JP2007235457A - 可変フィルタ - Google Patents

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    • H01P5/04Coupling devices of the waveguide type with variable factor of coupling

Abstract

【課題】帯域幅及び中心周波数の双方を自在に制御することが出来るマイクロ波帯用の可変フィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】共振周波数が変化可能な1個以上の共振器4に対して、それぞれの共振器4を中心として入出力線路の一端側に空隙g51とその空隙内に入出力線路の延長方向に配列された1個以上の結合電極e51aを備える第1結合部5が形成され、入出力線路3の最も他端側の共振器4に対して、入出力線路の出力線路側に空隙g61とその空隙g61内に入出力線路3の延長方向に配列された1個以上の結合電極e61aとを備えた第2結合部6が形成され、その第1、第2結合部5,6の結合電極を選択的に接地させ又は、結合電極と入出力線路間を選択的に短絡させるスイッチ手段7及び、そのスイッチ手段7に連動して共振器の共振周波数を可変とする共振周波数可変手段41mを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば無線通信装置に搭載される誘電体基板とその基板上に形成される所定の長さを持つ線路とで構成される中心周波数及び帯域幅の双方を変化可能にした可変フィルタに関する。
高周波を用いた無線通信の分野においては、数多い信号の中から特定の周波数の信号を取り出すことで、必要な信号と不必要な信号を分別している。この機能を果たす回路はフィルタと呼ばれ、多くの無線通信装置に搭載されている。フィルタが抽出する周波数を高くすると、その中心周波数と共に帯域幅も大きくなる。帯域幅が広がると隣接チャネルの信号も通過させることになり、妨害波発生の原因になる。これを防ぐためには、中心周波数と帯域幅の双方を可変制御出来るようにする必要がある。特許文献1に示されたその双方を変化可能にしたフィルタを図30に示しその動作を説明する。複数の周波数信号を含んだ入力信号が、入力端子301より伝送線路303を通じて直流カットコンデンサ313とバラクターダイオード(可変キャパシタ)314の直列接続で構成される帯域制御回路305に入力される。帯域制御回路305の出力端と接地電位間に共振器304が接続される。共振コイル307と共振キャパシタ308と、コンデンサ309とバラクターダイオード310の直列回路とが互いに並列に接続されて構成される。帯域制御回路305と共振器304との接続点が、直流カットコンデンサ306を介して出力端子302に接続されている。
共振器304の共振周波数、つまりフィルタの中心周波数を高くするときは、共振器304のバラクターダイオード310の容量を可変する周波数制御端子311へ印加する電圧を高くしてバラクターダイオード310の容量を小さくする。この時、信号入力端の直流カットコンデンサ313の容量がそのままであると、帯域幅も広くなってしまう。この帯域幅の広がりを防止するために、帯域制御回路305のバラクターダイオード314の帯域制御端子315に印加する電圧も高くして、帯域制御回路305の容量を小さくする。この結果、フィルタの中心周波数を高くしたことによる帯域幅の広がりを抑制することが出来る。このように共振器の結合容量を可変することで、中心周波数と帯域幅の双方を所望の値に変化可能にしたフィルタが提案されている。
しかしながら、図30の回路図からも分かるように、このフィルタは集中常数で構成されるものであり、このまま例えば、移動体通信で用いられるマイクロ波帯では使用が困難である。また、共振周波数の変化をバラクターダイオードの容量変化で得ているが、この種の静電容量は温度特性が不安定なため共振周波数の再現性も悪かった。例えばマイクロ波帯等で用いられる分布定数回路フィルタ及び共振周波数を変化可能にする方法を、本願出願人は特許文献2および非特許文献1に示した。
特開2002−9573号公報(図1) 特開2005−253059号公報(図1) 電子情報通信学会2005年総合大会C-2-37
しかしながら、上記した分布定数回路フィルタは、中心周波数を任意に変化させることは可能であるが、帯域幅を自在に制御することが不可能であった。
この発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、帯域幅及び中心周波数の双方を自在に制御することが出来、構造が簡単で、その制御が高再現性を持ち、且つ容易に行うことが可能な、マイクロ波帯でも動作可能な可変フィルタを提供することを目的とする。
この発明の共振器は、誘電体基板上に形成された入出力線路と、
上記入出力線路に、その長さ方向に間隔を置いて形成された少なくとも2つの結合部と、各上記結合部は、上記入出力線路に形成された空隙と、その空隙内において上記入出力線路の延長方向に配列された1個以上の結合電極とを含んでおり、
各隣接する上記結合部間において上記入出力線路に接続され、共振周波数が変化可能な共振器と、
各上記結合部の結合電極を選択的に接地させ、又は及び結合電極間或いは結合電極と入出力線路間を選択的に短絡させるスイッチ手段と、
上記スイッチ手段に連動して上記共振器の共振周波数を可変とする共振周波数可変手段と、
を具備している。
以上のようにこの発明の場合、スイッチ手段によって共振器間又は、及び共振器と入出力線路間の結合度を変化させると共に、その結合度に合わせて共振器の共振周波数が調整されることで、帯域幅と中心周波数の双方を自在に制御することが出来る。その制御を簡単な構造の結合電極とスイッチ手段とで行なえるようにしたので、帯域幅と中心周波数の双方を高い再現性で変化可能にした可変フィルタを実現することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
[この発明の基本的実施例]
図1(a)にこの発明による可変フィルタの基本概念を説明するための実施例を示す。図1(b)はその側面図である。この例は、マイクロストリップ線路を用いて構成した例である。方形状の誘電体基板1の一方の面は、接地電位に接続される地導体2で覆われている。地導体2と反対側の誘電体基板1の一端中央部分と他端の中央部分との間に入出力線路3が形成されている。この実施例では共振周波数が変化可能な共振器を分布定数回路で構成した場合を示す。入出力線路3に沿って1個以上、この例では2個の共振線路長が変化可能な線路から成る共振器4,4が、入出力線路3の一方の側縁に接続される。各共振器4,4に対し、それぞれ入出力線路3の一端側にずらされて第1結合部5,5が設けられている。第1結合部5,5は、それぞれ入出力線路に形成された空隙g51,g52とその空隙g51,g52内に入出力線路の延長方向に配列され、入出力線路3の幅方向を長手方向とする長方形の1個以上の結合電極e51*,e52*が入出力線路3の延長方向に配列されて構成されている。ここで添え字記号「*」について説明する。この例の場合、結合電極が3個であるからa,b,cを意味し、結合電極e51a,e51b,e51cとe52a,e52b,e52cが設けられることを表している。以降、複数個のものを表記するのに記号*を用いる。入出力線路3の最も他端側の共振器この例では4に対し、入出力線路3の他端側にずらされて、その入出力線路3に形成された空隙g61とその空隙g61内に入出力線路3の延長方向に配列された1個以上の結合電極e61*とから成る第2結合部6 が設けられている。入出力線路3と共振器間又は共振器間の結合度を制御するため、この例では第1結合部5,5と第2結合部6 の結合電極e51*,e52*,e61*の一端には、図示しない層間接続(Viaホール)を介してそれぞれを地導体2に接続させるスイッチ手段71*,72*,73*が設けられている。以下、この種の接地スイッチをシャントスイッチと称する。スイッチ手段71*,72*,73*に連動して上記共振器4,4の共振作用する線路長さを可変とする共振周波数可変手段41m,42mが設けられている。なお、具体的には後述するが、スイッチ手段71*,72*,73*は結合電極間或いは結合電極と入出力線路間を選択的に短絡させる短絡スイッチであってもよい。
[この発明の基本原理]
図1に示したこの発明の基本的実施例は、図2に示すようにJ−インバータを用いた等価回路で表すことができる。つまりJ−インバータJI1、JI2、JI3が平衡伝送線路で直列に接続され、J−インバータJI1とJI2の平衡伝送路間に共振器4、J−インバータJI2とJI3との平衡伝送路間に共振器4が接続されている。J−インバータとは、特性アドミタンスがJで且つ全ての周波数で長さがその周波数の波長λのλ/4を満足する仮想の伝送線路のことである。J−インバータJI1、JI2,JI3は、それぞれ第1結合部5,5、第2結合部6と対応している。今、簡単のために入出力線路の特性アドミタンスは等しくYとし、両入出力線路はアドミタンスYで終端されているものとする。また、J−インバータのアドミタンスパラメータを以下では単にJ値と呼ぶことにする。J−インバータJI1のJ値をJ1、J−インバータJI2のJ値をJ2、J−インバータJI3のJ値をJ3とすると各J値は次式で表せる。
Figure 2007235457
wは比帯域(帯域幅を中心周波数で除した値)、g(k=0,1,2,3)は原型低域フィルタの素子値、bは可変共振器4のサセプタンススロープパラメータである。サセプタンススロープパラメータb(i=1,2)は、可変共振器4のアドミタンスをYri=Gri+jBriと置いたときに式(4)で表せるものである。
Figure 2007235457
ωは可変共振器4の共振角周波数である。式(1)〜(3)に示すようにJ1,J2,J3は比帯域wの関数である。所望の域wにするためには、可変共振器4の共振周波数、つまり中心周波数に対応したサセプタンススロープパラメータbに合わせてJ1,J2,J3を調整すればよい。
図3(a)は、結合部30の一例を示した電極図であり、空隙31の中に2個の結合電極31a,31bが設けられ、結合電極31a,31bの一端は、シャントスイッチ素子33a,33bを介してそれぞれ接地される。図3(b)はその結合部30をJ−インバータ等価回路で示した図である。結合部30は、サセプタンス素子BaとBbによるπ型回路で表せ、主に容量性である。図3(b)から明らかなように、結合部30をJ−インバータとして動作させるには、その入出力側にそれぞれ設けられる伝送線路L1,L2も必要である。
図3(a)に示した結合部を、例えばアルミナ(Al)基板の上に所定の大きさの金(Au)電極で形成し、シャントスイッチ素子33a,33bをON/OFFさせたときのJ値の変化を図3(c)に示す。J値を単位ジーメンス(S)で左縦軸に、結合部をJ−インバータとして機能させるために必要な伝送線路の電気長φ、つまり結合部30の見かけ上の電気長をλ/4にする為の調整用の電気長を、右縦軸にradで示す。シャントスイッチ素子33a,33bがOFFの時、J値は約0.77×10−3である。シャントスイッチ素子33a,33bをONするとJ値は、約0.27×10−3に、約0.5×10−3低下する。式(1)から明らかなように、J値が低下すると、比帯域wを減少させることが出来る。この時の調整用の伝送線路の電気長は、約−0.16radから−0.28radに変化する。マイナスの線路長は作ることが出来ないので、結合部30に接続される共振器の線路長を短く変化させることで調整する。この例の場合、その変化量が約−0.12radであるので、共振器側で調整する線路長は、図3(b)の等価回路から−0.12/2rad、約0.01λ共振器の線路長を短くすればよい。このように、図3(a)に示すような線路の途中に設けた空隙と簡単な結合電極とによる結合部と、結合電極を制御するスイッチ手段と、共振線路長が変化可能な共振器との組み合わせで、共振器帯域幅を自在に可変することが出来る。もちろん中心周波数も任意の値にすることも可能である。
図4(a)にこの発明による可変フィルタの実施例1を示す。この実施例1は、先に示した図1の第1、第2結合部を構成する結合電極を各2個として、共振器4と4を、例えば長さの等しい特性インピーダンス50Ωのλ/4波長の先端短絡スタブ(Stub)とした例である。スイッチ手段7,7,7の全てのシャントスイッチ素子をOFFした時の比帯域を8.5%とし、スイッチ素子71a,72a,73aをONした時の比帯域を4.4%、スイッチ素子71b,72b,73bをONした時の比帯域を3.0%とする場合のJ−インバータ値と、第1、第2結合部をJ−インバータとして機能させるために必要な、共振器4と4の線路長を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2007235457
共振器4の共振周波数可変手段41mとして線路長を95%に短縮するシャントスイッチ41maと線路長を85%にするシャントスイッチ41mbとを設けている。共振器4の共振周波数可変手段42mとしては、線路長を93%に短縮するシャントスイッチ42maと線路長を85%にするシャントスイッチ42mbとを設けている。この時、共振器4の線路長を93%と2%短くする理由は、各結合部5,5,6の一端側に近い結合電極e51a,e52a,e61aが接地されるために、共振器4,4を中心として入出力線路3の一端側と他端側を見た場合に非対称になる分を調整するためである。
シャントスイッチ素子71*,72*,73*とシャントスイッチ41ma,41mb,42m,42maの全てをOFFにした時の実施例1の伝達特性をSパラメータで図4(b)に実線で示す。図4(b)の横軸は周波数、縦軸はS21であり入出力線路3の一端側に入力した信号が他端側に伝わる割合をdBで示す。この実線で示す特性が比帯域8.5%の特性である。スイッチ手段71a,72a,73aとシャントスイッチ41ma
,42maをONした時の伝達特性を破線で示す。この時の比帯域が4.4%である。シ
ャントスイッチ素子71*,72*,73*とシャントスイッチ41ma,41mb,42ma,42mbの全てをONにした時の伝達特性を一点鎖線で示す。この時の比帯域が3.0%である。このとき、共振器4と4の線路長は、シャントスイッチ41mbと42mbで決まってしまうため、41maと42maの状態はドントケア(Don’t care)でよい。この時は、共振器4,4を中心として入出力線路3の一端側と他端側を見た場合、対称なので共振器4,4の線路長は共に85%で等しい。このように、中心周波数を変えずに帯域幅だけを自在に制御することが可能である。もちろん、中心周波数と帯域幅の双方を自在に可変することも可能である。
なお、図4の実施例1では、共振器を4と4の2個、第1結合部5,5及び第2結合部6の結合電極の数も2個の例を示したが、共振器を3個以上接続しても同様に実施可能である。また、結合電極の数及び構成も帯域幅の変化量、分解能、などによって様々な変形が可能である。次にその結合部の電極構造の変形例について実施例を示し説明を行う。
図5に1個の結合部のJ−インバータ値の調整分解能を高めた実施例2を示す。入出力線路3の途中に設けられた空隙51内に、入出力線路延長方向に電極の一部を互いに対向させた結合電極50a、50b、50c、50dが配列されて結合部50を形成している。つまり、結合電極50a〜50dの入出力線路3の線路幅方向の長さが入出力線路3の線路幅より短い。結合電極50aと50cの一端は、スイッチ手段52のシャントスイッチ素子52aと52bを介して接地される。結合電極50bと50dのスイッチ手段52と反対側の端は、スイッチ手段53のシャントスイッチ素子53aと53bを介して接地される。例えば、入出力線路3の線路幅は1mm程度の寸法で形成されるので、実施例2のような結合部にすることで、極めて小さなスペースでJ値の調整分解能を高めることができる。また、結合電極50a〜50bが短く、且つ隣接する結合電極同士が一部しか対向していないために、更にJ値の調整量を微細にすることができる。
図6に結合部のJ値の調整感度を向上させた実施例3を示す。入出力線路3の途中に設けられた空隙61内に、入出力線路3の線路幅よりも大である結合電極60a,60b,60cが配列されて結合部60を形成している。結合部60の各結合電極の一端は、スイッチ手段62を構成するシャントスイッチ素子62aと62bと62cを介して接地される。空隙61を挟んだ入出力線路3の両端部間には、ガウスの法則にしたがった電気力線が走ることによって入出力線路3の端部同士が結合する。電気力線は導体の面に対して垂直に出入りする性質があるので、入出力線路3の対向する面間において電気力線は直進するが、入出力線路3の幅方向の端部からの電気力線は、上記性質から入出力線路3の延長方向の中心から遠ざかる方向の円弧を描いて入出力線路の一端部と他端部を出入りする。結合部の結合電極を入出力線路3の線路幅よりも大とすることで、この円弧を描いて空隙61部分に発生する電気力線を結合電極60a,60b,60cに端することが出来る。その結果、より多くの電気力線を結合電極で制御することができるので、J値の感度を高めることが出来る。例えば、結合電極60a〜60cの長さを入出力線路3の線路幅の2倍にした場合、J値の変化量を4%大きくすることが出来た。このように、結合電極の形状を実施例2のように構成することで、J値の制御感度を高めることが出来る。
また、図6に破線で示した結合電極60b´、60c´のように、結合電極の長さを短くすれば、制御可能な電気力線の数が減るので自ずとJ値の制御量が減少する。このように、結合線路の長さを可変することでJ値の変化量を制御することが出来る。
より多くの電気力線を利用する方法として、結合電極を3次元構造にした実施例4の斜視図を図7(a)に示す。入出力線路3の途中に設けられた空隙71に、入出力線路3の線路幅方向の長さが入出力線路3よりも大で、誘電体基板1の表面からの高さが高い結合電極70a,70bが配列されて結合部70を形成している。図7(b)は、図7(a)のVII−VII切断線で切った断面図である。図7(a)及び(b)においてスイッチ手段は省略している。このような高さを持った結合電極は、マイクロマシンの製造技術を応用することで作ることが可能である。その製造方法については、本願の主要部では無いので、簡単に説明する。入出力線路3を形成した後、誘電体基板の表面に結合電極70a,70bの高さ分の犠牲層を形成し、その犠牲層の表面から誘電体基板1の表面までホトプロセスによって結合電極を形成する窓を開け、その後に例えば金等を蒸着若しくはスパッタ法によって犠牲層の全面に電極膜を形成する。その後、結合電極70a,70b以外の部分を犠牲層と共にエッチングすることで3次元構造の結合電極を形成することができる。
結合電極を3次元構造にすることによって、空隙71を挟んで対向する入出力線路3の端部間を3次元で走る電気力線も結合電極に収端することが可能になる。これにより平面構造よりも3次元構造にすることで、よりJ値の制御感度を高めることが出来る。
結合電極を3次元構造にした他の実施例を図8に示す。斜視図を示す図8(a)は、上記した図7(a)と変わりがないが、図8(a)のVIII−VIII切断線で切った断面図を示す図8(b)から分かるように、結合電極80a,80bが誘電体基板1の内部まで形成されている点が異なる。このように結合電極80a,80bを形成することで、誘電体基板1の内部を走る電気力線も結合電極に端することが出来るので、J値の制御感度をより高めることが可能である。図8(b)に示すような結合電極も、上記したマイクロマシン製造技術を用いることで作ることが可能である。
図9に結合の結合度をより高めた結合電極の構造を示す。空隙91に面する入出力線路3の両端面が凸凹の櫛歯状に形成され、その入出力線路3の両端部の櫛歯と噛み合うように、また、隣接する結合電極同士も噛み合うように、入出力線路3延長方向の両端面が櫛歯状に形成された結合電極90a,90b,90cが配置されて結合部90を形成している。結合部90の各結合電極90a,90b,90cの一端は、スイッチ手段92を構成するシャントスイッチ素子92aと92bと92cを介して接地される。このように空隙91及び結合電極90a,90b,90cを形成することで、限られた寸法内で対向する電極長を長くすることが出来るので、J値の制御感度をより高めることが可能である。この櫛歯状の電極構造は、インターディジタルギャップ構造とも呼ばれる。
実施例1(図1)の第1、第2結合部の結合電極の長さを、入出力線路3の幅の中央で2分割してJ値の制御分解能を高めた実施例7を図10に示す。第1結合部5の結合電極e51a(図1)が上記の様に分割されて、結合電極100aと100bと2個になっている。第1結合部5及び第2結合部6の各結合電極も同様に2分割されている点と、2分割された一方の結合電極100 を選択的に接地するスイッチ手段7の反対側にスイッチ手段101,102,103が設けられている点が実施例1と異なっている。なお、共振周波数可変手段41m,42mは省略している。このように結合部を構成することで、限られた空隙g51,g52,g61のスペース内でJ値の制御分解能を高めることができる。
これまでに示した実施例の結合電極は、全てシャントスイッチ素子によるスイッチ手段によって選択的に接地電位に接続されるものであったが、入出力線路端部と結合電極、或いは結合電極間を選択的に短絡するようにしたスイッチ手段とした実施例8を図11に示す。入出力線路3の途中に設けられた空隙111内に、入出力線路3と同じ幅の結合電極110a,110b,110c,110dがほぼ等間隔で4個配列されている。一端側の入出力線路3と隣接する結合電極110aとの間を短絡する短絡スイッチ素子112aと、隣接する結合電極間を短絡する短絡スイッチ素子112b,112c,112dと、他端側の入出力線路3と隣接する結合電極110dとの間を短絡する短絡スイッチ素子112eの5個の短絡スイッチ素子でスイッチ手段112が構成されている。短絡スイッチ素子112aと112eをONした時と、全ての短絡スイッチ112a〜112eをOFFした場合とで空隙111の大きさを変えることができる。短絡スイッチ素子によって空隙111の大きさを小さくすると、入出力線路3の一端と他端間の静電容量が大きくなる。静電容量が大きくなるとその間の結合が強まりJ値は大きくなる。このように短絡スイッチ素子による制御では、シャントスイッチ素子とは異なり、単純にONするスイッチ素子の数を増やす制御でJ値を増加させることが可能である。
このように入出力線路3と結合電極間若しくは結合電極間同士を、短絡スイッチ素子で接続する方法は、結合電極の形状に関わらず用いることが可能である。例えば、先に説明済みのインターディジタルギャップ構造(図9)の結合電極についても、図9に破線で示すように各電極間を短絡スイッチ素子92a´〜92d´で接続してもよい。
結合電極をシャントスイッチ素子によって制御するものと、短絡スイッチ素子によって制御するものとの2つに分けることで、J値の増加減少の制御を簡単にした実施例9を図12に示す。実施例9は、結合電極110aと110bを選択的に接地するシャントスイッチ素子120aと120bとによるスイッチ手段120と、結合電極110cと110dを入出力線路3の他方側に縦続的に接続させる短絡スイッチ素子121aと121bとによるスイッチ手段121とを設けるようにしたものである。このように結合部を構成することで、J値を増加させたい時はスイッチ手段121を、J値を減少させる時はスイッチ手段120を制御すればよい。このようにすることでJ値を目標値に合わせ込み易くすることが出来る。
図13に実施例9のスイッチ手段制御に基づくJ値の自由度を高めた実施例10を示す。実施例10は、入出力線路3の一端側に結合電極110aと110bとを縦続的に接続させる短絡スイッチ素子130a,130bからなるスイッチ手段130と、入出力線路3の他端側に結合電極110dと110cとを縦続的に接続させるスイッチ素子131a,131bからなるスイッチ手段131と、スイッチ手段130と131とが接続された各結合電極110a〜110dの端と反対側の端部をそれぞれ接地させるシャントスイッチ素子132a,132b,132c,132dからなるスイッチ手段132の、3個のスイッチ手段を備える。このように結合部とスイッチ手段とを構成することで、スイッチ手段120と121とによる空隙111の容量値を変える方法に加えて、各結合電極を接地させることができるので、同じ結合電極の数でもJ値の制御の自由度を高めることができる。自由度が高められると共に、実施例9と同様にJ値を2方向に制御することが可能になる。つまり、スイッチ手段130と131とによって空隙111の静電容量を大きくできるのでJ値を大きくする方向に制御出来る。一方、シャントスイッチ素子によるスイッチ手段132は、空隙111内に接地電極を増やすのでJ値を小さくする方向に制御する。このようにスイッチ手段130と131とでプラス、スイッチ手段132でマイナスの2方向でJ値を制御することが可能である。
実施例10の制御分解能を高めた実施例11を図14に示す。実施例11は、結合電極110a〜110dを入出力線路3の幅の中央部分で2分割することで、140a,140b〜143a,143bの8個の結合電極としている。その上で入出力線路3の一端側に分割された一方の結合電極140aと141aとを縦続的に接続させるスイッチ素子144a,144bからなるスイッチ手段144と、入出力線路3の他端側に分割された一方の結合電極143aと142aとを縦続的に接続させるスイッチ素子145a,145bからなるスイッチ手段145とが設けられている。更に分割された他方側の結合電極140〜143、結合電極140a〜143aと反対側の端には、各結合電極140b〜143bをそれぞれ選択的に接地させるシャントスイッチ素子146a〜146dからなるスイッチ手段146とが設けられている。このように結合部を構成することで、J値の自由度を更に高めることが可能である。
目標とするJ値に調整することが容易な実施例12を図15に示す。目標のJ値に合わせ易くするためには、結合部を構成する基本的な電極構造によってなるべく目標値に近いJ値が得られるようにし、そのJ値を微調して目標値に微調できるようにすればよい。J値の可変分解能を小さくするためには、結合電極の面積を小さくする、又は、結合電極の間隔を広げる方法等があるが、これ以外の方法として結合部内に複数の結合電極と結合するオフセット結合部を設ける方法を図15(b)に示す。空隙111内に入出力線路3の一端側から、順次短絡スイッチ素子152a,152b,152cを介して縦続的に接続されるそれぞれ大きさが異なる3個の結合電極151a,151b,151cが入出力線路3の延長方向に沿って配列されている。空隙111を挟んで入出力線路3の他端側からは、スイッチ手段153を構成する短絡スイッチ素子153a,153b,153cを順次介して入出力線路3の他端に対して縦続的に接続されるそれぞれ大きさが異なる3個の結合電極154a,154b,154cが入出力線路3の一端側に向けて配列されている。空隙111の中央部分には、結合電極151a〜151cと結合する入出力線路3の他端側のオフセット結合部155が入出力線路3の他端部の略中央部分から結合電極151a方向に延長されている。結合電極154a〜154cと結合する入出力線路3の一端側のオフセット結合部156が入出力線路3の一端部の略中央部分から結合電極154a方向に延長されている。図15(a)は、図15(b)に示したオフセット結合部155と156を無くし、それ以外は全く同一構成である結合部を示す。
オフセット結合部155,156が、J値の変化量に与える効果をシミュレーションした結果を図16に示す。図16の横軸は、各短絡スイッチ素子のON/OFFの状態を示し、縦軸は所定の値で規格化したJ値の変化量を示す。オフセット結合部155,156が有る状態での変化量を実線で示し、それが無い状態を破線で示す。横軸のAは、スイッチ手段152と153の全ての短絡スイッチ素子がON状態から、入出力線路3の空隙111に面した両端部からもっとも遠い位置の短絡スイッチ152cと153cの2個をOFF状態に変化させた場合を意味している。この時のJ値の変化量は、オフセット結合部155,156が有る状態が約0.54、オフセット結合部が無い状態の変化量が約1.67である。オフセット結合部155,156が有る状態のJ値の変化量の方が小さい。
横軸のBは、入出力線路3の空隙111に面した両端部からもっとも遠い位置の短絡スイッチ152cと153cの2個をOFFした状態から、更に中央の短絡スイッチ素子152bと153bをOFF状態に変化させた場合である。この時も、オフセット結合部が在る方の変化量が約0.8とそれが無い状態の約1.59よりも小さい。
横軸のCは、更にBの状態から入出力線路3の空隙111に面した両端部に最も近い短絡スイッチ152aと153aをOFF状態にし、すべての短絡スイッチ素子をOFFに変化させた場合である。この時も、オフセット結合部が有る方の変化量が約0.35とそれが無い状態の約0.52よりも小さい。
このようにオフセット結合部155と156が有る方が、いずれのスイッチ状態でもJ値の変化量が小さい。この理由は、オフセット結合部155と結合電極151a〜151c、オフセット結合部156と結合電極153a〜153cの結合量がバイアスとして働いているためだと考えられる。このようなオフセット結合部によって、なるべく目標のJ値に近づけた設計をすることで、オフセット結合部を設けた効果によってスイッチ手段によるJ値の可変分解能も小さくなるので、目標のJ値に調整し易い可変フィルタを構成することが可能になる。
なお、図15(a)に破線で示すように各短絡スイッチ素子152a〜152cをシャントスイッチ素子152a´〜152c´に変えても良い。図15(a)、(b)に示す他の短絡スイッチ素子についての同様である。結合電極の長さを変えてJ値の制御量を可変できることについて、先に述べたが、この図15(a)、(b)に示すように結合電極の幅を変えても同様にJ値の制御量を可変することが可能である。その時のスイッチ手段の構成もシャントスイッチ素子でも良いし短絡スイッチ素子でもどちらでも良い。
オフセット結合部の他の実施例である実施例13を図17に示す。空隙111内に入出力線路3の幅の約半分程度の長さの結合電極171a,171b,171c,171dが4個、等間隔で入出力線路3の延長方向に配列されている。入出力線路3の空隙111に面した一端部と結合電極171aとの間に短絡スイッチ素子172aが、結合電極171aと隣接する結合電極171bとの間に短絡スイッチ素子172bが設けられ、2個の短絡スイッチ素子172a,172bがスイッチ手段172を構成している。入出力線路3の空隙111に面した他端部側には、同様に2個の短絡スイッチ素子173aと173bによるスイッチ手段173によって、入出力線路3の一端部側から結合電極171dと171cが順次縦続的に接続されている。結合電極171a〜171dの入出力線路3の線路幅方向で対向する空隙111内に、結合電極171a〜171dに対してギャップg17a、入出力線路3に対してはギャップg17bのそれぞれ間隔を空けて長方形状のオフセット結合電極174が配置されている。このオフセット結合電極174と入出力線路3及び結合電極171a〜171dとの結合量はJ値のバイアスとして働き、スイッチ手段172と173とによりJ値を高い可変分解能で変化させることができる。
オフセット結合部の他の実施例である実施例14を図18に示す。実施例13とはスイッチ手段の構成とオフセット結合電極の形状の2箇所が異なっている。入出力線路3の一端部と他端部は、その端面の略半分の長さ広い空隙111で対向し、残りの略半分の長さは狭い空隙180とで対向している。つまり、入出力線路3の空隙側の端面の半分が空隙を狭める方向に互いに延長され突部181aと181bが形成され、その先端は狭い空隙180で対向している。広い空隙111内には、結合電極182a,182b,182c,182dが4個、等間隔で入出力線路3の延長方向に配列されている。入出力線路3の一端部に隣接する結合電極182aとの間には短絡スイッチ素子183aが接続され、結合電極182aと隣接する結合電極182bとの間には短絡スイッチ素子183bが接続され、結合電極182bと隣接する結合電極182cとの間には短絡スイッチ素子183cが接続され、結合電極182cと隣接する結合電極182dとの間には短絡スイッチ素子183dが接続され、結合電極182dと隣接する入出力線路3の他端部との間には短絡スイッチ素子183eが接続され、スイッチ手段183を構成している。狭い空隙180で接近して配置される突部181aと181bの形状で、粗方目標のJ値に設計し、その後、スイッチ手段183の切替で微調整を行なうことが可能である。
J値の調整分解能を大と小の2種類にした実施例15を図19に示す。実施例15の結合電極171a〜171dとスイッチ手段の構成は、図17に示した実施例13と同じである。図18に示した実施例14の突部181aと突部181bをそれぞれ入出力線路3の延長方向に2分割し、さらに分割した電極間を短絡する短絡スイッチ素子によるスイッチ手段を設けている。突部181aが2分割された181aと181aは、粗調用短絡スイッチ190で接続される。突部181bが2分割された181bと181bは、粗調用短絡スイッチ191で接続される。このように構成することで、スイッチ手段172と173の分解能が小さい調整と、粗調用スイッチ190と191による分解能の大きな調整の2種類の調整分解能を持った可変フィルタが構成できる。
結合電極の対向する長さを増やしてJ値の可変量を大きくした実施例16を図20に示す。空隙111の幅の両端部からL字状の結合電極が、空隙111の幅の中央に向けて4個ずつ櫛歯状に配列されている。空隙111に面する入出力線路3の一端面の端部が所定の幅、入出力線路3の延長方向に突出して突部200aを形成している。突部200aとギャップg21の間隔を空けて突部200aと同じ幅で所定の長さ入出力線路3の延長方向に延長され、上記所定の長さの半分の長さ延長された部分から幅が拡幅される結合電極202aが配置されている。つまり結合電極202aは、アルファベットの“L”を180度反時計方向に回転させた形状である。同じ形状の結合電極が同じ向きでギャップg21の間隔を空けて更に3個、入出力線路3の延長方向に沿って配列されている。突部200aから最も離れた結合電極202dは、一つの面で入出力線路3の他端部と対向している。突部200aと結合電極202aとの間に短絡スイッチ素子203aが、結合電極202aと隣の結合電極202bとの間に短絡スイッチ素子203bが、結合電極202bと隣の結合電極202cとの間に短絡スイッチ素子203cが、結合電極202cと隣の結合電極202dとの間に短絡スイッチ素子203dが設けられ、4個の短絡スイッチ素子からなるスイッチ手段203を構成している。つまり、突部200aから短絡スイッチ素子を介して順次縦続的に4個の結合電極202a〜202dが配列されている。
空隙111に面する入出力線路3の他端面の突部200aと反対側の端部が所定の幅、入出力線路3の延長方向に突出して突部200bを形成している。突部200bとギャップg21の間隔を空けて突部200bと同じ幅で所定の長さ入出力線路3の一端側に延長され、上記所定の長さの半分の長さ延長された部分から幅が拡幅される結合電極204aが配置されている。つまり結合電極204aは、アルファベットの“L”形状である。同じ形状の結合電極が同じ向きでギャップg21の間隔を空けて更に3個、入出力線路3の一端方向に配列されている。つまり、結合電極202a〜202dと噛み合う形で結合電極204a〜204dが配置されている。突部200aから最も離れた結合電極202dは、一つの面で入出力線路3の他端部と対向している。結合電極204a〜204dは、突部200bから4個の短絡スイッチ素子205a〜205dによって縦続的に接続されている。以上のように結合部を構成することで、対向する電極長を長くすることができるのでJ値の可変量を大きくすることが出来る。
結合部の他の実施例17を図21に示す。空隙111に面する入出力線路3の一端面の端部が所定の幅で入出力線路3の延長方向に延長され、ギャップg31で入出力線路3の他端部と対向する突部300aを形成している。空隙111に面する入出力線路3の他端面の突部300aと反対側の端部が所定の幅で入出力線路3の一端方向に延長されギャップg31で入出力線路3の一端部と対向する突部300bを形成している。つまり、突部300aと突部300bは、空隙111内において入出力線路3の幅方向にギャップg31の間隔を空けて対向している。突部300aの基部側のギャップg32内に一端側を突部300aと短絡スイッチ素子302aで接続し、他端側はギャップg33の間隔を空けて突部300bと対向する結合電極303aが配置され、その結合電極303aの入出力線路3の延長方向隣には、一端側を突部300bと短絡スイッチ素子304aで接続し、他端側はギャップg34の間隔を空けて突部300aと対向する結合電極305aが配置されている。その結合電極305aの隣には、一端側を突部300aに短絡スイッチ素子302bで接続する、結合電極303aと同じ構成の結合電極303bが配置される。つまり、突部300aに短絡スイッチ素子302a,302b,302c,302dを介して接続される結合電極303a,303b,303c,303dと、突部300bに短絡スイッチ素子304a,304b,304c,304dを介して接続される結合電極305a,305b,305c,305dとが交互に4個ずつ入出力線路3の延長方向に向けて配列されている。各結合電極303a〜303d及び、結合電極304a〜304dが、突部300a、300bに対して並列に接続されているので、J値の可変分解能を大きく、且つ、可変範囲も大きくすることが出来る。
結合部を3次元構造にした実施例18の斜視図を図22に示す。図22(a)のII II−II II切断線で切断した断面を図22(b)に示す。結合部の3次元構造は、結合電極の少なくとも1個と対向結合し、入出力線路形成面に対して間隔を置いてオフセット結合部が誘電体基板1に埋め込まれて設けられ、オフセット結合部の一端と入出力線路とが接続導体で接続されるものである。図22に示す実施例18では、空隙111内に入出力線路3の線路幅と同じ幅で所定の長さの4個の結合電極220a,220b,220c,220dが、ギャップg22の間隔を空けて入出力線路3の延長方向に沿って配列されている。4個の結合電極220a〜220dの一端は、入出力線路3の他端側から4個の短絡スイッチ素子223a〜223dによって順次縦続的に接続されている。入出力線路3の空隙111に面する一端部から入出力線路3に対して誘電体基板1の厚み方向に垂直に、接続導体224延長され、接続導体224の入出力線路3と反対側の端から結合電極220a〜220dと対向する位置にオフセット結合部225が形成されている。このように結合部を3次元的に形成することで、結合電極220a〜220dの大きさが同じでも2次元形状よりも結合量が増やせるのでJ値を大きく変化させることができる。このような3次元構造は、上記したようにマイクロマシン製造技術の応用で簡単に形成することが可能である。なお、図22の例では、4個の結合電極220a〜220dの全てに対してオフセット結合部を対向させたが、この例に限られず、オフセット結合部を1個若しくは2個又は3個と対向させてもよい。結合電極の数を含めて図22の実施例18に限定されない。
3次元構造の結合部の他の実施例19を図23に示す。結合部の3次元構造は、その結合電極の少なくとも1個と対向結合し、入出力線路形成面に対し間隔を置いてオフセット結合部231が入出力線路3に対して、誘電体基板1と反対側に間隔を保って設けられ、オフセット結合部231の一端と入出力線路3とが接続導体で接続されものである。図23に示す例では、入出力線路3の空隙111に面する一端部から接続導体230が誘電体基板1に対して垂直に立設し、その接続導体230の先端から結合電極220a〜220dに対向する位置に、結合電極とギャップg23の空隙を空けてオフセット結合部231が形成されている。このように誘電体基板1の表面上にギャップg23を挟んで対向するオフセット結合部231を設けて結合部を構成しても、2次元構造のものより大きなJ値を得ることが出来る。なお、図23の例では、4個の結合電極220a〜220dの全てに対してオフセット結合部を対向させたが、この例に限定されないのは上記した通りである。
3次元構造の結合部の他の実施例20を図24に示す。図24(a)のその斜視図を示す。図24(a)に示す実施例20の平面形状は、図22に示した実施例18と全く同じである。図24(a)のIIIV−IIIV切断線で切断した断面を図24(b)に示す。結合部の3次元構造は、その結合電極が誘電体基板と垂直方向に延長され、垂直方向に延長された結合電極の延長部と対向結合する突出結合部がオフセット結合部に形成されているものである。図24に示す例では、結合電極240a〜240dのそれぞれは、誘電体基板1の内部方向に垂直に延長された形状である。誘電体基板1内で対向するオフセット結合部255から、結合電極240aと240bとの間に突出結合部255aが形成されている。結合電極240bと240cの間には同じように突出結合部255b、結合電極柱240cと240dの間には突出結合部255c、結合電極柱240dと入出力線路3の他端側の間には突出結合部255dが形成されている。結合電極240a〜240dと突出結合部255a〜255dは、あたかも歯車が噛み合う様な形で誘電体基板1の材料を挟んで配置されている。このように結合部を構成すると、結合量が増やせるのでJ値を大きく変化させることができる。なお、図24に示す例は、結合電極を誘電体基板1の内部に設けたが、誘電体基板1の表面から結合電極を突出させる形状でもよい。その突出させた結合電極に図23に示したようにオフセット結合部を対向させ、更にオフセット結合部に突出結合部を設けても良い。
ここまでは結合部の電極構造の変形例について説明をして来た。ここでは、共振周波数を微細に制御することが可能な可変フィルタの実施例21を図25に示し、その動作を説明する。図25は、先に説明済みの図1と基本構成が同じであり、可変共振器の構成だけが異なる。図25の可変共振器250は、入出力線路3に接続される所定の長さの共振線路251と、共振線路251の線路延長方向に所定の間隔を空けて線路幅が拡幅される複数(図25の例では拡幅部は4個)の拡幅部252,253,254,255と、隣接する拡幅部の両端同士を短絡するスイッチ素子256a,256b、257a,257b、258a,258b、とで構成される。第1結合部5を挟んで隣接する可変共振器259も、可変共振器250と全く同じ構成である。可変共振器250は、高周波信号が導体中を伝播する際の表皮効果を応用したものである。線路を伝わる電気信号は、周波数が高くなればなるほど、線路の外縁部に集中する性質を持つ。これは高周波信号の表皮効果によるもので、導体中を信号が伝播する際の電気信号が線路幅方向に侵入する深さは式(5)で表せる。
Figure 2007235457
ここでfは周波数、σは導体の導電率、μは導体の透磁率である。高周波電流は線路の内部をSkinDepth以上入り込まず外側を流れる。このため、共振器の線路形状を図25のようにして、拡幅部の両端にスイッチ素子を設けることでスイッチ素子のON/OFFによって、共振器の線路長を可変することが出来る。つまり、スイッチ素子255a,255b〜257a,257bの全てをOFFにした時の共振器の線路長は、凡そ共振線路251と拡幅部252〜255とで形成される線路外縁部の長さになる。その状態において、拡幅部251の両端のスイッチ素子255a,255bをONにすると、先の線路長から凡そ拡幅部1個分の外縁部の長さ短縮された線路長になる。このようにスイッチ素子の状態によって微細に、且つ高い再現性を持って共振周波数を可変することが出来る。
このように表皮効果を応用した可変共振器と、第1、第2結合部と組み合わせることで、帯域幅と中心周波数とをより微細に、且つ高い再現性を有して制御可能な可変フィルタを実現することが可能である。
[応用例]
実施例21(図25)の構成を基本として、この発明による5GHz帯2-pole帯域通過型可変フィルタを設計した。その構成を図26に示す。第1結合部5は、第1結合部5を形成する空隙の両端側の入出力線路3の幅が広げられた拡幅部260内に構成される。拡幅部260内には1本のスリット261が形成され、そのスリット261内にスリット延長方向に結合電極262が配され、その結合電極262のスリットと反対側の端はシャントスイッチ素子263によって接地される。つまり、第1結合部5は、空隙を挟んだ入出力線路3の両端部の幅が広げられているので、4個の拡幅部260a〜260dと各拡幅部内に設けられた4個の結合電極262a〜262dとで構成される。スイッチ手段7は、4個のシャントスイッチ素子263a〜263dで構成されている。
第1結合部5は、同様に第1結合部5を形成する空隙264の両端側の入出力線路3の幅が広げられている。空隙264内に所定の間隔を空けて2個の結合電極265a,265bが入出力線路3の延長方向に沿って並んでいる。結合電極265a,265bの入出力線路3の外側の端はシャントスイッチ素子266a,266bによって接地される。つまり、第1結合部5は、空隙264を挟んだ入出力線路3の両端部の幅が広げられているので、2個の拡幅部間の空隙264a,264bにそれぞれ2個ずつ設けられた4個の結合電極265a〜265dとで構成される。スイッチ手段7は、4個のシャントスイッチ素子266a〜266dで構成されている。
第2結合部6は第1結合部5と全く同じ構成である。
なお、図25に示した可変共振器250と図26に示す可変共振器270は、次の点が異なっている。共振線路271の先端、つまり入出力線路3に接続される側と反対の端が、シャントスイッチ素子280によって接地出来るようになっている。要するに先端開放若しくは短絡に切り換えて使用できるようになっている。また、拡幅部の数が可変共振器270の方が多いのと、入出力線路3に最も近い拡幅部272の両端と入出力線路3との間にも短絡スイッチ273aと273bが設けられている点が異なる。このように入出力線路3と拡幅部との間に短絡スイッチを設けても良い。この方が線路長の選択肢を増やすことが出来る。
以上のように構成した可変フィルタの周波数特性を電磁界シミュレーションによって求めた結果を図27に示す。誘電体基板1の材料はアルミナ(比誘電率9.5)、線路の材料は金の条件でシミュレーションを行なった。周波数特性を示す図27の横軸は周波数(GHz)、縦軸はSパラメータのS21を(dB)で表す。
図27中の●は、第1結合部5,5と第2結合部6の全ての結合電極を接地するシャントスイッチ素子を全てOFF状態にした時の特性である。この時の比帯域が約8%である。シャントスイッチ素子を全てOFFにした状態で、可変共振器250と251の線路長を変えて中心周波数を4.6GHzから4.9GHzに変えた時も比帯域は8%である。
×は、第1結合部5,5と第2結合部6の4個ある結合電極を対角線状に接地した場合であり、この時の比帯域は約6%である。△は第1結合部5,5と第2結合部6の全ての結合電極を接地するシャントスイッチ素子を全てON状態にした特性であり、この時の比帯域は4%である。比帯域を6%から4%に狭くする際に、中心周波数を揃える目的で、可変共振器250と251の線路長も拡幅部両端のスイッチ素子のON/OFF制御で調整している。もちろん、同じ帯域幅でも中心周波数が4.6GHzと4.9GHzと異なる場合には、可変共振器250と251の線路長を調整して得た結果である。
このように、この発明による可変フィルタによれば、中心周波数と帯域幅の双方をそれぞれ独立に自在に制御することが可能である。
なお、これまでに示した実施例の全ては、誘電体基板1の裏側に地導体2が配されたマイクロストリップ線路で説明を行ってきたが、この発明は他の線路形式でも実施することが可能である。例えば図28に示すような誘電体基板1の一方の面に地導体2が形成されるコプレーナ線路形式でもこの発明の可変フィルタを実現することが可能である。図28の例は、先に説明済みの図4に示した実施例1と全く同じ構成をコプレーナ線路形式で実現したものであり、参照符号を同一にして説明は省略する。
また、第1及び第2結合部の電極構造の変形例について、多数の実施例を示して来たが、それらの組み合わせは自由に行なうことが可能である。例えば図29に示すように、第1結合部5を応用例で示した図26の第1結合部の構成にし、第1結合部5を実施例10(図13)の構成にし、第2結合部6を実施例8(図11)の構成にしても良い。上記した実施例の自由な組み合わせが可能である。
また、実施例では、共振線路長が変化可能な分布定数回路による共振器を示してきたが、この発明による可変フィルタは、図31に示すように集中定数素子による共振器で構成しても実現可能である。図31は、図25に示した可変共振器250を、共振コイル400と共振キャパシタ401と、共振周波数可変用キャパシタ402と共振周波数可変手段であるスイッチ素子403の直列回路とが互いに並列に接続された共振器405に置き換えたものである。可変共振器405′は共振器405と全く同じ構成である。このような集中定数素子による共振器と、上記してきた結合部との組み合わせによっても帯域幅と中心周波数の双方が制御可能な可変フィルタを実現できる。なお、結合部に対して共振周波数可変用キャパシタ402と共振周波数可変手段であるスイッチ素子403の数は省略して表記している。また、共振周波数の可変方法としては、可変インダクタでも可能である。また、バラクターダイオードのような可変キャパシタでも良い。ただその場合、上記したように周波数の再現性が多少悪くなるが、結合部による精度の良い帯域幅の制御は可能である。また、上記して来た共振器以外の共振器を用いたとしてもこの発明の可変フィルタは実現可能である。また、各実施例に示した結合電極の数や空隙の大きさ等については設計事項であって、それらは、請求の範囲に示した範囲内において変形が可能であることは言うまでもないことである。
なお、スイッチ素子について具体例を示さなかったが、スイッチ素子はトランジスタ(バイポーラ、FETなど)やダイオードを用いることが出来る。また、MEMS(Micro Electromechanical System)スイッチを用いることが可能である。MEMSスイッチは機械的な構造を持つスイッチであり、金属と低抵抗な電極同士の直接接続や、容量を介しての接続が可能であるので信号の波形歪が発生し難い特徴を持つ。MEMSスイッチについては、例えば本願出願人が先に出願した特開2005−253059号公報の図20に示されたものを用いることが可能である。
この発明の基本構成を示す図。図1(a)がその平面図、図1(b)はその側面図。 図1をJ−インバータを用いた等価回路で表した図。 結合部の具体例を示す図。図3(a)は結合部の一例を示した電極図、図3(b)はその結合部をJ−インバータ等価回路で示した図、図3(c)はスイッチ素子をON/OFFさせたときのJ値の変化を示す図。 この発明による可変フィルタの実施例1を示す図。図4(a)は実施例1の構成を示す図、図4(b)は実施例1の伝達特性をSパラメータで示す図。 結合部の電極構造の実施例2を示す図。 結合部の電極構造の実施例3を示す図。 結合電極を3次元構造にした実施例4を示す図。図7(a)は実施例4の斜視図、図7(b)は図7(a)のVII−VII切断線で切断した断面を示す断面図。 結合電極を3次元構造にした実施例5を示す図。図8(a)は実施例5の斜視図、図8(b)は図8(a)のVIII−VIII切断線で切断した断面を示す断面図。 結合部の電極構造の実施例6を示す図。 実施例1(図1)の第1、第2結合部の結合電極の長さを、入出力線路の幅の中央で2分割してJ値の制御分解能を高めた実施例7を示す図。 結合部の電極構造の実施例8を示す図。 結合部の電極構造の実施例9を示す図。 結合部の電極構造の実施例10を示す図。 結合部の電極構造の実施例11を示す図。 結合部の電極構造の実施例12を示す図。図15(a)は図15(b)に示す実施例12のオフセット結合部を削除した図、図15(b)はオフセット結合部が在る図。 実施例12のオフセット結合部の効果を示すシミュレーション結果を示す図。 結合部の電極構造の実施例13を示す図。 結合部の電極構造の実施例14を示す図。 結合部の電極構造の実施例15を示す図。 結合部の電極構造の実施例16を示す図。 結合部の電極構造の実施例17を示す図。 結合部を3次元構造にした実施例18を示す図。図22(a)はその斜視図、図22(b)は図22(a)のII II−II II切断線で切断した断面を示す断面図。 結合部を3次元構造にした実施例19を示す斜視図。 結合部を3次元構造にした実施例20を示す図。図24(a)はその斜視図、図24(b)は図24(a)のII IV−II IV切断線で切断した断面を示す断面図。 共振周波数を微細に制御することが可能な可変共振器の実施例21を示す図。 この発明による5GHz帯2-pole帯域通過型可変フィルタを示す図。 図26に示した可変フィルタの周波数特性を電磁界シミュレーションによって求めた図。 実施例1をコプレーナ線路形式で実現したものを示す図。 結合部の組み合わせが自由に行なえることを示す図。 特許文献1に示された中心周波数と帯域幅の双方を可変制御出来るようにしたフィルタを示す図。 共振器を集中定数素子で構成したこの発明の可変フィルタの実施例を示す図。

Claims (15)

  1. 誘電体基板上に形成された入出力線路と、
    上記入出力線路に沿って接続され、共振周波数が変化可能な1個以上の共振器と、
    各共振器に対し、それぞれ上記入出力線路の一端側にずらされてその入出力線路に形成された空隙と、その空隙内に上記入出力線路の延長方向に配列された1個以上の結合電極を備える第1結合部と、
    上記入出力線路の最も他端側の共振器に対し、上記入出力線路の他端側にずらされて、その入出力線路に形成された空隙と、その空隙内に上記入出力線路の延長方向に配列された1個以上の結合電極とを備えた第2結合部と、
    上記第1、第2結合部の結合電極を選択的に接地させ、又は及び結合電極間或いは結合電極と入出力線路間を選択的に短絡させるスイッチ手段と、
    上記スイッチ手段に連動して上記共振器の共振周波数を可変とする共振周波数可変手段と、
    を具備したことを特徴とする可変フィルタ。
  2. 請求項1に記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の上記結合電極の入出力線路の幅方向の長さが、入出力線路幅よりも大であることを特徴とする可変フィルタ。
  3. 請求項1に記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個は結合電極が複数個で、入出力線路延長方向において各結合電極は、一部が互いに対向して配列されていることを特徴とする可変フィルタ。
  4. 請求項1又は2に記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個の隣接結合電極又は、及び結合電極と入出力電極の互いに対向する部分が、互いに噛み合った櫛歯状であることを特徴とする可変フィルタ。
  5. 請求項1又は2又は4に記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個は結合電極が入出力線路の線路幅方向において2分割され、上記2分割された結合電極のそれぞれに上記スイッチ手段が設けられていることを特徴とする可変フィルタ。
  6. 請求項5に記載の可変フィルタにおいて、
    上記2分割された結合電極の一方と他方は、結合電極の数又は、及び結合電極の大きさが互いに異なっていることを特徴とする可変フィルタ。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個が、上記入出力線路と結合し、且つ複数の結合電極と結合しているオフセット結合部であることを特徴とする可変フィルタ。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の可変フィルタにおいて、
    上記結合部の少なくとも1個と対向する上記入出力線路の端部が所定の長さ拡幅されていることを特徴とする可変フィルタ。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個は、その結合電極が上記入出力線路の厚みよりも厚い3次元構造体であることを特徴とする可変フィルタ。
  10. 請求項1乃至8の何れかに記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個は、その結合電極の少なくとも1個と対向結合し、入出力線路形成面に対し間隔を置いて上記オフセット結合部が上記誘電体基板に埋め込まれて設けられ、上記オフセット結合部の一端と入出力線路とが接続導体で接続されていることを特徴とする可変フィルタ。
  11. 請求項1乃至8の何れかに記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個は、その結合電極の少なくとも1個と対向結合し、入出力線路形成面に対し間隔を置いて上記オフセット結合部が入出力線路に対し、上記誘電体基板と反対側に間隔を保って設けられ、上記オフセット結合部の一端と入出力線路とが接続導体で接続されていることを特徴とする可変フィルタ。
  12. 請求項10又は11に記載の可変フィルタにおいて、
    上記結合電極は上記誘電体基板と垂直方向に延長され、上記垂直方向に延長された上記結合電極の延長部と対向結合する突出結合部が上記オフセット結合部に形成されていることを特徴とする可変フィルタ。
  13. 誘電体基板上に形成された入出力線路と、
    上記入出力線路に沿って接続され、共振周波数が変化可能な1個以上の共振器と、
    上記共振器に対し、それぞれ入出力線路の一端側にずらされて空隙が入出力線路に形成され、その空隙の両側の入出力線路の幅が広げられて拡幅部とされた第1結合部と、
    上記入出力線路の最も他端側の共振器に対し、上記入出力線路の他端側にずらされて、入出力線路に空隙が入出力線路に形成され、その空隙の両側の入出力線路の幅が広げられ拡幅部とされた第2結合部とを備え、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個は各拡幅部内に入出力線路の幅方向に延長された少なくとも1本のスリットが形成され、各スリットにその延長方向に延長した結合電極が配されたもの又は拡幅部間の空隙に少なくとも1個の結合電極が設けられたものであり、
    上記第1、第2結合部の結合電極を選択的に接地させ、又は、及び結合電極間或いは結合電極と入出力線路間を選択的に短絡させるスイッチ手段と、
    上記スイッチ手段に連動して上記共振器の共振周波数を可変とする共振周波数可変手段と、
    を具備したことを特徴とする可変フィルタ。
  14. 請求項13に記載の可変フィルタにおいて、
    上記第1、第2結合部の少なくとも1個はそれぞれ、請求項2乃至12の何れかに記載の結合部又はこれらの組み合わせであることを特徴とする可変フィルタ。
  15. 請求項1乃至14の何れかに記載の可変フィルタにおいて、
    上記共振器は共振線路長が変化可能な共振器であり共振線路の延長方向に沿って広げられた拡幅部を具備し、上記共振周波数可変手段が上記拡幅部の両端に設けられるスイッチであることを特徴とする可変フィルタ。
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