JP3491465B2 - 単結晶引上装置におけるヒーター電極構造 - Google Patents
単結晶引上装置におけるヒーター電極構造Info
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Description
留された半導体融液より半導体単結晶を引き上げる単結
晶引上装置に関し、特に、前記ルツボを加熱するための
ヒーターの電極構造に関する。
(GaAs)等の半導体単結晶を成長する方法の一つと
して、CZ法が知られている。このCZ法は、大口径、
高純度の単結晶が無転位あるいは格子欠陥の極めて少な
い状態で容易に得られること等の特徴を有することか
ら、様々な半導体結晶の成長に用いられている方法であ
る。
濃度および不純物濃度等の均一化の要求に伴いこのCZ
法も様々に改良され実用に供されている。上記CZ法の
改良型の一つにいわゆる二重ルツボを用いた連続チャー
ジ型磁界印加CZ法(以下、CMCZ法と省略する)が
提案されている。この方法は、外部からルツボ内の半導
体融液に磁界を印加することにより、前記半導体融液内
の対流を抑制し極めて酸素濃度の制御性がよく単結晶化
率がよい単結晶を成長させることができ、外側のルツボ
と内側のルツボとの間に原料を連続供給し長尺の半導体
単結晶を容易に得ることができる等の特徴を有する。し
たがって、大口径かつ長尺の半導体単結晶を得るには最
も優れた方法の一つと言われている。
記載されている、上記のCMCZ法を用いたシリコンの
単結晶引上装置の一例である。この単結晶引上装置10
1は、中空の気密容器であるチャンバ102内に二重ル
ツボ103、ヒーター104、原料供給管105がそれ
ぞれ配置され、前記チャンバ102の外部にマグネット
106が配置されている。なお、後述する本発明は、C
MCZ法による単結晶引上装置に適用されるに限らず、
例えば、磁界印加を行わない連続チャージ型CZ法(C
CZ法)による単結晶引上装置や、二重ルツボではなく
1つのルツボを備えた単結晶引上装置にも適用できる。
iO2)製の外ルツボ111と、該外ルツボ111内に
設けられた円筒状の仕切り体である石英(SiO2)製
の内ルツボ112とから構成され、該内ルツボ112の
側壁には、内ルツボ112と外ルツボ111との間(原
料融解領域)と内ルツボ112の内側(結晶成長領域)
とを連通する連通孔113が複数個形成されている。
の中央下部に垂直に立設されたシャフト114上のサセ
プタ115に載置されており、前記シャフト114の軸
線を中心として水平面上で所定の角速度で回転する構成
になっている。そして、この二重ルツボ103内には半
導体融液(加熱融解された半導体単結晶の原料)121
が貯留されている。
原料をルツボ内で加熱・融解するとともに生じた半導体
融液121を保温するもので、通常、抵抗加熱ヒーター
が用いられる。なお、ヒーター104の詳細構造につい
ては後述する。原料供給手段としての原料供給管105
は、その下端開口より、所定量の半導体の原料110を
外ルツボ111と内ルツボ112との間の半導体融液1
21面上に連続的に投入するものである。
料110としては、例えば、多結晶シリコンのインゴッ
トを破砕機等で破砕してフレーク状にしたもの、あるい
は、気体原料から熱分解法により粒状に析出させた多結
晶シリコンの顆粒が好適に用いられ、必要に応じてホウ
素(B)(p型シリコン単結晶を作る場合)やリン
(P)(n型シリコン単結晶を作る場合)等のドーパン
トと呼ばれる添加元素がさらに供給される。また、ガリ
ウムヒ素(GaAs)の場合も同様で、この場合、添加
元素は亜鉛(Zn)もしくはシリコン(Si)等とな
る。
ツボ112の上方かつ軸線上に配された引上軸124に
チャック(不図示)を介して種結晶125を吊下げ、引
上軸124をその軸線回りに回転させつつ引上げるとと
もに、シャフト114を介して二重ルツボ103を上昇
させて、半導体融液121上部において種結晶125を
核として半導体単結晶126を成長させる。
開昭63ー303894号公報に記載されているよう
に、単結晶を成長する前工程において、外ルツボ111
に予め多結晶シリコン塊等の多結晶原料を融解させて半
導体融液121を貯留し、外ルツボ111の上方に配さ
れた内ルツボ112を、外ルツボ111内に載置して、
二重ルツボ103を形成している。
ボ103を形成するのは、多結晶原料を完全に融解して
半導体融液121を得るために、ヒーター104によっ
て外ルツボ111内の原料を単結晶成長温度以上の温度
まで高温加熱する必要があり、この際に、予め内ルツボ
112を外ルツボ111内に形成させていると、内ルツ
ボ112に大きな熱変形が生じてしまうからである。
ーター104による加熱をある程度弱めてから内ルツボ
112を外ルツボ111に形成させることによって、初
期原料融解保持時の高温加熱を避け、内ルツボ112の
変形を抑制している。
113は、原料供給時に、半導体融液121を外ルツボ
111側から内ルツボ112内にのみ流入させるように
一定の開口面積以下に設定されている。この理由は、結
晶成長領域から半導体融液121が対流により原料融解
領域に戻る現象が生じると単結晶成長における不純物濃
度および融液温度等の制御が困難になってしまうためで
ある。
ー104の一例の平面図、正面図であり、図5はヒータ
ー104の電極部の拡大図である。先ず、図4に示すよ
うに、ヒーター104はほぼ円筒状のものであり、その
下端部の相対向する部位には、ヒーター104の外方へ
突出する一対の突出部1,2が一体的に設けられてい
る。また、ヒーター104には、その上方および下方か
ら交互に切り込まれて上下方向に延びる複数のスリット
3が設けられている。これにより、前記一対の突出部
1,2に電圧を印加すると、ヒーター104に図4
(b)中矢印で示すように電流が流れる。なお、前記突
出部1,2はヒーター104の内方へ突出するような形
態としてもよい。
の電極部の構成については、ヒーター104の突出部1
には貫通孔1aが形成されており、この貫通孔1aに
は、グラファイト製の中間電極6のねじ部6aが挿入さ
れている。そして、このねじ部6aにはナット7が螺合
されて突出部1に結合されている。中間電極6には、耐
熱性に優れ、また結晶汚染の可能性が小さいグラファイ
トが用いられている。中間電極6の下端部にはねじ穴6
bが形成され、このねじ穴6bには、導電性金属電極5
のねじ部5aがねじ込まれている。導電性金属電極5
は、その上端よりねじ部5a、フランジ部5bおよび小
径の本体部5cから構成されている。本体部5cにはそ
の軸方向に延びるような冷却水の通路5dが形成されて
いる。導電性金属5は、例えば銅、銅合金あるいはステ
ンレス等により形成されるが、これに限定されない。
5のフランジ部5bの上面に面接触している。また、前
記小径の本体部5cは、チャンバ102(図3参照)の
底部(チャンバーベース)102aを貫通しており、前
記本体部5cが前記底部102aに接触しないように、
絶縁材料で形成されたスリーブ4が前記底部102aに
嵌め込まれている。ヒーター104の他の突出部2の電
極構造は、一方の突出部1の電極構造と同一なので、図
示や説明は省略する。上記の構成により、一対の導電性
金属電極5(1つの電極は不図示であり、一方は陽極、
他方は陰極)間に電圧を印加させて、ヒーター104に
所定の電流(例えば1500アンペア)を流すことがで
きる。
ように、例えばヒーター104の径方向への熱膨張やヒ
ーター104の振動や中間電極6の寿命等の原因によ
り、中間電極6のねじ穴6bよりクラック(割れ)8が
入った場合には、導電性金属電極5から中間電極6への
電流供給は前記クラック8より上方のねじ穴部で集中し
て行われ、これにより、冷却水通路5d内の冷却水の温
度が上昇し、一部が沸騰を始め、冷却水通路5dの上部
に水蒸気による空間が生じる。このような状態でヒータ
ー104への通電を継続させると、一対の導電性金属電
極5の冷却水に直接接していない部位の冷却効率が低下
し、溶損を起こすと考えられる。導電性金属電極5が溶
損すると、冷却水通路5d内の冷却水がチャンバ内に吹
き出て、汚染されるという問題点がある。また、前記の
ような溶損が生じると、条件によっては水蒸気爆発を引
き起こす可能性もある。
鑑みてなされたものであり、ヒーターにおけるグラファ
イト製の中間電極へのクラック発生や、導電性金属電極
の溶損を未然に防止することのできる、単結晶引上装置
におけるヒーター電極構造を提供することを目的として
いる。
の本発明のヒーター電極構造は、気密容器と、前記気密
容器内で半導体融液を貯留するルツボと、前記ルツボを
囲むように設けられたヒーターと、前記ヒーターに接続
されたグラファイト製の一対の中間電極にそれぞれ結合
された、冷却水通路をそれぞれ有する一対の導電性金属
電極とを備えた単結晶引上装置において、前記導電性金
属電極の上端部には雄ねじが形成されており、前記中間
電極の下端部は大径部になっており、その下端面は、前
記導電性金属電極の上端面に一様に当接するように載置
され、さらに、上端部内周に突出部を有するグラファイ
ト製のナット部材が、前記中間電極の大径部に挿通さ
れ、かつ前記導電性金属電極の前記雄ねじに螺合されて
いることで、前記ナット部材の前記突出部により、前記
中間電極の前記大径部を前記導電性金属電極に押圧する
ような構成になっていることを特徴とするものである。
電性金属電極の上端面の一方が凸円錐面、他方が凹円錐
面になっている。
間電極が導電性金属電極に載置されてナット部材により
連結され、従来のように中間電極にはねじ穴がないの
で、例えばヒーターの径方向への熱膨張やヒーターの振
動等に起因して、ナット部材が熱応力により破断する場
合があるが、中間電極の導電性金属電極への結合部にク
ラックが入らない。これにより、導電性金属電極から中
間電極への電流供給は、互いに一様に接触した接触面を
介して行われて、従来のような局部的に電流が集中する
ことはない。請求請2に記載の発明では、中間電極を導
電性金属電極に載せるだけで芯出しが自動的に行われ
る。
て図面を参照して説明する。図1は本発明の単結晶引上
装置におけるヒーター電極構造の一実施形態例の断面図
である。なお、本実施形態例において、従来技術の説明
で使用した図5と同一構造のものは同一符号を付した。
極)15は、小径の本体部15cの上端部に大径部15
aが一体的に形成された略2段円柱形状をなしており、
大径部15aの外周面には雄ねじ15eが形成されてい
る。また、大径部15aの上端面は凹円錐面15bにな
っている。一方、グラファイト製の中間電極16は、上
端より順次小径ねじ部16a,中径部16bおよび大径
部16cになった略3段円柱形状をなしており、この大
径部16cの外径は銅電極15の大径部15aの外径よ
りも若干小さくなっている。また、中間電極16の大径
部16cの下端面は凸円錐面16dになっており、この
凸円錐面16dは、前記銅電極15の前記凹円錐面15
bと一様に接触するようになっている。なお、銅電極1
5の上端面および中間電極16の下端面を互いに一様に
接触するような水平面に形成してもよい。
示している。このナット部材17の上端部内周にはリン
グ状の突出部17bが一体的に形成され、また、外周面
は通常のレンチ(不図示)の先端が嵌め合うように六角
形になっている。ナット部材17は前記中間電極16の
大径部16cに挿通され、その雌ねじ17aは前記銅電
極15の雄ねじ15eに螺合されている。これにより、
銅電極15および中間電極16は結合されている。ま
た、ナット部材17の上端の突出部17bは、中間電極
16の中径部16bと大径部16cとの断差部を下方へ
押圧し、ナット部材17の下端はスリーブ4のフランジ
部4aに接触しているが、これに限らず、非接触として
もよい。ナット部材17の材質としては、耐熱性に優
れ、また結晶汚染の可能性が小さいグラファイトが用い
られている。図1の状態から、中間電極16と銅電極1
5との結合を解除するには、レンチ(不図示)によりナ
ット部材17を左回りに回転させてナット部材17と銅
電極15との螺合を解けばよい。
6が銅電極15に載置されてナット部材17により連結
される構造になっており、中間電極16にはねじ穴がな
いので、例えばヒーター104の径方向への熱膨張やヒ
ーター104の振動等に起因して、ナット部材17が熱
応力により破断する場合があるが、中間電極16の銅電
極15への結合部にクラックが入らない。これにより、
銅電極15から中間電極16への電流供給は、互いに一
様に接触した接触面(凹円錐面15bおよび凸円錐面1
6d)を介して行われて、従来のような電流の局部的な
集中が発生しない。したがって、冷却水通路15d内の
冷却水の温度が過度に上昇しないため沸騰せず、冷却水
通路15dの上部に水蒸気による空間が生じない。結果
的に、銅電極15はその冷却水通路15dの冷却水によ
り効率的に冷却され、このような状態でヒーター104
への通電を継続させても、銅電極15の溶損が起こらな
い。また、ヒーター104をチャンバーに装着する際に
は、中間電極16を銅電極15に載せるだけで、芯出し
が自動的に行われ、ヒーター104の設置を容易に行う
ことができる。
銅電極25の大径部25aの上面に凸円錐面25bを形
成し、これに対応して、中間電極26の大径部26cの
下端面に凹円錐面26dを形成したものである。このよ
うな、構成においても上記のような芯出し容易の効果が
得られる。
たが、他の単結晶製造方法を適用しても構わない。例え
ば、磁界印加を行わない連続チャージ型CZ法(CCZ
法)を採用したり、二重ルツボではなく1つのルツボを
備えた単結晶引上装置でもよい。
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の発明は、グラファイト製の中間電極の導
電性金属電極への接続部にねじ穴がないので、例えばヒ
ーターの径方向への熱膨張による熱応力やヒーターの振
動等により、ナット部材が破断するような場合があって
も、中間電極の導電性金属電極への結合部にクラックが
入らない。これにより、導電性金属電極から中間電極へ
の電流供給は、互いに一様に接触した接触面を介して行
われて、従来のような電流の局所的な集中が発生しな
い。したがって、冷却水通路内の冷却水の温度が過度に
上昇せずに沸騰せず、冷却水通路の上部に水蒸気による
空間が生じない。結果的に、導電性金属電極はその冷却
水通路内の冷却水により効率的に冷却され、このような
状態でヒーターへの通電を継続させても、導電性金属電
極の溶損が起こらない。このように溶損が起こらないの
で、冷却水がチャンバ内に吹き出ず、汚染されないとと
もに、水蒸気爆発を確実に防止できる。また、ヒーター
を、上記のように溶損しない導電性金属電極により確実
に支持できて、ヒーターが崩れない。
ヒーターをチャンバーに装着する際には、中間電極を導
電性金属電極に載せるだけで芯出しを自動的に行うこと
ができるので、ヒーターの設置が容易になる。
電極構造の一実施形態例の断面図である。
置の一例を示す断面図である。
ターの一例の平面図、正面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 気密容器と、前記気密容器内で半導体融
液を貯留するルツボと、前記ルツボを囲むように設けら
れたヒーターと、前記ヒーターに接続されたグラファイ
ト製の一対の中間電極にそれぞれ結合された、冷却水通
路をそれぞれ有する一対の導電性金属電極とを備えた単
結晶引上装置において、 前記導電性金属電極の上端部には雄ねじが形成されてお
り、 前記中間電極の下端部は大径部になっており、その下端
面は、前記導電性金属電極の上端面に一様に当接するよ
うに載置され、 さらに、上端部内周に突出部を有するグラファイト製の
ナット部材が、前記中間電極の大径部に挿通され、かつ
前記導電性金属電極の前記雄ねじに螺合されていること
で、前記ナット部材の前記突出部により、前記中間電極
の前記大径部を前記導電性金属電極に押圧するような構
成になっていることを特徴とする、単結晶引上装置にお
けるヒーター電極構造。 - 【請求項2】 前記中間電極の下端面および前記導電性
金属電極の上端面の一方が凸円錐面、他方が凹円錐面に
なっている請求項1に記載の単結晶引上装置におけるヒ
ーター電極構造。
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JP25755496A Expired - Fee Related JP3491465B2 (ja) | 1996-09-06 | 1996-09-06 | 単結晶引上装置におけるヒーター電極構造 |
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