
a,T.Morimoto,S.Muramoto,and S.Matsuo,"Planar Inter
connection Technology for LSI Fabrication Utilizin
g Lift-off Process",J.Electrochem Soc.,Vol.131,No.
2,419(1984). )などが検討された。
【0004】上述したSOG法に関しては、膜の流動性
を用いているために完全な平坦化を実現するのは困難で
ある。また、エッチバック法は、最も多く使われている
技術であるが、レジストと絶縁膜を同時にエッチングす
ることによるダスト発生の問題があり、ダスト管理の点
で容易な技術ではない。また、リフトオフ法は、使用す
るステンシル材がリフトオフ時に完全に溶解しないため
に、リフトオフできないなどの問題を生じ、制御性や歩
留りが不十分なため、実用化に至っていない。
【0005】一方、簡便な平坦化法として、バイアスス
パッタ法が提案されている(C.Y.Ting, V.J.Vivalda,an
d H.G.Schaefer,"Study of Planarized Sputter-Deposi
ted-SiO2",J.Vac.Sci.Technol.15,1105(1978).)。ま
た、より微細な配線層に適用するため、バイアスECR
法による平坦化の技術が提案されている(K.Machida an
d H.Oikawa,"SiO2 Planarization Technology With Bia
sing and Electron Cyclotoron Resonance Plasma Depo
sition for Submicron Interconnections",J.Vac.Sci.T
echnol.B4,818(1986) )。
【0006】これらの方法は、スパッタ法やECRプラ
ズマCVD法で成膜を行う中で、基板にRFバイアスを
印加し、試料基板上でスパッタリングを起こすようにし
ている。この薄膜形成方法は、基板上でのスパッタリン
グの角度依存性を利用し、凸部をエッチングしながら成
膜を行い、平坦化を実現するものである。これらの技術
の特徴として、膜質は低温で形成されていても良質であ
ることや、平坦化プロセスが容易で簡単であることなど
が挙げられる。しかしながら、これらの方法では、プラ
ズマを用いるようにしているため、スループットが低い
ことや、素子へのダメージの問題などがある。
【0007】1990年代に入って、層間膜の表面平坦
化法として、研磨法が提案された(W.J.Patrick, W.L.G
uthrie, C.L.Standley, P.M.Schiable,"Application of
Chemical Mechanical Polishing to the Fabrication
of VLSI Circutit Interconnections",J.Electrochem.S
oc.,Vol.138,No.6,June,1778(1991).)。この研磨法
は、良好な平坦性を得られることで注目された技術であ
る。しかしながら、この研磨法は、対象とする絶縁膜の
膜質が悪いと良好な研磨特性が得られないため、低温で
形成できる良質の絶縁膜が必要なことや、研磨特性が不
安定などの問題がある。
【0008】以上説明したように、従来より様々な成膜
技術および平坦化の技術があるが、上述したようにそれ
ぞれ問題点がある。また、近年、半導体基板は、例え
ば、8インチから12インチヘと大面積化の一途を辿っ
ており、上記に挙げた従来技術を大面積半導体基板に適
用する場合、制御性の観点から平坦性や膜厚の均一性の
確保が困難になってきている。その結果、大面積化に対
応するために複雑な工程を追加するなど、コスト的に高
くなってしまうという問題があった。
【0009】そこで、発明者らは、基板上に平坦な薄膜
を低コストで形成することができる薄膜形成方法を提案
した(特開平11−26455号公報)。この薄膜形成
方法は、薄膜形成対象の基板表面を下方に向け、シート
フィルム上に形成された薄膜を基板表面に圧接して、薄
膜を基板表面に転写することにより、大型化した基板に
対して、低コストで薄膜を形成し、かつ容易に平坦化で
きるようにしたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−2645
5号公報で開示された薄膜形成方法では、基板表面を下
方に向けながら基板を安定に保持する必要があり、かつ
薄膜転写後は基板の保持を解除する必要があるが、基板
保持の安定性と薄膜転写後の基板解放の容易性とを満た
す装置は従来実現されていなかった。なお、このような
問題は、基板を下向きに固定する他の装置においても同
様に発生する。本発明の目的は、基板保持の安定性と基
板解放の容易性とを実現する基板ホルダー及び薄膜形成
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】また、本発明の基板ホル
ダー(102b)は、載置台(210)と、この載置台
に基板(1)を下向きに固定する複数の保持機構とを備
え、各保持機構は、前記載置台の所定の位置に基板搭載
面と垂直な方向に形成された穴と、この穴に一端が挿入
され、他端が前記載置台の基板搭載面に露出すると共
に、前記穴のガイド壁に沿って上下及び周方向に回動可
能な可動支柱(202)と、前記可動支柱を吊り下げた
状態で支える弾性体(205)と、前記載置台の内部の
壁面に前記基板搭載面と垂直な方向に沿って形成された
螺旋状の回転誘導溝(204)と、一端が前記可動支柱
の一端に固定され、他端が前記回転誘導溝に滑動自在に
はめ込まれた回転部材(203)と、前記基板搭載面と
垂直な方向に沿って前記載置台により遊動自在に支えら
れ、一端が前記回転部材の一端に固定された回転伝達部
材(206)と、前記基板搭載面の上に配置され、前記
載置台を貫通した前記回転伝達部材の他端と連結された
保持爪(201)とからなり、前記可動支柱の上下動に
伴う前記回転部材の前記回転誘導溝に沿った変位が前記
回転伝達部材を介して伝達されることにより、前記保持
爪が前記基板搭載面と平行な面内で回転しつつ上下動
し、前記基板搭載面と前記保持爪によって前記基板を挟
持している状態で、前記可動支柱の他端が押上げられた
とき、この可動支柱の上昇に伴う前記保持爪の回転によ
り前記基板を前記保持爪から解放するようにしたもので
ある。
【0012】また、本発明の薄膜形成装置は、薄膜形成
対象の表面が下方を向いた基板を保持する前記基板ホル
ダーと、この基板ホルダーと対向して配置され、薄膜が
形成された基材をその薄膜形成面が上方を向いた状態で
搭載する転写板(103)とを備え、前記基板ホルダー
と前記転写板とを接近させて、前記基板の表面に前記基
材の薄膜形成面を圧接して前記基板に前記薄膜を転写
し、この薄膜転写時に前記転写板によって前記可動支柱
の他端を押上げ、前記基板を前記基板ホルダーから解放
するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
の形態で用いる薄膜形成装置の構成を示す断面図であ
る。本実施の形態の薄膜形成装置は、真空排気可能な薄
膜形成室101の中に、ウエハ(半導体基板)1を下向
きに固定する試料台102と、試料台102と対向配置
された転写板103と、転写板103を上下移動させる
転写板支え板104とを配置したものである。薄膜形成
室101は図示しない真空排気手段により真空排気され
る。
【0014】試料台102は、加熱台102aとウエハ
1を保持する基板ホルダー102bとから構成されてい
る。加熱台102aの内部には加熱機構であるヒータ
(不図示)が設けられており、このヒータはヒータ制御
部105によって制御される。これにより、試料台10
2に固定したウエハ1を加熱することができる。なお、
試料台102は、支え棒106により薄膜形成室101
に固定されている。
【0015】転写板103は、均一に加重されるよう
に、バネ107で転写板支え板104と結合している。
転写板支え板104は、転写板103を上下移動させる
ためのものである。転写板103には、予め薄膜が形成
されたシートフィルム2が、その薄膜形成面を上にして
固定される。転写板103のシートフィルム2を固定す
る面には、平坦性を確保するために研磨された石英板が
設けられている。
【0016】また、転写板103の内部には加熱機構で
あるヒータ(不図示)が設けられており、このヒータは
ヒータ制御部108によって制御される。これにより、
転写板103に固定したシートフィルム2を加熱するこ
とができる。なお、試料台102及び転写板103の加
熱機構は、転写時の薄膜の流動性及びウエハ1への密着
性を向上させるために設けられている。本実施の形態で
は、試料台102及び転写板103共に、室温から30
0℃まで加熱可能とした。
【0017】駆動部109は、転写板支え板104を上
下移動させる。駆動部109によって転写板支え板10
4を基板ホルダー102bの方向、すなわち上方へ移動
させることにより、転写板103上のシートフィルム2
の薄膜形成面と基板ホルダー102bによって保持され
たウエハ1の薄膜形成面とを当接させることができ、薄
膜をウエハ1へ転写する際に均一な加重をかけることが
可能となる。本実施の形態では、50kgまでの加重を
印加可能とした。
【0018】本実施の形態では、ウエハ1の薄膜形成面
が下向きとなるように基板ホルダー102bでウエハ1
を保持することにより、結果としてシートフィルム2の
薄膜形成面が上向きとなるようにしている。ここで、シ
ートフィルム2の薄膜形成面を上向きにする理由につい
て説明する。
【0019】図2に示すように、シートフィルム2上に
形成された薄膜3の表面が下向きになると、転写前の余
熱の段階で薄膜3がシートフィルム2上で流動するため
に薄膜3の膜厚分布によどみが生じる。この結果、特
に、薄膜3の厚い部分から多くのガスが発生し、シート
フィルム2が撓むことになる。そして、この撓みの存在
により、転写不良が生じる。
【0020】これに対して、本実施の形態では、シート
フィルム2上の薄膜3の表面が上向きとなるようにした
ことにより、薄膜3には常に下方に向かって均一に重力
が加わるので、転写前の薄膜3の膜厚を図3のように均
一に保つことができる。その結果、薄膜3からのガス放
出が均一に行われるので、シートフィルム2が撓むこと
なく維持され、転写不良が発生しない。こうして、本実
施の形態では、ウエハ1上に平坦な薄膜3を転写するこ
とができるが、そのためには、ウエハ1の薄膜形成面が
下向きとなるように基板ホルダー102bでウエハ1を
保持する必要がある。以下、本実施の形態の基板ホルダ
ー102bについて説明する。
【0021】図4(a)は基板ホルダー102bの下面
図、図4(b)は基板ホルダー102bの断面図、図4
(b)は基板ホルダー102bに設けられた基板保持機
構の構造を示す斜視図である。なお、図4(a)、図4
(b)は基板保持機構によってウエハ1を保持している
状態を示す。また、図4(c)は基板ホルダー102b
の内部を透視しており、記載を容易にするため、上下を
逆にしている。
【0022】載置台210に設けられた基板保持機構
は、保持爪201と、可動支柱202と、回転部材20
3と、回転誘導溝204と、バネ205と、回転伝達部
材206と、載置台210の表面に形成された保持爪収
納溝207とから構成される。
【0023】載置台210には、円柱状の空間208が
形成されている。回転部材203及びバネ205は、空
間208内に収められている。また、空間208におい
て載置台210の壁面には、回転誘導溝204が螺旋状
に形成されている。
【0024】可動支柱202及び回転伝達部材206は
載置台210によって遊動自在に支えられ、可動支柱2
02及び回転伝達部材206の一端は空間208内に突
出し、また可動支柱202の他端は載置台210の表面
に露出している。空間208内に突出した可動支柱20
2の一端はバネ205の一端と連結され、バネ205の
他端は載置台210と連結されている。
【0025】回転部材203の一端は、空間208内に
突出した可動支柱202及び回転伝達部材206の一端
に固定され、回転部材203の他端は、回転誘導溝20
4に滑動自在にはめ込まれている。そして、回転伝達部
材206の他端は保持爪201に固定されている。
【0026】次に、以上のような基板保持機構によりウ
エハ1を保持する動作を説明する。ウエハ1を保持して
いない場合の保持爪201は、図4(a)、図4(b)
で示したウエハ1を保持している状態と同じ位置にある
(以下、このときの保持爪201の位置を初期位置と呼
ぶ)。ウエハ1を保持する場合、載置台210の表面に
露出している可動支柱202の突出部209を押し上
げ、図4(b)のU方向(すなわち、上方向)に移動さ
せる。
【0027】可動支柱202のU方向への移動により、
回転部材203の一端がU方向に押されるので、回転部
材203の他端は、回転誘導溝204に沿って螺旋状の
軌跡を描きつつ移動する。このような回転部材203の
変位により、回転部材203の一端と連結された回転伝
達部材206は、図4(c)のB方向に回転しつつU方
向に移動する。その結果、回転伝達部材206と連結さ
れた保持爪201も、B方向に回転しつつU方向に移動
し、最終的には保持爪収納溝207内に収納される。な
お、可動支柱202のU方向への移動により、バネ20
5は、縮められ、伸びる方向の駆動力を蓄える。
【0028】この状態で、ウエハ1を載置台210にセ
ットして、突出部209を押し上げていた力を解除す
る。突出部209の押し上げが解除されると、可動支柱
202は、可動支柱202のU方向への移動に伴って縮
んだバネ205により図4(b)のD方向(すなわち、
下方向)へ押し戻される。可動支柱202のD方向への
移動により、回転部材203の一端がD方向に押される
ので、回転部材203の他端は、可動支柱202がU方
向に移動したときと逆向きの螺旋状の軌跡を描きつつ移
動する。この回転部材203の変位により、回転伝達部
材206は、A方向に回転しつつD方向に移動し、これ
に伴って保持爪201も、A方向に回転しつつD方向に
移動し、初期位置に達する。
【0029】初期位置に達すると、バネ205に蓄えら
れた伸びる方向の駆動力がなくなるので、これに伴って
可動支柱202のD方向への動きが停止し、可動支柱2
02と連結された回転部材203のD方向への動きも停
止する。回転部材203のD方向への動きが停止したこ
とで、回転部材203の他端のA方向への動きは回転誘
導溝204によって規制される。これにより、回転部材
203と連結された回転伝達部材206のA方向への動
きが停止し、回転伝達部材206と連結された保持爪2
01のA方向への動きも停止する。こうして、保持爪2
01の動きが停止し、ウエハ1は、図4(b)のように
載置台210と保持爪201によって挟まれ固定され
る。以上がウエハ1を保持するときの動作である。
【0030】なお、初期位置において、ウエハ1にかか
るU方向の力はほぼ0である。その理由は、保持爪20
1によってウエハ1に圧力を加えると、ウエハ1が割れ
てしまうからである。したがって、バネ205は、初期
位置の状態において、伸び縮みの何れの方向の駆動力も
蓄えていない状態となるように設計される。
【0031】次に、ウエハ1が解放されるときの動作を
説明する。前述のように、ウエハ1上に薄膜3を転写す
るには、転写板103を上昇させて、転写板103上の
シートフィルム2の薄膜形成面と基板ホルダー102b
によって保持されたウエハ1の薄膜形成面とを当接させ
る。このとき、転写板103は、可動支柱202の突出
部209と接触し、可動支柱202を押してU方向に移
動させる。
【0032】可動支柱202のU方向への移動により、
回転部材203の一端がU方向に押されるので、回転部
材203の他端は、回転誘導溝204に沿って、可動支
柱202がD方向に移動したときと逆向きの螺旋状の軌
跡を描きつつ移動する。この回転部材203の変位によ
り、回転伝達部材206は、B方向に回転しつつU方向
に移動し、これに伴って保持爪201も、B方向に回転
しつつU方向に移動する。
【0033】このB方向への動きにより、保持爪201
は、ウエハ1から外れ、最終的には前述のように保持爪
収納溝207内に収納される(図5)。この状態で転写
板103を下降させると、ウエハ1は、転写板103上
に載った状態で基板ホルダー102bから離れる。
【0034】転写板103が下降すると、可動支柱20
2の突出部209の押し上げが解除されるので、前述と
同じ動作により、保持爪201は初期位置に戻る。以上
により、本実施の形態では、ウエハ保持の安定性と薄膜
転写後のウエハ解放の容易性とを実現することができ
る。
【0035】次に、図1の薄膜形成装置を用いてウエハ
1に薄膜3を形成する工程を説明する。本実施の形態で
は、シートフィルム2として熱可塑性樹脂フィルムを用
い、薄膜3としては絶縁膜形成用塗布液を用い、この塗
布液をシートフィルム2上に塗布することにより1μm
以上の厚さの薄膜(絶縁膜)3を形成した。
【0036】図6は本実施の形態における薄膜形成工程
を示す工程断面図である。まず、図6(a)に示すよう
に、ウエハ1上にアルミニウム膜をスパッタ法で膜厚5
00nmに形成した後、フォトリソグラフィ工程により
パターニングを行い、続いてドライエッチングにより加
工して、配線層4を形成する。
【0037】次に、ウエハ1を薄膜形成室101内の基
板ホルダー102bに装着して、シートフィルム2を転
写板103上に固定し、ウエハ1の配線層4とシートフ
ィルム2上の薄膜3とが向かい合うように配置する(図
6(b))。このとき、雰囲気は、真空度として10T
orr以下に設定した状態とした。このように、減圧下
とすることで、シートフィルム2上に塗布形成した薄膜
3からのガス抜きが効率よく行える。
【0038】続いて、転写板103を上昇させて、ウエ
ハ1の配線層形成面とシートフィルム2の薄膜形成面と
を当接させ、転写板103によりシートフィルム2裏面
より5kgを加重し、シートフィルム2上の薄膜(塗布
膜)3をウエハ1の配線層形成面に押しつける。このと
き、前述の動作により、ウエハ1は保持爪201から解
放されている。また、加熱機構による加熱温度は130
℃とし、この加熱を10分間行った。この結果、薄膜3
は、ウエハ表面に転写される。
【0039】次に、ウエハ1表面に薄膜3を介してシー
トフィルム2が貼り付けられた状態で、ウエハ1を薄膜
形成室101から取り出し、図6(c)に示すように、
シートフィルム2を薄膜3より剥離し、その後、焼成を
行うために熱処理を施した。本実施の形態では、熱処理
を、温度400℃、時間30分、窒素雰囲気中で行っ
た。この結果、図6(d)に示すように、ウエハ1上
に、配線層4を覆うように膜厚1.0μmの薄膜(絶縁
膜)3が平坦に形成された状態が得られる。なお、本実
施の形態は半導体基板用の装置に適用した例であるが、
電子部品材料関係であれば実装関係の基板や液晶関係の
基板ホルダーに適用できることは言うまでもないことで
ある。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、載置台と、この載置台
に基板を下向きに固定する複数の保持機構とを備え、各
保持機構を、穴、可動支柱、弾性体、回転誘導溝、回転
部材、回転伝達部材及び保持爪から構成することによ
り、載置台の基板搭載面と保持爪との間で基板を挟持し
(保持爪で基板を支えている状態)、基板の挟持中に可
動支柱が上昇したとき、基板搭載面と平行な面内で保持
爪を回転させて基板を解放するので、基板保持の安定性
と基板解放の容易性とを実現することができる。
【0041】また、基板ホルダーと対向して転写板を設
け、基板への薄膜転写時に転写板によって基板ホルダー
の可動支柱の他端を押上げることにより、基板を基板ホ
ルダーから解放するようにしたので、基板への薄膜の転
写時には基板を安定に保持し、薄膜を転写した後は基板
を容易に解放できる薄膜形成装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態で用いる薄膜形成装置の
構成を示す断面図である。
【図2】 シートフィルム上に形成された薄膜の膜厚分
布によどみが生じた状態を示す断面図である。
【図3】 シートフィルム上に形成された薄膜の膜厚分
布が均一な状態を示す断面図である。
【図4】 基板ホルダーの下面図、断面図及び基板ホル
ダーに設けられた基板保持機構の構造を示す斜視図であ
る。
【図5】 ウエハを解放したときの基板ホルダーの下面
図である。
【図6】 薄膜形成工程を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1…ウエハ、2…シートフィルム、3…薄膜、4…配線
層、201…保持爪、202…可動支柱、203…回転
部材、204…回転誘導溝、205…バネ、206…回
転伝達部材、207…保持爪収納溝、209…突出部、
210…載置台。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久良木 億 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA24 BD10 JA06 4K030 CA12 GA02 5F031 CA02 HA24 HA46 MA21 MA37 5F045 CB05 DP02 EB19 EK07 EM03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 載置台と、この載置台に基板を下向きに
    固定する複数の保持機構とを備え、 各保持機構は、 前記載置台の所定の位置に基板搭載面と垂直な方向に形
    成された穴と、 この穴に一端が挿入され、他端が前記載置台の基板搭載
    面に露出すると共に、前記穴のガイド壁に沿って上下及
    び周方向に回動可能な可動支柱と、 前記可動支柱を吊り下げた状態で支える弾性体と、 前記載置台の内部の壁面に前記基板搭載面と垂直な方向
    に沿って形成された螺旋状の回転誘導溝と、 一端が前記可動支柱の一端に固定され、他端が前記回転
    誘導溝に滑動自在にはめ込まれた回転部材と、 前記基板搭載面と垂直な方向に沿って前記載置台により
    遊動自在に支えられ、一端が前記回転部材の一端に固定
    された回転伝達部材と、 前記基板搭載面の上に配置され、前記載置台を貫通した
    前記回転伝達部材の他端と連結された保持爪とからな
    り、 前記可動支柱の上下動に伴う前記回転部材の前記回転誘
    導溝に沿った変位が前記回転伝達部材を介して伝達され
    ることにより、前記保持爪が前記基板搭載面と平行な面
    内で回転しつつ上下動し、前記基板搭載面と前記保持爪
    によって前記基板を挟持している状態で、前記可動支柱
    の他端が押上げられたとき、この可動支柱の上昇に伴う
    前記保持爪の回転により前記基板を前記保持爪から解放
    することを特徴とする基板ホルダー。
  2. 【請求項2】 薄膜形成対象の表面が下方を向いた基板
    を保持する請求項1記載の基板ホルダーと、 この基板ホルダーと対向して配置され、薄膜が形成され
    た基材をその薄膜形成面が上方を向いた状態で搭載する
    転写板とを備え、 前記基板ホルダーと前記転写板とを接近させて、前記基
    板の表面に前記基材の薄膜形成面を圧接して前記基板に
    前記薄膜を転写し、この薄膜転写時に前記転写板によっ
    て前記可動支柱の他端を押上げ、前記基板を前記基板ホ
    ルダーから解放することを特徴とする薄膜形成装置。
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