JP2009057838A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンに供給される燃料に異種燃料が混入して未燃HCが増加する場合でも、吸気ポート等へのデポジットの生成を抑制できるようにする。
【解決手段】エンジン11に供給される燃料に異種燃料が混入していると判定した時に、筒内から吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスが減少するように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御することで、吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させて吸気ポート43等へのデポジットの生成を抑制する。その際、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点以降の場合は、バルブオーバーラップ量が小さくなるように制御して吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させる。一方、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点よりも前の場合は、吸気バルブ39が上死点よりも前で開弁する期間が短くなるように制御して吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させる。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン11に供給される燃料に異種燃料が混入していると判定した時に、筒内から吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスが減少するように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御することで、吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させて吸気ポート43等へのデポジットの生成を抑制する。その際、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点以降の場合は、バルブオーバーラップ量が小さくなるように制御して吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させる。一方、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点よりも前の場合は、吸気バルブ39が上死点よりも前で開弁する期間が短くなるように制御して吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関に供給される燃料に異種燃料が混入している場合の制御方法を改善した内燃機関の制御装置に関する発明である。
内燃機関の吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング装置を備えたシステムでは、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバーラップ量(吸気バルブと排気バルブが両方とも開いている期間)が大きくなるようにバルブタイミングを制御して、内部EGR量(筒内に残留する燃焼ガス量)を多くすることで、NOx排出量を低減するようにしたものがある。
しかし、バルブオーバーラップ量を大きくすると、燃焼ガスの吹き返しによって筒内から吸気ポートへ逆流する未燃HCが増加するため、この未燃HCがカーボン等の微粒子を吸気ポート等に堆積させる接着剤となって吸気ポート等にデポジット(堆積物)が生成され、このデポジットによって吸入空気量が変動するという不具合が発生することがある。
この対策として、特許文献1(特開2004−285860号公報)に記載されているように、排出ガスの一部をEGR通路を介して吸気通路に還流させる外部EGRを実行する外部EGR運転領域であると判定されたときに、バルブオーバーラップ量をなくすようにバルブタイミングを制御することで、外部EGRによってNOx排出量を低減しながら、バルブオーバーラップによる未燃HCの逆流を抑制して吸気ポートにデポジットが生成されることを抑制するようにしたものがある。
特開2004−285860号公報(第4頁等)
ところで、内燃機関には、ガソリンを使用するガソリンエンジンや、軽油を使用するディーゼルエンジン等がある。近年、運転者が自分で燃料を給油するセルフスタンドが増加しているため、運転者がガソリンエンジンの車両に誤って使用不可の異種燃料である軽油を給油してしまう可能性がある。また、ガソリンに軽油や灯油等の異種燃料を故意に混合した粗悪燃料が給油される可能性もある。エンジンに供給される燃料に異種燃料が混入すると、筒内の燃焼ガス中の未燃HCが増加するため、バルブオーバーラップによって吸気ポートに逆流する未燃HCも増加する。
しかし、上記特許文献1の技術は、外部EGR運転領域であると判定されたときにバルブオーバーラップ量をなくすようにバルブタイミングを制御して未燃HCの逆流を抑制する技術であるため、異種燃料の混入によって未燃HCが増加する場合に、外部EGR運転領域以外の領域では吸気ポートに逆流する未燃HCを減少させることができず、吸気ポート等にデポジットが生成され易くなってしまうという欠点があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、内燃機関に供給される燃料に異種燃料が混入して未燃HCが増加する場合でも、吸気ポート等へのデポジットの生成を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング装置を備えた内燃機関の制御装置において、内燃機関に供給される燃料に異種燃料が混入しているか否かを異種燃料混入判定手段により判定し、異種燃料が混入していると判定されたときに、デポジット防止制御手段により筒内から吸気ポートへ逆流する燃焼ガスが減少するようにバルブタイミングを制御するようにしたものである。
この構成では、内燃機関に供給される燃料に異種燃料が混入していると判定されたときに、異種燃料の混入によって筒内の燃焼ガス中の未燃HCが増加していると判断して、筒内から吸気ポートへ逆流する燃焼ガスが減少するようにバルブタイミングを制御することで、吸気ポートへ逆流する未燃HCを少なくすることができる。これにより、異種燃料の混入によって未燃HCが増加する場合でも、吸気ポートへ逆流する未燃HCを減少させて吸気ポート等にデポジットが生成されることを抑制することができる。
具体的には、請求項2のように、デポジット防止制御手段は、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバーラップ量が小さくなるようにバルブタイミングを制御するようにすると良い。このようにすれば、バルブオーバーラップ量を小さくして燃焼ガスの吹き返しを減少させることによって、吸気ポートへ逆流する燃焼ガスを減少させて吸気ポートへ逆流する未燃HCを抑制することができる。
ところで、バルブオーバーラップ量を小さくしても、吸気バルブが上死点よりも前で開弁する期間(以下「吸気バルブ早開き期間」という)が長い場合には、ピストンの上昇中に吸気バルブが開弁する期間が長くなるため、吸気ポートへ逆流する燃焼ガスを効果的に減少させることができない可能性がある。
そこで、請求項3のように、デポジット防止制御手段は、吸気バルブ早開き期間(吸気バルブが上死点よりも前で開弁する期間)が短くなるようにバルブタイミングを制御するようにしても良い。このようにすれば、吸気バルブ早開き期間を短くしてピストンの上昇中に吸気バルブが開弁する期間を短くすることによって、吸気ポートへ逆流する燃焼ガスを減少させて吸気ポートへ逆流する未燃HCを減少させることができる。
また、請求項4のように、異種燃料が混入していると判定されたときに、その異種燃料の混入割合を異種燃料混入割合推定手段により推定し、推定した異種燃料の混入割合に応じてバルブタイミングの制御量を変化させるようにしても良い。このようにすれば、異種燃料の混入割合が高くなるほど未燃HCが増加するのに対応して、吸気ポートへ逆流する未燃HCの減少効果を高めるようにバルブオーバーラップ量や吸気バルブ早開き期間を変化させることができる。
本発明は、請求項5のように、燃料としてガソリンを使用するガソリンエンジンにおいて、異種燃料として、軽油、灯油、重油のうちの少なくとも1つが混入しているか否かを判定するシステムに適用すると良い。このようにすれば、ガソリンエンジンに供給されるガソリンに軽油や灯油や重油が混入して未燃HCが増加した場合に、吸気ポートへ逆流する未燃HCを抑制して吸気ポート等にデポジットが生成されることを抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態をガソリンエンジン(燃料としてガソリンを使用するエンジン)に適用して具体化した実施例を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられている。各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
また、エンジン11には、吸気バルブ39のバルブタイミング(開閉タイミング)を変化させる可変吸気バルブタイミング装置41と、排気バルブ40のバルブタイミングを変化させる可変排気バルブタイミング装置42とが設けられている。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側に、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ29が取り付けられている。また、クランク軸27の外周側には、クランク軸27が所定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ28が取り付けられ、このクランク角センサ28の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
燃料(ガソリン)を貯溜する燃料タンク30内には、燃料を汲み上げる燃料ポンプ31が設けられている。この燃料ポンプ31から吐出される燃料は、燃料配管32を通してデリバリパイプ33に送られ、このデリバリパイプ33から各気筒の燃料噴射弁21に分配される。燃料配管32のうちの燃料ポンプ31付近には、フィルタ34とプレッシャレギュレータ35が接続され、このプレッシャレギュレータ35によって燃料ポンプ31の吐出圧が所定圧力に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分が燃料戻し管36により燃料タンク30内に戻されるようになっている。
上述した各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)37に入力される。このECU37は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
ところで、エンジン11に供給される燃料(ガソリン)に、使用不可の燃料である軽油、灯油、重油等の異種燃料が混入すると、筒内の未燃HCが増加する。更に、吸気バルブ39や排気バルブ40のバルブタイミング制御の影響で筒内から吸気ポート43へ逆流するガスが増加すると、吸気ポート43へ逆流する未燃HCが増加するため、この未燃HCがバインダ(接着剤)となってカーボン等の微粒子が吸気ポート43や燃料噴射弁21等に堆積してデポジットが生成され、このデポジットによって吸入空気量や燃料噴射量が変動するという不具合が発生することがある。
この対策として、ECU37は、後述する図5及び図6の各ルーチンを実行することで、ノック発生点火時期(ノッキングが発生する点火時期)に基づいてエンジン11に供給される燃料(ガソリン)に使用不可の異種燃料(軽油、灯油、重油等の少なくとも1つ)が混入しているか否かを判定し、異種燃料が混入していると判定されたときに、筒内から吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスが減少するようにバルブタイミングを制御するデポジット防止制御を実行して、吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させて吸気ポート43や燃料噴射弁21等にデポジットが生成されることを抑制するようにしている。
具体的には、エンジン11に供給されるガソリンに軽油、灯油、重油等の異種燃料が混入すると、点火時期のノック限界が遅角側に変化するという特性に着目して、ノックセンサ29の検出信号に基づいてノッキングが発生しているか否かを判定して該ノッキングが発生していると判定する毎に、そのときの点火時期をノック発生点火時期として記憶すると共に該点火時期を所定量だけ遅角させるという処理を繰り返して、ノック発生点火時期が所定の判定値(例えば正常なガソリンが供給されている場合のノック発生点火時期の遅角側限界値)よりも遅角側になったか否かを判定し、ノック発生点火時期が判定値よりも遅角側になった場合に、異種燃料(軽油、灯油、重油等)が混入していると判定する。これにより、異種燃料が混入しているか否かを精度良く判定することができ、異種燃料が混入している場合に、その異種燃料の混入を速やかに検出することができる。
更に、異種燃料の混入割合に応じてノック限界が変化してノック発生点火時期が変化するという特性に着目して、異種燃料が混入していると判定された場合には、ノック発生点火時期に基づいて異種燃料の混入割合を推定する。
そして、図2のタイムチャートに示すように、異種燃料が混入していると判定されたときには、異種燃料の混入によって筒内の燃焼ガス中の未燃HCが増加していると判断して、筒内から吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスが減少するようにバルブタイミングを制御するデポジット防止制御を次のようにして実行する。
まず、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点以降(上死点又はそれよりも遅角側)であるか否かを判定し、図3に示すように、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点以降の場合には、吸気バルブ39と排気バルブ40とのバルブオーバーラップ量が小さくなるように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御する。これにより、バルブオーバーラップ量を小さくして燃焼ガスの吹き返しを減少させることによって、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させて吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させる。
一方、図4に示すように、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点よりも前(進角側)の場合には、吸気バルブ39のバルブタイミングを制御してバルブオーバーラップ量を小さくしても、吸気バルブ39が上死点よりも前で開弁する期間(以下「吸気バルブ早開き期間」という)が長いことがあり、このような場合、ピストン44の上昇中に吸気バルブ39が開弁する期間が長くなるため、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを効果的に減少させることができない可能性がある。
そこで、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点よりも前の場合には、吸気バルブ早開き期間(吸気バルブ39が上死点よりも前で開弁する期間)が短くなるように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御する。これにより、吸気バルブ早開き期間を短くしてピストン44の上昇中に吸気バルブ39が開弁する期間を短くすることによって、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させて吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させる。
以上説明した異種燃料混入検出とデポジット防止制御は、ECU37によって図5及び図6の各ルーチンに従って実行される。以下、図5及び図6の各ルーチンの処理内容を説明する。
[異種燃料混入検出時のデポジット防止制御ルーチン]
図5に示す異種燃料混入検出時のデポジット防止制御ルーチンは、ECU37の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうデポジット防止制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で後述する図6の異種燃料混入判定ルーチンを実行することで、エンジン11に供給される燃料(ガソリン)に使用不可の異種燃料(軽油、灯油、重油等)が混入しているか否かを判定し、異種燃料が混入していると判定された場合には、その異種燃料の混入割合を推定する。
図5に示す異種燃料混入検出時のデポジット防止制御ルーチンは、ECU37の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいうデポジット防止制御手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で後述する図6の異種燃料混入判定ルーチンを実行することで、エンジン11に供給される燃料(ガソリン)に使用不可の異種燃料(軽油、灯油、重油等)が混入しているか否かを判定し、異種燃料が混入していると判定された場合には、その異種燃料の混入割合を推定する。
この後、ステップ102に進み、異種燃料混入判定処理(ステップ101)の判定結果に基づいて異種燃料の混入有りであるか否かを判定し、異種燃料の混入無しと判定された場合には、ステップ103以降のデポジット防止制御に関する処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ102で、異種燃料の混入有りと判定された場合には、ステップ103以降のデポジット防止制御に関する処理を次のようにして実行する。まず、ステップ103で、デポジット防止制御を許可した後、ステップ104に進み、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点以降であるか否かを判定する。
このステップ104で、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点以降であると判定された場合には、ステップ105に進み、図7の目標バルブオーバーラップ量のマップを参照して、現在の異種燃料の混入割合に応じた目標バルブオーバーラップ量を算出する。図7のマップは、異種燃料の混入割合が高くなるほど未燃HCが増加するのに対応して、異種燃料の混入割合が高くなるほど目標バルブオーバーラップ量が小さくなって吸気ポート43へ逆流する未燃HCの抑制効果を高めるように設定されている。また、異種燃料の混入割合が所定値以上の領域では、目標バルブオーバーラップ量が0になって吸気ポート43へ逆流する未燃HCの抑制効果を最も高めるように設定されている。
この後、ステップ107に進み、目標バルブオーバーラップ量となるように吸気バルブ39の目標バルブタイミングを算出し、吸気バルブ39の実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるように可変吸気バルブタイミング装置41を制御することで、異種燃料の混入割合に応じてバルブオーバーラップ量が小さくなるように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御する。これにより、バルブオーバーラップ量を小さくして燃焼ガスの吹き返しを減少させることによって、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させて吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させる。
一方、上記ステップ104で、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点よりも前であると判定された場合には、ステップ106に進み、図8の目標吸気バルブ早開き期間のマップを参照して、現在の異種燃料の混入割合に応じた目標吸気バルブ早開き期間を算出する。図8のマップは、異種燃料の混入割合が高くなるほど未燃HCが増加するのに対応して、異種燃料の混入割合が高くなるほど目標吸気バルブ早開き期間が短くなって吸気ポート43へ逆流する未燃HCの抑制効果を高めるように設定されている。また、異種燃料の混入割合が所定値以上の領域では、目標吸気バルブ早開き期間が0になって吸気ポート43へ逆流する未燃HCの抑制効果を最も高めるように設定されている。
この後、ステップ107に進み、目標吸気バルブ早開き期間となるように吸気バルブ39の目標バルブタイミングを算出し、吸気バルブ39の実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるように可変吸気バルブタイミング装置41を制御することで、異種燃料の混入割合に応じて吸気バルブ早開き期間が短くなるように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御する。これにより、吸気バルブ早開き期間を短くしてピストン44の上昇中に吸気バルブ39が開弁する期間を短くすることによって、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを減少させて吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させる。
[異種燃料混入判定ルーチン]
図6に示す異種燃料混入判定ルーチンは、前記図5の異種燃料混入検出時のデポジット防止制御ルーチンのステップ101で実行されるサブルーチンであり、特許請求の範囲でいう異種燃料混入判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、ノックセンサ29の検出信号に基づいてノッキングが発生しているか否かを判定し、ノッキングが発生していないと判定されれば、ステップ202以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
図6に示す異種燃料混入判定ルーチンは、前記図5の異種燃料混入検出時のデポジット防止制御ルーチンのステップ101で実行されるサブルーチンであり、特許請求の範囲でいう異種燃料混入判定手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ201で、ノックセンサ29の検出信号に基づいてノッキングが発生しているか否かを判定し、ノッキングが発生していないと判定されれば、ステップ202以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
その後、上記ステップ201で、ノッキングが発生していると判定されたときに、ステップ202に進み、ノッキングが発生している現在の点火時期をノック発生点火時期として記憶した後、ステップ203に進み、点火時期を所定量だけ遅角させる。
この後、ステップ204に進み、ノック発生点火時期が判定値を越えて判定値よりも遅角側になったか否かを判定する。ここで、判定値は、例えば、正常な燃料(ガソリン)が供給されている場合のノック発生点火時期の遅角側限界値又はそれよりも少し遅角側の値(つまりノック限界付近)に設定されている。
このステップ204で、ノック発生点火時期が判定値を越えていないと判定された場合には、ステップ205に進み、軽油、灯油、重油等の異種燃料の混入無し(異種燃料の混入以外の要因でノッキングが発生した)と判定して、本ルーチンを終了する。以上の処理により、ノッキングが検出される毎に、そのときの点火時期をノック発生点火時期として記憶すると共に点火時期を所定量だけ遅角させた後、ノック発生点火時期が判定値を越えたか否かを判定する処理(ステップ201〜204)を繰り返す。
その後、上記ステップ204で、ノック発生点火時期が判定値を越えて判定値よりも遅角側になったと判定された時点で、ステップ206に進み、異種燃料(軽油、灯油、重油等)の混入有りと判定した後、ステップ207に進み、運転席のインストルメントパネルに設けられた異種燃料混入警告ランプ38を点灯したり、或は、運転席のインストルメントパネルの警告表示部(図示せず)に「異種燃料混入」を警告表示して運転者に警告する。これにより、異種燃料の混入を運転者に早期に知らせる。
この後、ステップ208に進み、図9に示す異種燃料の混入割合のマップを参照して、現在のノック発生点火時期に応じた異種燃料の混入割合を算出する。異種燃料の混入割合が高くなるほど、ノック限界が遅角側に変化してノック発生点火時期が遅角側に変化する傾向があるため、図6に示す異種燃料の混入割合のマップは、ノック発生点火時期が遅角側になるほど異種燃料の混入割合が高くなるように設定されている。このステップ208の処理が特許請求の範囲でいう異種燃料混入割合推定手段としての役割を果たす。
その後、上記ステップ201で、ノッキングが発生しなくなったと判定された時点で、点火時期が、実際の異種燃料混入割合に対応したノック発生点火時期の遅角側限界値よりも遅角側になったと判断して、本ルーチンを終了することで、ステップ202以降の処理(点火時期の遅角等)を停止する。
以上説明した本実施例では、エンジン11に供給されるガソリンに、軽油、灯油、重油等の異種燃料が混入していると判定したときに、異種燃料の混入によって筒内の燃焼ガス中の未燃HCが増加していると判断して、筒内から吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスが減少するようにバルブタイミングを制御するデポジット防止制御を実行するようにしたので、吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させることができる。これにより、異種燃料の混入によって未燃HCが増加した場合に、吸気ポート43へ逆流する未燃HCを減少させて吸気ポート43や燃料噴射弁21等にデポジットが生成されることを抑制することができる。
しかも、本実施例では、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点以降の場合には、バルブオーバーラップ量が小さくなるように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御するデポジット防止制御を行うようにしたので、バルブオーバーラップ量を小さくして燃焼ガスの吹き返しを減少させることによって、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを確実に減少させて吸気ポート43へ逆流する未燃HCを確実に減少させることができる。
一方、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点よりも前の場合には、バルブオーバーラップ量を小さくしても、吸気バルブ早開き期間が長くて、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを効果的に減少させることができない可能性があることを考慮して、本実施例では、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点よりも前の場合には、吸気バルブ早開き期間が短くなるように吸気バルブ39のバルブタイミングを制御するデポジット防止制御を行うようにしたので、吸気バルブ早開き期間を短くしてピストン44の上昇中に吸気バルブ39が開弁する期間を短くすることによって、吸気ポート43へ逆流する燃焼ガスを確実に減少させて吸気ポート43へ逆流する未燃HCを確実に減少させることができる。
尚、上記実施例では、吸気バルブ39のバルブタイミングのみを制御してデポジット防止制御を行うようにしたが、吸気バルブ39と排気バルブ40の両方のバルブタイミングを制御してデポジット防止制御を行うようにしたり、或は、排気バルブ40のバルブタイミングのみを制御してデポジット防止制御を行うようにしても良い。
また、上記実施例では、排気バルブ40の閉弁タイミングに応じて、バルブオーバーラップ量を小さくするデポジット防止制御と、吸気バルブ早開き期間を短くするデポジット防止制御とを切り換えるようにしたが、例えば、排気バルブ40の閉弁タイミングが上死点付近で固定されている場合には、バルブオーバーラップ量を小さくするデポジット防止制御と吸気バルブ早開き期間を短くするデポジット防止制御のいずれか一方のみを実行するようにしても良い。
また、上記実施例では、ノック発生点火時期に基づいて異種燃料が混入しているか否かを判定するようにしたが、異種燃料混入の判定方法は適宜変更しても良く、例えば、異種燃料が混入すると、排出ガスの空燃比、筒内圧力、排気温度、排出ガスのHC濃度等が変化するため、排出ガスセンサ24の出力や空燃比F/B補正量、筒内圧力、排気温度、排出ガスのHC濃度等のいずれかに基づいて異種燃料が混入しているか否かを判定するようにしても良い。更に、排出ガスセンサ24の出力や空燃比F/B補正量、筒内圧力、排気温度、排出ガスのHC濃度等のいずれかに基づいて異種燃料の混入割合を推定するようにしても良い。
また、上記実施例では、エンジン11に供給されるガソリンに、異種燃料として、軽油、灯油、重油が混入しているか否かを判定するようにしたが、許容量以上のアルコールが混入しているか否かを判定して、許容量以上のアルコールが混入していると判定されたときに、デポジット防止制御を実行するようにしても良い。
また、本発明は、図1に示すような吸気ポート噴射式エンジンに限定されず、筒内噴射式エンジンや、吸気ポート噴射用の燃料噴射弁と筒内噴射用の燃料噴射弁の両方を備えたデュアル噴射式のエンジンにも適用して実施できる。
更に、燃料として軽油を使用するディーゼルエンジンに本発明を適用して、エンジンに供給される軽油に使用不可の異種燃料であるガソリンが混入していると判定されたときに、デポジット防止制御を実行するようにしても良い。
また、燃料として、ガソリン、アルコール、ガソリンにアルコールを混合したアルコール混合燃料をいずれも使用可能なバイフューエルエンジンに本発明を適用して、エンジンに供給される燃料に使用不可の異種燃料である軽油、灯油、重油等が混入していると判定されたときに、デポジット防止制御を実行するようにしても良い。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、29…ノックセンサ、30…燃料タンク、31…燃料ポンプ、37…ECU(異種燃料混入判定手段,デポジット防止制御手段,異種燃料混入割合推定手段)、39…吸気バルブ、40…排気バルブ、41…可変吸気バルブタイミング装置、42…可変排気バルブタイミング装置
Claims (5)
- 内燃機関の吸気バルブ及び/又は排気バルブのバルブタイミングを変化させる可変バルブタイミング装置を備えた内燃機関の制御装置において、
前記内燃機関に供給される燃料に異種燃料が混入しているか否かを判定する異種燃料混入判定手段と、
前記異種燃料混入判定手段により前記異種燃料が混入していると判定されたときに、筒内から吸気ポートへ逆流する燃焼ガスが減少するように前記バルブタイミングを制御するデポジット防止制御手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記デポジット防止制御手段は、前記吸気バルブと前記排気バルブとのバルブオーバーラップ量が小さくなるように前記バルブタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記デポジット防止制御手段は、前記吸気バルブが上死点よりも前で開弁する期間が短くなるように前記バルブタイミングを制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記異種燃料混入判定手段により前記異種燃料が混入していると判定されたときに、前記異種燃料の混入割合を推定する異種燃料混入割合推定手段を備え、
前記デポジット防止制御手段は、前記異種燃料混入割合推定手段で推定した前記異種燃料の混入割合に応じて前記バルブタイミングの制御量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関は、燃料としてガソリンを使用するガソリンエンジンであり、
前記異種燃料混入判定手段は、前記異種燃料として、軽油、灯油、重油のうちの少なくとも1つが混入しているか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2007223367A JP2009057838A (ja) | 2007-08-30 | 2007-08-30 | 内燃機関の制御装置 |
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JP2007223367A JP2009057838A (ja) | 2007-08-30 | 2007-08-30 | 内燃機関の制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011094594A (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-12 | Fuji Heavy Ind Ltd | エンジンの制御装置 |
JP2012149570A (ja) * | 2011-01-19 | 2012-08-09 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
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2007
- 2007-08-30 JP JP2007223367A patent/JP2009057838A/ja active Pending
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