JP2007239466A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の壁面付着によるエンジントルクのバラツキを抑制して、エンジンの制御安定性を向上させる。
【解決手段】エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が吸入空気量の影響と比較して相対的に大きくなるエンジンの運転領域に関し、シリンダの壁面に付着した燃料の燃焼に寄与する度合いを、エンジントルクとの関係のもとで壁面付着燃料の燃焼寄与率として予め記憶する。実際の運転に際し、エンジントルクに基づいて燃焼寄与率を算出し(S208)、これを燃料噴射量の算出に反映させる(S210)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、エンジンの燃料噴射制御装置に関し、詳細には、エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が支配的となる運転領域において、エンジンの制御安定性を向上させ、エミッションを低減させるための技術に関する。
低温状態下でのエンジンの始動に際し、インジェクタによる燃料噴射量を暖機後の通常時よりも増量させることは、一般的に知られた制御方法である。下記特許文献1には、エンジンの低温始動時において、噴射された燃料のうちシリンダの壁面に付着して、燃焼に対して遅れをもって寄与することとなる燃料を予め考慮し、実際の空燃比の目標値に対する偏差を抑制する制御方法が記載されている。
特開2000−186597号公報(段落番号0006,0007)
しかしながら、前掲特許文献1に記載された方法には、低温始動時における燃料噴射量の増量補正が空燃比における偏差抑制のためのものであることに起因して、次のような問題がある。すなわち、エンジントルクに及ぼす吸入空気量の影響が支配的となるエンジンの運転領域では、この方法による増量補正により、エンジントルクが安定した状態で所要の効果が得られるものと考えられる。これに対し、エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が支配的となる運転領域(理論値よりも燃料が希薄な状態に設定する運転領域は、一般的にこれに含まれる。)では、燃料の壁面付着による燃料供給量の実質的な変動がエンジントルクに及ぼす影響を無視することができず、空燃比の制御精度向上のためだけに行う上記の補正では、エンジントルクのバラツキを抑制することができないことである。アイドル時にエンジントルクにバラツキが生じることで、回転数制御にハンチングを来し、これに伴いエミッションを増大させる。
本発明は、エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が支配的となる運転領域において、燃料の壁面付着によるエンジントルクのバラツキを抑制して、エンジンの制御安定性を向上させ、エミッションの増大を防止することを目的とする。
本発明は、エンジンの燃料噴射制御装置を提供する。本発明に係る装置は、エンジンにおける燃料噴射量を制御するものであって、エンジンの運転条件に応じた燃料噴射量の基本値を算出するとともに、エンジンが実際に発生させているエンジントルクを検出する。エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が吸入空気量の影響と比較して相対的に大きくなるエンジンの運転領域に関し、噴射された燃料のうちシリンダの壁面に付着した燃料の燃焼に寄与する度合いが、エンジントルクとの関係のもとで壁面付着燃料の燃焼寄与率として予め記憶されており、この領域における実際の運転に際し、検出したエンジントルクに基づいて燃焼寄与率を算出するとともに、算出した基本噴射量及び燃焼寄与率に基づいて、燃料噴射量の最終設定値を算出するものである。本発明に係る装置は、ディーゼルエンジンに好適に適用し得るものである。
本発明によれば、エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が相対的に大きくなるエンジンの運転領域において、実際の運転に際してエンジントルクに基づいて壁面付着燃料の燃焼寄与率を算出し、これを燃料噴射量の最終設定値の算出に反映させることとした。このため、燃料の壁面付着に拘わらず、エンジンの運転条件に応じた必要量の燃料を燃焼させて、所定のエンジントルクを発生させることが可能となるので、エンジンの制御安定性を向上させ、エミッションの増大を防止することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の構成を示している。本実施形態では、エンジン1として直噴型のディーゼルエンジンを採用しており、エンジン1に対し、燃料タンクからコモンレール22を介して燃料が供給される。
吸気通路11の導入部には、図示しないエアクリーナが取り付けられており、このエアクリーナにより吸入空気中の粉塵が除去される。吸気通路11には、ターボチャージャ12のコンプレッサ12aが設置されており、コンプレッサ12aにより吸入空気が圧縮されて送り出される。圧縮された吸入空気は、サージタンク13に流入し、マニホールド部で各気筒に分配される。
エンジン本体において、シリンダヘッドには、燃料噴射弁21が気筒毎に設置されている。燃料噴射弁21は、各気筒において、筒内に臨ませて設置されており、電子制御ユニットとして構成されるエンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)41からの駆動信号に応じて作動する。図示しない燃料ポンプにより送り出された燃料は、コモンレール22を介して燃料噴射弁21に供給され、燃料噴射弁21により筒内に直接噴射される。
排気通路31には、マニホールド部の下流にターボチャージャ12のタービン12bが設置されている。燃焼により生じた排気が排気通路31に排出され、この排気によりタービン12bが駆動されることで、コンプレッサ12aが回転する。タービン12bの下流には、排気浄化触媒(ここでは、酸化触媒)32が設置されており、エンジン1の排気は、この触媒32を通過した後、大気中に放出される。
また、排気通路31は、EGR管35により吸気通路11(ここでは、サージタンク13)と接続されており、EGR管35を介して排気が吸気通路11に還流される。EGR管35には、EGR弁36が介装されており、EGR弁36により還流される排気の流量が制御される。EGR弁36は、アクチュエータ37により開度が制御される。
ECU41には、クランク角センサ51が発生させる単位クランク角又は基準クランク角毎の信号(ECU41は、これに基づいてエンジン回転数NEを算出する。)、エンジン1に対する要求負荷の指標としてアクセルペダル(図示せず。)の踏込量を検出するアクセルセンサ52からの信号、サージタンク13内における吸入空気の温度を検出する吸気温度センサ53からの信号、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ54からの信号、及び吸入空気の流量を検出するエアフローメータ55からの信号等が入力される。また、ECU41には、これらの信号に併せ、イグニッションキー(図示せず。)の位置を示す信号が入力される。ECU41は、入力した各種の信号に基づいて燃料噴射制御に関する所定の演算を実行して、燃料噴射量を算出するとともに、この燃料噴射量に応じた駆動信号を燃料噴射弁21に出力する。
以下、ECU41が行う制御の内容について、フローチャートにより説明する。
図2〜4は、燃料噴射制御ルーチンのフローチャートであり、イグニッションキーの操作等による電源の投入後、ECU41により所定の時間毎に繰り返し実行される。
図2に示すフローチャートにおいて、S101では、イグニッションキーの位置等に基づいてエンジン1の電源がオンされたか否かを判定する。オンされたときは、S102へ進み、オンされていないときは、このルーチンを終了する。なお、電源がオンされていないエンジン1の停止状態下では、ECU41は、最小限の電力のみが供給された待機状態にある。
S102では、エンジン回転数NEを読み込む。エンジン回転数NEは、たとえば、クランク角センサ51が基準クランク角毎に発生させる信号の周期を測定することにより算出する。
S103では、エンジン冷却水の温度TWを読み込む。
S104では、読み込んだTWが所定の値TW1#以下であるか否かを判定する。TW1#以下であるときは、S105へ進み、それ以外のときは、S107へ進む。TW1#は、エンジン1の暖機完了を判断し得る値に設定する。
S105では、エンジン回転数NEが所定の値NE1#以上であるか否かを判定する。NE1#以上であるときは、S106へ進み、それ以外のときは、このルーチンを終了する。NE1#は、スタータによるクランキングが行われていることを判断し得る値に設定する。
S106では、図3に示すフローチャートに従い、始動制御により燃料噴射制御を実施する。
S107では、通常制御により暖機後の燃料噴射制御を実施する。
図3に示すフローチャートにおいて、S201では、積算噴射量CUMQFを算出する。積算噴射量CUMQFは、クランキングが開始されてからのサイクル毎の燃料噴射量QFの積算値であり、次式(1)により算出する。
CUMQF=QF+CUMQFn−1 ・・・(1)
S202では、エンジン1の温度(以下「機関温度」という。)TMPEを算出する。機関温度TMPEの算出は、S103で読み込んだクランキングの開始前における冷却水温度TWと、積算噴射量CUMQFとにより図5に示す傾向を持たせたマップデータを検索することにより行う。図5のマップデータにおいて、機関温度TMPEは、冷却水温度TWが高く、かつ積算噴射量CUMQFが多いときのものほど、大きな値に設定する。
S203では、算出したTMPEが所定の値TMPE1#以下であるか否かを判定する。TMPE1#以下であるときは、S204へ進み、それ以外のときは、S211へ進む。TMPE1#は、エンジン1の暖機完了を判断し得る値に設定する。
S204では、機関温度変化率DTEを算出する。機関温度変化率DTEは、機関温度TMPEの、このルーチンの演算周期毎の変化率であり、次式(2)により算出する。
DTE=TMPE−TMPEn−1 ・・・(2)
S205では、算出したDTEが所定の値DTE1#以上であるか否かを判定する。DTE1#以上であるときは、S206へ進み、それ以外のときは、S211へ進む。DTE1#は、エンジン1が低温状態にあることを判断し得る値に設定する。機関温度変化率DTEが小さいときは、エンジン1が暖機後の温度状態に向けて安定しつつあると判断するのである。
S206では、回転速度変化率DNEを算出する。回転速度変化率DNEは、エンジン回転数NEの、このルーチンの演算周期毎の変化率であり、次式(3)により算出する。
DNE=NE−NEn−1 ・・・(3)
S207では、エンジントルクTIENGを算出する。エンジントルクTIENGの算出は、エンジン回転数NEと、先のS206で算出したDNEとにより図6に示す傾向を持たせたマップデータを検索することにより行う。図6のマップデータにおいて、エンジントルクTIENGは、エンジン回転数NEが高く、かつ回転速度変化率DNEが大きいときのものほど、大きな値に設定する。
S208では、壁面付着燃料の燃焼寄与率INFQFを算出する。燃焼寄与率INFQFは、燃料噴射弁21により噴射された燃料のうち、シリンダの壁面に付着した燃料が燃焼、すなわち、エンジントルクの形成に寄与する度合いを示すものであり、その算出は、エンジントルクTIENGと、燃料噴射量QFとにより図7に示す傾向を持たせたマップデータを検索することにより行う。図7のマップデータは、エンジントルクに関して低温始動時の温度条件下で実験を行い、データを収集して作成したものである。本実施形態において、燃焼寄与率INFQFは、燃料噴射量に対して理論上発生されるべきエンジントルク(又は暖機後の通常運転で得られるべきエンジントルク)をTIENGthとし、実験により取得された実際のエンジントルクをTIENGとして、次式(4)により算出する。このマップデータにおいて、燃焼寄与率INFQFは、1以下の値として、エンジントルクTIENGが大きく、かつ燃料噴射量QFが少ないときのものほど、大きな値に設定する。
INFQF=TIENG/TIENGth ・・・(4)
S209では、燃料の壁面付着率RQFWLを算出する。壁面付着率RQFWLは、噴射された燃料のうち、燃焼に寄与せずにシリンダの壁面に付着する燃料の割合を示すものであり、その算出は、機関温度TMPEと、燃料噴射量QFとにより図8に示す傾向を持たせたマップデータを検索することにより行う。図8のマップデータにおいて、壁面付着率RQFWLは、機関温度TMPEが低く、かつ燃料噴射量QFが多いときのものほど、大きな値に設定する。
S210では、図4に示すフローチャートに従い燃料噴射量QFを算出する。
S211では、暖機後の通常制御に移行する。
図4に示すフローチャートにおいて、S301では、冷却水温度TW、吸気温度TA、アクセル開度(アクセルセンサ52により検出される。)APO、及びエンジン回転数NEを読み込む。
S302では、読み込んだAPO及びNEに基づいて燃料噴射量QFの基本値(すなわち、基本噴射量)QFBASEを算出する。基本噴射量QFBASEの算出は、エンジン回転数NEと、アクセル開度APOとにより図9に示す傾向を持たせたマップデータを検索することにより行う。図9のマップデータにおいて、基本噴射量QFBASEは、エンジン回転数NEが低く、かつアクセル開度APOが大きいときのものほど、大きな値に設定する。
S303では、水温補正量HQFTWを算出する。水温補正量HQFTWは、冷却水温度TWによる図10に示すテーブルデータの検索により、TWが低いときほど、大きな値として算出される。
S304では、吸気温度補正量HQFTAを算出する。吸気温度補正量HQFTAは、吸気温度TAによる図11に示すテーブルデータの検索により、TAが低いときほど、大きな値として算出される。
S305では、最終設定値としての燃料噴射量QFを、次式(5)により算出する。なお、(5)式において、QFn−1は、前回の演算により最終設定値として算出された燃料噴射量を示す。
QF=QFBASE×HQFTW×HQFTA×(1/(1−RQFWL))
−QFn−1×INFQF ・・・(5)
ECU41は、算出したQF(=QF)に応じた駆動信号を出力し、燃料噴射弁21を作動させる。
本実施形態に係るエンジンの燃料噴射制御装置の構成及び動作は、以上のようであり、ECU41にこの装置としての機能を持たせている。すなわち、図4に示すフローチャートのS302が「基本噴射量算出手段」としての機能を、図3に示すフローチャートのS207が「エンジントルク検出手段」としての機能を、同フローチャートのS208が「燃焼寄与率算出手段」としての機能を、図4に示すフローチャートのS305が「燃料噴射量算出手段」としての機能を実現する。また、図2に示すフローチャートのS103、及び図3に示すフローチャートのS202が「温度検出手段」としての機能を、同フローチャートのS209が「補正量算出手段」としての機能を、図2に示すフローチャートのS102が「回転速度検出手段」としての機能を実現する。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
本実施形態では、ディーゼルエンジン1の低温始動時において、エンジントルクとの関係のもとに予め記憶された壁面付着燃料の燃焼寄与率INFQFを、実際のエンジントルクTIENGにより読み出し(図3のS208)、これを燃料噴射量QFの算出に反映させて、シリンダの壁面から蒸発する量に相当する分の燃料を減算したものとして、最終設定値としての燃料噴射量QFを算出することとした(図4のS305)。このため、燃料の壁面付着に拘わらず、エンジン1の運転条件に応じた必要量の燃料を燃焼させて、要求負荷(ここでは、アクセル開度APO)に応じたエンジントルクを過不足なく発生させることが可能となるので、エンジン1の制御安定性を向上させ、エミッションの増大を防止することができる。本実施形態では、基本噴射量QFBASEの算出に際してエンジン1に対する要求負荷を考慮することとしており(同S301)、有負荷運転時における燃料噴射量QFの設定に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、アイドル時における回転数制御に適用することもできる。この場合は、実際のエンジン回転数NEの目標値に対する偏差を減少させるための燃料噴射量QFの算出に燃焼寄与率INFQFを反映させ、前記偏差に応じた基本噴射量QFBASEから、壁面からの蒸発燃料量を減算すればよい。なお、ディーゼルエンジン1は、運転領域全般に亘り空気が過剰な状態で運転させるものであるので、ディーゼルエンジン1の運転領域は、その全般に亘り「エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が相対的に大きくなる運転領域」に相当する。
図12,13は、低温状態からディーゼルエンジン1を始動させた場合における燃料噴射量QFとエンジントルクTORQUEとの関係を示しており、図12は、壁面付着燃料の燃焼に対する寄与を考慮しない場合のものを、図13は、この影響を考慮した場合のものを示している。壁面付着燃料の寄与を考慮しない場合(図12)は、燃料噴射量QFに対して形成されるエンジントルクTORQUEにバラツキが大きく、両者に相関は見受けられない。これに対し、壁面付着燃料の寄与を考慮した場合(図13)は、エンジントルクTORQUEのバラツキが抑制され、燃料噴射量QFとエンジントルクTORQUEとに相関が認められる。
また、本実施形態では、ディーゼルエンジン1の低温始動時に限り、壁面付着燃料の燃焼寄与率INFQFを燃料噴射量QFの算出に反映させることとした(図2のS104、及び図3のS203)。このため、壁面付着燃料の燃焼に対する寄与が特に大きくなる条件において、この寄与の度合いを燃焼寄与率INFQFとして燃焼噴射制御に積極的に反映させる一方、それ以外の条件では、これを反映させる必要がなく、また、反映させることにより生じ得る制御系の誤作動を回避することができる。なお、燃焼寄与率INFQFを反映させた燃料噴射量QFの算出は、低温始動時に限らず、壁面付着燃料の燃焼に対する寄与が問題となるあらゆる運転領域に適用することができる。
更に、本実施形態では、機関温度TMPEに基づいて燃料の壁面付着率RQFWLを算出し(図3のS209)、これに相当する量の燃料を増量させたものとして燃料噴射量QFの最終設定値を算出することとした(図4のS305)。このため、燃料の壁面付着による実質的な燃料供給量の減少を解消し、燃焼を安定させることができる。
なお、以上では、軽油を燃料とするディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、ガソリンエンジン、及び各種の燃料を採用した予混合圧縮着火型のエンジンに適用することができる。ガソリンエンジンでは、理論値よりも燃料が希薄な状態で運転させる希薄燃焼域(均質又は成層の燃焼形態の別を問わない。)に本発明を適用することが可能であり、たとえば、直噴型のガソリンエンジンにおいて、いわゆるスプレーガイド燃焼の形態によりエンジンを始動させる場合での適用が考えられる。スプレーガイド燃焼による始動では、成層燃焼時における通常の噴射時期よりも遅角させて燃料を噴射するとともに、ピストンの冠面に対する衝突前の噴霧に対して点火を行うことで、着火性を確保しつつ、燃料の後燃えにより排気温度を上昇させ、暖機を促進させることができる。
また、以上では、筒内に燃料が噴射される直噴型のエンジンに本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、これに限らず、燃料噴射弁を吸気ポート内に臨ませて設置した、ポート噴射型のガソリンエンジンに適用することもできる。
本発明の一実施形態に係るディーゼルエンジンの構成 同上実施形態に係る燃料噴射制御ルーチンのフローチャート 同上燃料噴射制御ルーチンの始動制御に係るサブルーチン 同上燃料噴射制御ルーチンの燃料噴射量の最終設定に係るサブルーチン 機関温度TMPEのマップデータ エンジントルクTIENGのマップデータ 壁面付着燃料の燃焼寄与率INFQFのマップデータ 燃料の壁面付着率RQFWLのマップデータ 基本噴射量QFBASEのマップデータ 水温補正量HQFTWのテーブルデータ 吸気温度補正量HQFTAのテーブルデータ 壁面付着燃料の燃焼に対する寄与を考慮しない場合の燃料噴射量QFとエンジントルクTORQUEとの関係 壁面付着燃料の寄与を考慮した場合の燃料噴射量QFとエンジントルクTORQUEとの関係
符号の説明
1…ディーゼルエンジン、11…吸気通路、12…ターボチャージャ、13…サージタンク、21…燃料噴射弁、22…コモンレール、31…排気通路、32…排気浄化触媒、35…EGR管、36…EGR弁、41…エンジンコントロールユニット、51…クランク角センサ、52…アクセルセンサ、53…吸気温度センサ、54…冷却水温度センサ、55…エアフローメータ。

Claims (9)

  1. エンジンにおける燃料噴射量を制御する装置であって、
    エンジンの運転条件に応じた前記燃料噴射量の基本値を算出する基本噴射量算出手段と、
    エンジンが実際に発生させているエンジントルクを検出するエンジントルク検出手段と、
    エンジントルクに及ぼす燃料供給量の影響が吸入空気量の影響と比較して相対的に大きくなるエンジンの運転領域に関し、噴射された燃料のうちシリンダの壁面に付着した燃料の燃焼に寄与する度合いが、エンジントルクとの関係のもとで壁面付着燃料の燃焼寄与率として予め記憶され、前記領域における実際の運転に際し、前記エンジントルク検出手段により検出されたエンジントルクに基づいて前記燃焼寄与率を算出する燃焼寄与率算出手段と、
    前記基本噴射量算出手段により算出された基本噴射量、及び前記燃焼寄与率算出手段により算出された燃焼寄与率に基づいて、前記燃料噴射量の最終設定値を算出する燃料噴射量算出手段と、
    を含んで構成されるエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 前記燃焼寄与率算出手段は、燃料噴射量に対応させて各エンジントルク下での燃焼寄与率が記憶され、燃料噴射量、及び前記検出されたエンジントルクに基づいて前記燃焼寄与率を算出する請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. エンジンの温度を検出する温度検出手段を更に含んで構成され、
    前記燃料噴射量算出手段は、前記温度検出手段により所定の温度よりも低いエンジンの温度が検出されたことに対応して、前記算出された燃焼寄与率に基づいて前記燃料噴射量の最終設定値を算出する請求項1又は2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 前記燃料噴射量算出手段は、エンジンの始動時におけるクランキングの開始から所定の時間が経過するまでの間、前記算出された燃焼寄与率に基づいて前記燃料噴射量の最終設定値を算出する請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. エンジンの温度を検出する温度検出手段を含んで構成されるものにおいて、
    前記所定の時間が、クランキングの開始後、完爆を経て、エンジンの単位時間当たりの温度上昇率が増加から転じて所定の値に減少するまでの時間として定められる請求項4に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. エンジンの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出されたエンジンの温度に基づいて、燃料の壁面付着に対する、エンジンの温度に応じた燃料噴射量の補正量を算出する補正量算出手段と、を更に含んで構成され、
    前記燃料噴射量算出手段は、前記算出された基本噴射量、前記算出された燃焼寄与率、及び前記補正量算出手段により算出された補正量に基づいて、前記最終設定値としての燃料噴射量を算出する請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  7. エンジンの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段により検出された回転速度の単位時間当たりの変化率を算出する回転速度変化率算出手段と、を更に含んで構成され、
    前記エンジントルク検出手段は、前記検出された回転速度、及び前記回転速度変化率算出手段により算出された回転速度の変化率に基づいて、前記エンジントルクを算出する請求項1〜6のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  8. エンジンの温度を検出する温度検出手段を含んで構成されるものにおいて、
    前記温度検出手段は、エンジン冷却水の温度を検出する手段を含んで構成され、この手段により検出されたクランキングの開始前におけるエンジン冷却水の温度、及び燃料の噴射が開始されてからの燃料噴射量の積算値に基づいて、エンジンの温度を推定演算する請求項1〜7のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  9. ディーゼルエンジンにおける燃料噴射量を制御する請求項1〜8のいずれかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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