JP2005155482A - 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Masaru Ogawa
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Abstract

【課題】筒内式内燃機関において、選択された噴射形態に適合するよう燃料噴射量を補正し、空燃比を適正化する。
【解決手段】燃焼サイクルの吸入行程および圧縮行程のいずれかまたは両方において燃料の主噴射を行い、膨張行程または排気行程において燃料の副噴射を行うように、燃料噴射弁は駆動される。制御装置は、主噴射については、該主噴射により噴射した燃料の量に基づいて燃焼室内に付着している燃料の量を更新し、副噴射については、該副噴射により噴射した燃料の量に基づく該付着燃料量の更新を行わないようにして、今回の燃焼サイクルの終了時における付着燃料の量を算出する。内燃機関の運転状態に基づいて、次回の燃焼サイクルにおいて該内燃機関に供給すべき燃料の量を要求燃料量として算出し、該付着燃料量によって該要求燃料量を補正する。燃料噴射弁は、次回の燃焼サイクルの主噴射において、該補正された要求燃料量を噴射するよう駆動される。
【選択図】図6

Description

この発明は、筒内噴射式の内燃機関のための、燃焼室に噴射する燃料の量を制御する装置に関する。
筒内噴射式の内燃機関において、混合気の空燃比を理論空燃比よりも極リーンにして成層燃焼を行うことが知られている。このようなリーンの運転状態において排出されるNoxを捕捉するため、通常、触媒が設けられる。
下記の特許文献1には、筒内噴射式の内燃機関において、触媒の浄化率を向上させる手法が開示されている。トルクを発生させるための燃料の主噴射を、吸入行程から圧縮行程の間に行うと共に、触媒温度に応じて燃料の副噴射を行う。触媒温度が低い時は、副噴射を吸入行程から圧縮行程の初期にかけての期間内に設定し、低沸点成分のHCを多量に生成する。触媒温度が高い時は、副噴射を、燃焼行程の後半から排気行程の初期にかけての期間内に設定し、高沸点成分のHCを触媒に供給する。副噴射により供給されたHCで、触媒に捕捉されたNOxを還元する。
一方、噴射した燃料の一部が、燃焼室内に付着することが知られている。付着した燃料の量に基づいて、燃料噴射量を補正する手法が提案されている(たとえば、特許文献2を参照)。
特開平4−231645号公報 特開平7−127496号公報
筒内噴射式の内燃機関では、通常、複数の噴射形態が存在する。典型的には、成層燃焼による運転を行う時、燃料噴射を圧縮行程中に行う。均一燃焼による運転を行う時、吸入行程中に燃料噴射を行う。さらに、触媒の浄化率を向上させる時、膨張行程または排気行程において燃料噴射を行うことがある。どの噴射形態を選択するかは、内燃機関の運転状態に応じて決められる。
従来、筒内噴射式の内燃機関においては、付着燃料による燃料噴射量の補正が、選択された噴射形態に従って行われておらず、結果として、所望の空燃比を実現することができないおそれがあった。したがって、選択された噴射モードに適合するように、付着燃料による燃料噴射量の補正を行うことのできる制御装置が必要とされている。
この発明によると、筒内噴射式の内燃機関のための、燃焼室に噴射する燃料の量を制御する装置は、燃焼サイクルの吸入行程および圧縮行程のいずれかまたは両方において燃料の主噴射を行い、該燃焼サイクルの膨張行程または排気行程において燃料の副噴射を行うように、燃料噴射弁を駆動する。主噴射については、該主噴射により噴射した燃料の量に基づいて、燃焼室内に付着している燃料の量を更新し、副噴射については、該副噴射により噴射した燃料の量に基づく該付着燃料量の更新を行わないようにして、今回の燃焼サイクルの終了時における付着燃料の量を算出する。制御装置は、内燃機関の運転状態に基づいて、該内燃機関に供給すべき燃料の量を要求燃料量として算出し、該算出された付着燃料量によって、該要求燃料量を補正する。燃料噴射弁は、次回の燃焼サイクルの主噴射において、該補正された要求燃料量を噴射するよう駆動される。
膨張行程および排気行程初期では燃焼室内の温度および圧力が比較的高いので、噴射された燃料は即座に蒸発し、燃焼室内への付着はほとんど生じない。一方、吸気および圧縮行程では、噴射された燃料の燃焼室内への付着が起こる。この発明によれば、このような噴射形態の違いを考慮して燃料噴射量を算出するので、所望の空燃比を実現することができる。
次に図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に従う、内燃機関およびその制御装置の構成図である。
電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、車両の各部から送られてくるデータを受け入れる入力インターフェース1a、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU1b、読み取り専用メモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を有するメモリ1c、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース1dを備える。メモリ1cのROMには、車両の各部の制御を行うためのプログラムおよび各種のデータが格納されている。この発明に従う燃料噴射制御を実現するためのプログラム、および該プログラムの実行の際に用いるデータおよびテーブルは、このROMに格納されている。ROMは、EPROMのような書き換え可能なROMでもよい。RAMには、CPU1bによる演算のための作業領域が設けられる。車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号は、RAMに一時的に記憶される。
内燃機関(以下、「エンジン」という)2は、筒内噴射式のガソリンエンジンである。エンジン2はたとえば4気筒を備えることができ、そのうちの1つの気筒のみが示されている。気筒のピストン3とシリンダヘッド4との間に燃焼室5が形成されている。ピストン3の上面の中央部には凹形状のキャビティ6が形成されている。
シリンダヘッド4には、燃焼室5に臨むように燃料噴射弁7が取り付けられている。燃料噴射弁7は、燃料パイプ8を介して高圧ポンプ9に接続されている。燃料は、図示しない燃料タンクから高圧ポンプ9で昇圧された後、燃料噴射弁7に供給される。燃料は、燃料噴射弁7からピストン3のキャビティ6に向かって噴射されると共に、キャビティ6を含むピストン3の上面に衝突して燃料噴流を形成する。燃料噴射弁7の開弁時間は、ECU1により制御される。
燃料圧(PF)センサ10が、燃料噴射弁7の近傍に設けられており、噴射する燃料の圧力を検出し、それをECU1に送る。
点火プラグ11が、燃焼室5に取り付けられており、ECU1からの制御信号に従って火花を飛ばし、燃焼室5内の混合気を燃焼させる。
エンジン2には、吸気弁12を介して吸気管13が連結されている。吸気管13の上流側にはスロットル弁14が設けられている。スロットル弁14の開度は、ECU1によって制御される。スロットル弁14に連結されたスロットル弁開度センサ(θTH)15は、スロットル弁14の開度を検出し、これをECU1に供給する。
吸気管圧力(Pb)センサ16および吸気温(Ta)センサ17は、吸気管13のスロットル弁14の下流側に設けられており、吸気管圧力Pbおよび吸気温TAをそれぞれ検出し、ECU1に送る。
エンジン水温(TW)センサ18は、エンジン2のシリンダブロックの、冷却水が充満した気筒周壁(図示せず)に取り付けられ、エンジン冷却水の温度TWを検出し、それをECU1に送る。
エンジン2には、クランク角(CRK)センサ19が設けられている。クランク角センサ19は、クランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU1に出力する。CRK信号は、所定のクランク角(たとえば、30度)で出力されるパルス信号である。ECU1は、該CRK信号に応じ、エンジン2の回転数NEを算出する。さらに、TDC信号は、ピストンのTDC位置に関連したクランク角度で出力されるパルス信号である。
エンジン2の下流側には、排気弁21を介して排気管22が連結されている。排気管22には、排ガスの空燃比を検出するリニア空燃比センサ(LAF)23が設けられている。リニア空燃比センサ23は、リーンからリッチにわたる広範囲の空燃比を検出する。検出された空燃比は、ECU1に送られる。リニア空燃比センサの下流には、理論空燃比の運転状態の時にHC、COおよびNOxについて最大の浄化作用を実現する三元触媒24が設けられている。
三元触媒24の下流には、Oセンサ25が設けられている。Oセンサ25は、2値型の排気ガス濃度センサである。Oセンサ25は、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるとき高レベルの信号を出力し、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるとき低レベルの信号を出力する。出力された電気信号は、ECU1に送られる。Oセンサ25の下流には、吸着型NOx触媒26が設けられている。吸着型NOx触媒26は、酸化雰囲気においてはNOxを吸着し、還元雰囲気中においてはNOxを還元する。
ECU1に向けて送られた信号は入力インターフェース1aに渡される。入力インターフェース1aは、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する。CPU1bは、変換されたデジタル信号を処理し、メモリ1cに格納されているプログラムに従って演算を実行し、車両の各部のアクチュエータに送る制御信号を作り出す。出力インターフェース1dは、これらの制御信号を、燃料噴射弁7、点火プラグ11、スロットル弁14、およびその他のアクチュエータに送る。
図2は、本願発明の一実施形態に従う、4つの噴射モードを示す。それぞれの燃焼サイクルにおいて、エンジンの運転状態に応じ、いずれかの噴射モードが選択される。
モード1:1つの燃焼サイクルにおいて、吸入行程噴射のみを実施する。
モード2:1つの燃焼サイクルにおいて、圧縮行程噴射のみを実施する。
モード3:1つの燃焼サイクルにおいて、吸入行程噴射と膨張行程噴射を実施する。
モード4:1つの燃焼サイクルにおいて、圧縮行程噴射と膨張行程噴射を実施する。
吸入行程噴射および圧縮行程噴射は、所望のエンジン出力を得るための主噴射であり、エンジンの運転状態に応じてどちらかが選択される。
吸入行程噴射では、燃焼室内に空気を吸入するための吸入行程の前半に、燃料が噴射される。吸入行程噴射は、混合気を、燃焼室内に均一に分散させながら、成層燃焼よりもリッチな状態で均一燃焼させる。吸入行程噴射は、エンジンの負荷が比較的大きい時(たとえば、加速時)に実施される。
圧縮行程噴射では、吸入した空気を圧縮するための圧縮行程の後半に、燃料が噴射される。圧縮行程噴射は、混合気を、点火プラグ付近に偏らせながら、極めてリーンな状態(たとえば、空燃比が24以上)で成層燃焼させる。圧縮行程噴射は、エンジンの負荷が比較的小さい時(たとえば、アイドル運転時)に実施される。
膨張行程噴射は、触媒の浄化能力を向上させるための副噴射である。膨張行程噴射では、燃焼によってピストンが下方に移動する膨張行程中に、燃料が噴射される。噴射した燃料により、排ガスの温度を上昇させる。
吸着型NOx触媒は、酸化雰囲気中では、SOxを吸着しやすい性質を持つ。SOxにより触媒が被毒されると、NOxの吸着能力が低下する。膨張行程噴射を実行することにより、還元雰囲気中で触媒温度を上昇させて、SOxを脱離させることができる。
どの燃焼サイクルで膨張行程噴射を実施するかについては、適切な任意の方法で決定することができる。たとえば、触媒に吸着したSOxの量が所定値以上であることが検出された時、膨張行程噴射を実施する。触媒の活性度(これは、触媒の温度により判断することができる)に応じて、膨張行程中における噴射タイミングを、進角または遅角させてもよい。
代替的に、他の噴射モードを設定してもよい。たとえば、エンジン負荷が「中」程度であると判断した時、1つの燃焼サイクル中に吸入行程噴射と圧縮行程噴射の両方を実施する分割噴射を設定してもよい。このような分割噴射を設定することにより、吸入行程噴射と圧縮行程噴射の間のエンジン出力の段差を緩和することができる。
図3を参照して、付着燃料による燃料噴射量の補正について説明する。今回の燃焼サイクルにおいて、燃料噴射弁7から燃焼室内にTout(n)の燃料が噴射されたと仮定する。ここで、nは燃焼サイクルを識別する識別子である。
この燃料噴射量Tout(n)のうち、(A×Tout(n))に相当する量が、直接燃焼に寄与する。残りの量(1−A)×Tout(n)は、すでに燃焼室内に付着している燃料Twp(n-1)中に、増分Fwinとして取り込まれる(式(1))。ここで、Aは直接率と呼ばれ、今回の燃焼サイクルにおいて噴射された燃料のうち、該今回の燃料サイクルにおける燃焼に直接使用される燃料の割合を示し、0<A<1で与えられる。
Fwin(n)=(1−A)×Tout(n) (1)
付着燃料量Twp(n-1)のうち、B×Twp(n-1)に相当する量が燃焼に寄与する(式(2))。ここで、Bは持ち去り率と呼ばれ、付着燃料量Twp(n-1)のうち、今回の燃焼サイクルにおける燃焼に使用される燃料の割合を示し、0<B<1で与えられる。
Fwout(n)=B×Twp(n-1) (2)
結果として、(A×Tout(n))と、Fwout(n)とを加えた値が、実際に、今回の燃焼サイクルで燃焼に使用される燃料の量である。
一方、所望のエンジン出力を得るため、今回の燃焼サイクルでエンジンに供給すべき燃料の量(要求燃料量と呼ぶ)Tcyl(n)が決定される。上記の燃料噴射量Tout(n)は、要求燃料量Tcyl(n)が、(A×Tout(n))+Fwout(n)に一致するように算出される(式(3)および(4))。
Tcyl(n)=A・Tout(n)+Fwout(n) (3)
Tout(n)=(Tcyl(n)−Fwout(n))/A
=(Tcyl(n)−B×Twp(n-1))/A (4)
燃料噴射量Tout(n)が噴射されることに応じて、付着燃料は、式(5)に示すように更新される。
Twp(n)=(1−B)×Twp(n-1)+Fwin(n) (5)
この実施例では、直接率Aおよび持ち去り率Bは、エンジンの現在の運転状態(典型的には、エンジン回転数NEおよび吸気管圧力PB)に基づいて決定される。
図4は、本願発明の一実施形態に従う、燃料制御装置のブロック図である。各機能ブロックは、典型的には、メモリ1cに格納されるソフトウェアプログラムにより実現される。
要求燃料算出部51は、式(6)に従い、エンジンの現在の運転状態に基づいて、要求燃料量Tcyl(n)を算出する。
Tcyl(n)=Ti(n)×Ktotal(n) (6)
Tiは基本燃料であり、検出されたエンジン回転数NEおよび吸気管圧力PBに基づいて決定される。Ktotalは、補正係数を示す。Ktotalは、たとえば、エンジン水温TWに応じて決定される補正係数Ktw、エンジン始動時の時に考慮されるKAST、エンジンの負荷状態に応じて決定される補正係数KWOT、吸気温度に応じて決定されるKTA、空燃比補正係数KO2等を乗算することにより算出される。
燃料噴射量算出部52は、付着燃料更新部55から、現在の付着燃料Twp(n-1)を受け取る。燃料噴射量算出部52は、上記の式(4)に従い、今回の燃焼サイクルにおいて噴射すべき燃料の量Tout(n)を算出する。こうして、要求燃料量Tcyl(n)を付着燃料量Twp(n-1)によって補正することにより、燃料噴射量Tout(n)が得られる。
モード選択部53は、エンジンの現在の運転状態に基づいて、上記のモード1から4のうちの1つを選択し、該選択されたモード番号を表す信号Modeを生成する。生成されたモード信号は、噴射弁駆動部54に渡される。
噴射弁駆動部54は、受け取ったモード信号Modeの値が1ならば、モード1の燃焼サイクルを実現するため、吸入行程が到来したことに応じて、燃料噴射量Toutが噴射されるよう燃料噴射弁7を駆動する。
受け取ったモード信号Modeの値が2ならば、モード2の燃焼サイクルを実現するため、圧縮行程が到来したことに応じて、燃料噴射量Toutが噴射されるよう燃料噴射弁7を駆動する。
受け取ったモード信号Modeの値が3ならば、モード3の燃焼サイクルを実現するため、吸入行程が到来したことに応じて、燃料噴射量Toutが噴射されるよう燃料噴射弁7を駆動する。さらに、膨張行程が到来したことに応じて、所定の燃料Tcyl_expが噴射されるよう燃料噴射弁7を駆動する。
受け取ったモード信号Modeの値が4ならば、モード4の燃焼サイクルを実現するため、圧縮行程が到来したことに応じて、燃料噴射量Toutが噴射されるよう燃料噴射弁7を駆動する。さらに、膨張行程が到来したことに応じて、所定の燃料Tcyl_expが噴射されるよう燃料噴射弁7を駆動する。
膨張行程で噴射される燃料の量Tcyl_expは、任意の適切な方法で決定することができる。たとえば、触媒に吸着されたSoxの量に応じて決めてもよい。
付着燃料更新部55は、モード信号Modeを受け取る。モード信号Modeの値が1ならば、吸入行程噴射が完了したことに応じて、付着燃料の更新処理を開始する。付着燃料更新部55は、吸入行程中に噴射された燃料Tout(n)に基づき、式(1)に従って付着燃料の増分Fwin(n)を算出する。
受け取ったモード信号Modeの値が2ならば、圧縮行程噴射が完了したことに応じて、付着燃料の更新処理を開始する。付着燃料更新部55は、圧縮行程中に噴射された燃料Tout(n)に基づき、式(1)に従って付着燃料の増分Fwin(n)を算出する。
受け取ったモード信号Modeの値が3ならば、吸入行程噴射については、式(1)に従って増分Fwin(n)を算出し、膨張行程噴射については、該増分Fwin(n)の算出を行わないようにする。
受け取ったモード信号Modeの値が4ならば、圧縮行程噴射については、式(1)に従って増分Fwin(n)を算出し、膨張行程噴射については、該増分Fwin(n)の算出を行わないようにする。
付着燃料更新部55は、こうして算出された増分Fwin(n)を、現在の付着燃料の量“(1−B)×Twp(n-1)”に加算することにより、付着燃料の今回値Twp(n)を算出する(式(5)参照)。この付着燃料の今回値Twp(n)は、燃料噴射量算出部52が次回の燃焼のために燃料噴射量Tout(n+1)を算出するのに用いられる。
このように、吸入および圧縮行程噴射については、付着燃料量の更新処理を実施し、膨張行程噴射については、付着燃料量の更新処理を実施しない。
膨張行程では、燃料室内の温度および圧力が高いので、噴射した燃料は、燃焼室の壁面やピストンの上面に付着することなく速やかに気化される。膨張行程について付着燃料の更新処理を実施すると、燃料噴射量が不適切に補正され、よって所望の空燃比を得られないおそれがある。
本願発明によれば、吸入および圧縮行程噴射については、付着燃料の更新処理を実施し、膨張行程噴射については、付着燃料の更新処理を実施しないので、燃料噴射量が適切に補正され、よって所望の空燃比を実現することができる。
図5は、噴射モードに従って燃料噴射量を算出するプロセスのフローチャートを示す。このプロセスは、燃焼サイクルにつき1回実施される。この実施例では、所与の燃焼サイクル”n”が開始するのに先立って該プロセスを実施する。
ステップS1において、上記の式(6)に従い、要求燃料量Tcyl(n)を算出する。ステップS2において、検出されたエンジン回転数NEおよび吸気管圧力Pbに基づいて所定のマップを参照し、直接率Aおよび持ち去り率Bを求める。ステップS3において、式(2)に従い、前回の燃焼サイクルで算出された付着燃料量Twp(n-1)のうち、今回の燃焼サイクルで燃焼に寄与する付着燃料Fwout(n)を算出する。
ステップS4において、今回の燃焼サイクルにおいて燃料カットを実施するかどうかを判断する。燃料カットは、エンジンへの燃料の供給を停止する動作である。今回の燃焼サイクルにおいて燃料カットを行うならば、ステップS5に進み、吸入、圧縮および膨張行程用の燃料噴射量Tout_int(n)、Tout_cmp(n)およびTout_exp(n)のすべてにゼロを設定し、燃料の供給を停止する。
ステップS6において、上記の式(4)に従って、今回の燃焼サイクルにおける燃焼のための燃料噴射量Tout(n)を算出する。
ステップS7において、モード信号Modeの値を調べる。モード信号Modeの値が1ならば、吸入行程噴射のみを実施することを示す。ステップS6で算出された燃料噴射量Tout(n)を吸入行程用の燃料噴射量Tout_int(n)に設定し、圧縮および膨張行程用の燃料噴射量Tout_cmp(n)およびTout_exp(n)には、ゼロを設定する(S8)。
ステップS9においてモード信号Modeの値が2ならば、圧縮行程噴射のみを実施することを示す。ステップS6で算出された燃料噴射量Tout(n)を圧縮行程用の燃料噴射量Tout_cmp(n)に設定し、吸入および膨張行程用の燃料噴射量Tout_int(n)およびTout_exp(n)には、ゼロを設定する(S10)。
ステップS11においてモード信号Modeの値が3ならば、吸入行程噴射と膨張行程噴射を実施することを示す。ステップS6で算出された燃料噴射量Tout(n)を吸入行程用の燃料噴射量Tout_int(n)に設定し、所定値Tcyl_expを、膨張行程用の燃料噴射量Tout_exp(n)に設定し、圧縮行程用の燃料噴射量Tout_cmp(n)には、ゼロを設定する(S12)。
ステップS13においてモード信号Modeの値が4ならば、圧縮行程噴射と膨張行程噴射を実施することを示す。ステップS6で算出された燃料噴射量Tout(n)を圧縮行程用の燃料噴射量Tout_cmp(n)に設定し、所定値Tcyl_expを、膨張行程用の燃料噴射量Tout_exp(n)に設定し、吸入行程用の燃料噴射量Tout_int(n)には、ゼロを設定する(S14)。
図6は、付着燃料を更新するプロセスを示すフローチャートである。このプロセスは、図5のプロセスにおいて算出された噴射量Tout_int(n)またはTout_cmp(n)に従う主噴射が完了したことに応じて実施される。前述したように、Tout_exp(n)に従う副噴射については付着燃料の更新処理を実施しないので、該副噴射が完了したかどうかにかかわらず、図6のプロセスは実施されることができる。
ステップS21において、モード信号Modeの値を調べる。モード信号Modeの値が1または3ならば、今回の燃焼サイクルにおいて吸入行程噴射が行われたことを示す。ステップS22に進み、吸入行程で噴射された燃料の量Tout_int(n)を、一時変数tnetftempに代入する。
吸入行程噴射でなければ、ステップS23に進み、モード信号Modeの値が2または4であるかどうかを調べる。モード信号Modeの値が2または4ならば、今回の燃焼サイクルにおいて圧縮行程噴射が行われたことを示す。ステップS24に進み、圧縮行程で噴射された燃料の量Tout_cmp(n)を、一時変数tnetftempに代入する。
ステップS25では、上記の式(1)に従い、今回の燃焼サイクルの主噴射に起因して付着した燃料、すなわち増分Fwin(n)を算出する。直接率Aは、図6のステップS2で求められている。
ステップS26に進み、式(5)に従って、付着燃料量を更新し、付着燃料の今回値Twp(n)を算出する。この今回値Twp(n)は、次回の燃焼サイクルのために図6のプロセスが実行される時に、ステップS3の演算を実行するのに用いられる。
こうして、図6のプロセスに示されるように、エンジン出力を生成するための吸入行程噴射および圧縮行程噴射については付着燃料の量が更新され、触媒の浄化能力を向上させるための(すなわち、エンジン出力には寄与しない)膨張行程噴射については、付着燃料の量は更新されない。
上記の実施形態では、触媒の浄化能力を向上させるための噴射を、膨張行程で行う。代替的に、触媒の浄化能力を向上させるための噴射を、排気行程で行うようにしてもよい。
このように、本願発明によれば、触媒の浄化能力の向上を図りながら、付着燃料による燃料噴射量の補正が噴射モードに従って行われるので、空燃比を所望の値に収束させることができる。
本発明は、他の内燃機関(たとえば、船外機)などにも適用が可能である。
この発明の一実施例に従う、内燃機関および制御装置を概略的に示す図。 この発明の一実施例に従う、噴射モードを示す図。 この発明の一実施例に従う、付着燃料量による補正の概念を示す図。 この発明の一実施例に従う、燃料噴射制御装置の機能ブロック図。 この発明の一実施例に従う、燃料噴射量を算出するプロセスのフローチャート。 この発明の一実施例に従う、付着燃料を更新するプロセスのフローチャート。
符号の説明
1 ECU
2 エンジン
3 ピストン
5 燃焼室
7 燃料噴射弁

Claims (1)

  1. 筒内噴射式の内燃機関のための、燃焼室に噴射する燃料の量を制御する装置であって、
    燃焼サイクルの吸入行程および圧縮行程のいずれかまたは両方において燃料の主噴射を行い、該燃焼サイクルの膨張行程または排気行程において燃料の副噴射を行うように、燃料噴射弁を駆動する噴射弁駆動手段と、
    前記主噴射については、該主噴射により噴射した燃料の量に基づいて、前記燃焼室内に付着している燃料の量を更新し、前記副噴射については、該副噴射により噴射した燃料の量に基づく該付着燃料量の更新を行わないようにして、今回の燃焼サイクルの終了時における付着燃料の量を算出する、付着燃料算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて、次回の燃焼サイクルにおいて該内燃機関に供給すべき燃料の量を要求燃料量として算出する算出手段と、
    前記算出された付着燃料量によって、前記要求燃料量を補正する補正手段と、を備え、
    前記噴射弁駆動手段は、前記次回の燃焼サイクルの主噴射において、前記補正された要求燃料量を噴射するよう前記燃料噴射弁を駆動する、燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239466A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Nissan Motor Co Ltd エンジンの燃料噴射制御装置
CN102619633A (zh) * 2011-01-31 2012-08-01 本田技研工业株式会社 内燃机的燃料喷射控制装置
CN104454201A (zh) * 2013-09-20 2015-03-25 罗伯特·博世有限公司 用于λ调节以及点火角调节的方法和装置
CN113167158A (zh) * 2018-12-10 2021-07-23 株式会社电装 控制装置

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