JP3610729B2 - ヒーター電極構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素グラファイト製のヒーターを備えた工業炉における前記ヒーターの電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素グラファイト製のヒーターを用いる各種の工業炉(溶解炉や金属熱処理炉等)において、その電源部(電極構造)は、前記ヒーターと導電性金属をねじ結合させる形態となっている。この形態では、ヒーター側は電気抵抗が大きく発熱量が多いため、非常に高温になる。この高温により前記導電性金属が溶損しないように、通常導電性金属の内部には冷却水通路が形成されている。
【0003】
ここで、従来のヒーター電極構造の具体例を説明する。図3(a)および(b)はそれぞれ、単結晶引上装置の炉(例えばCZ炉)内に配置されるヒーターの一例の平面図および正面図、図4は図3のヒーターの電極部の拡大図である。
先ず、図3に示すように、炭素グラファイト製のヒーター104はほぼ円筒状のものであり、その下端部の相対向する部位には、ヒーター104の外方へ突出する一対の突出部1,2が一体的に設けられている。また、ヒーター104には、その上方および下方から交互に切り込まれて上下方向に延びる複数のスリット3が設けられている。これにより、前記一対の突出部1,2に電圧を印加すると、ヒーター104に図3(b)中矢印で示すように電流が流れる。
【0004】
次に、図4に示すように、ヒーター104の電極部の構成については、ヒーター104の突出部1には貫通孔1aが形成されており、この貫通孔1aには、炭素グラファイト製の中間電極(電極部)6のねじ部6a(上端部)が挿入されている。そして、このねじ部6aにはナット7が螺合されて突出部1に結合されている。中間電極6には、耐熱性に優れ、また結晶汚染の可能性が小さい炭素グラファイトが用いられている。中間電極6の下端部にはめねじ6bが形成され、このめねじ6bには、導電性金属電極5のおねじ5aがねじ込まれている。導電性金属電極5は、その上端よりおねじ5a、フランジ部5bおよび小径の本体部5cから構成されている。また、導電性金属電極5の内部にはその軸方向に延びるような冷却水通路5dが形成されている。なお、導電性金属電極5は、例えば銅、銅合金あるいはステンレス等により形成される。
【0005】
前記中間電極6の下端は、導電性金属電極5のフランジ部5bの上面に面接触している。また、前記小径の本体部5cは、単結晶引上装置の炉(チャンバ)102の底部(チャンバーベース)102aを貫通しており、前記本体部5cが前記底部102aに接触しないように、絶縁材料で形成されたスリーブ4が前記底部102aに嵌め込まれている。ヒーター104の他の突出部2の電極構造は、一方の突出部1の電極構造と同一である。上記の構成により、一対の導電性金属電極5(1つの電極は不図示であり、一方は陽極、他方は陰極)間に電圧を印加させて、ヒーター104に所定の電流(例えば1500アンペア)を流すことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したヒーター電極構造において、中間電極6(炭素グラファイト製)および導電性金属電極5(例えば銅製)において、種々の物性(例えば熱膨張係数、電気抵抗率、熱伝導度)が大きく異なるので、電極部の温度分布は複雑なものとなる。また、近年、前記単結晶引上装置の炉は益々大型化しており、これに伴い、電極部も大型化している。
このように、電極部の部材(中間電極6および導電性金属電極5)間の温度差に起因して、電極部が小型のときには問題にならなかった部材間の熱膨張差が、中間電極6を破壊するまで大きくなっている。
【0007】
この現象について考察すると、図4に示すように、中間電極6と導電性金属電極5との熱膨張差が大きく(炭素グラファイトの線膨張係数は0.6〜4.4×10−6、銅の線膨張係数は16.6×10−6)、通常導電性金属電極5の膨張率は中間電極6のそれよりも大きいが、導電性金属電極5を水冷しているので、導電性金属電極5の温度は中間電極6の温度よりも十分に小さくなり、結果的に、中間電極6の伸びは導電性金属電極5のそれよりも相対的に大きくなる。このため、中間電極6のめねじ6bの谷に沿ってクラック(ひび割れ)8が発生し、このクラック8が中間電極6の径方向へ成長する。このようなクラック8の成長に起因して、下記のような現象が確認された。特に、単結晶の大型化に伴い、大径の電極構造では、温度分布や変形分布の差が大きく、この現象が顕著になる。
【0008】
すなわち、このクラック8が生じた部分では導電性金属電極5から中間電極6へ電流が流れなくなり、中間電極6の電流を通す部分の面積が小さくなる。この電流を通す部分の面積が小さくなるに伴い(電流密度の増加)、その部分が異常に高温になる。これにより、冷却水通路5d内の冷却水の温度が上昇し、一部が沸騰を始め、冷却水通路5dの上部に水蒸気膜又は水蒸気による空間が生じ、冷却効果の著しく低下した部分を生じる。このような状態でヒーター104への通電を継続させると、一対の導電性金属電極5の冷却水に直接接していない部位の冷却効率が低下し、溶損を起こすと考えられる。導電性金属電極5が溶損すると、冷却水通路5d内の冷却水が水蒸気となり中間電極6を破壊し、チャンバ102内に吹き出て、汚染されることになる。なお、前記のような溶損が生じると、条件によっては水蒸気爆発を引き起こす可能性もある。
【0009】
ここで、径方向の熱膨張差について考察すると、前記おねじ5aおよび前記めねじ6bが互いに螺合して拘束されている状態で、中間電極6の長さが導電性金属電極5の長さよりも長くなろうとすると、導電性金属電極5のおねじ5aによって中間電極のめねじ6bに力が作用し、この力はねじ面垂直分力として作用してねじ高さのモーメントとして、めねじ6bの谷に応力が発生する。また、軸方向の熱膨張差による力もやはりめねじ6bの谷に応力集中が発生する。したがって、上記のようにめねじ6bの谷からクラック8が生じるのである。なお、おねじ5aの複数の山がめねじ6bに均等に接触している場合には、前記ねじ面垂直分力は相互に打ち消し合って、めねじ6bの谷に作用する応力は小さいが、軸方向の膨張差により前記接触が不均一の場合には、前記応力は増大する。
【0010】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、工業炉において、炭素グラファイト製のヒーターの電極部へのクラック発生を未然に防止して、前記電極部に螺合する導電性金属電極の溶損を未然に防止することのできるヒーター電極構造を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、炭素グラファイト製のヒーターの電極部と、冷却水通路を有する導電性金属電極とがねじ結合されてなるヒーター電極構造において、
前記ねじ結合のおねじの谷に溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、他の発明は、ねじのピッチをPとすると、めねじの谷の丸みの半径が0.10825P〜0.14434Pに設定されているとともに、これに対応して、前記おねじの外径が前記めねじの谷と干渉しないように規格よりも小さく設定されているものである。
【0013】
上記請求項1の発明の作用としては、炭素グラファイト製のヒーターの電極部(中間電極)と導電性金属電極とに熱膨張差が生じた場合に、導電性金属電極が撓み易くなるので、ねじ結合におけるおねじの各ねじ山が小さい力でめねじに均等に接触するので、めねじの谷に発生する応力は局所的に増大することはなく、結果的に、クラックが発生しにくくなる。また、おねじの各ねじ山がめねじに均等に接触するので、各接触部において電流が均等に流れるとともに、温度も不均一にならない。
【0014】
請求項2の作用としては、めねじの谷の丸みの半径rは0.10825P(Pはねじのピッチ)以上であるので、めねじの谷の強度が十分に高まるとともに、この谷の応力集中を緩和できる。なお、半径rが増大すると、めねじの谷がおねじに干渉しなように、おねじの外径を規格よりも小さくする必要がある。したがって、前記半径rを0.14434P以下とすることが好ましい。これにより、おねじの外径が極端に小さくなりすぎず、おねじの山とめねじとの接触面積を十分に確保できて、ねじ結合の強度が極端に低下しない。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態例について図面を参照して説明する。
先ず、本発明のヒーター電極構造が適用される単結晶引上装置について説明する。図2は、特開平4−305091号公報に記載されている、CMCZ法(連続チャージ型磁界印加CZ法)を用いたシリコンの単結晶引上装置の一例の概略図である。なお、以下に説明する実施形態では、単結晶引上装置のヒーター電極構造に本発明を適用した例を示すが、これに限らず、本発明は、炭素グラファイト製のヒーターを使用する一般的な工業炉(例えば金属熱処理炉や溶解炉等)ヒーター電極構造にも適用できる。
【0016】
この単結晶引上装置101は、中空の気密容器であるチャンバ(炉)102内に二重ルツボ103、上述したヒーター104(図3参照)、原料供給管105がそれぞれ配置され、前記チャンバ102の外部にマグネット106が配置されている。
【0017】
二重ルツボ103は、略半球状の石英(SiO2)製の外ルツボ111と、該外ルツボ111内に設けられた円筒状の仕切り体である石英(SiO2)製の内ルツボ112とから構成され、該内ルツボ112の側壁には、内ルツボ112と外ルツボ111との間(原料融解領域)と内ルツボ112の内側(結晶成長領域)とを連通する連通孔113が複数個形成されている。
【0018】
この二重ルツボ103は、チャンバ102の中央下部に垂直に立設されたシャフト114上のサセプタ115に載置されており、前記シャフト114の軸線を中心として水平面上で所定の角速度で回転する構成になっている。そして、この二重ルツボ103内には半導体融液(加熱融解された半導体単結晶の原料)121が貯留されている。
【0019】
ほぼ円筒状のヒーター104は、半導体の原料をルツボ内で加熱・融解するとともに生じた半導体融液121を保温するもので、通常、抵抗加熱ヒーターが用いられる。原料供給手段としての原料供給管105は、その下端開口より、所定量の半導体の原料110を外ルツボ111と内ルツボ112との間の半導体融液121面上に連続的に投入するものである。
【0020】
上記の原料供給管105から供給される原料110としては、例えば、多結晶シリコンのインゴットを破砕機等で破砕してフレーク状にしたもの、あるいは、気体原料から熱分解法により粒状に析出させた多結晶シリコンの顆粒が好適に用いられ、必要に応じてホウ素(B)(p型シリコン単結晶を作る場合)やリン(P)(n型シリコン単結晶を作る場合)等のドーパントと呼ばれる添加元素がさらに供給される。
また、ガリウムヒ素(GaAs)の場合も同様で、この場合、添加元素は亜鉛(Zn)もしくはシリコン(Si)等となる。
【0021】
上記の単結晶引上装置101により、内ルツボ112の上方かつ軸線上に配された引上軸124にチャック(不図示)を介して種結晶125を吊下げ、引上軸124をその軸線回りに回転させつつ引上げるとともに、シャフト114を介して二重ルツボ103を上昇させて、半導体融液121上部において種結晶125を核として半導体単結晶126を成長させる。
【0022】
ところで、上記の単結晶引上装置では、特開昭63ー303894号公報に記載されているように、単結晶を成長する前工程において、外ルツボ111に予め多結晶シリコン塊等の多結晶原料を融解させて半導体融液121を貯留し、外ルツボ111の上方に配された内ルツボ112を、外ルツボ111内に載置して、二重ルツボ103を形成している。
【0023】
このように多結晶原料を融解後に二重ルツボ103を形成するのは、多結晶原料を完全に融解して半導体融液121を得るために、ヒーター104によって外ルツボ111内の原料を単結晶成長温度以上の温度まで高温加熱する必要があり、この際に、予め内ルツボ112を外ルツボ111内に形成させていると、内ルツボ112に大きな熱変形が生じてしまうからである。
【0024】
したがって、原料を完全に融解した後、ヒーター104による加熱をある程度弱めてから内ルツボ112を外ルツボ111に形成させることによって、初期原料融解保持時の高温加熱を避け、内ルツボ112の変形を抑制している。
【0025】
また、内ルツボ112に形成された連通孔113は、原料供給時に、半導体融液121を外ルツボ111側から内ルツボ112内にのみ流入させるように一定の開口面積以下に設定されている。この理由は、結晶成長領域から半導体融液121が対流により原料融解領域に戻る現象が生じると単結晶成長における不純物濃度および融液温度等の制御が困難になってしまうためである。
【0026】
次に、本実施形態のヒーター電極構造の特徴部について、図1を参照して説明する。
本実施形態の電極構造は、一例としてM48のメートル並目ねじを改良し、このM48の特殊ねじを、炭素グラファイト製の中間電極6(ヒーター104の電極部)のめねじ6bおよび導電性金属電極(銅電極)5のおねじ5aに採用したものである。
すなわち、M48のメートル並目ねじの基準寸法は、JIS規格によれば以下の通りである。
【0027】
本実施形態のねじの改良点の第1としては、銅電極5のおねじ5aの谷9の全域において溝10が形成されていることである。これにより、銅電極5が撓み易くなるので、おねじ5aの各ねじ山が小さい力でめねじ6bに均等に接触し、めねじ6bの谷11に発生する応力は局所的に増大せず、結果的に、クラックが発生しにくくなる。また、おねじ5aの各ねじ山がめねじ6bに均等に接触するので、各接触部において電流が均等に流れるとともに、温度も不均一にならない。
【0028】
この溝10は、例えばおねじ5aを成形する際に転造により形成したり、あるいは切削加工により形成することができる。なお、溝10の深さFおよび高さhはそれぞれ、1.5mmとなっているが、これに限定されない。なお、前記深さFとは、溝10の奥端とめねじ6bの山12との距離をいう。
【0029】
詳述すると、実験により、溝10の深Fおよび高さhをそれぞれ、1.5〜2mm,1.2〜2mmの範囲内に設定することが好ましいと判明した。すなわち、溝10の深さFが2mmよりも大きいと、図示しない冷却水通路のスペースを確保できなくなり、一方、溝10の深さFが1.5mmよりも小さいと、上記撓み効果を期待できないからである。
また、溝10の高さhが2mmよりも大きいと、おねじ5aのねじ山の総表面積が小さくなって、めねじ6bとの結合力が小さくなり、一方、溝10の高さhが1.2mmよりも小さいと、上記撓み効果を期待できなくなる。
【0030】
本実施形態のねじの改良点の第2としては、炭素グラファイト製の中間電極6のめねじ6bの谷11の丸みの半径rが、0.14434P=0.722に設定されているとともに、これに対応して、おねじ5aの外径がJIS規格の48.0mmより小さく設定され、本例では約46.9(mm)になっている。
詳述すると、めねじ6bの谷11の丸みの径rは、前記谷11がおねじ5aと干渉しないようにするため、一般には0.07217P=0.361mm以下であるが、本例では実験により半径rを0.10825P〜0.14434Pの範囲内に設定することが好ましいと判明した。これに応じて、めねじ6bの谷11がおねじ5aと干渉しないように、おねじ5aの山の頂点とHの基準点との距離aは1.5H/8〜2H/8の範囲に設定され(JIS規格ではH/8)、本例では2H/8を採用し、したがって、おねじ5aの外径は、48.0−2H/8≒46.9(mm)に設定されている。
【0031】
以上のように、本実施形態では、めねじ6bの谷11の丸みの半径rは、0.10825P以上であるので、めねじ6bの谷11の強度が十分に高まるとともに、応力集中を緩和できる。また、前記半径rを0.14434P以下とすることが好ましい。これにより、おねじ5aの外径Dが極端に小さくならず、おねじ5aの山とめねじ6bとの接触面積を十分に確保できて、ねじ結合の強度が極端に低下しない。
【0032】
上記実施形態では、炭素グラファイト製の中間電極6にクラックが発生しにくくなるので、導電性金属電極5から中間電極6への電流供給は、互いに一様に接触した接触面を介して行われて、従来のような電流の局所的な集中が発生しない。したがって、導線性金属電極5内部の冷却水通路内の冷却水の温度が過度に上昇せずに沸騰せず、冷却水通路の上部に水蒸気による空間が生じない。結果的に、導電性金属電極5はその冷却水通路内の冷却水により効率的に冷却され、このような状態でヒーター104(図2参照)への通電を継続させても、導電性金属電極5の溶損が起こらない。このように溶損が起こらないので、冷却水がチャンバ102(図2参照)内に吹き出ず、汚染されないとともに、水蒸気爆発を確実に防止できる。
【0033】
上記実施形態では、中間電極6および導電性金属電極5にそれぞれ互いに螺合するめねじおよびおねじが形成されているが、逆でもよい。この場合、導電性金属電極5の先端部を冷却する手段としては、例えば、導電性金属電極5の先端部の外周面に螺旋状の冷却水通路を形成し、さらに前記先端部にスリーブを被せることが挙げられる。
また、上記実施形態におけるねじ結合としては、メートル並目ねじを適用したが、これに限らず、インチ並目並目ねじやメートル細目ねじを適用してもよい。さらに、ねじの呼びは、本例のようなM48に限らず、ヒーター104(図2参照)の重量やヒーター104に通電する電流値等によって適宜選択する。
そして、CMCZ法の単結晶引上装置を示したが、本発明を他の単結晶製造方法に適用しても構わない。例えば、磁界印加を行わない連続チャージ型CZ法(CCZ法)を採用したり、二重ルツボではなく1つのルツボを備えた単結晶引上装置でもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したとおりに構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、工業炉において、炭素グラファイト製のヒーターの電極部にクラックが発生しにくくなるので、導電性金属電極(例えば銅電極)から発熱体への電流供給は、互いに一様に接触したねじ接触面を介して行われて、従来のような電流の局所的な集中が発生しない。したがって、導電性金属電極内部の冷却水通路内の冷却水の温度が過度に上昇せずに沸騰せず、冷却水通路の上部に水蒸気による空間が生じない。結果的に、導電性金属電極はその冷却水通路内の冷却水により効率的に冷却され、このような状態でヒーターへの通電を継続させても、導電性金属電極の溶損が起こらない。
したがって、本発明を例えば単結晶引上装置に適用すると、導電性金属電極の冷却水がチャンバ内に吹き出ず、汚染されないとともに、水蒸気爆発を確実に防止できる。また、ヒーターを、上記のように溶損しない導電性金属電極により確実に支持できて、ヒーターが崩れない。
【0035】
請求項2に記載の発明は、上記効果の他、めねじの谷の応力集中に対する強度が向上するので、前記クラックの発生をさらに確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒーター電極構造の一実施形態例の縦断面図である。
【図2】特開平4−305091号公報に開示されている、CMCZ法を用いたシリコンの単結晶引上装置の概略断面図である。
【図3】(a),(b)はそれぞれ図2に示したヒーターの一例の平面図、正面図である。
【図4】従来のヒーター電極部の拡大図である。
【符号の説明】
1,2 突出部
1a,2a 貫通孔
3 スリット
4 スリーブ
5 銅電極(導電性金属電極)
5a おねじ
5b フランジ部
5c 本体部
5d 冷却水通路
6 中間電極(発熱体)
6a ねじ部
6b めねじ
7 ナット
8 クラック
9 おねじの谷
10 溝
11 めねじの谷
101 単結晶引上装置
102 チャンバ
102a 底部
103 二重ルツボ
104 ヒーター
105 原料供給管
106 マグネット
110 原料
111 外ルツボ
112 内ルツボ
113 連通孔
114 シャフト
115 サセプタ
121 半導体融液
124 引上軸
125 種結晶
126 半導体単結晶
Claims (2)
- 炭素グラファイト製のヒーター(104)の電極部(6)と、冷却水通路(5d)を有する導電性金属電極(5)とがねじ結合されてなるヒーター電極構造において、
前記ねじ結合のおねじ(5a)の谷(9)に溝(10)が形成されていることを特徴とするヒーター電極構造。 - 請求項1に記載のヒーター電極構造において、
ねじのピッチをPとすると、めねじ(6b)の谷(11)の丸みの半径(r)が0.10825P〜0.14434Pに設定されているとともに、これに対応して、前記おねじ(5a)の外径(D)が前記めねじ(6b)の谷(11)と干渉しないように規格よりも小さく設定されていることを特徴とするヒーター電極構造。
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