JP2007236109A - 電気自動車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機やバッテリのオーバヒートを適切に防止しながら、発進時など車両走行時のドライバビリティを向上することができる電気自動車の制御装置を提供する。
【解決手段】駆動輪16に機械的に接続可能な回転軸を有する電動機6の回転数が所定の第1回転数N1より低いときには、電動機6の回転数に応じて定める駆動トルクの上限値を電動機6の回転数に応じ電動機6の仕様によって定まる短時間定格駆動トルクと略同一とする一方、上記回転数が上記第1回転数N1以上のときには、上記短時間定格駆動トルクよりも低く上記上限値を設定し、上記上限値以下に駆動トルクを制限して電動機6を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動機により駆動輪の駆動及び回生制動を行うようにした電気自動車の制御装置に関する。
従来より、電動機により駆動輪の駆動及び回生制動を行うようにした電気自動車が知られており、近年ではより実用性を向上させるため、更にエンジンを電動機と組み合わせて車両に搭載し、エンジンの駆動力と電動機の駆動力とをそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能としたハイブリッド電気自動車が開発され実用化されている。このようなハイブリッド電気自動車は、例えば特許文献1などによって提案されている。
特許文献1に示されるようなハイブリッド電気自動車においては、車両発進時にはクラッチを切断してバッテリからの電力供給により電動機をモータ作動させ、電動機の駆動力のみで車両を発進させる一方、発進後の車両走行時にはクラッチを接続してエンジンの駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達される。
そして、エンジンの駆動力により車両が走行しているときには、車両の走行に必要なトルクをエンジンと電動機とに適切に配分し、電動機をモータ作動させて駆動力を補助し、車両減速時には電動機を発電機作動させて回生制動力を発生させ、制動エネルギを電力に変換してバッテリを充電するようにしている。
特許文献1のハイブリッド電気自動車のようにエンジンと電動機とを両方備えたものに限らず、電気自動車全般(以下総称して電気自動車という)においては、搭載される電動機の仕様によって、その電動機が発生可能な最大トルクが定められている。この電動機の仕様によって定まる最大トルクには、その電動機が短時間(例えば1分間)の間で発生可能な最大のトルクを示す短時間定格トルクと、連続使用しても規定温度を超えずに運転可能な最大のトルクを示す連続定格トルクとがある。そして、これらの定格トルクはそれぞれ、電動機がモータとして作動する駆動側と、発電機として作動する回生制動側との両方にそれぞれ設定されている。
電動機のトルクは、駆動トルクが正の値によって表され、回生制動トルクが負の値によって表され、最大回生制動トルクという場合にはその絶対値が最大であることを示している。そして、電動機の仕様によって定まる定格駆動トルクと定格回生制動トルクとの関係は、図3に実線で示すように0N・mのトルクを境にして、ほぼ対称な特性を有するようになっている。
電気自動車において電動機を制御する場合には、このような短時間定格トルク(駆動及び回生制動)まで電動機にトルクを発生させると、電動機や電動機に電力を供給するバッテリがオーバヒートするおそれがあるため、通常は、連続定格駆動トルク及び連続定格回生制動トルク(以下それぞれを単に定格駆動トルク及び定格回生制動トルクという)を定め、これら定格駆動トルク及び定格回生制動トルクの範囲内で電動機を制御するようにしている。なお、定格駆動トルク及び定格回生制動トルクは、その絶対値が短時間定格トルクと比べて30〜50%程度の所定割合に低減した値になっているのが通常である。
このような定格駆動トルク及び定格回生制動トルクも、図3に破線で示すように0N・mのトルクを境にして、ほぼ対称な特性を有している。
特開平5−176405号公報
ところが、このように定格駆動トルクに従って電動機の上限値を設定してしまうと、電気自動車を発進させる際に駆動トルクが不足し、十分な発進加速性を得ることができなくなるおそれがある。また、車両発進時に十分な駆動トルクを確保したり回生制動時に燃費向上が十分可能な回生制動トルクを確保したりすることができるように電動機を大型化した場合には、電動機の重量や搭載スペースが増大してしまうという問題がある。
特に、特許文献1のハイブリッド電気自動車のように、車両発進時には電動機のみで駆動するようにして、通常走行時にはエンジンの駆動トルクと電動機の駆動トルクとを併用するようにした場合には、電動機の駆動トルクが定格トルク以下に制限されることによって、特に発進時に十分な発進性を確保することができなくなる可能性が高い。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動機やバッテリのオーバヒートを適切に防止しながら、発進時など車両走行時のドライバビリティを向上することができる電気自動車の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の電気自動車の制御装置は、駆動輪に機械的に接続可能な回転軸を有する電動機と、上記電動機を制御して上記電動機に駆動トルク及び回生制動トルクを発生させることにより、上記駆動輪の駆動及び制動を行う制御手段とを備えた電気自動車の制御装置において、上記電動機の回転数を検出する回転数検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記回転数検出手段によって検出された上記回転数が所定の第1回転数より低いときには、上記電動機の回転数に応じて定める上記駆動トルクの上限値を上記電動機の回転数に応じ上記電動機の仕様によって定まる短時間定格駆動トルクと略同一とする一方、上記回転数が上記第1回転数以上のときには、上記短時間定格駆動トルクよりも低く上記上限値を設定し、上記上限値以下に駆動トルクを制限して上記電動機を制御することを特徴とする(請求項1)。
このように構成された電気自動車の制御装置によれば、回転数検出手段によって検出された電動機の回転数が所定の第1回転数より低いときには、制御手段が電動機の回転数に応じて定める駆動トルクの上限値を電動機の回転数に応じ電動機の仕様によって定まる短時間定格駆動トルクと略同一とする一方、上記回転数が上記第1回転数以上のときには、上記短時間定格駆動トルクよりも低く上記上限値を設定し、上記上限値以下に駆動トルクを制限して電動機を制御する。
また、上記電気自動車の制御装置において、上記制御手段は、上記回転数検出手段によって検出された上記電動機の回転数が上記第1回転数より高い所定の第2回転数以上のときには、上記電動機の回転数に応じ上記電動機の仕様によって定まる連続定格駆動トルクよりも低く上記上限値を設定することを特徴とする(請求項2)。
このように構成された電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、電動機の回転数が上記第1回転数より高い所定の第2回転数以上のときには、電動機の回転数に応じ電動機の仕様によって定まる連続定格駆動トルクよりも低く駆動トルクの上限値を設定し、上記上限値以下に駆動トルクを制限して電動機を制御する。
更に、上述のいずれかの電気自動車の制御装置において、上記制御手段は、上記回転数検出手段によって検出された上記回転数が上記第1回転数以上のときには、上記電動機の回転数に応じて定める上記電動機の上限出力が一定となるように、上記上限値を設定することを特徴とする(請求項3)。
このように構成された電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、回転数検出手段によって検出された電動機の回転数が上記第1回転数以上のときには、電動機の回転数に応じて定める電動機の上限出力が一定となるように駆動トルクの上限値を設定し、上記上限値以下に駆動トルクを制限して電動機を制御する。
更にまた、上述のいずれかの電気自動車の制御装置において、上記制御手段は、上記電動機の回転数に応じて定める上記回生制動トルクの絶対値の上限値を、上記回転数に応じ上記電動機の仕様によって定まる短時間定格回生制動トルクの絶対値と略同一とし、上記回生制動トルクの絶対値の上限値以下となるように回生制動トルクの絶対値を制限して上記電動機を制御することを特徴とする(請求項4)。
このように構成された電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、電動機の回転数に応じて定める回生制動トルクの絶対値の上限値を、回転数に応じ電動機の仕様によって定まる短時間定格回生制動トルクの絶対値と略同一とし、電動機により回生制動を行う際には上記回生制動トルクの絶対値の上限値以下に回生制動トルクの絶対値を制限して電動機を制御する。
更に、上述のいずれかの電気自動車の制御装置において、上記駆動輪に駆動力を伝達可能なエンジンを更に備え、上記制御手段は、車両発進時には専ら上記電動機の駆動トルクを上記駆動輪に伝達し、上記電動機の回転数が上記エンジンのアイドル回転数近傍に達した後は上記エンジンと上記電動機との両方から上記駆動輪への駆動トルクの伝達を可能とするものであって、上記第1回転数は上記エンジンのアイドル回転数近傍に設定されていることを特徴とする(請求項5)。
このように構成された電気自動車の制御装置によれば、制御手段は、車両発進時には専ら電動機の駆動トルクを駆動輪に伝達して車両の発進を行うと共に、電動機の回転数がエンジンのアイドル回転数近傍に達した後はエンジンと電動機との両方から駆動輪への駆動トルクの伝達を可能とすることによって、エンジンでも駆動輪の駆動を可能とする。
そして、電動機の駆動トルクのみが駆動輪に伝達可能な状態で、電動機の回転数がエンジンのアイドル回転数近傍に設定された第1回転数に達するまで間は、電動機の回転数に応じ電動機の仕様によって定まる短時間定格駆動トルクと略同一の上限値以下となるように駆動トルクが制限されて制御手段による電動機の制御が行われる。
また、電動機の回転数が上記第1回転数に達し、エンジン及び電動機の両方により駆動輪に駆動トルクを伝達可能な状態では、上記短時間定格駆動トルクよりも低く設定された上限値以下に駆動トルクを制限して制御手段による電動機の制御が行われる。
本発明の電気自動車の制御装置によれば、車両発進時などのように電動機の回転数が比較的低い場合には、電動機の回転数に応じ電動機の仕様によって定まる短時間定格駆動トルクと略同一の上限値まで、電動機に駆動トルクを発生させることができるので、車両の発進加速時に十分な駆動トルクを確保し、車両の発進加速性を向上させることができる。
また、このとき電動機に短時間定格駆動トルク近傍まで駆動トルクを発生可能とすることにより、電動機の回転数は速やかに上昇して第1回転数に達し、その後に電動機の回転数が第1回転数以上の状態では短時間定格駆動トルクより低い値に駆動トルクが制限される。従って、長時間にわたって電動機の駆動トルクが短時間定格トルク近傍にあり続けるようなことはなく、電動機やバッテリのオーバヒートの発生を良好に防止することができる。
また、請求項2の電気自動車の制御装置によれば、電動機の回転数が上記第1回転数より高い所定の第2回転数以上のときには、電動機の回転数に応じ電動機の仕様によって定まる連続定格駆動トルクよりも低く設定された駆動トルクの上限値以下に電動機の駆動トルクが制限される。このため、低回転数領域ほどは電動機の駆動トルクを必要とする可能性の少ない比較的回転数が高い運転領域では、車両の運転性能を大きく損なうことなく電動機の駆動トルクを低く抑え、より一層効果的に電動機やバッテリのオーバヒートを防止することが可能となる。
更に、請求項3の電気自動車の制御装置によれば、電動機の回転数が上記第1回転数以上のときには、電動機の回転数に応じて定める電動機の上限出力が一定となるように駆動トルクの上限値を設定し、上記上限値以下に駆動トルクを制限して電動機を制御する。このため、電動機の回転数に応じて駆動トルクの上限値を複雑に演算設定しながら制御を行う必要がなくなって制御を簡素化してすることが可能となり、制御の応答性や制御効率を向上することができる。
更にまた、請求項4の電気自動車の制御装置によれば、電動機により回生制動を行う際には、回転数に応じ電動機の仕様によって定まる短時間定格回生制動トルクの絶対値と略同一に設定された上限値以下となるように回生制動トルクの絶対値を制限して電動機が制御される。このため、電動機による回生制動を短時間定格回生制動トルク近傍まで行うことが可能となり、車両減速時のエネルギ回収を最大限行うことによって、駆動トルクと同様に回生制動トルクを制限するような場合に比較して、エネルギ効率を向上させ燃費を向上させることができる。更に、回生制動トルクの絶対値が大きいほどハイブリッド電気自動車は速やかに停止に向かうので、長時間にわたって短時間定格回生制動トルクが出力され続けることは希であり、電動機のオーバヒートを回避しながら燃費を向上させることができる。
更に、請求項5の電気自動車の制御装置によれば、電気自動車が、車両発進時には電動機のみで駆動輪の駆動を行い、電動機の回転数がエンジンのアイドル回転数近傍に達した後はエンジンと駆動輪との双方により駆動輪を駆動可能とするようなハイブリッド電気自動車となっている。そして、車両発進時に電動機の駆動トルクのみが駆動輪に伝達される状態では、電動機の短時間定格駆動トルクと略同一の上限値以下となるように駆動トルクが制限されて制御手段による電動機の制御が行われるので、車両の発進加速時に十分な駆動トルクを電動機に発生させ、車両の発進加速性を向上させることができる。
また、電動機の回転数がエンジンのアイドル回転数近傍に設定された第1回転数に達して、エンジン及び電動機の両方により駆動輪に駆動トルクを伝達可能な状態では、上記短時間定格駆動トルクよりも低く設定された上限値以下に駆動トルクを制限して制御手段による電動機の制御が行われる。この場合には、エンジンの駆動トルクを駆動輪に伝達することが可能であることから、短時間定格駆動トルクより低く設定された上限値以下に電動機の駆動トルクが制限されても、車両のドライバビリティへの影響をより一層抑えることが可能となると共に、電動機のオーバヒートの発生もより確実に防止することが可能となる。
更に、このようなハイブリッド電気自動車において、電動機によってエンジンを始動するようにした場合には、電動機の駆動トルクを最大限発生させることができるため、確実にエンジンを始動することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド電気自動車(電気自動車)1の制御装置の要部構成図である。ディーゼルエンジンであるエンジン2の出力軸にはクラッチ4の入力軸が連結されており、クラッチ4の出力軸は永久磁石式同期電動機(以下電動機という)6の回転軸を介して自動変速機(以下変速機という)8の入力軸が連結されている。また、変速機8の出力軸はプロペラシャフト10、差動装置12及び駆動軸14を介して左右の駆動輪16に接続されている。
従って、クラッチ4が接続されているときには、エンジン2の出力軸と電動機6の回転軸の両方が駆動輪16と機械的に接続され、クラッチ4が切断されているときには電動機6の回転軸のみが駆動輪16と機械的に接続された状態となる。
電動機6は、バッテリ18に蓄えられた直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて供給されることによりモータとして作動し、その駆動トルクが変速機8によって適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。また、車両減速時には、電動機6が発電機として作動し、駆動輪16の回転による運動エネルギが変速機8を介し電動機6に伝達されて交流電力に変換されることにより回生制動トルクを発生する。そして、この交流電力はインバータ20によって直流電力に変換された後、バッテリ18に充電され、駆動輪16の回転による運動エネルギが電気エネルギとして回収される。
一方、エンジン2の駆動トルクは、クラッチ4が接続されているときに電動機6の回転軸を経由して変速機8に伝達され、適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。従って、エンジン2の駆動トルクが駆動輪16に伝達されているときに電動機6がモータとして作動する場合には、エンジン2の駆動トルクと電動機6の駆動トルクとがそれぞれ駆動輪16に伝達されることになる。即ち、車両の駆動のために駆動輪16に伝達されるべき駆動トルクの一部がエンジン2から供給されると共に、残部が電動機6から供給される。
また、バッテリ18の充電率(以下SOCという)が低下してバッテリ18を充電する必要があるときには、電動機6が発電機として作動すると共に、エンジン2の駆動力の一部を用いて電動機6を駆動することにより発電が行われ、発電された交流電力をインバータ20によって直流電力に変換した後にバッテリ18に充電するようにしている。
車両ECU22(制御手段)は、車両やエンジン2の運転状態、及びエンジンECU24、インバータECU26並びにバッテリECU28からの情報などに応じて、クラッチ4の接続・切断制御及び変速機8の変速段切換制御を行うと共に、これらの制御状態や車両の発進、加速、減速など様々な運転状態に合わせてエンジン2や電動機6を適切に運転するための統合制御を行う。
そして車両ECU22は、このような制御を行う際に、アクセルペダル30の踏込量を検出するアクセル開度センサ32や、車両の走行速度を検出する車速センサ34及び電動機6の回転数を検出する回転数センサ(回転数検出手段)36の検出結果に基づき、車両の運転者が要求する総駆動トルク又は総制動トルクを演算し、これら総駆動トルク及び総制動トルクから、電動機6が発生するトルクを設定している。なお、電動機6が発生するトルクは、電動機6をモータとして作動させる駆動トルクの場合には正の値となり、発電機として作動させる回生制動トルクの場合には負の値となるが、以下の説明においては回生制動側のトルクについては、特に正負について触れない限り便宜上その絶対値について説明するものとする。
エンジンECU24は、エンジン2の始動・停止制御やアイドル制御、或いは排ガス浄化装置(図示せず)の再生制御など、エンジン2自体の運転に必要な各種制御を行うと共に、車両ECU22によって設定されたエンジン2に必要とされるトルクをエンジン2が発生するよう、エンジン2の燃料の噴射量や噴射時期などを制御する。
一方、インバータECU26は、車両ECU22によって設定された電動機6が発生すべきトルクに基づきインバータ20を制御することにより、電動機6をモータ作動または発電機作動させて運転制御する。
また、バッテリECU(充電率検出手段)28は、バッテリ18の温度や、バッテリ18の電圧、インバータ20とバッテリ18との間に流れる電流などを検出すると共に、これらの検出結果からバッテリ18のSOCを求め、求めたSOCを検出結果と共に車両ECU22に送っている。
ところで電動機6には、その仕様により短時間(例えば1分間)の間で発生可能な最大駆動トルク(短時間定格駆動トルク)及び最大回生制動トルク(短時間定格回生制動トルク)と、連続的に運転できる最大トルクによって求まる連続定格駆動トルク及び連続定格回生制動トルクとが電動機6の回転数に応じて定められている。図2はこれらの定格トルクと電動機6の回転数との関係を下段のグラフによって示すと共に、これに対応して定まる電動機6の駆動側の短時間定格出力と電動機6の回転数との関係を上段のグラフによって示すものである。
図2に示すように短時間定格駆動トルクは下段のグラフ中に一点鎖線で示されており、短時間定格回生制動トルクは負の値を有することから0N・mのトルクを境にして、短時間定格駆動トルクとほぼ対称となるように回生側に実線で示されている。
短時間定格駆動トルク及び短時間定格回生制動トルクは電動機6の回転数がN3(例えば1500rpm)より低い領域ではほぼ一定となっており、これに対応して電動機6の駆動側の短時間定格出力は、電動機6の回転数に比例して増大するようになっている。また、電動機6の回転数がN3以上の領域では、電動機6の駆動側の短時間定格出力が一定のPmとなるようになっており、これに対応して短時間定格駆動トルクは電動機6の回転数の増大と共に徐々に減少するように設定されている。
また、連続定格駆動トルクは、電動機6を連続的に運転し続けても電動機6やバッテリ18がオーバヒートしない駆動トルクの最大値を、電動機6の回転数に応じて設定したものであり、図2の下段グラフの駆動側に二点鎖線で示すように、電動機6の回転数がN3より低い領域ではほぼ一定となり、電動機6の回転数がN3以上の領域では短時間定格駆動トルクと同様に電動機6の回転数増大と共に出力一定で徐々に減少するようになっている。従って、図2には示していないが、連続定格出力は電動機6の回転数の全域にわたり短時間定格出力に対して所定割合(例えば50%)低減したものとなっている。
これらの定格駆動トルクに対し、実際に電動機6を運転制御する際の駆動トルクの上限値である上限駆動トルクが設定され、この上限駆動トルクを図2の下段グラフ中の駆動側に実線で示す。この上限駆動トルクは、図2に示すように電動機6の回転数が、エンジン2のアイドル回転数(例えば600rpm)とほぼ等しく設定されたN1(第1回転数)より低い領域では、短時間定格駆動トルクと等しくほぼ一定の値となっており、これに対応した電動機6の上限出力は電動機6の回転数に比例して増大する。
一方、電動機6の回転数がN1以上となる領域では、電動機6の駆動側の上限出力が、図2に示すように短時間定格出力Pmより小さい一定のPrとなるようになっており、これに対応して上限駆動トルクは電動機6の回転数の増大と共に徐々に減少するように設定されている。
また、電動機6の駆動側の短時間定格出力Pmに対する上限出力Prの割合は、短時間定格出力に対する連続定格出力の割合よりも小さい割合(例えば40%)となっている。このため、電動機6の回転数がN1を超えると、図2の下段グラフに示すように電動機6の回転数がN1より高いN2(第2回転数)に達するまでの間は上限駆動トルクの方が連続定格駆動トルクを上回っているが、電動機6の回転数がN2以上になると上限駆動トルクが連続定格駆動トルクを下回るようになっている。
このように、電動機6の駆動側には短時間定格駆動トルクとは必ずしも一致しない上限駆動トルクが定められているが、図2の下段グラフに示すように、回生側においては短時間定格回生制動トルクが回生制動トルクの上限値となるように上限回生制動トルクが設定されている。
車両ECU22は、このようにして設定された上限駆動トルク及び上限回生制動トルクを予めマップに記憶しており、回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数に対応する上限駆動トルク及び上限回生制動トルクをこのマップから読み出し、電動機6の駆動トルク及び回生制動トルクがこれら上限駆動トルク及び上限回生制動トルクを超えることがないように制限を加えながら各種制御を行う。この車両ECU22を中心として、車両を走行させるために行われる制御について以下に説明する。
まず、車両が停車状態にあってエンジン2が停止していて、チェンジレバー(図示せず)がニュートラル位置にあるときに運転者がスタータスイッチ(図示せず)によってエンジン2を始動する操作を行うと、車両ECU22は変速機8がニュートラル位置となって電動機6と駆動輪16との機械的な接続が遮断されていると共にクラッチ4が接続されていることを確認した後、インバータECU26に対してエンジン2の始動に必要な電動機6の駆動トルクを指示すると共に、エンジンECU24にエンジン2を運転するよう指示する。
インバータECU26は車両ECU22からの指示に基づき、電動機6をモータ作動させて駆動トルクを発生させ、エンジン2をクランキングし、エンジンECU24がエンジン2に燃料を供給することによりエンジン2が始動する。エンジン2の始動完了後は、車両ECU22がクラッチ4を切断し、エンジン2はアイドル運転を行う。
このようにしてエンジン2を始動する際に、車両ECU22は、マップから読み出した上限トルク以下となるようにインバータECU26に指示する電動機6の駆動トルクを制限するが、電動機6は停止状態にあることから、図2に示すように回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数に応じてマップから読み出される上限駆動トルクは、短時間定格駆動トルクに等しい値となっている。このため、エンジン2を始動する際には、エンジン2のクランキングに電動機6の最大限の駆動トルクを用いることが可能となり、エンジン2を確実に始動することができる。
上述したようにしてエンジン2を始動した後、車両が停止状態にあるときには、クラッチ4が切断されており、エンジン2はアイドル運転状態にある。そして、運転者がアクセルペダル30を踏み込むと、アクセル開度センサ32によって検出されたアクセルペダル30の踏込量に応じ、車両を発進させるために必要な電動機6の駆動トルクを車両ECU22が設定する。また、車両ECU22は回転数センサ36が検出した電動機6の回転数に対応した上限駆動トルクをマップから読み出し、この上限駆動トルクを超えることがないように制限を加えながら駆動トルクの設定を行う。このときの電動機6の回転数は、車両発進時であることからエンジン2のアイドル回転数近傍に設定されたN1より低く、使用される上限駆動トルクは、図2に示すように短時間定格駆動トルクに等しくほぼ一定の値となっている。
インバータECU26は、車両ECU22が設定したトルクに応じてインバータ20を制御し、バッテリ18の直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて電動機6に供給される。電動機6は交流電力が供給されることによってモータ作動して駆動力を発生し、電動機6の駆動力は変速機8を介して駆動輪16に伝達され、車両が発進する。
このように、車両発進時には運転効率のあまり良くないエンジン2を使用せずに、専ら電動機6の駆動力により車両を発進させ、車両を効率良く発進加速できるようにしているが、このときの電動機6の駆動トルクは、短時間定格駆動トルクと等しく設定されている上限駆動トルクまで発生可能である。従って、アクセルペダル30の踏込量が大きく、運転者が車両を迅速に発進加速したい場合であっても、そのような要求に応えて十分な駆動トルクを電動機6に発生させ、車両をスムーズかつ迅速に発進加速することができ、良好なドライバビリティを実現することができる。
車両が発進加速して電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数の近傍まで上昇すると、車両ECU22はクラッチ4を接続すると共に、更なる車両の加速及びその後の走行に必要な総駆動トルクを、アクセル開度センサ32によって検出されたアクセルペダル30の踏込量と車速センサ34によって検出された車両の走行速度とに基づいて求める。そして、この総駆動トルクを車両の運転状態に応じてエンジン2側と電動機6側に適切に振り分け、エンジン2が発生すべきトルクをエンジンECU24に指示すると共に、電動機6が発生すべき駆動トルクをインバータECU26に指示する。
このとき車両ECU22は、回転数センサ36によって検出された電動機6の回転数に応じてマップから読み出した上限駆動トルク以下となるように、インバータECU26に指示する電動機6の駆動トルクを制限するが、電動機6の回転数が上昇してエンジン2のアイドル回転数の近傍(N1)以上となった状態では、図2に示すように上限駆動トルクは電動機6の回転数の上昇に伴って減少し、短時間定格駆動トルクより小さい値となるようになっている。
従って、車両が発進加速して電動機6の回転数がN1に達するまでの短い時間の間だけ電動機6の駆動トルクが短時間定格駆動トルクまで出力可能となり、その後は短時間定格駆動トルクより小さい上限駆動トルク以下に制限されるので、電動機6やバッテリ18がオーバーヒートするようなことがない。
また、電動機6の回転数がN1に達するのとほぼ同時期にクラッチ4が接続され、エンジン2の駆動トルクが駆動輪に伝達可能となるため、上限駆動トルクが短時間定格駆動トルクより小さい値となって電動機6の駆動トルクが制限されても、エンジン2により駆動トルクが駆動輪16に伝達されるので、その後の車両の走行に必要な駆動トルクが不足するようなことがなく、引き続き良好なドライバビリティを維持することができる。
更に、電動機6の回転数がN1に達した後は、前述したように電動機6の上限出力が一定となるように上限駆動トルクが設定されているので、上限駆動トルクを複雑に演算設定しながら制御を行う必要がなくなって制御を簡素化してすることが可能となり、制御の応答性や制御効率を向上することができる。
エンジンECU24及びインバータECU26は車両ECU22が設定した駆動トルクを受けて、エンジン2及び電動機6をそれぞれ制御し、エンジン2及び電動機6が発生した駆動トルクが変速機8を介して駆動輪16に伝達され車両が走行する。また、このとき車両ECU22は車両の運転状態に応じ、変速機8の変速段を適宜切換制御すると共に、変速段の切り換えに合わせてエンジン2や電動機6のトルクを適切に制御するよう、エンジンECU24及びインバータECU26に対して指示している。
通常、電動機6の回転数、即ちエンジン2の回転数がアイドル回転数からある程度上昇した状態での車両走行中には、比較的広い範囲の運転領域においてエンジン2を高効率で運転可能である。特にディーゼルエンジンの場合にはガソリンエンジンよりも比較的広範囲にわたって高効率運転が可能であることが一般的である。従って、このような状態ではエンジン2の運動エネルギの一部を電気エネルギに変換した後に車両を駆動するよりも、エンジン2の運動エネルギで直接車両を駆動するようにした方が効率的であるため、総駆動トルクのうちのできるだけ多くの部分をエンジン2の駆動トルクで賄い、不足する分を電動機6の駆動トルクによって補うように車両ECU22が電動機6の駆動トルクを設定している。
一方、車両ECU22がマップに記憶している上限駆動トルクは、図2に示すように電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数近傍に設定されたN1以上となった後に電動機6の回転数の増加と共に徐々に減少し、電動機6の回転数がN1より高いN2(例えば1000rpm)以上となった場合には、電動機6の連続定格駆動トルクより低い値となるようになっている。
電動機6の回転数、即ちエンジン2の回転数がこのN2より高い領域では、上述したようにエンジン2を高効率で運転することが可能であって電動機6の駆動トルクを低回転域ほど大きく確保する必要がない上、低回転域ほど大きな総駆動トルクを必要としないことから、このように連続定格駆動トルクより小さい値の上限トルクによって電動機6の駆動トルクを制限するようにしても、車両の運転性能を損なうことはなく、より一層効果的に電動機6やバッテリ18のオーバヒートを防止することが可能となると共に、燃費を向上させることができる。
次に、車両を減速させる場合、車両ECU22は車両の運転状態に基づき車両が発生すべき総制動トルクを求め、この総制動トルクに基づいて、電動機6が発生すべき制動トルク、即ち回生制動トルクを求める。そして車両ECU22はこの回生制動トルクを電動機6から発生するようにインバータECU26に指示する。これを受けて、インバータECU26はインバータ20を制御して電動機6を発電機作動させる。
電動機6の発電機作動により、駆動輪16の回転による運動エネルギが変速機8を介し電動機6に伝達されて交流電力に変換され、車両ECU22が指示した回生制動トルクが電動機6によって発生する。電動機6によって得られた交流電力はインバータ20を介して直流電力に変換されてバッテリ18に充電され、駆動輪16の回転による運動エネルギが電気エネルギとして回収される。
このようにして車両ECU22が電動機6の回生制動力を設定する際には、回転数センサ36が検出した電動機6の回転数に応じた上限回生制動トルクをマップから読み出し、この上限回生制動トルクを超えることがないように制限を加えながら回生制動トルクの設定を行う。
この上限回生制動トルクは前述したように電動機6の短時間定格回生制動トルクと等しい値となっている。このため電動機6による回生制動を短時間定格回生制動トルクが発生するまで行うことが可能となり、車両減速時のエネルギ回収を最大限行うことによって、駆動トルクの場合と同様に回生制動トルクを短時間定格回生制動トルクよりも小さな値に制限するようにした場合に比較して、エネルギ効率を向上させ燃費を向上させることができる。
なお、短時間定格回生制動トルク近傍まで回生制動トルクを発生させるような回生制動が長時間継続することは、例えば急な下り坂を長時間継続して走行する場合などに限られるため比較的少なく、このように回生制動トルクの絶対値の上限値を短時間定格回生制動トルクの絶対値近傍に設定しても、電動機6やバッテリ18がオーバヒートすることはほとんどない。
車両ECU22は、このような車両の減速に合わせて変速機8の変速段を適宜切換制御し、電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数の近傍まで低下するとクラッチ4を切断すると共に、エンジン2をアイドル運転するようエンジンECU24に指示する。そしてクラッチ4の切断後は、電動機6の回生制動力のみがブレーキ装置による制動力と共に駆動輪に作用し、車両が停止する。
以上のように、エンジン2を始動する際には、電動機6の上限駆動トルクが短時間定格駆動トルクと等しく設定されているため、エンジン2のクランキングに電動機6の最大限の駆動トルクを用いることが可能となり、エンジン2を確実に始動することができる。
また、車両を発進加速させる際にも、電動機6の回転数がN1に達するまでの間は電動機6の上限駆動トルクが短時間定格駆動トルクと等しく設定されているため、電動機6の駆動トルクを短時間定格駆動トルクまで発生可能となり、アクセルペダル30の踏込量が大きく、運転者が車両を迅速に発進加速したい場合であっても、そのような要求に応えて十分な駆動トルクを電動機6に発生させ、車両をスムーズかつ迅速に発進加速することができ、良好なドライバビリティを実現することができる。
更に、電動機6の回転数がN1以上となった状態では、上限駆動トルクは電動機6の回転数の上昇に伴って減少し、短時間定格駆動トルクより小さい値となるようになっているので、車両が発進加速して電動機6の回転数がN1に達するまでの短い時間の間だけ電動機6の駆動トルクが短時間定格駆動トルクまで出力可能となり、その後は短時間定格駆動トルクより小さい上限駆動トルク以下に制限されることにより、電動機6やバッテリ18のオーバーヒートが防止される。
特に、エンジン2を組み合わせたハイブリッド車である上記実施形態の場合には、電動機6の回転数がエンジン2のアイドル回転数近傍のN1に達するのとほぼ同時期にクラッチ4が接続され、エンジン2の駆動トルクが駆動輪に伝達可能となるため、上限駆動トルクが短時間定格駆動トルクより小さい値となって電動機6の駆動トルクが制限されても、エンジン2による駆動トルクが駆動輪16に伝達可能となるので、車両の走行に必要な駆動トルクが不足するようなことがなく、引き続き良好なドライバビリティを維持することができる。
更にまた、上限駆動トルクは、電動機6の回転数がN1以上となった後に電動機6の回転数の増加と共に徐々に減少し、電動機6の回転数がN1より高いN2以上となった場合には、電動機6の連続定格駆動トルクより低い値となるようになっているが、このようにN2より高い回転域では低回転域ほど大きな総駆動トルクを必要としないことから、このように連続定格駆動トルクより小さい値の上限トルクによって電動機6の駆動トルクを制限するようにしても、車両の運転性能を損なうことはなく、より一層効果的に電動機6やバッテリ18のオーバヒートを防止することが可能となる。
特に、エンジン2を組み合わせたハイブリッド電気自動車である上記実施形態の場合には、エンジン2の回転数が高い領域でエンジン2を比較的高効率で運転することが可能であって、電動機6の駆動トルクを低回転域ほど大きく確保する必要がないことから、このように連続定格駆動トルクより小さい値の上限トルクによって電動機6の駆動トルクを制限することにより、効果的に電動機6やバッテリ18のオーバヒートを防止することが可能であるばかりでなく、燃費を向上させることができる。
また、車両を減速する際には、上限回生制動トルクが電動機6の短時間定格回生制動トルクと等しい値となっているため、電動機6による回生制動を短時間定格回生制動トルクが発生するまで行うことが可能となり、車両減速時のエネルギ回収を最大限行うことによってエネルギ効率を向上させ燃費を向上させることができる。
以上で本発明の一実施形態に係る電気自動車の制御装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態ではエンジン2を組み合わせたハイブリッド電気自動車に本発明を適用したが、エンジンを有さず電動機のみで車両の駆動及び回生制動を行うようにした電気自動車にも適用することが可能である。
このような電気自動車においても、上記実施形態と同様に、車両を発進加速させる際には十分な駆動トルクを電動機に発生させ、車両をスムーズかつ迅速に発進加速することができ、良好なドライバビリティを実現することができる。
また、電動機の回転数がN1以上となった状態では、短時間定格駆動トルクより小さい上限駆動トルク以下に電動機の駆動トルクを制限し、電動機やバッテリのオーバーヒートを確実に防止することができる。
また、電動機の回転数がN1より高いN2以上となった場合には、上限駆動トルクを、電動機の連続定格駆動トルクより低くすることによって、より一層効果的に電動機やバッテリのオーバヒートを防止することが可能となる。
更に、車両を減速する際には、上限回生制動トルクが電動機の短時間定格回生制動トルクと等しい値とすることにより、車両減速時のエネルギ回収を最大限行ってエネルギ効率を向上させることができる。
また、上記実施形態のように本発明をハイブリッド電気自動車に適用する場合には、上記実施形態のように、電動機をクラッチと変速機との間に配置するものに限られるものではなく、電動機の駆動力が駆動輪に伝達可能であればよい。
更に、上記実施形態では電動機6の回転数の全域にわたり短時間定格駆動トルクに対する連続定格駆動トルクの比率が一定の電動機を使用したが、そのような電動機に限られるものではなく、電動機6の回転数領域毎に短時間定格トルクと連続定格との比率が異なる電動機を使用してもよい。
また、上記実施形態において、電動機6の回転数がN1以上の場合の駆動側の上限出力は一定としたが、これに限られるものではなく、電動機6の回転数がN1以上の領域で短時間定格駆動トルクに対して上限駆動トルクが小さくなっていればよく、好ましくはN1より高いN2以上の領域で連続定格駆動トルクより小さくなるようになっていればよい。
更に、上記実施形態では、電動機6の回転数がN1より低い場合に上限駆動トルクを短時間定格駆動トルクと等しく設定するようにしたが、必ずしも完全に一致させる必要はなく、短時間定格駆動トルクにほぼ等しくなるように設定すれば同様の効果を得ることが可能である。また、上限回生制動トルクについても、電動機6の回転数がN3より低い場合に短時間定格回生制動トルクと等しく設定するようにしたが、必ずしも完全に一致させる必要はなく、短時間定格回生制動トルクにほぼ等しくなるように設定すれば同様の効果を得ることが可能である。
なお、上記実施形態では、エンジン2をディーゼルエンジンとしたが、エンジン形式はこれに限られるものではなく、ガソリンエンジンなどでも良い。
また、上記実施形態において、変速機8は自動変速機としたが変速機の形式もこれに限られるものではなく手動式の変速機などでも良い。
本発明の一実施形態に係る電気自動車の制御装置の全体構成図である。 図1の制御装置で使用される上限駆動トルク及び上限回生制動トルクと電動機の回転数との関係、並びに駆動側の上限出力と電動機の回転数との関係を示すグラフである。 従来の電気自動車の制御装置における短時間定格駆動トルク、短時間定格回生制動トルク、連続定格駆動トルク、及び連続定格回生制動トルクの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ハイブリッド電気自動車(電気自動車)
2 エンジン
6 電動機
16 駆動輪
22 車両ECU(制御手段)
36 回転数センサ(回転数検出手段)

Claims (5)

  1. 駆動輪に機械的に接続可能な回転軸を有する電動機と、上記電動機を制御して上記電動機に駆動トルク及び回生制動トルクを発生させることにより、上記駆動輪の駆動及び制動を行う制御手段とを備えた電気自動車の制御装置において、
    上記電動機の回転数を検出する回転数検出手段を更に備え、
    上記制御手段は、上記回転数検出手段によって検出された上記回転数が所定の第1回転数より低いときには、上記電動機の回転数に応じて定める上記駆動トルクの上限値を上記電動機の回転数に応じ上記電動機の仕様によって定まる短時間定格駆動トルクと略同一とする一方、上記回転数が上記第1回転数以上のときには、上記短時間定格駆動トルクよりも低く上記上限値を設定し、上記上限値以下に駆動トルクを制限して上記電動機を制御することを特徴とする電気自動車の制御装置。
  2. 上記制御手段は、上記回転数検出手段によって検出された上記電動機の回転数が上記第1回転数より高い所定の第2回転数以上のときには、上記電動機の回転数に応じ上記電動機の仕様によって定まる連続定格駆動トルクよりも低く上記上限値を設定することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の制御装置。
  3. 上記制御手段は、上記回転数検出手段によって検出された上記回転数が上記第1回転数以上のときには、上記電動機の回転数に応じて定める上記電動機の上限出力が一定となるように、上記上限値を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気自動車の制御装置。
  4. 上記制御手段は、上記電動機の回転数に応じて定める上記回生制動トルクの絶対値の上限値を、上記回転数に応じ上記電動機の仕様によって定まる短時間定格回生制動トルクの絶対値と略同一とし、上記回生制動トルクの絶対値の上限値以下となるように回生制動トルクの絶対値を制限して上記電動機を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気自動車の制御装置。
  5. 上記駆動輪に駆動力を伝達可能なエンジンを更に備え、
    上記制御手段は、車両発進時には専ら上記電動機の駆動トルクを上記駆動輪に伝達し、上記電動機の回転数が上記エンジンのアイドル回転数近傍に達した後は上記エンジンと上記電動機との両方から上記駆動輪への駆動トルクの伝達を可能とするものであって、上記第1回転数は上記エンジンのアイドル回転数近傍に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気自動車の制御装置。
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