JP2007238894A - 光学的立体造形用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性や透明性に優れ、さらに優れた強靱性、物性安定性を有し、なおかつ、経時変形の小さい形状安定性に優れた硬化物を形成する、特に光学的立体造形用途として有用な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(グリシジルエーテル系エポキシ化合物を除く)および分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物を含む樹脂組成物であって、前記脂環式エポキシ化合物またはポリオール化合物の少なくとも一方が分子内にカーボネート骨格を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学的立体造形用途に用いられる光硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、硬化物の経時変形(「そり」等)が起こりにくく、また、強靱性に優れ、その経時変化も小さな硬化物が得られる光学的立体造形用樹脂組成物及びその硬化物に関する。
近年、樹脂成型品の製造方法として、コンピュータ上の立体デザインシステム(3次元CAD)により設計した立体形状データをもとに、液状の光硬化性樹脂組成物をレーザー光によって選択的に硬化させることにより、成型品を作製する光学的立体造形法(光造形法)が用いられている。この光造形法は、従来の切削加工などと比べて、切削困難な複雑な形状にも対応可能、完全自動化プロセスであり取り扱いが容易、製造時間が短くコスト面でも有利などの様々な利点を有しており、樹脂製品の生産の他、デザイン検討、性能試験、広告用等の試作モデルや医療モデルなどの製造に幅広く用いられている。
上記の光造形に用いられる光硬化性樹脂組成物としては、効率的な光造形を行う観点から、粘度が低く速やかに平滑な液面を形成することができるとともに、透明性や良好な光硬化性を有することが要求される。また、光硬化時の収縮(硬化収縮)に起因する残留歪み等のために、硬化物が経時で変形(反り、引け、張出部の持ち上がり等)を起こす問題があり、このような経時変形が小さいことが要求される。さらに用途に応じて、硬化物には、強靱性などの機械強度、耐熱性、耐湿性および耐水性などが要求されている。
従来、このような光硬化性樹脂組成物としては、透明性、光硬化性等の観点から、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、感光性ポリイミド等のラジカル重合性化合物やエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物等のカチオン重合性化合物を含有する樹脂組成物などが用いられている。しかし、近年の対象製品の微細化、複雑化に伴い、寸法精度に対する要求が益々厳しくなってきており、上記樹脂組成物の経時変形特性では要求を満足できないようになってきている。さらに、エポキシ化合物を含有する樹脂組成物の硬化物においては、使用環境(温度、湿度)により、ヤング率などの機械特性が経時的に低下するため、長時間にわたり機械強度が要求される条件下で使用できないという問題も生じており、機械強度などの物性安定性の改良が求められている。
かかる問題点を改善しようとする提案として、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル等の特定のグリシジルエーテル系エポキシ化合物、シクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ化合物、1分子中に3個以上の水酸基を有するポリオールなどを含む光硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記樹脂組成物を硬化して得られる樹脂硬化物も、強靱性、耐水性、物性安定性や経時的変形の抑制の全ての要求を満足するには至っていないのが現状である。
一方、下記構造式(1)で示される、分子内にカーボネート骨格を有する、脂環式エポキシ化合物の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、該文献には光造形用途への使用に関しては一切記載されておらず、また該方法ではエポキシ化合物の収率が低く、得られた化合物の純度が低いため、光造形用途に使用できるものではなかった。
Figure 2007238894
特開平10−168106号公報 米国特許3275661号明細書
本発明の目的は、経時変形が小さく、さらに、強靱性およびその経時安定性に優れた硬化物を得ることが可能な光学的立体造形用樹脂組成物を提供することにある。また、該組成物の硬化物を提供することにある。
本発明者らは、グリシジルエーテル系以外の脂環式エポキシ化合物とポリオール化合物を含む樹脂組成物であって、前記脂環式エポキシ化合物とポリオール化合物の少なくともいずれか一方を分子内にカーボネート骨格を有する化合物とすることで、経時変形が小さく、かつ、硬化物に優れた強靱性とその経時安定性を付与できる光学的立体造形用樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(グリシジルエーテル系エポキシ化合物を除く)および分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物を含む樹脂組成物であって、前記脂環式エポキシ化合物およびポリオール化合物の少なくとも一方が分子内にカーボネート骨格を有することを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、前記脂環式エポキシ化合物が、前記構造式(1)で表される脂環式エポキシ化合物である上記の光学的立体造形用樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、前記ポリオール化合物が、分子内にカーボネート骨格を有するカーボネートポリオールである上記の光学的立体造形用樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、芳香族エポキシ化合物を水素化して得られる水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物を含む上記の光学的立体造形用樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、エチレン性不飽和モノマーを含む上記の光学的立体造形用樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、光重合開始剤を含む上記の光学的立体造形用樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、上記の光学的立体造形用樹脂組成物を、活性エネルギー線で硬化してなる樹脂硬化物を提供する。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物を光硬化させて得られる硬化物は、優れた強靱性と物性安定性を有し、なおかつ、「そり」などの経時変形を生じないため、微細加工などの光造形用途に好適である。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(以下、成分Aという)および分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物(以下、成分Bという)を必須成分として含有する。ただし、上記成分Aには、グリシジルエーテル基を含むグリシジルエーテル系エポキシ化合物は含まないものとする。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、上記の成分A、Bの他にも、水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物(以下、成分Cという)、エチレン性不飽和モノマー(以下、成分Dという)や光重合開始剤を含むことが好ましい。
以下に本発明の光硬化性エポキシ樹脂組成物における各成分について説明する。
[脂環式エポキシ化合物(成分A)]
成分Aとして使用できる脂環式エポキシ化合物は、分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する化合物である。ただし、成分Aのエポキシ基は、グリシジルエーテル基は含まない。エポキシ基がグリシジルエーテル基である場合には、耐熱性が低下しやすく、本発明の効果が得られない。成分Aとして好ましいエポキシ基は、環状脂肪族骨格を構成する2つの炭素原子を含んで形成されたエポキシ基や、環状脂肪族骨格に直接結合したエポキシ基である。このような成分Aとしては、例えば、下記のような構造式を有する化合物が挙げられる。
Figure 2007238894
上記構造式(2)で表される脂環式エポキシ化合物は、対応する脂環式オレフィン化合物を脂肪族過カルボン酸等によって酸化させることにより製造され、実質的に無水の脂肪族過カルボン酸を用いて製造されたものが高いエポキシ化率を有する点で好ましい(例えば、特開2002−275169号公報参照)。
上記構造式(2)において、Yは連結基を示し、例えば、単結合、アルキレン基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、カーボネート結合、及びこれらが複数個連結した基などが挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜18が好ましく、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などの直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基や、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、シクロペンチリデン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン、シクロヘキシリデン基などの2価の脂環式炭化水素基(特に2価のシクロアルキレン基)等が例示される。
本発明の成分Aは、強靱性付与の観点から、分子中にカーボネート骨格を有していることが好ましい。中でも、2つのシクロヘキセンオキシド構造と間にカーボネート骨格を有する化合物は、耐熱性と強靱性を両立できるため好ましく、特に、前記構造式(1)に示した化合物が特に好ましく例示される。構造式(1)の化合物は、カーボネート骨格の耐加水分解性の良さと剛直性から、硬化物が耐熱性、強靭性に優れ、さらに強靭性などの機械物性が過酷な環境下でも低下しにくい経時安定性に優れたものとなるため特に好ましい。
上記構造式(1)で表される脂環式エポキシ化合物は、下記構造式(3)
Figure 2007238894
で表されるオレフィン化合物を原料として、エポキシ化反応により製造される。構造式(1)で表される脂環式エポキシ化合物の製造方法としては、下記のとおりである。
上記構造式式(3)で表されるオレフィン化合物はテトラヒドロベンジルアルコールとジメチルカーボネートのようなジアルキルカーボネートとのエステル交換反応や米国特許第3275661号明細書に記載されているフォスゲン法等の公知の技術によって得ることができる。中でも、猛毒のフォスゲンを使用しない前者の製法が好ましい。
エポキシ化反応におけるエポキシ化剤として使用できる過カルボン酸としては、例えば、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸等を用いることができる。このうち特に過酢酸は工業的に安価に製造可能で、かつ安定度も高く好ましい。過カルボン酸としては、エポキシ基の開環反応を抑制し、収率を向上させる観点から、水分を実質的に含まないものを使用することが好ましい。実質的に水分を含まない過カルボン酸としては、例えば、アセトアルデヒドの空気酸化により製造される過酢酸が例示される。このような過カルボン酸の製造方法は、例えば、ドイツ公開特許公報1418465号や特開昭54−3006号公報に記載されている方法が挙げられる。過カルボン酸中の水分含有量としては、0.1〜0.8%が好ましく、より好ましくは0.3〜0.6%である。
オレフィン化合物に対する過カルボン酸類の使用量は、特に限定されず、過カルボン酸類の種類、目的のエポキシ化度(オキシラン酸素濃度)等によって適宜選定される。通常、過カルボン酸は不飽和基に対して等モルかそれ以上加えるのが好ましい。ただし、コスト面及び副反応抑制の観点から、過酢酸の場合、不飽和基に対して1〜1.5倍モルが好ましい。
上記過カルボン酸類は有機溶剤溶液として用いることが好ましい。この過カルボン酸類を含む有機溶剤溶液の濃度は25〜35%であること好ましく、より好ましくは27〜33%、さらに好ましくは29〜31%である。濃度が35%を超えると副反応が生じて得られるエポキシ化合物が着色したり、一旦エポキシ化されても生じた酸と反応してエポキシ基が開環したりするためオキシラン酸素濃度が上昇せず収率および/または転化率が低下する場合がある。25%未満では未反応のオレフィン化合物の残存量が増加したり、モノエポキシ化物の生成量が増加する場合がある。
エポキシ化反応は、上記構造式(3)で表されるオレフィン化合物に対し、オレフィン化合物の1〜3(好ましくは1〜1.5)倍量の不活性な有機溶剤を添加し、次いで過カルボン酸類の濃度が25〜35%になるように調整された過カルボン酸類の有機溶剤溶液を添加、攪拌して行う。有機溶剤の添加量が上記範囲を超える場合は、基質濃度の低下による反応速度の低下、未反応のオレフィン化合物の残存量の増加、モノエポキシ化合物の生成量の増加を招く場合がある。上記不活性な有機溶剤としては、過カルボン酸類の希釈による安定化などの目的で使用することができ、過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エーテル類、エステル類などを用いることができる。好ましい溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エチルが例示され、中でも酢酸エチルが特に好ましい。該不活性な有機溶剤と過カルボン酸類に加える有機溶剤は異なっていてもよいが、同一のものを使用するのが好ましい。上記エポキシ化反応における反応温度は、用いる過カルボン酸類の反応性によって異なるが、例えば、過酢酸の場合、反応速度と分解抑制の観点から、20〜70℃が好ましい。また、反応時間は、特に限定されないが、1〜5時間が好ましい。得られた反応粗液からのエポキシ化合物の単離は、公知の方法、例えば、貧溶媒などで沈殿させる方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
反応終了後、洗浄は低温で水洗または中和洗浄を行うことが好ましい。エポキシ基の開環を抑制し、収率低下を避ける観点から、中和剤としては弱塩基性塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウムなど)、またはpH7〜11に調整した低濃度の苛性ソーダ水溶液が好ましい。例えば、中和剤として炭酸水素ナトリウムを用いる場合、有機酸と中和反応を起こし、酢酸ソーダが生成し、酢酸ソーダが緩衝材的に作用する他、無機層側の比重を上げることで比重差が大きくなり、分液性が良くなる。中和洗浄後、生成した中和塩を水にて洗い出し、溶媒を蒸留留去することが望ましい。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物において、成分Aとしては、前記構造式(1)の以外のカーボネート骨格を有する脂環式エポキシ化合物を用いることもできる。また、成分Bがカーボネート骨格を有する場合には、成分Aはカーボネート骨格を有しないものでも、本発明の効果を得ることが可能である。上記のような成分Aとしては、例えば、下記のような脂環式のエポキシ化合物が挙げられる。
Figure 2007238894
上記一般式で表示されている化合物におけるR1、R2は、C2〜C18のアルキル鎖で、直鎖でも分岐していても良く、また環状骨格が含まれていても良い。a、b、c、d、e、fは0〜30の整数、m、n、p、qは1〜30の整数である。
なお、カーボネート骨格を有しない成分Aは、市場でも入手することが可能で、例えば、「セロキサイド2021」、「セロキサイド2081」、「エポリードGT401」、「エポリードPB4700」、「EHPE3150」(いずれもダイセル化学工業(株)製)などの市販の化合物を用いてもよい。
成分Aの含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物中、30〜80重量%が好ましく、より好ましくは35〜75重量%、さらに好ましくは40〜70重量%である。成分Aの含有量が80重量%を超えると、硬化物が脆くなり強靱性が低下したり、耐水性、耐湿性、が低下したりする場合があり、逆に30重量%未満では、硬化性が低下したり、硬化物の耐熱性、透明性や硬度が低下したりする場合がある。
[ポリオール化合物(成分B)]
成分Bとして使用できるポリオール化合物は、分子内にエステル骨格を有するポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、エーテル骨格を有するポリエーテルポリオール、カーボネート骨格を有するポリカーボネートポリオール、炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリオール、および、上記の共重合体、混合体などが好ましく例示される。中でも、強靱性付与の観点から、本発明の成分Bとしては、ポリカーボネートポリオールやポリカプロラクトンポリオールが好ましく例示される。なお、本発明の成分Aが分子内にカーボネート骨格を有していない場合には、用いる成分Bは、分子内にカーボネート結合を有するポリカーボネートポリオールである。
本発明の成分Bとして、ポリカーボネートポリオールを用いる場合、ポリカーボネートポリオールとしては、通常のポリカーボネートポリオールを製造する方法と同じくホスゲン法または、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートのようなジアルキルカーボネートまたはジフェニルカーボネートを用いるカーボネート交換反応(特開昭62−187725号、特開平2−175721号、特開平2−49025号、特開平3−220233号、特開平3−252420号公報等)などで合成される。
ジアルキルカーボネートと共にカーボネート交換反応で用いられるポリオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,12−ドデカンジオール、ポリブタジエンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールグリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ジヒドロキシアセトン、ヘキシレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールオクタン、ペンタエリスリトールが挙げられる。また、エステルグリコール(三菱瓦斯化学(株)製)やポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールを用いることも可能である。
上記のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ダイセル化学工業(株)製「プラクセルCD205、CD205PL、CD205HL、CD210、CD210PL、CD210HL、CD220、CD220PL、CD220HL、CD220EC、CD221T」や宇部興産(株)製「UM−CARB90(1/3)、UM−CARB90(1/1)、UC−CARB100」などが市販品として入手可能である。
本発明の成分Bとして、ポリエステルポリオールを用いる場合、ポリエステルポリオールは、ポリオール成分とカルボン酸成分から構成され、脱水エステル化反応、エステル交換反応、ラクトンの開環重合など、またはその組み合わせによって合成することができる。
上記、ポリエステルポリオールのポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,12−ドデカンジオール、ポリブタジエンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ジヒドロキシアセトン、ヘキシレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。また、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールであってもよい。
また、ポリエステルポリオールのカルボン酸成分としては、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、クエン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シトラコン酸、1,10−デカンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、乳酸、りんご酸、グリコール酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸などが挙げられる。ラクトン類としては、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
上記のポリエステルポリオールは、例えば、ダイセル化学工業(株)製「プラクセル205U、L205AL、L208AL、L212AL、L220AL、L230AL、220ED、220EC、220EB、303、305、308、312、L312AL、320、L320AL、320ML、410、410D、P3403、E227、DC2009、DC2016、DC2209」や、クラレ(株)製「クラポール」が、市販品として入手可能である。
本発明の成分Bとしてポリエーテルポリオールが用いられる場合、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどやこれらの共重合体が例示される。これらは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルの開環重合により製造される。
ポリエーテルポリオールとしては、旭電化工業(株)製「P−400、P−700、P−1000、P−2000、P−3000、G−300、G−400、G−700、G−1500、G−3000、G−4000、EDP−450、EDP−550、DG−500、DG−575、SP−600、SP−690SC−800、SC−1000、SC−1001、クオドロール」、日本油脂(株)製ポリエチレングリコール「PEG#200、400、600、1000、1500、2000、4000、6000」、東邦化学工業(株)製ビスオール「2EN−6、4EN、10EN、2P、2PN、3PN」、旭硝子(株)製「Poly−G 420P、720PG、1020P、2020P、3020P、630PG、1030PG、1530PG、2530PG、3030PG、4030PG、5030PG、210PG、212PG、448PG、412PG、439PG、216PG、X−213、X−301、X−302、X−303、400P、415P、419P、423P、443P、427P、441P、442P、610PG、357SA、465SA、480SA、530SA、X−71−531、X−71−532、375S、531S、RF−64、RF−66」、三洋化成工業(株)製「PEG200、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG1500、PEG1540、PEG2000、PEG4000S、PEG4000N、PEG6000S、PEG6000P」、「サンニックスGP−200、GE−250、TP−700、TE−700、EP−400、HE−400、HE−560、HE−600、RA−530、RX−401、RX−300、RX−403、RX−500、HR−460A」、「サンニックストリオールGP−250、GP−400、GP−600、GP−1000、TP−400」、「サンニックスポリオールRP−410A、HR−450P、HS−209」、「サンニックスヘキサトリオールSP−750」等が市販品として入手可能である。
その他、成分Bが炭素−炭素結合からなる主鎖を有するポリオールである場合には、ポリオールとしては、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリジエン系ポリオールまたはポリオレフィン系ポリオールが挙げられる。ポリジエン系ポリオールとしては、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリブタジエン、ポリイソプレンや分子鎖の両末端に水酸基を有し、主鎖の二重結合の一部がエポキシ化されたポリジエン系ポリオール(例えば、ポリブタジエン)が挙げられる。また、ポリオレフィン系ポリオールとしては、分子鎖の両末端に水酸基を有するポリエチレンやポリプロピレンなどが挙げられる。
成分Bとしては、例えば、ダイセル化学工業(株)製「エポリードPB3600」、協和発酵ケミカル(株)製「TOE−2000H」などが市販品として入手可能である。
成分Bの含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物中、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは6〜25重量%、さらに好ましくは7〜20重量%である。成分Bの含有量が30重量%を超えると、硬化物の強度や耐熱性、耐水性、耐湿性が低下する場合があり、逆に5重量%未満では、成分Bの添加効果が発揮されず、硬化性が低下したり、靱性や寸法安定性が低下したりする場合がある。
成分Bの重量平均分子量は、100〜3000が好ましく、より好ましくは160〜2000である。成分Bの重量平均分子量が100未満の場合には硬化物の寸法安定性が低下する場合があり、3000を超える場合には、光学的立体造形用樹脂組成物が高粘度となり、硬化物の機械的強度が低下する場合がある。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物において、成分Aは、主に、硬化物に耐熱性、透明性や硬度などの機械強度を付与する効果を有する。また、成分Bは、硬化物に、強靱性や(形状安定性、物性安定性)を発現させる成分である。中でも、本発明においては、成分A、成分Bの少なくとも一方が、分子内にカーボネート骨格を有することが必要である。成分A、成分Bのいずれもが、分子内にカーボネート骨格を有する場合は、特に、強靱性、透明性、物性安定性が良好で、「そり」などの経時変形の小さい優れた硬化物が得られるため好ましい。成分A、成分Bのいずれもがカーボネート骨格を有しない場合には、硬化物の強靱性と耐熱性、経時変形抑制の両立ができない。
[水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物(成分C)]
本発明においては、特に限定されないが、光学的立体造形用樹脂組成物の硬化物の強靱性をさらに向上させるために、水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物(成分C)を添加してもよい。その場合、成分Cとして使用できる水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物は、グリシジルエーテル基を有する芳香族エポキシ化合物を水素化して得られる化合物であり、例えば、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]プロパン、ビス[o,o−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[o,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[p,p−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロへキシル]メタン、水添ビフェノール型エポキシ化合物、水添フェノールノボラック型エポキシ化合物、水添クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAの水添クレゾールノボラック型エポキシ化合物、水添ナフタレン型エポキシ化合物、トリスフェノールメタンから得られるエポキシ化合物の水添エポキシ化合物等が挙げられる。中でも、強靱性付与の観点から、ビスフェノールA型エポキシ化合物を水素化したエポキシ化合物が特に好ましい。
成分Cとしては、例えば、旭電化工業(株)製「EP−4080」、共栄社化学(株)製「エポライト4000」、東都化成(株)製「サントートST3000」などが市販品として入手可能である。
成分Cにおいて、芳香環の水素化率(芳香環が脂環構造に変化した割合であり、核磁気共鳴分析により求められる)は、85%以上であるのが好ましい。芳香環の水素化率が85%未満であると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐光性が低下する場合がある。
成分Cの含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物中、5〜40重量%が好ましく、より好ましくは7〜35重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。成分Cの含有量が40重量%を超えると、硬化性が低下し、硬化物の耐熱性や硬度等が低下する場合があり、逆に5重量%未満では、成分Cの添加効果が発揮されず、硬化物が脆くなり、靱性が低下する場合がある。
[エチレン性不飽和モノマー(成分D)]
本発明においては、特に限定されないが、機械的強度向上のために、エチレン性不飽和モノマー(成分D)を添加してもよい。その場合、成分Dとして使用できるエチレン製不飽和モノマーは、エチレン性不飽和結合(C=C)を分子中に有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー等が例示される。これらは、分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマーであってもよいし、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーであってもよい。
成分Dとして好適に使用できる単官能性モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドテトラクロロフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−テトラブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−トリクロロフェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジグリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの単官能性モノマーの市販品としては、例えば、アローニクスM−101、M−102、M−111、M−113、M−117、M−152、TO−1210(以上、東亞合成株式会社製)、KAYARAD TC−110S、R−564、R−128H(以上、日本化薬株式会社)、ビスコート192、ビスコート220、ビスコート2311HP、ビスコート2000、ビスコート2100、ビスコート2150、ビスコート8F、ビスコート17F(以上、大阪有機化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
(D)成分として好適に使用できる多官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド(以下「EO」とも略記する。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド(以下「PO」とも略記する。)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加物、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレートなどを例示することができる。
これらの多官能性モノマーの市販品としては、例えば、PETIA(ダイセル・サイテック(株)製)、SA1002(三菱化学(株)製)、ビスコート195、ビスコート230、ビスコート260、ビスコート215、ビスコート310、ビスコート214HP、ビスコート295、ビスコート300、ビスコート360、ビスコートGPT、ビスコート400、ビスコート700、ビスコート540、ビスコート3000、ビスコート3700(以上、大阪有機化学工業株式会社製)、カヤラッドR−526、HDDA、NPGDA、TPGDA、MANDA、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、THE−330、DPHA、DPHA−2H、DPHA−2C、DPHA−2I、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、T−1420、T−2020、T−2040、TPA−320、TPA−330、RP−1040、RP−2040、R−011、R−300、R−205(以上、日本化薬株式会社製)、アロニックスM−210、M−220、M−233、M−240、M−215、M−305、M−309、M−310、M−315、M−325、M−400、M−6200、M−6400(以上、東亞合成株式会社製)、ライトアクリレートBP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP−2PA、DCP−A(以上、共栄社化学株式会社製)、ニューフロンティアBPE−4、TEICA、BR−42M、GX−8345(以上、第一工業製薬株式会社製)、ASF−400(以上、新日鐵化学株式会社製)、リポキシSP−1506、SP−1507、SP−1509、VR−77、SP−4010、SP−4060(以上、昭和高分子株式会社製)、NKエステルA−BPE−4(以上、新中村化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
上記の中でも、単官能性モノマーとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、また、多官能モノマーとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどが機械的強度付与の観点で特に好ましい。
上記の単官能性モノマーおよび多官能性モノマーは、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。その場合、成分D中の1分子中に3個以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能性モノマーの含有量は、60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。3官能以上の多官能性モノマーの含有割合が60重量%未満であると、得られる樹脂組成物の光硬化性が低下する場合や、造形される立体形状物の経時的変形が生じやすくなる場合がある。
成分Dの含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物中、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは7〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%である。成分Dの含有量が30重量%を超えると、硬化物の強靱性等が低下する場合があり、逆に5重量%未満では、成分Dの添加効果が発揮されず、光硬化性が低下する場合がある。
[光重合開始剤]
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物には、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、紫外線などの活性エネルギー線の照射により、プロトン、アニオン、ラジカル等重合を開始させる物質を発生する化合物であれば、特に限定されず、カチオン重合開始剤、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤であってもよいが、好ましくは、カチオン重合開始剤および/またはラジカル重合開始剤である。また、活性エネルギー線についても、紫外線や電子線など、特に限定されないが、反応性などの観点から、紫外線を用いることが好ましい。
本発明のカチオン重合開始剤は、活性エネルギー線照射によりカチオン重合を開始させる物質を放出する開始剤であり、下記一般式で表される構造を有するオニウム塩を挙げることができる。このオニウム塩は、活性エネルギー線照射によりルイス酸を放出する物質である。
[R3 g4 h5 i6 jZ]+s[MXt+s-s
式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、ClまたはN=Nであり、R3、R4、R5およびR6は同一または異なる有機基である。g、h、i、jはそれぞれ0〜3の整数であって、(g+h+i+j)はZの価数に等しい。Mはハロゲン化物錯体の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、たとえば、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coである。Xはハロゲン原子である。sはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、tはハロゲン化物錯体イオン中の原子の数である。
上記一般式(7)中における陰イオン(MXt+s)の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 -)などが挙げられる。
また、一般式[MXt(OH)-]で表される陰イオンを有するオニウム塩を使用することができる。さらに、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルフォン酸イオン(FSO3 -)、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸陰イオン、トリニトロトルエンスルフォン酸陰イオンなどの他の陰イオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
このようなオニウム塩のうち、本発明のカチオン重合開始剤に特に有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩である。中でも、特開昭50−151996号公報、特開昭50−158680号公報などに記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、特開昭52−30899号公報、特開昭56−55420号公報、特開昭55−125105号公報などに記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報などに記載のVA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−192429号公報などに記載のオキソスルホキソニウム塩、特開昭49−17040号公報などに記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4,139,655号明細書に記載のチオビリリウム塩などが好ましい。また、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤なども挙げることができる。
本発明のカチオン重合開始剤として好適に使用できる市販品としては、Uvacure1590(ダイセル・サイテック(株)製)、UVI−6950、UVI−6970、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−150、SP−151、SP−170、SP−171(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacure 261(以上、チバガイギー社製)、CI−2481、CI−2624、CI−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)製)、CD−1010、CD−1011、CD−1012(以上、サートマー社製)、DTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103、TPS−103、MDS−103、MPI−103、BBI−103(以上、みどり化学(株)製)などを挙げることができる。上記の中でも、Uvacure1590、UVI−6970、UVI−6974、アデカオプトマーSP−170、SP−171、CD−1012、MPI−103が、高い硬化感度を発現させることができる観点で特に好ましい。
上記のカチオン重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上のものを組み合わせて用いることができる。カチオン重合開始剤の含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物中、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%である。含有量が0.1重量%未満の場合には、硬化性が低下し、硬化物の耐熱性、機械的強度等が低下する場合があり、含有量が10重量%を超える場合には、光学的立体造形用樹脂組成物の透明性が低下し、光造形の際に適切な光透過性(硬化深度)を得ることができず、硬化物に硬化むら、硬化不良が生ずる場合がある。
本発明のラジカル重合開始剤は、活性エネルギー線照射により分解して発生するラジカルによってラジカル重合を開始させる化合物である。ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチルペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、およびBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤との組み合わせなどを挙げることができる。上記の中でも、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどが特に好ましい。
上記のラジカル重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上のものを組み合わせて使用することができる。ラジカル重合開始剤の含有量は、光学的立体造形用樹脂組成物中、0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜8重量%である。含有量が0.01重量%未満の場合には、硬化速度が低下して光造形に時間を要したり、解像度が低下したりする場合がある。一方、含有量が10重量%を超える場合には、過剰量のラジカル重合開始剤が光学的立体造形用樹脂組成物の硬化特性、硬化物の耐熱性などに悪影響を及ぼす場合がある。
上記のカチオン重合開始剤とラジカル重合開始剤は、いずれか一方のみを用いてもよいが、両者ともに用いてもよい。カチオン重合開始剤にラジカル重合開始剤を併用することにより、光硬化の感度向上効果や不飽和モノマーの重合による機械的強度の補強効果が得られるため特に好ましい。
[各種の添加剤]
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物には、粘度や透明性、硬化性等に悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、他のカチオン重合性有機化合物や光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、反応性希釈剤、老化防止剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、消泡剤、無機充填剤、樹脂粒子、難燃剤、着色剤、顔料、染料などを挙げることができる。
上記、他のカチオン重合性有機化合物としては、例えば、他のエポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンとの反応生成物であるスピロオルソエステル化合物、エチレン性不飽和化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテル化合物、ビニル化合物、これらの化合物の誘導体などを挙げることができる。
また、光増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミンなどのアミン系化合物、チオキサントン、チオキサントンの誘導体、アントラキノン、アントラキノンの誘導体、アントラセン、アントラセンの誘導体、ペリレン、ペリレンの誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。反応性希釈剤としては、ビニルエーテル類、ビニルスルフィド類、ビニルウレタン類、ウレタンアクリレート類、ビニルウレア類などが挙げられる。その他、消泡剤としてはシリコーン系やフッ素系消泡剤、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これら各種の添加剤の配合量は、光学的立体造形用樹脂組成物に対して、重量基準で5%以下である。
[光学的立体造形用樹脂組成物]
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、上記成分Aおよび成分B、必要に応じて、成分C、成分D、光重合開始剤やその他の各種添加剤を配合後、均一に混合することによって製造することができる。攪拌・混合する際には、減圧装置を備えた1軸または多軸エクストルーダー、ニーダー、ディソルバーのような汎用の機器を使用し攪拌・混合することにより調製してもよい。攪拌・混合する際の温度は、通常、10〜60℃に設定されるのが好ましい。調製時の設定温度が10℃未満では、粘度が高すぎて均一な撹拌・混合作業が困難になる場合があり、逆に、調製時の温度が60℃を超えると、熱による硬化反応が起き、正常な樹脂組成物が得られない場合があるので、好ましくない。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物の粘度(25℃)は、光照射ステージへの樹脂組成物の供給性の良さなどの観点から、50〜1000cpsが好ましく、より好ましくは70〜500cpsである。
[樹脂硬化物、光学的立体造形法(光造形法)]
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物は、光学的立体造形法(以下、光造形法という)における光硬化性液状樹脂物質として好適に使用される。すなわち、本発明の光学的立体造形用光硬化性樹脂組成物に対して、紫外線等の活性エネルギー線を選択的に照射して硬化に必要なエネルギーを供給する光造形法により、所望の立体形状の樹脂硬化物を製造することができる。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物に光を選択的に照射する手段は特に制限されるものではなく、種々の手段を採用することができる。たとえば、レーザー光、あるいはレンズ、ミラーなどを用いて得られた収束光等を走査させながら樹脂組成物に照射する手段、所定のパターンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介して非収束光を樹脂組成物に照射する手段、多数の光ファイバーが束ねられてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を樹脂組成物に照射する手段等を採用することができる。また、マスクを用いる手段においては、マスクとして、液晶表示装置と同様の原理により、所定のパターンに従って、光透過領域と光不透過領域とよりなるマスク像を電気光学的に形成するものを用いることもできる。以上において、目的とする立体形状が微細な部分を有するものまたは高い寸法精度が要求されるものである場合には、組成物に選択的に光を照射する手段として、スポット径の小さいレーザー光を走査する手段を採用することが好ましい。
なお、容器内に注入されている樹脂組成物における光の照射面(例えば収束光の走査平面)は当該樹脂組成物の液面、透光性容器の器壁との接触面の何れであってもよい。樹脂組成物の液面または器壁との接触面を光の照射面とする場合には、容器の外部から直接または器壁を介して光を照射することができる。
上記の光造形法においては、通常、樹脂組成物の特定部分を硬化させた後、光の照射位置(照射面)を、硬化部分から未硬化部分に連続的にまたは段階的に移動させることにより、硬化部分を積層させて所望の立体形状とする。ここで、照射位置の移動は種々の方法によって行うことができ、例えば光源、樹脂組成物の注入容器、樹脂組成物の硬化部分の何れかを移動させたり、容器に樹脂組成物を追加注入するなどの方法を挙げることができる。
上記の光造形法の代表的な一例を説明する。まず、注入容器内において昇降自在に設けられた支持ステージを樹脂組成物の液面から微小量降下(沈降)させることにより、同支持ステージ上に樹脂組成物を供給してその薄層(1)を形成する。次いで、この薄層(1)に対して選択的に光を照射することにより、固体状の硬化樹脂層(1)を形成する。次いで、この硬化樹脂層(1)上に樹脂組成物を供給してその薄層(2)を形成し、この薄層(2)に対して選択的に光照射することにより、前記硬化樹脂層(1)上にこれと連続して一体的に積層するよう新しい硬化樹脂層(2)を形成する。そして、光照射されるパターンを変化させながらあるいは変化させずに、この工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層(n)が一体的に積層された立体形状物が造形される。
このようにして得られる立体形状物を収容容器から取り出し、その表面に残存する未反応の樹脂組成物を除去した後、必要に応じて洗浄する。ここで、洗浄剤としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール類に代表される有機溶剤、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどに代表される有機溶剤、テルペン類、グリコールエーテル系エステル類に代表される脂肪族系有機溶剤、低粘度の熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂を挙げることができる。
なお、表面平滑性の良好な樹脂硬化物を製造する場合には、前記熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を使用して洗浄することが好ましく、この場合には、洗浄に使用した硬化性樹脂の種類に応じて、熱照射または光照射によるポストキュアーを行う必要がある。なお、ポストキュアーは、表面の樹脂を硬化させるだけでなく、樹脂硬化物の内部に残存することのある未反応の樹脂組成物をも硬化させることができるので、有機溶剤により洗浄した場合にもポストキュアーを行うことが好ましい。
さらに、樹脂硬化物の表面強度および耐熱性を向上させるためには、洗浄処理を施した後に、熱硬化性または光硬化性のハードコート材を使用することが好ましい。このようなハードコート材としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などからなる有機コート材、あるいは無機ハードコートを使用することができ、これらのハードコート材は、1種単独でまたは2種以上のものを組み合わせて使用することができる。
本発明の光学的立体造形用樹脂組成物の樹脂硬化物は、複雑、微細な加工を必要とする電子製品用等の各種樹脂成型品;新商品のデザイン検討用、プレゼンテーション用、広告用や展示用等のモデル;性能試験用や生産適性確認用など開発用試作品;手術のシミュレーション用等の医療モデルなどとして好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各例における光学的立体造形用樹脂組成物から調製された硬化物の物性は、次に示す方法に従って測定した。
[評価方法]
(1)ヤング率、ヤング率の経時変化
アプリケータを用い、ガラス板上に実施例および比較例で得られた光学的立体造形用樹脂組成物を塗布することにより、厚みが200μmの塗布膜を形成した。メタルハライドランプを装備したコンベア硬化装置を用いて、当該塗布膜の表面に紫外線を照射(照射量0.5J/cm2)して、半硬化樹脂フィルムを作製した。次いで、ガラス板から半硬化樹脂フィルムを剥離し、離型紙に載せ、最初に紫外線を照射した面とは反対側の面から紫外線を照射(照射量0.5J/cm2)して、硬化樹脂フィルムを作製した。
上記のようにして作製された硬化樹脂フィルムを、下記の環境条件下に静置することにより4種類の試験片1〜4を作製した。
試験片1:温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内に24時間静置
試験片2:温度23℃、相対湿度50%に恒温恒湿室内に30日間静置
試験片3:温度23℃、相対湿度95%に恒温恒湿室内に30日間静置
試験片4:温度23℃、水中に30日間静置
温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、試験片1(初期値測定用)、試験片2〜4(経時的変化測定用)の各々について、引張速度1mm/分、標線間距離25mmの条件でヤング率を測定した。
(2)経時変形量
Arイオンレーザー(波長:351nm、365nm)よりなる照射用光源を搭載する光造形装置(ソニー(株)製、「ソリッドクリエーターJSC−2000」)を使用し、照射面(液面)におけるレーザーパワー100mW、走査速度400mm/秒の条件で、実施例および比較例で得られた光学的立体造形用樹脂組成物に対し選択的にレーザー光を照射して硬化樹脂層(厚さ0.20mm)を形成する工程を繰り返すことにより、図1に示すような測定用モデル(以下「反りモデル」という)を造形した。次いで、この反りモデルを光造形装置から取り出し、外表面に付着している樹脂組成物を拭き取り、さらに、溶剤により余分な樹脂組成物を洗浄除去した。
次いで、図2に示すように、反りモデルにおける脚部の下端を水平台に固定し、この水平台から脚部の下端までの距離(持ち上がり量Δh(mm))を反り量(初期値)として測定した。更に、この反りモデルを、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内に30日間静置した後、上記と同様な方法で反り量(30日間経過後)を測定した。
合成例1
ジメチルカーボネートとテトラヒドロベンジルアルコールとをエステル交換反応させることにより得られた構造式(3)の化合物(遊離の塩素分の含有率:5ppm)200g、および酢酸エチル200gを仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、反応系内の温度を40℃になるように3.5時間かけて実質的に無水の過酢酸573g(過酢酸濃度;29.7%)を滴下した。過酢酸滴下終了後、40℃で3Hr熟成し反応を終了した。さらに40℃で反応終了液をイオン交換水で水洗し、酢酸エチルなどの低沸点成分を減圧留去して構造式(1)の脂環式エポキシ化合物(A1)を185g得た。
実施例1、2および比較例1
表1に記載されている配合処方に従い、各成分を配合し、光学的立体造形用樹脂組成物を調製し、上記各物性を測定した。配合は、シンキー(株)社製の「あわとり練太郎」を用いて、60℃、1時間撹拌しながら混合することにより行なった。
なお、表中のA1、A2(脂環式エポキシ化合物)、B1、B2(ポリオール化合物)、C1(水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物)、D1(エチレン性不飽和モノマー)、E1(カチオン重合開始剤)、F1、F2(ラジカル重合開始剤)は下記の通りである。
A1:上記合成例1で作製した構造式(1)の脂環式エポキシ化合物
A2:ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)
B1:ダイセル化学工業(株)製「プラクセル308」(ポリカプロラクトントリオール)
B2:ダイセル化学工業(株)製「プラクセルCD220PL」(ポリカーボネートジオール、重量平均分子量(Mw):2000)
C1:共栄社化学(株)製「エポライト4000」(水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル)
D1:ダイセル・サイテック(株)製「PETIA」(ペンタエリスリトールトリアクリレート)
E1:ダイセル・サイテック(株)製「Uvacure1590」
F1:チバガイギー社製「イルガキュア 184」(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
F2:日本化薬(株)製「KAYACURE DETX」(ジエチルチオキサントン)
得られた光学的立体造形用樹脂組成物の物性を表2に示す。これより、以下のことがわかる。本発明の特定の化合物を配合してなる光学的立体造形用樹脂組成物から調整された樹脂硬化物は、ヤング率が高く、かつ、過酷な環境下(高湿度、水浸漬)においてもヤング率が経時で低下しにくく、強靱性、物性安定性に優れる。さらに、経時での変形も生じにくく、形状安定性に優れる。一方、成分A、成分Bのいずれにもカーボネート骨格を含まない樹脂組成物から調製された硬化物は、ヤング率が低く、また、環境条件によりヤング率が低下しやすい強靱性、物性安定性に劣るものであった。さらに、経時変形(そり)が生じやすく、形状安定性にも劣るものであった。
Figure 2007238894
Figure 2007238894
本発明の硬化物の経時変形量の測定用モデル(反りモデル)の形状の概略を示す説明図である。 本発明の硬化物の経時変形量の測定用モデル(反りモデル)の測定方法の概略を示す説明図(断面図)である。
符号の説明
1 反りモデル
2、3 脚部
4 水平台

Claims (7)

  1. 分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物(グリシジルエーテル系エポキシ化合物を除く)および分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物を含む樹脂組成物であって、前記脂環式エポキシ化合物およびポリオール化合物の少なくとも一方が分子内にカーボネート骨格を有することを特徴とする光学的立体造形用樹脂組成物。
  2. 前記脂環式エポキシ化合物が、下記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物である請求項1に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
    Figure 2007238894
  3. 前記ポリオール化合物が、分子内にカーボネート骨格を有するカーボネートポリオールである請求項1または2に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
  4. 芳香族エポキシ化合物を水素化して得られる水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物を含む請求項1〜3のいずれかの項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
  5. エチレン性不飽和モノマーを含む請求項1〜4のいずれかの項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
  6. 光重合開始剤を含む請求項1〜5のいずれかの項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかの項に記載の光学的立体造形用樹脂組成物を、活性エネルギー線で硬化してなる樹脂硬化物。
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