JP2007241198A - 発色構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の製造方法は、熱塑性を有する発色構造体形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が20%以下で、軟化点が該発色構造体形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該発色構造体形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
色素色とは、物質そのものが色素を有しているものであるのに対し、構造色とは、物質そのものは色素を持たず、可視領域の光の波長あるいは、それ以下の微細構造を持つことで生じる光学現象(光の干渉、回折、散乱)によって発色する色のことである。構造色の代表的なものには、モルフォ蝶の羽、ルリイロスズメダイの表皮、孔雀の羽、玉虫の甲殻、オパールの遊色等を挙げることができる。
このような方法としては、例えば、球状粒子を自然沈降、堆積させる方法、引き上げによりコロイド結晶薄膜を作製する方法、電気泳動法、毛管法等が挙げられる。
しかし、これらの方法では、球状粒子を重力により安定化しているだけであり、外部刺激により、球状粒子の配列(コロイド結晶構造)が簡単に破壊されてしまう。このような問題に対し、球状粒子を固定化させ、球状粒子の配列(コロイド結晶構造)を長期にわたり維持する方法が種々提案されている。
さらに、高分子モノマー等の液状物を出発物質とし、該液状物をゲル化させて、球状粒子を固定化させているため、その固定化の過程で、少なくとも揮発成分の揮発に伴う体積変化が起こっている。このような揮発成分の揮発に伴う微妙な体積変化により、球状粒子の配列が崩れる恐れがあり、発色構造体が製造できないおそれがあった。また製造できたとしても、再現性が得られ難いといった問題もあった。
また、液状物であるバインダー成分を流し込んで硬化させるため、バインダー成分を流し込む際や、硬化させる際に、球状粒子の配列が乱れ、コロイド結晶状態が崩れる恐れがあり、発色構造体が得られない場合があった。
さらに、基板に球状粒子を精密に配列させる必要があるため、長時間を必要とし、量産性にも問題があった。
1.熱塑性を有する発色構造体形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が20%以下で、軟化点が該発色構造体形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該発色構造体形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延することを特徴とする光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
2.球状粒子が、無機粒子であることを特徴とする1.に記載の光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
3.発色構造体形成樹脂と球状粒子の比率が、重量比で1:0.01〜1:10であることを特徴とする1.または2.に記載の光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
4.固形状物が、発色構造体形成樹脂と、平均粒子径5nm〜800nmの球状粒子と、溶媒からなる混合溶液から、溶媒を除去することにより得られるものであることを特徴とする1.から3.のいずれかに記載の光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
5.熱塑性を有する発色構造体形成樹脂中に、
平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が20%以下で、軟化点が該発色構造体形成樹脂よりも高い球状粒子、及び平均粒子径600nm以下で、軟化点が該発色構造体形成樹脂よりも高い非球状粒子が分散してなり、該発色構造体形成樹脂と該球状粒子の比率が重量比で1:0.01〜1:10、該発色構造体形成樹脂と該非球状粒子との比率が重量比で1:0.0001〜1:0.01である固形状物を、
該発色構造体形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点及び該非球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延することを特徴とする光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
したがって、球状粒子が均一に配列された構造体、つまり優れた光干渉性を有する構造色を呈する構造体を簡便に得ることができる。
発色構造体形成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルエステル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルカプロラクタム樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、このような樹脂の無溶剤型、溶剤可溶型、NAD型、水可溶型、水分散型等を使用することができる。
このような架橋ネットワークを形成する樹脂としては、次に示す反応性官能基の反応性を有するもの等が挙げられる。反応性官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、加水分解性シリル基どうしの組み合わせ等が挙げられる。
このような反応性官能基の架橋は、上述した樹脂中に存在する反応性官能基同士の反応でもよいし、新たに、反応性官能基を有する架橋剤を添加してもよい。
このような反応性官能基量としては、該樹脂を形成する反応性官能基を有する単量体が、発色構造体を形成する樹脂全量に対し、50重量%以下、さらには0.5重量%以上40重量%以下、さらには1重量%以上30重量%以下含まれることが好ましい。50重量%より多い場合は、圧延時に軟化し難く、球状粒子が均一に配列された構造体が得られ難い。
なお、本発明における平均粒子径は電子顕微鏡での観察による数平均値である。粒子径分布は遠心沈降法等による測定から得られるものである。
また、球状粒子のアスペクト比は、1.0以上1.2未満(さらには1.0以上1.15以下、さらには1.0以上1.1以下)であることが好ましい。このような範囲であれば、球状粒子が規則正しく配列し、より優れた構造色を呈することができる。ここに言うアスペクト比とは、粒子の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの比のb/aで表される値である。
具体的に球状粒子の軟化点は、80℃以上(さらに好ましくは、100℃以上)であればよい。なお球状粒子の軟化点の上限は特に限定されないが、1500℃以下(さらには、1000℃以下)であることが好ましい。
また、有機粒子の軟化点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度10℃/minで測定し、算出した値である。
球状粒子が少なすぎる場合は、配列された球状粒子の粒子間距離が長くなりすぎ、可視光の波長以上となってしまい、人間の視覚には色が認識されなくなってしまうため、発色構造体が得られにくい。また球状粒子が多すぎる場合は、球状粒子同士の凝集が生じやすく、また、球状粒子の固定化が困難となり、コロイド結晶に自立性がなくなってしまう。
例えば、球状粒子の配列が160nm〜170nm程度の間隔であれば紫系、180nm〜190nm程度の間隔であれば青系、200nm〜230nm程度の間隔であれば緑系、240nm〜260nm程度の間隔であれば黄系、270nm〜290nm程度の間隔であれば赤系、などに設定することができる。
このような発色性向上効果が得られる作用機構は明確ではないが、非球状粒子が球状粒子の間隙に一定間隔で入りこむことによって、圧延時における球状粒子の配列の乱れが抑制されることが寄与しているものと考えられる。
さらに、非球状粒子としては、アスペクト比が1.2以上600以下(好ましくは1.5以上500以下)の針状あるいは鱗片状の粒子が好適である。ここに言うアスペクト比とは、粒子の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの比のb/aで表される値である。
その他の粒子としても、その軟化点が前記発色構造体形成樹脂の軟化点よりも高く、特に前記発色構造体形成樹脂の軟化点よりも20℃以上、さらには50℃以上高いものが好ましい。具体的にその他の粒子の軟化点は、80℃以上(さらに好ましくは、100℃以上)であればよい。その他の粒子の軟化点の上限は特に限定されないが、通常は1500℃以下(好ましくは1000℃以下)である。
さらに、本発明では、非球状粒子が、拡散反射率が60%以下である粒子であることが好ましい。非球状粒子として、拡散反射率が60%以下である粒子を使用することにより、発色構造体の反射光がより鮮明になるとともに、球状粒子による優れた構造発色を呈することができる。
蓄光性を有する粒子としては、例えば、CaS:Bi、CaSr:Bi、ZnS:Cu、ZnCdS:Cu等の硫化物や、MAl2O4(M=Ca、Sr、Ba)で表示される化合物で、賦活剤としてEuを添加し、共賦活剤として、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを添加してなる物等が挙げられる。
蓄光性を有する粒子の平均粒子径は、5μm〜100μm、さらには10μm〜80μmであることが好ましい。このような範囲であることにより、上記効果をより明確に得ることができる。平均粒子径が大きすぎる場合は、構造発色性を阻害するおそれがある。平均粒子径が小さすぎる場合は、蓄光性が低下してしまい、夜間の蓄光性による効果が得られにくい。
蓄光性を有する粒子は、全粒子のうち、0.5重量%以上50重量%以下(好ましくは0.5重量%以上30重量%以下、さらに好ましくは1.0重量%以上20重量%以下)であることが好ましい。50重量%より多い場合は、球状粒子の配列を乱し、構造発色による色彩が損なわれるおそれがある。0.5重量%より少ない場合は、蓄光性が低下してしまい、夜間の蓄光性による効果が得られにくい。
また、蛍光性を有する粒子を含むことによって、蛍光性を有する粒子から発光される光が、構造発色体を通過し、構造発色の色相とあいまって、優れた美観性を得ることもできる。
本発明では、後述する圧延により、球状粒子を規則正しく配列するものであり、固形状物製造時に、必ずしも球状粒子を規則正しく配列する必要がない。そのため、簡便に固形状物を製造することができる。
例えば、固形状物を得る方法としては、球状粒子を、発色構造体形成樹脂と溶媒とからなる樹脂溶液に混合し、球状粒子が分散した混合溶液を作製し、該混合溶液から、溶媒を除去することにより、固形状物を得ることができる。溶媒の除去は、通常、30〜200℃で、5分〜24時間程度で行えばよい。球状粒子に加え非球状粒子を併せて使用する場合は、上記混合溶液にさらに非球状粒子を添加したものを作製した後、溶媒を除去すればよい。
このような方法では、球状粒子が均一、かつ高分散した固形状物を得やすく、このような固形状物を圧延することで、球状粒子が均一に配列しやすく、構造色を呈する構造体を簡便に得ることができる。
このような樹脂を用いた場合、発色構造体形成樹脂と溶媒とからなる樹脂溶液中に球状粒子が均一に高分散しやすく、かつ得られる固形状物において発色構造体形成樹脂や球状粒子の偏りが抑えられるため好ましい。さらに、透明性に優れる固形状物が得られやすく、良好な構造発色性を示すことができる。特に、発色構造体形成樹脂と溶媒の相溶性に優れるものを選択することによって、よりいっそう優れた構造発色性を示すことができる。
本発明では、溶媒として特に水を含むものが好ましく、よって、発色構造体形成樹脂として、水に可溶な水可溶型の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
例えば、球状粒子表面が負の電荷をもつものであれば、ノニオン性および/またはアニオン性の熱塑性を有する樹脂、また、球状粒子表面が正の電荷をもつものであれば、ノニオン性および/またはカチオン性の熱塑性を有する樹脂を選択することが好ましい。また、立体障害効果を有するものや、相互作用(疎水親水相互作用を含む)を有するもの、球状粒子と溶媒との界面を活性させる効果を有するものでもよい。
例えば、球状粒子として、無機粒子を用いる場合、無機粒子の表面は負の電荷を帯びるものが多く、熱塑性を有する樹脂としてはノニオン性および/またはアニオン性の熱塑性を有する樹脂を用いることが好ましい。
このような温度領域で圧延することにより、発色構造体形成樹脂が液体に近い状態になり、球状粒子が動きやすくなり、その結果、球状粒子を最密に充填させることができ、規則正しく配列させることが可能となり、簡便に光干渉性を有する発色構造体を得ることができる。
圧延温度が発色構造体形成樹脂の軟化点よりも低い場合、圧延できず、構造発色性が得られ難くなってしまう。また、球状粒子の軟化点よりも高い温度の場合、球状粒子が溶融してしまい、発色構造体が得られなくなってしまう。
固形状物において球状粒子と非球状粒子を併用する場合は、発色構造体形成樹脂の軟化点よりも高く、球状粒子の軟化点及び非球状粒子の軟化点よりも低い温度領域で圧延を行えばよい。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、温度23℃、相対湿度50%(以下、「標準状態」ともいう。)で、樹脂Aを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子Aを混合して混合溶液を作製した。
該混合溶液を、アルミニウム製の容器(φ1000mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、青系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PENフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、170℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、赤系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、80℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、赤系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫系の構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫系の構造発色を示した。
実施例1で得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱プレス器を用いて、130℃、30MPaでプレス後すぐに、非加熱の圧延ローラーを用いて、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、赤系の優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、紫系の優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、青緑系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、赤色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、黄色系の強い構造発色を示した。また、圧延前後の紫外可視吸収スペクトルから算出した差スペクトル(以下単に「差スペクトル」という)が実施例10に比べ鋭くなることが確認できた(図2)。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、黄色系の強い構造発色を示した。また、実施例10に比べ差スペクトルが鋭くなることが確認できた(図3)。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、青色系の強い構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。また、得られた発色構造体を、水中静置しておいたところ、24時間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、標準状態で、樹脂Dを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子Aを混合して混合溶液を作製した。
次に、該混合溶液と架橋剤Aを混合し、アルミニウム製の容器(φ1000mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、無色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、緑色系の強い構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。また、得られた発色構造体を、水中静置しておいたところ、24時間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黒色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な青系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黄色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、青系の優れた構造発色を示した。また、フィルムの背面への可視光透過性も抑制されることが確認できた。さらに、得られた構造発色体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。また、蛍光灯下で20分放置し、暗所で蓄光性を確認したところ、目視で2時間の蓄光性が確認された。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黒色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、鮮明な青系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黒色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、青系の優れた構造発色を示した。また、フィルムの背面への可視光透過性も抑制されることが確認できた。さらに、得られた構造発色体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。また、蛍光灯下で20分放置し、暗所で蓄光性を確認したところ、目視で2時間の蓄光性が確認された。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、標準状態で、樹脂Dを溶媒Aに混合した樹脂溶液を作製し、該樹脂溶液に粒子A、粒子G、粒子Jを混合して混合溶液を作製した。
次に、該混合溶液と架橋剤Aを混合し、アルミニウム製の容器(φ1000mm)に50g入れ、120℃、3時間で、溶媒Aを揮発させ、固形状物を得た。得られた固形状物は、橙色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、緑色系の強い構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。また、得られた発色構造体を、水中静置しておいたところ、24時間後も優れた構造発色を示した。また、蛍光灯下で20分放置し、暗所で蓄光性を確認したところ、目視で2時間の蓄光性が確認された。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、黒色透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、繰り返し湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示し、赤系の優れた構造発色を示した。さらに、得られた発色構造体を、標準状態で1週間静置しておいたところ、1週間後も優れた構造発色を示した。また、蛍光灯下で20分放置し、暗所で蓄光性を確認したところ、目視で2時間の蓄光性が確認された。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Aを粒子Dに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、白色であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、構造発色性を示さず、白色のフィルムになった。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Aを粒子Eに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示さず、得られたフィルムは白色であった。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、樹脂Aを樹脂Bに、溶媒Aを溶媒Bに、粒子Aを粒子Cに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。得られた固形状物は、透明であり、粒子が均一に分散していた。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させたが、圧延することが不可能であり、構造発色性が認められなかった。
実施例1で得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、40℃、30MPaで圧延、湾曲させたが、圧延することが不可能であり、構造発色性が認められなかった。
実施例4で得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示さず、得られたフィルムは白色であった。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、標準状態で、溶媒Aと粒子Aを混合し、ディップコート法で、アルミニウム基板へ塗布し、構造発色性を有するフィルムを作製した。得られたフィルムは、光による干渉を示したが、自立性がなく、指で擦ると粒子が剥離した。
表1に示す原料を用い、表2に示す混合比率で、粒子Aを粒子Fに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、固形状物を得た。
得られた固形状物を、PETフィルムに挟み込み、加熱圧延ローラーを用いて、130℃、30MPaで圧延、湾曲させた。圧延後の物体は、光による干渉を示さなかった。
Claims (5)
- 熱塑性を有する発色構造体形成樹脂中に、平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が20%以下で、軟化点が該発色構造体形成樹脂よりも高い球状粒子が分散してなる固形状物を、該発色構造体形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延することを特徴とする光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
- 球状粒子が、無機粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
- 発色構造体形成樹脂と球状粒子の比率が、重量比で1:0.01〜1:10であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
- 固形状物が、発色構造体形成樹脂と、平均粒子径5nm〜800nmの球状粒子と、溶媒からなる混合溶液から、溶媒を除去することにより得られるものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
- 熱塑性を有する発色構造体形成樹脂中に、
平均粒子径5nm〜800nm、粒子径分布の標準偏差が20%以下で、軟化点が該発色構造体形成樹脂よりも高い球状粒子、及び平均粒子径600nm以下で、軟化点が該発色構造体形成樹脂よりも高い非球状粒子が分散してなり、該発色構造体形成樹脂と該球状粒子の比率が重量比で1:0.01〜1:10、該発色構造体形成樹脂と該非球状粒子との比率が重量比で1:0.0001〜1:0.01である固形状物を、
該発色構造体形成樹脂の軟化点よりも高く、該球状粒子の軟化点及び該非球状粒子の軟化点よりも低い温度で圧延することを特徴とする光干渉性を有する発色構造体の製造方法。
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