JP2007238658A - 含ケイ素低誘電材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリマー中にヒドロシリル基(−SiH2−及び/又は−SiH−)及びエチレン性二重結合(−C=C−)を有するポリカルボシランを加熱して得られる重合硬化物からなる低誘電材料であって、前記ポリカルボシランは、パラジウム系触媒の存在下、トリヒドロシラン及び/又はビス(トリヒドロシラン)とジイン化合物との反応で得られる。
【図面】 なし
Description
(−SiHR1−R3−R2−R4−)n (I)
(式中、R1はアルキル基及びアリール基から選ばれる1価の基であり、R2はアルキレン基、アリーレン基、及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。R3及びR4は、エチレン性二重結合の−CH=CH−又は>C=CH2から選ばれる互いに同一又は相異なる2価の基であり、nは2〜50000の整数である。末端の基については、SiHR1に結合しているものは水素原子であり、R2に結合しているものはエチニル基(−C≡CH)である。)
(−SiH2−R5−SiH2−R3−R2−R4−)n (II)
(式中、R5は、アルキレン基及びアリーレン基から選ばれる2価の基であり、R2ないしR4は、前記一般式(I)中のものと同じものであり、nは2〜50000の整数である。また、−SiH2−の一部は、−SiHR6−(ただし、R6は、−CH=CH−R2−又は−C(=CH2)−R2−の骨格を有する有機基である)で示される基に置き換えられていてもよい。さらに、末端の基については、SiH2に結合しているものは水素原子であり、R2に結合しているものはエチニル基(−C≡CH)である。)
(−SiHR1−R3−R2−R4−)p(−SiH2−R5−SiH2−R3−R2−R4−)q (III)
(式中、R1ないしR5は、前記一般式(I)及び(II)中のものと同じものであり、p及びqはそれぞれ1〜50000の整数である。また、−SiH2−の一部は、−SiHR6−(ただし、R6は、前記一般式(II)中のものと同じである。)で示される基に置き換えられていてもよい。さらに、末端の基については、SiHR1及びSiH2に結合しているものは水素原子であり、R2に結合しているものはエチニル基(−C≡CH)である。)
で表されるポリカルボシランを加熱して得られる重合硬化物からなることを特徴とする低誘電材料である。
本発明における一般式(I)、一般式(II)又は一般式(III)で表されるポリカルボシランは、溶媒可溶で成形性も良好である。また、ポリマー中にヒドロシリル基(−SiH2−及び/又は−SiH−)及びエチレン性二重結合を有しているため、加熱により架橋反応が進行し、その重合物は、高い耐熱性及びすぐれた低誘電特性を示す。さらに、それら反応性の基があることから、他の部材との密着性にもすぐれている。
R1SiH3 (IV)
(式中、R1は、アリール基及びアルキル基から選ばれる1価の基を示す。)
H3Si−R5−SiH3 (V)
(式中、R5は、アルキレン基及びアリーレン基から選ばれる2価の基を示す。)
HC≡C−R2−C≡CH (VI)
(式中、R2は、アルキレン基、アリーレン基、及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。)
複素誘電率: 2.40−j.00327
誘電正接: 0.00136
また、この重合硬化物は下記に示す通り高い耐熱性を示し、その重合硬化物上でハンダを溶融しても熱変形等は認められなかった。
融点 >300℃
熱重量分析
窒素気流中:
Td2(2%重量減温度)590℃、Td5(5%重量減温度)780℃、
残重量(980℃)92%
空気気流中:
Td2(2%重量減温度)571℃、Td5(5%重量減温度)597℃、
残重量(980℃)42%
複素誘電率: 2.74−j.00455
誘電正接: 0.00166
また、この重合硬化物は下記に示す通り高い耐熱性を示し、その重合硬化物上でハンダを溶融しても熱変形等は認められなかった。
融点 >300℃
熱重量分析
窒素気流中:
Td2(2%重量減温度)603℃、Td5(5%重量減温度)741℃、
残重量(980℃)93%
空気気流中:
Td2(2%重量減温度)570℃、Td5(5%重量減温度)592℃、
残重量(980℃)38%
複素誘電率: 2.60−j.0223
誘電正接: 0.00858
複素誘電率: 2.79−j.00514
誘電正接: 0.00185
また、この板状重合物は下記に示す通り高い耐熱性を示した。
熱重量分析
窒素気流中:
Td5(5%重量減温度)498℃、
残重量(980℃)77%
複素誘電率: 2.49−j.00262
誘電正接: 0.00105
また、この重合硬化物は下記に示す通り高い耐熱性を示した。
熱重量分析
窒素気流中:
Td2(2%重量減温度)534℃、Td5(5%重量減温度)575℃、
残重量(980℃)88%
空気気流中:
Td2(2%重量減温度)526℃、Td5(5%重量減温度)558℃、
残重量(980℃)26%
複素誘電率: 4.19−j.0793
誘電正接: 0.0189
また、エポキシ樹脂の熱重量分析の結果は下記の通りで、実施例1、2、4及び5の含ケイ素重合硬化物は、市販エポキシ樹脂に比べ、耐熱性においてもすぐれていた。
熱重量分析
空気気流中:
Td5(5%重量減温度)310℃
Claims (2)
- 下記一般式(I)、一般式(II)又は一般式(III)
(−SiHR1−R3−R2−R4−)n (I)
(式中、R1はアルキル基及びアリール基から選ばれる1価の基であり、R2はアルキレン基、アリーレン基、及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示し、R3及びR4は、エチレン性二重結合の−CH=CH−又は>C=CH2から選ばれる互いに同一又は相異なる2価の基であり、nは2〜50000の整数である。末端の基については、SiHR1に結合しているものは水素原子であり、R2に結合しているものはエチニル基(−C≡CH)である。)
(−SiH2−R5−SiH2−R3−R2−R4−)n (II)
(式中、R5は、アルキレン基及びアリーレン基から選ばれる2価の基であり、R2ないしR4は、前記一般式(I)中のものと同じものであり、nは2〜50000の整数である。また、−SiH2−の一部は、−SiHR6−(ただし、R6は、−CH=CH−R2−又は−C(=CH2)−R2−の骨格を有する有機基である)で示される基に置き換えられていてもよい。さらに、末端の基については、SiH2に結合しているものは水素原子であり、R2に結合しているものはエチニル基(−C≡CH)である。)
(−SiHR1−R3−R2−R4−)p(−SiH2−R5−SiH2−R3−R2−R4−)q (III)
(式中、R1ないしR5は、前記一般式(I)及び(II)中のものと同じものであり、p及びqはそれぞれ1〜50000の整数である。また、−SiH2−の一部は、−SiHR6−(ただし、R6は、前記一般式(II)中のものと同じである。)で示される基に置き換えられていてもよい。さらに、末端の基については、SiHR1及びSiH2に結合しているものは水素原子であり、R2に結合しているものはエチニル基(−C≡CH)である。)
で表されるポリカルボシランを加熱して得られる重合硬化物からなることを特徴とする低誘電材料。 - 下記一般式(IV)で表されるトリヒドロシラン及び/又は下記一般式(V)で表されるビス(トリヒドロシラン)と、下記一般式(VI)で表されるジイン化合物とを、パラジウム系触媒の存在下に反応させてポリカルボシランを得、得られたポリカルボシランをさらに加熱重合して硬化させることを特徴とする請求項1に記載の低誘電材料の製造方法。
R1SiH3 (IV)
(式中、R1は、アリール基及びアルキル基から選ばれる1価の基を示す。)
H3Si−R5−SiH3 (V)
(式中、R5は、アルキレン基及びアリーレン基から選ばれる2価の基を示す。)
HC≡C−R2−C≡CH (VI)
(式中、R2は、アルキレン基、アリーレン基、及び2価の複素環基の中から選ばれる2価の基を示す。)
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