JP2007239283A - コンクリート構造物の補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】面状補強材とスリットへ充填した補強用充填材とを一体化させて立体的な補強枠材を形成して、曲げ変形や押し抜き力に対する剛性を発揮させる補強方法を提供する。
【解決手段】コンクリート部から同コンクリート内の一定の深さまで一定方向へ連続する溝形状のスリットを形成する工程と、スリットを形成したコンクリート部に面状補強材をあてがって被覆し接着する工程と、スリット内に補強用充填材を充填して立体的な補強枠材を形成し、スリットと面状補強材を一体化させる工程とから成る。
【選択図】図1

Description

この発明は、コンクリート構造物のコンクリート部に生じる剥離やひび割れ、ジャンカ等を補強する技術分野に属し、更に云うと、面状補強材とスリットへ充填した補強用充填材とを一体化させて立体的な補強枠材を形成して、曲げ変形や押し抜き力に対する剛性を発揮させる補強方法に関する。
従来から、架橋やトンネル等のコンクリート構造物は、その表面に経年変化や疲労等によるひび割れ、材料分離や締め固め不足によるジャンカ等の破損が生じ、1つの破損から縦横の亀裂が発生し、更にはこれらの亀裂が成長して細網化し、最終的にはコンクリートの剥離等の原因となる問題がある。そこで、そのようなコンクリート構造物の表面を補強する方法として、コンクリート部にFRPシートを接着剤等で接着させる方法が広く公知である。下記の特許文献1又は2にはFRPシートとして接着強度の高い光硬化性樹脂を用いた技術が開示されて公知である。
即ち、特許文献1にはコンクリート部にスチールメッシュで成る金属メッシュ(金網とも云う)を補強材とし、その片面又は両面に光硬化性樹脂を含浸させて成るプリプレグシート(FPR系列)を巻き付け、光を照射することで光硬化樹脂が硬化しコンクリート表面に接着する方法が開示されている。
また特許文献2には、コンクリート構造物のコンクリート表面の補修必要箇所に多孔質シート状体、該多孔質シート状体よりも大きい光硬化プリプレグの順に積層し、光硬化プリプレグに光照射して硬化させて、光硬化プリプレグの周囲をコンクリート表面と接着し、同プリプレグに設けた注入口から硬化性液体を圧入、硬化させてコンクリートを補強する方法が開示されている。
ところで、特許文献3には、コンクリート構造物の床版の表面に幅15mm、深さ15mm程度の格子状のスリット(溝)を設け、前記スリット内に溝と同ピッチの格子を備えたFRP製の格子筋を嵌め込み、必要箇所に固定用のアンカーを嵌入し、同アンカーを嵌入しない溝に粘土状樹脂を、格子筋を覆うように被せた後、充填材の漏れ止め用の剥離型樹脂を吹き付け、前記アンカー内部に注入器を接続し低粘度樹脂で成る充填材を注入して硬化させた後、前記剥離樹脂を剥離してコンクリート表面を補強する方法が開示されている。
特開2004−131985号公報 特開2004−150238号公報 特開2003−293324号公報
従来のFRPシートを接着剤によりコンクリート表面に接着させる方法は、接着剤やコンクリートの経年変化により接着が低下して剥がれる虞がある。また、劣化したコンクリート表面に接着されると接着強度を保てない。補助工法としてアンカー施工を行う方法が実施されている。しかし、アンカーは部分的な点でしか支えておらず、コンクリートは引張に弱いため、1点に対して応力集中となりアンカー引き抜きやひび割れ、円錐形型にコンクリートを破壊させてしまう。またひび割れが生じているコンクリートには実施できず、取り付け場所も限定される不便さがある。
特許文献1記載の発明は、金属メッシュを補強材として用いることで、コンクリートの飛び出し防止効果を発揮させ、軸方向の鉄筋の座屈を防止することができ、もってはRC部材の曲げ変形性能を向上する効果が記載されている。しかし、金属メッシュはコンクリートの外周面に貼り付けられるものであり、その線径は0.2〜0.4mmと細いものであるため大振動時に発生する曲げや引き抜き力に対する剛性を期待できる構成ではない。更に、硬化性樹脂のみで接着しているため。接着強度が硬化性樹脂の経年変化により低下し、外力により金属メッシュがコンクリート部上を移動したり、抜け落ちてしまう虞がある。
また、金属メッシュ(金網)を補強材としてコンクリート表面に巻き付け又は貼り付けて覆ってしまうため、施工後のコンクリート部の浮きや劣化の進行を目視することができないほか、硬化性樹脂とコンクリートが十分接着しているかを確認することができないという問題点がある。
特許文献2記載の発明は、多孔質シート状体の上に積層される一回り大きい光硬化プリプレグ(FRP系)の周囲とコンクリート表面とを光照射により硬化して接着するため、接着可能な面積が少なく、接着面のコンクリートが劣化していると接着強度を著しく低下させてしまう。また、上記の方法は一時的な補修であり、コンクリートに発生する曲げや押し抜き力等の外力に対する剛性を十分に発揮させることや、ひび割れや劣化等のコンクリート表面の損傷を防止するものではない。
特許文献3記載の発明は、コンクリート構造物の床版の表面に幅15mm、深さ15mm程度の格子状のスリットを設けてFRP製の格子筋を嵌め込んで、格子筋の移動を拘束すると共に、床版の変位に追従しながら引っ張り応力(曲げや引き抜き応力)を発揮する効果が記載されている。しかし、格子筋を嵌め込むスリットの深さはコンクリート部から15mm程度であり、曲げや引き抜き力等の外力に対する剛性を発揮することは困難な深度である。且つ、劣化しているコンクリート部は健全部に達するまで相当の深さとなっているため、15mm程度では外力に対する剛性を発揮できない。また、充填材の漏れ止め用にコンクリート部に剥離型樹脂を吹き付けるが、低粘度樹脂が硬化した剥離するためコンクリート表面は補修・補強前と同じむき出し状態となる。したがってコンクリートの劣化等の損傷を補修・補強することはしても、ひび割れや劣化等の進行を抑制することは考慮されていない。
本発明の目的は、面状補強材と、スリットへ充填した補強用充填材とを一体化させて立体的な補強枠材を形成して、曲げ変形や押し抜き力に対する剛性を十分に確保すると共に、コンクリートのひび割れや劣化等の進行を抑制するコンクリート構造物の補強方法を提供することにある。
本発明の次の目的は、面状補強材とスリット内の補強用充填材とを一体化させた補強枠材の抜け落ちを形状的に防止するコンクリート構造物の補強方法を提供することにある。
上述した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るコンクリート構造物の補強方法は、
コンクリート構造物のコンクリート部を補強する方法において、
前記コンクリート部から同コンクリート内の一定の深さまで一定方向へ連続する溝形状のスリットを形成する工程と、
前記スリットを形成したコンクリート部に面状補強材をあてがって被覆し接着する工程と、
前記スリット内に補強用充填材を充填して立体的な補強枠材を形成し、スリットと面状補強材を一体化させる工程と、
から成ることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
スリットは、重力作用方向に対して抵抗する一定の角度を付けて設けること、又はスリットの断面形状を深さ方向に開口幅が変化する楔形形状とすることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
コンクリート構造物の一定の深さまで到達したスリットの底面部にアンカー材を設けることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
スリットは格子形状配置若しくは線状配置に、又は格子状配置と線状配置とを組み合わせた複合配置や市松模様配置、亀甲配置とする形状に形成されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
面状補強材は光硬化型樹脂シート又は光硬化型繊維樹脂シートであることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1又は5に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
補強用充填材は面状補強材の樹脂と同系材料の樹脂を使用することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1又は5又は6に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
面状補強材は透明材料で成ることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
スリット内に線状補強材を内設することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8に記載したコンクリート構造物の補強方法において、
線状補強材はL型又はT型のFRP及び/又は鋼材であることを特徴とする。
請求項1〜9に記載した発明に係るコンクリート構造物の補強方法は、以下のような効果を奏する。
1)コンクリート内に一定の深さまで一定方向に連続するスリットを形成し、コンクリート部に面状補強材をあてがって被覆し接着させ、同スリット内に補強用充填材を充填すると、前記面状補強材とスリットへ充填した補強用充填材とが一体化されて立体的な補強枠材が形成され、同補強枠材が曲げや引き抜き力等の外力に対する剛性を十分に発揮してコンクリート部を強固に補強できる。また、補強用充填材が、充填時にコンクリート部又はスリット内部に発生したひび割れやジャンカ等を埋めて補修してコンクリート部の健全性を高める。
2)コンクリート部に強固に接着された光硬化性樹脂シートの面状補強材と、スリットとが補強用充填材により強固に一体化されるので、両者を一体化して形成した補強枠材もコンクリート部と強固に一体化できる。
3)補強用充填材には面状補強材の樹脂と同系樹脂材料を使用するので、接着力を更に高めて面状補強材とスリットとを強固に一体化できる。
4)スリットは一定方向へ連続する形状に形成するので、補強用充填材は一カ所から注入するのみで実施できるので作業性が良いし、スリットを設ける際にコンクリート部の浮きの部分や劣化した部分をはつり落とすことでコンクリートの劣化等の損傷の進行を最小限に止めることができる。
5)面状補強材は透明材料を使用するので、スリット内の充填状況を確認して品質の向上に寄与するほか、補修後のコンクリート部を目視確認して維持管理が容易となる。
6)スリット内に線状補強材を配置するので、曲げや引き抜き力等の外力に対する剛性を高めるほか、L型、T型等の水平部を有する補強材であると、スリットと面状補強材との間に前記補強材の水平部が介在されるので一体化を高めることができる。
7)スリットは重力方向に対して角度を付けて設ける又は深さ方向に開口幅が変化する楔形形状とするので、面状補強材とスリット内へ充填した補強用充填材とを一体化して形成した補強枠材の抜け落ちを形状的に防止できる。
本発明は、コンクリート構造物1のコンクリート部を補強する方法である。
前記コンクリート部1aから同コンクリート内の一定の深さSまで一定方向へ連続する溝形状のスリット2を形成する。
前記スリット2を形成したコンクリート部1aに面状補強材3をあてがって被覆し接着する。前記スリット2内に補強用充填材4を充填して立体的な補強枠材5を形成し、スリット2と面状補強材3を一体化させる。
以下、本発明に係るコンクリート構造物の補強方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、架橋のコンクリートスラブ(床版)やトンネル覆工コンクリートの補強、及びボックスカルバートの側面やスラブの補強等のコンクリート表面が劣化している部分に積極的に実施可能である。
図1は既存コンクリート構造物1の下面のコンクリート部1aの補強必要箇所に、同コンクリート1内の一定の深さSまで一定方向へ連続する溝形状のスリット2を形成し、スリット2を形成したコンクリート部1a上を覆うように面状補強材3をあてがって被覆し接着した後、前記スリット2内に補強用充填材4を充填して、スリット2と面状補強材3とを一体化させた状態を示した。
具体的には、まずコンクリート部1aのひび割れ、ジャンカ、浮き等の劣化を除去する下地処理を行う。その際、コンクリート部1aに、少なくとも一定の深さSを深度とするスリット2をコンクリートカッター等により形成する。一定の深さSとは、後述する立体的な補強枠材5のブリッジを形成可能な深さ例えば20mm以上の深さであり、幅は5mm以上とする。
主筋や配筋が施されている鉄筋コンクリート等のコンクリート構造物1に、コンクリートカッターによって深い深度に刃を入れると前記主筋を切ってしまう虞がある。その場合には、ウォータージェットを用いコンクリート強度の3倍の100MPa〜200MPaのジェット水によりスリット2を形成することが好ましい。上記の方法でスリット2を形成するので、ブレーカーのようにひび割れの発生や拡大を防ぐことができる。また、スリット形成時にコンクリート部1aに存在する劣化等の損傷をはつり落とすことができ、劣化の進行を抑制することができる。
その後、必要に応じてプライマー処理を行って後述する面状補強材3を密実に接着させる準備をする。
前記スリット2の形状の具体例は図2に示した、つまり図2Aの格子状配置に設けても良いし、図2Bの平行な線状配置としても良い。また、図2Cの格子状配置と線状配置を組み合わせた複合配置や、図2Dに示すような市松模様配置とする形状としても良い。また図示することは省略したが亀甲配置とすることも考えられる(請求項4記載の発明)。
図1では前記スリット2は重力方向に平行に形成しているが、この限りではなく例えば図3A〜Eに示した形状に形成することも好適に成される。つまり図3A〜Eは重力方向に対して角度を付けた形状を形状に形成しており、抜け落ちを防止できる効果がある。図3Aは内側に傾斜した形状であり、図3Bは外側に傾斜した形状、図3Cは内側と外側を交互に傾斜させた形状である。図3D及び図3Eはトンネル内の例えばボックスカルバートのような半円に対応したスリット2の形状を示している。水平線上に位置するトンネル内のコンクリート部では図3Dに示すようにトンネルの側面と重力方向が平行であるので、コンクリート部に対して直角にスリット2を設ける。トンネル内のR部分においては図3Eに示すとおり斜め形状とされている。
更に、抜け落ちを防止するスリット形状として図4Aに示すように、断面形状の深さ方向に開口幅が変化する、図示例では広くなる楔形形状とすることもできる。また、図4Bに示すように曲げや押し抜き力等の外力に対する剛性を発揮する深さS(図示省略)まで到達したスリット2の底面部にアンカー材20を打ち込んで実施しても良い。その際、アンカー材20はコンクリート部1aを損傷させない構成のものとする。
上述した方法でスリット2を形成した後、コンクリート部1aを面状補強材3であてがって被覆し接着させる。前記面状補強材3は炭素繊維やアラミド繊維又はガラス繊維などの繊維補強FRPシートやFRP板、又は光硬化性樹脂シート又は光硬化性繊維樹脂シート等の光硬化性のものが好適に実施される。前記面状補強材3は厚み数ミリ程度の薄いものである。
光硬化性樹脂系の面状補強材3をコンクリート部1aに接着する場合、例えば本出願人が先に出願した特願2006−10514号に記載した方法で実施される。
前記面状補強材3をコンクリート部1aにあてがって貼り付け、光を照射すると、光硬化性樹脂が反応して直ちに硬化する特性があり、接着強度を発揮するまでに掛かる時間を短縮し、且つ一定の強度を均一的に発揮するほか、大掛かりな吊り上げ機械等の必要がないため作業効率を向上させ施工コストも低減できる。光源としては、紫外線蛍光灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を使用することができる。勿論、太陽光によって自然に硬化させることもできる。
また、面状補強材3には透明材料を用いることで、スリット2内の状況を確認可能として品質の向上に寄与する。のみならず、補強後のコンクリート部1aを目視で確認して維持管理を容易ならしめる効果を期待できる。透明材料とは例えは紫外線及び可視光を通す樹脂系のものである。
面状補強材3はこの限りではなく、プレプリグ(既製のFRP)のシート材やプレキャストの板材を用いて設置や施工にかかる時間を短くさせることもできる。その際、材質に炭素繊維や鋼材を使用して強度を高めることが好ましい。
上記のように面状補強材3をコンクリート部1aに接着し完全に硬化させた後、スリット2内に補強用充填材4を充填する。前記補強用充填材4は樹脂材料やセメント材料又は両者に鋼繊維、ガラス繊維等の補強繊維を混入したものである。
最適な材料としては、面状補強材3に使用している樹脂と同系材料の樹脂を使用すると同面状補強材3とスリット2との一体化を強化することができる(請求項6記載の発明)。
次に、補強用充填材4の充填方法について図5から説明する。図5Aに示す方法は、面状補強材3のスリット2の直下に相当する位置から注入口30をドリル等で設ける。このとき面状補強材3は透明で目視することができるので注入口30を設けることは容易である。補強用充填材4の注入に際し、内部に空気が残存することの無いように、別に脱気口31を設けることが好ましい。
そして、前記注入口30に注入器を漏れないように設置し補強用充填材4を注入する。補強用充填材4の注入は、低圧ポンプや自動低圧注入器を用いることができる。完全に注入した後、一方の孔(脱気口31)をパテ等でふさぎ、注入口30から圧力をかけることによってスリット2内に補強用充填材4を隙間無く充填する。注入口30又は脱気口31を塞ぐ方法として、光硬化パテ及びガラス繊維を含む光硬化パテを使用することで、短時間で注入加圧作業を実施できる。
図5Bに示す方法は、図5Aと略同様であり、注入口と脱気口とドリル等で穴をあけて設ける代わりに面状補強材3の二カ所の端部を注入口及び脱気口として利用するものである。この方法は面状補強材3を損傷させずにすむ利点がある。
上記のようにスリット2内に補強用充填材4を充填することにより、図6に示すような面状補強材3と、スリット2内に充填された補強用充填材4とが一体化された立体的な補強枠材5が形成される。この補強枠材5が曲げや押し抜き力等の外力に対して十分に剛性を発揮するのである。コンクリート部1aに強固に接着された光硬化性樹脂シートの面状補強材3と、スリット2とが補強用充填材4により強固に一体化されるので、両者を一体化して形成した補強枠材5もコンクリート部1aと強固に一体化される。
図7Aには上記の方法で架橋1のコンクリートスラブ(床版)のコンクリート部1aを補強した一例を示した。本発明の方法は、従来架橋の補強として行われている既設道路面と補強部分とに段差が生じる所謂上面増し厚工や、施工の困難な下面増し厚工の代わりとなる。図7Bにはトンネル覆工コンクリートのコンクリート部1aを補強した一例を示した。本発明はコンクリート部1aを補強し接着する面状補強材3の厚さが数ミリであるので、トンネル内の内空断面を圧迫しないし、特に曲げや押し抜き力が集中するR部分の補強に最適である。
図8は請求項8及び9に記載した補強方法である。つまり、スリット2内に線状補強材6を内設して曲げや引き抜き力等の外力に対する剛性を飛躍的に向上させるものである。
前記線状補強材6として、図8Aに示すFRP又は鋼材のロッド、図8Bに示すFPRの板材、図8Cに示すFRPのL型鋼材、図8Dに示すFRPのT型鋼材などがある。炭素繊維、アラミド繊維又はガラス繊維等を含有した繊維補強FRPロッドや板材が好ましい。
特に図8Cと図8Dに示したL型、T型等の水平部6aを有する補強材であると、スリット2と面状補強材3との間に前記補強材6の水平部6aが介在されるので一体化を高めることができる。水平部の厚さは数ミリである。
因みに線状補強材6の設置は、面状補強材3をコンクリート部1aに接着される前に行われる。
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変形、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のため付言する。例えば、面状補強材3の表面を着色して意匠性を高めることや、耐久性塗料を塗布することで、樹脂材料やセメント材料の耐久性を高めることもできる。
本発明に係るコンクリート補強方法を実施した一例を示した側面図である。 A〜Dは連続した形状のスリットの例を幾つか示した参考図である。 A〜Eはスリット形状の異なる実施例を示した参考図である。 A、Bはスリット形状の他の実施例を示した参考図である。 A、Bは補強用充填材の注入方法の概略を示した図である。 面状補強材とスリット内に充填した補強用充填材とを一体化させて形成した補強枠材を示す参考図である。 Aは本発明を架橋のコンクリートスラブに実施した一例を示した図である。Bは本発明をトンネル覆工コンクリートに実施した一例を示した図である。 A〜Dはスリット内に内設される線状補強材の異なる実施例を示した参考図である。
符号の説明
1 コンクリート構造物
1a コンクリート部
2 スリット
3 面状補強材
4 補強用充填材
5 補強枠材
6 線状補強材

Claims (9)

  1. コンクリート構造物のコンクリート部を補強する方法において、
    前記コンクリート部から同コンクリート内の一定の深さまで一定方向へ連続する溝形状のスリットを形成する工程と、
    前記スリットを形成したコンクリート部に面状補強材をあてがって被覆し接着する工程と、
    前記スリット内に補強用充填材を充填して立体的な補強枠材を形成し、スリットと面状補強材を一体化させる工程と、
    から成ることを特徴とする、コンクリート構造物の補強方法。
  2. スリットは、重力作用方向に対して抵抗する一定の角度を付けて設けること、又はスリットの断面形状を深さ方向に開口幅が変化する楔形形状とすることを特徴とする、請求項1に記載したコンクリート構造物の補強方法。
  3. コンクリート構造物の一定の深さまで到達したスリットの底面部にアンカー材を設けることを特徴とする、請求項1に記載したコンクリート構造物の補強方法。
  4. スリットは格子形状配置若しくは線状配置に、又は格子状配置と線状配置とを組み合わせた複合配置や市松模様配置、亀甲配置とする形状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載したコンクリート構造物の補強方法。
  5. 面状補強材は光硬化型樹脂シート又は光硬化型繊維樹脂シートであることを特徴とする、請求項1に記載したコンクリート構造物の補強方法。
  6. 補強用充填材は面状補強材の樹脂と同系材料の樹脂を使用することを特徴とする、請求項1又は5に記載したコンクリート構造物の補強方法。
  7. 面状補強材は透明材料で成ることを特徴とする、請求項1又は5又は6に記載したコンクリート構造物の補強方法。
  8. スリット内に線状補強材を内設することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載したコンクリート構造物の補強方法。
  9. 線状補強材はL型又はT型のFRP及び/又は鋼材であることを特徴とする、請求項8に記載したコンクリート構造物の補強方法。
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