JP2007238401A - 半導体結晶の製造方法並びに原料半導体棒保持具及び原料半導体棒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 FZ法による半導体結晶の製造方法において、原料半導体棒の破損を防止することができる半導体結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、原料となる半導体棒を保持具で鉛直方向に保持する工程と、前記原料半導体棒の下端部を溶融して種結晶に融着させる工程と、前記種結晶側から順次結晶化させるゾーニング工程とを含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、前記原料半導体棒として、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成された半導体棒を用い、前記原料半導体棒のテーパ部分を前記保持具に形成されたテーパ面に係止することによって前記原料半導体棒を保持して結晶を製造する半導体結晶の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】 少なくとも、原料となる半導体棒を保持具で鉛直方向に保持する工程と、前記原料半導体棒の下端部を溶融して種結晶に融着させる工程と、前記種結晶側から順次結晶化させるゾーニング工程とを含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、前記原料半導体棒として、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成された半導体棒を用い、前記原料半導体棒のテーパ部分を前記保持具に形成されたテーパ面に係止することによって前記原料半導体棒を保持して結晶を製造する半導体結晶の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、原料半導体棒をヒータコイルを用いて部分的に加熱溶融し、その溶融帯域を移動させることによって半導体結晶を製造するFZ法(フローティングゾーン法または浮遊帯溶融法)による半導体結晶の製造方法に関し、特には、原料半導体棒保持具に保持された原料半導体棒を破損しにくくする半導体結晶の製造方法に関する。
FZ法で製造される半導体結晶としては、例えば、シリコン単結晶が挙げられる。
このようなFZシリコン単結晶は、例えば、次のような工程を経て製造することができる。すなわち、(1)原料となる半導体棒を保持具で鉛直方向に保持する工程(保持工程)、(2)原料半導体棒の下端部をヒータコイルにより溶融して種結晶に融着させる工程(種付け工程)、(3)種結晶と原料半導体棒を相対的に回転させつつヒータコイルを軸線方向に相対移動させ、シリコン多結晶棒を軸方向に順次帯域溶融しながらシリコン単結晶の種結晶側から順次結晶化させる工程(ゾーニング工程)等を経て製造することができる。
また、原料多結晶棒の内部組織不均一等の理由により、単結晶製造を目的としないゾーニングを一回以上含む少なくとも二回のゾーニングを行う場合がある。これを原料シリコン多結晶棒から一回のゾーニングで単結晶製造を行う1パスFZ法に対して2パスFZ法と呼び、2回目のゾーニングで単結晶を育成するための原料棒として用いられる1回目のゾーニングを行った後の多結晶棒を中間多結晶棒と呼ぶ。
このようなFZシリコン単結晶は、例えば、次のような工程を経て製造することができる。すなわち、(1)原料となる半導体棒を保持具で鉛直方向に保持する工程(保持工程)、(2)原料半導体棒の下端部をヒータコイルにより溶融して種結晶に融着させる工程(種付け工程)、(3)種結晶と原料半導体棒を相対的に回転させつつヒータコイルを軸線方向に相対移動させ、シリコン多結晶棒を軸方向に順次帯域溶融しながらシリコン単結晶の種結晶側から順次結晶化させる工程(ゾーニング工程)等を経て製造することができる。
また、原料多結晶棒の内部組織不均一等の理由により、単結晶製造を目的としないゾーニングを一回以上含む少なくとも二回のゾーニングを行う場合がある。これを原料シリコン多結晶棒から一回のゾーニングで単結晶製造を行う1パスFZ法に対して2パスFZ法と呼び、2回目のゾーニングで単結晶を育成するための原料棒として用いられる1回目のゾーニングを行った後の多結晶棒を中間多結晶棒と呼ぶ。
上記シリコン多結晶棒保持具としては、例えば特許文献1で開示されているものがある。このシリコン多結晶棒保持具は、図4に示したように、上部駆動軸81の下端部にネジ82により接続される下方に開口している円筒状の内部アダプタ83と、該内部アダプタの外面側にネジ84により接続される下方に開口している円筒状の外部アダプタ85と、該外部アダプタ円周側壁の外面にピン86を介して回動可能に装着される複数の押さえアーム87とから形成される。このシリコン多結晶棒保持具において、押さえアームの上端部にネジ穴88が設けられ、該ネジ穴に押さえネジ89をねじ込む事により、押さえアームの下端部が内部アダプタの下端部を内側に押し込む。この結果、内部アダプタ下端延出部内面側に設けられた当て板90を、内部アダプタ内に収納される原料シリコン多結晶棒Pの上端部に押し付けることにより、原料シリコン多結晶棒Pを締め付けて保持する。
この場合、原料シリコン多結晶棒が大直径であると、原料シリコン多結晶棒を保持具へ取り付ける際あるいは結晶化プロセス中に、被保持部分付近から割れやクラック等の破損を生じることがあった。また、このような原料シリコン多結晶棒の破損は2パスFZ法では特に顕著であった。すなわち、中間多結晶棒の保持具への取付け時に、大直径(例えば直径120mm以上)の中間多結晶棒を使用しようとすると、従来の原料半導体棒保持具及び保持方法では、原料半導体棒保持具にセットする際やゾーニングプロセス中に中間多結晶棒が被保持部分付近から割れやクラック等の破損が生じる頻度が極めて高いため、このような大直径の中間多結晶棒を使用することはほとんどできなかった。
この中間多結晶棒の破損の理由として中間多結晶棒が持つ潜在的な要因を考えた場合、中間多結晶製造時に生じる内部熱歪が中間多結晶の大直径化により増大することと、大直径中間多結晶引上の際に放電防止の目的で雰囲気中に導入される窒素ガスの影響が考えられる。
中間多結晶は単結晶粒の集合体であり、シリコン多結晶棒の微細結晶粒組織と比べるとその個々の結晶粒は極めて大きく、結晶粒界は複雑ではなく簡素な構造となっている。このためシリコン多結晶棒に比較して、外部から加わる応力に対しては脆弱であり、破損の原因となっている。更に均一組織から成る単結晶の場合と異なり、引上雰囲気中から窒素が中間多結晶棒中に取り込まれると、特に粒界近傍に集中して分布すると考えられる。これにより内部歪はより大きくなり、外部応力に対する脆弱性を助長するものと推測される。
中間多結晶棒の割れ防止に関しては、特許文献2で一回目のゾーニングの際の切り離し時の移動速度を一定値以下にする方法が開示されているが、特に結晶直径が125mm以上では中間多結晶棒の割れ発生頻度は依然として高いままであった。
中間多結晶は単結晶粒の集合体であり、シリコン多結晶棒の微細結晶粒組織と比べるとその個々の結晶粒は極めて大きく、結晶粒界は複雑ではなく簡素な構造となっている。このためシリコン多結晶棒に比較して、外部から加わる応力に対しては脆弱であり、破損の原因となっている。更に均一組織から成る単結晶の場合と異なり、引上雰囲気中から窒素が中間多結晶棒中に取り込まれると、特に粒界近傍に集中して分布すると考えられる。これにより内部歪はより大きくなり、外部応力に対する脆弱性を助長するものと推測される。
中間多結晶棒の割れ防止に関しては、特許文献2で一回目のゾーニングの際の切り離し時の移動速度を一定値以下にする方法が開示されているが、特に結晶直径が125mm以上では中間多結晶棒の割れ発生頻度は依然として高いままであった。
上記のような理由で中間多結晶棒の直径が制限された場合、引上装置の上下駆動軸のストロークには制限があるため、結果として2パスFZ時の原料となる中間多結晶棒の仕込重量も制限され、特に最終製品として製造する単結晶直径が125mm以上の場合では歩留り及び生産性が極めて低くなるという問題点があった。
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、FZ法による半導体結晶の製造方法において、原料半導体棒の破損を防止することができる半導体結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、少なくとも、原料となる半導体棒を保持具で鉛直方向に保持する工程と、前記原料半導体棒の下端部を溶融して種結晶に融着させる工程と、前記種結晶側から順次結晶化させるゾーニング工程とを含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、前記原料半導体棒として、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成された半導体棒を用い、前記原料半導体棒のテーパ部分を前記保持具に形成されたテーパ面に係止することによって前記原料半導体棒を保持して結晶を製造することを特徴とする半導体結晶の製造方法を提供する(請求項1)。
このように、FZ法による半導体結晶の製造方法において、原料半導体棒として、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成された半導体棒を用い、該原料半導体棒のテーパ部分を原料半導体棒保持具に形成されたテーパ面に係止することによって原料半導体棒を保持してFZ半導体結晶を製造すれば、原料半導体棒を原料半導体棒保持具に保持する際の割れやクラック等の破損を防止でき、歩留り及び生産性を向上させることができる。また、原料半導体棒の保持具への取付けの際の原料半導体棒の軸中心出しが容易になり、作業性も向上する。
この場合、前記上端部にテーパ部分が形成された原料半導体棒は、少なくとも二回のゾーニング工程を行う2パスFZ法における一回目のゾーニングの際に上端部に前記テーパ部分が形成されるように半導体棒を結晶化し、該得られた上端部にテーパ部分が形成された半導体棒を用いて二回目のゾーニング工程を行うことができる(請求項2)。
このように、原料半導体棒保持具への取付けの際に割れやクラック等の破損を生じやすい2パスFZ法における一度ゾーニング工程が行われた中間多結晶を2回目のゾーニングにおいて原料半導体棒保持具に保持する場合であっても、割れやクラック等の破損を防止でき、歩留り及び生産性を向上させることができる。
また、本発明の半導体結晶の製造方法では、前記原料半導体棒として、直胴部の直径が125mm以上のものを用いることができる(請求項3)。
このように、本発明の半導体結晶の製造方法によれば、原料半導体棒として、原料半導体棒保持具への取付けの際に割れやクラック等の破損を生じやすい直胴部の直径が125mm以上のものを用いて原料半導体棒保持具に保持する場合であっても、割れやクラック等の破損を防止できる。
また、本発明は、少なくとも、上部駆動軸の下端部に保持具を介して原料となる半導体棒の上端部を保持し、該原料半導体棒の下端部を溶融して種結晶を融着し、該種結晶側から順次結晶化させるFZ法における前記原料半導体棒の保持具であって、少なくとも、上部に向かって内径が拡大するすり鉢状の開口部を有する保持リングを具備し、該保持リングは、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成されている原料半導体棒の前記テーパ部分を前記すり鉢状の開口部のテーパ面に係止して保持するものであることを特徴とする原料半導体棒保持具を提供する(請求項4)。
このような原料半導体棒保持具を用いて、原料半導体棒を保持し、半導体結晶を製造すれば、原料半導体棒を原料半導体棒保持具に保持する際および半導体結晶成長プロセス中の割れやクラック等の破損を防止でき、歩留り及び生産性が向上させることができる。また、原料半導体棒の保持具への取付けの際の原料半導体棒の軸中心出しが容易になり、作業性も向上する。
この場合、前記保持リングは、鉛直方向に2分割されているものであり、該2分割されている保持リングの一端は蝶番状の接続部材を介して回動可能に蝶着され、前記2分割されている保持リングの他端は該2分割されている保持リングを互いに固定できる固定手段を具備し、前記上端部にテーパ部分が形成されている原料半導体棒の前記テーパ部分を前記2分割されている保持リングの一方のテーパ面に押し当てた後に前記2分割されている保持リングを閉じて前記固定手段で固定することによって前記原料半導体棒を前記保持リングのテーパ面で係止して保持するものであることが好ましい(請求項5)。
このような原料半導体棒保持具であれば、原料半導体棒を割れやクラック等の破損を抑え、確実に係止することができ、歩留り及び生産性を向上させることができる。また、原料半導体棒の保持具への取付けの際の原料半導体棒の軸中心出しをより容易にすることができ、作業性も向上する。
また、本発明は、FZ法による半導体結晶の製造において原料となる半導体棒であって、FZ法で保持される上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成されているものであることを特徴とする原料半導体棒を提供する(請求項6)。
このような原料半導体棒を用いて、原料半導体棒保持具に係止して保持し、半導体結晶を製造すれば、原料半導体棒を原料半導体棒保持具に保持する際や半導体結晶成長プロセス中の割れやクラック等の破損を防止でき、歩留り及び生産性が向上させることができる。また、原料半導体棒の保持具への取付けの際の原料半導体棒の軸中心出しが容易になり、作業性も向上する。
この場合、前記テーパ部分のテーパ角度は、15〜30°であることが好ましい(請求項7)。
このように、テーパ部分のテーパ角度が15〜30°であれば、原料半導体棒を原料半導体棒保持具のテーパ面に効果的に係止できる。
また、前記原料半導体棒は、FZ法によるゾーニング工程が少なくとも一回施されたものであることができる(請求項8)。
このように、原料半導体棒として、原料半導体棒保持具への取付けの際に割れやクラック等の破損を生じやすいFZ法によるゾーニング工程が少なくとも一回施されたものを用いて原料半導体棒保持具に保持する場合であっても、本発明の原料半導体棒であれば、割れやクラック等の破損を防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、従来使用可能であるものよりもさらに大直径の原料半導体棒を、原料半導体棒保持具への取付けから始まるFZ法による一連の半導体結晶製造プロセス中に割れやクラック等の破損を発生させることなく使用可能となる。原料半導体棒の直径拡大が可能になることで、原料仕込重量の増加が可能になり大直径のFZ法半導体単結晶棒が得られるため、歩留りや生産性が向上する。
また、原料半導体棒の原料半導体棒保持具への取付けの際に原料半導体棒を締め付け保持しながら同時に軸中心出しを行うということがないため、原料半導体棒の軸中心出しが比較的容易になり、作業性も向上する。
また、原料半導体棒の原料半導体棒保持具への取付けの際に原料半導体棒を締め付け保持しながら同時に軸中心出しを行うということがないため、原料半導体棒の軸中心出しが比較的容易になり、作業性も向上する。
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。
前述のように、FZ法による半導体結晶の製造において、原料半導体棒を原料半導体棒保持具へ取り付ける際あるいは結晶化プロセス中に、被保持部分付近から割れやクラック等の破損を生じるという問題があった。
前述のように、FZ法による半導体結晶の製造において、原料半導体棒を原料半導体棒保持具へ取り付ける際あるいは結晶化プロセス中に、被保持部分付近から割れやクラック等の破損を生じるという問題があった。
この破損の理由として原料半導体棒の取付けや保持方法からの要因を考えた場合、以下のような事が挙げられる。FZ法によるシリコン結晶製造時、原料半導体棒は回転させた際にその中心がある半径を持つ円軌道を描くことなく駆動軸中心と一致している必要がある。原料半導体棒の締め付けにより保持を行う場合には同時に原料半導体棒の中心出しを行わなければならないが、原料半導体棒をアダプタに収納した際にある程度の中心出しは可能なものの完全な中心出しは困難であるため、各方向の押し付けネジ締め付け具合や締め付ける順番により調整を行い、最終的に原料半導体棒の中心出しを完了する事になる。この微調整の過程で一旦締め付けた箇所を再度緩めて締め付け直すこともあるため、原料半導体棒にかかる応力の不均一により割れが発生する原因となることを見出した。
これらのことから、本発明者らは、さらに検討を重ね、原料半導体棒の上端部を上方に向かってテーパ状にし、この形状と合うようにテーパ面が形成された原料半導体棒保持具を用いて原料半導体棒を係止すれば、原料半導体棒をその自重によって支持することができ、真横からの締め付けの力による支持をする方法と比べて、この原料半導体棒の上部に割れやクラック等の破損を防止できることに想到した。
以下、本発明について図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明に係る原料半導体棒保持具の一例を示す概略図である。
図1(a)は原料半導体棒保持具の側面から見た断面図を、図1(b)は図1(a)の破線より下方の結晶保持部のみを上から見た図を、さらに図1(c)は図1(b)の図の右側方向より見た図をそれぞれ示す。
図1は、本発明に係る原料半導体棒保持具の一例を示す概略図である。
図1(a)は原料半導体棒保持具の側面から見た断面図を、図1(b)は図1(a)の破線より下方の結晶保持部のみを上から見た図を、さらに図1(c)は図1(b)の図の右側方向より見た図をそれぞれ示す。
図1において、下方に開口している原料半導体棒保持具10は、上部駆動軸11の下端部にネジ12により接続される。原料半導体棒保持具10の開口側下端部には上側が広いすり鉢状のテーパ面22を有する保持リング14を具備する。ゾーニング工程中、原料半導体棒Pはときには1000℃以上と非常に高温となるため、保持リング14のテーパ面22において直接原料半導体棒に接触する部分には、例えばモリブデン等の耐熱性材料で作製した当て板15を設けてもよい。当て板15は保持リング14のテーパ面をその形状を維持しながらくまなく覆うことが好ましいが、複数の同一形状の当て板が保持リング14のテーパ角度を保ちながら均等間隔に配置されていてもよい。
保持リング14は図1(b)のように16、17の鉛直方向に2分割されている。原料半導体棒をテーパ面22で係止して保持するには、分割された保持リング16及び17を固定する必要があるが、その固定方法は例えば下記のように接続部材とネジによることができる。すなわち、分割された保持リング16、17それぞれは蝶番状の接続部材18により接続されており、保持リング部品の一方17は接続部材18を介して保持リング16に対し蝶番のように相対的に回動し、下面開口部を大きく開くことができる構造にする。
接続部材18で接続されていない側の端部において、保持リング部品16あるいは17の一方には止めネジ19を設け、同様にもう一方には止めネジ受け20を設ける。止めネジ19はピン21を軸として旋回自在にされ、原料半導体棒保持の際に保持リング部品16と17を合わせて開口部を閉じた状態にした上で止めネジ受け20側に止めネジ19を倒して接続する。この時に開口部が開く事を防止するため、止めネジ19はねじ込み可能にしておき、止めネジ受け20と固定させる。
このような原料半導体棒保持具のテーパ面に係止できるように、原料半導体棒の形状を、図2のようにテーパ部分の長さをL、テーパ角度をαとした上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ形状となるようにする。
原料半導体が中間多結晶である場合には、上端部が上記のような形状となるように単結晶化を目的とするゾーニングの前に形成すればよい。すなわち、1回目のゾーニングの最後で、径を徐々に拡大するようにすれば、上端部にテーパ部分を有する中間多結晶を得ることができる。そして、この中間多結晶を用いて2度目のゾーニングをすることで、目的の単結晶棒を得ることができる。
また、本発明は1パスFZ法、すなわち中間多結晶棒ではなくシリコン多結晶棒を保持する際にも適用可能である。1パスFZ法に適用する場合は、予め原料半導体棒保持具に合わせたテーパ形状に上端部を機械加工したシリコン多結晶棒を使用することができる。
また、本発明は1パスFZ法、すなわち中間多結晶棒ではなくシリコン多結晶棒を保持する際にも適用可能である。1パスFZ法に適用する場合は、予め原料半導体棒保持具に合わせたテーパ形状に上端部を機械加工したシリコン多結晶棒を使用することができる。
そして、例えば上記図1に示す原料半導体棒保持具及び図2に示す原料半導体棒を用いることで、本発明の半導体結晶の製造方法、すなわち、少なくとも、原料となる半導体棒を保持具で鉛直方向に保持する工程と、前記原料半導体棒の下端部を溶融して種結晶に融着させる工程と、前記種結晶側から順次結晶化させるゾーニング工程とを含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、前記原料半導体棒として、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成された半導体棒を用い、前記原料半導体棒のテーパ部分を前記保持具に形成されたテーパ面に係止することによって前記原料半導体棒を保持して結晶を製造することを特徴とする半導体結晶の製造方法を実施することができる。以下に、その一例を示す。
原料半導体棒Pの原料半導体棒保持具10への取付けの時は、保持リング部品16と17を接続部材18を介して開いて開口部を拡大し、保持リング部品16、17の一方のテーパ面に原料半導体棒Pの位置を正確に合わせた後、保持リング部品16、17を閉じて止めネジ19で接続し、上軸駆動部11を上方へ移動して原料半導体棒Pを原料半導体棒Pのテーパ面と保持リング14のテーパ面22同士を面接触させて係止する。
原料半導体棒Pの保持の間は、保持リング14が弾性変形等を生ずる事のないように、原料半導体棒保持具10は十分な強度を有する必要がある。こうして原料半導体棒Pは外部から締め付けられることなく、その自重を上端部のテーパ部分の下側から保持具のテーパ面で支持されるのみであるため、例えゾーニング工程中に原料半導体棒Pが加熱されて1000℃以上の高温になり熱膨張を起こしたとしても、外部からの締め付け応力の増大から逃れる事ができ、原料半導体棒の割れやクラックの発生を防止する事ができる。また、テーパ面同士が面接触しているので、均一に力が加わり、ネジで締める場合のような不均一な応力がかからず、原料半導体棒の割れやクラックの発生が生じにくい。さらに締め付けによる保持方法でなく、テーパ面で保持されているので、原料半導体棒とともに原料半導体棒保持具も輻射等により加熱されて熱膨張した結果、原料半導体棒の締め付け力が低下し、原料半導体棒が原料半導体棒保持具から脱落するという現象も防止できる。
図3に示すように本発明の方法により原料半導体棒Pが原料半導体棒保持具10に正しく取付けされれば、直径が125mm以上のような大直径で高重量の原料半導体棒であっても、ほぼ精度よく原料半導体棒の中心出しがなされ、仮に微調整を行う必要があったとしても、原料半導体棒が固定されていないため中心出し調整は容易である。各締め付けネジを再度緩めたり締め付けたりする必要がないことで作業性が向上し、かつ原料半導体棒保持具への取付け時に原料半導体棒が破損する頻度は極めて少なくなる。
原料半導体棒の上端部のテーパ部分の長さLに関しては、保持部分を十分に確保するという点からあまり短すぎない方がよいが、長すぎても実用的でなく、15〜35mmが好ましい。原料半導体棒保持具のテーパ部分はこれを超えた長さとするのが好ましい。
上端部のテーパ角度αに関しては、小さすぎると原料の脱落防止のために締め付け圧力を加えなければならず、割れ防止の効果が十分に得られない恐れがある。逆にテーパ角度が大きすぎるとセット後のテーパ部分の強度が弱くなる恐れがあるし、無駄になる原料も多くなる。これらの点を鑑みて、原料半導体棒上端部のテーパ角度は10〜60°、より好ましくは15〜30°である事が望ましい。テーパ角度は原料半導体棒の軸方向で変化せず一様である事が望ましいが、テーパ角度が原料半導体棒の軸方向で変化して角度が変わり、変曲点を有するような形状になっていてもよい。
上端部のテーパ角度αに関しては、小さすぎると原料の脱落防止のために締め付け圧力を加えなければならず、割れ防止の効果が十分に得られない恐れがある。逆にテーパ角度が大きすぎるとセット後のテーパ部分の強度が弱くなる恐れがあるし、無駄になる原料も多くなる。これらの点を鑑みて、原料半導体棒上端部のテーパ角度は10〜60°、より好ましくは15〜30°である事が望ましい。テーパ角度は原料半導体棒の軸方向で変化せず一様である事が望ましいが、テーパ角度が原料半導体棒の軸方向で変化して角度が変わり、変曲点を有するような形状になっていてもよい。
また、原料半導体棒のテーパ角度が上記角度範囲内であっても原料半導体棒保持具のテーパ角度と適合しなければ、十分な保持効果が得られないため、少なくとも準備された原料半導体棒保持具のテーパ角度より過度に小さくならないように原料半導体棒上端部が形成される必要がある。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
直胴部の直径が125mmで上端部を約140mmまで直径を拡大したシリコン中間多結晶棒(テーパ長さ25mm、テーパ角度約17°)を15本用意し、図1に示したような本発明の原料半導体棒保持具及び製造方法を用いて、2パスFZ法による直径5インチ(125mm)のシリコン単結晶製造プロセスを行い、FZシリコン単結晶を製造した。その結果を(1)中間多結晶棒セット時に割れやクラックが発生したもの、(2)ゾーニング工程中に割れやクラックが発生したもの、(3)割れやクラックの発生がなかったものに分類してそれぞれの数を表1に示す。
(実施例)
直胴部の直径が125mmで上端部を約140mmまで直径を拡大したシリコン中間多結晶棒(テーパ長さ25mm、テーパ角度約17°)を15本用意し、図1に示したような本発明の原料半導体棒保持具及び製造方法を用いて、2パスFZ法による直径5インチ(125mm)のシリコン単結晶製造プロセスを行い、FZシリコン単結晶を製造した。その結果を(1)中間多結晶棒セット時に割れやクラックが発生したもの、(2)ゾーニング工程中に割れやクラックが発生したもの、(3)割れやクラックの発生がなかったものに分類してそれぞれの数を表1に示す。
表1に示される通り、本発明の原料半導体棒保持具及び製造方法を用いた場合、直胴部の直径が125mmのシリコン中間多結晶棒を使用しても割れやクラック等の発生等の破損が抑えられ、125mmという大直径のFZシリコン単結晶を歩留りよく得ることができた。
(比較例)
市販のシリコン多結晶棒から製造した、直径が115mm、120mm、125mmであるテーパ部を有さない中間多結晶棒をそれぞれ5本ずつ用意し、図4に示したような原料半導体棒保持具を用いて、2パスFZ法による直径5インチ(125mm)のシリコン単結晶製造プロセスを従来通り行い、FZシリコン多結晶を製造した。その結果を実施例と同様にまとめて表2に示す。
市販のシリコン多結晶棒から製造した、直径が115mm、120mm、125mmであるテーパ部を有さない中間多結晶棒をそれぞれ5本ずつ用意し、図4に示したような原料半導体棒保持具を用いて、2パスFZ法による直径5インチ(125mm)のシリコン単結晶製造プロセスを従来通り行い、FZシリコン多結晶を製造した。その結果を実施例と同様にまとめて表2に示す。
表2に示されるように、中間多結晶棒の直径115mmでは原料半導体棒の割れやクラックの発生が少なく、単結晶製造については許容範囲内である。しかしながら、中間多結晶棒を大直径化すると割れやクラックの発生頻度が高くなり、125mmでは原料半導体棒保持具へのセット段階で中間多結晶棒にクラックが発生し、ゾーニング工程を行う事ができなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…原料半導体棒保持具、 11…上部駆動軸、 12…ネジ、
14…保持リング、 15…当て板、 16…保持リング部品、
17…保持リング部品、 18…接続部材、 19…止めネジ、
20…止めネジ受け、 21…ピン、 22…テーパ面、
81…上部駆動軸、 82…内部アダプタ取付けネジ、 83…内部アダプタ、
84…外部アダプタ取付けネジ、 85…外部アダプタ、 86…ピン、
87…押さえアーム、 88…ネジ穴、 89…押さえネジ、 90…当て板、
P…原料半導体棒、 α…テーパ角度、 L…テーパ長さ。
14…保持リング、 15…当て板、 16…保持リング部品、
17…保持リング部品、 18…接続部材、 19…止めネジ、
20…止めネジ受け、 21…ピン、 22…テーパ面、
81…上部駆動軸、 82…内部アダプタ取付けネジ、 83…内部アダプタ、
84…外部アダプタ取付けネジ、 85…外部アダプタ、 86…ピン、
87…押さえアーム、 88…ネジ穴、 89…押さえネジ、 90…当て板、
P…原料半導体棒、 α…テーパ角度、 L…テーパ長さ。
Claims (8)
- 少なくとも、原料となる半導体棒を保持具で鉛直方向に保持する工程と、前記原料半導体棒の下端部を溶融して種結晶に融着させる工程と、前記種結晶側から順次結晶化させるゾーニング工程とを含むFZ法による半導体結晶の製造方法において、前記原料半導体棒として、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成された半導体棒を用い、前記原料半導体棒のテーパ部分を前記保持具に形成されたテーパ面に係止することによって前記原料半導体棒を保持して結晶を製造することを特徴とする半導体結晶の製造方法。
- 前記上端部にテーパ部分が形成された原料半導体棒は、少なくとも二回のゾーニング工程を行う2パスFZ法における一回目のゾーニングの際に上端部に前記テーパ部分が形成されるように半導体棒を結晶化し、該得られた上端部にテーパ部分が形成された半導体棒を用いて二回目のゾーニング工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体結晶の製造方法。
- 前記原料半導体棒として、直胴部の直径が125mm以上のものを用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体結晶の製造方法。
- 少なくとも、上部駆動軸の下端部に保持具を介して原料となる半導体棒の上端部を保持し、該原料半導体棒の下端部を溶融して種結晶を融着し、該種結晶側から順次結晶化させるFZ法における前記原料半導体棒の保持具であって、少なくとも、上部に向かって内径が拡大するすり鉢状の開口部を有する保持リングを具備し、該保持リングは、上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成されている原料半導体棒の前記テーパ部分を前記すり鉢状の開口部のテーパ面に係止して保持するものであることを特徴とする原料半導体棒保持具。
- 請求項4に記載の原料半導体棒保持具であって、前記保持リングは、鉛直方向に2分割されているものであり、該2分割されている保持リングの一端は蝶番状の接続部材を介して回動可能に蝶着され、前記2分割されている保持リングの他端は該2分割されている保持リングを互いに固定できる固定手段を具備し、前記上端部にテーパ部分が形成されている原料半導体棒の前記テーパ部分を前記2分割されている保持リングの一方のテーパ面に押し当てた後に前記2分割されている保持リングを閉じて前記固定手段で固定することによって前記原料半導体棒を前記保持リングのテーパ面で係止して保持するものであることを特徴とする原料半導体棒保持具。
- FZ法による半導体結晶の製造において原料となる半導体棒であって、FZ法で保持される上端部に上方に向かって直径が拡大するテーパ部分が形成されているものであることを特徴とする原料半導体棒。
- 前記テーパ部分のテーパ角度は、15〜30°であることを特徴とする請求項6に記載の原料半導体棒。
- 前記原料半導体棒は、FZ法によるゾーニング工程が少なくとも一回施されたものであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の原料半導体棒。
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JP2006065134A JP2007238401A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | 半導体結晶の製造方法並びに原料半導体棒保持具及び原料半導体棒 |
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JP2006065134A Pending JP2007238401A (ja) | 2006-03-10 | 2006-03-10 | 半導体結晶の製造方法並びに原料半導体棒保持具及び原料半導体棒 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019026522A (ja) * | 2017-08-01 | 2019-02-21 | 株式会社Sumco | シリコン単結晶の製造装置及び製造方法 |
CN111945223A (zh) * | 2020-08-12 | 2020-11-17 | 亚洲硅业(青海)股份有限公司 | 一种可连续生产的硅芯炉和使用方法 |
-
2006
- 2006-03-10 JP JP2006065134A patent/JP2007238401A/ja active Pending
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