JP2007239778A - 等速ジョイント - Google Patents

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Takeshi Kashiwagi
勇史 柏木
Kazuyuki Ichikawa
和之 市川
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Abstract

【課題】ボール50がロックすることを防止しつつ、ケージ40がボール50により受ける押圧力を低減することができる等速ジョイントを提供する。
【解決手段】等速ジョイント10は、第1外輪ボール溝22と第1内輪ボール溝32により形成される第1ボール軌道61と、第2外輪ボール溝22と第2内輪ボール溝33により形成される第2ボール軌道62とを備える。そして、第1ボール軌道61は、外輪部材20と内輪部材30が同軸上に位置している場合に、第1外輪トラック中心25aと第1内輪トラック中心35aとの離間距離がHに設定する。第2ボール軌道62は、外輪部材20と内輪部材30が同軸上に位置している場合に、第2外輪トラック中心25bと第2内輪トラック中心35bとの離間距離がHと異なるように設定する。例えば、第2外輪トラック中心25bと第2内輪トラック中心35bとの離間距離を零に設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、等速ジョイントに関するものである。
特許文献1に記載されているように、ツェッパ型の等速ジョイントやアンダーカットフリー型の等速ジョイントにおいては、外輪トラック中心と内輪トラック中心とがオフセットするように設定されている。ここで、外輪トラック中心とは、外輪部材のボール溝に沿ってボールが移動する場合において、ボールの中心軌道のうち円弧部分の中心位置である。また、内輪トラック中心とは、内輪部材のボール溝に沿ってボールが移動する場合において、ボールの中心軌道のうち円弧部分の中心位置である。
さらに、特許文献1には、ジョイント角が零度の場合において、外輪トラック中心とボール中心とを結ぶ直線と、内輪トラック中心とボール中心とを結ぶ直線とのなす角度のうち90度未満の側の角度(ファネルアングル)は、例えば、15度〜17度に設定することが記載されている。このように外輪トラック中心と内輪トラック中心とがオフセットするように設定する理由は、ジョイント角が変化する場合に、ボールがケージを押圧するように作用することで、ボールがロックすることを防止するためである。
特開2006−17188号公報
ここで、等速ジョイントにおいて、ボール溝は複数存在する。そして、全てのボール溝において、外輪トラック中心と内輪トラック中心とが同一のオフセット量となるように設定されている。つまり、全てのボール溝において、ケージにはボールにより押圧する力が作用している。
そのため、ケージは、ボールにより受ける押圧力に耐え得る設計としなければならない。しかし、小型化の要請などにより、ケージの剛性を高めることが困難な場合がある。従って、ケージがボールにより受ける押圧力を低減することが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ボールがロックすることを防止しつつ、ケージがボールにより受ける押圧力を低減することができる等速ジョイントを提供することを目的とする。
本発明の等速ジョイントは、第1軸部材に連結され、開口部を有するカップ状からなり、内周面に軸方向に延在する複数の外輪ボール溝が形成された外輪部材と、第2軸部材に連結され、外側部材の内側に配置され、外周面に軸方向に延在し外輪ボール溝と同数の内輪ボール溝が形成された内輪部材と、外輪ボール溝と内輪ボール溝とにより形成される複数のボール軌道に配置された複数のボールと、外輪部材と内輪部材の間に配置され、ボールをそれぞれ収容する複数の開口窓部が形成されたケージと、を備える。
ここで、外輪ボール溝に沿ってボールが移動する場合においてボールの中心軌道のうち円弧部分の中心位置を外輪トラック中心と規定し、内輪ボール溝に沿ってボールが移動する場合においてボールの中心軌道のうち円弧部分の中心位置を内輪トラック中心と規定する。このとき、ボール軌道は、外輪部材と内輪部材とが同軸上に位置している場合に、外輪トラック中心と内輪トラック中心との離間距離が第1距離に設定された第1ボール軌道と、外輪部材と内輪部材とが同軸上に位置している場合に、外輪トラック中心と内輪トラック中心との離間距離が第1距離と異なる第2距離に設定された第2ボール軌道と、を備える。
つまり、本発明の等速ジョイントは、外輪トラック中心と内輪トラック中心との離間距離(トラック中心間距離)が、ボール軌道によって異なるように設定されている。ここで、トラック中心間距離が大きいほど、ケージがボールにより受ける押圧力は大きくなる。そこで、トラック中心間距離が大きいボール軌道と、トラック中心間距離が小さいボール軌道とを有することで、全体としてケージがボールにより受ける押圧力を低減することが可能となる。さらに、トラック中心間距離が大きなボール軌道が存在することで、ボールがロックすることは防止できる。
ここで、トラック中心間距離について、他の定義の手段として、ファネルアングルを用いることがある。ファネルアングルとは、外輪部材と内輪部材とが同軸上に位置する場合(ジョイント角が零度の場合)に、外輪トラック中心とボール中心とを結ぶ直線と、内輪トラック中心とボール中心とを結ぶ直線とのなす角度のうち90度未満の側の角度のことである。そして、第1ボール軌道と第2ボール軌道におけるトラック中心間距離が異なる場合とは、第1ボール軌道と第2ボール軌道におけるファネルアングルが異なるということである。つまり、第1ボール軌道におけるファネルアングルと第2ボール軌道におけるファネルアングルとを異なるように設定する。
好ましくは、第1ボール軌道におけるファネルアングルと、第2ボール軌道におけるファネルアングルとが、例えば、2度以上異なるように設定すればよい。さらには、第2ボール軌道のファネルアングルが、第1ボール軌道のファネルアングルに対して半分とするようにしてもよい。第2ボール軌道のファネルアングルを零度にすると最も効果的である。なお、ファネルアングルが零度の場合とは、トラック中心間距離が零、すなわち、外輪トラック中心と内輪トラック中心とが一致している場合である。
ここで、ケージがボールにより押圧される場合に、ボールを収容する開口窓部を区画する連結部位に応力が集中する。そして、所定の連結部位にかかる応力は、当該連結部位に隣接する両側の開口窓部にかかるボールの押圧力の和の2分の1相当となる。ところで、例えば、特定の連結部位に大きな応力がかかるとすると、当該特定の連結部位が破断するおそれが生じる。従って、全ての連結部位にかかる応力が均一であることが望ましい。
そこで、第1ボール軌道と第2ボール軌道とは、周方向に交互に配置されるようにするとよい。つまり、全ての連結部位に隣接する一方の開口窓部に位置するボール軌道は第1ボール軌道であって、隣接する他方の開口窓部に位置するボール軌道は第2ボール軌道となる。従って、全ての連結部位は、第1ボール軌道に配置されるボールによりケージが受ける押圧力と、第2ボール軌道に配置されるボールによりケージが受ける押圧力との和の2分の1相当の力を受ける。すなわち、全ての連結部位にかかる応力が均一となる。これにより、特定の連結部位に応力が集中することを回避でき、ケージの寿命を向上することができる。
なお、本発明の等速ジョイントは、ボールの個数が6個、7個、8個、9個など、種々の個数の等速ジョイントに適用することができる。特に、ボールの個数が例えば8個以上と多くなるほど、ケージの連結部位の径方向断面積が小さくなる。しかし、このような場合に本発明の等速ジョイントを適用することで、ケージにボールにより受ける押圧力を低減できるので効果的である。また、本発明の等速ジョイントは、ツェッパ型等速ジョイント及びアンダーカットフリー型等速ジョイントに適用することができる。
本発明の等速ジョイントによれば、ボールがロックすることを防止しつつ、ケージがボールにより受ける押圧力を低減することができる。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(1)第1実施形態
(1.1)第1実施形態の等速ジョイント10の全体構成
第1実施形態の等速ジョイント10の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、等速ジョイント10の軸方向(外輪部材20の開口部側)から見た図を示す。図2は、図1のA−B−C断面図を示す。
図1に示すように、等速ジョイント10は、ツェッパ型の固定式ボールジョイントからなる。この等速ジョイント10は、外輪部材20と、内輪部材30と、ケージ40と、ボール50とから構成される。以下、各構成部品について詳細に説明する。
外輪部材20は、開口部を有するカップ状からなり、筒底部の外方が例えばタイヤ側の動力伝達部(図示せず、本発明における第1軸部材)に連結される。外輪部材20の最内周面21は、軸方向断面で見た場合に一様な円弧、つまり部分球面状に形成されている。さらに、外輪部材20の内周面には、径方向断面で見た場合に等間隔に複数(図1においては8個)の円弧凹状からなる外輪ボール溝22、23(第1外輪ボール溝22、第2外輪ボール溝23)が、外輪部材20の軸方向(以下、「外輪軸方向」という)に平行に形成されている。ここで、外輪軸方向とは、外輪部材20の軸心X(以下、「外輪軸心」という)に平行な方向を意味する。また、図1に示すように、第1外輪ボール溝22と第2外輪ボール溝23は、周方向に交互に配置されている。
内輪部材30は、円筒状からなり、例えば動力伝達シャフトの中間シャフト(図示せず、本発明における第2軸部材)に連結される。この内輪部材30の最外周面31は、軸方向断面で見た場合に一様な円弧、つまり部分球面状に形成されている。さらに、内輪部材30の外周面には、径方向断面で見た場合に等間隔に外輪ボール溝22、23と同数(図1においては8個)の円弧凹状からなる内輪ボール溝32、33(第1内輪ボール溝32、第2内輪ボール溝33)が内輪部材30の軸方向(以下、「内輪軸方向」という)に平行に形成されている。ここで、内輪軸方向とは、内輪部材30の軸心Y(以下、「内輪軸心」という)に平行な方向を意味する。
そして、第1内輪ボール溝32と第2内輪ボール溝33は、周方向に交互に配置されている。さらに、第1内輪ボール溝32は、第1外輪ボール溝22に対向するように配置されている。また、第2内輪ボール溝33は、第2外輪ボール溝23に対向するように配置されている。つまり、対向する第1外輪ボール溝22と第1内輪ボール溝32とによりボール50の軌道となる第1ボール軌道61を形成し、対向する第2外輪ボール溝23と第2内輪ボール溝33とによりボール50の軌道となる第2ボール軌道62を形成する。さらに、内輪部材30の内周面には、セレーション34が形成されている。この内輪部材30のセレーション34は、中間シャフトのセレーションに噛合する。
ケージ40は、略円筒状からなり、外輪部材20と内輪部材30との間に配置されている。このケージ40の外周面41は、外輪部材20の最内周面21に対応する部分球面状に形成されている。また、ケージ40の内周面42は、内輪部材30の最外周面31に対応する部分球面状に形成されている。すなわち、ケージ40は、外輪部材20及び内輪部材30に対して相対的に回転できるようになっている。さらに、ケージ40には、等間隔に外輪ボール溝22、23及び内輪ボール溝32、33により形成されるボール軌道61、62と同数の開口窓部43が形成されている。
ボール50は、外輪部材20の外輪ボール溝22、23及び内輪部材30の内輪ボール溝32、33に転動自在で周方向に係合している。具体的には、ボール50は、それぞれのボール軌道61、62に配置されている。つまり、外輪部材20の外輪軸心Xと内輪部材30の内輪軸心Yとが屈曲する場合に、第1ボール軌道61に配置されるボール50は、第1ボール軌道61に沿って移動する。また、第2ボール軌道62に配置されるボール50は、第2ボール軌道62に沿って移動する。そして、ボール50により、外輪部材20と内輪部材30とが相互に回転伝達される。さらに、ボール50は、ケージ40の開口窓部43に収容されている。
(1.2)ボール軌道61、62の詳細構成
次に、ボール軌道61、62の詳細構成について、図2〜図4を参照して説明する。図3は、外輪ボール溝22、23の外輪トラック中心25a、25bについて説明する図である。図4は、内輪ボール溝32、33の内輪トラック中心35a、35bについて説明する図である。
まず、図3を参照して、外輪トラック中心25a、25bについて説明する。図3に示すように、外輪ボール溝22、23に沿ってボール50が移動する場合において、ボール50の中心軌道51は円弧状をなしている。このボール50の中心軌道51の中心位置が、外輪トラック中心25a、25bである。この外輪トラック中心25a、25bは、外輪軸心X上に位置している。
そして、外輪トラック中心25a、25bは、第1外輪ボール溝22と第2外輪ボール溝23とでそれぞれ異なる位置としている。具体的には、第1外輪ボール溝22の外輪トラック中心25aは、図2及び図3の外輪軸心Xの下側部分に示すように、作動角中心C1よりカップ開口部側(図2及び図3の左側)にずれて位置している。一方、第2外輪ボール溝23の外輪トラック中心25は、図2及び図3の外輪軸心Xの上側部分に示すように、作動角中心C1に一致している。ここで、作動角中心C1とは、外輪部材20の外輪軸心Xと内輪部材30の内輪軸心Yとが常に交差する点、すなわち、外輪部材20と内輪部材30との屈曲中心である。
次に、図4を参照して、内輪トラック中心35a、35bについて説明する。図4に示すように、内輪ボール溝32、33に沿ってボール50が移動する場合において、ボール50の中心軌道52は円弧状をなしている。このボール50の中心軌道52の中心位置が、内輪トラック中心35a、35bである。この内輪トラック中心35a、35bは、内輪軸心Y上に位置している。
また、内輪トラック中心35a、35bは、第1内輪ボール溝32と第2内輪ボール溝33とでそれぞれ異なる位置としている。具体的には、第1内輪ボール溝32の内輪トラック中心35aは、図2及び図4の内輪軸心Yの下側部分に示すように、作動角中心C1よりカップ底部側(図2及び図4の右側)にずれて位置している。一方、第2内輪ボール溝33の内輪トラック中心35bは、図2及び図4の内輪軸心Yの上側部分に示すように、作動角中心C1に一致している。
つまり、外輪部材20の外輪軸心Xと内輪部材30の内輪軸心Yとが図2に示すような同軸上に位置している場合に、第1ボール軌道61において、外輪トラック中心25aと内輪トラック中心35aとの離間距離(以下、「トラック中心間距離」という)はH1(本発明における第1距離)となるのに対し、第2ボール軌道62において、外輪トラック中心25bと内輪トラック中心35bとのトラック中心間距離は零(本発明における第2距離)となる。このように、第1ボール軌道61におけるトラック中心間距離と、第2ボール軌道62におけるトラック中心間距離が異なるように設定されている。
(1.3)効果
以上説明したように、等速ジョイント10は、第1ボール軌道61におけるトラック中心間距離と第2ボール軌道62におけるトラック中心間距離が異なるように設定されている。このことにより、以下のような効果を奏する。
第1ボール軌道61においてトラック中心間距離をH1と設定することにより、くさび角(開放角)がα1となる。このくさび角α1は、零度より大きな角度である。一方、第2ボール軌道62においてトラック中心間距離を零と設定することにより、くさび角が零度(β1)となる。ここで、くさび角とは、外輪ボール溝22、23とボール50との接線と、内輪ボール溝32、33とボール50との接線とのなす角度のうち、ボール軌道61、62の開放側の角度である。すなわち、当該なす角度のうち90度未満の側の角度である。また、くさび角が零度とは、外輪ボール溝22、23とボール50との接線と、内輪ボール溝32、33とボール50との接線とが平行な場合である。
ここで、くさび角が零度より大きい場合には、ボール50はケージ40の開口窓部43を外輪部材20のカップ開口部側へ押圧することになる。さらには、くさび角が大きいほど、ボール50がケージ40の開口窓部43を外輪部材20のカップ開口部側へ押圧する力が大きくなる。一方、くさび角が零度の場合には、ボール50はケージ40の開口窓部43を押圧する力が零となる。このように、ボール50がケージ40を押圧する力を低減することができるので、等速ジョイント10の小型化が可能となり、さらにケージ40の寿命を向上することができる。
なお、特に、ツェッパ型の等速ジョイント10においては、外輪部材20の外輪軸心Xと内輪部材30の内輪軸心Yとの屈曲角(ジョイント角)が大きくなる場合に、第1ボール軌道61のくさび角はα1となり、第2ボール軌道62のくさび角は零度となる。つまり、屈曲角(ジョイント角)が変化する場合にも、第2ボール軌道62においては、ケージ40にはボール50から押圧力を受けることがない。
ここで、トラック中心間距離について、他の定義の手段として、ファネルアングルを用いることがある。ファネルアングルとは、外輪部材20の外輪軸心Xと内輪部材30の内輪軸心Yとが同軸上に位置する場合(ジョイント角が零度の場合)に、外輪トラック中心25a、25bとボール50の中心とを結ぶ直線と、内輪トラック中心35a、35bとボール50の中心とを結ぶ直線とのなす角度のうち90度未満の側の角度のことである。そして、第1ボール軌道61におけるファネルアングルはθ1とされている。ここで、ファネルアングルθ1は、零度より大きな値である。一方、第2ボール軌道62におけるファネルアングルは、零度とされている。
また、ケージ40がボール50から押圧される場合に、開口窓部43を区画する連結部位(図示せず)に応力が集中する。ここで、第1ボール軌道61と第2ボール軌道62が周方向に交互に配置されているので、全ての連結部位に隣接する一方の開口窓部43に位置するボール軌道は第1ボール軌道61となり、隣接する他方の開口窓部43に位置するボール軌道は第2ボール軌道62となる。従って、全ての連結部位は、第1ボール軌道61に配置されるボール50によりケージ40が受ける押圧力と、第2ボール軌道62に配置されるボール50によりケージ40が受ける押圧力との和の2分の1相当の力を受ける。すなわち、全ての連結部位にかかる応力が均一となる。これにより、特定の連結部位に応力が集中することを回避でき、ケージ40の寿命を向上することができる。
(2)第2実施形態
第2実施形態の等速ジョイント100について、図5〜図7を参照して説明する。図5は、等速ジョイント100の軸方向断面図であって、図2に相当する図である。図6は、外輪ボール溝122、123の外輪トラック中心125a、125bについて説明する図である。図7は、内輪ボール溝132、133の内輪トラック中心135a、135bについて説明する図である。
ここで、第2実施形態の等速ジョイント100は、アンダーカットフリー型の固定式ボールジョイントからなる。この等速ジョイント100は、外輪部材120と、内輪部材130と、ケージ40と、ボール50とから構成される。なお、第2実施形態の等速ジョイント100は、第1実施形態の等速ジョイント10に対して、外輪部材120の外輪ボール溝122、123と、内輪部材130の内輪ボール溝132、133のみが相違する。以下、相違点のみについて説明する。
外輪部材120の外輪ボール溝122、123(第1外輪ボール溝122、第2外輪ボール溝123)は、外輪部材120の内周面に、径方向断面で見た場合に等間隔に複数の円弧凹状、且つ、外輪部材120の軸方向に平行に形成されている。
内輪部材130の内輪ボール溝132、133(第1内輪ボール溝132、第2内輪ボール溝133)は、内輪部材130の内周面に、径方向断面で見た場合に等間隔に複数の円弧凹状、且つ、外輪部材120の軸方向に平行に形成されている。第1内輪ボール溝132と第2内輪ボール溝133は、周方向に交互に配置されている。さらに、第1内輪ボール溝132は、第1外輪ボール溝122に対向するように配置されている。また、第2内輪ボール溝133は、第2外輪ボール溝123に対向するように配置されている。つまり、対向する第1外輪ボール溝122と第1内輪ボール溝132とによりボール50の軌道となる第1ボール軌道161を形成し、対向する第2外輪ボール溝123と第2内輪ボール溝133とによりボール50の軌道となる第2ボール軌道162を形成する。
次に、ボール軌道161、162の詳細構成について説明する。まず、図6を参照して、外輪トラック中心125a、125bについて説明する。図6に示すように、外輪ボール溝122、123に沿ってボール50が移動する場合において、カップ底部側のボール50の中心軌道151は円弧状をなし、カップ開口部側のボール50の中心軌道151は直線状となしている。このボール50の中心軌道151の円弧部分の中心位置が、外輪トラック中心125a、125bである。この外輪トラック中心125a、125bは、外輪軸心X上に位置している。
そして、外輪トラック中心125a、125bは、第1外輪ボール溝122と第2外輪ボール溝123とでそれぞれ異なる位置としている。具体的には、第1外輪ボール溝122の外輪トラック中心125aは、図5及び図6の外輪軸心Xの下側部分に示すように、作動角中心C1よりカップ開口部側(図5及び図6の左側)にずれて位置している。一方、第2外輪ボール溝123の外輪トラック中心125は、図5及び図6の外輪軸心Xの上側部分に示すように、作動角中心C1に一致している。
次に、図7を参照して、内輪トラック中心135a、135bについて説明する。図4に示すように、内輪ボール溝132、133に沿ってボール50が移動する場合において、外輪部材120のカップ開口部側(図7の左側)のボール50の中心軌道152は円弧状をなし、外輪部材120のカップ底部側(図7の右側)のボール50の中心軌道152は直線状をなしている。このボール50の中心軌道152の円弧部分の中心位置が、内輪トラック中心135a、135bである。この内輪トラック中心135a、135bは、内輪軸心Y上に位置している。
また、内輪トラック中心135a、135bは、第1内輪ボール溝132と第2内輪ボール溝133とでそれぞれ異なる位置としている。具体的には、第1内輪ボール溝132の内輪トラック中心135aは、図5及び図7の内輪軸心Yの下側部分に示すように、作動角中心C1よりカップ底部側(図5及び図7の右側)にずれて位置している。一方、第2内輪ボール溝133の内輪トラック中心135bは、図2及び図4の内輪軸心Yの上側部分に示すように、作動角中心C1に一致している。
つまり、外輪部材120の外輪軸心Xと内輪部材130の内輪軸心Yとが図5に示すような同軸上に位置している場合に、第1ボール軌道161において、外輪トラック中心125aと内輪トラック中心135aとの離間距離(以下、「トラック中心間距離」という)はH2(本発明における第1距離)となるのに対し、第2ボール軌道162において、外輪トラック中心125bと内輪トラック中心135bとのトラック中心間距離は零(本発明における第2距離)となる。このように、第1ボール軌道161におけるトラック中心間距離と、第2ボール軌道162におけるトラック中心間距離が異なるように設定されている。
第1ボール軌道161においてトラック中心間距離をH2と設定することにより、屈曲角(ジョイント角)が零度のときのくさび角がα2となる。このくさび角α2は、零度より大きな角度である。さらに、屈曲角(ジョイント角)が大きくなる場合に、ボール50が外輪部材120のカップ底部側に位置する第1ボール軌道161におけるくさび角は、α2となる。また、屈曲角(ジョイント角)が大きくなる場合に、ボール50が外輪部材120のカップ開口部側に位置する第1ボール軌道161におけるくさび角は、α2よりもさらに大きくなる。
一方、第2ボール軌道162においてトラック中心間距離を零と設定することにより、くさび角が零度(β2)となる。そして、屈曲角(ジョイント角)が大きくなる場合に、ボール50が外輪部材120のカップ底部側に位置する第2ボール軌道162におけるくさび角は、零度(β2)となる。また、屈曲角(ジョイント角)が大きくなる場合に、ボール50が外輪部材120のカップ開口部側に位置する第2ボール軌道162におけるくさび角は、零度より大きくなる。ただし、この場合の第2ボール軌道162におけるくさび角は、第1ボール軌道161におけるくさび角より小さい。
つまり、第2ボール軌道162において、ボール50がケージ40の開口窓部43を外輪部材120のカップ開口部側へ押圧する力は、第1ボール軌道161における当該押圧する力よりも小さくなる。特に、第2ボール軌道162において、ボール50が屈曲角(ジョイント角)零度の場合から外輪部材120のカップ底部側に位置する場合には、当該押圧する力は零となる。このように、ボール50がケージ40を押圧する力を低減することができるので、等速ジョイント100の小型化が可能となり、さらにケージ40の寿命を向上することができる。
(3)その他
上記実施形態においては、第2ボール軌道62、162におけるトラック中心間距離を零としたが、零ではなく、第1ボール軌道61、161におけるトラック中心間距離よりも小さくすればよい。これにより、上記効果を奏する。ただし、第2ボール軌道62、162におけるトラック中心間距離が零の場合が、最も効果的である。
また、上記実施形態においては、ボール50が8個の場合について説明したが、ボール50の個数は、例えば6個などの場合にも同様に適用することができる。また、第1ボール軌道61、161と第2ボール軌道62、162を周方向に交互に配置させないのであれば、ボール50の個数が7個や9個などの場合にも適用することができる。
等速ジョイント10の軸方向(外輪部材20の開口部側)から見た図を示す。 図1のA−B−C断面図を示す。 外輪ボール溝22、23の外輪トラック中心25a、25bについて説明する図である。 内輪ボール溝32、33の内輪トラック中心35a、35bについて説明する図である。 等速ジョイント100の軸方向断面図を示す。 外輪ボール溝122、123の外輪トラック中心125a、125bについて説明する図である。 内輪ボール溝132、133の内輪トラック中心135a、135bについて説明する図である。
符号の説明
10、100:等速ジョイント、 20、120:外輪部材、
22、122:第1外輪ボール溝、 23、123:第2外輪ボール溝、
25a、25b、125a、125b:外輪トラック中心、
30、130:内輪部材、
32、132:第1内輪ボール溝、 33、133:第2内輪ボール溝、
35a、35b、135a、135b:内輪トラック中心、
40:ケージ、 50:ボール、
61、161:第1ボール軌道、 62、162:第2ボール軌道

Claims (2)

  1. 第1軸部材に連結され、開口部を有するカップ状からなり、内周面に軸方向に延在する複数の外輪ボール溝が形成された外輪部材と、
    第2軸部材に連結され、前記外側部材の内側に配置され、外周面に軸方向に延在し前記外輪ボール溝と同数の内輪ボール溝が形成された内輪部材と、
    前記外輪ボール溝と前記内輪ボール溝とにより形成される複数のボール軌道に配置された複数のボールと、
    前記外輪部材と前記内輪部材の間に配置され、前記ボールをそれぞれ収容する複数の開口窓部が形成されたケージと、
    を備える等速ジョイントであって、
    前記外輪ボール溝に沿って前記ボールが移動する場合において前記ボールの中心軌道のうち円弧部分の中心位置を外輪トラック中心と規定し、
    前記内輪ボール溝に沿って前記ボールが移動する場合において前記ボールの中心軌道のうち円弧部分の中心位置を内輪トラック中心と規定した場合に、
    前記ボール軌道は、
    前記外輪部材と前記内輪部材とが同軸上に位置している場合に、前記外輪トラック中心と前記内輪トラック中心との離間距離が第1距離に設定された第1ボール軌道と、
    前記外輪部材と前記内輪部材とが同軸上に位置している場合に、前記外輪トラック中心と前記内輪トラック中心との離間距離が前記第1距離と異なる第2距離に設定された第2ボール軌道と、
    を備えることを特徴とする等速ジョイント。
  2. 前記第1ボール軌道と前記第2ボール軌道とは、周方向に交互に配置される請求項1記載の等速ジョイント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101813156B1 (ko) 2016-09-27 2017-12-28 이래에이엠에스 주식회사 고정형 등속 조인트
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