JP2007239084A - 無電解めっき方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い密着力を備えるめっき被膜を形成出来る無電解めっき方法を提供すること。
【解決手段】不飽和結合を有する樹脂からなる基材の表面に、オゾンを含む第1溶液を接触させる工程1と、第1溶液を接触させた後の樹脂基材の表面に、界面活性剤を含む第2溶液を接触させる工程2と、第2溶液を接触させた後の樹脂基材の表面に、触媒を吸着させる工程3と、触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、金属イオンと還元剤とを含むめっき液を接触させ、金属イオンを還元して樹脂基材の表面に、めっき被膜を析出させる工程4とを有する無電解めっき方法において、工程1における第1溶液中のオゾン濃度を、10ppm〜50ppmの範囲とし、かつ第1溶液と樹脂基材との接触時間を、4分〜25分の範囲とする。
【選択図】なし
【解決手段】不飽和結合を有する樹脂からなる基材の表面に、オゾンを含む第1溶液を接触させる工程1と、第1溶液を接触させた後の樹脂基材の表面に、界面活性剤を含む第2溶液を接触させる工程2と、第2溶液を接触させた後の樹脂基材の表面に、触媒を吸着させる工程3と、触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、金属イオンと還元剤とを含むめっき液を接触させ、金属イオンを還元して樹脂基材の表面に、めっき被膜を析出させる工程4とを有する無電解めっき方法において、工程1における第1溶液中のオゾン濃度を、10ppm〜50ppmの範囲とし、かつ第1溶液と樹脂基材との接触時間を、4分〜25分の範囲とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂基材の表面に、めっき被膜を形成する無電解めっき方法に関し、特に、樹脂基材と、めっき被膜との密着性を高める技術に関する。
樹脂からなる基材に導電性や金属光沢を付与する方法として、無電解めっき方法がある。この無電解めっき方法とは、溶液中の金属イオンを化学的に還元析出させて、基材表面上にめっき被膜を形成するものである。無電解めっき方法は、電力を使用する電気めっき方法とは異なり、樹脂等の非導電性の基材に対して、めっき被膜を形成することができる。その為、無電解めっき方法は、樹脂基材に対するめっき方法として汎用されている。なお、無電解めっき法により形成されるめっき被膜は、樹脂基材に対する密着力が弱い。その為、通常、めっき被膜を形成する前に、あらかじめ樹脂基材の表面を、化学的エッチングにより粗面化する等の表面処理を施し、めっき被膜と樹脂基材との密着力を高めている。
ところで、めっき被膜に対して、高い光沢度を得る等の目的により、高い表面平滑度が要求される場合がある。そのような場合においては、上記表面処理の方法として、樹脂基材の表面に、オゾンを含む処理溶液と、界面活性剤を含む処理溶液とを接触させる方法を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法によって表面処理した樹脂基材には、平面平滑度の高いめっき被膜を形成することが出来る。
上記方法により得られためっき被膜は、高い平面平滑度を備えつつ、ある程度、樹脂基材に対する密着力を有するものである。しかし、今日では、高い平面平滑度を備えるとともに、更に樹脂基材に対して高い密着力を有するめっき被膜の形成方法が求められている。
本発明の目的は、樹脂基材の表面にめっき被膜を形成する無電解めっき方法において、めっき被膜の樹脂基材に対する密着力を高めることである。
本発明に係る無電解めっき方法は、不飽和結合を有する樹脂からなる基材の表面に、樹脂基材の表面の不飽和結合を活性化するためのオゾンを含む第1溶液を接触させる工程1と、第1溶液を接触させた後の樹脂基材の表面に、オゾンにより活性化された樹脂基材の表面に付着させるための界面活性剤を含む第2溶液を接触させる工程2と、第2溶液を接触させた後の界面活性剤が付着した樹脂基材の表面に、更に、触媒を吸着させる工程3と、触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、金属イオンと還元剤とを含むめっき液を接触させ、金属イオンを還元して樹脂基材の表面に、めっき被膜を析出させる工程4と、を有する無電解めっき方法において、前記工程1における第1溶液中のオゾン濃度を、10ppm〜50ppmの範囲とし、かつ第1溶液と樹脂基材との接触時間を、4分〜25分の範囲として、樹脂基材の表面の不飽和結合を活性化することを特徴とする。この方法によれば、樹脂基材に対して高い密着力を備えるめっき被膜を形成することができる。
上記無電解めっき方法において、工程1における第1溶液は、極性溶媒を含むことが望ましい。極性溶媒を含むことにより、第1溶液中のオゾンの活性を維持することが出来る。
上記無電解めっき方法において、工程2における第2溶液は、アルカリ成分を含むことが望ましい。第2溶液中にアルカリ成分は、樹脂基材との接触時において、樹脂基材の表面を分子レベルで溶解し、樹脂基材表面の脆化層を除去するものと推測される。除去することにより、工程1において活性化された樹脂基材表面をより多く表出させると推測される。
上記無電解めっき方法において、工程2における第2溶液の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の内の少なくとも一方であることが望ましい。
また本発明は、上記無電解めっき方法により、めっき被膜を形成したことを特徴とする被めっき樹脂部材を提供する。この被めっき樹脂部材は、樹脂基材とめっき被膜との密着力が高い。まためっき被膜の平面平滑度が高く、光沢度が高い。またこの被めっき樹脂部材は、導電性を備える。その為、更に電気めっき方法等によりめっき被膜を形成することが可能である。
また本発明は、上記被めっき樹脂部材のめっき被膜の上に、更に、電気めっき法により、電気めっき被膜を形成したことを特徴とする被めっき樹脂部材を提供する。
本発明によれば、樹脂基材と、めっき被膜との間の密着力を高めることが出来る。
本実施形態に係る無電解めっき方法は、不飽和結合を有する樹脂からなる基材の表面に、樹脂基材の表面の不飽和結合を活性化するためのオゾンを含む第1溶液を接触させる工程1と、第1溶液を接触させた後の樹脂基材の表面に、オゾンにより活性化された樹脂基材の表面に付着させるための界面活性剤を含む第2溶液を接触させる工程2と、第2溶液を接触させた後の界面活性剤が付着した樹脂基材の表面に、更に、触媒を吸着させる工程3と、触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、金属イオンと還元剤とを含むめっき液を接触させ、金属イオンを還元して樹脂基材の表面に、めっき被膜を析出させる工程4とを有する。
〈工程1〉
工程1は、めっき被膜を形成する前に、オゾンを含む第1溶液を樹脂基材と接触させて、少なくともめっき被膜が形成される個所を、活性化する工程である。
工程1は、めっき被膜を形成する前に、オゾンを含む第1溶液を樹脂基材と接触させて、少なくともめっき被膜が形成される個所を、活性化する工程である。
めっき被膜が形成される基材は、不飽和結合を有する樹脂からなる。本明細書において、不飽和結合とは、炭素原子間の二重結合(C=C結合)、炭素原子間の三重結合(C≡C結合)、炭素原子と窒素原子間の二重結合(C=N結合)等の一般的な不飽和結合を意味する。このような不飽和結合を有する樹脂としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂、SAN樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、アクリロニトリル樹脂(AN樹脂)等があり、これらの樹脂を用いることが出来る。またこれらの樹脂のポリマーブレンド、ポリマーアロイを、基材に用いてもよい。上記樹脂を公知の方法によって所定形状に成形、加工することにより樹脂基材を得ることが出来る。
第1溶液は、樹脂基材を表面処理するためのオゾンを含む溶液である。第1溶液を樹脂基材と接触させると、第1溶液中のオゾンが、樹脂基材に含まれる不飽和結合と反応し、ヒドロキシル基やカルボニル基等の官応基が樹脂基材の表面に形成され、樹脂基材の表面が活性化されると推測される。
第1溶液は、オゾンを溶解する所定の溶媒に、オゾンを溶解することにより調製される。第1溶液中のオゾン濃度は、10ppm〜50ppmの範囲に設定される。オゾン濃度が10ppm未満であると、樹脂基材表面の活性化が不充分となる。活性化が不充分であると、めっきが部分的にのみ析出する。その為、得樹脂基材表面において、全面に渡るめっき被膜を形成することが出来ない。またオゾン濃度が50ppmを超える場合、樹脂基材表面上にめっき被膜を形成することは出来る。しかし、オゾン濃度が50ppmを超える場合、めっき被膜と樹脂基材との密着力が弱くなる。これは、樹脂基材の表面がオゾンにより劣化して、めっき被膜の密着力が低下するものと思われる。
また第1溶液と樹脂基材との接触時間は、4分〜25分の範囲に設定される。接触時間が4分未満であると、樹脂基材表面の活性化が不充分となり、めっき被膜を樹脂基材表面に形成することが出来ない。接触時間が25分を超えると、樹脂基材の表面が劣化して、めっき被膜と樹脂基材との密着力が弱くなる。
第1溶液と、樹脂基材とを接触させる方法としては、樹脂基材の表面に第1溶液を塗布する方法、樹脂基材の表面に第1溶液をスプレー塗布する方法、樹脂基材を第1溶液中に浸漬する方法等の公知の方法があり、これらの方法を用いることが出来る。なお前記浸漬する方法は、第1溶液中のオゾン濃度を所定の範囲内に維持し易く、好ましい方法である。
第1溶液の溶媒としては、極性溶媒を用いることが好ましい。極性溶媒を含むことにより、第1溶液中のオゾンの活性を維持することが出来る。この極性溶媒としては、水が好ましい。また水と、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒との混合溶媒を用いてもよい。更に、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド等の極性溶媒を単独で、または水や、アルコール系溶媒と共に使用してもよい。
第1溶液と樹脂基材との接触処理は、通常、室温で行われる。なお、工程1において樹脂基材に第1溶液を接触させる前に、樹脂基材表面に付着する油脂等を取り除く脱脂工程を行ってもよい。また、第1溶液を樹脂基材へ接触させる前に、第1溶液を、適宜、上下、左右に振動して溶液中の気泡を除く処理(脱泡処理)を行ってもよい。第1溶液を脱泡処理することによって、均一な活性化の妨げとなる気泡を除くことが出来る。脱泡処理後の第1溶液を用いて接触処理を行うと、樹脂基材の表面を均一に活性化し易くなる。
〈工程2〉
工程2は、工程1においてオゾンにより表面を活性化された樹脂基材に、界面活性剤を含む第2溶液を接触させる工程である。この工程において、界面活性剤は、オゾンにより活性化された樹脂基材の表面に付着すると推測される。この工程において界面活性剤をオゾンで活性化された樹脂基材の表面に付着させると、後の工程3において、めっき被膜の形成に必要な触媒を、樹脂基材上に付着させ易くなると推測される。
工程2は、工程1においてオゾンにより表面を活性化された樹脂基材に、界面活性剤を含む第2溶液を接触させる工程である。この工程において、界面活性剤は、オゾンにより活性化された樹脂基材の表面に付着すると推測される。この工程において界面活性剤をオゾンで活性化された樹脂基材の表面に付着させると、後の工程3において、めっき被膜の形成に必要な触媒を、樹脂基材上に付着させ易くなると推測される。
第2溶液は、水、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒あるいは、水とアルコール系溶媒との混合溶媒等の極性溶媒に、界面活性剤を添加し、溶解することによって調製することが出来る。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルエーテル等のノニオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤)を用いることが望ましい。これらの界面活性剤は、それぞれ単独で、または2種以上組み合わせて使用してもよい。
第2溶液中の界面活性剤の濃度は、0.01g/L〜10g/Lの範囲とすることが好ましい。界面活性剤の濃度が0.01g/L未満であると、めっき被膜と樹脂基材との密着性が低下する。これはオゾンにより活性化された樹脂基材に対して界面活性剤の付着量が不充分であると推測される。また界面活性剤の濃度が10g/Lを超えても、めっき被膜と樹脂基材との密着性が低下する。これは、樹脂基材上で界面活性剤同士が会合した会合物が樹脂基材上に残留し、この残留した会合物が樹脂基材とめっき被膜との密着性を低下させる原因となると推測される。
第2溶液には、アルカリ成分が含まれても良い。第2溶液中のアルカリ成分は、樹脂基材の表面を分子レベルで溶解する機能を有すると推測される。アルカリ成分は、樹脂基材表面の脆化層を除去し、工程1において活性化され、形成された官応基をより多く表出させると推測される。この第2溶液に、アルカリ成分を含ませると、より多くの界面活性剤を、樹脂基材の表面に付着することが出来ると推測される。アルカリ成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用いることができる。第2溶液がアルカリ成分を含む場合、上記機能を発揮させるためには、第2溶液の水素イオン濃度(pH)を、12以上に設定することが望ましい。
第2溶液と、樹脂基材とを接触させる方法としては、樹脂基材の表面に、第2溶液を塗布する方法、樹脂基材の表面に、第2溶液をスプレー塗布する方法、第2溶液中に樹脂基材を浸漬する方法等の公知の方法があり、これらの方法を用いることが出来る。
第2溶液と、樹脂基材との接触時間は、通常、1分〜5分の範囲で行われる。また工程2における温度(第2溶液の温度)は、通常、室温〜60℃程度の範囲に設定される。なお、第2溶液の温度が高いほど、樹脂基材の表面に界面活性剤が付着し易くなる傾向がある。
第2溶液と、アルカリ成分のみを含む溶液とを別個に調製し、それぞれの溶液を、樹脂基材の表面に接触させてもよい。この場合、通常は、先ずアルカリ成分のみを含む溶液を樹脂基材の表面に接触させ、その後、界面活性剤を含む第2溶液を樹脂基材の表面に接触させる。
工程2において、アルカリ成分を用いた場合、第2溶液を樹脂基材に接触させた後、アルカリ成分の除去を行ってもよい。アルカリ成分の除去は、例えば、第2溶液と接触させ、界面活性剤を付着させた樹脂基材を、水洗することにより行う。なお、適度な水洗処理であれば、樹脂基材表面上の界面活性剤は失われない。
本実施形態においては、工程1の後に、工程2を行ったが、他の実施形態においては、これらの工程を同時に行っても良い。この場合、第1溶液と第2溶液とからなる混合溶媒を調製し、この混合溶媒を樹脂基材に接触させることになる。
〈工程3〉
工程3は、第2溶液を接触させ、界面活性剤を付着させた樹脂基材の表面に、めっき被膜の形成に必要な触媒を吸着させる工程である。樹脂基材の表面に、所定の界面活性剤が適度に付着していると、触媒を吸着させ易くなる。
工程3は、第2溶液を接触させ、界面活性剤を付着させた樹脂基材の表面に、めっき被膜の形成に必要な触媒を吸着させる工程である。樹脂基材の表面に、所定の界面活性剤が適度に付着していると、触媒を吸着させ易くなる。
触媒としては、Pd2+等の従来より、無電解めっき方法において用いられる触媒を利用することができる。触媒を樹脂基材の表面に吸着させる方法としては、例えば、触媒を溶解した溶液を調製し、この溶液を樹脂基材の表面に接触させればよい。例えば、塩化パラジウムと塩化スズとを含む溶液を調製し、この溶液に樹脂基材を浸漬し、続いて塩酸溶液に浸漬して、樹脂基材の表面に触媒(例えばパラジウム)を吸着させればよい。なお接触時間、温度等の諸条件は、従来と同様の条件で行うことが出来る。
〈工程4〉
工程4は、触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、めっき被膜を形成する工程である。触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、金属イオンと還元剤とを含むめっき液を接触させると、金属イオンが還元してめっき被膜が樹脂基材の表面に析出する。
工程4は、触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、めっき被膜を形成する工程である。触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、金属イオンと還元剤とを含むめっき液を接触させると、金属イオンが還元してめっき被膜が樹脂基材の表面に析出する。
金属イオンおよび還元剤としては、従来の無電解めっき方法において用いられる金属イオンおよび還元剤を利用することができる。例えば、金属イオンとしてニッケルイオンを用い、還元剤として次亜リン酸を用いて、めっき被膜(Ni−P膜)を樹脂基材の表面上に形成することが出来る。
以上の無電解めっき方法によれば、樹脂基材の表面に、密着力の高いめっき被膜を形成することができる。本発明の無電解めっき方法により得られた、めっき被膜が形成された樹脂基材(被めっき樹脂部材)に対して、更に、めっきを施してもよい。例えば、被めっき樹脂部材は、めっき被膜により通電が可能となる為、電気めっき方法により、更に、めっき被膜を形成しても良い。例えば、本発明の無電解めっき方法により、樹脂基材の表面上にめっき被膜を形成した後、硫酸銅系電気めっき、電気Niめっき、電気Crめっき等を、更に、めっき被膜上に形成してもよい。得られた被めっき樹脂部材は、例えば、プリント基板や、装飾品等に使用することが出来る。
なお本発明の無電解めっき方法の工程1は、樹脂基材の表面を粗面化して、いわゆる投錨効果を得ることを目的とするものではない。工程1は、オゾンを含む第1溶液によって、樹脂基材の表面を分子レベルで活性化させる工程である。その為、本発明により得られるめっき被膜は、粗面上に形成されるものでは無い為、表面が平滑である。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に、具体的に説明する。
〔実施例1〕
ABS樹脂からなる樹脂基材(縦100mm、横50mm、厚み3mm)に、以下に示す条件の下、無電解めっき方法(工程1〜工程4)により、めっき被膜を形成した。
ABS樹脂からなる樹脂基材(縦100mm、横50mm、厚み3mm)に、以下に示す条件の下、無電解めっき方法(工程1〜工程4)により、めっき被膜を形成した。
〈工程1〉
工程1において、オゾン濃度が10ppmであり、温度が20℃であるオゾン溶液(第1溶液)を調製した。このオゾン溶液の中に、予め脱脂処理した樹脂基材を、8分間、浸漬して樹脂基材の表面の活性化を行った。その後、オゾン溶液から樹脂基材を取り出した。
工程1において、オゾン濃度が10ppmであり、温度が20℃であるオゾン溶液(第1溶液)を調製した。このオゾン溶液の中に、予め脱脂処理した樹脂基材を、8分間、浸漬して樹脂基材の表面の活性化を行った。その後、オゾン溶液から樹脂基材を取り出した。
〈工程2〉
工程2において、ラウリル硫酸ナトリウム(50g/L)と、NaOH(1g/L)とを含む混合水溶液(第2溶液)を調製した。50℃に設定された第2溶液中に、工程1の後の樹脂基材を、2分間浸漬した。その後、第2溶液から樹脂基材を取り出した。
工程2において、ラウリル硫酸ナトリウム(50g/L)と、NaOH(1g/L)とを含む混合水溶液(第2溶液)を調製した。50℃に設定された第2溶液中に、工程1の後の樹脂基材を、2分間浸漬した。その後、第2溶液から樹脂基材を取り出した。
〈工程3〉
工程3において、塩酸水溶液(3N)中に、塩化パラジウム(0.1質量%)および塩化スズ(5質量%)を溶解して、触媒溶液を調製した。この触媒溶液中に、工程2の後の樹脂基材を、4分間浸漬した。触媒溶液の温度は40℃に設定した。その後、パラジウムを活性化するために、塩酸水溶液(1N)中に、樹脂基材を2分間浸漬した。なお塩酸水溶液(1N)の温度は50℃に設定した。この工程において、樹脂基材に触媒が吸着された。
工程3において、塩酸水溶液(3N)中に、塩化パラジウム(0.1質量%)および塩化スズ(5質量%)を溶解して、触媒溶液を調製した。この触媒溶液中に、工程2の後の樹脂基材を、4分間浸漬した。触媒溶液の温度は40℃に設定した。その後、パラジウムを活性化するために、塩酸水溶液(1N)中に、樹脂基材を2分間浸漬した。なお塩酸水溶液(1N)の温度は50℃に設定した。この工程において、樹脂基材に触媒が吸着された。
〈工程4〉
工程4において、30℃に保温されたNi−P化学めっき浴(めっき液)中に、工程3の後の樹脂基材を10分間浸漬して、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜を形成した。この時点において、樹脂基材表面上に形成されためっき被膜の厚みは、約0.5μmであった。
工程4において、30℃に保温されたNi−P化学めっき浴(めっき液)中に、工程3の後の樹脂基材を10分間浸漬して、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜を形成した。この時点において、樹脂基材表面上に形成されためっき被膜の厚みは、約0.5μmであった。
工程4の後、更に、硫酸銅系電気めっき浴(25℃、40分間)において、Ni−Pめっき被膜の表面に、更に、銅めっき被膜を形成して、Ni−Pめっき被膜の上に更に、銅めっき被膜を形成した被めっき樹脂部材を得た。なおNi−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
(密着強度測定)
上記被めっき樹脂部材のめっき被膜の密着強度を評価するために、以下に示す条件の下、引っ張り試験を行った。
上記被めっき樹脂部材のめっき被膜の密着強度を評価するために、以下に示す条件の下、引っ張り試験を行った。
被めっき樹脂部材より試験片を2つ調製し、一方の試験片上のめっき被膜に、幅1cm、長さ1cmの短冊状の切り込みを入れ、その試験片を用いて、JIS H8630(密着性試験方法、付属書6)に準じ、めっき被膜の密着強度(gf/cm)を測定した。結果は表1に示した。他方の試験片は、−40℃、1時間の条件から、80℃、1時間の条件へ環境を変化させることを120回繰り返した後(冷熱後)、同様にして、切り込みを入れ、引っ張り試験機により、めっき被膜の密着強度(gf/cm)を測定した。結果は表1に示した。
(目視試験)
上記冷熱後の試験片において、めっき被膜に膨れが生じているか否かを目視にて確認した。結果は表1に示した。
上記冷熱後の試験片において、めっき被膜に膨れが生じているか否かを目視にて確認した。結果は表1に示した。
〔実施例2〕
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、15分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、15分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔実施例3〕
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、25分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、25分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔実施例4〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔実施例5〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を15分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を15分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔実施例6〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を25分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を25分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔実施例7〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔実施例8〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を15分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を15分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔比較例1〕
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、1分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例1においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、1分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例1においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
〔比較例2〕
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、2分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例2においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、2分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例2においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
〔比較例3〕
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、60分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、樹脂基材をオゾン溶液(第1溶液、10ppm、20℃)に、60分間浸漬すること以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔比較例4〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を1分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例4においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を1分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例4においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
〔比較例5〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を60分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を60分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔比較例6〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を1分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例6においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を1分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例6においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
〔比較例7〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を30分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を30分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔比較例8〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を60分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を60分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔比較例9〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、5ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例9においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、5ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜の形成を試みた。しかし、比較例9においては、樹脂基材表面上には、部分的にめっきが析出するのみであり、所望のめっき被膜を形成出来なかった。
〔比較例10〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、80ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、80ppmとしたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔参考例1〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を2分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、20ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を2分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
〔参考例2〕
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を2分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例1の工程1において、オゾン溶液(第1溶液)のオゾン濃度を、50ppmとし、かつ、樹脂基材を第1溶液へ浸漬する時間を2分間としたこと以外、実施例1と同様にして、樹脂基材表面にNi−Pめっき被膜(約0.5μm)を形成し、更に、銅めっき被膜を形成した。Ni−Pめっき被膜と銅めっき被膜とを併せた被膜の厚みは、約30μmであった。
上記実施例2〜8および参考例1,2により得られた被めっき樹脂部材の密着強度の評価(密着強度測定)を、上記実施例1と同様にして行った。結果は表1に示した。
上記比較例1〜10の内、比較例3,5,7,8および10において、得られた被めっき樹脂部材の密着強度の評価(密着強度測定)を、上記実施例1と同様にして行った。結果は表1に示した。なお比較例1,2,4,6および9においては、上記したように、樹脂基材表面上に、めっき被膜を形成することが出来なかったので密着強度の評価を行うことが出来なかった。
(目視試験)
上記実施例2〜8、参考例1,2、比較例3,5,7,8および10について、上記実施例1と同様にして、冷熱後の試験片における目視試験を行い、めっき被膜に膨れが生じているか否かの確認を行った。結果は表1に示した。
上記実施例2〜8、参考例1,2、比較例3,5,7,8および10について、上記実施例1と同様にして、冷熱後の試験片における目視試験を行い、めっき被膜に膨れが生じているか否かの確認を行った。結果は表1に示した。
〔評価〕
本発明の無電解めっき方法によれば、樹脂基材に対して高い密着力を備えるめっき被膜を形成することが出来る。特に、冷熱を繰り返した後においても、めっき被膜と樹脂基材との密着力が損なわれないことが確認された。
本発明の無電解めっき方法によれば、樹脂基材に対して高い密着力を備えるめっき被膜を形成することが出来る。特に、冷熱を繰り返した後においても、めっき被膜と樹脂基材との密着力が損なわれないことが確認された。
オゾン濃度が一定の場合において、浸漬時間が短いと、めっき被膜を形成することが出来ず、また浸漬時間が長いと、めっき被膜の密着力が低下することが解った。浸漬時間が短いと、オゾンにより樹脂基材の表面を充分に活性化することが出来なかったものと思われる。また浸漬時間が長いと、樹脂基材の表面が劣化して、めっき被膜の密着強度が低下するものと思われる。
浸漬時間が一定の場合、オゾン濃度が低すぎると、めっき被膜を形成することが出来ず、またオゾン濃度が高すぎると、めっき被膜の密着力が低下することが解った。オゾン濃度が低すぎると、オゾンにより樹脂基材の表面を充分に活性化することが出来ず、めっき被膜を形成することが出来なかったと思われる。またオゾン濃度が高すぎると、樹脂基材の表面が劣化して、めっき被膜の密着強度が低下するものと思われる。
Claims (6)
- 不飽和結合を有する樹脂からなる基材の表面に、樹脂基材の表面の不飽和結合を活性化するためのオゾンを含む第1溶液を接触させる工程1と、
第1溶液を接触させた後の樹脂基材の表面に、オゾンにより活性化された樹脂基材の表面に付着させるための界面活性剤を含む第2溶液を接触させる工程2と、
第2溶液を接触させた後の界面活性剤が付着した樹脂基材の表面に、更に、触媒を吸着させる工程3と、
触媒を吸着させた後の樹脂基材の表面に、金属イオンと還元剤とを含むめっき液を接触させ、金属イオンを還元して樹脂基材の表面に、めっき被膜を析出させる工程4と、を有する無電解めっき方法において、
前記工程1における第1溶液中のオゾン濃度を、10ppm〜50ppmの範囲とし、かつ第1溶液と樹脂基材との接触時間を、4分〜25分の範囲として、樹脂基材の表面の不飽和結合を活性化することを特徴とする無電解めっき方法。 - 請求項1に記載の無電解めっき方法において、
工程1における第1溶液は、極性溶媒を含むことを特徴とする無電解めっき方法。 - 請求項1または請求項2記載の無電解めっき方法において、
工程2における第2溶液は、アルカリ成分を含むことを特徴とする無電解めっき方法。 - 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の無電解めっき方法において、
工程2における第2溶液の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤の内の少なくとも一方であることを特徴とする無電解めっき方法。 - 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の無電解めっき方法により、めっき被膜を形成したことを特徴とする被めっき樹脂部材。
- 請求項5記載の被めっき樹脂部材のめっき被膜の上に、更に、電気めっき法により、電気めっき被膜を形成したことを特徴とする被めっき樹脂部材。
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- 2006-03-13 JP JP2006067382A patent/JP2007239084A/ja active Pending
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